JP2008144639A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの排気合流部に設置した空燃比センサの出力に基づいて各気筒の空燃比(気筒別空燃比)を推定するシステムにおいて、気筒別空燃比の推定精度を高めて、気筒別空燃比制御の制御精度や気筒別空燃比異常診断の診断精度を向上させる。
【解決手段】エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や負荷等)に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、エンジン運転状態の変化による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正した後、更に、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、空燃比センサ37の応答性の低下による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正する。これらの補正によって推定精度を高めた各気筒の推定空燃比を用いて気筒別空燃比制御や気筒別空燃比異常診断を実施することで、気筒別空燃比制御の制御精度や気筒別異常診断の診断精度を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や負荷等)に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、エンジン運転状態の変化による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正した後、更に、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、空燃比センサ37の応答性の低下による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正する。これらの補正によって推定精度を高めた各気筒の推定空燃比を用いて気筒別空燃比制御や気筒別空燃比異常診断を実施することで、気筒別空燃比制御の制御精度や気筒別異常診断の診断精度を向上させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気合流部に設置した空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する内燃機関の制御装置に関する発明である。
近年、内燃機関の空燃比制御精度を向上させるために、例えば、特許文献1(特開2005−207405号公報)に記載されているように、複数の気筒の排出ガスが合流する排気合流部に設置した1つの空燃比センサの検出値(排気合流部の空燃比)と各気筒の空燃比とを関連付けたモデルを用いて各気筒の空燃比を推定し、その推定結果に基づいて各気筒の空燃比の気筒間ばらつきが小さくなるように各気筒の空燃比補正量を算出して各気筒の空燃比(例えば燃料噴射量)を気筒毎に制御する気筒別空燃比制御を実施するようにしたものがある。
特開2005−207405号公報
ところで、排気合流部に設置した1つの空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定では、内燃機関の運転状態(例えば回転速度や負荷等)によって気筒別空燃比推定の推定精度が変化することがある。例えば、空燃比センサの検出値と各気筒の空燃比とを関連付けたモデルを用いて各気筒の空燃比を推定するモデル法では、各気筒の排出ガスの排出間隔が長くなる低回転領域や排出ガス量が多くなる高負荷領域では、気筒別空燃比推定の推定精度が高くなる傾向があり、各気筒の排出ガスの排出間隔が短くなる高回転領域や排出ガス量が少なくなる低負荷領域では、気筒別空燃比推定の推定精度が低下する傾向がある。
しかし、上記特許文献1の技術では、内燃機関の運転状態の変化による気筒別空燃比推定の推定精度の変化が全く考慮されていないため、内燃機関の運転状態の影響を受けて各気筒の推定空燃比の推定精度が低下する可能性があり、それに伴って各気筒の推定空燃比に基づいた気筒別空燃比制御の制御精度が低下する可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、内燃機関の運転状態に左右されずに各気筒の推定空燃比を精度良く求めることができ、各気筒の推定空燃比に基づいた気筒別空燃比制御の制御精度を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の複数の気筒の排出ガスが合流する排気合流部に、該排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサを設置し、この空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定手段を備えた内燃機関の制御装置において、内燃機関の運転状態に応じて各気筒の推定空燃比を気筒別推定空燃比補正手段により補正し、補正した各気筒の推定空燃比に基づいて各気筒の空燃比を気筒別空燃比制御手段により制御するようにしたものである。
排気合流部に設置した空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定では、内燃機関の運転状態に応じて気筒別空燃比推定の推定精度が変化するため、内燃機関の運転状態に応じて各気筒の推定空燃比を補正すれば、内燃機関の運転状態の変化による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正することができ、内燃機関の運転状態に左右されずに各気筒の推定空燃比を精度良く求めることができる。このような補正によって推定精度を高めた各気筒の推定空燃比に基づいて各気筒の空燃比を制御する気筒別空燃比制御を実施することで、気筒別空燃比制御の制御精度を向上させることができる。
ところで、排気合流部に設置した空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定では、空燃比センサの応答性が経時劣化等によって低下すると、気筒別空燃比推定の推定精度が低下する可能性がある。
そこで、請求項2のように、空燃比センサの応答性をセンサ応答性検出手段により検出し、内燃機関の運転状態と空燃比センサの応答性とに応じて各気筒の推定空燃比を補正するようにしても良い。このようにすれば、空燃比センサの応答性が低下した場合でも、空燃比センサの応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、空燃比センサの応答性の低下による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正して、各気筒の推定空燃比を精度良く求めることができ、気筒別空燃比制御の制御精度を更に向上させることができる。
また、請求項3のように、内燃機関の運転状態や空燃比センサの応答性に応じて補正した各気筒の推定空燃比に基づいて各気筒の空燃比の異常の有無を気筒別空燃比異常診断手段により判定するようにしても良い。このようにすれば、内燃機関の運転状態や空燃比センサの応答性に応じた補正によって推定精度を高めた各気筒の推定空燃比に基づいて各気筒の空燃比の異常の有無を判定する気筒別空燃比異常診断を実施することができ、気筒別空燃比異常診断の診断精度を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関である例えば直列4気筒のエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関である例えば直列4気筒のエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。エンジン運転中は、燃料タンク21内の燃料が燃料ポンプ22によりデリバリパイプ23に送られ、各気筒の噴射タイミング毎に各気筒の燃料噴射弁20から燃料が噴射される。デリバリパイプ23には、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ24が取り付けられている。
また、エンジン11には、吸気バルブ25と排気バルブ26の開閉タイミングをそれぞれ可変する可変バルブタイミング機構27,28が設けられている。更に、エンジン11には、吸気カム軸29と排気カム軸30の回転に同期してカム角信号を出力する吸気カム角センサ31と排気カム角センサ32が設けられていると共に、エンジン11のクランク軸の回転に同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)にクランク角信号のパルスを出力するクランク角センサ33が設けられている。
一方、エンジン11の各気筒の排気マニホールド35が合流する排気合流部36には、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ37が設置され、この空燃比センサ37の下流側に排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒38が設けられている。
上述した空燃比センサ37等の各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)40に入力される。このECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて各気筒の燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火時期を制御する。
また、ECU40は、後述する図2の気筒別空燃比制御ルーチンを実行することで、エンジン運転中に空燃比センサ37の検出値(排気合流部36を流れる排出ガスの空燃比)と各気筒の空燃比とを関連付けたモデル(以下「気筒別空燃比推定モデル」という)を用いて空燃比センサ37の検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定し、各気筒の推定空燃比と基準空燃比(全気筒の推定空燃比の平均値又は制御目標値)との偏差を算出することで、各気筒の空燃比の気筒間ばらつきを算出する。そして、各気筒の空燃比の気筒間ばらつきが小さくなるように各気筒の空燃比補正量(各気筒の燃料噴射量の補正量)を算出し、その算出結果に基づいて各気筒の燃料噴射量を補正することで、各気筒に供給する混合気の空燃比を各気筒毎に補正して各気筒の空燃比の気筒間ばらつきを小さくするように制御する気筒別空燃比制御を実施する。
ここで、空燃比センサ37の検出値(排気合流部36を流れる排出ガスの空燃比)に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定モデルの具体例を説明する。
排気合流部36におけるガス交換に着目して、空燃比センサ37の検出値を、排気合流部36における各気筒の推定空燃比の履歴と空燃比センサ37の検出値の履歴とにそれぞれ所定の重みを乗じて加算したものとしてモデル化し、該モデルを用いて各気筒の空燃比を推定するようにしている。この際、オブザーバとしてはカルマンフィルタを用いる。
より具体的には、排気合流部36におけるガス交換のモデルを次の(1)式にて近似する。
ys(t)=k1 ×u(t-1) +k2 ×u(t-2) −k3 ×ys(t-1)−k4 ×ys(t-2)
……(1)
ここで、ys は空燃比センサ37の検出値、uは排気合流部36に流入するガスの空燃比、k1 〜k4 は定数である。
ys(t)=k1 ×u(t-1) +k2 ×u(t-2) −k3 ×ys(t-1)−k4 ×ys(t-2)
……(1)
ここで、ys は空燃比センサ37の検出値、uは排気合流部36に流入するガスの空燃比、k1 〜k4 は定数である。
排気系では、排気合流部36におけるガス流入及び混合の一次遅れ要素と、空燃比センサ37の応答遅れによる一次遅れ要素とが存在する。そこで、上記(1)式では、これらの一次遅れ要素を考慮して過去2回分の履歴を参照することとしている。
上記(1)式を状態空間モデルに変換すると、次の(2a)、(2b)式が導き出される。
X(t+1) =A・X(t) +B・u(t) +W(t) ……(2a)
Y(t) =C・X(t) +D・u(t) ……(2b)
ここで、A,B,C,Dはモデルのパラメータ、Yは空燃比センサ37の検出値、Xは状態変数としての各気筒の推定空燃比、Wはノイズである。
X(t+1) =A・X(t) +B・u(t) +W(t) ……(2a)
Y(t) =C・X(t) +D・u(t) ……(2b)
ここで、A,B,C,Dはモデルのパラメータ、Yは空燃比センサ37の検出値、Xは状態変数としての各気筒の推定空燃比、Wはノイズである。
更に、上記(2a)、(2b)式によりカルマンフィルタを設計すると、次の(3)式が得られる。
X^(k+1|k)=A・X^(k|k-1)+K{Y(k) −C・A・X^(k|k-1)} ……(3) ここで、X^(エックスハット)は各気筒の推定空燃比、Kはカルマンゲインである。X^(k+1|k)の意味は、時間(k) の推定値により次の時間(k+1) の推定値を求めることを表す。
X^(k+1|k)=A・X^(k|k-1)+K{Y(k) −C・A・X^(k|k-1)} ……(3) ここで、X^(エックスハット)は各気筒の推定空燃比、Kはカルマンゲインである。X^(k+1|k)の意味は、時間(k) の推定値により次の時間(k+1) の推定値を求めることを表す。
以上のようにして、気筒別空燃比推定モデルをカルマンフィルタ型オブザーバにて構成することにより、燃焼サイクルの進行に伴って各気筒の空燃比を順次推定することができる。
更に、ECU40は、後述する図3及び図4の気筒別空燃比異常診断ルーチンを実行することで、前記気筒別空燃比推定モデルを用いて空燃比センサ37の検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定し、各気筒の推定空燃比と基準空燃比(全気筒の推定空燃比の平均値又は制御目標値)との偏差を算出することで、各気筒の空燃比の気筒間ばらつきを算出する。そして、各気筒の空燃比の気筒間ばらつきを所定の判定値と比較して各気筒の空燃比の異常の有無を判定する気筒別空燃比異常診断を実施する。
ところで、排気合流部36に設置した1つの空燃比センサ37の検出値と各気筒の空燃比とを関連付けた気筒別空燃比推定モデルを用いて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定では、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や負荷等)によって気筒別空燃比推定の推定精度が変化する。例えば、各気筒の排出ガスの排出間隔が長くなる低回転領域や排出ガス量が多くなる高負荷領域では、気筒別空燃比推定の推定精度が高くなる傾向があり、各気筒の排出ガスの排出間隔が短くなる高回転領域や排出ガス量が少なくなる低負荷領域では、気筒別空燃比推定の推定精度が低下する傾向がある。
更に、排気合流部36に設置した空燃比センサ37の検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定では、空燃比センサ37の応答性が経時劣化等によって低下すると、気筒別空燃比推定の推定精度が低下する可能性がある。
このようにエンジン運転状態や空燃比センサ37の応答性の影響を受けて推定精度が低下した各気筒の推定空燃比を用いて気筒別空燃比制御や気筒別空燃比異常診断を行うと、気筒別空燃比制御の制御精度や気筒別異常診断の診断精度が低下する可能性がある。
この対策として、本実施例では、まず、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や負荷等)に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、エンジン運転状態の変化による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正した後、更に、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正することで、空燃比センサ37の応答性の低下による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正する。これらの補正によって推定精度を高めた各気筒の推定空燃比を用いて気筒別空燃比制御や気筒別空燃比異常診断を実施することで、気筒別空燃比制御の制御精度や気筒別異常診断の診断精度を向上させるようにしている。
以上説明した気筒別空燃比制御と気筒別空燃比異常診断は、ECU40によって図2乃至図5の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[気筒別空燃比制御ルーチン]
図2に示す気筒別空燃比制御ルーチンは、ECU35の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう気筒別空燃比制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン回転速度、負荷(吸気管圧力や吸入空気量)等のエンジン運転状態を読み込んだ後、ステップ102に進み、所定の気筒別空燃比制御実行条件が成立しているか否かを判定する。その結果、気筒別空燃比制御実行条件が成立していないと判定された場合には、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
図2に示す気筒別空燃比制御ルーチンは、ECU35の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう気筒別空燃比制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン回転速度、負荷(吸気管圧力や吸入空気量)等のエンジン運転状態を読み込んだ後、ステップ102に進み、所定の気筒別空燃比制御実行条件が成立しているか否かを判定する。その結果、気筒別空燃比制御実行条件が成立していないと判定された場合には、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ102で、気筒別空燃比制御実行条件が成立していると判定れた場合には、ステップ103に進み、空燃比センサ37の出力(空燃比検出値)を読み込んだ後、ステップ104に進み、前記気筒別空燃比推定モデルを用いて今回の空燃比推定対象となる第i気筒#i(4気筒エンジンの場合はi=1〜4)の空燃比AF(#i)を空燃比センサ37の検出値に基づいて推定する。このステップ104の処理が特許請求の範囲でいう気筒別空燃比推定手段としての役割を果たす。
この後、ステップ105に進み、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や負荷等)に応じて各気筒の推定空燃比AF(#i)を補正する。
具体的には、図6に示す補正係数KCのマップを参照して、エンジン回転速度NEと吸気管圧力PM(又は吸入空気量)とに応じた第i気筒#iの補正係数KC(#i)を算出すると共に、図7に示す補正量FCのマップを参照して、エンジン回転速度NEと吸気管圧力PM(又は吸入空気量)とに応じた第i気筒#iの補正量FC(#i)を算出する。これらの補正係数KC(#i)のマップと補正量FC(#i)のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて各気筒毎に設定されている。
そして、第i気筒#iの推定空燃比AF(#i)に補正係数KC(#i)を乗算すると共に補正量FC(#i)を加算することで、エンジン運転状態の変化による推定空燃比AF(#i)の推定誤差を補正する。
AF(#i)=AF(#i)×KC(#i)+FC(#i)
AF(#i)=AF(#i)×KC(#i)+FC(#i)
尚、補正係数KC(#i)だけで推定空燃比AF(#i)の推定誤差をある程度補正できる場合には、補正係数KC(#i)のみを算出し、推定空燃比AF(#i)に補正係数KC(#i)を乗算して推定空燃比AF(#i)を補正するようにしても良い。
AF(#i)=AF(#i)×KC(#i)
AF(#i)=AF(#i)×KC(#i)
また、補正量FC(#i)だけで推定空燃比AF(#i)の推定誤差をある程度補正できる場合には、補正量FC(#i)のみを算出し、推定空燃比AF(#i)に補正量FC(#i)を加算して推定空燃比AF(#i)を補正するようにしても良い。
AF(#i)=AF(#i)+FC(#i)
この後、ステップ106に進み、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比AF(#i)を補正する。
AF(#i)=AF(#i)+FC(#i)
この後、ステップ106に進み、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比AF(#i)を補正する。
具体的には、後述する図5のセンサ異常診断ルーチンで算出した空燃比センサ37の応答性指標Rs に応じた補正係数をマップ等により算出し、この補正係数を用いて各気筒の推定空燃比AF(#i)を補正することで、空燃比センサ37の応答性の低下による推定空燃比AF(#i)の推定誤差を補正する。この際、各気筒の推定空燃比AF(#i)を一律に同一の補正係数で補正するようにしても良いが、各気筒の推定空燃比AF(#i)をそれぞれ気筒毎に重みを乗じた補正係数で補正するようにしても良い。尚、センサ異常診断ルーチンとは別に、空燃比センサ37の応答性を検出するための専用の処理を実行して、空燃比センサ37の応答性指標Rs を求めるようにしても良い。
これらのステップ105と106の処理が特許請求の範囲でいう気筒別推定空燃比補正手段としての役割を果たす。
これらのステップ105と106の処理が特許請求の範囲でいう気筒別推定空燃比補正手段としての役割を果たす。
この後、ステップ107に進み、エンジン運転状態と空燃比センサ37の応答性に応じて補正した第i気筒#iの推定空燃比AF(#i)と基準空燃比(全気筒の推定空燃比の平均値又は制御目標値)との偏差を算出することで、第i気筒#iの空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)を算出する。
この後、ステップ108に進み、各気筒の空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)が小さくなるように各気筒の空燃比補正量(各気筒の燃料噴射量の補正量)を算出した後、ステップ109に進み、各気筒の空燃比補正量に基づいて各気筒の燃料噴射量を補正することで、各気筒に供給する混合気の空燃比を各気筒毎に補正して各気筒の空燃比の気筒間ばらつきを小さくするように制御する気筒別空燃比制御を実施する。
[気筒別空燃比異常診断ルーチン]
図3及び図4に示す気筒別空燃比異常診断ルーチンは、ECU35の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう気筒別空燃比異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン回転速度、負荷(吸気管圧力や吸入空気量)等のエンジン運転状態を読み込んだ後、ステップ202に進み、所定の気筒別空燃比異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。その結果、気筒別空燃比異常診断実行条件が成立していないと判定された場合には、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
図3及び図4に示す気筒別空燃比異常診断ルーチンは、ECU35の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう気筒別空燃比異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン回転速度、負荷(吸気管圧力や吸入空気量)等のエンジン運転状態を読み込んだ後、ステップ202に進み、所定の気筒別空燃比異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。その結果、気筒別空燃比異常診断実行条件が成立していないと判定された場合には、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ202で、気筒別空燃比異常診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ203に進み、ダイアグ実行フラグを「1」にセットした後、次のステップ204〜208で、前記図2のステップ103〜107と同様の処理を実行することで、空燃比センサ37の検出値に基づいて推定空燃比AF(#i)を求め、この推定空燃比AF(#i)をエンジン運転状態と空燃比センサ37の応答性に応じて補正し、補正した推定空燃比AF(#i)と基準空燃比との偏差を算出することで、空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)を算出する。尚、前記図2のステップ107で算出した空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)を読み込むようにしても良い。
この後、図4のステップ209に進み、第i気筒#iの空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)が所定の判定値Fよりも大きいか否かを判定する。その結果、第i気筒#iの空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値F以下であると判定された場合には、ステップ215に進み、第i気筒#iの空燃比の異常無し(正常)と判定して、第i気筒#iの正常フラグXafnorm(#i)を「1」にセットした後、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ209で、第i気筒#iの空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値Fよりも大きいと判定された場合には、ステップ210に進み、第i気筒#iの空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値Fよりも大きくなってからの経過時間を計測する第i気筒#iのディレイカウンタD(#i)のカウント値を「1」だけインクリメントした後、ステップ211に進み、ディレイカウンタD(#i)のカウント値が所定のディレイ値を越えたか否かを判定することで、気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値Fよりも大きくなってから所定のディレイ時間が経過したか否かを判定する。
このステップ211で、ディレイカウンタD(#i)のカウント値が所定のディレイ値を越えた(つまり気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値Fよりも大きくなってから所定のディレイ時間が経過した)と判定された時点で、ステップ212に進み、第i気筒#iの異常カウンタT(#i)のカウント値を「1」だけインクリメントする処理を開始した後、ステップ213に進み、異常カウンタT(#i)のカウント値が所定の異常判定値を越えたか否かを判定する。
このステップ213で、異常カウンタT(#i)のカウント値が異常判定値よりも小さいと判定された場合には、そのまま本ルーチンを終了して、気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値Fよりも大きいときに、異常カウンタT(#i)のカウント値をインクリメントする処理(ステップ201〜212)を繰り返す。尚、気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値F以下のときには、異常カウンタT(#i)のカウント値をインクリメントせずに現在のカウント値で保持(ホールド)する。
その後、ステップ213で、異常カウンタT(#i)のカウント値が異常判定値を越えたと判定された場合には、ステップ214に進み、第i気筒#iの空燃比に異常有りと判定して、第i気筒#iの異常フラグXaffail(#i)を「1」にセットすると共に、第i気筒#iの正常フラグXafnorm(#i)を「0」に維持するか又はリセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU40のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶して、本ルーチンを終了する。
[センサ異常診断ルーチン]
図5に示すセンサ異常診断ルーチンは、ECU35の電源オン中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、所定のセンサ異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。その結果、センサ異常診断実行条件が成立していないと判定された場合には、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
図5に示すセンサ異常診断ルーチンは、ECU35の電源オン中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、所定のセンサ異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。その結果、センサ異常診断実行条件が成立していないと判定された場合には、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ301で、センサ異常診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ302に進み、燃料カットが開始されたか否かを判定し、燃料カットが開始されたと判定された時点で、ステップ303に進み、燃料カット開始時の空燃比センサ37の出力I1 を読み込んでECU40のメモリ等に記憶すると共に、タイマを作動させて燃料カット開始からの経過時間を計測する。
この後、ステップ304に進み、空燃比センサ37の出力が所定値I2 まで変化したか否かを判定し、空燃比センサ37の出力が所定値I2 まで変化したと判定された時点で、ステップ305に進み、タイマのカウント値に基づいて燃料カット開始から空燃比センサ37の出力が所定値I2 に変化するまでに要した応答時間T1 を計測する。
この後、ステップ306に進み、空燃比センサ37の応答時間T1 を応答性指標Rs に変換する。この場合、例えば、応答時間T1 の逆数を応答性指標Rs とすることで、空燃比センサ37の応答性が高い(つまり応答時間T1 が短い)ほど応答性指標Rs が大きくなるように設定する。この応答性指標Rs は、前述した図2の気筒別空燃比制御ルーチンや前述した図4及び図5の気筒別空燃比異常診断ルーチンで空燃比センサ37の応答性に応じて推定空燃比を補正する際に用いられる。このステップ306の処理が特許請求の範囲でいうセンサ応答性検出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ307に進み、空燃比センサ37の出力変化率ΔIを次式より算出する。
ΔI=(I2 −I1 )/T1
尚、この出力変化率ΔIを応答性指標Rs として用いるようにしても良い。
この後、ステップ308に進み、空燃比センサ37の出力変化率ΔIが所定の異常判定値Ifcよりも小さいか否かを判定する。
ΔI=(I2 −I1 )/T1
尚、この出力変化率ΔIを応答性指標Rs として用いるようにしても良い。
この後、ステップ308に進み、空燃比センサ37の出力変化率ΔIが所定の異常判定値Ifcよりも小さいか否かを判定する。
その結果、空燃比センサ37の出力変化率ΔIが異常判定値Ifcよりも小さいと判定された場合には、空燃比センサ37の異常有りと判定して、ステップ309に進み、空燃比センサ37の異常フラグを「1」にセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU40のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ308で、空燃比センサ37の出力変化率ΔIが異常判定値Ifc以上であると判定された場合には、空燃比センサ37の異常無し(正常)と判定して、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例の気筒別空燃比異常診断の実行例を、図8のタイムチャートを用いて説明する。図8に示すように、気筒別空燃比異常診断実行条件が成立した時点t1 で、ダイアグ実行フラグを「1」にセットして気筒別空燃比異常診断を開始する。
まず、空燃比センサ37の検出値に基づいて第i気筒#iの推定空燃比AF(#i)を求め、この推定空燃比AF(#i)をエンジン運転状態(エンジン回転速度NEと吸気管圧力PM)と空燃比センサ37の応答性に応じて補正し、補正後の推定空燃比AF(#i)と基準空燃比との偏差を算出することで、空燃比の気筒間ばらつきΔAF(#i)を算出する。
この気筒間ばらつきΔAF(#i)が所定の判定値Fを越えた時点t2 で、ディレイカウンタD(#i)のカウント値をインクリメントする処理を開始し、このディレイカウンタD(#i)のカウント値が所定のディレイ値を越えた時点t3 (つまり気筒間ばらつきΔAF(#i)が判定値Fを越えてから所定のディレイ時間が経過した時点)で、異常カウンタT(#i)のカウント値をインクリメントする処理を開始する。
その後、異常カウンタT(#i)のカウント値が所定の異常判定値を越えた時点t4 で、第i気筒#iの空燃比に異常有りと判定して、第i気筒#iの異常フラグXaffail(#i)を「1」にセットすると共に、ダイアグ終了フラグを「1」にセットして、気筒別異常診断を終了する。
以上説明した本実施例では、空燃比センサ37の検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定し、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や負荷等)に応じて各気筒の推定空燃比を補正するようにしたので、エンジン運転状態の変化による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正することができ、更に、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正するようにしたので、空燃比センサ37の応答性の低下による各気筒の推定空燃比の推定誤差を精度良く補正することができ、エンジン運転状態や空燃比センサ37の応答性に左右されずに各気筒の推定空燃比を精度良く求めることができる。
そして、これらの補正によって推定精度を高めた各気筒の推定空燃比を用いて気筒別空燃比制御や気筒別空燃比異常診断を実施するようにしたので、気筒別空燃比制御の制御精度や気筒別異常診断の診断精度を向上させることができる。
尚、上記実施例では、エンジン運転状態に応じて各気筒の推定空燃比を補正し、更に、空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正するようにしたが、空燃比センサ37の応答性の影響が小さい場合(例えば空燃比センサ37の応答性がほとんど低下していない場合)は、空燃比センサ37の応答性に応じた補正を省略するようにしても良い。また、エンジン運転状態に応じて各気筒の推定空燃比を補正する方法や空燃比センサ37の応答性に応じて各気筒の推定空燃比を補正する方法は、上記実施例で説明した方法に限定されず、適宜変更しても良いことは言うまでもない。
また、上記実施例では、空燃比センサ37の検出値と各気筒の空燃比とを関連付けた気筒別空燃比推定モデルを用いて各気筒の空燃比を推定するようにしたが、気筒別空燃比の推定方法は、気筒別空燃比推定モデルを用いた方法に限定されず、適宜変更しても良く、例えば、各気筒毎に空燃比を強制的に変化させる空燃比ディザ制御を実行したときの空燃比センサ37の出力に基づいて各気筒の空燃比を推定するようにしても良い。
更に、気筒別空燃比異常診断の診断方法や空燃比センサ37の応答性の検出方法も、上記実施例で説明した方法に限定されず、適宜変更しても良い。
その他、本発明は、上記実施例で説明した4気筒エンジンに限定されず、2気筒エンジンや3気筒エンジン或は5気筒以上のエンジンに適用しても良い等、種々変形して実施できる。
その他、本発明は、上記実施例で説明した4気筒エンジンに限定されず、2気筒エンジンや3気筒エンジン或は5気筒以上のエンジンに適用しても良い等、種々変形して実施できる。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、15…スロットルバルブ、20…燃料噴射弁、35…排気マニホールド、36…排気合流部、37…空燃比センサ、40…ECU(気筒別空燃比推定手段,気筒別推定空燃比補正手段,気筒別空燃比制御手段,センサ応答性検出手段,気筒別空燃比異常診断手段)
Claims (3)
- 内燃機関の複数の気筒の排出ガスが合流する排気合流部に、該排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサを設置し、前記空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定手段を備えた内燃機関の制御装置において、
内燃機関の運転状態に応じて前記気筒別空燃比推定手段で推定した各気筒の推定空燃比を補正する気筒別推定空燃比補正手段と、
前記気筒別推定空燃比補正手段で補正した各気筒の推定空燃比に基づいて各気筒の空燃比を制御する気筒別空燃比制御手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記空燃比センサの応答性を検出するセンサ応答性検出手段を備え、
前記気筒別推定空燃比補正手段は、内燃機関の運転状態と前記空燃比センサの応答性とに応じて前記気筒別空燃比推定手段で推定した各気筒の推定空燃比を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記気筒別推定空燃比補正手段で補正した各気筒の推定空燃比に基づいて各気筒の空燃比の異常の有無を判定する気筒別空燃比異常診断手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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