JP2008039037A - 波動歯車装置用軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高剛性、低トルク、高耐久性を有し、且つ、コンパクトで軽量化が図られた波動歯車装置用軸受を提供する。
【解決手段】波動歯車装置20は、剛性内歯歯車21と、剛性内歯歯車21の内側に配置される可撓性外歯歯車22と、可撓性外歯歯車22の内側に配置され、可撓性外歯歯車22を半径方向に撓めて剛性内歯歯車21に対して部分的に噛み合わせ、これら両歯車21,22の噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器23と、を備える。剛性内歯歯車21と可撓性外歯歯車22を相対回転自在に支持する波動歯車装置用軸受30は、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受であり、一対の外輪軌道面31a,31aと、一対の内輪軌道面32a,32aと、玉33,33の転動面のうちの少なくとも1つには、オイルプレーティング処理により、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下の潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑剤からなる潤滑膜が形成される。
【選択図】図2
【解決手段】波動歯車装置20は、剛性内歯歯車21と、剛性内歯歯車21の内側に配置される可撓性外歯歯車22と、可撓性外歯歯車22の内側に配置され、可撓性外歯歯車22を半径方向に撓めて剛性内歯歯車21に対して部分的に噛み合わせ、これら両歯車21,22の噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器23と、を備える。剛性内歯歯車21と可撓性外歯歯車22を相対回転自在に支持する波動歯車装置用軸受30は、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受であり、一対の外輪軌道面31a,31aと、一対の内輪軌道面32a,32aと、玉33,33の転動面のうちの少なくとも1つには、オイルプレーティング処理により、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下の潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑剤からなる潤滑膜が形成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、真空環境下あるいはクリーンルーム等の清浄雰囲気中(以下、「真空環境下等」と記すこともある。)で使用され、波動歯車装置の剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車を相対回転自在に支持する波動歯車装置用軸受に関する。
従来、ロボット等の駆動機構における減速機としては、小型且つ軽量で高減速比を有した、バックラッシュの少ない波動歯車装置が使用されている。波動歯車装置は、組み込まれる可撓性外歯歯車の形状によって、カップ型、シルクハット型、フラット型等が考案されており、いずれの動作も同様である(例えば、特許文献1及び2参照)。
図7に示すように、シルクハット型の波動歯車装置1は、環状の剛性内歯歯車2と、剛性内歯歯車2より歯数の少ないシルクハット型の可撓性外歯歯車3と、楕円形の輪郭を有する波動発生器4から主に構成される。可撓性外歯歯車3は剛性内歯歯車2の内側に配置され、可撓性外歯歯車3が波動発生器4により半径方向に撓められて剛性内歯歯車2に対して部分的に噛み合う。そして、モータ等の回転により波動発生器4が回転すると、両歯車2,3の噛み合い位置が円周方向に移動し、歯数差に応じた回転数で両歯車2,3が相対回転する。
また、波動歯車装置1は、モータに接続され、波動発生器4の楕円形の輪郭を有するカム板部分5aを外周面に有する中空入力軸5まわりに設けられる。中空入力軸5の周囲には、玉軸受6,7を介してそれぞれ支持される第1及び第2の端板8,9が、波動歯車装置1を軸方向間に挟むように配置され、第1の端板8は可撓性外歯歯車3と締結固定され、第2の端板9は剛性内歯歯車2と締結固定される。第1の端板8と第2の端板9の一方は負荷側に接続され、他方が回転しないように固定されているので、負荷側に接続された端板の側から減速回転が出力されて負荷側に伝達される。
さらに、このような波動歯車装置1では、剛性内歯歯車2と可撓性外歯歯車3を相対回転自在に支持する軸受として、モーメント荷重を受けることができるクロスローラ軸受10(図7参照)や4点接触玉軸受が使用されている。
特開平9−217798号公報
特開2005−308131号公報
ところで、上述のクロスローラ軸受は、円筒ころを軸受中心に対し45度交互に傾斜させたものであり、ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重を負荷できるが、モーメント荷重は円筒ころの長さで負荷能力が決まり、軸受寸法上、負荷できるモーメント荷重が制約される。
また、円筒ころ同士が互いに90度傾斜して回転するため、回転摩擦が大きく、結果として回転トルクが大きい。さらに、その構造上、潤滑剤を封入できるスペース(軸受空間容積)が乏しく、耐久性に問題があった。
加えて、円筒ころは軸受中心に対して45度傾斜して配置されるので、軸受断面高さが制約を受けて内径に対して外径が大きくなり、また、内輪や外輪の肉厚も厚くなり、軸受重量が大きくなるという問題がある。
また、4点接触玉軸受を適用した場合にも、クロスローラ軸受と同様、負荷できるモーメント荷重を大きくすることができなかった。
さらに、真空環境下等で使用される波動歯車装置は、発塵等による汚染がほとんど許容されない。一般に、このような環境下で使用される軸受では、フッ素系潤滑剤を用いることにより、外部に飛散あるいは蒸発する潤滑剤の量を抑制しているが、潤滑作用の不足や耐久性の低下を余儀なくされる。また、フッ素系高分子固体潤滑剤で転動部位をコーティングすることも考案されているが、比較的大きなアキシャル荷重がかかる状況においては、固体潤滑剤の剥離や欠落が生じたり、摩耗による発塵が多くなるので、耐久性や低発塵性の点で不十分な場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空環境下等で好適に使用でき、高剛性、低トルク、高耐久性を有し、且つ、コンパクトで軽量化が図られた波動歯車装置用軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。即ち、剛性内歯歯車と、該剛性内歯歯車の内側に配置される可撓性外歯歯車と、該可撓性外歯歯車の内側に配置され、前記可撓性外歯歯車を半径方向に撓めて前記剛性内歯歯車に対して部分的に噛み合わせ、これら両歯車の噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を備える波動歯車装置に使用され、剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車を相対回転自在に支持する波動歯車装置用軸受であって、前記軸受は、前記剛性内歯歯車と前記可撓性外歯歯車の一方、或は該一方が固定されるハウジングに内嵌可能な外輪と、前記剛性内歯歯車と前記可撓性外歯歯車の他方、或は該他方が固定される軸部に外嵌可能な内輪と、前記外輪の一対の外輪軌道面と前記内輪の一対の内輪軌道面間に接触角を持って配置される複数の玉と、を備えた背面組合せ型のアンギュラ玉軸受であり、前記一対の外輪軌道面と、前記一対の内輪軌道面と、前記玉の転動面のうちの少なくとも1つには、オイルプレーティング処理により、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下の潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑剤からなる潤滑膜が形成されることを特徴とする。
ここで、オイルプレーティング処理とは、外輪軌道面、内輪軌道面、あるいは、玉の転動面に、薄膜を付着させるための処理をいう。例えば、後述のように、希釈した潤滑剤を転動面等に付着させ、熱処理により希釈溶媒を除去することにより、本発明にかかる潤滑膜を形成可能である。
従って、本発明の波動歯車装置用軸受を背面組合せ型の複列アンギュラ玉軸受としたので、高剛性、低トルク、高耐久性を有し、且つ、コンパクトで軽量化を図ることができる。
また、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下の潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑剤で潤滑膜を形成すれば、軌道面には潤滑剤が常に供給されて軌道面と転動面とが直接的に接触することなく、かつ、余分な潤滑油がフッ素樹脂によりトラップされるため、低発塵及び低アウトガスで潤滑作用が安定的に維持される。また、固体潤滑膜とは異なり流動性が保たれることから、固体潤滑膜において発生した剥離や欠落、摩耗による発塵が抑制される。さらに、オイルプレーティング処理によって潤滑膜を形成させることから、通常のグリース潤滑などに比べ回転抵抗がきわめて小さくなるために、高精度な回転性能が得られる。
上記のように、本発明における潤滑油は20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下であり、蒸気圧が低いものであるほどアウトガスが少なく好ましい。一方、20℃における蒸気圧が1×10-5Paを超えると、フッ素樹脂を添加してもアウトガス抑制の効果が十分に得られない。
さらに、従来においては潤滑膜を薄く形成することにより発塵及びアウトガスの抑制を行わなければならなかったが、本発明においてはフッ素樹脂の添加により発塵及びアウトガスの抑制効果が得られることから、潤滑膜を若干厚く形成することができ、このため耐久性の向上も図ることができる。すなわち、潤滑膜は、前記潤滑膜を形成すべき面における粗さの山をそれぞれ覆うことができる程度にまで形成させることが望ましい。これよりも潤滑膜が薄くなると、一部の上記山が容易に露出してしまい、接触する相手側の油膜をかきとりやすくなる境界潤滑状態となって局部的な焼き付きが容易に発生するなど、耐久性が不十分となるからである。逆にあまりに潤滑膜が厚くなると、余分な潤滑剤が飛散しやすくなるため、発塵やアウトガスの抑制効果が低下する。このような潤滑膜の厚さの調整は、例えば後述するオイルプレーティング処理において、潤滑膜を形成すべき面に付着させる潤滑剤の希釈溶液の希釈濃度を調節することなどによって、行うことができる。
従って、本発明の波動歯車装置用軸受は、発塵量及びアウトガスの量が非常に低量であるので、真空中や精密機械製造工場等のクリーンルーム等での使用に好適である。
さらに、従来においては潤滑膜を薄く形成することにより発塵及びアウトガスの抑制を行わなければならなかったが、本発明においてはフッ素樹脂の添加により発塵及びアウトガスの抑制効果が得られることから、潤滑膜を若干厚く形成することができ、このため耐久性の向上も図ることができる。すなわち、潤滑膜は、前記潤滑膜を形成すべき面における粗さの山をそれぞれ覆うことができる程度にまで形成させることが望ましい。これよりも潤滑膜が薄くなると、一部の上記山が容易に露出してしまい、接触する相手側の油膜をかきとりやすくなる境界潤滑状態となって局部的な焼き付きが容易に発生するなど、耐久性が不十分となるからである。逆にあまりに潤滑膜が厚くなると、余分な潤滑剤が飛散しやすくなるため、発塵やアウトガスの抑制効果が低下する。このような潤滑膜の厚さの調整は、例えば後述するオイルプレーティング処理において、潤滑膜を形成すべき面に付着させる潤滑剤の希釈溶液の希釈濃度を調節することなどによって、行うことができる。
従って、本発明の波動歯車装置用軸受は、発塵量及びアウトガスの量が非常に低量であるので、真空中や精密機械製造工場等のクリーンルーム等での使用に好適である。
また、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称する)のほか、四フッ化エチレンパーフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)などを好適に使用できる。
加えて、潤滑油としてフッ素系潤滑油を用いれば、揮発性が極めて低いのでアウトガスが少ない。
この場合、潤滑剤中のフッ素樹脂の含有量を5質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。フッ素樹脂の含有量が5質量%より低い場合には、発塵抑制効果が劣化し、40質量%よりも高い場合には、潤滑油の含有量が低くなるため、潤滑性が劣化する。より望ましくは、10質量%以上30質量%以下である。
この場合、潤滑剤中のフッ素樹脂の含有量を5質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。フッ素樹脂の含有量が5質量%より低い場合には、発塵抑制効果が劣化し、40質量%よりも高い場合には、潤滑油の含有量が低くなるため、潤滑性が劣化する。より望ましくは、10質量%以上30質量%以下である。
また、フッ素系潤滑油は、分子構造中に官能基を有しないフッ素系潤滑油10質量%以上98質量%以下と、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油90質量%以下2質量%以上と、で構成することが好ましい。このように、フッ素系潤滑油として、上記軌道面等を構成する材料との親和性が高い、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油を用いて、軌道面等に強固に付着する潤滑膜を形成させることにより、耐久性や発塵抑制効果を向上することができる。
一方、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油は、一般に蒸気圧が高くアウトガスが発生しやすいことから、材料への強固な付着によりもたらされる効果を維持しつつ、使用される環境の条件に応じたアウトガス量となるように、その含有量を調節することが望ましい。
一方、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油は、一般に蒸気圧が高くアウトガスが発生しやすいことから、材料への強固な付着によりもたらされる効果を維持しつつ、使用される環境の条件に応じたアウトガス量となるように、その含有量を調節することが望ましい。
すなわち、潤滑剤へのフッ素樹脂の添加により、従来よりもアウトガスを抑制することができるが、よりアウトガス抑制の要求が厳しい環境においては、前記のような組成、すなわち、分子構造中に官能基を有しないフッ素系潤滑油10質量%以上98質量%以下と、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油90質量%以下2質量%以上と、でフッ素系潤滑油を構成することが望ましい。また、アウトガス抑制の要求がさらに厳しい環境においては、分子構造中に官能基を有しないフッ素系潤滑油50質量%以上98質量%以下と、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油50質量%以下2質量%以上と、でフッ素系潤滑油を構成することが望ましい。さらに、アウトガス抑制の要求がもっとも厳しい環境においては、フッ素系潤滑油として、分子構造中に官能基を有しないフッ素系潤滑油のみを用い、フッ素樹脂を添加することにより、アウトガスを抑制することが望ましい。
また、潤滑油は、アルキル化シクロペンタン又はポリフェニルエーテルを主成分として含有するものであってもよく、このような潤滑油は、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下であるので真空中においてもアウトガスの抑制効果がある。加えて、これら炭化水素系の潤滑油はフッ素系潤滑油と比べると潤滑性に優れており、波動歯車装置用軸受を長寿命にする。
この場合、潤滑剤中のフッ素樹脂の含有量を5質量%以上60質量%以下とすることが好ましい。フッ素樹脂の含有量が5質量%より低い場合には、発塵抑制効果が劣化し、60質量%よりも高い場合には、潤滑油の含有量が低くなるため、潤滑性が劣化し、トルクが増加する。より望ましくは、5質量%以上40質量%以下である。
また、本発明の波動歯車装置用軸受では、潤滑膜は、潤滑剤0.5質量%以上10質量%以下と希釈溶媒99.5質量%以下90質量%以上とからなる潤滑剤希釈溶液を、該潤滑膜を形成すべき面に付着させて、50℃以上250℃以下で、15分間以上300分間以下加熱し、前記希釈溶媒を除去することにより形成してもよく、このようなオイルプレーティング処理により、前記作用、効果を発揮する潤滑膜の形成が可能である。
この場合において、潤滑剤の含有量が0.5質量%より低い場合には、軌道面及び転動面に付着する潤滑膜が薄くなり過ぎるため、上述のように耐久性が不十分となる。一方、10質量%より高いと潤滑剤希釈溶液がべとつき、均一な付着や作業性に悪影響を及ぼすと共に、潤滑膜が厚くなり過ぎるため、上述のように発塵やアウトガスの抑制効果についての劣化を招くこととなる。
この場合において、潤滑剤の含有量が0.5質量%より低い場合には、軌道面及び転動面に付着する潤滑膜が薄くなり過ぎるため、上述のように耐久性が不十分となる。一方、10質量%より高いと潤滑剤希釈溶液がべとつき、均一な付着や作業性に悪影響を及ぼすと共に、潤滑膜が厚くなり過ぎるため、上述のように発塵やアウトガスの抑制効果についての劣化を招くこととなる。
また、加熱温度及び加熱時間については、上記の上限温度及び上限加熱時間を超える場合には、潤滑膜を構成する潤滑剤の潤滑性が劣化し、また、内方部材及び外方部材の軌道面や転動体の転動面の硬度低下及び寸法変化の原因となる。逆に、あまりに低い温度や短い加熱時間に設定すると、希釈溶媒を完全に除去することができない。このため、実際のオイルプレーティング処理の際には、上記の範囲内であって、かつ、用いた希釈溶媒の種類や含有量に応じて該希釈溶媒を除去するのに十分な加熱温度及び加熱時間を設定する。また、軌道面等を構成する材料についても考慮し、例えば焼入れ・焼き戻し処理した鋼を用いる場合には、上記硬度低下及び寸法変化をもたらさないような加熱温度及び加熱時間を設定する。
ここで、潤滑剤希釈溶液の付着方法としては、例えば、塗布や、噴霧等が挙げられる。あるいは、前記潤滑剤希釈溶液中に浸漬後、引き上げる方法も用いることができる。この場合は、組み立てた転動装置を浸漬してもよいし、転動装置の部品を浸漬して潤滑膜を形成した後に組み立ててもよい。
また、前記希釈溶媒は、潤滑油及びフッ素樹脂双方の溶媒として用いることができるものであり、具体例としては、代替フロン系の希釈溶媒、パーフロオロカーボン(PFC)、フッ素系不活性溶液のノベック(住友スリーエム株式会社製)、バートレル(デュポン株式会社製)、及び、ガルデン(アウジモント株式会社製)などが挙げられる。炭化水素系の潤滑油を用いる場合には、希釈溶媒としてヘキサンなども用いることができる。
また、前記希釈溶媒は、潤滑油及びフッ素樹脂双方の溶媒として用いることができるものであり、具体例としては、代替フロン系の希釈溶媒、パーフロオロカーボン(PFC)、フッ素系不活性溶液のノベック(住友スリーエム株式会社製)、バートレル(デュポン株式会社製)、及び、ガルデン(アウジモント株式会社製)などが挙げられる。炭化水素系の潤滑油を用いる場合には、希釈溶媒としてヘキサンなども用いることができる。
さらに、本発明の波動歯車装置用軸受は、外輪軌道面及び内輪軌道面の中心線平均粗さRaをそれぞれ0.02μm以上0.2μm以下とし、転動体の転動面の中心線平均粗さRaを0.002μm以上0.01μm以下としてもよい。
このような表面粗さに設定することにより、接触面の面圧を抑制して耐久性を向上させることができる。これとともに、上述のような表面粗さに設定することにより、潤滑膜を少量に抑えられるため、余分な潤滑油の飛散を防止し、発塵及びアウトガスの抑制効果についても高めることができる。
このような表面粗さに設定することにより、接触面の面圧を抑制して耐久性を向上させることができる。これとともに、上述のような表面粗さに設定することにより、潤滑膜を少量に抑えられるため、余分な潤滑油の飛散を防止し、発塵及びアウトガスの抑制効果についても高めることができる。
本発明の波動歯車装置用軸受によれば、剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車の一方、或は該一方が固定されるハウジングに内嵌可能な外輪と、剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車の他方、或は該他方が固定される軸部に外嵌可能な内輪と、外輪の一対の外輪軌道面と内輪の一対の内輪軌道間に接触角を持って配置される複列の玉と、を備えた背面組合せ型の複列アンギュラ玉軸受としたので、高剛性、低トルク、高耐久性を有し、且つ、コンパクトで軽量化を図ることができる。また、一対の外輪軌道面と、一対の内輪軌道面と、玉の転動面のうちの少なくとも1つには、オイルプレーティング処理により、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下の潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑剤からなる潤滑膜が形成されるので、真空環境下等で好適に使用できる。
以下、本発明の各実施形態に係る波動歯車装置用軸受について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の波動歯車装置用軸受が適用されるシルクハット型の波動歯車装置を示す断面図である。波動歯車装置20は、真空中やクリーンルーム等で使用されるものであり、内歯21aが内周面に形成される環状の剛性内歯歯車21と、この内側に配置されるシルクハット型の可撓性外歯歯車22と、この歯車22の内側にはめ込まれる波動発生器23とを備える。
図1は、第1実施形態の波動歯車装置用軸受が適用されるシルクハット型の波動歯車装置を示す断面図である。波動歯車装置20は、真空中やクリーンルーム等で使用されるものであり、内歯21aが内周面に形成される環状の剛性内歯歯車21と、この内側に配置されるシルクハット型の可撓性外歯歯車22と、この歯車22の内側にはめ込まれる波動発生器23とを備える。
可撓性外歯歯車22は、円筒状の胴部22aと、胴部22aの一端に連続して半径方向の外側に直角に延びる環状のダイヤフラム22bと、ダイヤフラム22bと一体形成されている円環状のボス22cと、胴部22aの外周面に形成された円筒状の外歯22dとを備える。外歯22dの歯数は、内歯21aの歯数より少なく(本実施形態では、内歯21aより2枚少ない)設定されている。
波動発生器23は、例えば、楕円形の輪郭を備えた環状の剛性カム板24と、この剛性カム板24の外周面と可撓性外歯歯車の外歯22dが形成されている部分との間に嵌めこまれる玉軸受25と、を備える。剛性カム板24の中心にはモータ出力軸(図示せず)等が連結される中空入力軸26が形成されている。
波動歯車装置20は、モータ出力軸に接続された剛性カム板24が回転すると、この楕円形の剛性カム板24によって玉軸受25を介して可撓性外歯歯車22が楕円形状に撓められ、円周方向の2カ所で噛み合っている内歯21aと外歯22dの噛み合い位置が周方向に移動する。内歯21aと外歯22dの歯数が異なっているので、歯数差に応じた相対回転がこれら内歯21aと外歯22dとの間に発生し、入力回転数に比べて大幅に減速される。そして、剛性内歯歯車21と可撓性外歯歯車22の一方を固定しておくことで、他方の歯車から減速回転出力が得られる。
ここで、剛性内歯歯車21の外周面と、可撓性外歯歯車22とボルト固定されるハウジング27の内周面との間には、剛性内歯歯車21と可撓性外歯歯車22を相対回転自在に支持する波動歯車装置用軸受30が配置されている。
この軸受30は、図2に示すように、ハウジング27に内嵌可能な一対の外輪31,31と、剛性内歯歯車21に外嵌可能な一対の内輪32,32と、外輪31,31の一対の外輪軌道面31a,31aと内輪32,32の一対の内輪軌道面32a,32a間に接触角αを持って複列に配置される複数の玉33,33と、各列の玉33,33をそれぞれ保持するポケットを有する保持器34,34と、を備えた背面組合せ型のアンギュラ玉軸受であり、各列の玉33,33の接触角αは、互いに逆方向に向いている。
一対の外輪31,31は、ハウジング27に形成された内向き段部27aと、ハウジング27の軸方向端面にボルト40で固定されるカバー部材41によって軸方向に固定されている。一方、一対の内輪32,32は、剛性内歯歯車21に形成された外向き段部21bと、剛性内歯歯車21の軸方向端面にボルト42で固定される押圧部材43によって、軸方向に固定されると共に、剛性内歯歯車21と押圧部材43の寸法を管理して、押圧部材43のボルト締結によって内輪32の端面を押圧することで、軸受に適切な予圧を付与している。
また、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受30の接触角αは、25〜40度の範囲で適宜設定されており、接触角αの延長線Lは、内輪32,32の軸方向端面より軸方向内側で、内輪32,32の内周面と交差するように設定されている。
このように、波動歯車装置20に背面組合せ型のアンギュラ玉軸受30を使用することで、背面組合せによって作用点距離が大きくなり、耐モーメント荷重を向上させると共に、剛性内歯歯車21によって確実にモーメント荷重を負荷できるように構成されている。
また、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受30は、両軌道面31a,32aと玉33とが点接触であるので、回転トルクが小さい。一方、保持器34により適切に玉33を配置しており、軸受空間容積も充分に確保することができ、グリース寿命を延長できる。このため、従来、クロスローラ軸受を適用した波動歯車装置ではグリース補給のためのメンテナンスが行なわれていたが、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受30を用いた波動歯車装置では、グリース補給をせずに、波動歯車装置の耐久時間に到達するまで使用することができる。
さらに、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受30は、クロスローラ軸受と比して、軸受断面高さを低くすることができ、肉厚も低減できて軽量化することができる。
また、外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34は、一般的に軸受用として使用されている金属材料で形成される他、例えば耐食性を有する金属材料により形成される。この種の金属材料としては、JIS規格SUJ2などの軸受鋼、JIS規格SUS440Cなどのマルテンサイト系ステンレス鋼、JIS規格SUS630などの析出硬化型ステンレス鋼、及び、これらの金属材料に浸炭処理、窒化処理や、ダイヤモンドライクカーボンの皮膜処理などの適当な硬化熱処理を施したものなどが挙げられる。また、軽荷重用途であれば、例えばJIS規格SUS304やSUS316などのオーステナイト系ステンレス鋼や、チタン合金に表面硬化処理を施したものを用いることができる。なお、玉33,33には、上記金属材料のほかに窒化けい素、アルミナ、ジルコニア等のセラミックを用いることができる。
上記に列挙した金属材料及びセラミックの中でも、耐食性を有する材料を用いることが好ましく、特に、外輪31,31及び内輪32,32にはマルテンサイト系ステンレス鋼を用い、玉33,33にはマルテンサイト系ステレンス鋼及びセラミックを用いることが望ましい。その理由は以下の通りである。通常、軸受に耐食性を持たせるために、潤滑剤中に防錆剤を添加するという方法が取られる。ところが、この防錆剤は本発明の潤滑膜を構成するフッ素系潤滑剤の成分と比べ蒸発しやすいことから、防錆剤の添加は発塵やアウトガスを増加させる要因となってしまう。そこで、外輪31,31、内輪32,32等に耐食性の材料を用いれば、耐食性を実現するとともに、潤滑剤の使用量を低減できるので本発明が目的とする発塵及びアウトガスの抑制も達成することができる。
また、保持器34,34には、上記金属材料の他、黄銅、チタン材などが好適に用いられるが、合成樹脂材料を用いることもできる。この合成樹脂材料としては、例えばPTFE、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などのフッ素樹脂や、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ナイロン46等のエンジニアリングプラスチックなどの使用も可能である。これらの合成樹脂材料には、ガラス繊維などの強化繊維が添加されていてもよい。
そして、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受30には、外輪31,31の外輪軌道面31a,31a、内輪32,32の内輪軌道面32a,32a、及び、玉33,33の転動面に、オイルプレーティング処理により、フッ素系潤滑剤からなる潤滑膜Fが形成されている。図3は、外輪軌道面31a、内輪軌道面32a、あるいは、玉33,33の転動面に対する潤滑膜の形成状態を示す拡大模式図である。潤滑膜Fは、潤滑膜Fを形成すべき面Dにおける粗さの山頂線(同図中では、一点鎖線Bにより示されている)を越える程度に(同図中では実線Eで示される位置まで)形成されている。このように、面Dを粗さの山がそれぞれ露出しない程度に潤滑膜で覆うことにより、耐久性を向上させることができる。なお、潤滑膜Fは、粗さの山頂線を越える程度に軌道面等を潤滑膜で覆うことが望ましいが、山頂線と同等程度の位置まで形成させてもよい。この場合には潤滑膜の量が少ないので発塵及びアウトガスがより少ない。また、潤滑膜Fは、図3に示されるように軌道面等に連続的に形成されることが望ましいが、不連続的、例えば島状に形成されていてもよい。
また、本実施形態における外輪軌道面31a、及び、内輪軌道面32aの中心線平均粗さRaはそれぞれ0.02μm以上0.2μm以下に、玉33,33の転動面の中心線平均粗さRaは0.002μm以上0.01μm以下に、設定されている。このような表面粗さに設定することにより、形成すべき潤滑膜Fの量を抑えて、発塵抑制効果を向上させることができる。
潤滑膜Fを形成するフッ素系潤滑剤は、フッ素樹脂としてPTFEパウダーと、フッ素系潤滑油と、を含有するものであり、いわゆるゲル状になっている。
潤滑膜Fを形成するフッ素系潤滑剤は、フッ素樹脂としてPTFEパウダーと、フッ素系潤滑油と、を含有するものであり、いわゆるゲル状になっている。
フッ素系潤滑油としては、例えば、フルオロポリエーテル重合体又はポリフルオロアルキル重合体が用いられる。このフルオロポリエーテル重合体としては、-CXF2X-O-という一般式(Xは1〜4の整数)で示される単位を主要な繰り返し単位とする重合体で、数平均分子量が1000〜50000であるものが挙げられる。また、ポリフルオロアルキル重合体は、R1−(CF2)n−R2という式(nは自然数)で表されるものであり、R1及びR2としては下記化学式1に示すものが挙げられる。なお、R1及びR2は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、フッ素系潤滑油には、分子構造中に官能基を有しないものに加え、分子構造中に官能基を有するものを一定量添加させても良い。この官能基については、金属に対して親和性の高いもの、例えばエポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルフォン基又はエステル基などが好ましく、分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油の例としては、下記化学式2,3に示すものが挙げられる。
上述のフッ素系潤滑油として、より詳しくは、パーフルオロポリエーテル(PFPE)あるいはその誘導体との混合物、例えばアウジモント株式会社の商品名フォンブリン(FONBLIN)Yスタンダード、フォンブリンエマルジョン(FE20,EM04など)又はフォンブリンZ誘導体(FONBLIN Z DEAL,FONBLIN Z DIAC,FONBLIN Z DISOC,FONBLIN Z DOL,FONBLIN Z DOLTX2000,FONBLIN Z TETRAOLなど)が好適に用いられる。
フッ素樹脂としては、PTFEのほか、四フッ化エチレンパーフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)などを用いることができる。
上記フッ素系潤滑油と上記PTFEパウダーを混合したものを、フッ素系潤滑剤として用いる。しかし、上記例示したフッ素系潤滑油にPTFEパウダーを混合したままでは、いずれも濃度が高いので、後述するように適当な希釈溶媒で希釈したフッ素系潤滑剤希釈溶液を、オイルプレーティング処理に用いることが好ましい。
上記フッ素系潤滑油と上記PTFEパウダーを混合したものを、フッ素系潤滑剤として用いる。しかし、上記例示したフッ素系潤滑油にPTFEパウダーを混合したままでは、いずれも濃度が高いので、後述するように適当な希釈溶媒で希釈したフッ素系潤滑剤希釈溶液を、オイルプレーティング処理に用いることが好ましい。
次に、オイルプレーティング処理の一例を説明する。
まず、外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34をそれぞれ組み立てて背面組合せ型アンギュラ玉軸受30を完成状態としてから、脱脂洗浄後この外輪31,31及び内輪32,32間で玉33,33の存在する箇所に、用意したフッ素系潤滑剤希釈溶液をスポイドなどにより必要量だけ注入する。その後、軸受30を数回回転させることにより、フッ素系潤滑剤希釈溶液を外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34の転動部位、摺動部位に付着させる。このフッ素系潤滑剤希釈溶液の供給は、塗布により行ってもよいし、スプレーを用いた噴霧により行ってもよい。あるいは、フッ素系潤滑剤希釈溶液の貯留槽に組み立てた軸受30を浸漬後に引き上げることにより、フッ素系潤滑剤希釈溶液の供給を行ってもよい。
まず、外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34をそれぞれ組み立てて背面組合せ型アンギュラ玉軸受30を完成状態としてから、脱脂洗浄後この外輪31,31及び内輪32,32間で玉33,33の存在する箇所に、用意したフッ素系潤滑剤希釈溶液をスポイドなどにより必要量だけ注入する。その後、軸受30を数回回転させることにより、フッ素系潤滑剤希釈溶液を外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34の転動部位、摺動部位に付着させる。このフッ素系潤滑剤希釈溶液の供給は、塗布により行ってもよいし、スプレーを用いた噴霧により行ってもよい。あるいは、フッ素系潤滑剤希釈溶液の貯留槽に組み立てた軸受30を浸漬後に引き上げることにより、フッ素系潤滑剤希釈溶液の供給を行ってもよい。
ここで用意したフッ素系潤滑油は、例えば、フォンブリンZ 25(分子構造中に官能基を有しないフッ素系潤滑油)90質量%と、フォンブリンZ DOL(分子構造中に官能基を有するフッ素系潤滑油)10質量%と、から構成されるものである。また、付着させたフッ素系潤滑剤希釈溶液は、このフッ素系潤滑油80質量%と粒径1μm以下のPTFEパウダー20質量%とを混在させてなるフッ素系潤滑剤を調整し、これを1質量%となるまで希釈溶媒アサヒクリンAK−225(旭硝子株式会社製)で希釈して得たものである。
この後、フッ素系潤滑剤希釈溶液を付着させた背面組合せ型アンギュラ玉軸受30の全体を120〜140℃で約30分間加熱し、付着したフッ素系潤滑剤希釈溶液中に含まれる希釈溶媒を除去する。このようにして、フッ素系潤滑剤からなる潤滑膜を形成することができる。
なお、潤滑膜Fを構成する潤滑油としては、フッ素系潤滑油の代わりに、炭化水素系の潤滑油を用いてもよい。この場合、外輪軌道面31a、及び、内輪軌道面32aの中心線平均粗さRaはそれぞれ0.02μm以上0.2μm以下であり、より好ましくは0.02μm以上0.08μm以下である。また、玉33,33の転動面の中心線平均粗さRaは0.002μm以上0.01μm以下であり、より好ましくは0.002μm以上0.005μm以下である。
この潤滑膜Fを形成する潤滑剤は、フッ素樹脂パウダーと、アルキル化シクロぺンタン又はポリフェニルエーテルを主成分として含有する潤滑油と、を含有するものであり、いわゆるゲル状になっている。
この潤滑膜Fを形成する潤滑剤は、フッ素樹脂パウダーと、アルキル化シクロぺンタン又はポリフェニルエーテルを主成分として含有する潤滑油と、を含有するものであり、いわゆるゲル状になっている。
このようなアルキル化シクロペンタンとしては、トリ(2−オクチルドデシル)シクロペンタンがあげられる。なお、トリ(2−オクチルドデシル)シクロペンタンとしては、例えば、Nye Lubicants社製のSynthetic Oil 2001A(商品名)が市販されている。また、トリ−n−オクチルシクロペンタン、テトラ−n−オクチルシクロペンタン、ペンタ−n−オクチルシクロペンタン、トリ−n−ノニルシクロペンタン、ペンタ−n−ノニルシクロペンタン、ペンタ−n−デシルシクロペンタン、ペンタ−n−ドデシルシクロペンタン、テトラ−2−エチルヘキシルシクロペンタン等のようなアルキル化シクロペンタンは、蒸気圧が20℃で1×10-5Pa以下(例えば、1×10-7〜1×10-8Pa)と低いので、潤滑油として用いることができる。このようなアルキル化シクロペンタンを用いれば、本発明の背面組合せ型アンギュラ玉軸受は真空中において使用しても潤滑剤が蒸発することがほとんどない。
ポリフェニルエーテルとしては、例えば、株式会社松村石油研究所のフェニルエーテル型合成油を用いることができ、このうちペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテルが好適に使用できる。これらのポリフェニルエーテルは蒸気圧が低く、耐熱性にも優れるため真空中や高温環境下においてもアウトガスが少ない。
次に、炭化水素系の潤滑油を用いた場合のオイルプレーティング処理の一例を説明する。
まず、外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34をそれぞれ組み立てて背面組合せ型アンギュラ玉軸受30を完成状態としてから、脱脂洗浄後この外輪31,31及び内輪32,32間で玉33,33の存在する箇所に、用意した潤滑剤の希釈溶液をスポイドなどにより必要量だけ注入する。その後、軸受30を数回回転させることにより、希釈溶液を外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34の転動部位、摺動部位に付着させる。この希釈剤の供給は、塗布により行ってもよいし、スプレーを用いた噴霧により行ってもよい。あるいは、希釈溶液の貯留槽に組み立てた軸受30を浸漬後に引き上げることにより、希釈溶液の供給を行ってもよい。
まず、外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34をそれぞれ組み立てて背面組合せ型アンギュラ玉軸受30を完成状態としてから、脱脂洗浄後この外輪31,31及び内輪32,32間で玉33,33の存在する箇所に、用意した潤滑剤の希釈溶液をスポイドなどにより必要量だけ注入する。その後、軸受30を数回回転させることにより、希釈溶液を外輪31,31、内輪32,32、玉33,33、及び、保持器34,34の転動部位、摺動部位に付着させる。この希釈剤の供給は、塗布により行ってもよいし、スプレーを用いた噴霧により行ってもよい。あるいは、希釈溶液の貯留槽に組み立てた軸受30を浸漬後に引き上げることにより、希釈溶液の供給を行ってもよい。
ここで用意した潤滑剤は、例えばNye Lubicants社製のSynthetic Oil 2001A(商品名)60質量%と、粒径1μm以下のPTFEパウダー40質量%と、からなるものである。この潤滑剤の希釈溶液は、へキサンやアサヒクリンAK−225(旭硝子株式会社製)等の希釈溶媒で潤滑剤を1質量%になるまで希釈して得たものである。フッ素樹脂としては、溶媒中にPTFEが分散したデュポン株式会社製ドライフィルムRA/IPAを使用した。
この後、希釈溶液を付着させた背面組合せ型アンギュラ玉軸受30の全体を100〜140℃で約30分間加熱し、付着した希釈溶液中に含まれる希釈溶媒を除去する。このようにして、潤滑膜Fを形成することができ、真空環境下等で好適に使用できる波動歯車装置用軸受を構成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置用軸受について図4及び図5を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或は簡略化する。
次に、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置用軸受について図4及び図5を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或は簡略化する。
本実施形態の波動歯車装置用軸受50は、第1実施形態と同様、シルクハット型の波動歯車装置20に組み込まれる背面組合せ型のアンギュラ玉軸受であり、ハウジング27に内嵌可能な一対の外輪51,51と、剛性内歯歯車21に外嵌可能な一対の内輪52,52と、外輪51,51の一対の外輪軌道面51a,51aと内輪52,52の一対の内輪軌道面52a,52a間に接触角αを持って複列に配置される複数の玉53,53と、各列の玉53,53をそれぞれ保持するポケットを有する保持器54,54と、を備える。また、第1実施形態と同様、一対の内輪52,52は、ボルト42によって押圧部材43を介して軸方向に押圧され、軸受に適切な予圧を付与している。
ここで、本実施形態の背面組合せ型のアンギュラ玉軸受50では、一対の内輪52,52の両外端面52b,52bは、一対の外輪51,51の両外端面51b,51bより軸方向外側に突出している。また、一対の内輪52,52の内輪軌道面52a,52aより軸方向外方には鍔部52c、52cが形成され、鍔部52c、52cは、玉53,53のピッチ円PCD近傍、具体的に、ピッチ円PCDより若干低い位置まで延出する高さを有する。これにより、荷重点を広げて、モーメント剛性をより向上することができ、また、ハウジング27や押圧部材43の寸法における制約を緩和できる。
なお、本実施形態においても、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受50の接触角αは、25〜40度の範囲で適宜設定されており、接触角αの延長線Lは、内輪52,52の軸方向外端面52b,52bより軸方向内側で、内輪52,52の内周面と交差するように設定されている。
なお、本実施形態においても、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受50の接触角αは、25〜40度の範囲で適宜設定されており、接触角αの延長線Lは、内輪52,52の軸方向外端面52b,52bより軸方向内側で、内輪52,52の内周面と交差するように設定されている。
また、本実施形態の保持器54,54は、合成樹脂製の冠型保持器であり、内輪52,52の鍔部52c,52cとの干渉を防止するように、柱部54a,54aは、基部から先端部に向けて径方向外方に傾斜して形成される。
なお、保持器54,54は、合成樹脂製の冠型保持器の代わりに、図6に示すような金属製のプレス保持器54´,54´によって構成されてもよく、また、金属製のもみ抜き保持器によって構成されてもよい。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、保持器54,54は、合成樹脂製の冠型保持器の代わりに、図6に示すような金属製のプレス保持器54´,54´によって構成されてもよく、また、金属製のもみ抜き保持器によって構成されてもよい。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本発明は、上記の実施形態のものに限定されるものでなく、適宜、変更、改良等が可能である。
本実施形態のシルクハット型の波動歯車装置では、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受の外輪は、可撓性外歯歯車が固定されるハウジングに内嵌され、内輪は、剛性内歯歯車に外嵌されているが、外輪は、可撓性外歯歯車に内嵌されてもよく、内輪は、剛性内歯歯車が固定される軸部に外嵌されてもよい。また、本発明の背面組合せ型のアンギュラ玉軸受は、図7に示したシルクハット型の波動歯車装置にも適用可能である。
本実施形態では、波動歯車装置はシルクハット型についてのみ説明したが、本発明の波動歯車装置用軸受は、カップ型やフラット型にも適用可能である。
例えば、カップ型の波動歯車装置用軸受では、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受の外輪は、剛性内歯歯車、或は剛性内歯歯車が固定されるハウジングに内嵌され、内輪は、可撓性外歯歯車、或は可撓性外歯歯車が固定される軸部に外嵌される。
例えば、カップ型の波動歯車装置用軸受では、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受の外輪は、剛性内歯歯車、或は剛性内歯歯車が固定されるハウジングに内嵌され、内輪は、可撓性外歯歯車、或は可撓性外歯歯車が固定される軸部に外嵌される。
また、本実施形態では、一対の外輪と一対の内輪は、それぞれ互いに隣接して配置されているが、スペースに余裕がある場合に、一対の外輪間及び一対の内輪間にそれぞれスペーサを配置することで、軸受スパンを大きくすることができ、より剛性を向上することができる。
さらに、背面組合せ型のアンギュラ玉軸受の構成は、適宜改良可能であり、一対の外輪は一体に形成されてもよいし、シール部材を備える構成であってもよい。
また、本実施形態では、潤滑膜Fは、一対の外輪軌道面31a,31a、一対の内輪軌道面32a,32a、及び玉33,33の転動面に形成されているが、一対の外輪軌道面31a,31aと、一対の内輪軌道面32a,32aと、玉33,33の転動面のうちの少なくとも1つに形成されればよく、玉33,33の転動面のみに形成されてもよい。
20 波動歯車装置
21 剛性内歯歯車
22 可撓性外歯歯車
23 波動発生器
27 ハウジング
30 背面組合せ型のアンギュラ玉軸受
31 外輪
31a 外輪軌道面
32 内輪
32a 内輪軌道面
33 玉
α 接触角
F 潤滑膜
21 剛性内歯歯車
22 可撓性外歯歯車
23 波動発生器
27 ハウジング
30 背面組合せ型のアンギュラ玉軸受
31 外輪
31a 外輪軌道面
32 内輪
32a 内輪軌道面
33 玉
α 接触角
F 潤滑膜
Claims (1)
- 剛性内歯歯車と、該剛性内歯歯車の内側に配置される可撓性外歯歯車と、該可撓性外歯歯車の内側に配置され、前記可撓性外歯歯車を半径方向に撓めて前記剛性内歯歯車に対して部分的に噛み合わせ、これら両歯車の噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を備える波動歯車装置に使用され、剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車を相対回転自在に支持する波動歯車装置用軸受であって、
前記軸受は、前記剛性内歯歯車と前記可撓性外歯歯車の一方、或は該一方が固定されるハウジングに内嵌可能な外輪と、前記剛性内歯歯車と前記可撓性外歯歯車の他方、或は該他方が固定される軸部に外嵌可能な内輪と、前記外輪の一対の外輪軌道面と前記内輪の一対の内輪軌道面間に接触角を持って配置される複数の玉と、を備えた背面組合せ型のアンギュラ玉軸受であり、
前記一対の外輪軌道面と、前記一対の内輪軌道面と、前記玉の転動面のうちの少なくとも1つには、オイルプレーティング処理により、20℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下の潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑剤からなる潤滑膜が形成されることを特徴とする波動歯車装置用軸受。
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-
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