JP2008144279A - 高成形性アルミニウム材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶方位の異なる結晶粒で構成され、前記結晶粒が、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部がその他の結晶方位結晶粒からなり、Brass方位の結晶粒の占有率が0.2から0.4、Copper方位の結晶粒の占有率が0.05から0.1、且つこれら結晶方位の総占有率が0.25から0.5であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒であるアルミニウム材料、及びそれを用いた自動車部材。
【選択図】なし
Description
この6000系アルミニウム合金からなるアウター材は、通常インナー材とかしめて用いられるヘム曲げと呼ばれる曲げ加工性に優れることが要求されるが、6000系(Al−Mg−Si系合金板)は、このヘム曲げ加工性が劣り、特にベークハード性を高めるために高温で溶体化処理した材料では著しくこのヘム曲げ加工性が劣るという問題がある。
本発明は、ヘム曲げ性及び板成形性を高レベルで両立できるアルミニウム材料を提供することを課題とするものである。
具体的には、アルミニウム材料を構成する結晶粒が示す結晶方位のうち、Cube方位、Brass方位、Copper方位の3者の割合を制御することで、ヘム曲げのような峻烈な曲げ性やプレス成形のような板成形性の両特性に優れたアルミニウム材料を提供することを課題とする。
(1) 結晶方位の異なる結晶粒で構成されるアルミニウム材料であって、前記結晶粒が、Cube方位結晶粒、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部が他方位結晶粒からなり、Cube方位の結晶粒の占有率が0.3から0.7、Brass方位の結晶粒の占有率が0.1から0.5、Copper方位の結晶粒の占有率が0.2以下、且つこれらの方位の総占有率が0.4から1.0であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒であることを特徴とするアルミニウム材料、
(12) 前記(6)〜(10)のいずれか1項に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材。
上記技術的手段は、アルミニウム材料を構成する結晶粒が示す結晶方位のうち、Cube方位、Brass方位、及び/またはCopper方位の割合を制御して適正化することにより、ヘム曲げのような峻烈な曲げやボディプレス成形のような板成形の両者を高レベルで満足する材料を見出したもので、例えば、Cube方位結晶粒の占有率が0.3〜0.7、Brass方位結晶粒の占有率が0.1〜0.5、Copper方位結晶粒の占有率が0.2以下で、且つCube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶方位の総占有率が0.4から1.0であることを満たすアルミニウム材料において、良好な曲げ性及び板成形性を示す。
以下に、アルミニウム材料を構成する結晶粒の各結晶方位の占有率と両特性の関係について述べる。
測定に供されるアルミニウム板材、ここでは所定厚み(例えば厚み1mm)のアルミニウム板材を準備し、その表面をアセトンなどの油分清浄材で脱脂後、アルミニウム板材の材質に合った酸化層除去剤(例えば、アルミニウム合金では王水など)を用いて表面の酸化層を除去したアルミニウム板を、電解研磨法により鏡面仕上げとし、アルミニウム板材の表層近傍を供試材として結晶方位の測定に用いた。
次に、この供試材を用いて、結晶粒の結晶方位を電子後方散乱回折像法(Electron Backscatter Diffraction Pattern、以下EBSPと略す)により測定する。
測定は、熱電子放出型走査電子顕微鏡内で行い、単位面積内にある結晶粒の各結晶方位を測定し、単位面積内の全結晶粒の数を1とした場合の、それに対するCube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶粒の数の比を求め、その値を占有率とした。例えば、1.0mm四方内にある全結晶粒の数が100の場合、Cube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶粒の数の合計が100(つまり、他の結晶方位の結晶粒がない)場合、Cube方位、Brass方位及びCopper方位の各結晶粒の占有率の合計(総占有率)は1である。
このAl−Mg−Si合金に必須元素として含まれるSi及びMgはMg2Si化合物として析出し、強度の向上に寄与するもので、少なすぎるとその効果が充分でなく、Si量が多すぎると自然時効現象が生じて曲げ加工性を大きく低下させる原因となることがある。また、Mg量が多すぎると粗大なMg2Si化合物が多量に析出し、その結果、固溶量が大きく減少して曲げ加工性並びにベークハード性の低下を引き起こす場合がある。さらに、例えば、板材の強度を少し高めとするためには、Mgの下限値を0.40%以上にするのが好ましい。
Cu,Znの添加は、前記のようにいずれの元素も1mass%以下の範囲であれば実用上問題ないが、強度、延性、脱脂性、化成処理性と耐食性や延性とのバランスを考慮して1mass%以下のレベルにその上限を適宜決定することもできる。特に、板材の耐食性を高めるには、Znの添加を0.3mass%以下とするのが好ましい。
また、結晶粒の微細化を促し、曲げ加工性をよくするMn、Cr,Tiの添加量は、Mnは1mass%以下にする必要があり、TiやCrでは0.1mass%以下にするのが好ましい。
Mgを0.5mass%、Siを0.9mass%、Mnを0.06mass%、Feを0.07mass%、Cuを0.10mass%、Zn、Ti,Crはいずれも0.0.05mass%以下含み、残部AlからなるAl合金を常法により厚み500mmのインゴットに溶解鋳造し、このインゴットを540℃、6時間の均質化処理後、開始温度500℃、終了温度200℃の条件下で熱間圧延して厚み10mmの熱間圧延板を得た。次に、この熱間圧延板を、20%、30%、50%、70%、90%の仕上げ加工率で厚み1mmの仕上げ素板になるような所定厚みに冷間圧延した。なお、仕上げ冷間加工率が90%の試料に関しては、厚み10mmの熱間圧延板から直接厚み1mmの仕上げ素板を得た。
次に、この所定厚みの冷間圧延板を325℃、2時間の条件で焼鈍し、仕上げ冷間圧延を施し、厚み1mmの仕上げ素板を作製した。この仕上げ素板に連続焼鈍炉を用いた500℃の溶体化処理と、100℃、24時間の安定化処理を施して供試材とした。
表1に記載された供試材No.1は仕上げ冷間加工率20%で仕上げ圧延を行なったもので,以下No.2は30%、No.3は50%、No.4は70%、No.5は80%、No.10は10%、No.11は90%の仕上げ冷間加工率で仕上げ冷間圧延を行なった。
なお、各結晶方位の占有率は、Cube方位、Brass方位、Copper方位の各結晶の理想方位を中心に5度離れた結晶方位を含むものとした。
先ず、ヘム曲げ加工性に関しては、図1(a)の予歪付与、図1(b)の折り曲げ角170度までのパンチ押し込み、図1(c)に示す万力締め付けを順に行う180℃曲げ加工試験を用い、パンチ1の先端曲率Rを0.25、0.5、0.75、1.0mmと変化させて各先端曲率毎に繰り返し5枚の試験数で試験を行い、全てにおいて肌荒れ及び割れが生じない先端曲率の最小値を表1のヘム曲げ加工性の欄に記した。従って、この試験において、肌荒れと割れが生じない先端曲率が小さければ小さい程ヘム曲げ加工性に優れることになる。
全数、割れの発生していない供試材を「○」、1個のみ割れている供試材を「△」、2個以上が割れてしまう供試材を「×」として表1に記した。
なお、Mgを0.5mass%、Siを0.9mass%のみを添加し、残部がAlと不可避的不純物からなる材料を実施例1と同様の工程で製造したところ、前記(6)項を満足する優れた材料が得られた。また、Fe添加量のみを0.25mass%に変更した材料と、Fe添加量を0.25mass%、Cu添加量を0.15mass%と変更した材料を実施例1と同様の工程で、同様の試作材を製造したところ、両者とも、前記(7)項を満足する優れた結果が得られた。さらに、実施例1の材料に、V,Zrをともに0.15mass%添加した材料と、V,Zrをともに0.08mass%添加した材料を実施例1と同様の工程で、同様の試作材を製造したところ、両者とも、前記(9)または(10)項を満足する優れた結果が得られた。
Claims (10)
- 結晶方位の異なる結晶粒で構成されるアルミニウム材料であって、前記結晶粒が、Brass方位結晶粒、Copper方位結晶粒、及び残部が他方位結晶粒からなり、Brass方位の結晶粒の占有率が0.2から0.4、Copper方位の結晶粒の占有率が0.05から0.1、且つこれらの方位の総占有率が0.25から0.5であり、残部がその他の結晶方位の結晶粒とで構成される板成形性に優れることを特徴とするアルミニウム材料。
- 30mmの張出し高さで張出し表面上に割れを生じない板成形性を有し、且つ、ヘム曲げ性における曲げ表面上の割れが生じない範囲が、曲げ半径/板厚の比で0.5以下のヘム曲げ性を有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材料。
- 50mmの張出し高さで張出し表面上に割れを生じない板成形性を有し、且つ、ヘム曲げ性における曲げ表面上の割れが生じない範囲が、曲げ半径/板厚の比で0.25以下のヘム曲げ性を有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材料。
- 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
- 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Zn,Mnを1mass%以下、Feを0.40mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
- 前記アルミニウム材料が、Mgを0.40から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Mnを1mass%以下、Zn0.3mass%以下、Feを0.20mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
- 前記アルミニウム材料が、Mgを0.25から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Zn,Mnを1mass%以下、Feを0.40mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、さらにV,Zrを0.20mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
- 前記アルミニウム材料が、Mgを0.40から1.0mass%、Siを0.5から1.3mass%、Cu,Mnを1mass%以下、Zn0.3mass%以下、Feを0.20mass%以下、Ti、Crを0.1mass%以下含み、さらにV,Zrを0.1mass%以下含み、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム材料。
- 請求項2または請求項3に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材。
- 請求項4〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム材料を用いた自動車部材。
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| JP2017088906A (ja) * | 2015-11-02 | 2017-05-25 | 株式会社神戸製鋼所 | 自動車構造部材用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| WO2007111002A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 高成形性アルミニウム材料 |
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