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JP2008163095A - エマルジョン型粘着剤および粘着シート - Google Patents

エマルジョン型粘着剤および粘着シート Download PDF

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JP2008163095A JP2006351708A JP2006351708A JP2008163095A JP 2008163095 A JP2008163095 A JP 2008163095A JP 2006351708 A JP2006351708 A JP 2006351708A JP 2006351708 A JP2006351708 A JP 2006351708A JP 2008163095 A JP2008163095 A JP 2008163095A
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Abstract

【課題】 低温環境下において、ポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フィルム等の難接着面に対しても良好な接着性を示し、且つ、再剥離時にはジッピングすることのない優れた再剥離性を有する粘着剤及び粘着シートを提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体成分として有するアクリル系共重合体を主たる構成成分とするエマルジョン型粘着剤であって、前記アクリル系共重合体と非相溶のゴム系粘着剤成分を含有することを特徴とするエマルジョン型粘着剤及び該粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シート。
【選択図】 なし

Description

低温環境下でも優れた接着性と再剥離性とを兼備する粘着剤、および粘着シートに関する。
一般に、粘着シートに適用される粘着剤としては、アクリル系の粘着剤が幅広く使用されている。しかし、食品包装等に用いられるポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フィルムでは、使用される防曇剤や静電防止剤などの影響もあり、アクリル系の粘着剤では充分な接着力が得られ難い問題があった。
これらの難接着面に対する接着性を向上させる手段として、ゴム系の粘着剤を使用する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかし、当該粘着剤を適用した粘着シートを、低温環境下にさらされる冷蔵・冷凍商品のラベル等に適用した場合には、再剥離を行う際、糊残りや基材の切断、層間破壊が生じる問題があった。
一方、再剥離性と接着性に優れた粘着剤として、損失正接等の特性値を一定の範囲とすることで、優れた接着性と再剥離性とを兼備するアクリル系の粘着剤が開示されている(特許文献2参照)。
該粘着剤を使用した粘着シートは、平滑面や凹凸面、あるいは湾曲面に対して優れた接着性を有すると共に、粘着シートの浮き剥がれ等が長期間発生することがなく、また、良好な再剥離性を有するものであるが、低温環境下での再剥離時における耐ジッピング性が十分ではなかった。ジッピングが発生した場合、剥離した粘着シートに幾重ものスジ状の外観不良が発生し、粘着シートを貼り直して再利用が行えない問題が発生する場合があった。更に、極度のジッピングが発生した場合、再剥離時に基材の切断や層間破壊が生じることもあり、低温環境下において、ジッピングすることなく剥がすことができる再剥離性の付与が望まれていた。また、ポリオレフィン系被着体等の難接着面に対する接着性の向上も求められていた。
特開平05−194916号公報 特開2006−265537号公報
本発明が解決しようとする課題は、低温環境下において、ポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フィルム等の難接着面に対しても良好な接着性を示し、且つ、再剥離時にはジッピングすることのない優れた再剥離性を有する粘着剤及び粘着シートを提供することにある。
本発明においては、通常各成分が均一化するよう構成される粘着剤組成において、アクリル系共重合体と、アクリル系共重合体と非相溶のゴム系粘着剤成分からなる粘着剤層を形成させることにより、低温環境下での優れた接着性と再剥離性とを兼備できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体成分として有するアクリル系共重合体を主たる構成成分とするエマルジョン型粘着剤であって、前記アクリル系共重合体と非相溶のゴム系ラテックスを含有することを特徴とするエマルジョン型粘着剤、及び前記粘着剤から構成される粘着シートを提供するものである。
本発明の粘着剤からなる粘着シートは、低温環境下において優れた接着性を発現すると同時に、基材が破れたり、ジッピングすることなくスムーズに再剥離することができる。そのため、本発明の粘着シートは、冷蔵・冷凍商品等、低温環境下で貼付し、且つ、必要に応じて剥がしたり、貼り直す必要がある粘着ラベルに好適である。
特に、スライスハムやベーコンなどの冷蔵・冷凍食品を、数パック重ねてまとめることを目的とする粘着ラベルでは、低温環境下にて貼付され、貼付位置がずれた場合に粘着ラベルを貼り直す作業が行われるため、本発明の粘着シートの適用が最適である。
(エマルジョン型粘着剤)
本発明のエマルジョン型粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体成分として有するアクリル系共重合体を主たる構成成分とし、当該アクリル系共重合体と非相溶のゴム成分を含有することを基本構成とする。ここで、非相溶とは乾燥後の粘着剤の動的粘弾性スペクトルの損失正接曲線において、アクリル系共重合体起因の凸ピークと、ゴム成分起因の凸ピークの両方を有する状態を指す。
一般に、アクリル成分では凝集力を確保し易く、ゴム成分では低温環境下での濡れ性を得やすい。しかし、両成分を相溶する状態で含有させた場合、凝集力と低温環境下での濡れ性を両立することが難しかった。本発明者は、各成分の特性を十分に発揮できる状態にするためには、両成分を非相溶の状態とすることが重要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
(エマルジョン型粘着剤の調整方法)
本発明のエマルジョン型粘着剤は、アクリル系共重合体が溶媒中に分散したアクリル系エマルジョンと、ゴム成分が溶媒中に分散したゴム系ラテックスとを混合することで調整でき、例えば、乳化重合したアクリル系エマルジョンに、ゴム系ラテックスを配合させた粘着剤溶液を調整する方法により容易に調整できる。使用する溶媒としては、水系媒体を使用でき、水であることが好ましい。ここで水系媒体とは、水、又は、水及び水と可溶な有機溶剤との混合溶媒をいう。
(粘着剤の動的粘弾性特性の規定方法)
本発明の粘着剤の動的粘弾性特性は、特定周波数、及び特定温度における、動的粘弾性スペクトルの損失正接、又は損失正接及び貯蔵弾性率により規定し、さらに、特定周波数における動的粘弾性スペクトルの損失正接のピークを示す温度、または損失正接のピーク値により規定する。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から130℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。試験片は厚み0.5〜2.5mmの粘着剤を単独で平行円盤の間に挟んでも良いが、基材と粘着剤の積層体を幾重にも重ねて平行円盤の間に挟んでも良い。なお、後者の場合は粘着剤のみの厚さが前記の範囲となるように調整する。粘着剤としての厚さを上記の範囲に調整すると、中間に基材が挟まっていても基材のない場合と同様に粘着剤の動的粘弾性スペクトルを測定できる。
(損失正接曲線の凸ピークと凸ピークを示す温度)
本発明の粘着剤は、その損失正接曲線において、アクリル系共重合体成分由来の凸ピークと、ゴム成分由来の凸ピークを有する。更に、アクリル系共重合体成分由来の凸ピークを示す温度は、周波数1Hzにおいて、−30℃〜−50℃であることが好ましく、−35℃〜−40℃であることがより好ましい。損失正接曲線において、2つの凸ピークを有することは、アクリル系共重合体成分とゴム成分が各々ドメインを形成していることを示し、それぞれの特性を発現し易い状況にある。即ち、主成分となるアクリル系共重合体成分にて、基本特性である接着性、凝集力、再剥離性を確保し、追加成分となるゴム成分にて、低温環境下での濡れ性、耐ジッピング性を付与するのである。尚、ゴム成分由来の凸ピークは、ゴム成分の配合量が少ない場合、アクリル系共重合体成分のように鋭い凸ピークが認められないこともあるが、ショルダーピークとして認められる程度であってもよい。本発明の粘着剤は、その損失正接曲線において、アクリル系共重合体成分由来の凸ピーク値が、1.2〜1.8であることが好ましい。
(粘着剤層の貯蔵弾性率)
本発明の再剥離用粘着シートを構成する粘着剤層は、その貯蔵弾性率が、周波数1Hz、−10℃〜10℃の範囲において、1.0×10〜1.0×10(Pa)であることが好ましい。
(エマルジョン型アクリル系共重合体)
本発明に使用するエマルジョン型アクリル系共重合体には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び所望により官能性単量体や他の単量体を用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは単独でもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、アクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とし、50重量%以上使用することが好ましい。更には、損失正接曲線にけるアクリル系共重合体成分由来の凸ピークを示す温度が、周波数1Hzにおいて、−30℃〜−50℃に入る範囲であれば、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルを併用することが好ましい。
また、官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルブチル、(メタ)3ヒドロキシルブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシルブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド類、(メタ)アクリル酸モノ又はジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノ又はジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノ又はジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノ又はジエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノ又はジアルキルアミノアルキル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、無水フタル酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独でもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、アクリル酸またはメタクリル酸を、0.5〜4.0重量%使用することが好ましく、0.8〜2.0重量%使用することがより好ましい。
さらに、その他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体などが挙げられる。これらは単独でもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのアクリル系単量体を水媒体中で、通常の公知乳化重合法によって共重合することにより、エマルジョン型アクリル系共重合体を得ることができる。
(ゴム系粘着剤成分)
本発明に使用するゴム粘着剤成分は、アクリル系共重合体と非相溶のゴム系粘着剤であればよく、例えば、天然ゴム、天然ゴムに(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、(メタ)アクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上の単量体をグラフト重合させた変性天然ゴムなどを使用できる。また、アクリル系共重合体と非相溶であれば合成ゴムであってもよく、合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ウレタンゴム等を使用できる。これらゴム系粘着剤をアクリル系共重合体中に非相溶状態で存在させることにより、低温下での好適な接着性や耐ジッピング性を実現できる。
当該ゴム系粘着剤成分は、アクリル系共重合体と好適に混合するためにゴム系ラテックスを使用することが好ましい。
中でも、天然ゴム系ラテックスが好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをグラフト化した天然ゴム系ラテックスがより好ましく、メタクリル酸メチルでグラフト化した天然ゴム系ラテックスが更に好ましい。また、天然ゴムとメタクリル酸メチルの割合は、重量比で85/15〜70/30であることが好ましい。
(粘着付与樹脂)
接着性を付与するために、慣用されている粘着付与剤を適宜選択して使用することができる。粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられる。中でも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂を使用することが好ましい。ロジン系樹脂としては、天然ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、不均化ロジン、不均化ロジンエステルが挙げられる。テルペン系樹脂としては、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系フィルム等の難接着面に対する接着性と低温環境下での貼付性を両立させるために、軟化点95℃〜130℃のロジン系樹脂を使用することが好ましい。また、配合量としては、アクリル系共重合体100重量部に対して3〜15重量部使用することが好ましい。
粘着付与樹脂は、乳化した状態で前記粘着剤溶液に配合しても良いし、アクリル系単量体を乳化重合する際に単量体に共存させた状態で配合しても良い。中でも、再剥離性向上を目的に、基材シートと粘着剤との密着性を向上させるため、テルペン系樹脂を共存させることが好ましい。
(架橋剤)
粘着剤の凝集力を上げ、粘着力又は再剥離性を向上させるために、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、1分子中にグリシジル基を少なくとも2個以上有するグリシジル化合物、1分子中にアジリジン基を少なくとも2個以上有するアジリジン化合物、1分子中にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物、1分子中にヒドラジド基を少なくとも2個以上有するヒドラジド化合物、または多価金属酢塩が挙げられる。
(組成比)
本発明の粘着剤に適用するゴム成分の配合割合は、アクリル系共重合体とロジン系粘着付与樹脂との総量に対するゴム系ラテックスの質量比が、5/100〜100/100であることが好ましく、5/100〜30/100であることがより好ましく、5/100〜15/100であることが一層好ましい。
(粘着シート)
本発明の粘着シートは、基材シートの一方の面に上記エマルジョン型粘着剤から溶媒を除去した粘着剤層を積層したものを基本構成とし、必要に応じて粘着剤層上に剥離シートを設ける。基材シートに積層する粘着剤層は、基材シートの一方の面の全面に積層しても良いし、一部でも良い。
また、粘着剤層と反対側の基材シートの表面に印刷を行っても良い。さらに、その印刷面を保護したり、意匠性や美観性を高めることを目的に、粘着剤層を介して、透明フィルムやマット調の半透明フィルムを印刷面に積層しても良い。
(粘着剤層の厚み)
本発明の粘着シートに適用する粘着剤層の厚みは、乾燥後の厚みで5〜100μmが好ましく、10〜50μmがさらに好ましく、10〜25μmが特に好ましい。上記下限値を下回る場合は、得られる粘着シートの接着性が不十分となり、上限値を超える場合は、印刷やダイカット加工時に粘着剤のはみ出しが発生し易くなる。
(粘着シートの製造方法)
本発明の粘着シートの製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の製造方法に準じて製造することができる。例えば、粘着剤溶液を剥離シートに塗工した後、乾燥させ、基材シートを貼り合わせる方法で得られる。また、粘着剤溶液を直接基材シートに塗工した後、乾燥させ、剥離シートを貼り合わせる方法でも製造することができる。更に、基材シートと粘着剤層の密着性を向上させるために、40℃〜100℃等の高温下で貼り合わせを行っても良い。本発明の再剥離用粘着シートは製造工程を選択することによりロール状、テープ状、あるいはシート状として製造できる。
(基材シートの材質)
本発明の粘着シートに適用する基材シートとしては、特に制限は無く、粘着シートに適用する基材シートとして慣用されているものから適宜選択して用いることができ、例えば、紙基材、合成紙基材、プラスチック基材などが用いられる。
紙基材としては、上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙等が挙げられ、更にこれらの紙にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙が挙げられる。
合成紙基材としては、熱可塑性樹脂と無機充填剤との組み合わせにより表層を紙化したものであり、この熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。
プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、各種オレフィン系共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物又は積層物からなるシートを挙げることができる。
一般に、ポリオレフィン系樹脂を2〜3層積層させた合成紙基材を用いた粘着シートは、低温環境下において再剥離された際に、層間破壊し易かったが、本発明の粘着剤は、低温環境下における耐ジッピング性、再剥離性を有するため、前記合成紙基材に適用した場合に非常に効果的である。
(基材シートの厚みと表面処理)
前記基材シートの厚さは、使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、通常10〜250μm、好ましくは25〜115μmの範囲である。
また、基材シートとしてプラスチック基材を用いる場合は、その片面又は両面に、その上に設けられる層との接着性を向上させる目的で、所望により、サンドブラストや溶剤処理等による凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等を施すことができる。また、プライマー処理を施すこともできる。特に、粘着剤を積層する側の基材表面に、コロナ処理やアンカーコート処理を施すことにより、粘着剤層が基材の表面から剥離し難くなり、本発明の粘着シートを被着体に貼着した後の再剥離性が向上し、被着体に粘着剤層が残留することを一層防止することができる。
(剥離シート)
本発明の粘着シートには、必要に応じて粘着剤層上に剥離シートを設けることができる。この剥離シートとしては、クラフト紙、グラシン紙及び上質紙等の紙、それらの紙にポリビニルアルコール等の合成樹脂もしくはクレー等を片面もしくは両面にコーティングした紙、又はそれらの紙にポリエチレン樹脂などを片面もしくは両面にラミネートした紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリプロピレン等のプラスチックフィルムに、フッソ樹脂やシリコーン樹脂等の剥離剤を片面もしくは両面にコーティングしたものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に限定されるものではないが、一般に20〜300μmの範囲である。
(粘着力)
本発明の粘着シートの粘着力は、ユポSGS110μm(ユポ・コーポレーション社製)に20μmの粘着剤を積層させた試験片を使用し、JIS Z 0237に準拠して、温度5℃の環境下、プライマーコート等の処理を施していないPETフィルムに対し、2kgローラーを圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で試験片を圧着し、1時間放置した後、180度方向に、引張り速さ300mm/min、及び5mm/minで引き剥がし、引張り速さ300mm/minにおいて8〜15N/25mmであり、引張り速さ5mm/minにおいて2〜6N/25mmであることが好ましい。
上記のとおり本発明のエマルジョン系粘着剤は、特性の異なる二成分の粘着剤を非相溶の状態で含有することにより、主としてアクリル系共重合体成分由来の優れた接着力や再剥離性を有し、低温下での接着力も良好なうえ、剥離の際のジッピングを低減できる粘着剤層を形成できる。当該粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シートは、低温環境下での再剥離作業に供される冷蔵・冷凍食品等のラベルとして好適に使用できる。
<実施例1>
(アクリル系エマルジョンの調整)
予め、アクリル酸2−エチルヘキシル64部、アクリル酸ブチル35部、アクリル酸1部、ラウリルメルカプタン0.02部からなる単量体混合物と、ラテムルS−180(花王社製)2部、脱イオン水40部を混合撹拌し、モノマープレエマルジョンを作成した。次に、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、ラテムルS−180を3部、脱イオン水40部を入れ、撹拌下、窒素を吹き込みながら、予め作成したモノマープレエマルジョン4部を添加し、反応容器温度を75℃に昇温させた。次に、脱イオン水で5%に希釈した過硫酸アンモニウム2部を添加し、反応容器温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン、及び5%に希釈した過硫酸アンモニウム3部を、各々別の滴下漏斗を使用して3時間かけて滴下し、同温度にて更に3時間重合せしめた。次に、反応容器を室温まで冷却し、10%のアンモニア水を用いてpHを8.5に調整した。得られた溶液100部に対して、レベリング剤としてサーフィノール420(エアー・プロダクツ・ジャパン社製)0.8部を添加した。更に、架橋剤として、オキサゾリン系架橋剤エポクロスK−2020E(日本触媒社製)をカルボキシル基含有モノマー(アクリル酸及びメタクリル酸)のカルボキシル基に対するオキサゾリン基がモル比で0.15倍となるように添加し、アクリル系エマルジョンを調整した。
(粘着剤溶液の調整)
得られたアクリル系エマルジョンに、エマルジョン型の粘着付与樹脂として、スーパーエステルE−720(荒川化学工業社製)を、固形分の重量比で、アクリル共重合体100部に対して粘着付与樹脂が5部となるように添加し混合する。更に、ゴム系ラテックスとして、MG−25(レヂテックス社製)を、固形分の重量比で、アクリル共重合体と粘着付与樹脂の総量100部に対して、10部となるように添加し混合し、粘着剤溶液を調整した。
(粘着シートの作成)
得られた粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが20μmとなるように、基材シート(ユポ・コーポレーション社製「ユポSGS110μm」)に塗工し、80℃で90秒間乾燥させた。次いで、この粘着剤層面上に剥離シート(王子製紙社製「OKB−105NC」)を貼り合わせ、40℃の雰囲気中で3日間放置し、粘着シートを作成した。
<比較例1>
粘着剤溶液の調整にて、ゴム系ラテックスを配合しないこと以外は、実施例1と同様として、粘着シートを作成した。
上記実施例1及び比較例1で得られた粘着シートにつき、以下の評価を行った。得られた結果を表1及び図1に示す。
(動的粘弾性の測定)
上記で得られた粘着シートを粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、平行円盤形の測定部に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から110℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。試験片は、各実施例及び比較例の粘着シートを複数枚重ねて、基材の厚さを除いた実質的な粘着剤の厚みが0.64mmとなるように積層させて作製した。
損失正接tanδ=G”/G’
(粘着力の測定)
JIS Z 0237に準拠して、温度5℃の環境下、プライマーコート等の処理を施していないPETフィルムに対し、2kgローラーを圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で試験片を圧着し、1時間放置した。次いで、引っ張り試験機(株式会社エーアンドディ製、RTA100)にて、180度方向に、引張り速さ300mm/min、及び5mm/minで引き剥がし粘着力を測定した。
(実用性能の評価)
前記粘着シートを、幅35mm、長さ140mmに切断した試験片を作成した。次いで、温度5℃の環境下にて、スライスハム商品(日本ハム社製「商品名:フレッシュ3ロースハム」)3パックの表面を横方向に半分ずらした状態にし、前記試験片を2kgローラーにて1往復圧着し、1日放置し、試験片の浮き剥がれを評価した。次いで、試験片を135度の方向に、20m/minの引っ張り速度で剥離し、ジッピングの状態、及び再剥離性を評価した。
(浮き剥がれの判定基準)
○:実用上問題のないレベルであった。
△:部分的に浮き剥がれが認められ、実用上問題のあるレベルであった。
×:明らかな浮き剥がれが認められ、実用上問題のあるレベルであった。
(ジッピングの判定基準)
○:実用上問題のないレベルであった。
△:明らかにジッピングが発生し、試験片に幾重もの線状の外観不良が発生し、貼り直すために再利用するには問題のあるレベルであった。
×:明らかにジッピングが発生し、試験片に幾重もの線状の外観不良が極端に発生し、貼り直すために再利用するには非常に問題のあるレベルであった。
(再剥離性の判定基準)
○:実用上問題のないレベルであった。
△:部分的に糊残りや基材の切断が認められ、実用上問題のあるレベルであった。
×:明らかに糊残りや基材の切断が認められ、実用上問題のあるレベルであった。
Figure 2008163095
実施例1及び比較例1で作成した粘着シートにおける粘着剤層の動的粘弾性スペクトルの損失正接曲線である。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体成分として有するアクリル系共重合体を主たる構成成分とするエマルジョン型粘着剤であって、
    前記アクリル系共重合体と非相溶のゴム系粘着剤成分を含有することを特徴とするエマルジョン型粘着剤。
  2. 乾燥後の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接曲線において−30℃〜−50℃に一のピーク値を有し、且つ、−10℃〜10℃における貯蔵弾性率が1.0×10〜1.0×10Paである請求項1に記載のエマルジョン型粘着剤。
  3. 前記ゴム系粘着剤成分が、天然ゴム、又は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、(メタ)アクリロニトリルから選ばれる少なくとも一種により変性された変性天然ゴムである請求項1又は2に記載のエマルジョン型粘着剤。
  4. 軟化点が95〜130℃のロジン系粘着付与樹脂を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のエマルジョン型粘着剤。
  5. 基材上に、請求項1〜4のいずれかに記載のエマルジョン型粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シート。
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