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JP2008144279A - 高成形性アルミニウム材料 - Google Patents

高成形性アルミニウム材料 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘム曲げ性及び板成形性を高レベルで両立できるアルミニウム材料を提供する。
【解決手段】結晶方位の異なる結晶粒で構成され、前記結晶粒が、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部がその他の結晶方位結晶粒からなり、Brass方位の結晶粒の占有率が0.2から0.4、Copper方位の結晶粒の占有率が0.05から0.1、且つこれら結晶方位の総占有率が0.25から0.5であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒であるアルミニウム材料、及びそれを用いた自動車部材。
【選択図】なし

Description

本発明はアルミニウム材料に関し、特に、自動車ボディシート、自動車部品、機械部品などの組立時に要求される高度なヘム曲げ性およびボディ形成や筐体形成時のプレス成形などの板成形性に優れたアルミニウム材料に関する。
自動車は、ボディシートなどのアルミ化が進んでおり、アウター材にはベークハード性(塗装焼付時の加熱で析出硬化する性質)に優れ、塗装焼付後に高強度となる6000系(Al−Mg−Si系)アルミニウム合金が多用され、インナー材には絞り成形性に優れた5000系(Al−Mg系)アルミニウム合金が使用されている。
この6000系アルミニウム合金からなるアウター材は、通常インナー材とかしめて用いられるヘム曲げと呼ばれる曲げ加工性に優れることが要求されるが、6000系(Al−Mg−Si系合金板)は、このヘム曲げ加工性が劣り、特にベークハード性を高めるために高温で溶体化処理した材料では著しくこのヘム曲げ加工性が劣るという問題がある。
更に、この6000系アルミニウム合金のアウター材には、自動車のデザインを決定するために制約の少ない板成形の一種であるプレス成形性が良いことも必要とされているが、一般に従来の鋼板や5000系アルミニウム合金板に比較してプレス成形性が劣り、自動車部品のリサイクル問題を考慮した使用材質の統合化を図る上で、その改善が望まれている。
このような状況において、曲げ加工性の向上には、アルミニウム合金板表面硬さを制御する方法(例えば、特許文献1参照)、結晶粒サイズや析出物サイズを制御する方法(例えば、特許文献2、3参照)、アルミニウム合金板表面の結晶方位を制御する方法(例えば、特許文献4、5参照)、アルミニウム合金板全体の結晶方位を制御する方法(例えば、特許文献6参照)、アルミニウム合金表面から一定深さまでの結晶方位を制御することで曲げ加工性を制御する方法(例えば、特許文献7参照)などが提案されている。
板成形の向上に対しては、アルミニウム合金板の圧延方向に対する0°方向、45°方向、90°方向の各方向のランクフォード値を制御することによりプレス成形性を高める方法(例えば、特許文献8、9参照)、並びに引張強度と耐力の関係及びアルミニウム合金板表面の結晶粒サイズと無析出帯(PFZ)を制御することでプレス成形性と曲げ加工性を高める方法(例えば、特許文献10参照)が提案されている。
なお、板成形における結晶粒の結晶方位と板成形性の良否の関係が、Cube方位、Brass方位およびCopper方位の単結晶方位材料から求めた結果を基にして最適に設計できることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、板成形の一種である深絞り加工における単方位結晶粒材料の変形能の違いが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、特に自動車のボディシートには、ボディの組立に必要であるヘム曲げのような強烈な曲げ加工とボディ形状を精緻に加工する上で必要となるプレス成形性に代表される板成形性の両者が高いレベルで要求されるが、ヘム曲げ性のみを向上させることは可能であったが、同時に板成形性を従来の鋼製ボディと同等のレベルに引き上げることは難しく、逆に板成形性のレベルを引き上げようとするとヘム曲げ性のレベルが低くなり、また引張強度と耐力の関係及びアルミニウム合金板表面の結晶粒サイズと無析出帯(PFZ)を制御することでプレス成形性と曲げ加工性を高める方法を以ってしても、高いレベルの板成形性の獲得は難しいものであった。
特開2003−129201号公報 特開2003−221637号公報 特開2003−268472号公報 特開2003−226926号公報 特開2003−226927号公報 特開2003−268475号公報 特開2004−27253号公報 特開2002−146462号公報 特開2004−10982号公報 特開2003−105473号公報 仲町英治、濱田佳紀:塑性と加工、39−446(1998)、252. 森本秀夫、仲町英治:古河電工時報、103(1999)、7.
このような状況において、本発明者は、結晶粒の結晶方位分布がヘム曲げ性、板成形性に与える影響を検討した結果、ヘム曲げ性及び板成形性を高レベルで両立できる本発明を見出した。
本発明は、ヘム曲げ性及び板成形性を高レベルで両立できるアルミニウム材料を提供することを課題とするものである。
具体的には、アルミニウム材料を構成する結晶粒が示す結晶方位のうち、Cube方位、Brass方位、Copper方位の3者の割合を制御することで、ヘム曲げのような峻烈な曲げ性やプレス成形のような板成形性の両特性に優れたアルミニウム材料を提供することを課題とする。
通常、圧延板の集合組織は、板材の圧延面と圧延方向((ABC)と<DEF>)の関係で表現する(A,B,C,D,E,Fは整数を表す。)。ここで、板材の結晶集合組織の結晶方位分布とは、ランダムな方位に対する各板材に特有な結晶方位の分布を、結晶方位の比率で表したものである。
本発明では、Cube方位、Brass方位、Copper方位を対象として評価した。Cube方位とは(100)<001>方位、Brass方位は(011)<211>方位、Copper方位は(112)<111>方位に結晶が配向しているものを表すものとする。なお、実際の板材の方位は、前記Cube方位、Brass方位、Copper方位のそれぞれの理想方位からはずれを生じるために、Cube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶の理想方位を基準に、各結晶の理想方位から5度ずれた範囲までの結晶方位もそれぞれCube方位、Brass方位、Copper方位に含まれるものとする。
上記課題は以下の技術的手段によって解決された:
(1) 結晶方位の異なる結晶粒で構成されるアルミニウム材料であって、前記結晶粒が、Cube方位結晶粒、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部が他方位結晶粒からなり、Cube方位の結晶粒の占有率が0.3から0.7、Brass方位の結晶粒の占有率が0.1から0.5、Copper方位の結晶粒の占有率が0.2以下、且つこれらの方位の総占有率が0.4から1.0であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒であることを特徴とするアルミニウム材料、
(2) 結晶方位の異なる結晶粒で構成されるアルミニウム材料であって、前記結晶粒が、Cube方位結晶粒、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部が他方位結晶粒からなり、Cube方位の結晶粒の占有率が0.4から0.6、Brass方位の結晶粒の占有率が0.2から0.4、Copper方位の結晶粒の占有率が0.05から0.1、且つこれらの方位の総占有率が0.65から0.9であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒であることを特徴とするアルミニウム材料、
(3) 結晶方位の異なる結晶粒で構成されるアルミニウム材料であって、前記結晶粒が、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部が他方位結晶粒からなり、Brass方位の結晶粒の占有率が0.2から0.4、Copper方位の結晶粒の占有率が0.05から0.1、且つこれらの方位の総占有率が0.25から0.5であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒とで構成され板成形性に優れることを特徴とするアルミニウム材料、
(4) 30mmの張出し高さで張出し表面上に割れを生じない板成形性を有し、且つ、ヘム曲げ性における曲げ表面上の割れが生じない範囲が、曲げ半径/板厚の比で0.5以下のヘム曲げ性を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(5) 50mmの張出し高さで張出し表面上に割れを生じない板成形性を有し、且つ、ヘム曲げ性における曲げ表面上の割れが生じない範囲が、曲げ半径/板厚の比で0.25以下のヘム曲げ性を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(6) 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(7) 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Zn,Mnを1mass%以下、Feを0.40mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(8) 前記アルミニウム材料が、Mgを0.40から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Mnを1mass%以下、Zn0.3mass%以下、Feを0.20mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(9) 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Zn,Mnを1mass%以下、Feを0.40mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、さらにV,Zrを0.20mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(10) 前記アルミニウム材料が、Mgを0.40から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Mnを1mass%以下、Zn0.3mass%以下、Feを0.20mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、さらにV,Zrを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料、
(11) 前記(4)または(5)項に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材、および
(12) 前記(6)〜(10)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材。
上記技術的手段の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1(a)〜図1(c)は、実施例1で行ったヘム曲げ加工性試験方法を模式的に示す図であり、図1(a)は供試材のセッティングを示し、図1(b)はパンチ押し込みを示し、図1(c)は万力による密着曲げ(締付け)を示す。
以下に上記技術的手段を詳細に説明する。
上記技術的手段は、アルミニウム材料を構成する結晶粒が示す結晶方位のうち、Cube方位、Brass方位、及び/またはCopper方位の割合を制御して適正化することにより、ヘム曲げのような峻烈な曲げやボディプレス成形のような板成形の両者を高レベルで満足する材料を見出したもので、例えば、Cube方位結晶粒の占有率が0.3〜0.7、Brass方位結晶粒の占有率が0.1〜0.5、Copper方位結晶粒の占有率が0.2以下で、且つCube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶方位の総占有率が0.4から1.0であることを満たすアルミニウム材料において、良好な曲げ性及び板成形性を示す。
以下に、アルミニウム材料を構成する結晶粒の各結晶方位の占有率と両特性の関係について述べる。
第一に、Cube方位の結晶粒はその結晶方位密度がヘム曲げに大きく影響していることが知られており、その結晶方位密度がランダム方位結晶粒の結晶方位密度より高まるにつれて、ヘム曲げが良好となることが知られている。上記技術的手段においても、同様にヘム曲げを良好とするために、このCube方位の結晶粒の占有率を高めることが好ましい。しかしながら、Cube方位結晶粒の占有率の増大は、板成形性を大きく損ねてしまう結果となる。
そこで、上記技術的手段では、種々検討の結果、その占有率の範囲は0.3〜0.7が好ましく、より好ましくは0.4〜0.6である。この範囲の下限域においては実用上充分なヘム曲げ性が提供でき、上限域では、ボディシートの自動車外形へのプレス成形を実施するのに充分な板成形性を維持している。
第二に、Brass方位結晶粒の占有率が高いと、前記Cube方位結晶粒の占有率が高い場合とは反対に板成形性を良好にする。しかしながら、Brass方位結晶粒がヘム曲げ性に及ぼす影響については判っておらず、更にその占有率の影響に関しても不明であった。
そこで、上記技術的手段では、Brass方位結晶粒の占有率のヘム曲げ及び板成形に及ぼす影響を精査した結果、その占有率の範囲を0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4としたものである。前記Cube方位結晶粒の占有率範囲内において、Brass方位結晶粒の占有率を0.1〜0.5とすることによりヘム曲げ及び板成形の両者を高いレベルで獲得することができるものである。この範囲を外れる材料では、ヘム曲げ或いは板成形のどちらか一方が優れるか、両者ともに低レベルとなってしまう。
第三に、Copper方位結晶粒の占有率を0.2以下、好ましくは0.05〜0.15、より好ましくは0.05〜0.1である。このように限定した理由は、Copper方位結晶粒は、板成形に対して、Brass方位結晶粒と同様の働きを示すことが知られているが、上記技術的手段では、もう一つの効果として、このCopper方位結晶粒が、前記占有率の割合で存在することで、ヘム曲げ性及び板成形の両者のレベルを引き上げる効果を示すことを見出したもので、Cube方位結晶粒とBrass方位結晶粒の両者の緩衝材として働くのではないかと予想される。
次に、この結晶方位の占有率の算出方法について述べる。
測定に供されるアルミニウム板材、ここでは所定厚み(例えば厚み1mm)のアルミニウム板材を準備し、その表面をアセトンなどの油分清浄材で脱脂後、アルミニウム板材の材質に合った酸化層除去剤(例えば、アルミニウム合金では王水など)を用いて表面の酸化層を除去したアルミニウム板を、電解研磨法により鏡面仕上げとし、アルミニウム板材の表層近傍を供試材として結晶方位の測定に用いた。
次に、この供試材を用いて、結晶粒の結晶方位を電子後方散乱回折像法(Electron Backscatter Diffraction Pattern、以下EBSPと略す)により測定する。
測定は、熱電子放出型走査電子顕微鏡内で行い、単位面積内にある結晶粒の各結晶方位を測定し、単位面積内の全結晶粒の数を1とした場合の、それに対するCube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶粒の数の比を求め、その値を占有率とした。例えば、1.0mm四方内にある全結晶粒の数が100の場合、Cube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶粒の数の合計が100(つまり、他の結晶方位の結晶粒がない)場合、Cube方位、Brass方位及びCopper方位の各結晶粒の占有率の合計(総占有率)は1である。
上記技術的手段に係るアルミニウム材料は、その結晶構造が面心立方構造であることにより前記結晶方位の占有率割合で、良好な曲げ性及び板成形性を示すものである。面心立方構造をとる材料としては、Al合金、Cu合金、Ni合金、Ag合金、Au合金などがあるが、特にAl合金では顕著な効果を示すものである。
前記Al合金としては、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、残部Alと不可避的不純物とからなるAl−Mg−Si合金において、大きな効果を示すので好ましい。
このAl−Mg−Si合金に必須元素として含まれるSi及びMgはMgSi化合物として析出し、強度の向上に寄与するもので、少なすぎるとその効果が充分でなく、Si量が多すぎると自然時効現象が生じて曲げ加工性を大きく低下させる原因となることがある。また、Mg量が多すぎると粗大なMgSi化合物が多量に析出し、その結果、固溶量が大きく減少して曲げ加工性並びにベークハード性の低下を引き起こす場合がある。さらに、例えば、板材の強度を少し高めとするためには、Mgの下限値を0.40%以上にするのが好ましい。
前記、Mg及びSiの他に、Cu,Zn、Mn、Cr、Tiなどが添加されても良い。Cuの添加は強度、延性、脱脂性、化成処理性などを高め、Znの添加は、脱脂性や化成処理性を高め、Mn、Ti、Crの添加は結晶粒の微細化を促し、曲げ加工性をよくする働きを示すが、これらの元素を過剰に添加されると耐食性の低下や延性の低下を招く。
Cu,Znの添加は、前記のようにいずれの元素も1mass%以下の範囲であれば実用上問題ないが、強度、延性、脱脂性、化成処理性と耐食性や延性とのバランスを考慮して1mass%以下のレベルにその上限を適宜決定することもできる。特に、板材の耐食性を高めるには、Znの添加を0.3mass%以下とするのが好ましい。
また、結晶粒の微細化を促し、曲げ加工性をよくするMn、Cr,Tiの添加量は、Mnは1mass%以下にする必要があり、TiやCrでは0.1mass%以下にするのが好ましい。
前記元素の他に、不純物として含まれるFeは、MgSi化合物より硬い晶出物を形成してしまい、周囲に大きなひずみを形成して割れの伝播を助長することから、Fe量は好ましくは0.40mass%以下、さらには0.20mass%以下にすることが好ましい。さらに、結晶粒微細化等の目的で、V、Zrなどを必要に応じて、0.20mass%以下の範囲で含むこともできる。V、Zr添加量は、0.20mass%以下の範囲では、ヘム曲げ性やプレス成形性等の板成形性に影響がないが、耐食性や延性などを考慮すると0.1mass%以下であることが好ましい。
本発明によれば、自動車ボディシート、自動車部品、機械部品などの組立時に要求される高度なヘム曲げ性およびボディ形成や筐体形成時のプレス成形などの板成形性に優れたアルミニウム材料を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
Mgを0.5mass%、Siを0.9mass%、Mnを0.06mass%、Feを0.07mass%、Cuを0.10mass%、Zn、Ti,Crはいずれも0.0.05mass%以下含み、残部AlからなるAl合金を常法により厚み500mmのインゴットに溶解鋳造し、このインゴットを540℃、6時間の均質化処理後、開始温度500℃、終了温度200℃の条件下で熱間圧延して厚み10mmの熱間圧延板を得た。次に、この熱間圧延板を、20%、30%、50%、70%、90%の仕上げ加工率で厚み1mmの仕上げ素板になるような所定厚みに冷間圧延した。なお、仕上げ冷間加工率が90%の試料に関しては、厚み10mmの熱間圧延板から直接厚み1mmの仕上げ素板を得た。
次に、この所定厚みの冷間圧延板を325℃、2時間の条件で焼鈍し、仕上げ冷間圧延を施し、厚み1mmの仕上げ素板を作製した。この仕上げ素板に連続焼鈍炉を用いた500℃の溶体化処理と、100℃、24時間の安定化処理を施して供試材とした。
結晶方位の占有率の測定を前段に述べた方法により測定し、表1に示した。
表1に記載された供試材No.1は仕上げ冷間加工率20%で仕上げ圧延を行なったもので,以下No.2は30%、No.3は50%、No.4は70%、No.5は80%、No.10は10%、No.11は90%の仕上げ冷間加工率で仕上げ冷間圧延を行なった。
なお、各結晶方位の占有率は、Cube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶の理想方位を中心に5度離れた結晶方位を含むものとした。
作製した供試材を用いて、180℃曲げ加工試験と張出し成形試験を行い、それぞれヘム曲げ加工性及び板成形性を評価した。
先ず、ヘム曲げ加工性に関しては、図1(a)の予歪付与、図1(b)の折り曲げ角170度までのパンチ押し込み、図1(c)に示す万力締め付けを順に行う180℃曲げ加工試験を用い、パンチ1の先端曲率Rを0.25、0.5、0.75、1.0mmと変化させて各先端曲率毎に繰り返し5枚の試験数で試験を行い、全てにおいて肌荒れ及び割れが生じない先端曲率の最小値を表1のヘム曲げ加工性の欄に記した。従って、この試験において、肌荒れと割れが生じない先端曲率が小さければ小さい程ヘム曲げ加工性に優れることになる。
張出し成形性に関しては、供試材を300mm角に切断し、両面に潤滑油を塗布した後、直径100mmの球頭ポンチを用いて張出し高さ50mmの条件で張出し試験を繰り返し5枚の試験数で試験を行い、張出し成形性を評価した。
全数、割れの発生していない供試材を「○」、1個のみ割れている供試材を「△」、2個以上が割れてしまう供試材を「×」として表1に記した。
作製した供試材の強度、伸びは、仕上げ冷間加工率90%の供試材を除いて、強度が230〜240MPa、0.2%耐力が130〜140MPa、伸びが30%以上であった。仕上げ冷間加工率90%の供試材は、強度、0.2%耐力共に他の加工率の供試材と変わらなかったが、伸びが17%と低かった。
Figure 2008144279
表1から明らかなように、各結晶方位が本技術的手段の範囲内の供試材No.1からNo.5では、ヘム曲げ加工性および板成形性共に良好であるのに対して、Cube方位の占有率割合が低く、Brass方位の占有率割合が多い供試材No.10では、両特性共に優れず、殆どの結晶粒がCube方位を示す供試材No.11では、ヘム曲げ加工性には優れるが、反面板成形性が劣っていることがわかる。すなわち、前記(8)項を満足する優れた材料が得られることが判る。
なお、Mgを0.5mass%、Siを0.9mass%のみを添加し、残部がAlと不可避的不純物からなる材料を実施例1と同様の工程で製造したところ、前記(6)項を満足する優れた材料が得られた。また、Fe添加量のみを0.25mass%に変更した材料と、Fe添加量を0.25mass%、Cu添加量を0.15mass%と変更した材料を実施例1と同様の工程で、同様の試作材を製造したところ、両者とも、前記(7)項を満足する優れた結果が得られた。さらに、実施例1の材料に、V,Zrをともに0.15mass%添加した材料と、V,Zrをともに0.08mass%添加した材料を実施例1と同様の工程で、同様の試作材を製造したところ、両者とも、前記(9)または(10)項を満足する優れた結果が得られた。
本発明のアルミニウム材料はヘム曲げ性および板成形性に優れるので、自動車ボディシート、自動車部品、機械部品等に好適に用いることができる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。

Claims (10)

  1. 結晶方位の異なる結晶粒で構成されるアルミニウム材料であって、前記結晶粒が、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部が他方位結晶粒からなり、Brass方位の結晶粒の占有率が0.2から0.4、Copper方位の結晶粒の占有率が0.05から0.1、且つこれらの方位の総占有率が0.25から0.5であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒とで構成される板成形性に優れることを特徴とするアルミニウム材料。
  2. 30mmの張出し高さで張出し表面上に割れを生じない板成形性を有し、且つ、ヘム曲げ性における曲げ表面上の割れが生じない範囲が、曲げ半径/板厚の比で0.5以下のヘム曲げ性を有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材料。
  3. 50mmの張出し高さで張出し表面上に割れを生じない板成形性を有し、且つ、ヘム曲げ性における曲げ表面上の割れが生じない範囲が、曲げ半径/板厚の比で0.25以下のヘム曲げ性を有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材料。
  4. 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
  5. 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Zn,Mnを1mass%以下、Feを0.40mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
  6. 前記アルミニウム材料が、Mgを0.40から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Mnを1mass%以下、Zn0.3mass%以下、Feを0.20mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
  7. 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Zn,Mnを1mass%以下、Feを0.40mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、さらにV,Zrを0.20mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
  8. 前記アルミニウム材料が、Mgを0.40から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Mnを1mass%以下、Zn0.3mass%以下、Feを0.20mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、さらにV,Zrを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
  9. 請求項2または請求項3に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材。
  10. 請求項4〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材。
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