高光出力型の発光ダイオード(LED)に適用した本発明による半導体発光装置の実施の形態を図1〜図14について説明する。
図1〜図4に示すように、本実施の形態の発光ダイオード(10)は、金属製の支持板(1)と、支持板(1)の上面(12)に固着された半導体発光素子としての発光ダイオードチップ(2)と、支持板(1)の側面(11)に隣接して配置され且つ支持板(1)側から外側に延伸する配線導体(3)と、発光ダイオードチップ(2)の上面電極(2a)と配線導体(3)の上面(3a)とを電気的に接続するリード細線(4)と、支持板(1)の側面(11)及び配線導体(3)の一部を被覆する樹脂封止体(6)とを備える。図4は、完成した発光ダイオード(10)を示し、図3は、樹脂封止体(6)を省略した図4の発光ダイオード(10)を示し、図1及び図2は、図4の発光ダイオード(10)の異なる断面図を示す。図示する発光ダイオード(10)は、8個の発光ダイオードチップ(2)及び発光ダイオードチップ(2)を挟んで16本の配線導体(3)を有する。
支持板(1)及び配線導体(3)は、銅、アルミニウム、銅合金又はアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属により形成される。熱伝導率が高い金属製の支持板(1)を使用することにより、配線導体(3)を通じて発光ダイオードチップ(2)に大電流を流して点灯させるときに発生する熱を支持板(1)及び配線導体(3)を通じて外部に良好に放出することができる。図3に示すように、支持板(1)は、幅が広く形成された一対の一方の側面(28)と、一方の側面(28)に対して幅が狭く形成された一対の他方の側面(11)とにより略長方体の形状に形成される。支持板(1)は、上面(12)の中央側を通り且つ対向する他方の側面(11)の間に形成された溝状の窪み部(1a)を有する。支持板(1)の窪み部(1a)内には、発光ダイオードチップ(2)を固着する支持面(12a)が備えられ、窪み部(1a)を構成し且つ発光ダイオードチップ(2)を挟んで対向する側壁部(12b)は、支持面(12a)から離間する方向に向かって拡大する開口断面積を有する傾斜面を備える。側壁部(12b)は、傾斜面により発光ダイオードチップ(2)の光指向性及び正面輝度を向上する光反射性のリフレクタの役割を果たす。支持板(1)の平坦な下面(15)は、樹脂封止体(6)の下面(6b)から外部に露出する。配線導体(3)は、正方形又は長方形断面を有する棒状又は帯状に形成され、他端(14)に対して幅広に形成され且つリード細線(4)が接続されるボンディングパット部を一端(13)に有する。円形断面を有する棒状に配線導体(3)を形成してもよい。配線導体(3)の一端(13)は、発光ダイオードチップ(2)の上面電極(2a)又は下面電極(2b)と電気的に接続され、他端(14)は、樹脂封止体(6)から外部に導出される。
図4に示すように、樹脂封止体(6)は、例えば、シリカ等のコンパウンド(充填材)の含有率が相対的に大きく、高軟化点を有し不透明又は半透明の樹脂により略長方体の形状に形成される。光透過性樹脂に比較してコンパウンドの含有量が多く、耐熱性に優れ電力用トランジスタ等のパッケージに使用される熱硬化型のエポキシ系黒色樹脂を使用して樹脂封止体(6)を形成してもよい。この場合、発光ダイオードチップ(2)からの熱が樹脂封止体(6)に連続的に加わっても、樹脂封止体(6)の密着性はさほど低下しない。このため、樹脂封止体(6)と配線導体(3)との間に隙間等が発生せず、樹脂封止体(6)の耐環境性能が長時間に渡って良好に得られ、信頼性の高い高光出力発光ダイオードが得られる。また、樹脂封止体(6)は、シリカ、チタン又は窒化ボロン等のフィラーを配合して熱又は紫外線に対する耐性が向上されたエポキシ系白色樹脂により形成してもよい。
樹脂封止体(6)は、4つの外側面(6c)を支持板(1)の上面(12)より上方に延伸させて、発光ダイオードチップ(2)を包囲する延長壁(16)を形成する。延長壁(16)により形成される空洞部(8)内に光透過性樹脂(5)を充填して、支持板(1)の上面(12)、発光ダイオードチップ(2)、リード細線(4)及び配線導体(3)の上面(3a)を被覆する。樹脂封止体(6)を白色樹脂等の光反射性を有する材料で形成した場合、延長壁(16)は、支持板(1)の窪み部(1a)と同様に、発光ダイオードチップ(2)の光指向性及び正面輝度を向上する光反射性のリフレクタの役割を果たす。また、延長壁(16)は、樹脂封止体(6)の外側面(6c)と連続して形成されるので、樹脂封止体(6)の機械的強度を補強し、外部から発光ダイオード(10)に加わる応力を緩和することができる。樹脂封止体(6)の空洞部(8)と支持板(1)の窪み部(1a)とは、連続して内部空間を形成し、内部空間に透明又は半透明の光透過性樹脂(5)が充填される。樹脂封止体(6)の延長壁(16)により、光透過性樹脂(5)が樹脂封止体(6)の外部に漏出せず、容易且つ良好に樹脂封止体(6)の空洞部(8)及び支持板(1)の窪み部(1a)に光透過性樹脂(5)を充填することができる。光透過性樹脂(5)は、屈折率及び光透過性の高い樹脂により成り、例えば、耐熱性シリコーン樹脂が使用される。光透過性樹脂(5)により発光ダイオードチップ(2)及びリード細線(4)を保護できる。樹脂封止体(6)の空洞部(8)と支持板(1)の窪み部(1a)とにより形成される内部空間に光透過性を有するポリメタロキサン又はセラミック等から成るコーティング材を充填してもよい。
図5及び図6に示すように、樹脂封止体(6)は、支持板(1)の側面(11)と樹脂封止体(6)の外側面(6c)との間で樹脂封止体(6)の下面(6b)から上面(6a)側に延伸する開口部(7)を有し、開口部(7)を介して配線導体(3)の下面(3b)が外部に露出する。支持板(1)の側面(11)と樹脂封止体(6)の外側面(6c)との間で樹脂封止体(6)の下面(6b)から上方に延伸する開口部(7)を形成して、配線導体(3)の下面(3b)を下方に向かって外部に露出させるので、配線導体(3)を通じて発光ダイオードチップ(2)に大電流を流して高輝度で点灯させたときに、開口部(7)を通じて配線導体(3)の熱を外部に良好に放出することができる。支持板(1)の下面(15)は、一対の開口部(7)の間で樹脂封止体(6)から外部に露出する。
本実施の形態の発光ダイオード(10)では、リード細線(4)は、発光ダイオードチップ(2)の上面電極(2a)と配線導体(3)の一端(13)の上面(13a)とを電気的に接続し、樹脂封止体(6)の開口部(7)は、配線導体(3)の一端(13)の下面(13b)を外部に露出する。発光ダイオードチップ(2)の点灯時に、発光ダイオードチップ(2)近傍の配線導体(3)の一端(13)が高温に加熱されるが、開口部(7)を通じて配線導体(3)の一端(13)の下面(13b)を外部に露出させるので、より効果的に発光ダイオードチップ(2)及び配線導体(3)の熱を外部に放出することができる。特に、図1に示すように、リード細線(4)の一端が接続される配線導体(3)の接続領域の下面を開口部(7)によって外部に露出させることにより、リード細線(4)から配線導体(3)に伝達される熱を外部に放出することができる。
開口部(7)は、複数の配線導体(3)の一端(13)の下面(13b)を外部に露出するが、樹脂封止体(6)は、開口部(7)により開放される隣り合う配線導体(3)間の間隙(18)を充填する連結部(17)を有する。よって、配線導体(3)及び連結部(17)により、樹脂封止体(6)の開口部(7)と空洞部(8)とが隔離され、配線導体(3)間の間隙(18)を通じて開口部(7)から発光ダイオードチップ(2)を配置した空洞部(8)へ異物が侵入することを防止できる。また、連結部(17)により、配線導体(3)間の間隙(3a)から透光性樹脂(5)を漏出させずに、樹脂封止体(6)の延長壁(16)の内側に形成される空洞部(8)内に透光性樹脂(5)を充填することができる。
図1、図5及び図6に示すように、樹脂封止体(6)の開口部(7)は、支持板(1)の側面(11)及び配線導体(3)の一端(13)の先端部を被覆する内壁(33)と、配線導体(3)の一端(13)と他端(14)との間の中間部(19)を被覆する外壁(34)と、内壁(33)と外壁(34)とを接続する接続壁(35)とを有する。配線導体(3)の一端(13)と支持板(1)との間に樹脂封止体(6)の内壁(33)が形成されるので、配線導体(3)と支持板(1)とを確実に絶縁できると共に、支持板(1)の4つの側面(11)を樹脂封止体(6)により被覆して、樹脂封止体(6)に支持板(1)を保持することができる。よって、樹脂封止体(6)に対する支持板(1)の移動により、リード細線(4)が切断される等の不具合が生じるのを防止できる。樹脂封止体(6)の開口部(7)は、複数の配線導体(3)の下面(3b)を露出させる長方体の空洞部を形成し、連結部(17)は、開口部(7)に配線導体(3)の下面(3b)と同一平面を有する平坦面(17a)を備える。樹脂封止体(6)の空洞部(8)内に露出する配線導体(3)のボンディングパット部と樹脂封止体(6)の開口部(7)により開放される配線導体(3)の一端(13)の下面(13b)を除き、配線導体(3)の一端(13)は、樹脂封止体(6)により被覆される。
発光ダイオード(10)を製造する際に、支持板(1)及び配線導体(3)は、周知のプレス加工によって帯状金属からリードフレームとして複数個が同時に形成される。図7に示すように、配線導体(3)は、他端(14)側に形成された連結部材(29)により互いに連結され、支持板(1)は、支持部材(36)により配線導体(3)の間で連結部材(29)に連結されている。次に、周知のトランスファモールド法により支持板(1)の上面(12)、側面(11,28)及び配線導体(3)の一端(13)を被覆する樹脂封止体(6)が形成される。図8に示すように、リードフレームは、成形型(21,22)のキャビティ(23)内に取り付けられ、支持板(1)及び配線導体(3)が成形型(21,22)により挟持される。
成形型(21,22)の上型(21)は、キャビティ(23)側に突出した平坦部(24)を有し、成形型(21,22)を閉じたときに、支持板(1)の上面(12)に密着して、支持板(1)の窪み部(1a)を密閉する。また、成形型(21,22)の下型(22)は、キャビティ(23)側に突出した一対の突起部(25)を有し、下型(22)に支持板(1)の下面(15)を密着させときに、下型(22)の突起部(25)は、下型(22)の側面(22a)と支持板(1)の一方の側面(28)との間に配置される。図示しないが、支持板(1)の上面(12)と成形型(21,22)の上型(21)との間に樹脂カバーを配置して、支持板(1)の窪み部(1a)を密閉してもよい。
この状態で、図示しないランナ及びゲートを通じてキャビティ(23)内に流動化した樹脂を押圧注入するが、このとき、支持板(1)の窪み部(1a)内に樹脂は侵入しない。リードフレームを成形型(21,22)から取出すと、下型(22)の突起部(25)により開口部(7)が形成された樹脂封止体(6)が形成される。
続いて、樹脂封止体(6)を形成する工程の前又は後に、周知のダイボンダを使用して支持板(1)の支持面(12a)に発光ダイオードチップ(2)を半田等のろう材(図示せず)により固着し、周知のワイヤボンディング方法によって発光ダイオードチップ(2)の上面電極(2a)と配線導体(3)の一端(13)とをリード細線(4)により電気的に接続する。次に、周知のディスペンサにより光透過性樹脂(5)が樹脂封止体(6)の空洞部(8)と支持板(1)の窪み部(1a)とにより形成される内部空間に充填される。この後、リードフレームから連結部材(29)等の不要な部分を除去し、配線導体(3)の他端(14)を折曲して、図4に示す完成した発光ダイオード(10)が得られる。
本発明の実施の形態は、前記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。樹脂封止体(6)の開口部(7)の数及び形状は、適宜に変更してもよく、例えば、図9に示すように、樹脂封止体(6)の開口部(7)を円柱状の空洞に形成し、1本の配線導体(3)に対して1つの開口部(7)を形成してもよい。
図10に示す発光ダイオード(10)では、配線導体(3)の一端(13)は、支持板(1)の上面(12)に隣接して配置され、リード細線(4)により、発光ダイオードチップ(2)の上面電極(2a)と配線導体(3)の一端(13)の上面(13a)とが電気的に接続され、開口部(7)により、配線導体(3)の中間部(19)の下面(19b)が外部に露出する。配線導体(3)の中間部(19)の上面(19a)は、光透過性樹脂(5)により被覆される。詳細には、支持板(1)の上面(12)に絶縁体(9)を構成するテープ部材が貼着され、折り曲げ加工により折曲部を形成した配線導体(3)が支持板(1)の上面(12)及び樹脂封止体(6)の外側面(6c)に沿って配置される。支持板(1)と配線導体(3)とを電気的に絶縁する絶縁体(9)は、テープ部材による構成に限定されず、支持板(1)の上面(12)に絶縁性の樹脂を塗布して形成してもよい。また、絶縁体(9)は、樹脂封止体(6)と同じ材料により一体に形成してもよい。
図11に示す発光ダイオード(10)では、支持板(1)の上面(12)、支持面(12a)及び側壁部(12b)に絶縁体(9)が配置され、一対の配線導体(3)の下面(3b)に接続された一対の金属膜(26)が絶縁体(9)上に配置される。発光ダイオードチップ(2)の一対の下面電極(2b)と一対の金属膜(26)とが半田等のろう材(27)によりそれぞれ電気的に接続される。図12に示すように、配線導体(3)の一端(13)を延伸させて、ろう材(27)により配線導体(3)の一端(13)の上面(13a)と発光ダイオードチップ(2)の一対の下面電極(2b)とを電気的に接続し、金属膜(26)を省略してもよい。図13に示す発光ダイオード(10)は、発光ダイオードチップ(2)の一対の上面電極(2a)と一対の配線導体(3)の上面(3a)とを電気的に接続する2本のリード細線(4)を有する。この場合、支持板(1)の下面(15)を樹脂封止体(6)により被覆してもよい。
図1〜図13に示す発光ダイオード(10)では、支持板(1)の下面(15)と、一方の配線導体(3)の他端(14)又は一対の配線導体(3)の他端(14)とを回路基板(30)の配線パターンに接続して、発光ダイオードチップ(2)に電力を供給する。これに対し、図14に示す発光ダイオード(20)では、上方へ突出するプラグ(31)を回路基板(30)上に設け、樹脂封止体(6)の開口部(7)内にプラグ(31)を挿通して、配線導体(3)とプラグ(31)とを接続することにより、プラグ(31)を介して回路基板(30)と配線導体(3)とを電気的に接続する。プラグ(31)は、例えば、回路基板(30)から上方に延伸する一対の帯状又は樹脂封止体(6)の開口部(7)と相補的形状を有する金属部材により形成され、回路基板(30)の配線パターンに接続される。樹脂封止体(6)の開口部(7)内に配置されるプラグ(31)を通じて回路基板(30)から配線導体(3)及び発光ダイオードチップ(2)に電力を供給することができる。また、樹脂封止体(6)の開口部(7)内にプラグ(31)を嵌合することにより、回路基板(30)に対して発光ダイオード(10)を容易に位置決めすることができる。前述した実施の形態の発光ダイオード(10)では、配線導体(3)の他端(14)を回路基板(30)まで延伸させて接続し、発光ダイオードチップ(2)に電力を供給するが、本実施の形態の発光ダイオード(20)では、プラグ(31)を通じて配線導体(3)の一端(13)を回路基板(30)に接続する。よって、図14に示すように、配線導体(3)の他端(14)が樹脂封止体(6)から導出しない小型化された発光ダイオード(20)を形成することができる。配線導体(3)の他端(14)の先端面を樹脂封止体(6)の外側面(6c)から露出させてもよい。また、樹脂封止体(6)の開口部(7)とプラグ(31)との間に半田等のろう材(32)を充填してもよい。
本実施の形態の発光ダイオード(10,20)は、8個の発光ダイオードチップ(2)及び発光ダイオードチップ(2)を挟んで16本の配線導体(3)が備えられるが、これらの構成は適宜設定してよく、青色、赤色及び緑色等の単色又は複数色の発光ダイオードチップ(2)により発光ダイオード(10,20)を構成してよい。また、支持板(1)の一対の一方の側面(28)に隣接して樹脂封止体(6)に2つの開口部(7)を各々備えるが、開口部(7)の個数及び形状は、本実施の形態に限定されず、発光ダイオード(10,20)の形状等の条件により適宜変更してよい。
(1)・・支持板、 (2)・・発光ダイオードチップ(半導体発光素子)、 (2a)・・上面電極(電極)、 (2b)・・下面電極(電極)、 (3)・・配線導体、 (3b)・・下面、 (4)・・リード細線、 (5)・・光透過性樹脂、 (6)・・樹脂封止体、 (6b)・・下面、 (6c)・・外側面、 (7)・・開口部、 (8)・・空洞部、 (10)・・発光ダイオード(半導体装置)、 (11)・・側面、 (12)・・上面、 (13)・・一端、 (13a)・・上面、 (13b)・・下面、 (14)・・他端、 (16)・・延長壁、 (17)・・連結部、 (18)・・間隙、 (19)・・中間部、 (19b)・・下面、 (30)・・回路基板、 (31)・・プラグ、