図1は、紙もしくは紙をベースとした基材10上に本発明の画像形成手段の1方法であるインクジェット原理(液滴噴射原理)によってパターンを形成する例を示している。図1(A)は、このような基材10上に端子2、3が形成されている状態を示し、図の点線部1′は後述のような配線パターン1が生成される領域である。図1(B)は、電気的機能発現材料として例えば微細な導電性微粒子を含有する液体を、インクジェット原理(液滴噴射原理)によって、直接噴射付与、描画して、配線パターン1を形成した例である。
ここで、電気的機能発現材料を含有した液体を付与する手段として本発明では、例えばインクジェットの技術が適用される。以下にその具体的方法を説明する。
図2は、本発明のパターン配線基材、あるいは電子デバイスを形成する製造装置の一実施例を説明するための図で、図中、11は噴射ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12はキャリッジ、13は基材保持台、14は配線基材や電子デバイス形成基材等の基材、あるいは電子デバイスを形成する基材、15は電気的機能発現材料を含有する液体の供給チューブ、16は信号供給ケーブル、17は噴射ヘッドコントロールボックス(液体タンク含む)、18はキャリッジ12のX方向スキャンモータ、19はキャリッジ12のY方向スキャンモータ、20はコンピュータ、21はコントロールボックス、22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)は基材位置決め/保持手段である。この場合は、基材保持台13に置かれた基材14の前面を噴射ヘッド11がキャリッジ走査により移動し、電気的機能発現材料を含有する液体を噴射付与する例である。
図3は本発明のパターン配線基材の製造、あるいは電子デバイス形成に適用される液滴付与装置の構成を示す概略図で、図4は図3の液滴付与装置の噴射ヘッドユニットの要部概略構成図である。
図3の構成は図2の構成と異なり、基材14側を移動させて配線パターン、あるいは電子デバイスを基材に形成するものである。図3及び図4において、31はヘッドアライメント制御機構、32は検出光学系、33は噴射ヘッド、34はヘッドアライメント微動機構、36は画像識別機構、37はXY方向走査機構、38は位置検出機構、39は位置補正制御機構、40は噴射ヘッド駆動・制御機構、41は光軸、42は素子電極、43は液滴、44は液滴着弾位置である。
噴射ヘッドユニット11の液滴付与装置(噴射ヘッド33)としては、任意の液滴を定量吐出できるものであればいかなる機構でも良く、特に0.1pl〜数100pl程度の液滴を形成できるインクジェット原理の機構が望ましい。
インクジェット方式としては、たとえば米国特許第3683212号明細書に開示されている方式(Zoltan方式)、米国特許第3747120号明細書に開示されている方式(Stemme方式)、米国特許第3946398号明細書に開示されている方式(Kyser方式)のようにピエゾ振動素子に、電気的信号を印加し、この電気的信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものがあり、通常、総称してドロップオンデマンド方式と呼ばれている。
他の方式として、米国特許第3596275号明細書、米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(Sweet方式)がある。これは連続振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を行うものであり、通常、連続流方式、あるいは荷電制御方式と呼ばれている。
さらに他の方式として、特公昭56−9429号公報に開示されている方式がある。これは液体中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力により微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものであり、サーマルインクジェット方式、あるいはバブルジェット(登録商標)方式と呼ばれている。
このように液滴を噴射する方式は、ドロップオンデマンド方式、連続流方式、サーマルインクジェット方式等あるが、必要に応じて適宜その方式を選べばよい。
本発明ではこのようなパターン配線基材、あるいは電子デバイスを形成する製造装置(図2)において、基材14はこの装置の基材位置決め/保持手段22によってその保持位置を調整して決められる。図2では簡略化しているが、基材位置決め/保持手段22は基材14の各辺に当接されるとともに、X方向およびそれに直交するY方向にサブミクロンオーダーで微調整できるようになっているとともに、噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、その位置決め情報および微調整変位情報等と、液滴付与の位置情報、タイミング等は、たえずフィードバックできるようになっている。
さらに本発明のパターン配線基材、あるいは電子デバイスを形成する製造装置では、X、Y方向の位置調整機構の他に図示しない(基材14の下に位置するために見えない)、回転位置調整機構を有している。これに関連して先に本発明のパターン配線基材、あるいは電子デバイス形成基材の形状および形成される電子デバイス群の配列等に関して説明する。
本発明のパターン配線基材、あるいは電子デバイス形成基材は、紙もしくは紙をベースとした基材が用いられる。また後述するが本発明では電気的機能発現材料を含有した液体をこの基材に付与してドットパターンを形成し、各種の電気的機能を発現するが、このようにして形成されるパターンは、基材の変形に追従できる。つまり、本発明のパターン配線シート、あるいは電子デバイス形成シートは紙もしくは紙をベースとした基材が用いられることにより軽量化が図られるのみならず可撓性も有するので、可搬性がよく、新規な需要が見込まれる。
ところでここで、本発明のパターン配線シート、あるいは電子デバイス、電子デバイスチップ、電子デバイスシート、電子デバイス形成シートについて、その定義をしておく。
本発明でいうパターン配線シートとは、紙もしくは紙をベースとした基材(シート)上に、電気回路パターンを形成したものであり、後述する手法で形成されるトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の各種電子素子や表示デバイス素子等とそれらをつなぐ導線パターンよりなるもの、あるいはその導線パターンのみの場合もあり得る。
また、電子デバイスとは、上記トランジスタ、抵抗、コンデンサ等の各種電子素子や表示デバイス素子等をさす。さらにICあるいはLSIのようにこれらを集積化して1つのチップ状にしたものも電子デバイスあるいは電子デバイスチップと呼んでいる。
電子デバイスシート、電子デバイス形成シートとは、上記電子デバイス、電子デバイスチップを複数個形成してなり、後でチップ状に分離される、いわゆるチップを量産して多数個取りするためのシートである。
次に、本発明のパターン配線シート、あるいは電子デバイス形成シートを製作するための基材について説明する。
本発明では基材として、紙もしくは紙をベースとした基材を使用する。
オーソドックスな紙の定義では“紙とは植物繊維を水中に懸濁させた後、水を漉して、薄く平らに絡み合わせたもの”であるが、要は草、木、竹等に代表される植物を分解して得られる繊維の集合体である。そして、洋紙・和紙を問わず紙の原料はセルロース繊維という特徴的な性質を有する素材であり、これを製紙技術という独特の手法で処理し薄層化することで紙が得られる。
ここで用いるセルロース繊維は、洋紙の場合、長さ1〜3mm、幅20〜40μm、厚さ3〜6μmの木材繊維で、一般の紙ではこれが10〜100本程度層状に重なって出来上がっている。このような構成をとることによって紙は極めて多孔性で、セルロース繊維の持つ高い親和性を持った平滑な材料という特質が得られる。和紙は同じセルロース繊維を用いた紙であるが、木材繊維と違って靭皮繊維と称する木材繊維より比較的細長い繊維(幅5〜20μm、長さ3〜7mm)で、分子構造的にもやや違った特徴を持っており、手抄きまたは機械抄き和紙とに区別される。図4に紙の表面のイメージ図を示す。図4において線はセルロース繊維を示しており、紙はこのようにセルロース繊維が重なり合ってなり、また各繊維が重なり合ってできる間隙が存在する。
紙の定義は前述の通りであるが、単にセルロース繊維が重なり合ってなる紙は、いわば原紙であり、実際に使用されるものは、不透明度、白色度、平滑度、透気度などを高めるために、これらの繊維の間に、タルク、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタンなど粒子径0.2〜10μm程度のてん料粒子を繊維間の間隙に充てんしたものである。
また紙の用途によっては、さらに紙表面に、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、炭酸カルシウム(CaCO3)、サチンホワイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・31〜32H2O)などの粒子径が0.5〜1μm程度の粒子をラテックス、デンプンなどのバインダーとともに分散させた塗工液を塗布し、コート材を設けた塗工紙がある。
このほか紙の品種として、新聞巻取紙、非塗工印刷用紙(上級、中級、下級、薄葉の各印刷紙)、微塗工印刷用紙(微塗工上質紙、微塗工印刷紙)、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙等)、情報用紙(複写原紙、感光用紙、フォーム紙、PPC用紙、感熱紙等)、包装用紙(クラフト紙、模造紙等)、衛生用紙(ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、タオル用紙等)、雑種紙(建材用原紙、積層板原紙、コンデンサーペーパー、ライスペーパー、グラシンペーパー等)、段ボール原紙(ライナー、中しん原紙等)等々色々ある。
ここで本発明に好適に適用される紙もしくは紙をベースとした基材に要求されることは、一定の機械的強度である。本発明の電子デバイスシートやパターン配線シートはその製作時は、2に示したような装置によって製作される。その際、基材はたとえ大きなものであっても基材保持台13に保持されているので、変形などによって支障が生じることはない。
しかしながらこのシートを個々の電子デバイスチップあるいはパターン配線ユニットとして実際に色々な場面で使用する場合、変形しては困る場合が多々ある。少なくともそのチップ自体に外力が加わらない状態において、変形するようなものは安定して使用することができない。
より具体的には、自重を支えきれない(自重で変形する)ようなチップは、実用上問題である。例えば、ティッシュペーパーやハンカチーフのような布のように自重によってそれ自体の形状を維持できないような剛性のない材料は本発明に使用する基材としてはふさわしくない。
一方で、自重によって多少の撓みは生じるものの、その撓みが、できあがった電子デバイスチップやパターン配線ユニットの電気的性能を維持できる範囲内の撓みであれば、それは許容できる範囲内であり、本発明に使用することができる。
ここで電気的性能を維持できる範囲内の撓みについて補足する。例えば、ストレインゲージ(抵抗歪みゲージ)として知られているセンサーデバイスが存在するが、これは、その歪み(本発明でいう撓みと考えてよい)によって電気抵抗が変化するという原理を利用した歪み検出センサーである。この場合は、歪み(本発明でいう撓みと考えてよい)によって電気抵抗が変化するという原理をうまく利用しているものであるが、本発明においてはこのように歪み(本発明でいう撓みと考えてよい)によって電気抵抗が変化するというところまでの撓みは許容することができない。すなわちそこまで撓むほど剛性のない基材は、それを使用してできあがった電子デバイスチップやパターン配線ユニットの電気的性能が変化してしまうので、本発明でいうところのデバイス機能を維持できる、あるいはパターン配線機能を維持できるとはいえないものである。
このような本発明の基材に要求される剛性の可否を判断するひとつの目安として、例えば紙の密度がある。
表1に密度の異なる各種の紙を準備し、後述の方法によって10mm×10mm〜50mm×50mmの大きさの電子デバイスチップを、各紙のサンプルでその範囲の大きさで10個ずつランダムに製作し、実使用可否を調べた結果を示す。
サンプルNo.8、9のものは、機械的強度が弱く、撓みやすく、電子デバイスとしての実用的な強度がなかった。一方、それ以外のサンプルは、充分強度があり、電子デバイスとしての実用的であった。No.7は変形(撓み)はするものの電子デバイスとしての性能に問題は生じなかった。
つまり、本発明に使用できる基材は、ふつうに取り扱うことのできる必要最小限の実用的な強度を得るには、使用する紙の密度を0.40g/cm3以上にしなければならないことがわかった。なお、ここでいっている密度とは、製紙業界で一般に適用している密度のことであり、秤量(1m2あたりの重さ(グラム数))を厚さで除して算出したものである(いわゆる物理学でいうところの密度とは厳密には同じではない)。
上記検討結果は、10mm×10mm〜50mm×50mmの大きさの電子デバイスチップの場合、使用する紙の密度を0.40g/cm3以上にしなければならないことを示しているが、より大きな例えば1000mm×1000mmといった紙を使用した場合には、この結果が適用できるかどうかは不明である。しかしながらその場合は、紙の密度並びにサイズを適宜選び、最終的には、電子デバイスあるいはパターン配線ユニット、シートの電気的性能も評価しながら実使用の可否(撓んでも性能が維持できているかどうか)を決めればよい。
ところで、上記説明のように本発明の基材に要求される剛性は、基材である紙の強度によって維持できるが、後述するような電子デバイスチップやパターン配線ユニットの電気的機能発現材料を直接付与した面もしくはその裏面に設けた保護部材によってもその強度を高くすることができる。すなわち、基材である紙と保護部材の相互作用によって全体の剛性を高めるのもよい方法である。この場合、後述する保護部材は、単なる電子デバイスチップの保護のみならず、機械的強度の増強にも役立ち、大変都合がよい。
また後述するように、この機械的強度の増強も担った保護部材の形成は、本発明で説明している液体噴射の原理によって樹脂含有溶液を基材表面(デバイス形成面)あるいは基材裏面全面に噴射付与する、もしくは選択的に必要な部分のみに噴射付与すればよい。このような樹脂材料は、付与後、乾燥、固化することによって、基材の剛性向上に大いに威力を発揮する。
次に本発明の基材である紙についてもう少し補足する。前述のように紙の表面は、セルロース繊維が重なり合って形成されており、セルロース繊維の太さ、それらが重なりあってできる間隙、さらには上記のような塗工紙の場合には、塗工物質(コート材)の粒子の大きさ等に依存して、微視的に見ると凹凸形状となっている。このような微視的凹凸形状は、本発明のように電気的機能発現材料を含有した液体を付与してドットパターンを形成し、良好な性能のパターン配線シート、あるいは電子デバイス形成シートを製作する場合に妨げになる因子の1つである。
しかしながらこのコート材をうまく利用することにより、セルロース繊維の太さ、それらが重なりあってできる間隙に起因する紙の繊維の凹凸を低減、あるいは消すことも可能であり、これについては後述する。
本発明は後述するように、このような紙もしくは紙をベースとした基材上に電気的機能発現材料を直接付与することによって、パターン配線シートや電子デバイスシートを形成するものである。完成したパターン配線シートや電子デバイスシートはその使用環境によっては、基材裏面(パターンが形成されていない面)に水分が付着し、この水分が表のパターン面にまで浸透してきて、パターン配線や電子デバイスを破損せしめることがある。
そこで本発明においては、仮に裏面にこのような水分が付着しても、表のパターン面にまで水分が浸透してこないようにするために、基材に工夫を凝らしている。例えば裏面側に、水分を浸透しないような耐水性部材として樹脂フィルムをラミネートしたような基材を使用するのがよい。
このような樹脂ラミネートは、あらかじめそのようなラミネート済みの基材を使用して後述するような方法で各種のパターン形成を行い、パターン配線シートや電子デバイスシート形成してもよいし、このようなパターン形成を終えた後に後から裏面側にラミネートを行ってもよい。
ラミネート樹脂の材料としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂など適宜使用できるが、ポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂は、環境に優しい高分子材料樹脂として知られており、好ましい材料のひとつである。
なお、上記説明は裏面にこのように樹脂をラミネートする例であるが、基材である紙の製造工程において、紙の内部にこのような樹脂フィルムを1層挿入したような複合紙を製造し、それを基材として用いて本発明のパターン配線シートや電子デバイスシートを形成するのも良い方法である。
さらに他の例としては、本発明で説明している液体噴射の原理によって樹脂含有溶液を基材裏面全面に噴射付与して、裏面側に樹脂層を設けるようにしてもよい。なお、必ずしも液体噴射の原理である必要はなく、ローラコーティングのような手法によって、樹脂層を形成してもよいのはいうまでもない。
このような基材構成とすることにより、本発明によって形成されるパターン配線シートや電子デバイスシート簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとしながらも、水に強いパターン配線シート、電子デバイスシートとすることができる。
次に、本発明のパターン配線シートあるいは電子デバイス形成シートを製作するにあたって使用する基材の好ましい形状について説明する。
本発明のパターン配線基材、あるいは電子デバイス形成基材に使用する紙もしくは紙をベースとした基材の形状は、このような基材を経済的に生産、供給する、あるいは最終的に製作される電子デバイス形成基材の用途から、矩形である。つまり、その矩形形状を構成する縦2辺、横2辺はそれぞれ、縦2辺が互いに平行、横2辺が互いに平行であり、かつ縦横の辺は直角をなすような基材である。
このような基材に対して本発明では、形成される電子デバイス群をマトリックス状に配列し、このマトリックスの互いに直交する2方向が、この基材の縦方向の辺あるいは横方向の辺の方向と平行であるように電子デバイス群を配列する。このように電子デバイス群をマトリックス状に配列する理由および、基材の縦横の辺をそのマトリックスの直交する2方向と平行になるようにする理由を以下に述べる。
図2あるいは図3に示したように、本発明では、最初に基材14と噴射ヘッドユニット11の液体噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、噴射ヘッドユニット11は基材14に対して一定の距離を保ちながら電子デバイス群の形成面に対して平行にX、Y方向の相対移動を行いつつ、上記液体の噴射を行う。つまりこのX方向及びY方向は互いに直交する2方向であり、基材の位置決めを行う際に、基材の縦辺あるいは横辺をそのY方向あるいはX方向と平行になるようにしておけば、形成される電子デバイス群もそのマトリックス状配列の2方向がそれぞれ平行であるため、相対移動を行いつつ噴射する機構のみで高精度のデバイス群形成を行うことができる。言い換えるならば、本発明のような基材形状、電子デバイス群のマトリックス状配列、直交するX、Yの2方向の相対移動装置にすれば、デバイス形成の液滴噴射を行う前の基材の位置決めを正確に行えば、高精度な電子デバイス群のマトリックス状配列が得られるということである。
ここで、先ほどの回転位置調整機構に戻って説明する。前述のように本発明では、デバイス形成の液滴噴射を行う前の基材の位置決めを正確に行い、XおよびY方向の相対移動のみを行い、他の制御を行わず、高精度な電子デバイス群のマトリックス状配列を得ようというものである。その際問題となるのは、最初に基材の位置決めを行う際の回転方向(X、Yの2方向で決定される平面に対して垂直方向の軸に対する回転方向)のズレである。
この回転方向のズレを補正するために本発明では、前述のように図示しない(基材14の下に位置して見えない)、回転位置調整機構を有している。これにより回転方向のズレも補正し、基材の辺を位置決めすると、本発明の装置では、XおよびY方向のみの相対移動で、高精度な電子デバイス群のマトリックス状配列が得られる。
以上はこの回転位置調整機構を、図2の基材位置決め/保持手段で22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)とは別物の機構として説明した(基材14の下に位置して見えない)が、基材位置決め/保持手段22に回転位置調整機構を持たせることも可能である。例えば、基材位置決め/保持手段22は、基材14の辺に当接され、基材位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようになっているが、基材位置決め/保持手段22の基材14の辺に当接される部分において、距離をおいて設けられた2本のネジが独立に動くようにしておけば、角度調整が可能である。なお、この回転位置制御情報も上記のX、Y方向の位置決め情報および微調整変位情報等と同様に噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、液滴付与の位置情報、タイミング等が、たえずフィードバックできるようになっている。
次に本発明の位置決めの他の手段、構成について説明する。上記の説明は基材位置決め/保持手段22は、基材14の辺に当接され、基材位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようにしたものであるが、ここでは、基材14の辺ではなく、基材上に互いに直交する2方向に帯状パターンを設けるようにした例について説明する。前述のように本発明では基材上に電子デバイス群をマトリックス状に配列して形成されるが、ここでは、前記のような互いに直交する2方向の帯状パターンをこのマトリックスの互いに直交する2方向と平行になるように形成しておく。このようなパターンは、基材上に印刷等によって容易に形成できる。
本発明は、マトリックス状に配列された多数の電子デバイス群を形成する場合の他に、図1に示したような配線パターンを形成する場合にも適用されるが、このような配線パターンも、この例のように直交する2方向に形成し、それが、それぞれ基材の縦、横方向(X方向、Y方向)に平行になるように形成する。この配線パターンは、本発明の基材の本来の機能を阻害しない位置に、このような位置決めの目的のためのパターンとして形成してもよいし、また、素子電極42(図5)や、各デバイスのX方向配線やY方向配線等の配線パターンを本発明の互いに直交する2方向の帯状パターンとみなしてもよい。このような帯状パターンを設けておけば、図5で後述するような、CCDカメラとレンズとを用いた検出光学系32によってパターン検出ができ、位置調整にフィードバックできる。
次に上記X、Y方向に対して垂直方向であるZ方向であるが、本発明では、最初に基材14と噴射ヘッドユニット11の液体噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、噴射ヘッドユニット11は基材14に対して一定の距離(1〜3mm)を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、電気的機能発現材料を含有する液体の噴射を行うが、その噴射時には、噴射ヘッドユニット11のZ方向の位置制御は特に行わない。その理由は、噴射時にその制御を行うと、機構、制御システム等が複雑になるだけではなく、基材14への液滴付与による電子デバイスの形成が遅くなり、生産性が著しく低下するからである。
かわりに本発明では基材14の平面度やその基材14を保持する部分の装置の平面度、さらに噴射ヘッドユニット11をX、Y方向に相対移動を行わせるキャリッジ機構等の精度を高めるようにすることで、噴射時のZ方向制御を行わず、噴射ヘッドユニット11と基材14のX、Y方向の相対移動を高速で行い、生産性を高めている。一例をあげると、本発明の液体付与時(噴射時)における基材14と噴射ヘッドユニット11の液体噴射口面の距離の変動は2mm以下におさえられている(基材14のサイズが100mm×100mm以上、4000mm×4000mm以下の場合で)。
なお、通常X、Y方向の2方向で決まる平面は水平(鉛直方向に対して垂直な面)に維持されるように装置構成されるが、基材14が小さい場合(例えば500mm×500mm以下の場合)には必ずしもX、Y方向の2方向で決まる平面を水平にする必要はなく、その装置にとってもっとも効率的な基材14の配置の位置関係になるようにすればよい。
次に図5により噴射ヘッドユニット11の構成を説明する。図5において、32は基材14上の画像情報を取り込む検出光学系であり、液滴43を吐出させる噴射ヘッド33に近接し、検出光学系32の光軸41および焦点位置と、噴射ヘッド33による液滴43の着弾位置44とが一致するよう配置されている。
この場合、図3に示す検出光学系32と噴射ヘッド33との位置関係はヘッドアライメント微動機構34とヘッドアライメント制御機構31により精密に調整できるようになっている。また、検出光学系32には、CCDカメラとレンズとを用いている。
図3において、36は先の検出光学系32で取り込まれた画像情報を識別する画像識別機構であり、画像のコントラストを2値化し、2値化した特定コントラスト部分の重心位置を算出する機能を有したものである。具体的には(株)キーエンス製の高精度画像認識装置、VX−4210を用いることができる。これによって得られた画像情報に電子デバイス形成基材14上における位置情報を与える手段が位置検出機構38である。これには、XY方向走査機構37に設けられたリニアエンコーダ等の測長器を利用することができる。また、これらの画像情報と電子デバイス形成基材14上での位置情報をもとに、位置補正を行うのが位置補正制御機構39であり、この機構によりXY方向走査機構37の動きに補正が加えられる。また、噴射ヘッド制御・駆動機構40によって噴射ヘッド33が駆動され、液滴が電子デバイス形成基材14上に付与される。これまで述べた各制御機構は、制御用コンピュータ35により集中制御される。
ところで、図5で液滴が基材面に斜めに噴射する図を示したが、これは検出光学系32と、噴射ヘッド33を併せて図示するためにこのように液滴が斜めに飛翔している図としたが、実際には基材に対してほぼ垂直に当たるように噴射付与するようにする。
なお、以上の説明は、噴射ヘッドユニット11は固定で、電子デバイス形成基材14がXY方向走査機構37により任意の位置に移動することで噴射ヘッドユニット11と電子デバイス形成基材14との相対移動を実現しているが、図2のように、電子デバイス形成基材14を固定とし、噴射ヘッドユニット11がXY方向に走査するような構成としてもよいことはいうまでもない。特に200mm×200mm程度の中型基材〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上の大型基材の製作に適用する場合には、後者のように電子デバイス形成基材14を固定とし、噴射ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、液体の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
また、基材サイズが200mm×200mm程度以下の場合には、液滴付与のための噴射ヘッドユニットを200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプとし、噴射ヘッドユニットと基材の相対移動を直交する2方向(X方向、Y方向)に行うことなく、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させて行うことも可能であり、量産性も高くすることができるが、基材サイズが200mm×200mm以上の場合には、そのような200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプの噴射ヘッドユニットを製作することは技術的/コスト的に実現困難であり、本発明のように噴射ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、液体の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
特に最終的な基材としては、200mm×200mmより小さいものを製作する場合であっても、大きな基材から複数個取りして製作するような場合には、その元の基材は、400mm×400mm〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上のものを使用することになるので、噴射ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、液体の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
液滴43の材料には、電気的機能発現材料として例えば微細な導電性微粒子を含有した液体が使用される。Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等の金属微粒子を含有した液体が好適に使用される。あるいはこれらの金属の酸化物微粒子も好適に使用される。
特に、Au、Ag、Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が低く、かつ腐食に強い微細回路パターンを形成することができる。
本発明において、このような微細な導電性微粒子を含有した液体は、水性系液体と油性系液体がある。
このような微細な導電性微粒子を、水を主体とする分散媒に分散せしめてなる水性系液体は、例えば、次のような方法で調整することができる。
すなわち、塩化金酸や硝酸銀のような金属イオンソース水液体に水溶性の重合体を溶解させ、撹拌しながらジメチルアミノエタノールのようなアルカノールアミンを添加する。数10秒〜数分で金属イオンが還元され、平均粒径0.5μm(500nm)以下の金属微粒子が析出する。塩素イオンや硝酸イオンを限外ろ過などの方法で除去した後、濃縮・乾燥することにより濃厚な導電性微粒子含有液体が得られる。この導電性微粒子含有液体は、水やアルコール系溶媒、テトラエトキシシランやトリエトキシシランのようなゾルゲルプロセス用バインダーに安定に溶解・混合することが可能である。
微細な導電性微粒子を油を主体とする分散媒に分散せしめてなる油性系液体は、例えば、次のような方法で調整することができる。
すなわち、油溶解性のポリマーをアセトンのような水混和性有機溶媒に溶解させ、この液体を金属イオンソース水液体と混合する。混合物は不均一系であるが、これを撹拌しながらアルカノールアミンを添加すると金属微粒子は重合体中に分散した形で油相側に析出してくる。これを濃縮・乾燥させると水性系と同様の濃厚な導電性微粒子含有液体が得られる。この導電性微粒子含有液体は、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶媒やポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等に安定に溶解・混合することが可能である。
導電性微粒子含有液体の分散媒中における導電性微粒子の濃度は、最大80重量%とすることが可能であるが、用途に応じて適宜稀釈して使用する。
通常、導電性微粒子含有液体における導電性微粒子の含有量は2〜50重量%、界面活性剤および樹脂の含有量は0.3〜30重量%、粘度は3〜30センチポイズが適当である。
いずれの材料においても、本発明は液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を基材上に残留させることによってドットによるパターンを形成し、先に形成されている電極パターンなどと電気的導通を図り、パターン配線あるいは電子デバイス形成を行うものである。この固形物がそれぞれのパターンあるいはデバイスの機能を発生させるものであり、溶媒(揮発成分)はインクジェット原理で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。
液滴43の材料として他には、たとえば、CuCl等のI−VII族化合物半導体、CdS、CdSe等のII−VI族化合物半導体、InAs等のIII−V族化合物半導体、及びIV族半導体のような半導体結晶、TiO2、SiO、SiO2等の金属酸化物、蛍光体、フラーレン、デンドリマー等の無機化合物、フタロシアニン、アゾ化合物等の有機化合物からなるもの、またはそれらの複合材料等のナノ粒子を含有した液体があげられる。
本発明において対象となる微粒子、ナノ粒子としては、通常、粒径が0.0001〜0.2μm(0.1〜200nm)、好ましくは0.0001〜0.05μm(0.1〜50nm)の微粒子があげられるが、より厳密には、液体製造上の微粒子分散安定性や、噴射時の目詰まり発生、さらにはパターン形成される基材の表面粗さなども考慮して決められる。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、これらナノ粒子の表面を化学的あるいは物理的に修飾しても良く、また界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤を加えても良い。このようなナノ粒子はコロイド化学的な手法、例えば逆ミセル法(Lianos, P. et al., Chem. Phys. Lett., 125, 299 (1986))やホットソープ法(Peng. X. et al., J. Am. Chem. Soc., 119, 7019 (1997))によって合成することができる。
本発明に好適に使用できるナノ粒子含有液体は、上記ナノ粒子を連続相が水相であり分散相が油相であるエマルション(O/Wエマルション)に分散させた分散液である。
上記水相は水を主体とするが、水に水溶性有機溶剤を添加して用いてもよい。水溶性有機溶剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(#200、#400)、グリセリン、前記グリコール類のアルキルエーテル類、N−メチルピロリドン、1、3−ジメチルイミダゾリノン、チオジグリコール、2−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。水性分散媒体中の水溶性有機溶剤の使用量は、通常30重量%以下が好ましく、さらには20重量%とするのがより好ましい。
分散液中のナノ粒子の含有量は、所望の膜(層)構造または粒子配列構造及び膜(層)厚により異なるが分散液の全重量に対し、通常0.01〜15重量%の範囲で用いられるが、0.05〜10重量%の範囲とするのがより好ましい。ナノ粒子の含有量が少な過ぎるとデバイス機能を充分に発現することが出来なくなる可能性があり、逆に多過ぎるとインクジェット原理で液滴を噴射する際の吐出安定性が損なわれる。
また本発明に好適に使用され、インクジェット原理で噴射されるナノ粒子含有液体は、分散液中に、界面活性剤、及びナノ粒子の分散用溶媒を共存させるのが好ましい。界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤(ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、これらを単独または二種以上混合して用いることができる。
界面活性剤の量は液体の全重量に対し、通常、0.1〜30重量%の範囲で用いられるが、5〜20重量%の範囲とするのがより好ましい。界面活性剤がこの範囲よりも少な過ぎると水性分散体中で油水分離が生じ、液滴噴射付与による均一なパターンのコーティングができない場合がある。逆にこの範囲より多過ぎると水性分散媒体の粘度が高くなりすぎる傾向がある。
ナノ粒子の分散用溶媒としては、通常トルエン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルムなどの液体であり、揮発性であることが望ましい。分散用溶媒の量は通常、0.1〜20重量%程度の範囲で用いられるが、1〜10重量%の範囲がより好ましい。分散用溶媒がこの範囲よりも少な過ぎると水性媒体中に含有させることのできる超微粒子の量が少なくなる。逆にこの範囲より多過ぎると水性分散媒体中で油水分離が生じる場合がある。
さらに、分散液中に有機化合物を溶解させておくこともできる。このような有機化合物としては、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、チオフェノール、フォトクロミック化合物(スピロピラン、フルギド等)、電荷移動型錯体、電子受容性化合物等があげられ、常温で固体であるものが好ましい。この場合、分散液中の前記有機化合物の量は、ナノ粒子の重量に対し、1/10000以上、好ましくは1/1000〜10倍程度である。
なお本発明の目的を損なわない範囲で、懸濁液に界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤、またはポリマー、塗布・乾燥過程でゲル化する材料などのバインダーを加えても良い。
このようなナノ粒子含有液体をインクジェット原理によって基材上に液滴付与し、乾燥させてパターン配線形成、あるいは電子デバイス形成を行う。本発明においては、たとえば、先ず大気圧中において、−20〜120℃、好ましくは0〜80℃程度で1時間以上、好ましくは3時間以上風乾し、その後必要に応じて減圧乾燥を行っても良い。この際の減圧度は1×105Pa以下であればよいが、好ましくは1×104Pa以下程度であり、温度は通常−20〜110℃、好ましくは0〜70℃である。また、減圧時間は1〜24時間程度である。
上記の方法により得られるナノ粒子薄膜の厚さは特に限定されるものではないが、通常、ナノ粒子の直径〜1mm、好ましくはナノ粒子の直径〜100μm程度である。また、ナノ粒子薄膜内において、ナノ粒子はある程度以上の密度で存在するのが好ましい。その意味からナノ粒子の集合体における個々のナノ粒子間の平均粒子間距離は、通常粒子直径の10倍以内の範囲であり、さらには粒子直径の2倍以内の範囲であることが好ましい。この平均粒子間距離が大き過ぎるとナノ粒子は集団的機能を示さなくなる。
液滴43の材料として他には、有機半導体材料含有溶液が挙げられる。例えば有機半導体材料として、π共役系材料が用いられ、例えばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーを用いることができる。
また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有する例えばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。
さらに銅フタロシアニンやフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N'−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N'−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チェニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーも用いることができる。
本発明に好適に利用できる1例として、下記一般式で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料について、その合成法とともにより詳細に説明する。
例えば下記一般式(2)で表わされるカルボニル化合物
一般式(2)
[一般式(2)中、A1、A2はそれぞれ置換または無置換の単環または多環式のアリレン基またはヘテロアリレン基を表わす。R1は水素、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表わす。Vは−O−、−S−、−NR2−(R2は置換または無置換の単環または多環式のアリレン基、もしくは置換または無置換の単環または多環式のヘテロアリレン基を表わす)を表わし、nは≧0を表わす]、及び下記一般式(3)で表わされるリン化合物
一般式(3)
[一般式(3)中、A3、A4はそれぞれ置換または無置換の単環または多環式のアリレン基またはヘテロアリレン基を表わす。R3は水素、置換または無置換のアルキルまたはアリールまたはヘテロアリール基を表わす。Wは−O−、−S−、−NR4−(R4は置換または無置換の単環または多環式のアリレン基、もしくは置換または無置換の単環または多環式のヘテロアリレン基を表わす。mは≧0を表わす。XはPO(OR5)2(R5は低級アルキル基)またはP(R6)3+Y―(R6は置換または無置換のアリール基、もしくは置換または無置換のアルキル基を表わし、Yはハロゲン原子を表わす)を表わす)を反応させ、炭素−炭素二重結合を含有する下記一般式(4)
一般式(4)
の繰り返し単位をもつ重合体が製造される。
以下に更に詳細に説明する。
好適に用いられる塩基化合物は、非水系溶媒に均一に溶解していれば一般に知られている塩基性化合物が全て含まれるが、ホスホネートカルボアニオンの形成能を考慮に入れると、塩基性度の点から金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が好ましく、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
塩基を溶解する溶媒としては、使用する塩基と安定な溶液を形成する溶媒を選択しなければならないが、その他の要因として塩基の溶解度が高いものがよく、また反応系で生成する高分子量体の反応溶媒に対する溶解性を損ねないものがよく、さらに生成する高分子量体が良好に溶解する溶媒がよく、用いる塩基と製造する高分子量体の特性に応じて、一般に知られているアルコール系、エーテル系、アミン系、炭化水素系溶媒等から任意に選択することができる。
塩基とそれを均一に溶解する溶媒の組み合わせとしては、例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−メチル−2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、カリウムt−ブトキシドのジオキサン溶液、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液、メチルリチウムのエーテル溶液、リチウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、リチウムジイソプロピルアミドのシクロヘキサン溶液、カリウムビストリメチルシリルアミドのトルエン溶液等をはじめとして、種々の組み合わせの溶液が挙げられ、幾つかの溶液は市販品として容易に入手することができる。温和な反応条件、取り扱いの容易さの観点から好ましくは金属アルコキシド系の溶液が用いられ、生成する重合体の溶解性、取り扱いの容易さ、反応の効率性、生成する重合体の溶解性等の観点からより好ましくは金属t−ブトキシドのエーテル系が用いられ、さらに好ましくはカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液が用いられる。
リン化合物およびアルデヒド化合物が化学量論的に等しく存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を含む前述の塩基溶液を混合させることにより重合反応は容易に進行し、狭い分子量分布に好ましく制御された高分子量の重合体を簡便に得ることができる。通常、塩基の量はリン化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
上記重合反応はリン化合物およびアルデヒド化合物の溶液に塩基溶液を添加してもよく、塩基溶液にリン化合物およびアルデヒド化合物の溶液を加えてもよく、同じに反応系に加えてもよく、添加の順序に制約はない。
上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。また、重合体の末端を封止するための封止剤を、反応途中または反応後に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。
上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
以下に実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明に好適に利用できる有機半導体材料はその要旨を越えない限り、この実施例によって制限されるものではない。
各種の測定は下記の方法によった。重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により行い、UV吸収及び示差屈折率を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
(材料合成実施例)
100ml四つ口フラスコに、以下の化学式(5)に示す
化学式(5)
ジアルデヒドを0.852g(2.70mmol)、及び以下の化学式(6)に示す
化学式(6)
ジホスホネートを1.525g(2.70mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン75mlを加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0moldm−3テトラヒドロフラン溶液6.75ml(6.75mmol)を滴下し、室温で20時間撹拌した後、ベンジルホスホネート及びベンズアルデヒドを順次加え、さらに2時間30分撹拌した。酢酸およそ1mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去し、残渣をテトラヒドロフラン15ml及びメタノール80mlを用いて再沈澱による精製を行い、以下の化学式(7)に示す重合体を1.07g得た。
化学式(7)
得られた重合体の分子量及び分子量分布を測定したところ、収率:73%、重量平均分子量(Mw):104000、数平均分子量(Mn):36000、分子量分布(Mw/Mn):2.89、重合体:63であった。
このような有機半導体材料含有溶液を用いて、本発明では例えば、図6、図7に示したような有機薄膜トランジスタ素子を形成することができる。有機薄膜トランジスタ素子構成としては、紙をベースとした基材上に有機半導体層に接したソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、基材上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別されるが、具体的な素子の層構成例(1素子の断面図)は図6、図7のようになる。
図6はトップゲート型の層構成例を示し、紙をベースとした基材10上に有機半導体層8を有し、さらに有機半導体層8に電気的接続する第1の電極としてのソース電極4及び第2の電極としてのドレイン電極5を有し、この一対の電極間に設けられるとともに、さらにこの電極間にあって、上記有機半導体層8が設けられた領域上に、ゲート絶縁層6を介して第3の電極としてのゲート電極7を有するものである。そして、ソース電極4及びドレイン電極5の間に電圧を印加し、さらにゲート電極7に電圧を印加、制御するようにしている。
図7はボトムゲート型の層構成例を示し、紙をベースとした基材10上にゲート電極7としての電極層、ゲート絶縁層6、有機半導体層8をこの順序で形成し、さらに有機半導体層8に電気的に導通するソース電極4及びドレイン電極5よりなる一対の電極層を形成し、さらに有機半導体層8の領域を封止構造としたものである。そして、ソース電極4及びドレイン電極5の間に電圧を印加し、さらにゲート電極7に電圧を印加、制御するようにしている。
液滴43のさらに他の例としては、例えば有機EL発光材料を含有した溶液が挙げられる。例えばRGB(赤、緑、青)3色用として、以下のような溶液組成例が挙げられる。
溶媒・・・・ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1、体積比)
赤・・・・・・ポリフルオレン/ペリレン染料(98/2、重量比)
緑・・・・・・ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比)
青・・・・・・ポリフルオレン
他に、例えばポリフェニレンビニレン系(ポリパラフェニリレンビニレン系誘導体)、ポリフェニレン系誘導体、その他、ベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾール等の材料を用いることができる。有機EL材料の具体例としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
本発明においては溶液組成物として、ベンゼン誘導体の沸点が150℃以上であることが好ましい。このような溶媒の具体例としては、O−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、O−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−クロロナフタレン、ブロモベンゼン、O−ジブロモベンゼン、1−ジブロモナフタレン等が挙げられる。これらの溶媒を用いることにより、溶媒の揮散が防げるので好適である。これらの溶媒は芳香族化合物に対する溶解度が大きく好適である。また、本発明の溶液組成物ドデシルベンゼンを含むことが好ましい。ドデシルベンゼンとしてはn−ドデシルベンゼン単一でも良く、また異性体の混合物を用いることもできる。
この溶媒は沸点300℃以上、粘度6cp以上(20℃)の特性を有し、この溶媒単一でももちろん良いが、他の溶媒に加えることにより、溶媒の揮散を効果的に防げ、好適である。また上記溶媒のうちドデシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶媒を加えることにより粘度も調整できるため非常に好適である。
本発明によれば、上述したような溶液組成物を図2、図3等に示した電子デバイス製造装置により紙をベースとした基材上に液滴吐出により供給した後、基材を吐出時温度より高温で処理して膜化する機能膜形成法が提供される。吐出時温度は室温であり、吐出後基材を加熱することが好ましい。このような処理をすることにより、吐出時溶媒の揮散、温度の低下により析出した内容物が再溶解され、均一、均質な機能膜を得ることができる。
上述の機能膜の作製法において、吐出組成物を電子デバイス製造装置により基材上に供給後、基材を吐出時温度より高温に処理する際に、加圧しながら加熱することが好ましい。このように処理することにより、加熱時の溶媒の揮散を遅らすことができ、内容物の再溶解が更に促進される。その結果均一、均質な機能膜を得ることができる。
また、上述の機能膜の作製法において、前記基材を高温処理後直ちに減圧にし、溶媒を除去することが好ましい。このように処理することにより、溶媒の濃縮時の内容物の相分離を防ぐことができる。
いずれの材料においても、本発明は溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を基材上に残留させることによって有機EL発光素子形成を行うものである。この固形物が発光機能を発生させるものであり、溶媒(揮発成分)はインクジェット原理で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。
図8は本発明の有機EL発光デバイスをディスプレイ装置として使用する構成を示したものである。紙をベースとした基材10上に電極23および有機感光性材料よりなる障壁部材24を形成し、障壁部材24で囲まれた領域に上記のような有機EL発光材料を含有した溶液を噴射付与した後、溶媒を除去し、固形分を残留させて有機EL発光層25とし、その上にさらにITO等の透明電極26および透明シート27を配している。このような上部の透明電極26ならびに透明シート27も、あらかじめ片側にITO膜を形成した透明PETシートを利用すればよい。
このような構成をとることにより、本発明では、有機EL発光層25からの光を、図の矢印方向に取り出すようにした可撓性があって、軽量なディスプレイが実現する。
他の本発明の液滴43の材料としては、半導体等に多用される層間絶縁膜のシリコンガラスの前駆物質であるか、シリカガラス形成材料を挙げることができる。かかる前駆物質として、ポリシラザン(例えば東燃製)、有機SOG材料等が挙げられる。
また、電極材料としては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など)など、また、白金、金、銀のナノ微粒子(サイズ1〜50nm)を分散させた溶液なども好適に利用でき、各種配線パターンや、後述のRFIDデバイスのアンテナなどのパターンを形成するのにも好適に利用できる。
なお、液滴43の材料を本発明では電気的機能発現材料あるいは電気的機能発現材料を含有した液体と呼んでいるが、電子デバイス等を製作するために使用する材料をさすものであり、電気的絶縁性を有する材料もこれに含まれるものであることはいうまでもない。
次に本発明に好適に適用される液体噴射ヘッドについて、図9、図10を用いて説明する。この例は7ノズルの例である。
この液体噴射ヘッドは、液体47が導入される流路45内にエネルギー作用部としてピエゾ素子46を設けたものである。ピエゾ素子46にパルス状の信号電圧を印加して図9(A)に示すようにピエゾ素子46を機械的に歪ませると、流路45の容積が減少すると共に圧力波が発生し、その圧力波によってノズル48から液滴43が吐出する。図9(B)はピエゾ素子46の歪がなくなって流路45の容積が増大した状態である。
このような噴射ヘッドで、液滴を噴射させた場合、図11、図12に示したような形状となる。すなわち、このような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させた場合、飛翔時の液体は、前記基材面に付着する直前にほぼ丸い滴形状である(図11)、もしくは飛翔方向に伸びた柱状であってもその長さは長くてもその直径の3倍以内の長さの柱状とすることができる(図12)。
これは通常、このような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、この原理の持つ特性としていつもほぼこのような形状の液滴が得られる。以下にその理由を述べる。
一般にこのような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、電気機械変換素子によって液体に与える衝撃力の時間微分した値の大小によってこの形状は決まるわけであるが、この原理の噴射ヘッドの場合、液体がノズルから飛び出す時の条件と、このような丸い液滴あるいは細長い形状であったとしても最大でもその直径の3倍以内の長さの柱状となって噴射、飛翔する条件がほぼ一致している。
すなわち、このような原理で液滴を噴射させた場合、飛翔時の液滴の形状は、ほぼこのような丸い液滴あるいは細長い形状であったとしても最大でもその直径の3倍以内の長さの柱状である。そしてそのときの状態というのは、飛翔液滴が外乱によって揺らぐことなく安定して飛翔する状態である。またそのときの飛翔スピードは、5m/s〜12m/sである。
本発明においては、このような噴射ヘッドを使用して、電気的機能発現材料含有液体を噴射して、パターン配線あるいは電子デバイスを形成する場合、この条件(この飛翔時の形状)としているが、仮にそのような条件から外れる場合(通常ほとんどそのようなことはないが)においては、電気的機能発現材料含有液体あるいはそれと同等の流体物性(粘度、表面張力)を持つ液体と、同等の噴射ヘッドとを使用して噴射させ、その飛翔形状を顕微鏡下で観察しながら噴射ヘッドの電気機械変換素子への駆動信号を調整(その形状となるように立ち上がり波形を急峻に)して、その駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を、本発明の電子部品製造装置の噴射ヘッドの電気機械変換素子へ入力することにより、所望の安定した飛翔形状が得られるようにしている。
本発明の他の特徴として、フィルター構成が挙げられる。ノズル48直前の流路45に導入される液体47は、フィルター49を通過してきたものである。本発明ではこのように、フィルター49を噴射ヘッド内に設け、ノズル48の最近傍にフィルター除去機能を持たせている。こうすることにより、本発明の液体中の導電性微粒子あるいはナノ粒子とは別のそれらよりもっと大きな異物粒子をトラップし、基材上に形成されるパターンあるいはデバイスの性能低下を起こさないようにしている。このようなフィルター49は小型の簡易フィルターとすることによって、図10に示したように噴射ヘッド11内に組み込むことが可能となっている。そして噴射ヘッド11そのものもコンパクト化を実現できている。
このようなフィルター49は、たとえばステンレスメッシュフィルターが好適に用いられる。あるいは、テフロン(登録商標)(4フッ化エチレン)、ポリプロピレン等の樹脂材料も好適に用いられる。要するに本発明の液体に対して腐食したり、溶解したりしない材料が適宜選ばれる。そしてその孔径(フィルターメッシュサイズ)は、液体中の微粒子粒径の30倍以上の大きさの異物はトラップできるように選定される。
より具体的には、前述のように本発明においては、電気的機能発現材料として例えば微細な導電性微粒子を含有した液体を使用する場合、通常、粒径が0.0001〜0.2μm(0.1〜200nm)、好ましくは0.0001〜0.05μm(0.1〜50nm)の微粒子を含有した液体が使用されるので、0.003〜0.6μm、好ましくは0.003〜1.5μm以上の大きさの異物がトラップできるようなフィルターとすれば、その異物が吐出口(ノズル)を詰まらせるという問題は回避できる。なお、フィルターのメッシュサイズ(トラップできる異物の大きさ)に関しては、厳密にはその除去率が絶対除去率をさすのか、平均除去率をさすのかの定義があるが、ここでは絶対除去率の考え方で上記メッシュサイズにしている。
またフィルター49の位置であるが、図10では、噴射ヘッド11内に組み込んだ例で示したが、噴射ヘッド11内に組み込むことは必須ではない。フィルターは複数箇所に設けられることもあるので、本発明においては、吐出口(ノズル)48の上流部であって、吐出口(ノズル)48に最も近い位置のフィルターのメッシュサイズを上記範囲とすることがポイントである。なお、このフィルター49に関しては、上記構成の噴射ヘッドだけに設けられるのではなく、後述のサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッド、あるいは他の構成の噴射ヘッドにおいても同様に適用される。
次に本発明に好適に適用される液体噴射ヘッドの他の例について、図13を用いて説明する。この例はサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例であり、前述のピエゾ素子による電気−機械変換作用によって液滴噴射を行うのではなく、液体中に短時間(1〜10μs)に加えられた高熱(300〜500℃)で瞬時に発生する膜沸騰気泡の成長作用力を液滴噴射の原動力とするものである。
ここで示した液体噴射ヘッドは、液体が流れる流路短部から液滴が噴射するタイプのものであり、エッジシューター型と呼ばれるものである。
ここでは、液体噴射ヘッドのノズル数を4個とした例を示している。この液体噴射ヘッドは、発熱体基材66と蓋基材67とを接合させることにより形成されており、発熱体基材66は、シリコン基材68上にウエハプロセスによって個別電極69と共通電極70とエネルギー作用部である発熱体71とを形成することによって構成されている。
一方前記蓋基材67には、機能性材料を含有する液体が導入される流路を形成するための溝74と、流路に導入される前記液体を収容する共通液室を形成するための凹部領域75とが形成されており、これらの発熱体基材66と蓋基材67とを図13に示すように接合させることにより、前記流路及び前記共通液室が形成される。なお、発熱体基材66と蓋基材67とを接合させた状態においては、前記流路の底面部に前記発熱体71が位置し、流路の端部にはこれらの流路に導入された液体の一部を液滴として吐出させるための前記ノズル65が形成されている。なおここでは、ノズル形状は矩形であるが、これは丸形状であってもよい。
さらにより噴射安定性を考慮して、端面(ノズル65の領域)に、別途ノズルプレートを設け、所望のノズル径、ノズル形状(たとえば丸形状)としてもよい。その場合のノズルプレートとしては、たとえばNiなどが用いられ、エレクトロフォーミング等の手法によって高精度な物が形成できる。あるいは、樹脂フィルム(基材)にエキシマレーザー加工によってノズル孔を穿孔したものを用いるのも良い方法である。
なお前記蓋基材67には、供給手段(図示せず)によって前記供給液室内に液体を供給するための液体流入口76が形成されている。
このような噴射ヘッドで、本発明に使用する電気的機能発現材料含有液体を噴射させた場合、図14に示したような形状となる。すなわち、このような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡の成長作用力で液体を噴射させた場合、飛翔時の液体は、飛翔方向に伸びた細長柱状であってその直径の5倍以上の長さの柱状形状とすることができる(図14)。
これは通常、このような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させた場合、この原理の持つ特性としていつもほぼこのような飛翔液体の形状が得られる。以下にその理由を述べる。
一般にこのような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させるという原理によって液体を噴射させた場合、前述のような電気機械変換素子を利用する噴射ヘッドとは比較にならないくらいその噴射圧力が高く、図14で示したような液柱が細長く伸び、後方に微小なサテライト滴を引きずるような飛翔形態をとる。またそのときの飛翔スピードは、8m/s〜18m/sというように大変高速である。それゆえ、後方に微小なサテライト滴を引きずるような飛翔形態であって、それらも高速で飛翔して、基材面に先行する細長柱状の液体とほぼ同じ位置に着弾するので、パターン形成上は何ら支障はない。
本発明においては、このような噴射ヘッドを使用して、電気的機能発現材料含有液体を噴射して、パターン配線あるいは電子デバイスを形成する場合、この条件(飛翔方向に伸びた細長柱状であってその直径の5倍以上の長さの柱状形状)としているが、仮にそのような条件から外れる場合(通常ほとんどそのようなことはないが)においては、電気的機能発現材料含有液体あるいはそれと同等の流体物性(粘度、表面張力)を持つ液体と、同等の噴射ヘッドとを使用して噴射させ、その飛翔形状を顕微鏡下で観察しながら噴射ヘッドの発熱体への駆動信号を調整(その形状となるようにパルス電圧、あるいはパルス幅を少し増やす、つまり駆動エネルギーを増やす)して、その駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を、本発明の電子部品製造装置の噴射ヘッドの発熱体へ入力することにより、所望の安定した飛翔形状が得られるようにしている。
本発明では複数の液滴により1つの電子デバイスを形成する、あるいは、複数滴によって、電子デバイスなどを形成するパターンをドットを重ね打ちしたり接触させたりして形成する。よって、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを用いると大変効率的に電子デバイスを形成することができる。なおこの例では4ノズルの液体噴射ヘッドを示しているが、必ずしも4ノズルに限定されるものではなく、ノズル数が多ければ多いほど電子デバイスの形成が効率的になることは言うまでもない。ただし、単純に多くすればよいということではなく、多くすれば液体噴射ヘッドも高価になり、また噴射ノズルの目詰まりによる確率も高くなるので、それらも考慮し装置全体のバランス(装置コストと電子デバイスの製作効率のバランス)を考えて決められる。
図15はこのようにして製作されたマルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た図を示している。本発明では、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを図16に示すように、噴射する液体ごとに設け、キャリッジ搭載される。図17はその斜視図である。
図16、図17にはそれぞれのマルチノズル型の液体噴射ヘッドをA、B、C、Dと符号をつけているが、それぞれ各液体噴射ヘッドA、B、C、Dはノズル部分が各液体噴射ヘッドごとに離間して構成されるとともに各液体噴射ヘッドごとに異なる種類の電気的機能発現材料含有液体を噴射することができる。
本発明は、電気的機能発現材料含有液体などを噴射付与して、電子デバイス等を製作するものであるが、単一の液体のみを噴射するのみならず、この例のように、前述のような各種複数種類の液体を各液体噴射ヘッドごとに噴射することができる。よって、図6、図7等に示したようなデバイス構造体もこのような異なる複数種類の液体を噴射し、パターンを形成し、そのパターンを、適宜、積層あるいは組み合わせることによって簡単に形成することができる。その際、先に形成したパターンと後から積層するパターンは、両者の液体が混じって良好なパターンが形成できないような場合は、先に形成したパターンが乾燥し、揮発成分が揮発した後、後から形成するパターンを形成するようにする。
そのため、場合によっては、先のパターンを形成してすぐに次の(その上に積層する)パターンを形成できない場合がある。つまり、先のパターンが十分に乾燥しておらず、次のパターンを形成しようとすると両者の溶液が混じりあって良好なパターンが形成できないような場合である。
そのような場合は、例えば、キャリッジ搭載された噴射ヘッドで、いったん先に形成されるパターンを形成し、揮発成分の揮発、乾燥後、再度、キャリッジをもとの場所に戻し、再び、次のパターンを形成する。
あるいは、キャリッジが直交する縦横(X、Y方向)の2次元方向に移動せず、1方向(例えばX方向)のみに移動し、基材がそれと垂直方向に移動するような製造装置の場合、いったん先に形成されるパターンを形成し、揮発成分の揮発、乾燥後、基材をもとの場所(先の噴射によるパターン形成を開始した位置)に戻し、再び、次のパターンを形成するようにする。このような装置構成は、図2の電子部品製造装置には示していないが、基材搬送手段として、ローラー搬送あるいはベルト搬送という従来より知られている手段によって簡単に実現できる。こうすることにより、パターン崩れのない精度の高いパターンとすることができ、また信頼性の高いパターン配線あるいは電子デバイスが得られる。
この手段の応用例として、基材をローラー搬送あるいはベルト搬送によって行う場合、いったん片面に電子デバイスあるいはパターン配線を形成した後、基材を反転させて、裏面にも電子デバイスあるいはパターン配線を形成することが可能となる。基材の反転あるいはその位置決めなどは、いわゆるインクジェットプリンター等で行われている両面印刷の技術をそのまま応用することができる。
このように基材の両面に電子デバイスあるいはパターン配線を形成することにより、より多機能,あるいはメモリー機能を有する電子部位品の場合、より容量の大きいメモリー部品、さらにはより複雑な電子部品を製造することが可能となる。あるいは表裏に形成することにより、基材(チップ)サイズを小さくすることも可能である。
また表裏で異なる機能の電子デバイスを形成し、ハイブリッド型の電子部品とすることも可能である。例えば次に述べるRFID(Radio Frequency-Identification:電波認識)方式のデバイスにおいては、メモリー、通信回路あるいは小型アンテナなどを組み合わせた構成となっているが、表面にメモリーを形成し、裏面に通信回路と小型アンテナを形成するといった構成にすることも可能である。
次に本発明が好適に適用できる好ましい1例として、RFID方式のデバイスについて説明する。RFID方式のデバイスは、メモリーと通信回路ならびに小型アンテナを組み合わせたものであるが、これらは全て前述のような異なる種類の電気的機能発現材料含有液体を噴射することによってデバイス形成を行う本発明によって印刷形成することができる。
従来のようなRFIDチップはSi半導体プロセスによって製作し、別途形成したアンテナや電極パターンと一体にして製作していたが、本発明の技術を使用すれば、紙の基材上にすべて印刷によって形成することができ、大変低コストにすることができる。この場合、単に基材である紙のシートにこのようなデバイスを形成するのみならず、パッケージング材料として使用されるダンボール等の紙にも直接噴射付与により、印刷形成することができるので、梱包部材に新たな付加価値(RFID方式による商品の履歴や追跡情報など)を簡単に付与することができる。なお、このような梱包部材にRFID方式のデバイスを印刷形成する手段は、梱包部材が3次元立体物ということもあって、後述のカールソンプロセス原理によるものよりもインクジェット原理によるものが電気的機能発現材料含有液体を直接、非接触で噴射付与できるため、適用範囲が広い。
次に本発明のさらに別の特徴について説明する。図18は、本発明の原理によって形成されるパターン配線基材のパターン配線の1例である。基材上に先に形成されている矩形あるいは矩形の組み合わせによって構成された端子パターン(電極パターン)91に、あとから微粒子含有液体を噴射し、配線パターン92を形成した例である。なおこの例では、図が複雑になるのを避けるために、配線パターン92のドットパターンが隣接斜め方向においてちょうど互いに接触するように配置しているが、実施には互いにもう少し高密度に配置し(=互いのドットパターンの重なり部分を多くとるように配置し)、配線パターン部分に非被覆部が生じないようにする。
図19は、本発明の原理によって形成されるデバイス基材の1デバイスの例である。基材上に先に形成されている矩形あるいは矩形の組み合わせによって構成された1対の素子電極(電極パターン)93に、あとから電気的機能発現材料含有液体を噴射し、デバイスを形成した例である。
しかしながらここで1つ問題がある。それは、回路パターンあるいは各種電子デバイスとして完成した後に使用する際に発生する端子パターン91や素子電極(電極パターン)93部における異常放電である。図18、図19を用いて説明する。
本発明では、図18、図19のように複数(この例は2)個の端子パターン(電極パターン)91間に金属微粒子材料を含有する液体のドットパターンによって配線パターン92を形成したり、対向する素子電極93間に電気的機能発現材料を含有する液体のドットパターン94によって各種電子デバイスを形成するが、通常、これらの端子パターン91や素子電極(電極パターン)93は矩形形状にされる(矩形が最もコスト的に製作しやすい)わけであるが、図18、図19に示すように電極パターン91、93のコーナー部91C、93Cが尖っているために、その部分で電界集中が生じる。その結果、両電極間に印加して使用する際に、この電界集中部において異常な放電が生じ、良好な電気的機能が得られない、あるいはその部分において破損を生じたりするという不具合がある。
本発明ではこの点に鑑み、例えば図20、図21のように電極パターン91、93のコーナー部を面取り形状としている。この例は、機械図面で表示する際のc形状の面取りとしているが、r形状の面取りであってもいいのは言うまでもない。 なおその面取り部分の大きさであるが、通常はドットパターン径の1/2〜1/5程度、すなわちc2μm〜c5μm、あるいはr2μm〜r5μmとすれば、電界集中が生じない良好な電極パターンとすることができる。
本発明では、このように電極パターンの尖った部分をなくし、電界集中をなくすようにすることにより、回路パターンあるいは各種デバイスとして使用する場合に、異常放電がなく、また長期に使用しても安定した品質が得られるようになった。
次に本発明のさらに他の特徴について説明する。図22、図23は、前述の図18〜図21で説明した配線パターンあるいは電子デバイスと同等のものである。図18〜図21で説明したものは、電極パターン(端子パターン91、素子電極93)を形成するのに、基材上にあらかじめAl、Au、Cu等を含むペースト状液体を使用し、スクリーン印刷等によって、所望のパターン形状にしたものであるが、図22、図23に示したものは、この電極パターン91、93を本発明の液体噴射原理によって形成したものである。
すなわち、Ag等の導電性材料の微粒子を含有した液体を使用し、前述のようなパターン配線あるいはデバイスパターン形成と同じように、電極パターン91、93をドットの組み合わせとして形成したものである。このようにすることのメリットは、電極形成においても、図2、図3、図5で説明した本発明の製造装置が使用できる点の他に、前述の異常放電の問題を解決できる点にある。図22、図23に示すように、電極パターン91、93を本発明の金属微粒子を分散させた液体噴射によるドットパターンによって形成したものであれば、ドットパターンの外形そのものが丸い形状になっていて尖った部分がないので、自動的に面取り形状とすることができる。
なお、図22、図23に示したものは、電極パターン部91、93のドット径が配線パターン92あるいは、デバイスパターン(ドットパターン94)のドット径より大きなものとしたが、これは同じ吐出口径をもつ同じ噴射ヘッドを使用して、ドットパターンが同じ大きさになるようにしてもよい。
ところで、図18に示したドットの組み合わせによる配線パターン92は、縦長方向に伸びた帯状パターンとして形成されるかあるいは、図19のデバイスにおいても、ドットパターン94は帯状パターンとして形成されるが、このような帯状パターンが伸びている方向は、前述の図2、図3、図5で説明したX方向あるいはY方向、すなわち基材14と噴射ヘッド11との相対移動方向(噴射ヘッドを搭載したキャリッジ12の移動方向、あるいは基材14の移動方向)と平行にすることにより、液体を噴射制御するためのパターン情報およびその制御を単純化でき、高精度な各パターン形成を低コストで実現できる。
また同様にこれらの方向、すなわちパターンが伸びている方向は、使用する矩形基材の各辺の方向、あるいは形成されるデバイス群のマトリックス配列の方向と平行にすることにより、位置決め、あるいは各パターン形成を高精度にできる。
次に上記不具合を解決する他の例について説明する。
本発明ではこの点に鑑み、例えば図24、図25のように電極パターン91、93のコーナー部が露出しないように、配線パターン92あるいはデバイスパターンを形成するドットパターン94によって被覆するようにしている。なお図24の配線パターン92の例は、ドットパターン列が縦に4列とした例を示したが、図26のように、1列であってもいいのは言うまでもない。また、図25のデバイスの場合も同様で、図27のように、1ドットだけであってもよい。
要するに、電極パターン91、93の尖った部分をドットパターンによって被覆し、その部分が表面に露出しないようにすれば、電界集中による異常放電を防止でき、あるいは破損を防止でき、回路配線パターンあるいは各種電子デバイスとして長期に使用しても安定した品質が得られる。
次に本発明のさらに他の特徴について説明する。図28は図1(B)の配線パターン1の一部(角部)を拡大したものである。本発明では上記課題に関連し、このように配線パターン1の角部(パターンが直角に曲がる領域の外側領域)1Cが尖らないようにしている。
図29〜図32を用いてより具体的に説明する。図29は、本発明の原理によって形成されるパターン配線基材のパターン配線の1例である。この例では、ドットパターンを組み合わせて、形成される配線パターン92が途中で、90度曲げられるようにして形成されている。すなわち、このような配線パターン92が直交する2方向(図中矢印)のそれぞれに平行方向に帯状のパターンとされ、かつ配線パターン92の配置の都合によって、その方向を曲げて配置されている。その場合、図中のA部のように、配線パターン92が直交する2方向に曲がる領域の外側領域を曲線形状となるようにしている。このようにして配線パターン92の曲がった角部をドットパターンを形成することにより尖らないようにすることができ、電界の集中を避けることができる。
図30は、配線パターン92をドットパターンを1列にして形成した場合であるが、この場合も、図中のA部のように、配線パターン92が曲げられる角部をドットパターンによって尖らないようにすることができ、電界の集中を避けることができる。
図31は、本発明の原理によって形成されるデバイス基材の1電子デバイスの例である。基材上に先に形成されている矩形あるいは矩形の組み合わせによって構成された1対の素子電極(電極パターン)93に、あとから電気的機能発現材料含有液体を噴射し、電子デバイスを形成した例である。この場合も所望の電子デバイス形状とするために、ドットパターン94(電子デバイスパターン部)のパターンが帯状に形成されるとともに、その帯状パターンを途中で、90度曲げられたようなパターンとしている。そして、図中のB部のように、ドットパターン94が直交する2方向(図中の矢印方向)に曲がる領域の外側領域を曲線形状となるようにしているが、このようにしてパターンの曲がった角部をドットパターンを形成することにより尖らないようにすることができ、電界の集中を避けることができる。
図32は、電子デバイスパターンをドットパターン94を1列にして形成した場合であるが、この場合も、図中のB部のように、パターンが曲げられる角部をドットパターンによって尖らないようにすることができ、電界の集中を避けることができる。
ところで、図18、図20、図24、図26、図29、図30に示したドットの組み合わせによる配線パターン92は、縦長方向に伸びた帯状パターンとして形成される、あるいは図19、図21、図25、図31、図32の電子デバイスにおいても、ドットパターン94は帯状パターンとして形成されるが、このような帯状パターンが伸びている方向は、前述の図2、図3、図5で説明したX方向あるいはY方向、すなわち基材14と噴射ヘッド11との相対移動方向(噴射ヘッドを搭載したキャリッジ12の移動方向、あるいは基材14の移動方向)と平行にすることにより、液体を噴射制御するためのパターン情報およびその制御を単純化でき、高精度な各パターン形成を低コストで実現できる。
また同様にこれらの方向、すなわちパターンが伸びている方向は、使用する矩形基材の各辺の方向、あるいは形成される電子デバイス群のマトリックス配列の方向と平行にすることにより、位置決め、あるいは各パターン形成を高精度にできる。
前述のように本発明は紙あるいは紙をベースとした基材上に電気的機能発現材料を直接付与して、電子デバイスやパターン配線を行う技術である。ここでこの基材はその表面の性状は、セルロース繊維の太さ、それらが重なりあってできる間隙に起因する紙の繊維の凹凸が反映された状態になっており、良好なパターン配線シートあるいは電子デバイス形成シートを製作するのに必ずしも好ましい形状であるとはいえない。
本発明はこの点に鑑み、紙の表面性状と良好な配線パターンを製作する際の関係について検討したものである。前述のようにセルロース繊維は、紙の種類にもよるが、一般に幅(太さ)が、5〜20μm程度である。紙は通常、そのままこのような大きさの繊維よりなるものではなく、一般的には紙製造工程において、叩解(こうかい)と呼ばれる繊維に機械的な力を作用させ、柔軟にする工程を経て製作されるため、実際に完成した紙の繊維の大きさはこれよりも小さくなる。通常、叩解を経て製造された紙の繊維の太さ、あるいは厚さは、4〜10μm程度である。
本発明においてはこのような繊維が重なり合ってなる紙の表面に電気的機能発現材料のドットパターンを形成し、液体中の固形分を残留させて配線パターンとしたり、電子デバイスとしたりするわけであるが、丸い良好なドットパターンを形成するにあたって重要なことは紙の表面性状である。
本発明ではこの点に鑑み、紙の表面粗さと良好な配線パターンあるいは電子デバイスを形成するための関係を調べたものである。紙はセルロース繊維によって形成される凹凸の他に、前述のような塗工紙の塗工物質によっても紙の表面性状が異なり、良好なパターン形成、デバイス形成に影響を及ぼす。
これらの点について検討した結果の一例を示す。ここでは、繊維の大きさ、塗工材料の有無、多少等により表面性状の異なる紙を準備し、図26のような配線パターンを形成し、パターン形成の良好性評価(官能評価)ならびに配線パターンとしての耐久性評価を行った。
なお紙への塗工材料の付与は、インクジェット法のように、ドットを付与する/付与しないというようにデジタル的な手段があるが、ここではより簡便かつ迅速に付与する手段として、ローラーコーティングによる紙面にアナログ的に全面付与する手法を採用した。他のアナログ的な全面付与手段としてスプレー塗布などもあるが、ここでは塗工材料より均一な付与を行うために、ローラーコーティングによって行った。
また、配線パターン形成のためのドット形成は、図9、図10に示したようなピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドである。但し、図9、図10に示した噴射ヘッドは、流路の先端がそのまま吐出口になっているものを示したが、実験に使用したものは、この先端に流路の配列密度と同じ配列密度で形成したノズルを有するノズル板を設けたものである。ノズル板はNiのエレクトロフォーミング手法によって形成したものであり、その厚さは20μmとした。
また、その吐出口(ノズル)の数も、図9、図10に示したものは説明を簡単にするため吐出口が7個しかないものであるが、実際に使用したのは吐出口の数が256個で、その配列密度が180dpiのものである。また吐出口径はΦ20μm(面積でいうならば314μm2)である。
使用した溶液は、銀コロイド水溶液であり、以下のようにして製造した。
最初に2リットルのコルベンにディスパービック190(ビックケミー社製、固形分率40質量%)23.3g、及び、イオン交換水420.5gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック190が溶解するまで50℃で攪拌した。ここに、イオン交換水420.5gに溶解させた硝酸銀100gを攪拌しながら加えて、70℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール262gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が76℃まで上昇した。そのまま放置して液温が70℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい黄色を呈する銀コロイドの水溶液が得られた。
得られた反応液を1リットルのポリ瓶に移し換え、60℃の恒温室で18時間静置した。次に、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある3リットルのステンレスカップをシリコンチューブでつないで、限外濾過装置とした。先の60℃の恒温室で18時間静置した反応液をステンレスカップに入れて、更に2リットルのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。約40分後にモジュールからの濾液が2リットルになった時点で、ステンレスカップに2リットルのエタノールを加えた。その後、濾液の伝導度が300μS/cm以下になったことを確認し、母液の量が500mlになるまで濃縮を行った。
続いて母液を入れた500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターを含む限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約100mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分10%の銀コロイドのエタノール溶液が得られた。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は、0.017μm(17nm)であった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント社製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの87質量%に対して、90質量%であった。
このようにして製造した銀コロイド水溶液を上記のような液体噴射ヘッドで噴射し、表面性状を変えた紙をベースとした基材上に、図26のようなに約1/3ドットずつ重なり合うようにしてドットパターンを打ち込み、配線パターンとした。ドット径は基材の表面性状によって変動するが、φ40〜50μmである。なお電極91は厚さ0.5μmであり、先にAlスパッタリングによって形成しておいた。またこの時の液滴噴射ヘッドのピエゾ素子駆動電圧は30V、駆動周波数は12kHzとした。
続いて、このパターン形成後の基材をオーブンに入れ100℃で10分間乾燥させ、膜厚、約0.2μmの金属光沢を有する乾燥膜を得た。得られた乾燥膜の導電性を、測定機としてロレスターFP(三菱化学社製)を用いてその表面抵抗値を測定した結果、測定不能(108Ω/□以上)であった。この乾燥膜に対し、低圧水銀灯を用いて5J/cm2の光照射を行った後に、100℃で40分加熱し金属性被膜を得た。得られた金属性被膜の導電性を、測定機としてロレスターFP(三菱化学社製)を用いてその表面抵抗値を測定した結果、3.76×100Ω/□であった。
次に、電極91間に繰り返し通電を行い(パルス電圧30V、パルス幅50msおよびパルス間隔を100msとし、60分間)、耐久性として断線の有無を評価した。
結果を表2、表3に示す。なおここでパターン形状判定の(○、×)は、100倍の顕微鏡画像を見ながら官能評価で判断したものであり(各々20個ずつピックアップして評価)、○は良、×は不良である。また耐久性に関しては、○は断線なし、×は断線ありである。
表2、表3の結果より、基材である紙のセルロース繊維の太さおよびそれらが重なりあってできる間隙による表面性状(凹凸)を、コート材(ここでは炭酸カルシウムとデンプンを使用)によって滑らかにする、言い換えるならば表面粗さをセルロース繊維の太さおよびそれらが重なりあってできる間隙による凹凸以下にする(凹凸を消す)ことによって、良好なパターン形状となり、配線パターンの断線もなくなり耐久性の優れたパターンが得られることがわかる。
なお、本発明においてはこのようなコート材の他に、絶縁性微粒子として、例えば酸無水物とジイソシアネートにアミン触媒を加えて反応させて製作した、多孔性ポリイミド微粒子(表面抵抗率1014Ω/□以上)、アークプラズマにAl粒子(20μm)を注入して得られるAlN微粒子(サイズ20nm〜30nm)、ガス中蒸発法によって製作されるSiOX微粒子なども好適に使用できる。
また上記実験例は図26のような比較的単純な配線パターンによってテストを行ったものであるが、本発明はこのような単純な配線パターンにのみならず、前述の各種材料を使用し、トランジスタ等の機能性電子デバイス形成を行う場合においても、このように基材の凹凸を消す技術は故障のない良好な電子デバイス形成に有効である。
本発明は、画像形成手段によって電気的機能発現材料を、紙もしくは紙をベースとした基材上に直接付与することによってパターン配線あるいは電子デバイスを形成する技術であるが、以上の説明では主として、インクジェット原理による画像形成手段を中心に説明してきた。他に本発明に好適に使用できる画像形成手段としては、いわゆる電子写真法として知られるカールソンプロセス原理によるものがある。以下にその説明をする。
図33、図34は本発明の画像形成手段に好適に適用される紙に画像形成を行う代表例としての電子写真複写装置である。図33は電子写真原理(カールソンプロセス原理)のエンジン部(画像形成部)を示したものであり、ここでは潜像担持体としての感光体ドラムをタンデム配列した乾式2成分現像方式のフルカラー作像装置の画像形成部を示している。
図34は全体を示す図である。図34において、4連タンデム型のカラー画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、マルチファンクションペリフェラル)のほぼ中央に画像形成部101が配置され、この画像形成部101のすぐ下方には給紙部102が配置され、給紙部102には各段に給紙トレイ121が設けられている。また、画像形成部101の上方には、原稿を読み取る読み取り部103が配設されている。画像形成部101の用紙搬送方向下流側(図示左側)には排紙収納部、所謂排紙トレイ104が設けられ、排紙された画像形成済みの記録紙が積載される。
画像形成部101では、図33に示すように無端状のベルトからなる中間転写ベルト105の上方に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の複数の作像部106が並置されている。各々の作像部106では、各色毎に設けられたドラム状の感光体161の外周に沿って、帯電装置162、露光部165、現像装置163、感光体クリーニング装置164などが配置されている。帯電装置162は、感光体161の表面に帯電処理を行い、露光部165では、画像情報を感光体161表面にレーザ光で照射する露光装置107からのレーザ光が照射される。現像装置163は、感光体161の表面に露光されて形成された静電潜像を帯電微粒子色材であるトナーを付与することにより可視化、顕像化(現像)し、感光体クリーニング装置164は転写後に感光体161の表面に残留したトナーを除去回収する。
作像プロセスとしては、中間転写ベルト105上に各色毎の画像が作像され、中間転写ベルト105上に4色が重畳されて1つのカラー画像が形成される。その際、最初にイエロー(Y)の作像部でイエロー(Y)のトナーを現像し、中間転写ベルト5に1次転写装置166によって転写する。次に、マゼンタ(M)の作像部でマゼンタのトナーを現像し、中間転写ベルト105に転写する。次にシアン(C)の作像部でシアンのトナーを現像し、中間転写ベルト105上に転写し、最後にブラック(K)のトナーを現像し、中間転写ベルト105上に転写し、4色が重畳されたフルカラーのトナー画像が形成される。そして中間転写ベルト105上に転写された4色のトナー像は、給紙部102から給紙されてきた記録紙120に2次転写装置151で転写され、定着装置108によって定着された後、排紙ローラ141によって排紙トレイ104に排紙され、あるいは両面装置109に搬送される。両面印刷時は、搬送経路は分岐部191で分岐され、両面装置109を経由して、記録紙120は反転される。そしてレジストローラ123で用紙のスキューが補正され、表面への画像形成動作と同様にして裏面への画像形成動作が行われる。一方、フルカラーのトナー像が転写された後、中間転写ベルト105の表面に残留したトナーは中間転写ベルトクリーニング装置152によって除去回収される。なお、符号192は両面装置109からの反転排紙経路である。また、図33では、各部の符号の後ろに色を表すY、M、C、Kを付けて各色の作像部を区別している。
給紙部102は、給紙トレイ121に未使用の記録紙120が収容されており、最上位の記録紙120がピックアップローラ125に当接する位置まで、一端が給紙トレイ121の底部に揺動可能に支持された底板124の他端を上昇させる。そして、給紙ローラ126の回転により、最上位の記録紙120はピックアップローラ125によって給紙トレイ121から引き出され、給紙ローラ126によって縦搬送路127を介してレジストローラ123側へと搬送される。レジストローラ123は記録紙120の搬送を一時止め、中間転写ベルト105上のトナー像と記録紙120の先端との位置関係が所定の位置になるよう、タイミングをとって記録紙120を送り出す。レジストローラ123は前記縦搬送路127からの記録紙120の他に、手差しトレイ184から搬送されてくる記録紙120に対しても同様に機能する。なお、図34中、符号181は分岐爪、符号182はジャム紙排紙トレイであり、縦搬送路127の下流側でジャムが生じたときに分岐爪181が作動して排紙トレイ182に用紙を導出する機能を有する。
読み取り部103では、コンタクトガラス131上に載置される原稿(不図示)の読み取り走査を行うために、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1及び第2の走行体132、133が往復移動する。この走行体132、133により走査された画像情報は、レンズ134によって後方に設置されているCCD135の結像面に集光され、CCD135によって画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。
ここで読み取り密度であるが、本発明においては必要に応じて、300dpi、600dpi、1200dpiの密度で読み取ることができ、読み取り密度を選択する。また、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色フィルターによってフィルタリングされた後、CCD135によって画像信号として読み込まれ、カラー画像データとして取り込まれる。
そして、画像処理された信号に基づいて、露光装置107内のレーザダイオードLD(不図示)の発光により感光体161の表面に光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。LDからの光信号は、公知のポリゴンミラーやレンズを介して感光体161(それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の感光体)に至る。また読み取り部103の上部には、原稿を自動的にコンタクトガラス上に搬送する自動原稿搬送読取装置(Auto Document Feeder ADF)136が取り付けられている。
以上が、カールソンプロセス原理による画像形成手段の説明であるが、本発明においては、上記のトナーに替えて電気的機能発現材料を使用する。すなわち紙もしくは紙をベースとした基材上に、画像形成のトナーに替えて、電極パターンを構成するための導電性材料、電気信号によって発色する材料、絶縁材料等を付与することにより、あたかもカールソンプロセス原理によって、フルカラー画像を形成するかのようにして、各種のパターン配線やあるいは電子デバイスを形成することが可能となる。このようなパターン配線などを行うためのデータは、上記のような読み取り部103によって取り込まれたデータを使用してもよいし、別途コンピュータグラフィックスデータをこの装置にインプットしてもよい。また、このようなパターン配線あるいはデバイス形成を行う場合、上記のように画像形成を行う場合と同様に、中間転写ベルト105上に各材料ごとのパターンを形成し、中間転写ベルト105上に各材料の複数パターンが重畳された状態のものを一括して紙上に転写しても良いし、あるいはカールソンプロセス原理による画像形成手段としては説明しなかったが、各材料のパターンごとに、紙に転写を繰り返すようにして積層パターンを形成するようにしてもよい。
カールソンプロセス原理に使用されるトナーは一般的には、1〜10μm程度のサイズのスチレン系(スチレンアクリル)あるいはポリエステル系(重合法の場合はポリエステル)の樹脂に顔料などの着色剤、電荷制御剤、離型剤、さらには各種の外添剤を添加したものである。この着色剤によって、各種の色を出しているわけであるが、本発明では色を出すのではなく、電気的機能発現させることを目的としている。よってこの顔料などの着色剤に替えて、前述のインクジェット原理で噴射する溶液について説明したような導電性微粒子、発光材料、半導体材料、絶縁材料などをこの樹脂の表面あるいは内部に添加し、着色剤としてのトナーではなく、電気的機能発現材料としてのトナーを使用することにより、カラー画像形成を行うのではなく、各種のパターン配線やあるいは電子デバイス形成を実現できる。
なお、一般にインクジェット原理による画像形成手段は、基材幅全域をカバーするようにノズルを配したものは、高速なパターン形成が可能であるが、図2、図3に示したような、いわゆるシリアルプリンタータイプのものはパターン形成スピードが遅い。ただし、噴射ヘッドの可動範囲を大きくすれば、例えば紙のサイズでA0サイズといった大面積の基材に対してもパターン形成が可能であるという特徴を有する。
一方で、カールソンプロセス原理による画像形成手段は、高速なパターン形成が可能である(パターン形成シートを1分間に100枚〜200枚といった大量かつ高速出力が可能である)。よって、両手段を組み合わせて、それぞれの得意領域のパターンを形成するようにしてもよい。例えば、基材前面に絶縁層や保護層を形成するような場合には、カールソンプロセス原理による画像形成手段を利用し、各デバイスに少量の電気的機能発現材料をインクジェット原理で付与するといった組み合わせを行ってもよい。
また、前述の基材である紙のセルロース繊維の太さおよびそれらが重なりあってできる間隙による表面性状(凹凸)を滑らかにするためのコート材付与を全面、高速パターン形成を得意とするカールソンプロセス原理による画像形成手段で行うのもよい方法である。この場合、定着装置108によって定着する場合、いわゆる加熱、加圧ローラによって定着されることが多いのでコート材付与に加えてこのローラによって基材表面の凹凸が平滑化されるという利点もある。
以上、各種配線パターン、電子デバイス等を、いろいろな手法によって形成する例を説明してきたが、形成されたパターン面もまた前述の基材の裏面ラミネートと同様に,樹脂ラミネート等の手法によって保護するのがよい。
より好ましくは、本発明の各種配線パターン、電子デバイス等は他の電子部品等と電気的接続されて使用されるのでその接続部分は除外して、選択的に樹脂材料等の保護部材を形成するのがよい、それには、インクジェット原理の溶液噴射法は、その選択的なパターンを任意に指定できるので有用な方法であり、溶融ワックス系材料を用いて、簡単に保護部材形成が実現できる。
もちろん他の印刷技術によってこのような樹脂材料の保護部材を形成してもよいし、ローラコーティング等の手法によって形成してもよい。あるいは、フォトレジスト等の感光性樹脂を利用して、選択的に被覆/非被覆の領域を形成するようにしてもよい。
なおここでいう保護とは、前述の水に対する保護のみならず、各種汚染、あるいは物理的衝撃などから、配線パターン、電子デバイス等を保護するためのものである。これにより、本発明においては、このような新規なパターン配線シート、電子デバイスシートのいろいろな面における信頼性(耐水、耐衝撃、耐光、耐汚染、耐絶縁など)を確保をすることができるようになった。
次に本発明の他の特徴について説明する。
図35は、本発明の原理により、紙もしくは紙をベースとした基材10上に電子デバイス200を複数個形成した電子デバイスシートである。ここで電子デバイス200の内部は詳述しないが、本発明の原理によって、電気的機能発現材料あるいは絶縁材料等を含有した複数種類の液体をこの基材に付与して多数のトランジスタ等を組み合わせた回路群よりなるいわゆる集積回路デバイスである。これら複数個の電子デバイス200はデバイス離間領域201を介して配置された構成となっている。
図36は、このような図35の電子デバイスシートのデバイス離間領域201をより明確にするために、その部分に離間用ラインパターン202を設けたものである(図の一点鎖線)。この離間用ラインパターン202も本発明の原理、すなわち画像形成手段によって電気的機能発現材料を、紙もしくは紙をベースとした基材上に直接付与するのと同じ原理で付与される。材料としては、電気的機能発現材料を含有した液体でも良いし、単なる識別用の着色材料であってもよい。このような、離間用ラインパターン202をを設けることにより、それぞれの電子デバイス200に切り離す際、容易にその切断部分を識別することが可能となる。
図37は、このような離間用ラインパターン202を基材10端部まで形成した例である。これにより、それぞれの電子デバイス200に切り離す際、その切り離し精度を向上させることができる。
なお、以上の説明は、離間用ラインパターン202を、基材10に印刷、形成する例を示したが、他の好適な例として、この離間用ラインパターン202に相当する部分の基材10の強度を他の領域より弱くするようにしてもよい。具体的には、切手シートのように簡単に手で分離できるように、ライン状に複数の孔を穿孔したり、いわゆるミシン目を入れてその部分の強度が他の領域より機械的強度を弱くしておくのもよい方法である。またこの弱くする構成として、必ずしも、基材10を貫通するように穿孔する必要はなく、その部分のみライン状に基材10の厚さが薄くなっているようにしてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明は、パターン配線基材あるいはデバイス基材を製作する技術であるが、数10μm〜数μm(より具体的には50μm〜1μm)という非常に微細なパターンを従来のようなフォトリソ技術によるのではなく、従来にはない微小な吐出口を有する噴射ヘッドによって電気的機能発現材料含有液体の液滴を基材に直接噴射付与するという簡単な装置、あるいはカールソンプロセス原理による画像形成手段を応用してこのような電気的機能発現材料を含有したトナー材料で、パターンやデバイスをダイレクト製作するようにしている。したがって、いわゆる半導体製造プロセスで使用されている高価な製造装置を必要とせず、低コストでかつ安定して製作できるようになった。なお、このようなパターン形成の代表例として、インクジェット原理やカールソンプロセス原理による画像形成手段を応用した例で説明しているが、他の印刷手段(熱転写、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スクリーン印刷等)を利用してもよいのはいうまでもない。
ここで、本発明の他の目的は、このような新規な電子部品製造装置によってより複雑な構造のパターン配線基材あるいは電子デバイス基材を製造する装置を提案することにある。
さらに、他の目的は、このような新規な電子部品製造装置のより具体的な構成を提案することにある。
また、他の目的は、このような新規な電子部品製造装置のより具体的な構成を提案することにある。
また、他の目的は、このような新規な電子部品製造装置のより具体的な構成を提案することにある。
また、他の目的は、このような新規な電子部品製造装置のより具体的な構成を提案することにある。
また、他の目的は、新規なパターン配線シートを提案することにある。
また、他の目的は、このような新規なパターン配線シートをより高精度に形成できるようにすることにある。
また、他の目的は、このような新規なパターン配線シートの信頼性を確保することにある。
また、他の目的は、新規な電子デバイスシートを提案することにある。
また、他の目的は、このような新規な電子デバイスシートをより高精度に形成できるようにすることにある。
また、他の目的は、このような新規な電子デバイスシートの信頼性を確保することにある。
また、他の目的は、このような新規なパターン配線あるいは電子デバイスをより効果的に製作できる構成を提案することにある。
請求項2の発明によれば、紙もしくは紙をベースとした基材上に、インクジェット原理の噴射ヘッドによって電気的機能発現材料含有液体を噴射付与し、前記基材上に前記液体中の固形分を残留させることによってドットによるパターンを形成し、パターン配線あるいは電子デバイスを形成する電子部品製造装置において、前記噴射ヘッドは、前記液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡の成長作用力で前記液体を噴射させる噴射ヘッドであり、飛翔時の液体は、飛翔方向に伸びた細長柱状であってその直径の5倍以上の長さの柱状形状であり、該形状は、前記噴射ヘッドとは別の噴射ヘッドで、前記電気的機能発現材料含有液体もしくはそれと同等の流体物性を持つ液体を使用し、その飛翔形状を観察しながら前記別の噴射ヘッドの発熱体への駆動信号を調整して得られる形状であり、前記駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を前記噴射ヘッドの発熱体へ入力することにより、前記電気的機能発現材料含有液体を噴射付与するようにしたので、従来の半導体製造プロセスのような高価で複雑な工法によらず、簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとしたパターン配線あるいは電子デバイスを形成することが可能な新規な電子部品製造装置を実現できた。
請求項3の発明によれば、このような電子部品製造装置において、前記噴射ヘッドを複数個有し、異なる種類の前記液体を噴射し、該異なる種類の前記液体による前記パターンを積層して前記パターン配線あるいは電子デバイスを形成するようにしたので、上記効果に加え、構造がより複雑なパターン配線あるいは電子デバイスを形成することができるようになった。
請求項4の発明によれば、このような電子部品製造装置において、前記基材は基材保持手段に保持され、前記複数個の噴射ヘッドはキャリッジ搭載されて前記基材に対向して移動し前記溶液の噴射を行うとともに、先に噴射形成したパターンの乾燥後、次の異なる溶液の噴射を行い、前記積層パターンを形成するようにしたので、上記効果に加え、パターン崩れのない高精度かつ信頼性の高いパターン配線あるいは電子デバイスを形成することができるようになった。
請求項5の発明によれば、このような電子部品製造装置において、前記基材は基材搬送手段によって搬送され、前記複数個の噴射ヘッドはキャリッジ搭載されて前記基材に対向して移動し前記溶液の噴射を行うとともに、先にパターン形成した後に次のパターンを積層形成する際に、前記基材は前記基材搬送手段によって先の噴射を開始した位置に戻され、次の異なる溶液の噴射を行い、前記積層パターンを形成するようにしたので、上記効果に加え、パターン崩れのない高精度かつ信頼性が高くかつ複雑な構成のパターン配線あるいは電子デバイスを形成することができるようになった。
請求項6の発明によれば、このような電子部品製造装置において、前記基材は基材搬送手段によって搬送され、一方の面に前記パターンを形成した後、前記搬送手段によって前記基材は反転せしめられ、他方の面にもパターンを形成するようにしたので、上記効果に加え、より高機能のパターン配線あるいは電子デバイス、あるいは小型化したパターン配線あるいは電子デバイスを形成することができるようになった。
請求項7の発明によれば、紙もしくは紙をベースとした基材上に、電気的機能発現材料含有液体のドットパターンを形成し、該液体中の固形分を残留させてなるようなパターン配線シートとしたので、従来の半導体製造プロセスのような高価で複雑な工法によらず、簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとしたパターン配線シートを実現できた。
請求項8の発明によれば、紙もしくは紙をベースとした基材の紙の繊維の凹凸を消すコート材を設けた面に、電気的機能発現材料含有液体のドットパターンを形成し、該液体中の固形分を残留させてなるようなパターン配線シートとしたので、従来の半導体製造プロセスのような高価で複雑な工法によらず、簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとしたパターン配線シートにおいて、大変高精度かつ信頼性の高いパターン配線シートとすることができた。
請求項9の発明によれば、このようなパターン配線シートにおいて、前記ドットパターンを複数個連ねて帯状パターンとし、該帯状パターンは直交する2方向のそれぞれに平行方向のドットの組み合わせによる帯状のパターンであり、該パターンの前記2方向に曲がる領域の外側領域を曲線形状としたので、信頼性の高いパターン配線シートとすることができた。
請求項10の発明によれば、紙もしくは紙をベースとした基材上に、電気的機能発現材料含有液体のドットパターンを形成し、該液体中の固形分を残留させてなるような電子デバイスシートとしたので、従来の半導体製造プロセスのような高価で複雑な工法によらず、簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとした電子デバイスシートを実現できた。
請求項11の発明によれば、紙もしくは紙をベースとした基材の紙の繊維の凹凸を消すコート材を設けた面に、電気的機能発現材料含有液体のドットパターンを形成し、該液体中の固形分を残留させてなるような電子デバイスシートとしたので、従来の半導体製造プロセスのような高価で複雑な工法によらず、簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとした電子デバイスシートにおいて、大変高精度かつ信頼性の高い電子デバイスシートとすることができた。
請求項12の発明によれば、このような電子デバイスシートにおいて、前記ドットパターンを複数個連ねて帯状パターンとし、該帯状パターンは直交する2方向のそれぞれに平行方向のドットの組み合わせによる帯状のパターンであり、該パターンの前記2方向に曲がる領域の外側領域を曲線形状としたので、信頼性の高い電子デバイスシートとすることができた。
請求項13の発明によれば、紙もしくは紙をベースとした基材の表裏に、電気的機能発現材料含有液体のドットパターンを形成し、該液体中の固形分を残留させて形成される配線パターンもしくは電子デバイスもしくはその両方を形成したようなシートとしたので、従来の半導体製造プロセスのような高価で複雑な工法によらず、簡単な原理、構造による新規な紙もしくは紙をベースとした配線パターンあるいは電子デバイスを、より高機能かつ小型化することができた。
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。