JP2008038886A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランク軸と連動回転する第一歯車体12と、第一歯車体12に対して偏心する外周面40を有する遊星キャリヤ32と、外周面40に回転自在に嵌合する中心孔41を有し、第一歯車体12と内噛合形態の歯車機構30を形成する第二歯車体33であって、遊星キャリヤ32が第一歯車体12に対し相対回転することで第一歯車体12と噛合しつつ遊星運動する第二歯車体33と、第二歯車体33の遊星運動をカム軸の回転運動へ変換することでクランク軸及びカム軸間の相対回転位相を変化させる変換部と、遊星キャリヤ32と中心孔41との間に配置され、弾性力Fにより中心孔41の内周面42を押圧する押圧体70であって、弾性力Fの作用線Lが外周面40の偏心方向線Eに対して外周面40の周方向へ傾斜する押圧体70とを設ける。
【選択図】図1
Description
こうしたバルブタイミング調整装置の作動中には、カム軸が開閉する弁の駆動反力によりカム軸から装置へ変動トルクが伝達される。このトルク伝達により遊星歯車は、内歯車に対してがたつき、内歯車と歯当たりするため、異音が生じる。そこで、歯当たりによる異音発生を防止する方法としては、特許文献2に開示の技術を応用して、弾性力により遊星歯車をその偏心方向へ押圧して内歯車と圧接させることにより、内歯車に対する遊星歯車のがたつきを抑える方法が考えられる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、異音の発生を防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項3に記載の発明によると、押圧体の弾性力の作用線は、遊星キャリヤ外周面の偏心中心線上で当該外周面の偏心方向線に直交する直交線よりも当該外周面の偏心側において、歯車中心孔の内周面と交差する。これにより、第二歯車体が第一歯車体と噛合しつつ遊星運動するのを妨げないで、上述した第二歯車体の支持形態を実現することができる。
そこで、請求項12から17に記載の発明では、遊星キャリヤの外周面の偏心中心線上で偏心方向線に直交する直交線よりも遊星キャリヤの外周面の偏心側において、遊星キャリヤと歯車中心孔との間に周方向の異なる位置に押圧体を複数配置し、複数の押圧体の内、少なくとも1個の押圧体の弾性力の作用線が外周面の偏心方向線に対して外周面の周方向へ傾斜する構成を採用している。
このような第二歯車体の支持形態によれば、カム軸又はクランク軸である第二軸から変換部を通じて第二歯車体へ変動トルクが伝達されても、第二歯車体は第一歯車体に対してがたつき難くなる。したがって、変動トルクに起因する第一、第二歯車体間の歯当たりが回避されるので、異音の発生を防止することができる。
請求項21に記載の発明によると、遊星キャリヤ外周面の偏心方向線上から外れた位置において遊星キャリヤの収容部が当該外周面に開口し、その開口を通じて押圧体が突出する。故に、押圧体が偏心方向線上で歯車中心孔を押圧することによって第二歯車体の支持形態が崩れてしまう事態を防止することができる。
請求項28に記載の発明によると、遊星キャリヤ外周面の周方向において対向面と押圧体との間に隙間が形成されるので、押圧体は、歯車中心孔と遊星キャリヤとの間で圧縮されるときに対向面による拘束を受けず、内部応力の上昇を抑えられる。したがって、押圧体の耐疲労強度が高くなる。
尚、以上説明した請求項17〜19に記載の特徴的構成については、弾性力作用線と遊星キャリヤ外周面の偏心方向線との関係が請求項1の発明とは異なるバルブタイミング調整装置において実現してもよい。この場合、特許文献2に開示のような一枚の板ばねを押圧体として用いるとき当該押圧体の内部応力が上昇してしまうという課題を解決することができる。
尚、トルク発生部は、回転トルクを発生するものであれば、電動モータ以外にも、例えば油圧モータや電磁ブレーキ装置等であってもよい。
この構成によれば、第一ハウジングと第二ハウジングとを組み付けるときに、第一ハウジングまたは第二ハウジングの一方の突部の内周面または外周面に他方を嵌合することにより、組付治具等を使用せずに、第一ハウジングと第二ハウジングとを組み付けることができる。また、バルブタイミング調整装置の作動中に、第一ハウジングまたは第二ハウジングの一方に対して径方向にずれる力が他方に働いても、径方向へのずれを突部が防止する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関のクランク軸からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設けられている。バルブタイミング調整装置1は、クランク軸に対するカム軸2の相対回転位相(以下、機関軸位相という)を変化させることにより、内燃機関の吸気弁のバルブタイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置1は、駆動側回転体10、従動側回転体18、制御ユニット20、差動歯車機構30及びリンク機構50を備えている。
歯先円が歯底円の内周側に設定された内歯車部31は、カバー歯車12の内周部分によって形成されており、駆動側回転体10の一部としても機能する。したがって、機関トルクがスプロケット11へ伝達されるときには、カバー歯車12がクランク軸と連動して当該クランク軸に対する相対回転位相を保ちつつ回転中心線O周りに回転する。
遊星キャリヤ32においてモータ軸24とは反対側に設けられている偏心カム部38は、駆動側回転体10に対して偏心する円筒面状の外周面40を有している。
こうした構成の差動歯車機構30では、遊星キャリヤ32が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、遊星歯車33が遊星運動することなく駆動側回転体10と共に回転し、係合突起49が係合孔48を回転側へ押圧する。その結果、伝達回転体34が駆動側回転体10に対する相対回転位相を保ちつつ、図5の時計方向へ回転する。
一対の第一リンク51は、従動側回転体18の回転中心線Oを挟む二箇所から相反方向へ突出している。一対の第二リンク52は、駆動側回転体10の接続部15において回転中心線Oを挟む二箇所に回り対偶によって連繋している。一対の第三リンク53は、対応する第一及び第二リンク51,52に可動軸体55を介した回り対偶によって連繋している。
図6に示すように遊星キャリヤ32の偏心カム部38には、外周側と軸方向一端側とに開口する凹部60が形成されている。さらに偏心カム部38には、C字状のスナップリング62が嵌合固定されており、スナップリング62の一端面と凹部60の内面とによって囲まれる収容部64が形成されている。図7に示すように収容部64は、偏心カム部38の外周面(以下、偏心外周面という)40の偏心方向を表す偏心方向線Eを基準に定められる角度領域θ内において、偏心方向線E上から偏心外周面40の周方向(以下、基準周方向という)へ外れて設けられている。ここで角度領域θは、偏心外周面40の偏心中心線P上で偏心方向線Eに直交する直交線Zよりも偏心外周面40の偏心側に位置する領域である。
内周側接触部72は、収容部64の円筒面状の内底面66に沿って湾曲する断面円弧状を呈し、内底面66に接触している。ここで内周側接触部72の曲率半径Raは、収容部64の内底面66の曲率半径Rbよりも小さく設定されており、それによって内周側接触部72は基準周方向の二箇所において内底面66に接触している。内周側接触部72の基準周方向の両端部のうち偏心方向線Eから遠い側の端部は、偏心カム部38の外周側へ屈曲されて屈曲部75を形成している。この屈曲部75は、基準周方向にばね部材70を挟んで向き合う収容部64の内側面67,68のうち一方67に隙間をあけて対向している。
このような構成のばね部材70は、収容部64の内底面66と歯車内周面42との間で圧縮されることにより、連結部74を弾性変形させて弾性力Fを発生する。そしてばね部材70は、発生した弾性力Fを図7に模式的に示す如く歯車内周面42の外周側接触部73との接触箇所に作用させることによって、歯車内周面42を押圧する。このとき弾性力Fの作用線Lは、偏心方向線Eに対して角度領域θ内の所定角度、例えば45度程度、基準周方向へ傾斜して角度領域θ内で歯車内周面42と交差する形となる。
図9,10に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。
第二実施形態のバルブタイミング調整装置100の差動歯車機構110では、遊星歯車33の歯車内周面42と偏心カム部38の偏心外周面40との間に遊星ベアリング120が追加されている。遊星ベアリング120は、外輪121と内輪122との間にボール状の転動体123を挟持してなるラジアルベアリングである。外輪121の外周126は遊星歯車33と一体回転可能に歯車内周面42に圧入されている一方、内輪122の中心孔124の内周面125は偏心外周面40に摺動回転自在に嵌合している。ここで図示はしないが、内周面125と偏心外周面40との嵌合界面には、製造公差等に起因するクリアランスが形成されている。したがって、第二実施形態においても遊星歯車33は、外歯車部39によって内歯車部31と噛合しつつ遊星運動することができる。
以上、第二実施形態では、遊星歯車33及び遊星ベアリング120が共同して特許請求の範囲に記載の「第二歯車体」を構成し、内輪122の中心孔124が特許請求の範囲に記載の「中心孔」に相当し、中心孔124の内周面125が特許請求の範囲に記載の「内周面」に相当する。また、差動歯車機構110が特許請求の範囲に記載の「歯車機構」に相当する。
図11に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。
第三実施形態のバルブタイミング調整装置150の差動歯車機構160では、偏心カム部38の収容部64とばね部材70との間に座金部材170が遊星キャリヤ32の一部として追加されている。座金部材170は金属板等からなり、その大半部分において、ばね部材70の内周側接触部72と収容部64の内底面66とに沿い湾曲する断面円弧状を呈している。ここで座金部材170の内、外周面171,172の曲率半径Re,Rfは、収容部64の内底面66の曲率半径Rbよりも小さく、且つ内周側接触部72の曲率半径Raよりも大きく設定されている。これにより、座金部材170の内周面171が収容部64の内底面66に基準周方向の二箇所で接触し、また座金部材170の外周面172が内周側接触部72に基準周方向の二箇所で接触している。したがって、座金部材170は、収容部64によって安定的に支持された状態で内周側接触部72を安定的に支持することができるので、ばね部材70と座金部材170との間の磨耗が抑えられる。
以上、第三実施形態では、差動歯車機構160が特許請求の範囲に記載の「歯車機構」に相当し、座金部材170の外周面172が特許請求の範囲に記載の「接触面」に相当する。
図12に示すように、本発明の第四実施形態は第三実施形態の変形例である。
第四実施形態のバルブタイミング調整装置200では、略U字状のばね部材70の代わりに、重ね板ばね210が偏心カム部38と遊星歯車33の中心孔41との間に配置されている。具体的には、重ね板ばね210は二枚のばね板211,212からなり、偏心カム部38の収容部64に収容されてスナップリング62と凹部60とにより挟持されている。各ばね板211,212は、遊星歯車33の歯車内周面42に沿って湾曲する断面円弧状であり、基準周方向の両側において収容部64内の座金部材170との間に隙間を形成している。
重ね板ばね210において最外周のばね板212は、収容部64の開口69から偏心外周面40よりも突出して歯車内周面42に接触している。ここでばね板212の曲率半径Rhは、歯車内周面42の曲率半径Rdよりも小さく設定されており、それによってばね板212は基準周方向の一箇所において歯車内周面42に接触している。
以上、第四実施形態では、重ね板ばね210が特許請求の範囲に記載の「押圧体」に相当し、各ばね板211,212が特許請求の範囲に記載の「変形部」に相当し、座金部材170の外周面172が特許請求の範囲に記載の「接触面」に相当する。
図14に示すように、本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例である。
第五実施形態のバルブタイミング調整装置300の差動歯車機構310では、駆動側回転体10のカバー歯車320が内歯車部31の代わりに外歯車部322を有し、遊星歯車330が外歯車部39の代わりに内歯車部332を有している。
具体的にカバー歯車320は、内歯車部31がないことを除いて第一実施形態のカバー歯車12と実質的に同一構成のカバー部324と、別体の外歯車部322とを組み合わせてなる。外歯車部322はカバー部324に同軸にリベットかしめされており、駆動側回転体10の一部としても機能する。
尚、遊星キャリヤ32が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、第一実施形態の場合と同様に遊星歯車330が遊星運動せず、伝達回転体34が駆動側回転体10に対する相対回転位相が保って回転する。
尚、伝達回転体34が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、第一実施形態の場合と同様に可動軸体55が案内通路352を滑動せず、従動側回転体18が駆動側回転体10に対する相対回転位相を保って回転するので、機関軸位相が保持される。
図19に示すように、本発明の第六実施形態は第二実施形態の変形例である。
第六実施形態のバルブタイミング調整装置400の差動歯車機構410には、伝達回転体34及びリンク機構50が設けられない代わりに、二つの内歯車部412,414が設けられている。ここで一方の駆動側内歯車部412は、第一実施形態の内歯車部31と実質的に同一の構成であり、駆動側回転体10の一部としても機能する。また、他方の従動側内歯車部414は、従動側回転体416のカム軸2とは反対側端部により形成されており、各回転体10,416と同軸に且つ軸方向において駆動側内歯車部412と隣接する形態で配置されている。この従動側内歯車部414については、歯底円が駆動側内歯車部412の歯先円よりも小さく設定され、また歯数が駆動側内歯車部412の歯数よりも少なく設定されている。尚、第六実施形態の従動側回転体416は、カム軸2とは反対側端部が伝達回転体34と嵌合する代わりに従動側内歯車部414を形成している点を除いて、第一実施形態の従動側回転体18と実質的に同一の構成を有している。
遊星キャリヤ32が駆動側回転体10に対する進角方向Xへ相対回転するときには、遊星歯車420が内歯車部412,414との噛合歯を周方向へ変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体416が駆動側回転体10に対して進角方向Xへ相対回転し、機関位相が進角する。一方、遊星キャリヤ32が駆動側回転体10に対する遅角方向Yへ相対回転するときには、遊星歯車420が内歯車部412,414との噛合歯を周方向へ変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体416が駆動側回転体10に対して遅角方向Yへ相対回転し、機関位相が遅角する。このように差動歯車機構410では、駆動側回転体10に対する遊星キャリヤ32の相対回転運動により遊星歯車420の遊星運動を生じさせ、当該遊星運動を従動側回転体18の駆動側回転体10に対する相対回転運動へと変換することにより、機関軸位相を変化させる。
図22〜図24に示すように、本発明の第七実施形態は第六実施形態の変形例である。図24では、制御ユニット20を省略している。第七実施形態のバルブタイミング調整装置500は、吸気弁のバルブタイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置500では、図23および図24に示すように、スプロケット11の大径部13の内周側に、等角度間隔に3個のストッパ11a、11b、11cが従動側回転体416に向けて径方向内側に突出して形成されている。そして、従動側回転体416の外周側に、等角度間隔に3個の突部416a、416b、416cが径方向外側に突出して形成されている。突部416aはストッパ11aとストッパ11bとの間に収容され、突部416bはストッパ11bとストッパ11bcの間に収容され、突部416cはストッパ11cとストッパ11aとの間に収容されている。駆動側回転体10を構成するスプロケット11に対して従動側回転体416が進角方向Xおよび遅角方向Yに位相制御されるとき、突部416aがストッパ11aに当接することにより最遅角位置が規定され、突部416aがストッパ11bに当接することにより最進角位置が規定される。突部416b、416c、およびストッパ11cは、例えば突部416aまたはストッパ11a、11bが破損したときに最遅角位置または最進角位置を規定するための予備として形成されている。したがって、突部416aまたはストッパ11a、11bに破損が生じていない場合には、突部416b、416cは、ストッパ11a、11b、11cと当接しない。
ここで、駆動側回転体10に対して従動側回転体416を最遅角位置に向けて位相制御する場合、モータ軸24の回転トルクを遅角方向Yに働かせ、ストッパ11aに突部416aを当接させる。通電制御回路22は、従動側回転体416が最遅角位置に達したことを検出すると、電動モータ21への通電を制御し、遅角方向Yに働くモータ軸24の回転トルクを低下させる。しかしながら、従動側回転体416が最遅角位置に達してから通電制御回路22が電動モータ21への通電を制御し、遅角方向Yに働くモータ軸24の回転トルクが低下するまでの間に電動モータ21の遅角方向Yへの慣性トルクにより、モータ軸24は遅角側に回転トルクを受ける。その結果、ストッパ11aに突部416aが当接した状態で、遊星キャリヤ32がさらに遅角側に回転トルクを受けるので、突部416aは遅角側のストッパ11aに向けて押し付けられる。また、カム軸2が吸気弁を開閉駆動するときに受ける変動トルクの平均は、進角側よりも遅角側に働くので、この変動トルクによって、遅角側のストッパ11aに当接する突部416aの速度が増加することがある。
また、式(1)より、
T0/(F×e)=sinα・・・(2)
である。
式(2)においてF、eは一定であるから、弾性力Fにより遊星キャリヤ32に対して進角方向Xに働く回転トルクT0は、設置角度αによって変化する。図26に、αを変化させたときのT0/(F×e)の変化を示す。図26において、T0/(F×e)が正であれば回転トルクT0は進角方向Xに働き、T0/(F×e)が負であれば回転トルクT0は遅角方向Yに働く。T0/(F×e)=sinαであるから、α=90°のときに、T0/(F×e)、つまりT0は最大になる。
本発明の第八実施形態を図28に示し、第九実施形態を図29に示す。第八実施形態および第九実施形態は第七施形態の変形例である。第八、第九実施形態のバルブタイミング調整装置600、700は、吸気弁のバルブタイミングを調整する。
図28に示す第八実施形態のバルブタイミング調整装置600では、カバー歯車12と軸方向に向き合っているスプロケット11の大径部13の外周縁部に、カバー歯車12に向かって軸方向に突出する環状の突部602が形成されている。カバー歯車12には、ボルト510を挿入する挿入孔12aの内周側に、スプロケット11に向けて軸方向に突出する環状の内周突部610が形成されている。そして、突部602の内周面602aに内周突部610が圧入されている。
したがって、第七実施形態と同様に、組付時において、スプロケット11とカバー歯車12との径方向の位置決めが容易である。さらに、スプロケット11に対してカバー歯車12が回転方向および径方向にずれることを防止できる。
また、第八、第九実施形態では、第七実施形態と同様に、偏心方向線Eよりも、駆動側回転体10に対する遊星キャリヤ32の遅角方向Y側にばね部材70を設置しているので、最遅角制御において、突部416aがストッパ11aと当接したときに、ベアリング内周面125と遊星キャリヤ32の外周面40との間にくいこみが生じることを防止している。
以上、第七〜第九実施形態では、スプロケット11またはカバー歯車12が特許請求の範囲に記載の「第一ハウジング」または「第二ハウジング」のいずれかに相当し、スプロケット11およびカバー歯車12が特許請求の範囲に記載の「ハウジング部材」に相当する。
本発明の第十実施形態を図30から図32に示す。第十実施形態のバルブタイミング調整装置800は、吸気弁のバルブタイミングを調整する。第十実施形態では、図30〜図32に示すように、偏心方向線Eを挟んで周方向両側の遅角側および進角側のそれぞれに、ばね部材70を設置している。これ以外の構成は、第七実施形態と実質的に同一であるから、第七実施形態と同一構成部分に同一符号を付す。図31は、第七実施形態の図24において、従動側回転体416を外し、カム軸2側から見たときの、第十実施形態の遊星歯車420およびカバー歯車12を示す図である。図31ではカム軸2側から遊星歯車420およびカバー歯車12を見ているので、進角方向を示す矢印Xと遅角方向を示す矢印Yとが、図30と逆方向になっている。
ここで、第十実施形態では、第六〜第九実施形態と同様に、二段円筒状を呈する遊星歯車420の軸方向の異なる位置に形成された外歯車部422、424が、内歯車部412、414と噛み合う複式の差動歯車機構を構成している。このような差動歯車機構においては、第三歯車体としての従動側回転体416がカム軸2から変動トルクを受けると、図33に示すように、遊星歯車420の外歯車部424は、従動側回転体416の内歯車部414との噛合箇所において内歯車部414から力F0を矢印方向に受ける。この力F0は、接線方向の力Fh0と、半径方向内側の回転中心線Oに向かうラジアル力Fr0とに分解される。
例えば第一〜第五実施形態では、変動トルクが最大負トルクT-となるときの外力f-に対して弾性力Fが反対向きとなるように、ばね部材70又は重ね板ばね210を配置してもよい。また、第一〜第五実施形態では、係合孔48及び係合突起49の数を適宜設定することができるが、そうした数の変更によって遊星歯車33,330が受ける外力fの方向の変動範囲が変わるので、それに応じて弾性力Fの方向を定めることが望ましい。
また、第七〜第九実施形態のバルブタイミング調整装置では、スプロケット11またはカバー歯車12の一方に他方を圧入するのではなく、緩く嵌合させることにより、スプロケット11に対するカバー歯車12の径方向の位置ずれを防止してもよい。
Claims (35)
- クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、
前記クランク軸及び前記カム軸のうち一方である第一軸と連動して回転する第一歯車体と、
前記第一歯車体に対して偏心する外周面を有する遊星キャリヤと、
前記外周面に回転自在に嵌合する中心孔を有し、前記第一歯車体と内噛合形態の歯車機構を形成する第二歯車体であって、前記遊星キャリヤが前記第一歯車体に対して相対回転することにより、前記第一歯車体と噛合しつつ遊星運動する第二歯車体と、
前記クランク軸及び前記カム軸のうち前記第一軸とは異なる軸である第二軸の回転運動へ前記第二歯車体の遊星運動を変換することにより、前記クランク軸及び前記カム軸の間の相対回転位相を変化させる変換部と、
前記遊星キャリヤと前記中心孔との間に配置され、弾性力により前記中心孔の内周面を押圧する押圧体であって、前記弾性力の作用線が前記外周面の偏心方向線に対して前記外周面の周方向へ傾斜する押圧体と、
を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記押圧体は、前記偏心方向線上から外れた位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記作用線は、前記外周面の偏心中心線上で前記偏心方向線に直交する直交線よりも前記外周面の偏心側において、前記内周面と交差することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記弾性力は、前記第二軸から前記変換部へ伝達されるトルクにより前記第二歯車体に作用する外力とは反対向きに前記内周面に作用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記弾性力は、前記トルクが最大となるときの前記外力とは反対向きに前記内周面に作
用することを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。 - 請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置において、前記クランク軸と連動して回転する回転体を駆動側回転体とし、前記カム軸と連動して前記駆動側回転体に対して遅角側および進角側に相対回転する回転体を従動側回転体とすると、前記駆動側回転体に対する遅角側および進角側の少なくともいずれか一方で前記従動側回転体と当接して前記従動側回転体の相対回転を規制するストッパをさらに備え、
前記作用線は前記第1歯車体の回転中心からずれた位置を通り、前記押圧体の弾性力は、前記ストッパに前記従動側回転体が当接する遅角側または進角側とは反対側に前記遊星キャリヤに回転トルクを加える請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記作用線は前記外周面のほぼ偏心中心を通る請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記ストッパは最遅角位置で前記従動側回転体の相対回転を規制し、前記押圧体は、前記偏心方向線よりも、前記駆動側回転体に対する前記遊星キャリヤの遅角側に設置されている請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記押圧体は、前記偏心方向線よりも、前記駆動側回転体に対する前記遊星キャリヤの遅角側に45°以上90°以下の範囲に設置されている請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記ストッパは最進角位置で前記従動側回転体の相対回転を規制し、前記押圧体は、前記偏心方向線よりも、前記駆動側回転体に対する前記遊星キャリヤの進角側に設置されている請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記押圧体は、前記偏心方向線よりも、前記駆動側回転体に対する前記遊星キャリヤの進角側に45°以上90°以下の範囲に設置されている請求項10に記載のバルブタイミング調整装置。
- クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、
前記クランク軸及び前記カム軸のうち一方である第一軸と連動して回転する第一歯車体と、
前記第一歯車体に対して偏心する外周面を有する遊星キャリヤと、
前記外周面に回転自在に嵌合する中心孔を有し、前記第一歯車体と内噛合形態の歯車機構を形成する第二歯車体であって、前記遊星キャリヤが前記第一歯車体に対して相対回転することにより、前記第一歯車体と噛合しつつ遊星運動する第二歯車体と、
前記クランク軸及び前記カム軸のうち前記第一軸とは異なる軸である第二軸の回転運動へ前記第二歯車体の遊星運動を変換することにより、前記クランク軸及び前記カム軸の間の相対回転位相を変化させる変換部と、
前記外周面の偏心中心線上で前記偏心方向線に直交する直交線よりも前記外周面の偏心側において、前記遊星キャリヤと前記中心孔との間に周方向の異なる位置に複数配置され弾性力により前記中心孔の内周面を押圧する押圧体であって、複数の前記押圧体の内、少なくとも1個の前記押圧体の前記弾性力の作用線が前記外周面の偏心方向線に対して前記外周面の周方向へ傾斜する押圧体と、
を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記変換部は、前記第一歯車体と前記第二歯車体との噛合位置と軸方向に異なる位置で前記第二歯車体と内噛合形態の歯車機構を形成し、前記第二歯車体の遊星運動を前記第二軸へ出力する前記第三歯車体を有することを特徴とする請求項12に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記押圧体は、前記偏心方向線に対して周方向両側に配置されていることを特徴とする請求項12または13に記載のバルブタイミング調整装置。
- 請求項14に記載のバルブタイミング調整装置において、前記クランク軸と連動して回転する回転体を駆動側回転体とし、前記カム軸と連動して前記駆動側回転体に対して遅角側および進角側に相対回転する回転体を従動側回転体とすると、前記駆動側回転体に対する遅角側および進角側で前記従動側回転体と当接して前記従動側回転体の相対回転を規制するストッパをさらに備え、
前記作用線は前記第1歯車体の回転中心からずれた位置を通り、前記偏心方向線に対して遅角側に設置された前記押圧体の弾性力は前記遊星キャリヤに進角側の回転トルクを加え、前記偏心方向線に対して進角側に設置された前記押圧体の弾性力は前記遊星キャリヤに遅角側の回転トルクを加えることを特徴とする請求項14に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記作用線は前記外周面のほぼ偏心中心を通る請求項15に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記押圧体は、前記偏心方向線よりも、前記駆動側回転体に対する前記遊星キャリヤの遅角側および進角側に45°以上90°以下の範囲に設置されている請求項16に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記変換部において前記回転運動を前記第二軸へ出力する出力端は、前記第二軸に固定されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記遊星キャリヤは、前記押圧体を収容する収容部を有し、
前記押圧体は、前記収容部から前記外周面よりも突出して前記内周面に接触することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記押圧体は、前記収容部と前記中心孔との間で圧縮されることにより弾性変形する変形部を有することを特徴とする請求項19に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記収容部は、前記偏心方向線上から外れた位置において前記外周面に開口し、その開口を通じて前記押圧体が突出することを特徴とする請求項19または20に記載のバルブタイミング調整装置。
- ばね部材からなる前記押圧体は、
前記遊星キャリヤに接触する内周側接触部と、前記内周側接触部の外周側に間隔をあけて設けられ、前記内周面に接触する外周側接触部とを有し、前記内周側接触部及び前記外周側接触部の前記周方向の一端部同士を連結し、前記内周側接触部及び前記外周側接触部の前記周方向の他端部同士を開放することを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記遊星キャリヤは、前記内周側接触部が接触する円筒面状の接触面を有し、
前記内周側接触部は、前記接触面に沿って湾曲し、前記接触面よりも小径の断面円弧状を呈することを特徴とする請求項22に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記外周側接触部は、円筒面状の前記内周面に沿って湾曲し、前記内周面よりも小径の断面円弧状を呈することを特徴とする請求項22または23に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記連結部は、前記内周側接触部及び前記外周側接触部の前記偏心方向線に近い側の端部同士を連結することを特徴とする請求項24記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記遊星キャリヤは、前記周方向に前記押圧体を挟んで向き合う一対の対向面を有することを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記内周側接触部において前記連結部とは反対側の端部は外周側へ屈曲されることを特徴とする請求項26に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記周方向において前記対向面と前記押圧体との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項26又は27に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記押圧体は、円筒面状の前記内周面に沿って湾曲する複数のばね板からなる重ね板ばねであることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記遊星キャリヤは、最内周の前記ばね板が接触する円筒面状の接触面を有し、
最内周の前記ばね板は、前記接触面よりも小径の断面円弧状を呈することを特徴とする請求項29に記載のバルブタイミング調整装置。 - 最外周の前記ばね板は、前記内周面よりも小径の断面円弧状を呈することを特徴とする請求項29又は30に記載のバルブタイミング調整装置。
- 回転トルクを発生するトルク発生部を備え、
前記遊星キャリヤは、前記回転トルクを受けることにより前記第一歯車体に対して相対回転することを特徴とする請求項1〜31のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記トルク発生部は、電動モータであることを特徴とする請求項32に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第二歯車体を収容するハウジング部材を備え、前記ハウジング部材は、結合部材により回転軸方向に向き合って結合された第一ハウジングおよび第二ハウジングを有し、前記第一ハウジングまたは前記第二ハウジングのいずれかは前記第一歯車体を有し、前記第一ハウジングまたは前記第二ハウジングの一方は他方に向けて回転軸方向に突出して周方向に設けられた突部を有し、前記第一ハウジングまたは前記第二ハウジングの他方は前記突部の内周面または外周面に嵌合している請求項1〜33のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一ハウジングまたは前記第二ハウジングの他方は前記突部の内周面または外周面に圧入されている請求項34に記載のバルブタイミング調整装置。
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