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JP2008151018A - ロータリ式2段圧縮機 - Google Patents

ロータリ式2段圧縮機 Download PDF

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Hideaki Maeyama
英明 前山
Shinichi Takahashi
真一 高橋
Eiji Sakamoto
英司 坂本
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】高差圧、高速回転となる寒冷地用途においても、ベーンへの高価なコーティング等の手段を用いずにベーン先端摺動部の信頼性を確保できるロータリ式2段圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】密閉容器内に電動要素と、この電動要素により回転軸を介して駆動される、低段圧縮要素と高段圧縮要素とを有し、密閉容器内が中間圧となるロータリ式2段圧縮機において、高段圧縮要素に設けられ、背面に吐出圧力が作用し、少なくとも先端部に窒化処理が施された、径方向に摺動する高段ベーンを備え、ロータリ式2段圧縮機がヒートポンプ式給湯機に搭載されて、外気温が−10℃以下の寒冷地において運転される場合に、高段圧縮要素の高圧と中間圧との差圧×回転数(MPa・rps)が630以下となるように運転することを特徴とする。
【選択図】図9

Description

この発明は、密閉容器内に電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを設けたロータリ式2段圧縮機に関するものである。
近年、冷媒による地球環境破壊が問題視され、HFC冷媒(HFC134a、HFC125、HFC32、HFC143a等、及びこれらの混合冷媒)などの代替フロンやCO2、アンモニア、HC冷媒(ハイドロカーボン:イソブタン、プロパン、エタン等)などの自然冷媒が使用され始めている。
代替フロンや自然冷媒を用いたヒートポンプ式給湯機などの冷媒回路装置に適用する圧縮機、とりわけCO2冷媒用圧縮機では、作動圧力が高くなることから内部中間圧2段圧縮機が適用されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−89472号公報
しかしながら、前記特許文献1のような内部中間圧2段圧縮機では、2段圧縮方式を取ることにより、圧縮要素のベーン先端の摩耗耐力は広い範囲で確保することができるが、寒冷地対応においては、高圧縮比運転となり圧縮機の高段側の差圧が大きくなるため、高段側の圧縮要素のベーン先端摩耗耐力を確保し難くなるという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、高差圧、高速回転となる寒冷地用途においても、ベーンへの高価なコーティング等の手段を用いずにベーン先端摺動部の信頼性を確保できるロータリ式2段圧縮機を提供することを目的とする。
この発明に係るロータリ式2段圧縮機は、密閉容器内に電動要素と、この電動要素により回転軸を介して駆動される、低段圧縮要素と高段圧縮要素とを有し、密閉容器内が中間圧となるロータリ式2段圧縮機において、高段圧縮要素に設けられ、背面に吐出圧力が作用し、少なくとも先端部に窒化処理が施された、径方向に摺動する高段ベーンを備え、ロータリ式2段圧縮機がヒートポンプ式給湯機に搭載されて、外気温が−10℃以下の寒冷地において運転される場合に、高段圧縮要素の高圧と中間圧との差圧×回転数(MPa・rps)が630以下となるように運転することを特徴とする。
この発明に係るロータリ式2段圧縮機は、ヒートポンプ式給湯機に搭載されて、外気温が−10℃以下の寒冷地において運転される場合に、高段圧縮要素の高圧と中間圧との差圧×回転数(MPa・rps)が630以下となるように運転することにより、ベーンへの高価なコーティング等の手段を用いずにベーン先端摺動部の信頼性を確保できる。
実施の形態1.
図1乃至図11は実施の形態1を示す図で、図1はヒートポンプ式給湯機の給湯ユニット100の内部正面図、図2はヒートポンプ式給湯機の冷媒回路1及び水回路8を示す図、図3は圧縮機2の縦断面図、図4はヒートポンプ式給湯機の外気温と動作圧力との関係図、図5はヒートポンプ式給湯機の外気温と高段差圧及び低段差圧との関係図、図6はヒートポンプ式給湯機の外気温と回転数比との関係図、図7はヒートポンプ式給湯機の外気温と(高段差圧×回転数)との関係図、図8は高段圧縮要素12bの構成図、図9は高段圧縮要素12bに窒化ベーンを使用したときの高段ベーン19b先端摩耗速度を示す図、図10は高段ベーン19b先端摩耗速度と回転数との関係図、図11は圧縮機押しのけ量と給湯加熱能力との関係図である。
本実施の形態は、ヒートポンプ式給湯機のロータリ式2段圧縮機10に関するものであるが、先ずヒートポンプ式給湯機について簡単に触れる。
図1にヒートポンプ式給湯機の給湯ユニット100の一実施例を示す。ガスクーラ3(温水用熱交換器)が、中間ベース28より下の、ヒートポンプ式給湯機の給湯ユニット100の下部に設置される。
蒸発器5(空気用熱交換器)、及び送風機7(プロペラファン)を有する空気熱交換室24と、この空気熱交換室24の側部に設けられ、冷媒回路の圧縮機2、及びヒートポンプ式給湯機の給湯ユニット100の運転を制御する電気品26等を有する機械室27とを中間ベース28の上に設置している。
図2に示す冷媒回路1において、冷媒として臨界温度の低いCO冷媒を使用している。圧縮機2は、内蔵する同期電動機、誘導電動機等の電動機(図示せず)により駆動され、吸入冷媒を一般使用条件で臨界圧力以上まで圧縮し吐出する。ガスクーラ3は、圧縮機2より吐出された高圧のガス冷媒と、水回路8の給湯用水とを熱交換する。
ガスクーラ3を出た高圧低温の冷媒は、膨張弁4を通過して蒸発器5へ流入する。蒸発器5から流出した低圧冷媒は、圧縮機2へ戻る。
水回路8では、水循環用のポンプ9が、貯湯タンク(図示せず)と接続され、貯湯タンクの底部からガスクーラ3(水配管側)を通った後、貯湯タンクの天部に向けて水を循環させる。
圧縮機2は、ロータリ式2段圧縮機である。その構成を図3により説明する。密閉容器10a内に、電動要素11と、この電動要素11で回転軸18を介して駆動される圧縮要素12を設ける。電動要素11が密閉容器10a内の上部に、圧縮要素12が密閉容器10a内の下部に位置する。
圧縮要素12は、低段圧縮要素12aと、高段圧縮要素12bとで構成され、低段圧縮要素12aと高段圧縮要素12bとの間は、中間仕切板17で仕切られている。
低段圧縮要素12aは、低段シリンダ13a、低段軸受14a、低段シリンダ13aの圧縮室に連通する低段吸入管15aなどを備える。
低段圧縮要素12aでは、図示しない冷凍サイクルの低圧側に接続される低段吸入管15aから低圧の冷媒ガスを低段シリンダ13aに吸入し、回転式の圧縮機構部(公知のものであるから詳しい説明はしない)で圧縮し、密閉容器10a内に吐出する。従って、密閉容器10a内は中間圧になる。
中間圧の密閉容器1aから低段吐出管16aから一旦密閉容器10a外に出て、図示しない中間圧接続管を通って高段吸入管15bに入る。高段圧縮要素12bでは、低段圧縮要素12aと同じ回転式の圧縮機構により中間圧の冷媒ガスを高圧に圧縮し、高段吐出管16bから図示しない冷凍サイクルの高圧側に出る。
図4はヒートポンプ式給湯機の外気温と動作圧力との関係図である。図4の中間圧は、高段圧縮要素12bと低段圧縮要素12aとのストロークボリューム比が0.65の場合である。図4に示すように、外気温が低くなると、高段圧縮要素12bでの高圧と中間圧との差圧が大きくなる傾向があることが解る。低段圧縮要素12aの吐出圧(中間圧)は、高段圧縮要素12bと低段圧縮要素12aとの行程容積比(ストロークボリューム比)で決定されるので、圧縮比が大きくなると高段圧縮要素12bの圧縮比が一方的に拡大される。
図5に示すように、外気温が−10℃以下となる寒冷地用途では、高段圧縮要素12bの高圧と中間圧との差圧が大きくなり、例えば、6MPaを超える場合がある。
ヒートポンプ式給湯機では、給湯能力確保のため、外気温が低くなると、圧縮機2の回転数が高くなる傾向がある。図5は、外気温が20℃のときの回転数を基準として、外気温が変化したときの回転数比を示している。外気温が−10℃以下となる寒冷地用途では、回転数比が大きくなり、例えば、−10℃では、回転数比が1.5を超える。
一般的に、機械部品の摺動の厳しさはPV値で表される。ここで、
P:面圧(圧縮要素で言えば、高圧と低圧との差圧で代表される)
V:摺動速度(圧縮機2の回転数増加に伴い大きくなる)
この他に温度も影響がある。−10℃以下となる寒冷地用途では、吐出温度は高温となり、条件的にさらに厳しくなる。
機械部品の摺動の厳しさを表すPV値は、高段圧縮要素12bでは、高段差圧(高圧と中間圧との差)×回転数で代表される。図7は高段圧縮要素12bの高段差圧×回転数と外気温との関係図で、外気温が低くなるほど大きくなることを示している。特に、−10℃以下となる寒冷地用途では、急激に増大する。
図8は高段圧縮要素12bの構成図である。高段シリンダ13b内には、回転軸18の偏心部に嵌合した高段ローリングピストン20bと、背面に吐出圧力が作用し、径方向に摺動する高段ベーン19bとを備え、それらにより圧縮室を形成している。この高段圧縮要素12bの摺動部の中で、最も厳しい摺動条件になる部分は、高段ベーン19bの背圧が吐出圧力であるため、高段ベーン19b先端と高段ローリングピストン20bとの接触部である。
高段ベーン19bに窒化処理を行い、差圧(高圧と中間圧との差)×回転数(MPa・rps)と高段ベーン19b先端摩耗速度との関係を調べた。ここで、窒化処理とは、表面硬化熱処理の化学的表面硬化法で、鋼の表面から窒素を拡散侵入させ鋼の表面を硬くすることである。この窒化処理により高段ベーン19bの表面の硬さをマイクロビッカース硬さで1000〜1600とすることで、耐摩耗性が窒化未処理のものに比べて向上する。なおこの時の高段ベーン19b表面の窒化層は、0.02〜0.10mmである。
高段ベーン19bに窒化処理を行い、差圧(高圧と中間圧との差)×回転数(MPa・rps)と高段ベーン19b先端摩耗速度との関係を調べた結果を図9に示す。図9に示すように、差圧×回転数が630付近までは高段ベーン19b先端摩耗速度は大きな変化はないが、630付近を超えると急激に摩耗速度が増大することが解る。尚、高段ベーン19bに窒化処理は、少なくとも高段ベーン19bの先端に施せばよい。
差圧×回転数(MPa・rps)を630以下にする一つの方法が、外気温が−10℃以下となる条件において、圧縮機2の回転数を100rps以下にすることである。これは、図10に示すように、回転数が100rps付近より、急激に高段ベーン19b先端の摩耗が増加するからである。
図11は、回転数が100rpsでの圧縮機2の押しのけ量(cm)と、給湯加熱能力(KW)との関係を計算で求めた結果を示す。条件は、外気温が−20℃、体積効率85%で計算している。図11より、押しのけ量をV、加熱能力をQとすると、
押しのけ量V≒加熱能力Q×0.87 (1)
の関係があることが解る。
外気温が−10℃以下となる条件において、圧縮機2の回転数を100rps以下にすると、高段ベーン19b先端の摩耗を抑制できるが、ヒートポンプ式給湯機の能力が低下するので、圧縮機2の押しのけ量Vを大きくする。押しのけ量Vと加熱能力Qとは、(1)式の関係があるので、
押しのけ量V>加熱能力Q×0.87 (2)
となるように設定する。これにより、圧縮機2の回転数を100rps以下にしても、ヒートポンプ式給湯機の外気温が−10℃以下の寒冷地条件での加熱能力Qを確保できる。
ヒートポンプ式給湯機は電力を利用して沸き上げを行うので、通常、深夜電力を利用して深夜時間帯(23:00〜7:00)に沸き上げを行う。しかし、外気温が−10℃以下の寒冷地条件において、高段圧縮要素の高圧と中間圧との差圧×回転数(MPa・rps)を630以下で運転すると、この深夜時間帯で沸き上げが不十分の場合がある。この不足分は、深夜時間帯以外の運転で補う必要がある。また4:00〜6:00頃の未明から明け方にかけては外気温が極めて低いため、その時間帯の運転を避けるようにすれば、その避けた時間帯の分を補う必要もある。そこで、外気温が−10℃以下の寒冷地条件において、深夜時間帯(23:00〜7:00)以外の運転比率を20%以上とする。それにより、外気温が−10℃以下の寒冷地条件において、高段圧縮要素の高圧と中間圧との差圧×回転数(MPa・rps)を630以下で運転しても、沸き上げることができる。
以上のように、高段ベーン19bに窒化処理を行い、差圧(高圧と中間圧との差)×回転数(MPa・rps)を630以内となるように運転することにより、外気温が−10℃以下になる寒冷地においても、高価なコーティング等の手段を用いずに高段ベーン19b先端の摩耗を抑制できる。コーティングとは、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法、又はプラズマ化学蒸着法によって形成された金属化合物、或いはアモルファスカーボンである。
実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式給湯機の給湯ユニット100の内部正面図。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式給湯機の冷媒回路1及び水回路8を示す図。 実施の形態1を示す図で、圧縮機2の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式給湯機の外気温と動作圧力との関係図。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式給湯機の外気温と高段差圧及び低段差圧との関係図。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式給湯機の外気温と回転数比との関係図。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式給湯機の外気温と(高段差圧×回転数)との関係図。 実施の形態1を示す図で、高段圧縮要素12bの構成図。 実施の形態1を示す図で、高段圧縮要素12bに窒化ベーンを使用したときの高段ベーン19b先端摩耗速度を示す図内部中間圧2段圧縮機1の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、高段ベーン19b先端摩耗速度と回転数との関係図。 実施の形態1を示す図で、圧縮機押しのけ量と給湯加熱能力との関係図。
符号の説明
1 冷媒回路、2 圧縮機、3 ガスクーラ、4a 第1の膨張弁、4b 第2の膨張弁、5 蒸発器、6 内部熱交換器、7 送風機、8 水回路、9 ポンプ、10a 密閉容器、11 電動要素、12 圧縮要素、12a 低段圧縮要素、12b 高段圧縮要素、13a 低段シリンダ、13b 高段シリンダ、14a 低段軸受、14b 高段軸受、15a 低段吸入管、15b 高段吸入管、16a 低段吐出管、16b 高段吐出管、17 中間仕切板、18 回転軸、24 空気熱交換室、26 電気品、27 機械室、28 中間ベース、100 ヒートポンプ式給湯機の給湯ユニット。

Claims (4)

  1. 密閉容器内に電動要素と、この電動要素により回転軸を介して駆動される、低段圧縮要素と高段圧縮要素とを有し、前記密閉容器内が中間圧となるロータリ式2段圧縮機において、
    前記高段圧縮要素に設けられ、背面に吐出圧力が作用し、少なくとも先端部に窒化処理が施された、径方向に摺動する高段ベーンを備え、
    当該ロータリ式2段圧縮機がヒートポンプ式給湯機に搭載されて、外気温が−10℃以下の寒冷地において運転される場合に、前記高段圧縮要素の高圧と中間圧との差圧×回転数(MPa・rps)が630以下となるように運転することを特徴とするロータリ式2段圧縮機。
  2. 前記外気温が−10℃以下の条件において、回転数が100rps以下で運転することを特徴とする請求項1記載のロータリ式2段圧縮機。
  3. 前記低段圧縮要素と前記高段圧縮要素との合計の押しのけ量V(cm)は、ヒートポンプ式給湯機の外気温が−10℃以下の寒冷地条件での加熱能力Q(KW)に対し、
    押しのけ量V>加熱能力Q×0.87
    となるように設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロータリ式2段圧縮機。
  4. 前記外気温が−10℃以下の寒冷地条件において、深夜時間帯(23:00〜7:00)以外の運転比率を20%以上とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロータリ式2段圧縮機。
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