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JP2008163089A - 脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体、およびポリイミドフィルム - Google Patents

脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体、およびポリイミドフィルム Download PDF

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JP2008163089A
JP2008163089A JP2006351597A JP2006351597A JP2008163089A JP 2008163089 A JP2008163089 A JP 2008163089A JP 2006351597 A JP2006351597 A JP 2006351597A JP 2006351597 A JP2006351597 A JP 2006351597A JP 2008163089 A JP2008163089 A JP 2008163089A
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JP2006351597A
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Haruhiko Kusaka
晴彦 日下
Hiroko Takahashi
裕子 高橋
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】耐熱性が良好で有機溶媒に対する溶解性が高い、脂環式ポリエステルイミドと芳香族ポリイミドから構成される新規な共重合体を提供する。
【解決手段】上記一般式(1)で表される脂環式ポリエステルイミドと芳香族ポリイミドの共重合体。この脂環式ポリエステルイミドと芳香族ポリイミドの共重合体を成形してなるポリイミドフィルム。
Figure 2008163089

(式(1)中、Aは2価の基を示す。Xは2価の芳香族基を示す。Yは芳香族基を示す。sおよびtは、各々独立に0、1、又は2を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体に係り、特に、耐熱性、有機溶媒に対する溶解性を任意に調整することが可能であり、耐熱性と成形加工性を制御することができる脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体に関する。本発明はまたこの脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体を成形してなるポリイミドフィルムに関する。
なお、ここでいう脂環式ポリエステルイミド単位とは、脂環式テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリイミドの最小の構成単位を、また芳香族ポリイミド単位とは芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリイミドの最小の構成単位をそれぞれ指すものとする。
ポリイミドは優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路用基板、テープオートメーションボンディング用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜等、様々な電子デバイスに現在広く利用されている。ポリイミドはまた製造方法の簡便さ、高い膜純度、物性改良のしやすさの点で、非常に有用な材料であり、近年様々な用途毎に適した機能性ポリイミドの材料設計がなされている。
多くのポリイミドは有機溶媒に不溶で、ガラス転位温度以上でも溶融しないため、ポリイミドそのものを成型加工することは通常容易ではない。そのため、ポリイミドは一般に、無水ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンとをジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中で等モル反応させて、先ず高重合度のポリイミド前駆体を重合し、この溶液を膜などに成形し、250℃から350℃程度の温度をかけて加熱し、脱水閉環(イミド化)して製膜される。
ポリイミド/金属基板積層体をイミド化温度から室温へ冷却する過程で発生する熱応力はしばしばカーリング、膜の剥離、割れ等の深刻な問題を引き起こす。最近では電子回路の高密度化に伴い、多層配線基板が採用されるようになってきたが、たとえ膜の剥離や割れにまで至らなくても、多層基板における応力の残留はデバイスの信頼性を著しく低下させる。このため、熱応力を低減することも検討されているが、これら熱応力の低い樹脂は溶媒に対する溶解性が低く操作性が悪いという問題がある。
一方、ポリイミドが有機溶媒に可溶である場合、熱イミド化工程を必要としないため、金属基板上にポリイミドの有機溶媒溶液(ワニス)を塗布後、熱イミド化温度よりずっと低い温度で溶媒を蒸発・乾燥するだけでよく、金属基板/絶縁膜積層体における熱応力を低減することが可能である。しかしながら、有機溶媒に可溶で実用化されたポリイミドはごく限られており、多様な物性を持つポリイミドで溶媒に可溶なものの開発が待ち望まれている。
本発明は、上記従来の芳香族ポリイミドの問題点を解決し、耐熱性が良好で有機溶媒に対する溶解性が高い、脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位から構成される新規な共重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体とすることにより、芳香族ポリイミド成分の耐熱性と脂環式ポリエステルイミド成分の有機溶媒に対する溶解性とを兼備するポリイミド樹脂が得られること、更には、この脂環式ポリエステルイミド成分と芳香族ポリイミド成分との割合を調整することにより、耐熱性と有機溶媒に対する溶解性を制御することができ、所望の特性を有するイミド樹脂が得られることを見出した。
本発明は、上記知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 上記一般式(1)で表される脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体。
Figure 2008163089
(式(1)中、Aは2価の基を示す。Xは2価の芳香族基を示す。Yは芳香族基を示す。sおよびtは、各々独立に0、1、又は2を表す。)
[2] 一般式(1)で表されるm:nのモル比が1:20〜20:1であることを特徴とする[1]に記載の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを含む共重合体。
[3] [1]又は[2]に記載される脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位を含む共重合体を成形してなるポリイミドフィルム。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、脂環式ポリエステルイミド成分と芳香族ポリイミド成分との共重合体であるため、脂環式ポリエステルイミド成分の有機溶媒に対する溶解性と、芳香族ポリイミド成分の耐熱性とを兼備するイミド樹脂を得ることができる。
また、脂環式ポリエステルイミド成分の割合を多くしてガラス転位点を下げて有機溶媒に対する溶解性を高めて成形加工性を良好なものとしたり、脂環式ポリエステルイミド成分の割合を少なく芳香族ポリイミド成分の割合を多くして耐熱性の高いものとすることも可能であり、共重合成分の成分比により、得られるイミド樹脂の物性を任意に調整することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、下記一般式(1)で表されるものである。好ましくは、脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位から構成される共重合体である。
Figure 2008163089
(式(1)中、Aは2価の基を示す。Xは2価の芳香族基を示す。Yは芳香族基を示す。sおよびtは、各々独立に0、1、又は2を表す。)
一般式(1)において、脂環式ポリエステルイミド成分に含まれるAの構造としては、2箇所で上記構造を形成するようにカルボキシ基と結合していればよく特に構造上の制限はない。
この2価の基の中でも、好ましいものとしては、環状構造を有する基である。環状構造を有する構造とは、Aに芳香族基を含むもの又は脂環構造を含むものをさす。Aに環状構造があるとイミド樹脂とした時の機械特性の向上および、寸法安定性の向上がもたらされる。また、脂環構造を含む場合には中程度の耐熱性を維持しつつ、UV領域の光吸収を低減させることができる、という特徴も得ることができる。具体的な構造として例を挙げると、芳香族基としてはいずれも2価の基であるフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニル基、メチレンジフェニル基、イソプロピリデンジフェニル基、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)基などが上げられ、脂環構造としては、シクロヘキシレン基、シクロヘキサンジメチレン基、デカヒドロナフチレン基等が挙げられる。さらにこれらの基同士が、あるいは他の基と連結基で複数結合された構造となっていてもかまわない。ここで適用可能な連結基の具体的な例としては、メチレン基(−CH−)、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(O)O−)、ケト基(−C(O)−)、スルホニル基(−SO−)、スルフィニル基(−SO−)、スルフェニル基(−S−)、9,9−フルオレニリデン基などを挙げることができる。なお、上記した2価の環状構造を含む基に関しては、特にその置換位置は問わない。例えばフェニレン基であれば1,4−位で置換すると−A−の構造が直線となるため寸法安定性が向上し、線膨張係数が小さくなることが期待され好ましい。一方、フェニレン基において1,3−位で置換した場合には、−A−構造が屈曲するため溶媒に対する溶解性の向上が期待されるので好ましい。従って、置換位置については、必要とされる物性に応じて適宜ふさわしい構造のAを選択することが好ましい。
更に好ましい構造としては、Aが芳香族基を含む基である。芳香族基が含有されるとイミド樹脂としたときの機械特性および、寸法安定性が一層向上する上に屈折率の向上も達成される。芳香族基の具体的なものとしては、上記したものが適用可能であるが、中でもフェニレン基、ビフェニレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニル基、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)基等がより剛直な構造を持つ点で特に好ましい。さらには、フェニレン基、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニル基、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)基が原料の入手性、得られる樹脂の物性が良好な点で好ましい。
s,tは各々独立に0、1又は2を表すが、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
具体的な脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造としては、例えば、次の式群(Z)のようなものが挙げられるが、もちろん上記したように−A−およびnの組み合わせで自由にその構造を設計することは可能である。
<(Z)群>
Figure 2008163089
一方、一般式(1)において、芳香族ポリイミド単位に含まれるYは、4価の芳香族基であり、本発明の共重合体を製造する際に用いられる芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来するものであり、このYを含む芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、次のようなものが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物等のように芳香族基1つから構成される酸二無水物、3,3‘−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’、3,4‘−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等のように2つの芳香族酸無水物構造により構成される芳香族酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などのようにナフタレン環を含む酸二無水物等が挙げられる。
Yを含む芳香族テトラカルボン酸二無水物として好ましくは、これらのうち入手が容易であるという点、さらには得られるポリイミドの物性が優れるという意味で、ピロメリット酸二無水物、3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、等である。
Xは、2価の芳香族基であり、本発明の共重合体を製造する際に用いられるジアミンに由来するものであり、このジアミンとしては、次のようなものが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、3,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、2,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、3,3’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビストリフルオロメチル−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス(フッ素化アルキル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス (フツ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミノジフェニル、ジフェニル−,4’−ジアミノジフェニル、4,4’ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビナフチルアミン、o−、m−、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノジュレン、ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジアルキル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフエニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフエニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス (3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス (4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキジ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル〉ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2一ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド等が例示でき、これらを2種以上併用することもできる。
脂肪族ジアミンとしては例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
さらには、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどのシロキサン基含有のジアミンも使用することができる。
これらジアミンの中でも芳香族ジアミンとしては、o−、m−、p−フェニレンジアミンなどの単核のフェニレンジアミン化合物、4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフエニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニル化合物が好ましく、中でも入手の容易性や得られる樹脂の物性が良好なことから、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルがより好ましい。脂肪族ジアミンとしては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミンが環構造を有し入手も容易なのでより好ましく、さらには、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンが得られる樹脂の物性が良好なことからより好ましい。
一般式(1)において、脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位との比率を示すm:nのモル比には特に制限はなく、例えば1:20〜20:1の幅広い範囲で設定することができる。特に、得られる共重合体についてガラス転位点が低く、有機溶媒に優れ、成形加工性に優れたものが要求される場合には、脂環式ポリエステルイミド部分を多く、n:mのモル比は1:15〜15:1、特に10:1〜1:10の範囲とすることが好ましく、ガラス転位点が高く耐熱性が維持されることが要求される場合には、芳香族ポリイミド部分を多くして、n:mのモル比は10:10〜1:19、特に4:6〜1:9の範囲とすることが好ましい。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、脂環式ポリエステルイミド成分に対応する脂環式テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ポリイミド成分に対応する芳香族テトラカルボン酸二無水物と、上述のジアミンとを反応させて共重合前駆体(共重合アミック酸 とも称する)とした後、イミド化することにより得ることができる。この際の試剤の添加の方法は得られるポリイミドの鎖状構造に影響を与えるので、求める物性に応じて選択する必要がある。例えば、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物をあらかじめ反応器内で混合しておき、これにジアミンを添加する方法、脂環式テトラカルボン酸二無水物を反応器に仕込んでおきこれに脂環式テトラカルボン酸二無水物と同量のジアミンを添加、さらに芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加した後に芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加する方法、およびこの方法で脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物の添加順を逆にした方法、あるいは、ジアミンを先に反応器に仕込んでおきこれに脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物の混合物を添加する方法、および、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物をこの順で逐次に添加する方法、および逆順で添加する方法などである。もちろん、ここに例示した以外の添加方法も必要に応じて採用可能である。
なお、ここで記載した脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物およびジアミンは、それぞれの成分に分類される化合物1種を単独で用いても良いしあるいは2種以上を併用しても良い。併用した場合の試剤の添加方法についても特に制限があるものではなく、自由にその添加方法を選択することができる。
脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物との合計とジアミンの比率は、モル比で1:0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様にこのモル比が1:1に近いほど得られるポリアミド酸の分子量は大きくなる。ここで脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物との使用割合を適宜調整することにより、一般式(1)におけるm:n比を制御することができる。
反応温度は、低すぎると試剤の溶解性が低下することと十分な反応速度が得られないこと、高すぎると反応の進行をコントロールしにくくなることから好ましくない。通常、下限が−20℃、好ましくは−10℃、さらに好ましくは0℃、上限が150℃、好ましくは100℃、さらに好ましくは60℃が採用される。
反応時間は特に制限なく採用できるが十分な試剤の変換率を達成するためには、下限が10分、好ましくは30分、さらに好ましくは1時間、上限は特に制限はないが反応が終了すれば必要以上に反応時間を延ばす必要はない。例えば、100時間、好ましくは50
時間、さらに好ましくは30時間が採用される。
重合反応は、溶媒を用いて行う。この際使用される溶媒としては、原料モノマーであるジアミンとテトラカルボン酸二無水物類が溶媒と反応せず、且つこれら原料が溶解する溶媒であれば問題はなく、特にその構造は限定されない。具体的に例示するならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、カプロラクタム等のラクタム溶媒、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノ−ル、4−クロロフェノ−ル、4−メトキシフェノール、2,6−ジメチルフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレアなどが好ましく採用される.さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフエノ−ル、o−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒なども添加して使用できる。中でも原料の溶解性が高いことからN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、原料であるテトラカルボン酸二無水物類とジアミンの総量の重量濃度が以下の範囲に入るような量の溶媒が使用されるのが好ましい。すなわち濃度は、0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、上限は特に制限はないものの、テトラカルボン酸二無水物類の溶解性の観点から、80重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下が採用される。このテトラカルボン酸二無水物類の濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液を得ることができる。目的とするポリエステルイミドに膜靭性を付与するためには、ポリエステルイミド前駆体の重合度はできるだけ高いことが好ましく、上記濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の十分な重合度が得られず、最終的に得られるポリイミド膜が脆弱になる恐れがあり好ましくない。ジアミンとして脂環式ジアミンを用いた場合、より高濃度では形成された塩が溶解、消失するまでに長い重合時間を必要とし、生産性の低下を招く恐れがある。
必要に応じて前駆体の製造の際に無機塩類を触媒として用いても良い。この際に用いられる無機塩類としては、たとえばLiCl、NaCl、LiBrなどのハロゲン化アルカリ金属塩、CaCl2などのハロゲン化アルカリ土類金属、ZnCl2などのハロゲン化金属類が挙げられる。これらのうち、LiCl、CaCl2、ZnCl2などの金属の塩化物が特に好ましい。
反応は、進行中攪拌しながら行うのが好ましい。
こうして得られる脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む前駆体の固有粘度は、特に限定されるものではないが、好ましい固有粘度としては、下限が0.3dL/g、好ましくは0.5dL/g、さらに好ましくは、0.7dL/gである。一方、上限は、5.0dL/gであり、好ましく3.0dL/gであり、より好ましくは2.0dL/gである。
脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合前駆体から合成し、その方法としては、加熱イミド化法および化学イミド化法がある。ただし、本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の製造方法は、以下に記載される製法に特に制限されることはない。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、上記の方法で得られた脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体前駆体を環化イミド化反応させることで製造することができる。
この際脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の製造可能な形態は、フィルム、粉末、成型体および溶液である。
脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体のフィルムは、例えば以下の様にして製造を行うことができる。まず、該脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体前駆体の重合溶液(ワニス)をガラス、銅、アルミニウム、シリコン、石英板、ステンレス板、カプトンフィルム等の基板上に流延して塗布する。塗布の方法としては、前述のようにして得られた脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体前駆体溶液を、上記した基板上に滴下し高さを固定した支持体などの上をなぞり溶液を伸ばすことにより均一な高さに塗布することができる。この際、ドクターブレードなどの機器を使用して行ってもかまわない。またこの他の塗布方法としては、スピンコート法、印刷法、インクジェット法など、溶液を所定の厚みで塗布できる手法であれば制限なく採用できる。
こうして塗布された塗膜には、溶媒が含まれているので、次に乾燥する。その際に採用される乾燥の温度は、通常下限が20℃、好ましくは40℃、さらに好ましくは、60℃である。一方、上限は、200℃、好ましくは150℃、さらに好ましくは100℃である。
乾燥の時間は、溶媒がある程度除去されるならば特に制限なく採用できるが、下限が10分、好ましくは30分、さらに好ましくは1時間、上限は特に制限はないが、50時間、好ましくは30時間、さらに好ましくは10時間が採用される。
乾燥は減圧下に行っても良い。その際に採用される減圧度は、通常0.05MPa以下、好ましくは0.01MPa以下、さらに好ましくは0.001MPa以下である。
こうして得られた乾燥された脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合前駆体フィルムを基板上で真空中、窒素等の不活性ガス中、あるいは空気中高温度加熱してイミド化する。この方法を加熱イミド化と言う。
この時採用される温度は、下限が180℃、好ましくは200℃、さらに好ましくは250℃である。一方、上限は500℃、好ましくは400℃、さらに好ましくは350℃で加熱する。加熱温度は180℃以下であると環化イミド化反応の環化反応が不完全であったりするため好ましくなく、また高すぎると生成した脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体フィルムが熱分解着色したりする可能性があるため好ましくない。またイミド化は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化反応の温度が高すぎなければ空気中で行っても差し支えはない。加熱イミド化を減圧下に行う場合に採用される減圧度は、通常0.05MPa以下、好ましくは0.01MPa以下、さらに好ましくは0.001MPa以下である。
加熱時間は環化イミド化が十分に進行する時間が採用されるが、通常、下限が5分、好ましくは10分、さらに好ましくは20分、上限は特に制限はないが、20時間、好ましくは10時間、さらに好ましくは5時間が採用される。
こうして得られる本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体のフィルムの厚みは、塗布する溶液の厚みを変えることにより自由に制御することができる。具体的なフィルムの厚みは、下限が通常0.1μm、好ましくは1μm、さらに好ましくは5μm、上限は通常1000μm、好ましくは700μm、さらに好ましくは500μmである。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の前駆体を化学イミド化すると、本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体を溶液として得ることができ、さらに共重合体が溶解しない溶媒で処理することにより、共重合体の粉末を得ることができる。この粉末からさまざまな形態に変換することができる。
化学イミド化において採用できる方法は、通常一般に用いられる手法であれば任意の方法を採用することができる。例えば、前駆体を脱水試薬と塩基性物質で処理することにより行う。
脱水試薬として使用可能なものの例としては、無水酢酸、やトリフルオロ無水酢酸などの低級カルボン酸の酸無水物や、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族ジカルボン酸の無水物、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのアルキルカルボジイミドなどが挙げられる。その使用量は、前駆体に含まれるアミド酸基のモル数に対して通常下限が1.0モル倍、好ましくは2.0モル倍、さらに好ましくは4.0モル倍であり、上限は特に制限はないが、通常は50モル倍、好ましくは30モル倍、さらに好ましくは20モル倍である。脱水試薬が少なすぎると反応の進行が遅くなり、多すぎると目的物中に残存してしまう、という問題を生ずる。
一方、使用可能な塩基性物質の例としては特に限定されないが、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等の有機3級アミン類、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機の塩基性物質を用いることができる。中でもピリジンや、トリエチルアミンは安価に入手できる点や液体で溶解性に富むため反応操作が容易になる、という点で好ましい。
こうして得られた化学イミド化生成物の反応溶液は、共重合体が溶解しない溶媒で処理することにより、共重合体の粉末として取得することができる。この際に使用可能な共重合体が溶解しない溶媒としては特に限定されないが、水、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼンなどを挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させた特定重合体は濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱乾燥して粉末とすることが出来る。
また、粉末とした重合物を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合物中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として例えばアルコール類、ケトン類、炭化水素など3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
こうして得られた粉末の共重合体は、再び溶媒に溶解させることで溶液(ワニス)とすることができる。
その際に使用可能な溶媒としては、本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の前駆体を合成する際に用いた溶媒が使用できる。
さらにこれに加え、塗膜均一性向上を目的として、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する溶媒も用いることができる。これら溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いても良い。
このようにして得られた脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体のイミド溶液(ワニス)は、各種材料のコーティング材として製膜用、被膜用として使用することができ、フィルム化することができる。こうして得られるフィルムの厚みは、熱イミド化で製造したフィルムと同様で上記した通りである。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、高い溶媒溶解性を示す。共重合体を溶解させることのできる溶媒の例としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等を上げることができる。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体のガラス転位点Tg(℃)は、通常下限が130℃、好ましくは140℃、さらに好ましくは150℃であり、上限は通常250℃、好ましくは240℃、さらに好ましくは230℃の範囲内であり、成形加工性に優れる。
耐熱性を表す別の指標としての5%重量減少温度は、不活性ガス雰囲気では通常250℃以上、好ましくは300℃以上、さらに好ましくは350℃以上、空気雰囲気では、通常220℃以上、好ましくは300℃以上、さらに好ましくは350℃以上である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の鉛筆硬度(JIS−K5400)は、通常B〜7Hの範囲内であり、好ましくはH〜4Hの範囲内である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の屈折率は、上限が通常1.75、好ましくは1.70、さらに好ましくは0.68、下限が1.50、好ましくは1.53、さらに好ましくは1.55である。なお、樹脂中にフッ素原子を導入すると屈折率が低下することはよく知られているが、本発明の重合物にもフッ素原子を導入すると屈折率は下がり、その場合の屈折率は、通常上限が1.65、好ましくは1.63、さらに好ましくは1.60であり、下限は通常1.45、好ましくは1.48、さらに好ましくは1.50である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の1MHzにおける誘電率は通常4.0以下であり、好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.3以下である。また、樹脂中にフッ素原子を導入すると誘電率が低下することはよく知られているが、本発明の重合物にもフッ素原子を導入すると誘電率は下がり、その場合の誘電率は、通常3.5以下、好ましくは。3.3以下、さらに好ましくは3.0以下となる。さらに、1〜20GHzの範囲において誘電正接についても周波数依存性が低く、0.005〜0.020の範囲でほぼ一定の値を示すという特徴も有しており、極めて優れた高周波特性を持つ。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体中に含まれる異物粒子の量は通常、投影面積円相当径が5〜20μmである不溶性微粒体としては、前述の如く、重合物1g当り5000個以下であり、好ましくは3000個以下、さらに好ましくは1000個以下である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の25℃の水に24時間浸漬した際の吸水率は、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体の線熱膨張率は、通常100ppm/K以下、好ましくは50ppm/K以下、さらに好ましくは30ppm/Kである。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、溶剤に対して高い溶解性を示す。特に上記したポリイミド前駆体を合成する際に用いた溶媒にはよく溶解し、容易に溶液とすることができる。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体は、上記したフィルムとした時、しなやかで折り曲げることができ、元に戻した時には平らなフィルムに戻るという高い復元性がある特徴を持つ。通常、本発明の脂環式ポリエステルイミドと芳香族ポリイミドの共重合体のフィルムは、180°の折り曲げを行っても割れることのない柔軟性に優れたものとして製造することも可能である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体をフィルムとした時の引っ張り強度は、通常10MPa以上、好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは50MPa以上である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体をフィルムとした時の引っ張り弾性率は、通常0.1GPa以上、好ましくは0.5GPa以上、さらに好ましくは1.0GPa以上である。
本発明の脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体をフィルムとした時の引っ張り伸びは、通常下限が0.1%、好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%、上限は、通常100%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、ポリエステルイミド前駆体の固有粘度、ポリエステルイミドのガラス転位点およびNMRスペクトルの測定方法は次の通りである。
<固有粘度>
0.5重量%のポリエステルイミド前駆体溶液について、ウベローデ粘度計を用いて30℃で測定した。
<ガラス転位点>
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製示差走査熱量分析装置(DSC6220)を用い、窒素気流下、昇温速度10℃/min.の条件でDSC測定を行い、ガラス転位温度を求めた。
<プロトンNMRスペクトル>
生成物を重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、プロトン(H)の共鳴周波数400MHzNMR分光計を用いて測定した。
また、ポリエステルイミドの製造に用いた各化合物の略号は次の通りである。
BPDA;3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA;無水ピロメリット酸
DMAc;N,N−ジメチルアセトアミド
ODA;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PDA;p−フェニレンジアミン
[合成例1]ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステルの合成
窒素流通下、500mL四つ口フラスコ中に、ヒドロキノン13.81g(125mmol)およびピリジン20.24g(256mmol)をテトラヒドロフラン160mlに溶解し、氷浴で0℃に冷却した。この中に核水素化トリメリット酸無水物クロリド55.43g(256mmol)をテトラヒドロフラン110mLに溶解させたものを滴下した。滴下終了後、室温に戻して15時間反応した。反応後、析出した白色固体を濾別し、水40mlで4回洗浄して塩酸塩を除去した。これを120℃で真空乾燥してヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステルの粗体 47.8g(収率81.0%)を得た。
1Lの三つ口フラスコに、上記粗体23.9gと無水酢酸200mlと酢酸300mlを加え、140℃で溶解させた。これを室温で冷却し、析出した固体を濾別した後、150℃で真空乾燥し、下記構造の精製ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステルを13.7g得た。
Figure 2008163089
[実施例1]ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル/BPDA/ODA(仕込み比9:1:10)のポリイミド共重合体の製造
50mLの三つ口フラスコにODA0.499g(2.49mmol)とDMAc3.90gを加えて室温にて攪拌し、溶解させた。これを氷浴で冷却し、この中へ合成例1で得られた精製ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル1.06g(2.26mmol)を加え、そのまま30分攪拌した。室温に戻して、BPDA0.0742g(0.252mmol)を加えて、更にDMAc5.80gで希釈した後、24時間攪拌した。このポリイミド前駆体の固有粘度を測定したところ、1.34dL/gであった。その後、DMAc25mlを加えて約5重量%固形物濃度とし、無水酢酸7.5mlとピリジン3.7mlを加えて50℃で2時間反応し、一夜、室温で放置した。内容物を水200mlに投入し、析出物を濾別、メタノールで洗浄した後100℃で5時間真空乾燥し、1.39gのポリイミド粉末を得た。
合成したポリイミド粉末をDMAcに溶解して20重量%固形物濃度とし、ガラス板上に塗布した。このガラス板を80℃で1時間、200℃で1時間加熱することによりポリイミド膜を得た。このもののガラス転位点は177℃であり、DMAc、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の有機溶媒に室温で高い溶解性を示し、成形加工性が良好であることが確認された。
このポリイミド共重合体のDMSO(ジメチルスルホキシド)中で測定したNMRスペクトルを図1に示す。
[実施例2]ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル/PMDA/ODA(仕込み比9:1:10)のポリイミド共重合体の製造
50mLの三つ口フラスコにODA0.500g(2.49mmol)とDMAc3.92gを加えて室温にて攪拌し、溶解させた。これを氷浴で冷却し、この中へ合成例1で得られた精製ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル0.831g(1.76mmol)を加え、そのまま30分攪拌した。室温に戻して、PMDA0.165g(0.756mmol)を加えて、更にDMAc6.21gで希釈した後、6時間攪拌しポリアミド酸を合成した。このポリイミド前駆体の固有粘度は、1.40dL/gであった。
得られたポリアミド酸溶液の一部をガラス板上に塗布し、窒素雰囲気下、100℃、200℃、260℃で各々30分加熱することによりポリイミド膜を得た。このもののガラス転位点は196℃であった。
このポリイミド共重合体のDMSO(ジメチルスルホキシド)中で測定したNMRスペクトルを図2に示す。
[比較例1]ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル/ODA(仕込み比10:10)のポリイミドの製造
50mLの三つ口フラスコにODA0.801g(4.00mmol)とDMAc10.75gを加えて室温にて攪拌し、溶解させた。この中へ合成例1で得られた精製ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル1.88g(4.00mmol)を加え、そのまま1時間攪拌した。次にDMAc6.39gで希釈した後、引き続き16時間攪拌した。この脂環式ポリエステルイミド前駆体の固有粘度は1.99dL/gであり、極めて高重合体であった。その後、DMAc13.68gを加えて希釈し、無水酢酸5mlとピリジン2.5mlを加えて100℃で4時間反応した。冷却後、内容物をメタノール200mlに投入し、析出物を濾別、メタノールで洗浄した後100℃で5時間真空乾燥し、2.18gのポリエステルイミド粉末を得た。
このポリエステルイミド粉末をDMAcに溶解して20重量%固形物濃度とし、ガラス板上に塗布した。このガラス板を80℃で1時間、200℃で1時間加熱することによりポリイミド膜を得た。このもののガラス転位点は220℃であった。
[比較例2]ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル/PDA(仕込みモル比10:10)のポリイミドの製造
50mLの三つ口フラスコにPDA0.230g(2.12mmol)とDMAc3.04gを加えて室温にて攪拌し、溶解させた。この中へ合成例1で得られた精製ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル1.01g(2.14mmol)を加え、そのまま30分攪拌した。次にDMAc5.32gで希釈した後、引き続き22時間攪拌した。この脂環式ポリエステルイミド前駆体の固有粘度は1.86dL/gであり、極めて高重合体であった。
得られたポリアミド酸溶液の一部をガラス板上に塗布し、窒素雰囲気下、80℃で2時間乾燥した後、320℃で1時間加熱することによりポリエステルイミド膜を得た。このもののガラス転位点は229℃であった。
上記の実施例1、および2で製造されたポリイミド共重合体は、いずれもガラス転位点が200℃以下であり、比較例1および比較例2において芳香族カルボン酸二無水物を単独で用いた場合に比べて低い値となっていることから、押し出し成形などによる成形がより容易であると考えられる。
[実施例3]ヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル/PMDA/ODA(仕込み比 1:9:10)のポリイミド共重合体の製造
50mLの三つ口フラスコにODA 0.500g(2.49mmol)とDMAc 6.80gを加えて室温にて攪拌し、溶解させた。この中へヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステル0.118g(0.252mmol)とPMDA0.495g(2.27mmol)を加え、そのまま4時間攪拌してポリアミド酸を合成した。このポリイミド前駆体の固有粘度を測定したところ、4.01dL/gであった。
得られたポリアミド酸溶液にDMAc 2.82gを加えて希釈した後、この一部をガラス板上に塗布し、窒素雰囲気下、100℃、200℃、260℃で各々30分加熱することによりポリイミド膜を得た。このもののガラス転位点は327℃であり、従来の脂環式ポリエステルイミドだけのものより高かった。また、DMAc、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンには溶解せず、加工性に劣るものであった。
この実施例3はヒドロキノン水素化トリメリット酸ジエステルの仕込み量が少なく溶媒に対する溶解性は低下したものの、耐熱性が大きく向上した。
実施例1で得られたポリイミド共重合体のDMSO中で測定したNMRスペクトルチャートである。 実施例2で得られたポリイミド共重合体のDMSO中で測定したNMRスペクトルチャートである。

Claims (3)

  1. 上記一般式(1)で表される脂環式ポリエステルイミド単位と芳香族ポリイミド単位とを少なくとも含む共重合体。
    Figure 2008163089
    (式(1)中、Aは2価の基を示す。Xは2価の芳香族基を示す。Yは芳香族基を示す。sおよびtは、各々独立に0、1、又は2を表す。)
  2. 一般式(1)で表されるm:nのモル比が1:20〜20:1であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
  3. 請求項1又は2に記載される共重合体を成形してなるポリイミドフィルム。
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