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JP2008146021A - 光学フィルム - Google Patents

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JP2008146021A JP2007229114A JP2007229114A JP2008146021A JP 2008146021 A JP2008146021 A JP 2008146021A JP 2007229114 A JP2007229114 A JP 2007229114A JP 2007229114 A JP2007229114 A JP 2007229114A JP 2008146021 A JP2008146021 A JP 2008146021A
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進也 加藤
Shunichi Kondo
俊一 近藤
Hiroyuki Yoneyama
博之 米山
Tetsuya Asakura
徹也 朝倉
Akira Satake
亮 佐竹
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Abstract

【課題】光散乱層を用いて液晶表示装置の表示品位を更に拡大し、安価で、製造時にばらつきのないおよび経時安定性のある光学フィルムを提供すること、また、前記光学フィルムを具備する偏光板、及び表示装置を提供することにある。
【解決手段】透明支持体上に、少なくとも熱及び/または電離放射線硬化性樹脂と、屈折率が1.60以上である有機樹脂粒子とが含まれてなるハードコート層が積層された光学フィルムであって、前記光学フィルムを温度80℃、相対湿度90%の環境下に500時間さらした前後の全光線透過率の変化率が5%以内であることを特徴とする光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、それを用いた偏光板、及び画像表示装置に関する。より詳しくは、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン等の画像表示に用いるディスプレイ装置(CRT、PDP、ELD、SED、LCD、等)に用いられる視角特性および視認性の向上を図る光学フィルム、それを用いた偏光板、及び表示装置、特に液晶表示装置(LCD)に関する。
一般に液晶表示装置は、偏光フィルムと液晶セルから構成されている。
TNモードTFT液晶表示装置においては、光学補償フィルムを偏光フィルムと液晶セルの間に挿入し、表示品位の高い液晶表示装置が実現されている。
ところが、上記液晶表示装置は、パネルの下方向の階調反転が生じるという問題が残っていた。TNモードに限らず、IPSモード、VAモード、OCBモードでも、外光の写り込みによる表示品位の問題やさらに、視角による色味変化という問題が解決されていなかった。
これらの問題を解決するために、特許文献1のように、拡散剤を樹脂フィルム内部に含有する光拡散フィルムの前方散乱光強度を適度に設計すると共に、後方散乱光強度を非常に少なくすることで、明るさ及び高解像度化の点で有利であると共に、広視野角化を実現することができる。
ただし、この方法を具体的手段として実施するには、屈折率調整のためにバインダーに高価なZrO微粒子を含ませる必要がありそのため高価な光拡散フィルムとなったり、複数の光拡散剤を安定に含有させる方法が難しいことや、光拡散層を2層設ける必要が生じる場合があったりするため迅速な大量生産ができにくい問題があった。
一方、安価な光拡散フィルムに関しては、特許文献2のように、拡散剤としてメラミンビーズを使用する方法が挙げられる。ただし、この方法では、高温高湿下(具体的には、80℃ 90%RH)で全光線透過率が低下するという問題があり、光散乱性が変わるため、経時安定性を保つことが困難であった。
特表2005−505019号公報 特開2004−271666号公報
本発明の目的は、高屈折率の樹脂粒子を用い耐候性に優れた光学フィルムを提供することにある。
本発明の目的は更に、高屈折率の樹脂粒子を用い耐候性に優れた光学フィルムを用いた偏光板を提供することにある。
本発明の目的は更に、高屈折率の樹脂粒子を用い耐候性に優れた光学フィルムと光学補償フィルムを用いた偏光板により液晶表示装置の広視野角化により表示品位を更に拡大し、さらに安価で、製造時にばらつきのないおよび経時安定性のある光学フィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、以下の構成の光学フィルムにより本発明の上記目的が達成されることを見出した。
(1)
透明支持体上に、少なくとも熱及び/または電離放射線硬化性樹脂と、屈折率が1.60以上である有機樹脂粒子とが含まれてなるハードコート層が積層された光学フィルムであって、前記光学フィルムを温度80℃、相対湿度90%の環境下に500時間さらした前後の全光線透過率の変化率が5%以内である光学フィルム。
(2)
前記有機樹脂粒子の屈折率が1.62以上である(1)に記載の光学フィルム。
(3)
前記有機樹脂粒子の平均粒子径が0.5〜10μmである(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)
前記有機樹脂粒子がアミノ樹脂粒子である(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
(5)
前記有機樹脂粒子が、100〜350℃の温度範囲内で1〜50時間加熱処理された有機樹脂粒子である(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィルム。
(6)
前記アミノ樹脂粒子において固体13C−NMR分析における、−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比[C(II)/C(I)]が2以上である(4)に記載の光学フィルム。
(7)
前記有機樹脂粒子の圧縮弾性率が500kg/mm2〜2500kg/mm2である(1)〜(6)のいずれかに記載の光学フィルム。
(8)
前記有機樹脂粒子の表面または表面近傍が金属酸化物で被覆されている(1)〜(7)のいずれかに記載の光学フィルム。
(9)
前記有機樹脂粒子の表面または表面近傍が、金属酸化物で被覆され、更に炭素数3以上の有機化合物で被覆されている(1)〜(8)のいずれかに記載の光学フィルム。
(10)
前記有機樹脂粒子の表面または表面近傍が、金属酸化物で被覆され、更に熱および/または電離放射線に活性な反応性基をもつ有機化合物で被覆、硬化されている(1)〜(9)のいずれかに記載の光学フィルム。
(11)
前記光学フィルムがさらに低屈折率層を有する(1)〜(10)のいずれかに記載の光学フィルム。
(12)
前記ハードコート層および低屈折率層の少なくとも1層に塩基性の化合物を含有する(11)に記載の光学フィルム。
(13)
(1)〜(12)のいずれかに記載の光学フィルムを、偏光膜の保護フィルムの少なくとも一方に用いた偏光板。
(14)
(1)〜(12)のいずれかに記載の光学フィルム、または(13)に記載の偏光板が画像表示面に配置されている画像表示装置。
本発明の光学フィルムは、画像表示装置の、〔1〕表示品位をさらに拡大し、〔2〕安価で、〔3〕製造時に光散乱特性のばらつきが小さく、〔4〕高温高湿下(具体的には、80℃ 90%RH)で光散乱特性の変化が小さいこと、を可能にすることができた。本発明の光学フィルムを具備した画像表示装置は、視野角の拡大が図れ、視角変化によるコントラスト低下、階調または黒白反転および色相変化等がほとんど発生することがない。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレート及びメタクリレートの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
[光学フィルムの構成]
本発明の光学フィルムは、透明支持体上に透光性樹脂を含んでなる少なくとも一層のハードコート層を有する。図1を参照に、本発明の光学フィルムについて説明する。
図1は、本発明の光学フィルムの好ましい実施形態を模式的に示す概略断面図である。
図1(C)の光学フィルムは、透明支持体(1)上に、一層のハードコート層(2)を有し、ハードコート層(2)には、有機樹脂粒子(3)が含有される、最も基本的な構成である。
図1(A)の光学フィルムは、透明支持体(1)上に、一層のハードコート層(2)を有し、最外層に、隣接するハードコート層(2)の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層(4)を有する。ハードコート層(2)には、有機樹脂粒子(3)が含有される。
ハードコート層は複数層で形成されていても好ましく、図1(B)の光学フィルムは、透明支持体(1)上に、2層のハードコート層(透明支持体側から、ハードコート層(6)、ハードコート層(5))を有し、最外層に低屈折率層(4)が積層される。金属酸化物で被覆された有機樹脂粒子は最外層である低屈折率層側のハードコート層(5)に含有されることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、温度80℃、相対湿度90%の環境下に500時間さらした前後の全光線透過率の変化率が5%以内であるフィルムである。変化率5%以内とは、上記の環境条件にさらす前のフィルムの全光線透過率Tbに対し、上記の環境条件にさらした後の全光線透過率Taの変化率が5%以内であることである。以下では、本発明の光学フィルムについて詳述する。
(ハードコート層)
本発明におけるハードコート層の屈折率は、光拡散効果のあるフィルムを得るための光学設計から、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.48〜1.60であり、更に好ましくは1.48〜1.55である。
本発明においては、ハードコート層の屈折率よりも後述の透光性の有機樹脂粒子の屈折率が高く、その差は好ましくは0.07以上0.20以下、より好ましく0.07以上0.18以下、最も好ましくは0.08以上0.16以下である。屈折率差が0.07を下回ると、所望の内部ヘイズを得るために大量の粒子が必要となり、透明基材への接着性および塗工適性が悪化し、また、屈折率差が0.20を上回ると、透過光の散乱角度が広がりすぎて、正面コントラスト低下につながり好ましくない。
一方、ハードコート層の屈折率が透光性の有機樹脂粒子の屈折率より高く、その差が前記範囲であっても、本発明の効果は得られるが、この場合は、ハードコート層の屈折率を上げることが必要になり、ZrO、TiO、Al等の高屈折率微粒子(数nm
〜数十nm)や、高屈折率モノマーを大量にハードコート層に入れる必要が生じ、価格上昇の点で好ましくない。
ここで、ハードコート層の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。前記透光性有機樹脂粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
ハードコート層の膜厚は、フィルムに充分な耐久性、強度を付与する、及びカールの観点から、ハードコート層の厚さは通常3〜30μmとし、好ましくは3〜20m以上、最も好ましくは5〜15μm以上である。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
さらに、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
本発明のハードコート層のバインダーは、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂の一方、または両者を含み、硬化して形成される。
本発明のハードコート層のバインダーに用いられる熱硬化性樹脂としては、後述の熱硬化できる官能基を有する含フッ素共重合体やオルガノシラン化合物を挙げることができる。
本発明のハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、重合反応により形成される層であると好ましい。すなわち、バインダーとして電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成する。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光(紫外線)、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
さらにはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。さらに好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレートまたはメタクリレート」、「アクリル酸またはメタクリル酸」、「アクリロイルまたはメタクリロイル」を表す。
多官能モノマーバインダーとしては、各層の屈折率を制御するために、屈折率の異なるモノマーを用いることが出来る。特に高屈折率モノマーの例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。また、例えば特開2005−76005号、同2005−36105号に記載されたデンドリマーや、例えば特開2005−60425号記載のようなノルボルネン環含有モノマーを用いることもできる。
多官能モノマーや多官能オリゴマーのバインダー、は二種類以上を併用してもよい。これらのエチレン性不飽和基を有するバインダーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
光重合性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
本発明にはバインダーとして、ポリマーあるいは架橋しているポリマーを併用して用いることができる。架橋しているポリマーはアニオン性基を有するのが好ましい。架橋しているアニオン性基を有するポリマーは、アニオン性基を有するポリマーの主鎖が架橋している構造を有する。
ポリマーの主鎖の例には、ポリオレフィン(飽和炭化水素)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミドおよびメラミン樹脂が含まれる。ポリオレフィン主鎖、ポリエーテル主鎖およびポリウレア主鎖が好ましく、ポリオレフィン主鎖およびポリエーテル主鎖がさらに好ましく、ポリオレフィン主鎖が最も好ましい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマー、またはZrO、TiO2,SiO2などの可視光散乱を生じない無機粒子すなわち平均粒子サイズが100nmの以下の無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、前記多官能モノマーおよび/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含めてバインダーと称する。
ハードコート層のヘイズは、光学フィルムに付与させる機能によって異なる。
ハードコート層の表面散乱にて、防眩機能を付与する場合は、表面ヘイズが7%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%未満であることが最も好ましい。
また、ハードコート層の内部散乱により液晶パネルの模様や色ムラ、輝度ムラ、ギラツキなどを見難くしたり、散乱により視野角を拡大する機能を付与する場合は、内部ヘイズ値は20%〜95%であることが好ましく、更に好ましくは35%〜90%であり、最も
好ましくは45%〜85%である。
本発明のフィルムは、目的に応じて表面ヘイズ及び内部ヘイズを自由に設定可能である。
また、ハードコート層の表面凹凸形状については、画像の鮮明性を維持する目的で、クリアな表面を得る為には、表面粗さを示す特性のうち、例えば中心線平均粗さ(Ra)を0.20μm以下とすることが好ましい。Raは、より好ましくは0.10μm以下であり、更に好ましくは0.07μmであり、特に好ましくは0.05μm未満である。本発明のフィルムにおいては、フィルムの表面凹凸にはハードコート層の表面凹凸が支配的であり、ハードコート層の中心線平均粗さを調節することにより、反射防止フィルムの中心線平均粗さを上記範囲とすることができる。
(有機樹脂粒子)
本発明のハードコート層には、防眩性(表面散乱性)や内部散乱性を付与するため、有機樹脂粒子を用いる。
本発明のハードコート層中の有機樹脂粒子は、アミノ樹脂粒子[メラミン樹脂粒子(屈折率1.57〜1.65)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.68)等]、ポリスチレン粒子(屈折率1.60)、架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.60)、等の屈折率が1.60以上の粒子が用いられる。
本発明のアミノ樹脂粒子は、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミン、シクロへキセンカルボグアナミン、メラミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、パラトルエンスルホンアミド、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)および尿素からなるアミノ系化合物群(A)より選ばれる少なくとも1種(以下、単に、化合物群(A)と称することがある。)と、ホルムアルデヒド(B)とを用いて反応させてなるアミノ樹脂の硬化樹脂粒子であり、詳しくは、化合物群(A)のアミノ基をホルムアルデヒド(B)により少なくとも一部をメチロール化したものを、縮合・硬化させた樹脂の粒子などの屈折率が1.60以上で1.75以下の粒子が好ましい。上記メチロール化したものとは、一般に、化合物群(A)とホルムアルデヒド(B)との初期縮合物、好ましくは水親和性の初期縮合物といい、アミノ樹脂の前駆体となるものである。
本発明のアミノ樹脂粒子は、特に限定されるわけではないが、例えば、白色または乳白色であることが好ましく、より好ましくは白色である。白色または乳白色であることによって、例えばプラスチックへの添加剤などのように、基材の色を大きく変化させない、あるいは、任意に着色することができる用途などに好ましく幅広く使用することができる。
なかでも、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子が好ましく用いられる。
また、粒子表面または表面近傍が金属酸化物で被覆(『表面被覆』とも言う)された透光性有機樹脂粒子が好ましく用いられる。金属酸酸化物で表面または表面近傍を被覆すると、耐候性が良化し、有機溶媒中で分散しやすくなる。金属酸化物の具体例としては、ZrO、SiO、Al、In、ZnO、SnO、Sbなどがあるが、特にSiOは安価であるため好ましい。表面被覆SiOとしては、平均粒径5〜70nmのコロイダルシリカを特開2002−327036号公報や特開2005−171033号公報の方法で被覆することができる。粒子表面または表面近傍の金属酸化物の被覆層の厚みは、400nm以下が好ましい。
粒子表面を金属酸化物で表面被覆したあとに、更に疎水的な有機化合物で被覆すること
により、粒子の耐水性を高め、更に耐候性を改良することができる。防水性の効果が発現するために炭素数3以上の有機化合物が好ましい。炭素数が大きい程、芳香環等の疎水部を含有するほど防水性としての効果が高くなる。
炭素数3以上の有機化合物としては、n-ヘキシル、n-オクチル、2−エチルヘキシル等の長鎖アルコールまたはカルボン酸等の反応付加物が好適に使用される。
また、粒子表面を金属酸化物で表面被覆したあとに、更に熱および/または電離放射線に活性な反応性基をもつ有機化合物で被覆、硬化されていることが好ましい。
熱および/または電離放射線に活性な反応性基をもつ有機化合物としては、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基等の環状エーテル基を有しかつ連結基を介し、水酸基またはカルボン酸基等を有する有機化合物の反応付加物を挙げることができる。具体的にはトリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスチトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の反応付加物等が好適に使用される。
有機化合物の分子中にエチレン性不飽和基等の反応性基が含まれており、それを硬化させて表面に架橋構造を有する有機化合物は、防水性の観点からは更に好ましい。金属酸化物表面を疎水的な有機物で被覆する方法としては特開2001−255403号公報、特開2002−152183号公報等に記載されている。分子内に不飽和基を有する有機化合物による粒子の被覆例としては、アクリル酸エステルと金属化合物とをイソシアナートを介して反応させて、少なくとも金属のアルコキシドと反応性不飽和結合を有する有機化合物を作成し、それを用いて金属酸化物表面へ表面処理する方法をあげることができる。また特開2001−255403号公報の[0039]〜[0043]に記載の表面処理剤を活用して被覆を行うこともできる。ここで言う「表面近傍」とは、粒子表面から500nm以内の深さ方向の事を指す。
<有機樹脂粒子の調製>
本発明に係る透光性粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁及び146頁から147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、及び特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平9−143238号公報、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報、特開2003−147039号公報、特開2003−171432号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
また、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子等の製造方法において、縮合硬化反応の後に、非常に極微量ではあるが、硬化が不完全なアミノ樹脂つまり低縮合のアミノ樹脂が不純物のような状態で残ることがあることがある。そして、この不完全硬化のアミノ樹脂は、従来からろ過や分級などの精製時に用いている水やアルコール等の親水性溶媒に溶解してしまうため、精製後の溶媒除去時に、粗大粒子や不定形異物粒子として析出したり、また、粘性のある残存物となり、所望のアミノ樹脂粒子や異物粒子を凝集させて凝集体粒子を形成させたりする問題が生ずる。また、低縮合のアミノ樹脂が高温高湿下(具体的には、80℃ 90%RH)で加水分解や揮発、ブリードアウトなどにより樹脂粒子の大きさや形状の変化、更には屈折率の変化を引き起こし、光散乱性を変化させる問題(耐候性悪化)が生じる場合がある。
上述した問題を解決させるための一手段としては、有機樹脂粒子を製造する際に、100〜350℃の温度範囲内で1〜50時間加熱する加熱工程を含むことで、縮合硬化度を高いものにすることが挙げられる。
以下アミノ樹脂粒子を製造する工程を順を追って説明し、縮合硬化度を高める方法について説明する。アミノ樹脂の製造工程は以下の(a)〜(d)が挙げられる。
(a)アミノ樹脂となり得る初期縮合物を酸性触媒の存在下で縮合硬化させて得られた粒子を酸性触媒の存在下でさらに縮合硬化させる工程
(b)(a)で得られたけん濁液を100〜350℃の温度範囲内で1〜50時間加熱する工程
(c)中和工程 中和後のpHの値は7附近が好ましい。
(d)(c)の後得られたアミノ樹脂粒子を100〜350℃の温度範囲内で1〜50時間加熱する工程
加熱処理としては、(b)と(d)両方の工程を経ても良いし、(b)もしくは(d)のみの工程でもかまわない。
以下では(b)と(d)の工程にて好ましい態様を説明する
(b)工程
本発明の製造方法においては、(a)工程にて得られたアミノ樹脂粒子を、スルファミン酸系化合物および/またはイミダゾール系化合物を含有させた水性液中において100℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは160℃以上で加熱する。この加熱を水性液の沸点より高い温度で行う際は、オートクレーブ等の密閉容器内で加圧して行う必要がある。このような加熱を行うことにより、アミノ樹脂粒子の縮合硬化をより進め、所望の屈折率を有する粒子を得ることができる。また、上記加熱の温度が100℃未満であると、所望の屈折率を有するアミノ樹脂粒子が得られないおそれがある。
上記スルファミン酸系化合物としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、スルファミン酸(アミド硫酸)や、スルファミン酸アンモニウム(アミド硫酸アンモニウム)、スルファミン酸ニッケル(アミド硫酸ニッケル)などのスルファミン酸塩(アミド硫酸塩)などが好ましく挙げられる。上記イミダゾール系化合物としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−5−(ヒドロキシメチル)イミダゾール、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールトリメリテートなどが好ましく挙げられる。
上記水性液は、水系媒体に上記スルファミン酸系化合物および/またはイミダゾール系化合物を含有させたものであるが、この水系媒体としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、アルコールやケトンなどの水溶性の有機溶媒などを適宜使用することができる。スルファミン酸系化合物および/またはイミダゾール系化合物は、アミノ樹脂粒子に対して0.5質量%以上添加し含有させておくことが好ましく、より好ましくは0.5〜4質量%、さらにより好ましくは1〜3質量%である。0.5質量%未満である場合は、アミノ樹脂粒子の縮合硬化は進まず、所望の屈折率を有するアミノ樹脂粒子が得られないおそれがある。
上記水性液中における加熱時間は、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、1〜50時間であることが好ましく、より好ましくは2〜30時間、さらにより好ましくは2〜10時間である。上記加熱時間が、1時間未満である場合は、アミノ樹脂粒子の縮合硬化は進まず、所望の屈折率を有するアミノ樹脂粒子が得られないおそれがある。
なお、上記スルファミン酸系化合物および/またはイミダゾール系化合物は、水性液の加熱前は上記水系媒体には溶解せず混合している状態であってもよく特に限定されるわけではないが、水性液を加熱した後は溶解することが好ましい。また、上記水溶液を加熱する際は、窒素雰囲気下で行うことがより好ましい。
(d)工程
(c)の中和工程後、一旦上記水溶液中からアミノ樹脂粒子を分離し、分離した粒子を100℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは160℃以上で加熱処理する。このような加熱処理を行うことにより、アミノ樹脂粒子の縮合硬化をより進め、所望の屈折率を有する粒子とすることができる。また、上記加熱処理の温度が100℃未満であると、所望の屈折率を有するアミノ樹脂粒子が得られないおそれがある。上記水性液中からの分離については、特に限定されるわけではなく、従来公知の方法を用いれば良く、例えば、自然沈降法あるいは遠心沈降法とデカンテーションとによる分離やろ過による分離などの各種分離法を用いればよい。また、分離に先立って、硫酸アルミニウム等の凝集剤を添加して分離を促進することもできる。
上記加熱処理の方法としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、上記分離したアミノ樹脂粒子を、乾燥機、熱風乾燥機、真空(減圧)乾燥機などの装置を用いて加熱処理する方法が好ましい。上記加熱処理の時間は、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、1〜50時間であることが好ましく、より好ましくは2〜30時間、さらにより好ましくは2〜10時間である。1時間未満である場合は、アミノ樹脂粒子の縮合硬化が不十分となり、所望の屈折率を有する粒子が得られないおそれがある。本発明の製造方法においては、特に限定されるわけではないが、上述のような過程を経てアミノ樹脂粒子を得た後、さらに得られたアミノ樹脂粒子の精製、分級を行うことが好ましい。つまり、所望のアミノ樹脂粒子以外の不純物を除去したり、アミノ樹脂粒子を所望の大きさで均一化することが好ましい。
また、上記アミノ樹脂粒子を加熱する際は、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下で行なうことがより好ましい。
本発明のアミノ樹脂粒子は膜中での高温高湿下での耐候性の改良の点から、縮合硬化度の高いものが好ましい。
縮合硬化度を見る指標として、粒子の屈折率と固体13C−NMR分析における、−NH−CH2 O−CH2−NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比を挙げることができる。
縮合硬化度の高いものとすることにより耐候性の改良に加えて粒子の高屈折率化が可能となり、屈折率が1.60以上、好ましくは1.62以上、より好ましくは1.65以上で1.75以下の範囲の屈折率を有するアミノ樹脂粒子とすることができる。
粒子の屈折率は特開2003−147039[0041]に記載の方法により求めることができる。
固体13C−NMR分析における、(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比(C(II)/C(I)で示されるNMR面積比)は2以上であることが好ましく、更に好ましいのは2〜20であり、特に好ましいのは2〜10の範囲が好ましい。
また未反応由来のアミノ基やメチロール基の量は当然のことであるが少ない方が好ましい。
測定方法については特開2003−171432に記載の方法により求めることができる。
有機樹脂粒子の縮合硬化度を見る指標として、上記NMRのシグナル比に加えて、圧縮
弾性率があり、圧縮弾性率は500kg/mm2〜2500kg/mm2が好ましく、800kg/mm2〜2000kg/mm2がより好ましく、1000kg/mm2〜2000kg/mm2がさらに好ましい。この範囲であると膜硬度増加への寄与もあり、かつ環境変化による粒子破壊も起こりにくい。圧縮弾性率は以下のようにして測定できる。
〔圧縮弾性率〕
微小圧縮試験機(島津製作所社製、製品名:MCTM−200)を用いて、1個の粒子を圧縮速度0.27gf/sで圧縮する。その際、10%の圧縮変形における圧縮弾性率を下記式:
K=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2
(式中、Fは、粒子の10%圧縮変形における荷重値(kgf)を表し、Sは、粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)を表し、Rは、粒子の半径(mm)を表す。)に従って求める。
これらの粒子の中から選ばれた各透光性有機樹脂粒子の屈折率にあわせてバインダーの屈折率を調整することにより、本発明の内部ヘイズ、中心線平均粗さを達成することができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としたバインダー(硬化後の屈折率が1.50〜1.53)を使用する場合、有機樹脂粒子の屈折率は1.60以上1.75以下が好ましく、更に好ましいのは1.62以上1.75以下であり、特に好ましいのは1.65以上1.75以下の屈折率範囲にある樹脂粒子である。
具体的には、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.68)やメラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.65)からなる透光性粒子を組み合わせて用いることが好ましく、特に加熱処理されシリカで表面または表面近傍を被覆したメラミン樹脂粒子(屈折率が1.65)との組合せが好ましい。
前記の透光性有機樹脂粒子を用いる場合には、バインダー中あるいは塗布液中での粒子の分散安定性及び沈降防止のために、シリカ等の可視光散乱を起こさない大きさの無機フィラーや有機化合物(モノマーでもポリマーであっても良い)等の分散剤を添加してもよい。なお、無機フィラーは添加量が増す程、透光性有機樹脂粒子の沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、バインダーに対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1質量%未満程度含有させるとよい。有機化合物等の分散剤は有機樹脂粒子に対し、0.1〜20質量%添加するのが好ましい。更に好ましくは0.1〜15質量%である。特に好ましくは0.5〜10質量%である。0.1質量%未満であると、分散安定性に対する添加効果が不足し、20量%を超えると、分散安定性に寄与しない成分が増えるため、ブリードアウト等の問題が生じる。
上記のようにバインダー中、塗布液中での分散安定性及び沈降防止のためには、添加剤として用いられる微粒子の表面を表面処理しても良い。表面処理剤の種類としては使用するバインダー、溶剤により適宜選択される。表面処理量としては有機樹脂粒子に対し、0.1〜30質量%添加するのが好ましい。更に好ましくは1〜25質量%である。特に好ましくは3〜20質量%である。0.1質量%未満であると、分散安定性に対する表面処理量が不足し、30量%を超えると、表面処理に寄与しない成分が増えるため、ブリードアウト等の問題が生じる。
前記の透光性有機樹脂粒子の平均粒径は0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜8μm、更に好ましくは1.2〜6μmである。平均粒径が0.5μm未満であると、光の散乱角度分布が広角にまで広がるため、ディスプレイの文字ボケを引き起こしたりするため、好ましくない。一方、10μmを超えると、添加する層の膜厚を厚くする必要が生じ、カールやコスト上昇といった問題が生じる。
また、必要な光散乱性を得るために粒子径の異なる2種以上の透光性粒子を併用して用いてもよい。
前記透光性有機樹脂粒子は、添加層全固形分中に3〜40質量%含有されるように配合される。より好ましくは3〜30質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。3質量%未満であると、添加効果が不足し、40質量%を超えると、画像ボケや表面の白濁やギラツキ等の問題が生じる。
本発明においては、透光性の有機樹脂粒子の粒度分布は、ヘイズ値と拡散性の制御、塗布面状の均質性の観点から単分散性の粒子であること、すなわち粒子径が均一な粒子であることが好ましい。粒子径の均一さを表すCV値は0%〜10%が好ましく、より好ましくは0%〜8%、更に好ましくは0%〜5%以下である。さらに、平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒度分布を持つ粒子は、調製または合成反応後に、分級することも有力な手段であり、分級の回数を上げることやその程度を強くすることで、望ましい分布の粒子を得ることができる。
分級には風力分級法、遠心分級法、沈降分級法、濾過分級法、静電分級法等の方法を用いることが好ましい。
本発明においては、前記のハードコート層より外側、すなわち透明支持体より遠い側に低屈折率層を設けることができる。低屈折率層の屈折率は前記のハードコート層の屈折率より低く設定することが好ましい。低屈折率層とハードコート層との屈折率差が小さすぎる場合は反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
[低屈折率層]
本発明の低屈折率層には含フッ素共重合体化合物を好ましく用いることが出来る。含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やR−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明では共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは30〜50質量%の場合である。
架橋反応性付与のための構成単位としては主として以下の(A)、(B)、(C)で示される単位が挙げられる。
(A):グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、
(B):カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、
(C):分子内に上記(A)、(B)の官能基と反応する基とそれとは別に架橋性官能基を有する化合物を、上記(A)、(B)の構成単位と反応させて得られる構成単位、(
例えばヒドロキシル基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で合成できる構成単位)が挙げられる。
上記(C)の構成単位は該架橋性官能基が光重合性基であることが好ましい。ここに、光重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シンナモイル基、シンナミリデンアセチル基、ベンザルアセトフェノン基、スチリルピリジン基、α-フェニルマレイミド基、フェニルアジド基、スルフォニルアジド基、カルボニルアジド基、ジアゾ基、o-キノンジアジド基、フリルアクリロイル基、クマリン基、ピロン基、アントラセン基、ベンゾフェノン基、スチルベン基、ジチオカルバメート基、キサンテート基、1,2,3-チアジアゾール基、シクロプロペン基、アザジオキサビシクロ基などを挙げることができ、これらは1種のみでなく2種以上であってもよい。これらのうち、(メタ)アクリロイル基およびシンナモイル基が好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
光重合性基含有共重合体を調製するための具体的な方法としては、下記の方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
a.水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸クロリドを反応させてエステル化する方法、
b.水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させてウレタン化する方法、
c.エポキシ基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する方法、
d.カルボキシル基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、エポキシ基を含有する含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化する方法。
尚、上記光重合性基の導入量は任意に調節することができ、塗膜面状安定性・無機粒子共存時の面状故障低下・膜強度向上などの点からカルボキシル基やヒドロキシル基等を一定量残すことも好ましい。
本発明に有用な共重合体では上記含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位および側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位以外に、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65モル%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40モル%の範囲であることがより好ましく、0〜30モル%の範囲であることが特に好ましい。
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N、N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N、N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を挙げることができる。
本発明で特に有用な含フッ素ポリマーは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%の場合である。好ましいポリマーについては、特開2002−243907号、特開2002−372601号、特開2003−26732号、特開2003−222702号、特開2003−294911号、特開2003−329804号、特開2004−4444、特開2004−45462号に記載のものを挙げることができる。
また本発明の含フッ素ポリマーには防汚性を付与する目的で、ポリシロキサン構造が導入されていることが好ましい。ポリシロキサン構造の導入方法に制限はないが例えば特開平6−93100号、特開平11−189621号、同11−228631号、特開2000−313709号の各公報に記載のごとく、シリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロキサンブロック共重合成分を導入する方法、特開平2−251555号、同2−308806号の各公報に記載のごとくシリコーンマクロマーを用いてポリシロキサングラフト共重合成分を導入する方法が好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平11−189621号の実施例1、2、及び3のポリマー、又は特開平2−251555号の共重合体A−2及びA−3を挙げることができる。これらのポリシロキサン成分はポリマー中の0.5〜10質量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%である。
本発明に好ましく用いることのできるポリマーの好ましい分子量は、質量平均分子量が5000以上、好ましくは10000〜500000、最も好ましくは15000〜200000である。平均分子量の異なるポリマーを併用することで塗膜面状の改良や耐傷性の改良を行うこともできる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号公報および特開2000−17028号公報に記載のごとく適宜重合性不飽和基を有する硬化剤を併用してもよい。また、特開2002−145952号に記載のごとく含フッ素の多官能の重合性不飽和基を有する化合物との併用も好ましい。多官能の重合性不飽和基を有する化合物の例としては、前記ハードコート層で述べた多官能モノマーを挙げることができる。これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.42であることがより好ましく、1.30〜1.38であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜150nmであることが好ましく、70〜120nmであることがさらに好ましい。
本発明の低屈折率層に好ましく用いることのできる微粒子について説明する。
微粒子の塗設量は、1mg/m2〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5mg/m2〜80mg/m2、更に好ましくは10mg/m2〜70mg/m2である。少なすぎると、耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、外観や積分反射率が悪化する。該微粒子は、低屈折率層に含有させることから、低屈折率であることが望ましい。
具体的には、金属酸化物微粒子、中空の金属酸化物微粒子、あるいは中空の有機樹脂微粒子であって、低屈折率のものがあることが好ましい。例えば、シリカまたは中空シリカの微粒子が挙げられる。低屈折率層に用いる微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚みの1
5%以上150%以下が好ましく、より好ましくは25%以上100%以下、更に好ましくは35%以上70%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、微粒子の粒径は15nm以上150nm以下が好ましく、より好ましくは25nm以上100nm以下、更に好ましくは、35nm以上60nm以下である。耐擦傷性の強化を図るためには、光学フィルム全層に金属酸化物粒子が含まれていることが好ましく、最も好ましくは、光学フィルム全層にシリカ粒子が含まれていることが好ましい。
上記のような、(中空)シリカ微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、外観、積分反射率が悪化する。(中空)シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、凝集粒子(この場合は、2次粒子径が、低屈折率層の層厚の15%〜150%であることが好ましい)でも構わない。また、2種類以上の複数の粒子(種類、あるいは粒径)を用いても構わない。粒子の形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
低屈折率層の屈折率を低下させるために、中空のシリカ微粒子を用いることが特に好ましい。該中空シリカ微粒子は屈折率が1.17〜1.40、より好ましくは1.17〜1.35、さらに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、空隙率xは下記数式(I)で算出される。
(数式I) x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
空隙率xは、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空のシリカ粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。なお、これら中空シリカ粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定をおこなった。
本発明においては、防汚性向上の観点から、更に、低屈折率層表面の表面自由エネルギーを下げることが好ましい。具体的には、含フッ素化合物やポリシロキサン構造を有する化合物を低屈折率層に使用することが好ましい。
ポリシロキサン構造を有する添加剤としては、反応性基含有ポリシロキサン(例えばKF−100T,X−22−169AS,KF−102,X−22−3701IE,X−22−164B,X−22−5002,X−22−173B,X−22−174D,X−22−167B,X−22−161AS(以上商品名、信越化学工業社製)、AK−5,AK−30,AK−32(以上商品名、東亜合成社製)、サイラプレーンFM0725,サイラプレーンFM0721(以上商品名、チッソ社製)等)を添加するのも好ましい。また、特開2003−112383の表2、表3に記載のシリコーン系化合物も好ましく使用できる。これらのポリシロキサンは低屈折率層全固形分の0.1〜10質量%の範囲で添加されることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%の場合である。
[ハードコート層および/または低屈折率層に含有される成分]
(塩基性化合物)
本発明の光学フィルムでは、ハードコート層および低屈折率層の少なくとも1層に塩基性の化合物を添加することが、屈折率が1.60以上である有機樹脂粒子を含有する光学フィルムの耐候性を改良するのに好ましい。特に、有機樹脂粒子がアミノ樹脂の場合、高温高湿下(具体的には、80℃ 90%RH)で酸加水分解を起こしやすく、塩基性の化
合物がその抑制に有効であると推定している。塩基性化合物としては、膜中に安定に存在すれば特に制限はないが、1級〜4級のアミンが好ましく、3級または4級のアミンがより好ましく、4級のアミン(例:4級アンモニウムカチオン構造)がさらに好ましい。
塩基性化合物の具体例としては、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクラクタムなどの重合性官能基を有する化合物、および特開2005−316428号公報[0021]に記載の高分子型4級アンモニウム塩を挙げることができる。4級アンモニウム塩の市販品としては、例えば、エフコール70〔松本油脂製薬(株)〕、TB−34〔松本油脂製薬(株)〕、スタチサイド〔三井物産プラスチック(株)〕等が挙げられる。
本発明において、塩基性化合物は、有機粒子を含有するハードコート層に添加する方が低屈折率層に添加するよりも有効である。しかし、ハードコート層に使用すると粒子の分散・凝集状態に影響を与えるなどの弊害があるため、低屈折率層に添加することもできる。有機粒子を含有しない層に使用した場合でも有効な理由については、塩基性化合物が膜中を拡散するか、酸加水分解を促進する酸成分が塩基性化合物含有層に拡散することで、粒子近傍の酸触媒の濃度が減少するためと考えている。
塩基性の化合物の添加量は、有機粒子と同一層に使用する場合には、添加層の全固形分に対して1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。有機粒子を含まない層に添加する場合には、1〜20質量%が好ましく、4〜15質量%がより好ましい。
(オルガノシラン化合物)
本発明の光学フィルムを構成する層のうちの少なくとも1層は、その層内に、オルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物の少なくとも一種の成分、いわゆるゾル成分(以降このように称する場合もある)を含有することが耐擦傷性の点で好ましい。特に、低屈折率層を有する光学フィルムにおいては、反射防止性能と耐擦傷性を両立させるために、低屈折率層にゾル成分を含有させることが特に好ましい。このゾル成分は、塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成し、上記低屈折率層のバインダーの一部となる。また、該硬化物が重合性不飽和結合を有する場合、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
オルガノシラン化合物は、下記一般式1で表されるものが好ましい。
一般式1:(R1)−Si(X)4−m
上記一般式1において、R1は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基か好ましく、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アルキル基の具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。例えばCHCOO、CCOO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1〜2である。
Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。R1に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、
水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
R1は置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。
また、下記一般式2で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物も好ましい。
Figure 2008146021
上記一般式2において、Rは水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくは*−COO−**、*−CONH−**または*−O−**を表し、単結合、*−COO−**および*−CONH−**が好ましく、単結合および*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。*は=C(R)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
Lは2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
l(l=100−mの数式を満たす数を表す)およびmはモル比率を表わし、mは0〜50の数を表す。mは0〜40の数がより好ましく、0〜30の数が特に好ましい。
〜Rは、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基、もしくは無置換のアルキル基が好ましい。R〜Rは塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基もしくはメトキシ基が特に好ましい。
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルキル基はメチル基、エチル基など、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。Rは前述の一般式1のR1と同義であり、水酸基もしくは無置換のアルキル基がより好ましく、水酸基もしくは炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましく、水酸基もしくはメチル基が特に好ましい。
一般式1の化合物は2種類以上を併用しても良い。特に一般式2の化合物は一般式1の化合物の少なくとも1種類を出発原料として合成される。以下に一般式1の化合物および一般式2で表される化合物の出発原料の具体例を示すが、限定されるものではない。
Figure 2008146021
Figure 2008146021
Figure 2008146021
Figure 2008146021
Figure 2008146021
Figure 2008146021
Figure 2008146021
M-48 メチルトリメトキシシラン
これらのうち、重合性基を含有するオルガノシランとしては(M−1)、(M−2)、及び(M−25)が特に好ましい。
本発明の効果を得るためには、オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における前記ビニル重合性基を含有するオルガノシランの含有量は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましく、70質量%〜95質量%が更に好ましい。前記ビニル重合性基を含有するオルガノシランの含有量が30質量%より少ないと、固形分が生じたり、液が濁ったり、ポットライフが悪化したり、分子量の制御が困難(分子量の増大)であったり、重合性基の含有量が少ないために重合処理を行った場合の性能(例えば反射防止膜の耐傷性)の向上が得られにくいために好ましくない。一般式2で表される化合物を合成する場合は、前記ビニル重合性基を含有するオルガ
ノシランとして(M−1)、(M−2)、ビニル重合性基を有さないオルガノシランとして(M−19)〜(M−21)および(M−48)の中からそれぞれ1種をそれぞれ上記の量を組み合わせて用いると好ましい。
本発明のオルガノシランの加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかは塗布品性能の安定化のためには揮発性を抑えることが好ましく、具体的には、105℃における1時間当たりの揮発量が5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
本発明に用いられるゾル成分は上記オルガノシランを加水分解および/または部分縮合することにより調製される。
加水分解縮合反応は加水分解性基(X)1モルに対して0.05〜2.0モル、好ましくは0.1〜1.0モルの水を添加し、本発明に用いられる触媒の存在下、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。
本発明のオルガノシランの加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかにおいて、ビニル重合性基を含有するオルガノシランの加水分解物およびその部分縮合物いずれかの重量平均分子量は、分子量が300未満の成分を除いた場合に、450〜20000が好ましく、500〜10000がより好ましく、550〜5000が更に好ましく、600〜3000が更に好ましい。
オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量が300以上の成分のうち、分子量が20000より大きい成分は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。10質量%より多く含有すると、そのようなオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有する硬化性組成物を硬化させて得られる硬化皮膜は、透明性や基板との密着性が劣る場合がある。
ここで、重量平均分子量及び分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量であり、含有量は、分子量が300以上の成分のピーク面積を100%とした場合の、前記分子量範囲のピークの面積%である。
分散度(重量平均分子/数平均分子量)は3.0〜1.1が好ましく、2.5〜1.1がより好ましく、2.0〜1.1が更に好ましく、1.5〜1.1が特に好ましい。
本発明のオルガノシランの加水分解物および部分縮合物の29Si−NMR分析により一般式1のXが−OSiの形で縮合している状態を確認できる。
この時、Siの3つの結合が−OSiの形で縮合している場合(T3)、Siの2つの結合が−OSiの形で縮合している場合(T2)、Siの1つの結合が−OSiの形で縮合している場合(T1)、Siが全く縮合していない場合を(T0)とした場合に縮合率αは
数式(II):α=(T3×3+T2×2+T1×1)/3/(T3+T2+T1+T0)で表され、縮合率は0.2〜0.95が好ましく、0.3〜0.93がより好ましく、0.4〜0.9がとくに好ましい。
0.1より小さいと加水分解や縮合が十分でなく、モノマー成分が増えるため硬化が十分でなく、0.95より大きいと加水分解や縮合が進みすぎ、加水分解可能な基が消費されてしまうため、バインダーポリマー、樹脂基板、無機微粒子などの相互作用が低下してしまい、これらを用いても効果が得られにくくなる。
本発明で用いるオルガノシラン化合物の加水分解物および部分縮合物について詳細を説明する。
オルガノシランの加水分解反応、それに引き続く縮合反応は、一般に触媒の存在下で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート等の金属アルコキシド類;Zr、TiまたはAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等;KF、NHFなどの含F化合物が挙げられる。
上記触媒は単独で使用しても良く、或いは複数種を併用しても良い。
オルガノシランの加水分解・縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができるが成分を均一に混合するために有機溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものが好ましい。また、有機溶媒が塗布液あるいは塗布液の一部として用いることが工程上好ましく、含フッ素ポリマーなどのその他の素材と混合した場合に、溶解性あるいは分散性を損なわないものが好ましい。
このうち、アルコール類としては、例えば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。
これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。該反応における固形分の濃度は特に限定されるものではないが通常1%〜100%の範囲である。
オルガノシランの加水分解性基1モルに対して0.05〜2モル、好ましくは0.1〜1モルの水を添加し、上記溶媒の存在下あるいは非存在下に、そして触媒の存在下に、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。
本発明においては、一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールと一般式R4COCHCOR5 (式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、TiまたはAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物の存在下で、25〜100℃で撹拌することにより加水分解を行うことが好ましい。
もしくは触媒に含フッ素化合物を使用する場合、含フッ素化合物が完全に加水分解・縮合を進行させる能力が有るため、添加する水量を選択することにより重合度が決定でき、任意の分子量の設定が可能となるので好ましい。すなわち、平均重合度Mのオルガノシラン加水分解物/部分縮合物を調整するためには、Mモルの加水分解性オルガノシランに対
して(M−1)モルの水を使用すれば良い。
金属キレート化合物は、一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールとR4COCHCOR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。本発明に用いられる 金属キレート化合物は、一般式Zr(OR3)p1(R4COCHCOR5)p2、Ti(OR3)q1(R4COCHCOR5)q2、およびAl(OR3)r1(R4COCHCOR5)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記オルガノシラン化合物の加水分解物および部分縮合物の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR3およびR4は、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R5は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、 金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、およびr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
金属キレート化合物は、前記オルガノシラン化合物に対し、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%の割合で用いられる。金属キレート化合物が上記範囲で用いられることによりオルガノシラン化合物の縮合反応が早く、塗膜の耐久性が良好であり、オルガノシラン化合物の加水分解物および部分縮合物と金属キレート化合物を含有してなる組成物の保存安定性が良好である。
本発明に用いられる塗布液には、上記ゾル成分および金属キレート化合物を含む組成物に加えて、β−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物の少なくともいずれかが添
加されることが好ましい。以下にさらに説明する。
本発明で使用されるのは、一般式R4COCH2COR5で表されるβ−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物の少なくともいずれかであり、本発明に用いられる組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、前記金属キレート化合物(ジルコニウム、チタニウムおよびアルミニウム化合物の少なくともいずれかの化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物によるオルガノシラン化合物の加水分解物および部分縮合物の縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えられる。β−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物を構成するR4およびR5は、前記金属キレート化合物を構成するR4およびR5と同様である。
このβ−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。本発明においてβ−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物は、金属キレート化合物1モルに対し好ましくは2モル以上、より好ましくは3〜20モル用いられる。2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るおそれがあり好ましいものではない。
上記オルガノシラン化合物の加水分解物および部分縮合物の含有量は、比較的薄膜である反射防止層の場合は少なく、厚膜であるハードコート層や防眩層の場合は多いことが好ましい。含有量は効果の発現、屈折率、膜の形状・面状等を考慮すると、含有層(添加層)の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜15質量%が最も好ましい。
前記ビニル重合性基を含有するオルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物を用いる時には、光分解性の開始剤を併用することが好ましい。これらの開始剤骨格については後述する開始剤の項で例示した化合物がある。
(重合開始剤)
<光開始剤>
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3’、4、4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
ボレート塩としては、例えば、特許第2764769号、特開2002−116539号等の各公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19〜22頁,1998年,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩記載される化合物があげられる。例えば、前記特開2002−116539号明細書の段落番号[0022]〜[0027]記載の化合物が挙げられる。またその他の有機ホウ素化合物としては、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられ、具体例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
活性エステル類の例には1、2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。
具体的には特開2000−80068記載の実施例記載化合物1〜21が特に好ましい。
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
活性ハロゲン類としては、具体的には、若林 等の“Bull Chem.Soc Japan”42巻、2924頁(1969年)、米国特許第3,905,815号明細書、特開平5−27830号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1巻(3号),(1970年)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:s−トリアジン化合物が挙げられる。より好適には、少なくとも一つのモノ、ジまたはトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。具体的な例にはS−トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(3−Br−4−ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−トリハロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。具体的には特開昭58−15503のp14〜p30、特開昭55−77742のp6〜p10、特公昭60−27673のp287記載のNo.1〜No.8、特開昭60−239736のp443〜p444のNo.1〜No.17、US−4701399のNo.1〜19などの化合物が特に好ましい。
上記活性ハロゲン類の具体例は以下の通りである。
Figure 2008146021
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無機錯体の例にはビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが挙げられる。
クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いても良い。
「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,500,819,907,369,1173,1870,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等およびそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
<光増感剤>
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントン、などを挙げることができる。
更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
<熱開始剤>
熱ラジカル開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
(架橋剤(架橋性化合物))
本発明を構成するモノマーあるいはポリマーバインダ−が単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。特に低屈折率層に含有させることが有効である。
例えばポリマー本体に水酸基を含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。
メラミン系化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているものであり、具体的には、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができるが、1分子中にメチロール基及びアルコキシ化メチル基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上有するものが好
ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応させて得られるメチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン、又はそれらの誘導体が好ましく、特に硬化性樹脂組成物に良好な保存安定性が得られる点、及び良好な反応性が得られる点で、アルコキシ化メチルメラミンが好ましい。架橋性化合物として用いられるメチロール化メラミン及びアルコシ化メチルメラミンには特に制約はなく、例えば、文献「プラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂」(日刊工業新聞社)に記載されている方法で得られる各種の樹脂状物の使用も可能である。
また、尿素系化合物としては、尿素の他、ポリメチロール化尿素その誘導体であるアルコキシ化メチル尿素、ウロン環を有するメチロール化ウロン及びアルコキシ化メチルウロン等を挙げることができる。そして、尿素誘導体等の化合物についても、上記の文献に記載されている各種樹脂状物の使用が可能である。
(硬化触媒)
本発明のフィルムには、硬化を促進する硬化触媒として電離放射線または熱の照射によりラジカルや酸を発生する硬化触媒を使用することができる。
<熱酸発生剤>
本発明の光学フィルムの一例として、加熱することで、含フッ素ポリマーの水酸基と、この水酸基と架橋できる硬化剤との架橋反応で膜を硬化させることができる。この系では酸により硬化が促進される為、硬化性樹脂組成物に、酸性物質を添加することが望ましいが、通常の酸を添加すると塗布液中でも架橋反応が進行してしまい、故障(ムラ、ハジキなど)の原因となる可能性もあり、従って、熱硬化系で保存安定性と硬化活性を両立するために、加熱により酸を発生する化合物を硬化触媒として添加することがより好ましい。
硬化触媒は、酸と有機塩基からなる塩であることが好ましい。酸としては、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸など有機酸や硫酸、リン酸のような無機酸が挙げられ、ポリマーに対する相溶性の観点から有機酸がより好ましく、スルホン酸、ホスホン酸が更に好ましく、スルホン酸が最も好ましい。好ましいスルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸(PTS)、ベンゼンスルホン酸(BS)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)、p−クロロベンゼンスルホン酸(CBS)、1,4−ナフタレンジスルホン酸(NDS)、メタンスルホン酸(MsOH)、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸(NFBS)などが挙げられ、何れも好ましく用いることができる(( )内は略称)。
硬化触媒は、酸と組み合わせる有機塩基の塩基性および沸点によって大きく変化する。以下にそれぞれの観点から本発明で好ましく用いられる硬化触媒について説明する。
有機塩基の塩基性が低い方が加熱時の酸発生効率が高く、硬化活性の観点からは好ましいが、塩基性が低すぎると保存安定性が不十分になる。従って、適度な塩基性を有する有機塩基を用いることが好ましい。塩基性の指標として共役酸のpKaを用いて表すと、本発明で用いる有機塩基のpKaは5.0〜11.0であることが好ましく、6.0〜10.5であることがより好ましく、6.5〜10.0であることがさらに好ましい。有機塩基のpKaの値は水溶液中での値が化学便覧 基礎編(改訂5版、日本化学会編、丸善、2004年)第2巻のII−334〜340頁に記載があるので、その中から適当なpKaを有する有機塩基を選ぶことができる。また、該文献に記載がなくても構造上適当なpKaを有すると推定できる化合物も好ましく用いることができる。下表1に該文献に記載の適当なpKaを有する化合物を示すが、本発明に好ましく用いることができる化合物はこれらに限定されるものではない。
表1
Figure 2008146021
有機塩基の沸点が低い方が加熱時の酸発生効率が高く、硬化活性の観点からは好ましい。従って、適度な沸点を有する有機塩基を用いることが好ましい。塩基の沸点としては、120℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。
本発明で好ましく用いることができる有機塩基としては例えば以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。( )内は沸点を示す。
b−3:ピリジン(115℃)、b−14:4−メチルモルホリン(115℃)、b−20:ジアリルメチルアミン(111℃)、b−19:トリエチルアミン(88.8℃)、b−21:t−ブチルメチルアミン(67〜69℃)、b−22:ジメチルイソプロピルアミン(66℃)、b−23:ジエチルメチルアミン(63〜65℃)、b−24:ジメチルエチルアミン(36〜38℃)、b−18:トリメチルアミン(3〜5℃)。
酸触媒として用いる時には、前記酸と有機塩基からなる塩を単離して用いても良いし、酸と有機塩基を混合して溶液中で塩を形成させ、その溶液を用いても良い。また、酸、有機塩基とも1種類だけで用いても良いし、複数種類のものを混合して用いても良い。酸と有機塩基を混合して用いる時には、酸と有機塩基の当量比が1:0.9〜1.5となるように混合することが好ましく、1:0.95〜1.3であることがより好ましく、1:1.0〜1.1であることが好ましい。
熱酸発生剤の市販されている材料としては、キャタリスト4040、キャタリスト4050、キャタリスト600、キャタリスト602、キャタリスト500、キャタリスト296−9、以上日本サイテックインダストリーズ(株)製、やNACUREシリーズ155、1051、5076、4054JやそのブロックタイプのNACUREシリーズ2500、5225、X49−110、3525、4167以上キング社製などが挙げられる。
この熱酸発生剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0
.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.2〜3質量部である。添加量がこの範囲であると、硬化性樹脂組成物の保存安定性が良好で塗膜の耐擦傷性も良好なものとなる。
<感光性酸発生剤、光酸発生剤>
更に光重合開始剤として用いることができる光酸発生剤について詳述する。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、またはマイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の化合物およびそれらの混合物等が挙げられる。また、酸発生剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物、オニウム化合物等が挙げられ、これらのうち有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物の具体例は、前記ラジカルを発生する化合物の記載と同様のものが挙げられる。
感光性酸発生剤としては、例えば、(1)ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;(2)β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物;(3)アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;(4)スルホンイミド化合物類;(5)ジアゾメタン化合物類;を挙げることができる。
オニウム化合物としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、イミニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アルソニウム塩、セレノニウム塩等が挙げられる。中でも、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、イミニウム塩が、光重合開始の光感度、化合物の素材安定性等の点から好ましい。例えば特開2002−29162号明細書の段落番号[0058]〜[0059]に記載の化合物等が挙げられる。
感光性酸発生剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5質量部である。
その他、具体的な化合物や使用法として、例えば特開2005―43876号記載の内容などを用いることができる。
本発明の光学フィルムにおいて、前記低屈折率層は塗布により形成することができ、前記低屈折率層を形成する塗布液に、皮膜形成成分として、紫外線(UV)硬化、および/または熱硬化できる官能基を有する透光性樹脂を少なくとも一種有していることが好ましい(紫外線(UV)硬化、および/または熱硬化できる官能基を有する透光性樹脂として好ましくは前述の含フッ素共重合体やオルガノシラン化合物等である)。
また、本発明の光学フィルムにおいて、前記低屈折率層を形成する塗布液に、皮膜形成成分として、少なくとも2種以上の透光性樹脂を含み、そのうち少なくとも1種の透光性樹脂が紫外線(UV)硬化できる官能基を有し、これとは異なる少なくとも1種の透光性樹脂が熱硬化できる官能基を有していることが更に好ましい。加えて、前記低屈折率層を形成する塗布液中に少なくとも1種の重合開始剤、および、少なくとも1種の熱硬化できる架橋剤を含んでいることがなお好ましい。さらに加えて、前記低屈折率層中に、熱硬化を促進する硬化触媒を含んでいることがなおいっそう好ましい(重合開始剤、熱硬化できる架橋剤、および熱硬化を促進する硬化触媒は、前述のものが好ましく使用できる)。
また、本発明の光学フィルムにおいて、前記低屈折率層を形成する塗布液中に含まれる、少なくとも紫外線(UV)硬化できる官能基を有する透光性樹脂と、少なくとも1種の重合開始剤の質量の総和を、少なくとも1種の熱硬化できる官能基を有する透光性樹脂と、少なくとも1種の熱硬化できる架橋剤の重量の総和で除した値が、0.05〜0.19であることが、耐擦傷性とコストの点で好ましい。より好ましくは0.10〜0.19、更に好ましくは0.15〜0.19である。0.05を下回ると、耐擦傷性の点で好ましくなく、0.20を越えると、UV硬化成分の比率が大きくなるため、UV硬化時の重合効率を高めるための工程条件(UV硬化時の窒素パージ、膜面温度アップ、等)の付加がより必要になってくる。窒素パージによる、UV硬化時の酸素濃度は1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましく、50pm以下が最も好ましい。また、UV硬化時の膜面温度は、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以上が更に好ましい。あまり温度を高くしすぎると、支持体が軟化し、ハンドリング(搬送)不良を起こすようになるため、上限温度はこれで決定される。
(レベリング剤)
本発明の少なくとも1層のハードコート層に、面状改良(ムラ防止)を目的として各種のレベリング剤を使用することが好ましい。さらに、本発明の低屈折率層に、同じく、ムラ防止を目的として各種のレベリング剤を使用することが好ましい。レベリング剤としては、具体的にはフッ素系レベリング剤、又はシリコーン系レベリング剤が好ましく、特にフッ素系レベリング剤とシリコーン系レベリング剤の両方を併用することはムラ防止能が高くより好ましい。また、全層にレベリング剤が使用されることがより好ましい。
また、レベリング剤は、低分子化合物よりもオリゴマーやポリマーであることが好ましい。レベリング剤を添加すると、塗布された液膜の表面にレベリング剤が速やかに偏在し、膜乾燥後もレベリング剤がそのまま表面に偏在することになるので、レベリング剤を添加したハードコート層や低屈折率層の膜の表面エネルギーは、レベリング剤によって低下する。
従って、ハードコート層のムラを防止するという観点からはハードコート層の表面エネルギーが低いことが好ましい。ハードコート層の表面エネルギー(γs:単位、mJ/m)とはD.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考に、防眩性ハードコート層上で実験的に求めた純水HOとヨウ化メチレンCHのそれぞれの接触角θH2O、θCH2I2から以下の連立方程式(1)(2)より求めたγsとγsの和で表される値γs(=γs+γs)で定義する防眩性ハードコート層の表面張力のエネルギー換算値である。(mN/m単位をmJ/m単位としたもの)サンプルは測定する前に所定の温湿度条件で一定時間以上調湿を行うことが必要である。この際の温度は20℃〜27℃、湿度は50RH%〜65RH%の範囲であることが好ましく、調湿時間は2時間以上であることが好ましい。
(1)1+cosθH2O=2√γsd(√γH2Od/γH2Ov)+2√γsh(√γH2Oh/γH2Ov)
(2)1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2d/γCH2I2v)+2√γsh(√γCH2I2h/γCH2I2v)
ここで、γH2O d=21.8°、γH2O h=51.0°、γH2O v=72.8°、γCH2I2 d=49.5°、γCH2I2 h=1.3°、γCH2I2 v=50.8°である。
ハードコート層の好ましい表面エネルギーは、45mJ/m2以下の範囲であり、20〜45mJ/m2の範囲がより好ましく、20〜40mJ/m2の範囲がさらに好ましい。ハードコート層の表面エネルギーを45mJ/m2以下とすることにより、ハードコート層のムラが生じにくいという効果が得られる。
ただし、ハードコート層の上にさらに低屈折率層などの上層を塗布する場合には、レベリング剤は上層へ溶出することが好ましく、ハードコート層の上層塗布液の溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、等)でハードコート層を浸漬、洗い流しした後のハードコート層の表面エネルギーは、むしろ高いことが好ましく、表面エネルギー35〜70mJ/m2であることが好ましい。
以下ではハードコート層のレベリング剤として好ましいフッ素系レベリング剤について説明する。シリコーン系レベリング剤については後述する。
フッ素系レベリング剤としては、フルオロ脂肪族基を有する重合体が好ましく、さらに下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)の重合体、又は下記(i)の
モノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)および下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)を含むアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が有用である。このような単量体としては、PolymerHandbook2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2,Page 1〜483記載のものを用いることが出来る。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
(i)下記一般式Aで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
一般式A
Figure 2008146021
上記一般式Aにおいて、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基が好ましい。Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し、酸素原子または−N(R12)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R12は水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。Rfは−CF3または−CF2Hを表す。
一般式A中のmは1〜6の整数を表し、1〜3がより好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式A中のnは1〜11の整数を表し、1〜9がより好ましく、1〜6が更に好ましい。Rfは−CF2Hが好ましい。
またフッ素系ポリマー中に一般式Aで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから誘導される重合単位が2種類以上構成成分として含まれていても良い。
(ii)上記(i)と共重合可能な下記一般式Bで示されるモノマー
一般式B
Figure 2008146021
上記一般式Bにおいて、R13は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Yは酸素原子、イオウ原子または−N(R15)−を表し、酸素原子または−N(R15)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R15は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。
14は、置換基を有しても良い炭素数1〜60の直鎖、分岐状、あるいは環状のアルキル基、または置換基を有していても良い芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。該アルキル基はポリ(アルキレンオキシ)基を含んでも良い。さらに、炭素数1〜20の直鎖、分岐状あるいは環状のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10の直鎖、分岐状のアルキル基が極めて好ましい。好ましいフッ素系ポリマーの製造に用いられる上記一般式Aで示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該フッ素系ポリマーの単量体全量に基づいて、10質量%以上であり、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70〜100質量%であり、さらに好ましくは80〜100質量%の範囲である。
以下、好ましいフッ素系ポリマーの具体的な構造例を示すがこの限りではない。なお、式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
Figure 2008146021
Figure 2008146021
Figure 2008146021
フッ素系ポリマーを構成するフルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位の量は、10質量%を超えることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましく、ハードコート層のムラを防止するという観点を重視すれば、75〜100質量%であることが最も好ましく、ハードコート層の上に低屈折率層を塗布する場合は、50〜75質量%であることが最も好ましい。(該フッ素系ポリマーを構成する全重合単位で記載した)
次に、シリコーン系レベリング剤について、説明する。
シリコーン系化合物の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはポリエーテル基、アルキル基、アリール基
、アリールオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることがより好ましく、1000〜30000であることが特に好ましく、1000〜20000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例 としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164B、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、FM−4421、FM−5521、FM6621、FM−1121やGelest製DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182、DMS−H21、DMS−H31、HMS−301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221 (以上商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製、SH200、DC11PA、SH28PA、ST80PA、ST86PA、ST97PA、SH550、SH710、L7604、FZ−2105、FZ2123、FZ2162、FZ−2191、FZ2203、FZ−2207、FZ−3704、FZ−3736、FZ−3501、FZ−3789、L−77、L−720、L−7001、L−7002、L−7604、Y−7006、SS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804、SS−2805(以上商品名)、GE東芝シリコーン(株)製、TSF400、TSF401、TSF410、TSF433、TSF4450、TSF4460(以上商品名)、などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
塗布液に対する上記含フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤の添加量は、0.001質量%〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%〜0.2質量%である。
(低屈折率層の塗布液溶剤)
本発明の光学フィルムの低屈折率層の塗布液溶剤は、低屈折率層の乾燥ムラを抑えるため、沸点120℃以下の低沸点溶剤を、低屈折率層の塗布液溶剤全質量の50質量%〜100質量%、好ましくは70質量%〜100質量%、さらに90質量%〜100質量%含んでいることが好ましい。後述する本発明試料の低屈折率層の溶剤組成を上記のように変えることで、低屈折率層の面状評価にて、この効果が確認できた。具体的な塗布液溶剤としては、低屈折率層中の含フッ素ポリマーの溶解性が良い、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンが代表例である。
(ハードコート層の増粘剤)
ハードコート層には、塗布液の粘度を調整するために増粘剤を用いてもよい。
増粘させることにより、含有する粒子の沈降を抑えたり、ムラ防止の効果を期待できる。ここでいう増粘剤とは、それを添加することにより液の粘度が増大するものを意味し、添加することにより塗布液の粘度が上昇する大きさとして好ましくは0.05〜50cPであり、さらに好ましくは1〜50cPであり、最も好ましくは2〜50cPである。
増粘剤として用いられる高分子ポリマーは、フッ素原子および/または珪素原子を実質的に含まないことが好ましい。ここでいう「実質的に」とは高分子ポリマー質量中フッ素原子および/または珪素原子の含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下という意味である。
このような増粘剤としては高分子ポリマーが好ましく、具体的に以下のものが挙げられるが、これに限定されない。
ポリアクリル酸エステル
ポリメタクリル酸エステル
ポリビニルアセテート
ポリビニルプロピオネート
ポリビニルブチレート
ポリビニルブチラール
ポリビニルホルマール
ポリビニルアセタール
ポリビニルプロパナール
ポリビニルヘキサナール
ポリビニルピロリドン
セルロースアセテート
セルロースプロピオネート
セルロースアセテートブチレート
この中で、特にポリメタクリル酸エステル(具体的にはポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好ましい。
また、これらの質量平均分子量としては10万〜100万のものが好ましい。
この他にも特開平8−325491号記載のスメクタイト、フッ素四珪素雲母、ベントナイト、シリカ、モンモリロナイト及びポリアクリル酸ソーダ、特開平10−219136エチルセルロース、ポリアクリル酸、有機粘土など、公知の粘度調整剤やチキソトロピー性付与剤を使用することが出来る。
[透明支持体]
本発明の光学フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。また、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアシレートフィルムおよびその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、以下公開技報2001−1745号と略す)に記載されており、ここに記載されたセルロースアシレートも本発明に好ましく用いることができる。支持体の厚みは、薄手化ニーズへの対応と、ハンドリング(搬送適性)より、20〜200μmが好適であり、好ましくは30〜100μmであり、さらに好ましくは35〜90μm、最も好ましくは40〜80μmである。
支持体の幅は任意のものを使うことができるが、画像表示装置の大型化への対応と、ハンドリング(搬送適性)、得率、生産性の点から通常は100〜5000mmのものが用いられ、800〜3000mmであることが好ましく、1000〜2000mmであることがさらに好ましい。
[光学フィルムの特性]
本発明の内部ヘイズについて、詳述する。光学フィルムの表面および裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られた光学フィルムを密着した状態でJIS−K7136に準じてヘイズを測定し、別途測定した
ガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズとして算出した。
内部ヘイズは20%〜95%であることが液晶パネルの模様や色ムラ、輝度ムラ、ギラツキなどを見難くしたり、散乱により視野角を拡大する機能を付与する点で好ましく、更に好ましくは35%〜90%であり、特に好ましくは45%〜85%である。
また、本発明の光学フィルムを温度80℃、相対湿度90%の環境下で500時間置いた後のヘイズの変化率が15%以内であることが、光散乱性の変化が小さい点で好ましい。更に好ましくは10%以内であり、特に好ましくは8%以内である。
本発明の光学フィルムの全光線透過率はJIS−K7316に準じて測定された。全光線透過率は85%以上が正面コントラストの点で好ましい。更に好ましくは90%以上であり、特に好ましくは92%以上である。
また、本発明の光学フィルムを温度80℃、相対湿度90%の環境下で500時間置いた後の全光線透過率の変化率が5%以内であるので、光散乱性(特に正面コントラスト)の変化が小さい。更に好ましくは4%以内であり、特に好ましくは3%以内である。
本発明の光学フィルム表面の、25℃60%RH環境下で測定した、純水に対する接触角は90゜以上であることが防汚性の点で好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。また、偏光板加工時に必要となる鹸化処理(後述)前後での接触角の変化が5°以下が好ましく、更に好ましくは3°以下であり、最も好ましくは1°以下である。
本発明の光学フィルムの、ポリエチレンテレフタレートに対する、25℃60%RH環境下で測定した垂直剥離帯電量は、−500pc(ピコクーロン)/cm2〜+500pc(ピコクーロン)/cm2であることが、防塵性の点で好ましい。好ましくは、−200pc(ピコクーロン)/cm2〜+200pc(ピコクーロン)/cm2、さらに好ましくは、−100pc(ピコクーロン)/cm2〜+100pc(ピコクーロン)/cm2である。なお、垂直剥離帯電量は以下の通りである。
測定サンプルを予め25℃60%RHの環境下で2時間以上放置しておく。測定装置は、測定サンプルを置く台と相手のフィルムを保持して測定サンプルに上から圧着と剥離を繰り返せるヘッドからなり、このヘッドにポリエチレンテレフタレートを装着する。測定部分を除電した後、ヘッドを測定サンプルに圧着させ、剥離させることを繰り返し、1回目の剥離時と、5回目の剥離時の帯電量の値を読み、これを平均する。サンプルを変えて3サンプルでこれを繰り返し、全てを平均したものを垂直剥離帯電量とする。
また、低屈折率層の構成材料のうち、少なくとも1種が含フッ素材料からなる光学フィルムの場合、上記垂直剥離帯電量の好ましい範囲に収めるためには、光電子スペクトル強度比F/Cが0.5〜5、好ましくは0.5〜3、さらに0.5〜2であることが好ましい。また、垂直剥離帯電量の調整として、フッ素同様に表面配向性の高いシリコーンを含有させることが好ましく、結果、光電子スペクトル強度比Si/Cが0.05〜0.5、好ましくは0.1〜0.5、さらに0.2〜0.5であることが好ましい。尚、F/C(=F1s/C1s)、Si/C(=Si2p/C1s)は以下で測定された値である。
島津製作所(株)製ESCA-3400(真空度1×10−5Pa、X線源;ターゲットMg、電圧12kV、電流20mA)で光学フィルムの最表面のSi2p、F1s、C1sの光電子スペクトルを測定した。
更に防塵性を強化するためには、本発明の光学フィルムの表面抵抗値を1×1011Ω/□未満、好ましくは1×1010Ω/□未満、更に好ましくは1×10Ω/□未満に
するとよい。尚、表面抵抗値の測定方法は後述する。本発明の光学フィルムには導電性を付与するために、各種の導電性粒子を用いることができる。導電性粒子は、金属の酸化物または窒化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または窒化物の例には、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛および窒化チタンが含まれる。酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。導電性無機粒子は、これらの金属の酸化物または窒化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P、S、B、Nb、In、Vおよびハロゲン原子が含まれる。酸化錫および酸化インジウムの導電性を高めるために、Sb、P、B、Nb、In、Vおよびハロゲン原子を添加することが好ましい。Sbを含有する酸化錫(ATO)およびSnを含有する酸化インジウム(ITO)が特に好ましい。ATO中のSbの割合は、3〜20質量%であることが好ましい。ITO中のSnの割合は、5〜20質量%であることが好ましい。
帯電防止層に用いる導電性無機粒子の一次粒子の平均粒子径は、1〜150nmであることが好ましく、5〜100nmであることがさらに好ましく、5〜70nmであることが最も好ましい。形成される帯電防止層中の導電性無機粒子の平均粒子径は、1〜200nmであり、5〜150nmであることが好ましく、10〜100nmであることがさらに好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。導電性無機粒子の平均粒子径は、粒子の質量を重みとした平均径であり、光散乱法や電子顕微鏡写真により測定できる。
導電性無機粒子の比表面積は、10〜400m/gであることが好ましく、20〜200m/gであることがさらに好ましく、30〜150m/gであることが最も好ましい。
導電性無機粒子を表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施する。表面処理に用いる無機化合物の例には、アルミナおよびシリカが含まれる。シリカ処理が特に好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表面処理を組み合わせて実施してもよい。
導電性無機粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましい。
二種類以上の導電性粒子を特定の層内あるいはフィルムとして併用してもよい。帯電防止層中の導電性無機粒子の割合は、20〜90質量%であることが好ましく、25〜85質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましい。また、導電性無機粒子は、分散物の状態で帯電防止層の形成に使用することができる。
表面抵抗値の測定方法は、サンプルフィルムを予め25℃60%RHの環境下で2時間以上放置しておく。この後、塗布層側の表面抵抗を、超絶縁抵抗/微小電流計TR8601((株)アドバンテスト製)で測定した。
本発明の光学フィルムの動摩擦係数は、0.3以下が耐擦傷性向上(応力集中防止)の点で好ましい。より好ましくは、0.2以下、更に好ましくは0.1以下である。動摩擦係数の測定方法は以下の通りである。
測定サンプルを予め25℃60%RHの環境下で2時間以上放置しておく。この後、HEIDON−14動摩擦測定器により、5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/分にて測定した値を用いた。
本発明の光学フィルムにおいて、450nm〜650nmの波長領域での、5°正反射
率の平均値をA、積分反射率の平均値をBとしたとき、Bが3%以下であり、B−Aが1.5%以下であることが、明室環境下での黒表示の締まりや明室コントラスト向上の点で好ましい。Bは2%以下がより好ましく、さらに1%以下が好ましい。また、B−Aは1%以下がより好ましく、さらに0.5%以下が好ましい。5°正反射率と積分反射率の平均値の測定は以下の通りである。
鏡面反射率の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5゜の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均の鏡面反射率を算出した。積分反射率の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ILV−471”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、450〜650nmの平均の積分反射率を算出した。
[光学フィルムの作製方法]
本発明の光学フィルムは以下の方法で形成することができるがこれらに制限されない。
(塗布液の調製)
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。その際、溶剤の揮発量を最小限に抑制することにより、塗布液中の含水率の上昇を抑制できる。塗布液中の含水率は5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。溶剤の揮発量の抑制は、各素材をタンクに投入後の攪拌時の密閉性を向上すること、移液作業時の塗布液の空気接触面積を最小化すること等で達成される。また、塗布中、或いはその前後に塗布液中の含水率を低減する手段を設けてもよい。
(濾過)
塗布に用いる塗布液は、塗布前に濾過することが好ましい。濾過のフィルタは、塗布液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましい。濾過には絶対濾過精度が0.1〜50μmのフィルタが用いられ、さらには絶対濾過精度が0.1〜40μmであるフィルタを用いることが好ましく用いられる。フィルタの厚さは、0.1〜10mmが好ましく、更には0.2〜2mmが好ましい。その場合、濾過圧力は1.5MPa以下、より好ましくは1.0MPa以下、更には0.2MPa以下で濾過することが好ましい。
濾過フィルタ部材は、塗布液に影響を及ぼさなければ特に限定されない。具体的には、前記した無機化合物の湿式分散物の濾過部材と同様のものが挙げられる。
また、濾過した塗布液を、塗布直前に超音波分散して、脱泡、分散物の分散保持を補助することも好ましい。
(塗布前の処理)
本発明で使用する支持体は、塗布前に、ベース変形の矯正のための加熱処理、あるいは、塗工性改良や塗設層との接着性改良のための表面処理を施すことが好ましい。表面処理の具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
さらに、塗布が行われる前工程としての除塵工程に用いられる除塵方法として、特開昭59−150571号公報に記載のフィルム表面に不織布や、ブレード等を押しつける方法、特開平10−309553号公報に記載の清浄度の高い空気を高速で吹き付けて付着物をフィルム表面から剥離させ、近接した吸い込み口で吸引する方法、特開平7−333613号公報に記載される超音波振動する圧縮空気を吹き付けて付着物を剥離させ、吸引する方法(伸興社製、ニューウルトラクリーナー等)等の乾式除塵法が挙げられる。
また、洗浄槽中にフィルムを導入し、超音波振動子により付着物を剥離させる方法、特公昭49−13020号公報に記載されているフィルムに洗浄液を供給したあと、高速空気の吹き付け、吸い込みを行う方法、特開2001−38306号に記載のように、ウェブを液体でぬらしたロールで連続的に擦った後、擦った面に液体を噴射して洗浄する方法等の湿式除塵法を用いることができる。このような除塵方法の内、超音波除塵による方法もしくは湿式除塵による方法が、除塵効果の点で特に好ましい。
また、このような除塵工程を行う前に、フィルム支持体上の静電気を除電しておくことは、除塵効率を上げ、ゴミの付着を抑える点で特に好ましい。このような除電方法としては、コロナ放電式のイオナイザ、UV、軟X線等の光照射式のイオナイザ等を用いることができる。除塵、塗布前後のフィルム支持体の帯電圧は、1000V以下が望ましく、好ましくは300V以下、特に好ましくは、100V以下である。
フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアシレートフィルムの温度をTg以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
本発明のフィルムを偏光板の保護フィルムとして使用する場合のようにセルロースアシレートフィルムを偏光膜と接着させる場合には、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
接着性などの観点から、セルロースアシレートフィルムの表面エネルギーは、55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましく、上記表面処理により調整することができる。
(塗布)
本発明のフィルムの各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。
ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号、WO2005/123274号明細書参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
本発明で用いられるマイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を前記支持体の上面が自由状態にある位置におけるその支持体の下面に塗布液を転写させて塗工することを特徴とするコート法である。ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくともハードコート層乃至フッ素含有オレフィン系重合体を含む低屈折率層の内の少なくとも一層をマイクログラビアコート法によって塗工することができる。
マイクログラビアコート法による塗工条件としては、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、100〜300本/インチがより好ましく、グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、5〜200rpmであることがより好ましく、支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、1〜50m/分がより好ましい。
本発明のフィルムを高い生産性で供給するために、エクストルージョン法(ダイコート法)が好ましく用いられる。
ダイコート法は前計量方式であるために安定した膜厚の確保が容易である。低塗布量の塗布液に対して、該塗布方式は高速で膜厚安定性良く塗布が可能である。他の塗布方式でも塗布は可能であるが、ディップコート法は液受け槽中の塗布液振動が不可避であり、段状のムラが発生しやすい。リバースロールコート法では、塗布に関連するロールの偏芯やたわみにより段状のムラが発生しやすい。また、これらの塗布方式は後計量方式であるため、安定した膜厚の確保が困難である。前記ダイコート法を用い、25m/分以上で塗布することが生産性の面から好ましい。
(乾燥)
本発明のフィルムは、支持体上に直接又は他の層を介して塗布された後、溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
溶剤を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては特開2001−286817号、同2001−314798号、同2003−126768号、同2003−315505号、同2004−34002号などが挙げられる。
乾燥ゾーンの温度は25℃〜140℃が好ましく、乾燥ゾーンの前半は比較的低温であり、後半は比較的高温であることが好ましい。但し、各層の塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下であることが好ましい。例えば、紫外線硬化樹脂と併用される市販の光ラジカル発生剤のなかには120℃の温風中で数分以内にその数10%前後が揮発してしまうものもあり、また、単官能、2官能のアクリレートモノマー等は100℃の温風中で揮発が進行するものもある。そのような場合には、前記のように各層の塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下であることが好ましい。
また、各層の塗布組成物を支持体上に塗布した後の乾燥風は、前記塗布組成物の固形分濃度が1〜50%の間は塗膜表面の風速が0.1〜2m/秒の範囲にあることが、乾燥ムラを防止するために好ましい。
また、各層の塗布組成物を支持体上に塗布した後、乾燥ゾーン内で支持体の塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと支持体との温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
(硬化)
本発明の光学フィルムは溶剤の乾燥の後に、ウェブで電離放射線および/または熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。本発明における電離放射線種は特に制限されるものではなく、皮膜を形成する硬化性組成物の種類に応じて、紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線などから適宜選択することができが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。
紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく利用できる。
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は10mJ/cm以上が好ましく、更に好ましくは、50mJ/cm〜10000mJ/cmであり、特に好ま
しくは、50mJ/cm〜2000mJ/cmである。その際、ウェブの幅方向の照射量分布は中央の最大照射量に対して両端まで含めて50〜100%の分布が好ましく、80〜100%の分布がより好ましい。
本発明では、支持体上に積層された少なくとも一層を、電離放射線を照射しかつ電離放射線照射開始から0.5秒以上の間、膜面温度50℃以上に加熱した状態で、酸素濃度1000ppm、好ましくは500ppm、さらに好ましくは、100ppm、最も好ましくは50ppm以下の雰囲気で電離放射線を照射する工程によって硬化することが好ましい。
また電離放射線照射と同時および/または連続して、低酸素濃度の雰囲気で加熱されることも好ましい。
特に最外層であり、かつ膜厚が薄い低屈折率層がこの方法で硬化されることが好ましい。硬化反応が熱で加速され、物理強度、耐薬品性に優れた皮膜を形成することができる。
電離放射線を照射する時間については0.7秒以上60秒以下が好ましく、0.7秒以上10秒以下がより好ましい。0.5秒以下では、硬化反応が完了することができず、十分な硬化を行うことができない。また長時間低酸素条件を維持することは、設備が大型化し、多量の不活性ガスが必要であり好ましくない。
酸素濃度を1000ppm以下にする手法としては、大気を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
不活性ガスを、電離放射線による硬化反応が行なわれる電離放射線照射室(「反応室」ともいう)に供給し、かつ反応室のウェッブ入口側にやや吹き出す条件にすることで、ウェッブ搬送にともなう導搬エアーを排除し反応室の酸素濃度を有効に下げられるとともに、酸素による硬化阻害の大きい極表面の実質の酸素濃度を効率よく低減することができる。反応室のウェッブ入口側での不活性ガスの流れの方向は、反応室の給気、排気のバランスを調整することなどで制御できる。
不活性ガスをウェッブ表面に直接吹き付けることも、導搬エアーを除去する方法として好ましく用いられる。
また前記反応室の前に前室を設け、事前にウェッブ表面の酸素を排除することで、より硬化を効率よく進めることができる。また電離放射線反応室または前室のウェッブ入口側を構成する側面は、不活性ガスを効率的に使用するために、ウェッブ表面とのギャップは0.2〜15mmが好ましく、より好ましくは、0.2〜10mmとするのがよく、0.2〜5mmとするのがもっとも好ましい。しかし、ウェッブを連続製造するには、ウェッブを接合して繋げていく必要があり、接合には接合テープなどで貼る方法が広く用いられている。このため、電離放射線反応室または前室の入口面とウェッブのギャップをあまり狭くすると、接合テープなど接合部材が引っかかる問題が生じる。このためギャップを狭くするためには、電離放射線反応室または前室の入口面の少なくとも一部を可動とし、接合部が入るときは接合厚み分ギャップを広げるのが好ましい。この実現のためには、電離放射線反応室または前室の入口面を進行方向前後に可動にしておき、接合部が通過する際に前後に動いてギャップを広げるやり方や、電離放射線反応室または前室の入口面をウェッブ面に対し、垂直方向に可動にし、接合部が通過する際に上下に動いてギャップを広げるやり方を取ることができる。
紫外線照射は、構成する複数の層それぞれに対して1層設ける毎に照射してもよいし、積層後照射してもよい。あるいはこれらを組み合わせて照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。
本発明では、支持体上に積層された少なくとも一層を複数回の電離放射線により硬化することができる。この場合、少なくとも2回の電離放射線が酸素濃度1000ppmを超えることのない連続した反応室で行われることが好ましい。複数回の電離放射線照射を同一の低酸素濃度の反応室で行うことにより、硬化に必要な反応時間を有効に確保することができる。
特に高生産性のため製造速度をあげた場合には、硬化反応に必要な電離放射線のエネルギーを確保するために複数回の電離放射線照射が必要となる。
また、硬化率(100−残存官能基含率)が100%未満のある値となった場合、その上に層を設けて電離放射線および/または熱により硬化した際に下層の硬化率が上層を設ける前よりも高くなると、下層と上層との間の密着性が改良され、好ましい。
(ハンドリング)
本発明のフィルムを連続的に製造するために、ロール状の支持体フィルムを連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する支持体フィルムを巻き取る工程が行われる。
ロール状のフィルム支持体からフィルム支持体がクリーン室に連続的に送り出され、クリーン室内で、フィルム支持体に帯電している静電気を静電除電装置により除電し、引き続きフィルム支持体上に付着している異物を、除塵装置により除去する。引き続きクリーン室内に設置されている塗布部で塗布液がフィルム支持体上に塗布され、塗布されたフィルム支持体は乾燥室に送られて乾燥される。
乾燥した塗布層を有するフィルム支持体は乾燥室から硬化室へ送り出され、塗布層に含有されるモノマーが重合して硬化する。さらに、硬化した層を有するフィルム支持体は硬化部へ送られ硬化を完結させ、硬化が完結した層を有するフィルム支持体は巻き取られてロール状となる。
上記工程は、各層の形成毎に行ってもよいし、塗布部−乾燥室−硬化部を複数設けて、各層の形成を連続的に行うことも可能である。
本発明のフィルムを作成するためには、前記したように塗布液の精密濾過操作と同時に、塗布部における塗布工程および乾燥室で行われる乾燥工程が高い清浄度の空気雰囲気下で行われ、かつ塗布が行われる前に、フィルム上のゴミ、ほこりが充分に除かれていることが好ましい。塗布工程および乾燥工程の空気清浄度は、米国連邦規格209Eにおける空気清浄度の規格に基づき、クラス10(0.5μm以上の粒子が353個/(立方メートル)以下)以上であることが望ましく、更に好ましくはクラス1(0.5μm以上の粒子が35.5個/(立方メートル)以下)以上であることが望ましい。また、空気清浄度は、塗布−乾燥工程以外の送り出し、巻き取り部等においても高いことがより好ましい。
(鹸化処理)
本発明のフィルムを2枚の偏光膜の表面保護フィルムの内の一方として用いて偏光板を作製する際には、偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、接着面における接着性を改良することが好ましい。
a.アルカリ液に浸漬する法
アルカリ液の中にフィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは1〜2mol/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜75℃、特に好ましくは40〜60℃である。
前記の鹸化条件の組合せは比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、塗布層を有する表面と反対の表面が親水化される。偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、塗布層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に塗布層を有する表面から内部までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる各層の受けるダメージの指標として、反対側の表面の透明支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に透明支持体がトリアセチルセルロースであれば、好ましくは10度〜50度、より好ましくは30度〜50度、さらに好ましくは40度〜50度となる。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じる為、好ましくない。一方、10度未満では、フィルムが受けるダメージが大きすぎる為、物理強度を損ない、好ましくない。
b.アルカリ液を塗布する方法
上述の浸漬法における各膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を塗布層を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。例えば、蒸着膜やゾル−ゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
前記(1)、(2)のどちらの鹸化方法においても、ロール状の支持体から巻き出して各層を形成後に行うことができるため、フィルム製造工程の後に加えて一連の操作で行っても良い。さらに、同様に巻き出した支持体からなる偏光板との張り合わせ工程もあわせて連続で行うことにより、枚葉で同様の操作をするよりもより効率良く偏光板を作成することができる。
c.ラミネートフィルムで保護して鹸化する方法
前記(2)と同様に、塗布層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、最終層まで形成した後に該最終層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで最終層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離することができる。この方法でも、塗布層へのダメージなしに偏光板保護フィルムとして必要なだけの親水化処理をトリアセチルセルロースフィルムの最終層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。前記(2)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
d.中途層まで形成後にアルカリ液に浸漬する方法
下層層まではアルカリ液に対する耐性があるが、上層のアルカリ液に対する耐性不足である場合には、下層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に上層を形成することもできる。製造工程が煩雑になるが、たとえば、ハードコート層とフッ
素含有ゾルーゲル膜の低屈折率層とからなるフィルムにおいて、親水基を有する場合にはハードコート層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
e.予め鹸化済のトリアセチルセルロースフィルムに塗布層を形成する方法
トリアセチルセルロースフィルムを予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に直接または他の層を介して塗布層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面との層間密着性が悪化することがある。そのような場合には、鹸化後、塗布層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから塗布層を形成することで対処できる。また、塗布層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
[偏光膜の作製]
本発明のフィルムは、偏光膜およびその片側ないし両側に配置された保護フィルムとして使用し、偏光膜として使用することができる。
一方の保護フィルムとして、本発明のフィルムを用い、他方の保護フィルムには、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、上述の溶液製膜法で製造され、且つ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における巾方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
更には、本発明の偏光板において、片面が本発明の光学フィルムであるのに対して他方の保護フィルムが液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
光学フィルムの透明支持体やセルロースアセテートフィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
偏光板の生産性には保護フィルムの透湿性が重要である。偏光膜と保護フィルムは水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶剤は保護フィルム中を拡散することで、乾燥される。保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
保護フィルムの透湿性は、透明支持体やポリマーフィルム(および重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。
本発明のフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる場合、透湿性は100〜1000g/m・24hrsであることが好ましく、300〜700g/m・24hrsであることが更に好ましい。
透明支持体の厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。
この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の親疎水性は、添加剤により調整することが出来る。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
上記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落0020〜0030に詳しい記載がある。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、本発明の光学フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
[本発明の使用形態]
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。本発明に従う光学フィルムは、プラズマディスプレイパネル(PDP)または陰極管表示装置(CRT)など公知のディスプレイ上に用いることが出来る。
[液晶表示装置]
本発明の光学フィルム、偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
一般的に、液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、STNモード、VAモード、OCBモード、IPSモードまたはECBモードであることが好ましい。
(TNモード)
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。(STNモード)
STNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに150〜300゜にねじれ配向している。
STNモードの液晶セルは、比較的画面サイズの小さな表示装置で多く利用されており、多数の文献に記載がある。
(VAモード)
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向して
いる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
(OCBモード)
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
(IPSモード)
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
(ECBモード)
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
[液晶表示装置以外のディスプレイ]
(PDP)
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されている。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
前面板をプラズマディスプレイパネルの前面に配置することがある。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護するために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板は、プラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フィルムをディスプレイ表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)または裏側(ディスプレイ側)に光学フィルムを貼り付けることもできる。
(タッチパネル)
本発明の光学フィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913
号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
(有機EL素子)
本発明の光学フィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明の光学フィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すがこれに示す限りではない。
[実施例1]
有機樹脂粒子の平均粒子径の測定は以下のようにして行った。
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]にて得られる50%体積径(メジアン径)を平均粒子径とした。
シェルの層厚みの測定は以下のようにして行った。
包埋用ボードに包埋用エポキシ樹脂と本発明の粒子と硬化剤を入れて十分に混ぜ、温度60℃のオーブン中で一晩硬化させた。硬化物をミクロトーム[ULTRACUT N(商品名)Reichert−Nissen製]で薄片化して、粒子のスライス片を透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した。TEM写真よりシェルの層厚みを実測した。
〔屈折率〕
以下(1)〜(3)の手順により求めることができる。
(1)スライドグラス上に粒子をのせ、表2の液状の有機化合物または混合した有機化合物(以下、「化合物」と称す。)を添加し、カバーガラスで挟む。(2)25℃で光学顕微鏡(透過)を用いて観察し、粒子が最も見えにくい化合物の種類を選択する。(3)粒子が最も見えにくい化合物に対応する数値(表2)を粒子の屈折率とする。なお、混合した有機化合物を使用した場合、その屈折率に関しては混合割合の加成性が成り立つものとし、計算により求めることができるとする。例えば、トルエン(Toluene)とニトロベンゼン(Nitrobenzene)とを1:2で混合した場合、その混合物の屈折率は、表2の数値を参考にして計算すると、(1.496×1/3)+(1.550×2/3)=1.532となる。
表2
Figure 2008146021
(アミノ樹脂粒子1の合成)
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン80.0g、37%ホルマリン154.4g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスO−40(商品名):Si02濃度40.7質量%、pH2.4、平均粒子径23.0nm]34.0g、硫酸ナトリウム1.0g、水683gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ290であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10質量%水溶液を添加してpHを5.1に調整した。約5分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、該反応液のpHを7.5に調整した。その後、濾別することによって取り出したメラミン樹脂粒子粉末を窒素置換により酸素濃度8%雰囲気下で150℃3時間加熱処理を行い、ピンディスクミルで解砕することにより白色のアミノ樹脂粒子1(屈折率1.65)を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、2.0μm、CV値5.8%であった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、球状粒子のみが観察された。またこの球状粒子をスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、コアがメラミン樹脂、シェルが23nmの粒子径を有するコロイダルシリカが粒子表面に密に充填されたメラミン樹脂−シリカ複合層からなり、そのシェルの層厚みは90nmであることが確認された。
(アミノ樹脂粒子2の合成)
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン80.0g、37%ホルマリン154.4g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスO−40(商品名):Si02濃度40.7質量%、pH2.4、平均粒子径23.0nm]34.0g、硫酸ナトリウム1.0g、水683gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ290であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10質量%水溶液を添加してpHを5.1に調整した。約5分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、沈降分離により取り出したメラミン樹脂粒子50g、水450g、スルファミン酸アンモニウム0.5gを、2リットルのオートクレーブに仕込んだ。窒素で置換した後、170℃まで昇温して3時間加熱加圧処理した。この処理後、粒子をろ別により分離し、純水で数回洗浄した後、窒素置換により酸素濃度8%雰囲気下で150℃3時間加熱処理を行い、ピンディスクミルで解砕することにより白色のアミノ樹脂粒子2(屈折率1.64)を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、2.0μm、CV値6.1%であった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、球状粒子のみが観察された。またこの球状粒子をスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、コアがメラミン樹脂、シェルが23nmの粒子径を有するコロイダルシリカが粒子表面に密に充填されたメラミン樹脂−シリカ複合層からなり、そのシェルの層厚みは90nmであることが確認された。
(アミノ樹脂粒子3の合成)
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン80.0g、37%ホルマリン154.4g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスO−40(商品名):Si02濃度40.7質量%、pH2.4、平均粒子径23.0nm]34.0g、硫酸ナトリウム1.0g、水683gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ290であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10質量%水溶液を添加してpHを5.1に調整した。約5分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して粒子固体粉末を取り出し、ピンディスクミルで解砕することにより白色の硬化アミノ樹脂粒子(屈折率1.63)を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、2.0μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、球状粒子のみが観察された。またこの球状粒子をスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、コアがメラミン樹脂、シェルが23nmの粒子径を有するコロイダルシリカが粒子表面に密に充填されたメラミン樹脂−シリカ複合層からなり、そのシェルの層厚みは90nmであることが確認された。
(ハードコート性を有する層用塗布液の調製)
下記に示す各々の成分をミキシングタンクに投入し、攪拌したのち、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して調製した。
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−1)の調製)
DPHA 45.1質量部
アミノ樹脂粒子1 9.0質量部
イルガキュア184 2.2質量部
FZ−2191 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−2)の調製)
DPHA 45.1質量部
アミノ樹脂粒子2 9.0質量部
イルガキュア184 2.2質量部
FZ−2191 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−3)の調製)
DPHA 45.1質量部
アミノ樹脂粒子3 9.0質量部
イルガキュア184 2.2質量部
FP−7 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
上記の各成分は以下の通りである。
「DPHA」:日本化薬製、屈折率1.51
「イルガキュア184」:光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
「FZ−2191」:ポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製)
(ゾル液aの調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120部、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液aを得た。
質量平均分子量は1800であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(中空シリカ微粒子ゾル分散液aの調製)
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作成)500部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)30部、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5部加え混合した後に、イオン交換水を9部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加した。この分散液500gにほぼシリカの含量一定となるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力20kPaで減圧蒸留による溶媒置換を行った。分散液に異物の発生はなく、固形分濃度をシクロヘキサノンで調整し20質量%にしたときの粘度は25℃で5mPa・sであった。得られた中空シリカ微粒子ゾル分散液aのイソプロピルアルコールの残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1.5%であった。
(中空シリカ微粒子ゾル分散液bの調製)
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作成)に対し、シリカ100質量部にジメチルオクタデシル−3−トリメトキシ・シリルプロピルアンモニウムクロライド(東芝シリコーン製:XS70−241)を5質量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された空隙を有するシリカ微粒子20質量%のイソプロピルアルコール分散液を得た。この分散液にほぼシリカの含量一定となるようにメチルイソブチルケトンを添加しながら、圧力20kPaで減圧蒸留による溶媒置換を行った。分散液に異物の発生はなく、固形分濃度をメチルイソブチルケトンで調整し20質量%にした。得られた中空シリカ微粒子ゾル分散液bのイソプロピルアルコールの残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1.5%であった。
(低屈折率層用塗布液の調製)
下記に示す各々の成分をミキシングタンクに投入し、攪拌したのち、孔径3μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して調製した。
(低屈折率層用塗布液(LL−1)の調製)
熱架橋性含フッ素ポリマー 3.00質量部
サイメル303 0.75質量部
キャタリスト4050 0.07質量部
MEK−ST−L 6.4質量部
ゾル液a 5.8質量部
本明細書に記載の化合物12 0.04質量部
MEK 79.2質量部
シクロヘキサノン 2.9質量部
この塗布液により形成される層の屈折率は1.44であった。
(低屈折率層用塗布液(LL−2)の調製)
熱架橋性含フッ素ポリマー 3.44質量部
サイメル303 0.86質量部
キャタリスト4050 0.08質量部
中空シリカ微粒子ゾル分散液a 19.5質量部
ゾル液a 3.4質量部
MEK 116.1質量部
シクロヘキサノン 2.9質量部
この塗布液により形成される層の屈折率は1.39であった。
(低屈折率層用塗布液(LL−3)の調製)
中空シリカ微粒子ゾル分散液b 14.67質量部
スタティサイド 0.24質量部
PETA 1.71質量部
イルガキュア907 0.11質量部
MIBK 83.26質量部
この塗布液により形成される層の屈折率は1.38であった。
上記の各成分は以下の通りである。
「熱架橋性含フッ素ポリマー」:特開平11−189621公報実施例1に記載の含フッ素含シリコーン熱硬化ポリマー
「サイメル303」:硬化剤(日本サイテックインダストリーズ(株)製)
「キャタリスト4050」:硬化触媒(日本サイテックインダストリーズ(株)製)
「MEK−ST−L」:コロイダルシリカ分散液(平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)
「イルガキュア907」:光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
「スタティサイド」:帯電防止剤(4級アンモニウム化合物、三井物産プラスチック社製)
「PETA」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製、屈折率1.51)
「MIBK」:メチルイソブチルケトン
「MEK」:メチルエチルケトン
表3
Figure 2008146021
(ハードコート層の塗設)
特開2003−211052号の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、ハードコート層塗布液HC−1〜HC−3を、各々12g/m2の塗布量になるように塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量70mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、各々厚さ6μmのハードコート層を有した光学フィルムを作製し、巻き取った。
(低屈折率層の塗設)
各種ハードコート層を塗設した後、表3に対応する低屈折率層用塗布液LL−1〜LL−3を、特開2003−211052号の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、低屈折率層の乾燥膜厚が95nmになるようにウエット塗布し、続いて、LL−1、2は120℃で150秒間乾燥の後、更に100℃で8分間乾燥させてから、窒素パージにより、酸素濃度100ppmの雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量110mJ/cm2の紫外線を照射し、低屈折率層を形成させて巻き取った。LL−3は120℃で70秒間乾燥の後、さらに窒素パージにより、酸素濃度100ppmの雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量400mJ/cm2の紫外線を照射し、低屈折率層を形成させて巻き取った。
(内部へイズ)
内部ヘイズはNDH2000(日本電色工業(株))により測定する。測定方法は以下のとおりである。
光学フィルムの表面および裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られた光学フィルムを密着した状態でJIS−K7136に準じてヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズとして算出した。
(全光線透過率)
全光線透過率はNDH2000(日本電色工業(株))により測定する。
(算術表面粗さ:Ra)
Ra(算術平均粗さ)は、JIS−B0601に準じて(株)ミツトヨ社製2次元粗さ計SJ−400型により測定した。
(耐湿熱試験)
温度80℃、相対湿度90%の環境下で500時間置いた後の内部ヘイズと全光線透過率の変化率を測定する。
変化率(%)={[(試験前の内部ヘイズ)−(試験後の内部ヘイズ)]/(試験前の内部ヘイズ)}×100
(積分反射率)
積分反射率の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ILV−471”を装着して、380〜780nmの波長領域において、フィルムの透明支持体面をサンドペーパーで祖面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、積分反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
表4
Figure 2008146021
[実施例2]
(アミノ樹脂粒子4の合成)
四つ口フラスコにメラミン75部、ベンゾグアナミン75部、濃度37%のホルマリン238部および濃度10%の炭酸ナトリウム水溶液1.07部を仕込み混合物とした。この混合物を攪拌しながら85℃に昇温して重合を行い、水混和度250%の初期縮合物を得た。別に、ノニオン系界面活性剤のエマルゲン430(花王製、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)6.0部を水2455部に溶解しておき、この界面活性剤水溶液の温度を50℃に昇温して攪拌した。攪拌状態下にある界面活性剤水溶液に上記初期縮合物を投入して、初期縮合物の乳濁液を得た。これに5%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液90部を加え、50〜60℃の温度で3時間保って縮合硬化し、硬化樹脂の乳濁液を得た。この乳濁液を冷水3000部に投入し急冷した。次いで、この乳濁液から硬化樹脂を沈降分離して得られたペーストを上記エマルゲン430 7.5部とドデシルベンゼンスルホン酸4.5部とを水2000部に溶解させて得た水溶液中に、超音波分散機を用いて分散した。分散して得られた乳濁液を徐々に90℃まで昇温することにより再縮合硬化し、1時間保持した後に急冷した。この乳濁液から硬化樹脂を沈降分離することにより、メラミン/ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒドのアミノ樹脂の硬化球状微粒子を得た。
上記アミノ樹脂の硬化球状微粒子50g、水450g、スルファミン酸アンモニウム0.5gを、2リットルのオートクレーブに仕込んだ。窒素で置換した後、170℃まで昇温して3時間加熱加圧処理した。この処理後、粒子をろ別により分離し、純水で数回洗浄した後、160℃で4時間加熱処理することで乾燥し、その後解砕して、白色であるアミノ樹脂粒子4を得た。得られたアミノ樹脂粒子4の粒度分布はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、平均粒子径が3.5μm、CV値が3.2%であった。また、アミノ樹脂粒子4のNMR面積比:C(II)/C(I)は3.9であり、10%変形時の圧縮弾性率が1050kg/mm2であり、25℃における屈折率が1.61であった。
(アミノ樹脂粒子5の合成)
アミノ樹脂粒子4の合成方法において、メラミン75部およびベンゾグアナミン75部を、メラミン150部とした以外は同様の操作を行い、白色であるアミノ樹脂粒子5を得た。得られたアミノ樹脂粒子5の粒度分布はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、平均粒子径が2.2μm、CV値は3.9%であった。また、アミノ樹脂粒子5のNMR面積比:C(II)/C(I)は4.1であり、10%変形時の圧縮弾性率が1590kg/mm2であり、25℃における屈折率が1.63であった。
(アミノ樹脂粒子6の合成)
アミノ樹脂粒子4の合成方法において、粒子の分離・洗浄後の加熱処理(乾燥)温度を160℃から90℃にした以外は同様の操作を行い、白色であるアミノ樹脂粒子6を得た。得られたアミノ樹脂粒子6の粒度分布はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、平均粒子径が3.53μm、CV値が3.8%であった。また、アミノ樹脂粒子6NMR面積比:C(II)/C(I)は1.2であり、10%変形時の圧縮弾性率が950kg/mm2であり、25℃における屈折率が1.55であった。(アミノ樹脂粒子7の合成)
容器内のメルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8gとジブチルスズラウレート0.2gとからなる溶液に対し、イソホロンジイソシアナート20.66を、乾燥空気中、50℃、1次間の条件で滴下した後、60℃、3時間の条件でさらに攪拌した。これにペンタエリスリトールとトリアクリレート71.4gを30℃1時間の条件で滴下した後、60℃、3時間の条件でさらに攪拌し、反応液とした。この反応液中の生成物、すなわち反応性アルコキシシランにおける残存イソシナナート量をFT−IRで測定したところ、0.1質量%以下であり、核反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また分子内に、チオウレタン結合と、ウレタン結合と、アルコキシシリル基と反応性不飽和結合を有することを確認した。
次に攪拌機付の容器内に、MEK200g、前述のアミノ樹脂粒子5を60g取り、攪拌し、上記反応性アルコキシシラン25g、蒸留水0.3gと、p−ヒロロキシフェニルモノメチルエーテル0.03gとを混合し、65℃で過熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8gを添加し、更に1時間加熱した。更に光重合開始剤としてイルガキュア907(チバスペシャリティケミカル(株)製)6.1gとMIBK1.7gを添加し、水銀灯で光照射し、表面に被覆した反応性不飽和基を架橋させて、白色であるアミノ粒子7を得た。得られたアミノ樹脂粒子7の粒度分布はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、平均粒子径が2.3μm、CV値が3.8%であった。また、この球形粒子をスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X銭分析(TEM−EDX)にて観察したところ、コアがメラミン樹脂、シェルが23nmの粒子径を有するコロイダルシリカが粒子表面に蜜に90nmの厚さで充填され、更にその上に硬化された有機皮膜が100nmの厚さで形成されていることが確認された。また、アミノ樹脂粒子7のNMR面積比:C(II)/C(I)は4.1であり、10%変形時の圧縮弾性率が1590kg/mm2で25℃における屈折率が1.63であった。
(ハードコート性を有する層用塗布液の調製)
下記に示す各々の成分をミキシングタンクに投入し、攪拌したのち、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して調製した。
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−4)の調製)
PETA 42.1質量部
アミノ樹脂粒子4 12.0質量部
イルガキュア907 2.2質量部
FZ−2191 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−5)の調製)
DPHA 25.1質量部
PETA 21.1質量部
アミノ樹脂粒子5 8.0質量部
イルガキュア184 2.2質量部
FZ−2191 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−6)の調製)
DPHA 41.1質量部
アミノ樹脂粒子6 13.0質量部
イルガキュア907 2.2質量部
FP−7 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
(ハードコート性を有する層用塗布液(HCL−7)の調製)
DPHA 25.1質量部
PETA 21.1質量部
アミノ樹脂粒子7 8.0質量部
イルガキュア184 2.2質量部
FZ−2191 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 26.2質量部
メチルエチルケトン 17.5質量部
上記の各成分は以下の通りである。
「DPHA」:日本化薬製、屈折率1.51
「PETA」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬製、屈折率1.51)
「イルガキュア184」:光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)。
「イルガキュア907」:光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)。
「FZ−2191」:ポリエーテル変性シリコーン。(東レ・ダウコーニング(株)製
実施例1と同様にハードコート層を塗設し各々厚さ6μmのハードコート層を有した光学フィルム(AF−8〜11)を作製した。
また、得られた光学フィルムを実施例1と同様に耐湿熱試験を行なった。
表5
Figure 2008146021
[実施例3]
(光学異方性層を有する偏光板での評価)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。実施例試料AF−5に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例試料
AF−5の透明基材フイルム(セルローストリアセテート)が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。また、下記の光学補償フイルム(KH−01)をセルロースアセテートフィルムが偏光膜側になるようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。偏光膜の透過軸とKH−01の遅相軸とは平行になるように配置した。このようにして光拡散層付き偏光板(HKH−01)を作製した。
(KH−01の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
──────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
──────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
──────────────────────────────
別のミキシングタンクに、波長分散制御として下記のレターデーション上昇剤25質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液493質量部にレターデーション上昇剤溶液7質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、1.5質量部であった。
Figure 2008146021
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、140℃の乾燥風で、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(厚さ:90μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルム(CAF−01)について、光学特性を測定した結果、Reレターデーション値は5nm、Rthレターデーション値は80nmであった。尚、光学特性は、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。
作製したセルロースアセテートフィルムを、1.5Nの水酸化カリウム/(水/IPA/PG=14/86/15vol%)を5cc/m2 塗布し、約10秒間60℃に保持した後、フイルム表面に残った水酸化カリウムを水洗し、乾燥した。このセルロースアセテ
ートフィルムの表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。このセルロースアセテートフィルム上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフィルムの長手方向と平行な方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
──────────────────────────────
配向膜塗布液組成
──────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
──────────────────────────────
Figure 2008146021
(光学異方性層の形成)
配向膜上に、下記の円盤状(液晶性)化合物41.01g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.90g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.45gを、102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、#3.6のワイヤーバーで塗布した。これを130℃の恒温ゾーンで2分間加熱し、円盤状化合物を配向させた。次に、60℃の雰囲気下で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シート(KH−01)を作製した。波長550nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は43nmであった。また、円盤面と第1透明支持体面との間の角度(傾斜角)は平均で42゜であった。
Figure 2008146021
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに偏光板(HKH−01)を、KH−01が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側に貼り付けた。またバックライト側には、次の偏光板(HKH−S1)を貼り付けた。HKH−S1は、前記の光学補償フィルム(KH−01)をセルロースアセテートフィルムが偏光膜側になるようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前記の偏光膜の一方に貼り付け、他方の側にはセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム製)を貼り付けて作成した。偏光膜の透過軸とKH−01の遅相軸とは平行になるように配置した。このようにしてバックライト側の偏光板(HKH−S1)を作製した。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。作製した液晶表示装置について、測定機(EZ-Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を表6に示す。
また、光拡散層付き偏光板(HKH−01)の光学補償フイルム(KH−01)の代わりに、市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)に貼り付けた偏光板(HKH−H1)を作製し、光拡散層付き偏光板(HKH−01)の評価と同様に測定した。結果を表6に示す。
表6
Figure 2008146021
(註)黒側の階調反転: L1とL2との間の反転
光拡散層付き偏光板(HKH−01)の光学補償フィルム(KH−01)の支持体を特開2006−030937号公報に記載のフィルムに変更しても、同様の効果を示した。
本発明の光学フィルムの構成を模式的に示す概略断面図である。
符号の説明
1 透明支持体
2 ハードコート層
3 有機樹脂粒子
4 低屈折率層
5 ハードコート層第2層
6 ハードコート層第1層

Claims (14)

  1. 透明支持体上に、少なくとも熱及び/または電離放射線硬化性樹脂と、屈折率が1.60以上である有機樹脂粒子とが含まれてなるハードコート層が積層された光学フィルムであって、前記光学フィルムを温度80℃、相対湿度90%の環境下に500時間さらした前後の全光線透過率の変化率が5%以内である光学フィルム。
  2. 前記有機樹脂粒子の屈折率が1.62以上である請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記有機樹脂粒子の平均粒子径が0.5〜10μmである請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記有機樹脂粒子がアミノ樹脂粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. 前記有機樹脂粒子が、100〜350℃の温度範囲内で1〜50時間加熱処理された有機樹脂粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
  6. 前記アミノ樹脂粒子において固体13C−NMR分析における、−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比[C(II)/C(I)]が2以上である請求項4に記載の光学フィルム。
  7. 前記有機樹脂粒子の圧縮弾性率が500kg/mm2〜2500kg/mm2である請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
  8. 前記有機樹脂粒子の表面または表面近傍が金属酸化物で被覆されている請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
  9. 前記有機樹脂粒子の表面または表面近傍が、金属酸化物で被覆され、更に炭素数3以上の有機化合物で被覆されている請求項1〜8のいずれかに記載の光学フィルム。
  10. 前記有機樹脂粒子の表面または表面近傍が、金属酸化物で被覆され、更に熱および/または電離放射線に活性な反応性基をもつ有機化合物で被覆、硬化されている請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルム。
  11. 前記光学フィルムがさらに低屈折率層を有する請求項1〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
  12. 前記ハードコート層および低屈折率層の少なくとも1層に塩基性の化合物を含有する請求項11に記載の光学フィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルムを、偏光膜の保護フィルムの少なくとも一方に用いた偏光板。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルム、または請求項13に記載の偏光板が画像表示面に配置されている画像表示装置。
JP2007229114A 2006-09-08 2007-09-04 光学フィルム Abandoned JP2008146021A (ja)

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