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JP2008038669A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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JP2008038669A
JP2008038669A JP2006211452A JP2006211452A JP2008038669A JP 2008038669 A JP2008038669 A JP 2008038669A JP 2006211452 A JP2006211452 A JP 2006211452A JP 2006211452 A JP2006211452 A JP 2006211452A JP 2008038669 A JP2008038669 A JP 2008038669A
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Abstract

【課題】より簡易な制御構造でありながら、作動油の粘度に影響されない、より安定したバルブタイミング制御を実現する。
【解決手段】弁体によって各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長が異なる第1の油圧制御弁210と第2の油圧制御弁220とを予め用意し、作動油のその都度の粘度に応じてそれら各油圧制御弁210,220を使い分けることとした。これにより、油圧制御弁の駆動制御にかかる演算負荷の軽減はもとより、油圧制御弁としての物理的な制約も軽減され、作動油の粘度に影響されないより安定したバルブタイミング制御が実現されるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、油圧制御弁を通じて可変バルブタイミング機構に供給される作動油量を調量して機関バルブのバルブタイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
車両の内燃機関においては、燃焼室に臨む各ポートを開閉する吸気バルブや排気バルブといった機関バルブが出力軸であるクランクシャフトの回転と連動するカムシャフトに設けられたカムによって開閉駆動される。そして近年は周知のように、このカムのクランクシャフトに対する位相を変化させることでそれら機関バルブのバルブタイミング、すなわちバルブ開閉タイミングを変化させる技術が知られている。図8、図9に、こうしたバルブタイミング制御装置についてその概要を示す。
まずは図8に示されるように、こうしたバルブタイミング制御装置においては、クランクシャフト1に駆動連結された可変バルブタイミング機構10のハウジングの内部にカムシャフト2Aが設けられており、このカムシャフト2Aの先端に可変バルブタイミング機構10の内部ロータがボルト等により固定されて設けられている。具体的には、図9に示されるように、この内部ロータ11は、その外周に突出形成されたベーン12がハウジング13の内部の空間を進角側油圧室R1と遅角側油圧室R2とに区画している。また、これら各油圧室R1,R2には作動油が充填され、この作動油の油圧により内部ロータ11、および同内部ロータ11が固定されたカムシャフト2Aの上記クランクシャフト1(図8)に対する相対回転位相が可変とされる。また、各油圧室R1,R2に充填される作動油の量は機関運転状況に応じて増減されるように油圧制御弁20を通じて制御される。
一方、図8では便宜上、上記カムシャフト2Aの上方に図示している油圧制御弁20は、その具体的構造を図9に示すように、筒状のスリーブ21内部に設けられたスプール22をソレノイド23により駆動することにより上記作動油の流量を調量する構造となっている。このスリーブ21には、オイルポンプOPから作動油を導入するための供給ポートPsと、上記各油圧室R1,R2にそれぞれ接続された進角および遅角側連絡ポートPa,Pbと、オイルパン30に連通された排出ポートPdとが形成されている。また、スプール22は円柱状の弁体Va,Vbを有する串状をなし、スプリング24による付勢力とこれに抗する態様でのソレノイド23への通電によってスリーブ21の内周に沿って軸方向へ往復運動可能に設けられている。なお、先の図8において、符号3,4はそれぞれ吸気バルブや排気バルブからなる機関バルブ、符号5は当該機関のシリンダ内を往復運動するピストンである。また、符号6は上記クランクシャフト1の回転速度(角度)を検出するクランク角センサ、符号7は上記カムシャフト2Aの回転速度(角度)を検出するカム角センサであり、電子制御装置100では、これらセンサ6,7を通じて取り込まれる角度信号に基づいて上記油圧制御弁20の駆動をフィードバック制御することとなる。またここで、上記カムシャフト2Aは吸気バルブ3側のカムシャフト(吸気カムシャフト)であり、排気バルブ4に対応しては別途のカムシャフト(排気カムシャフト)2Bが設けられている。すなわち、ここでの例において、バルブタイミング制御装置は、クランクシャフト1と吸気カムシャフト2Aとの間の相対回転位相を制御する装置として構成されている。
ところで、このようなバルブタイミング制御装置にあっては、作動油を媒体として上述したバルブタイミング(進角、遅角)を制御するものであることから、この作動油自体の特性の変化、特に粘度の変化等は、その制御精度や安定性に大きな影響を及ぼす要因となる。ちなみに、温間時等、作動油の粘度が低い状態では、油圧制御弁20の駆動に対する応答性も高く維持されるが、冷間時等、作動油の粘度が高い状態では、同油圧制御弁20の駆動に対して所望とされる応答性が得られず、安定したバルブタイミング制御が困難となることがある。
そこで従来は、例えば特許文献1や特許文献2に見られるように、推定される作動油の粘度に応じて油圧制御弁20の駆動態様を補正する等の技術が提案されるに至っている。このように、作動油の粘度に応じて上記不都合が改善される態様にて油圧制御弁20の駆動を制御、補正することで、バルブタイミング制御装置としての上記作動油の粘度に起因する各種不都合も抑制され、その制御性も大きく改善されるようになる。
特開2002−115569号公報 特開2004−92593号公報
このように、バルブタイミング(進角、遅角)を制御する作動油の粘度に応じて油圧制御弁20の駆動態様を補正することとすれば、確かにその制御性も改善されるようにはなる。ただし、油圧制御弁20の駆動態様を補正するとはいえ、その補正自体、電子制御装置100にとっては多くの演算負荷を必要とするものであり、特に上述したバルブタイミング制御に限らず、内燃機関としての運転全般を統括制御する電子制御装置にとっては、このような演算負荷も無視できないものとなる。
また、上記油圧制御弁20自体、進角および遅角側連絡ポートPa,Pbの間に閉塞領域を備える構造となっていることから、例えば作動油の粘度が高い状態において進角、遅角間の切り替えを迅速に行うべくそのスプール22の移動速度を高める補正を行ったとしても、それによって改善される応答性にも自ずと限界がある。すなわち、油圧制御弁20自体の物理的な構造による制約も無視できないものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡易な制御構造でありながら、作動油の粘度に影響されない、より安定したバルブタイミング制御を可能とする内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトと該クランクシャフトに駆動連結されるカムシャフトとの間に介在されてそれらクランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を変位せしめることにより機関バルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング機構と、この可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室にそれぞれ接続される進角側連絡ポートおよび遅角側連絡ポートおよびこれら各連絡ポートとの間で作動油の給排を行う給排ポートを有して前記クランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相の変位に際し可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排量を調量する油圧制御機構とを備える内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記油圧制御機構は、前記進角側連絡ポートおよび前記遅角側連絡ポートをそれぞれ開閉すべく連動して移動する弁体によってそれら各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長の異なる複数の弁機構を含み、それら複数の弁機構が前記作動油の粘度の変化に応じて切替使用されることを要旨とする。
前述のように、作動油の粘度の変化はバルブタイミング制御の制御精度にも大きく影響する。ただし、こうした作動油の粘度の変化に応じて油圧制御弁の駆動態様を補正しようとすればその演算負荷が無視できず、また、特に作動油の粘度が高い状態では、応答性の面で、油圧制御弁自体の物理的な構造による制約が無視できないことも前述した。この点、同構成によるように、弁体によって各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長が異なる複数の弁機構を予め用意し、作動油のその都度の粘度に応じてそれら各弁機構を使い分けることとすれば、油圧制御機構の駆動制御にかかる演算負荷の軽減はもとより、油圧制御機構としての物理的な制約も軽減され、作動油の粘度に影響されないより安定したバルブタイミング制御が実現されるようになる。なお、それら弁機構の使い分けに際し、作動油の粘度が高いほど上記オーバーラップ長の短い弁機構が選択されることは言うまでもない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記油圧制御機構は、前記各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長の異なる複数の弁機構として、前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経て切り替えられる第1の油圧制御弁と、前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経ずに切り替えられる第2の油圧制御弁とを備えるとともに、第2の油圧制御弁の各連絡ポートおよび給排ポートのいずれか一方には、それらポートへの作動油の流通を遮断/許可する切替弁が設けられ、前記作動油の粘度が低い期間は、前記切替弁が遮断状態に制御されるとともに、前記第1の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御され、前記作動油の粘度が高い期間は、前記第1の油圧制御弁が前記閉塞領域に、且つ前記切替弁が流通許可状態にそれぞれ制御されるとともに、前記第2の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御されることを要旨とする。
同構成によれば、機関暖機状態など作動油の粘度が低い期間は、第1の油圧制御弁を通じて可変バルブタイミング機構における各油圧室との間での作動油の給排が制御される。こうして作動油の粘度が低いときには作動油自体の流速が高く、こうした作動油の給排に関する制御の応答性も高まっていることから、この第1の油圧制御弁としては、各連絡ポートと前記給排ポートとの間に閉塞領域を有し、この閉塞領域を経て作動油の給排が切り替えられる構造であることが有効である。すなわち、弁機構の切り替え状態が閉塞領域にある間は、各連絡ポートを通じた作動油の給排は停止されるため、例えば目標とするバルブタイミングに収束させるために進遅角両側の油圧室に対して交互に作動油の給排を制御するときなどに、制御毎に油量が急変して制御の安定性が損なわれるいわゆるハンチング等が発生する事態を抑制することができるようになる。なお、この間、第2の油圧制御弁を通じた可変バルブタイミング機構への作動油の流通は上記切替弁によって遮断されているため、第2の油圧制御弁を通じて可変バルブタイミング機構に対する作動油の給排態様が変化することはない。一方、機関の冷間始動時など、作動油の粘性が高くなっている期間は、第2の油圧制御弁を通じて各油圧室との間での作動油の給排が制御される。こうして作動油の粘度が高いときには作動油自体の流速が低下して、作動油の給排制御に対する応答性も低下する。ただし、この第2の油圧制御弁は上述のように、上記各連絡ポートと給排ポートとが閉塞領域を経ずに切り替えられる構造となっていることから、たとえ作動油の粘度が高い場合であれ、その制御性は物理的に改善されるようになる。しかも、このように作動油の粘度が高い場合には、上述のように目標とするバルブタイミングに収束させるべく可変バルブタイミング機構の進遅角両側の油圧室に対して交互に作動油の給排を制御する場合であっても、同作動油は高い粘度が逆に功を奏して、上述したハンチング等も生じにくい。このようにバルブタイミング制御装置としての同構成によれば、作動油の粘度に影響されない、より安定したバルブタイミング制御が実現されるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記油圧制御機構は、前記各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長の異なる複数の弁機構として、前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経て切り替えられる第1の油圧制御弁と、この第1の油圧制御弁と一体化されたスプール弁を有して前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経ずに切り替えられる第2の油圧制御弁とを備えるとともに、第2の油圧制御弁の各連絡ポートおよび給排ポートのいずれか一方には、それらポートへの作動油の流通を遮断/許可する切替弁が設けられ、前記作動油の粘度が低い期間は、前記切替弁が遮断状態に制御されるとともに、前記第1の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御され、前記作動油の粘度が高い期間は、前記切替弁が流通許可状態に制御されるとともに、前記第2の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御されることを要旨とする。
同構成においても、基本的には上記請求項2に記載のバルブタイミング制御装置と同様に、作動油の粘度に影響されない、より安定したバルブタイミング制御が実現されるようになる。また、第1および第2の油圧制御弁として一体の油圧制御弁を用いることで、上記請求項2に記載のバルブタイミング制御装置と比べて部品点数の削減、並びに省スペース化を図ることができるとともに、制御構造のさらなる簡略化を図ることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記作動油の粘度が内燃機関の機関温度に基づいて推定され、該機関温度が一定の温度を超えている期間が前記作動油の粘度が低い期間として認識され、同機関温度がこの一定の温度以下となっている期間が前記作動油の粘度が高い期間として認識されることを要旨とする。
通常、機関温度と作動油の粘度とは高い相関関係にあることから、このような機関温度に基づいて上記作動油の粘度を推定することで、上述した油圧制御弁の使い分けもより適切なされるようになり、ひいては上述したバルブタイミング制御の安定性も高く維持されるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記機関温度が前記内燃機関の冷却水の温度として求められることを要旨とする。
上記内燃機関の冷却水の温度は、上記機関温度を代表するパラメータであり、上記作動油の粘度を推定する上でもその信頼性は高い。しかも、こうした冷却水の温度は、内燃機関の運転を制御する上で通常に用いられるパラメータでもあり、何ら特殊なセンサ等を必要とすることなく、上記作動油の粘度を推定することが可能ともなる。
請求項6に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記作動油の粘度が同作動油自体の油温に基づいて推定され、該作動油温が一定の温度を超えている期間が前記作動油の粘度が低い期間として認識され、同作動油温がこの一定の温度以下となっている期間が前記作動油の粘度が高い期間として認識されることを要旨とする。
同構成の場合、エンジンシステムによっては作動油の油温を測定するためのセンサ等が別途に必要となる可能性もあるが、こうして作動油の油温を直接計測することで、上述した作動油の粘度の推定精度もさらに高められるようになる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング制御装置を具体化した第1実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。図1は。先の図9に対応する図として、本実施形態のバルブタイミング制御装置の概略構成を示した図である。このバルブタイミング制御装置は、可変バルブタイミング機構10に供給される作動油量を調量して、例えば吸気バルブのバルブ開閉タイミングを制御する装置である。
ここで、可変バルブタイミング機構10には前述のように、吸気カムシャフト2Aの先端にボルト等により固定されて吸気カムシャフト2Aと一体回転するとともに、外周面に複数(本実施形態では2つ)のベーン12が径方向に突出形成された内部ロータ11と、前記クランクシャフト1に駆動連結されたハウジング13とが設けられている。なお、ハウジング13の内周面には、内部ロータ11のベーン12と同数(本実施形態では2つ)の突部14が突出して形成されており、隣り合う突部14の間には凹部15,16がそれぞれ形成されている。そして、これら凹部15,16には、上記ベーン12が収容されている。ベーン12の先端面は凹部15,16の内周面と摺接しており、突部14の先端面は内部ロータ11の外周面と摺接している。また、ハウジング13の凹部15は、ベーン12により進角側油圧室R1および遅角側油圧室R2をそれぞれ構成する2つの空間に区画形成されており、凹部16も、ベーン12により進角側油圧室R1および遅角側油圧室R2をそれぞれ構成する2つの空間に区画形成されている。そして、これら進角側油圧室R1と遅角側油圧室R2との間で給排される作動油量の調量に基づいて上記クランクシャフト1、すなわちハウジング13と吸気カムシャフト2Aとの間の相対回転位相が可変とされる。
一方、上記作動油は内燃機関下部に設けられたオイルパン30に貯蔵されており、本実施形態では、上記進角側油圧室R1および遅角側油圧室R2とこのオイルパン30との間での作動油の給排が油圧制御機構としての第1の油圧制御弁210および第2の油圧制御弁220を通じて制御される。
ここで、第1の油圧制御弁210には、オイルポンプOPによって圧送された作動油が供給ポートPs1から供給され、この作動油が一方では進角側連絡ポートPa1から進角側油路Wa1を通じて可変バルブタイミング機構10の進角側油圧室R1に供給される。また他方では、遅角側連絡ポートPb1から遅角側油路Wb1を通じて遅角側油圧室R2に供給される。また、可変バルブタイミング機構10のそれら進角側油圧室R1あるいは遅角側油圧室R2から排出された作動油は、同第1の油圧制御弁210の進角側および遅角側の排出ポートPd1からオイルパン30へと排出される。なお、この第1の油圧制御弁210においては、これら連絡ポートPa1,Pb1と給排ポートPs1,Pd1とは、各連絡ポートPa1,Pb1がともに弁機構によって閉塞される領域である閉塞領域CAを経て切り替えられる。
また、第2の油圧制御弁220には、オイルポンプOPによって圧送された作動油が供給ポートPs2から供給され、この作動油が一方では進角側連絡ポートPa2から進角側油路Wa2を通じて可変バルブタイミング機構10の進角側油圧室R1に供給され、他方では遅角側連絡ポートPb2から遅角側油路Wb2を通じて遅角側油圧室R2に供給される。また、可変バルブタイミング機構10のそれら進角側油圧室R1あるいは遅角側油圧室R2から排出された作動油は、同第2の油圧制御弁220の進角側および遅角側の排出ポートPd2からオイルパン30へと排出される。なお、この第2の油圧制御弁220は、これら連絡ポートPa2,Pb2と給排ポートPs2,Pd2とが閉塞領域CAを経ずに切り替えられるように構成されている。
このように第1の油圧制御弁210と第2の油圧制御弁220とはそれぞれ異なる構造を有している。図2および図3はそれぞれこれら第1の油圧制御弁210および第2の油圧制御弁220の具体的な構造、並びにその動作態様を示してものであり、次に、これら図2および図3を併せ参照して、その油圧制御弁としての違いをさらに詳述する。
まず、第1の油圧制御弁210は、図2(a)〜(d)に示されるように、筒状のスリーブ211を備えており、このスリーブ211に、上記進角側油路Wa1と接続される進角側連絡ポートPa1、上記遅角側油路Wb1と接続される遅角側連絡ポートPb1がそれぞれ形成されている。また、このスリーブ211には同様に、オイルパン30からの作動油が供給される供給ポートPs1、そして上記進角側油圧室R1および遅角側油圧室R2から排出される作動油をオイルパン30に戻す排出ポートPd1がそれぞれ形成されている。また、このスリーブ211内には、2つの円柱状の弁体Va1,Vb2とともに、両端近傍に同じく円柱状からなる仕切りSa1,Sb1が形成されたスプール212が設けられている。このうち、弁体Va1,Vb1は仕切りSa1,Sb1と比べて、その軸方向における幅が大きく形成されている。なお、弁体Va1および弁体Vb1の幅はそれぞれ同一であって、その幅は、上記各連絡ポートPa1,Pb1の径よりも大きく形成されている。また、スプール212は、スプリング214によって、例えば矢印F11方向に常時付勢されており、この付勢力に抗する態様で、すなわち矢印F12方向に作動するソレノイド213への通電の有無あるいは強弱によって、スリーブ211の内周に沿うようにその軸方向に往復運動する。
このため、例えば、ソレノイド213への通電がされていない状態、すなわちスプール212がスプリング214の付勢力のみによって矢印F11方向に移動している状態では、図2(a)に示されるように、供給ポートPs1と進角側連絡ポートPa1とが連通するとともに、排出ポートPd1と遅角側連絡ポートPb1とが連通する。このような状態では、図1に示した可変バルブタイミング機構10は、その進角側油圧室R1の油量が増大される一方、遅角側油圧室R2の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは進角側に制御される。
また、ソレノイド213への通電が最大限に行われた場合には、図2(b)に示されるように、スプール212はスリーブ211内で矢印F12方向に移動し、供給ポートPs1と遅角側連絡ポートPb1とが連通するとともに、排出ポートPd1と進角側連絡ポートPa1とが連通する。このような状態では、図1に示した可変バルブタイミング機構10は、その遅角側油圧室R2の油量が増大される一方、進角側油圧室R1の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは遅角側に制御される。
他方、このスプール212はソレノイド213への通電態様によっては、図2(c)や図2(d)に示されるように、各連絡ポートPa1,Pb1が共に弁体Va1,Vb1によって閉塞される位置に制御されることもある。この状態においては、各連絡ポートPa1,Pb1が共に閉塞されるため、これら連絡ポートPa1,Pb1を通じた作動油の給排は行われない。
そして、図2(c)に示す状態から図2(d)に示す状態までの間、すなわちスプール212が図2(c)の状態から矢印F12方向に長さL1だけ変位するまでの区間が、
図1の参照のもとに上述した閉塞領域CAに相当する。
また、第2の油圧制御弁220は、図3(a),(b)に示されるように、筒状のスリーブ221を備えており、このスリーブ221に、上記進角側油路Wa2と接続される進角側連絡ポートPa2、上記遅角側油路Wb2と接続される遅角側連絡ポートPb2がそれぞれ形成されている。また、このスリーブ221には同様に、オイルパン30からの作動油が供給される供給ポートPs2、そして、上記進角側油圧室R1あるいは遅角側油圧室R2から排出される作動油をオイルパン30に戻す排出ポートPd2がそれぞれ形成されている。また、このスリーブ221内には、2つの円柱状の弁体Va2,Vb2とともに、両端近傍に同じく円柱状からなる仕切りSa2,Sb2が形成されたスプール222が設けられている。なお、この第2の油圧制御弁220において、これらの弁体Va2,Vb2は、各々その幅が対応する各連絡ポートPa2,Pb2の径と等しくなる形状にて形成されている。そして、このスプール222もスプリング224によって、例えば矢印F21方向に常時付勢されており、この付勢力に抗する態様で、すなわち矢印F22方向に作動するソレノイド223への通電の有無あるいは強弱によって、スリーブ221の内周に沿うようにその軸方向に往復運動する。
このため、例えば、ソレノイド223への通電がされていない状態、すなわちスプール222がスプリング224の付勢力のみによって矢印F21方向に移動している状態では、図3(a)に示されるように、供給ポートPs2と進角側連絡ポートPa2とが連通するとともに、排出ポートPd2と遅角側連絡ポートPb2とが連通する。このような状態では、図1に示した可変バルブタイミング機構10は、その進角側油圧室R1の油量が増大される一方、遅角側油圧室R2の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは進角側に制御される。
また、ソレノイド223への通電が最大限に行われた場合には、図3(b)に示されるように、スプール222はスリーブ221内で矢印F22方向に移動し、供給ポートPs2と遅角側連絡ポートPb2とが連通するとともに、排出ポートPd2と進角側連絡ポートPa2とが連通する。このような状態では、図1に示した可変バルブタイミング機構10は、その遅角側油圧室R2の油量が増大される一方、進角側油圧室R1の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは遅角側に制御される。
このように、第1の油圧制御弁210と第2の油圧制御弁220とでは、弁体によって各連絡ポートがともに閉塞される区間の長さ、すなわちオーバーラップ長が異なるように構成されている。具体的には、第1の油圧制御弁210ではそのオーバーラップ長が長さL1となるのに対し、第2の油圧制御弁220では同オーバーラップ長が略「0」となる。
また、図1に示されるように、上記第2の油圧制御弁220と可変バルブタイミング機構10の各油圧室R1,R2とを接続する各油路Wa2,Wb2には、切替弁40が設けられており、この切替弁40がソレノイドへの通電によって駆動されることによって各連絡ポートPa2,Pb2を通じた作動油の流通の遮断/許可状態が切り替えられる。
そして、本実施形態において、この切替弁40も含め、上記第1の油圧制御弁210および第2の油圧制御弁220の駆動態様は電子制御装置100aによって統括的に制御される。この電子制御装置100aには、内燃機関の機関状態、あるいは運転状態を把握するために以下に挙げるような各種センサからの情報が取り込まれる。例えば、内燃機関の出力軸であるクランクシャフト近傍には、前述したクランク角センサ6が設けられており、このクランク角センサから6の出力に基づいて、クランクシャフトの回転速度(角度)が把握される。また、吸気カムシャフトの近傍には、これも前述したカム角センサ7が設けられており、このカム角センサ7の出力に基づいて吸気カムシャフトの回転速度(角度)が把握される。また、内燃機関を冷却する冷却水が流れるウォータージャケットには、冷却水の温度を検出する冷却水温センサ8が設けられており、本実施形態においては、この冷却水温センサ8により検出される冷却水の温度に基づいて上記作動油の粘度が推定される。
次に、本実施形態の装置を通じてバルブタイミング制御の概要について説明する。
この制御に際し、電子制御装置100aは、上記クランク角センサ6等をはじめとする各種センサの検出結果に基づいて内燃機関の運転状態を把握するとともに、把握された機関運転状態に基づいて機関バルブ(ここでの例では吸気バルブ)の開閉タイミングの目標位相(進角値あるいは遅角値)を算出する。また、上述のように把握された吸気カムシャフトの回転角度と、上記クランクシャフトの回転角度とを対比することにより、吸気バルブの開閉タイミングの実位相が算出される。そして、このように算出された目標位相と実位相との偏差に基づいて、上記第1の油圧制御弁210あるいは第2の油圧制御弁220を通じた作動油の給排態様が制御される。より具体的には、上述した各弁体Va1,Vb1,Va2,Vb2のスリーブ内における位置は、各油圧制御弁210,220に設けられているソレノイド213,223への通電信号のデューティ比に応じて決定されている。
したがって、バルブタイミングが変更される際の変更速度は上記デューティ比に応じて異なったものとなる。すなわち、バルブタイミングを進角する際には、デューティ比が小さいほど(即ち「0%」に近づくほど)、進角側連絡ポートPa1あるいはPa2の開口量が増大して進角側油圧室R1への作動油の供給量が増大するため、より大きな変更速度をもってバルブタイミングが遅角されるようになる。また、バルブタイミングを遅角する際には、デューティ比が大きいほど(即ち「100%」に近づくほど)、遅角側連絡ポートPb1あるいはPb2の開口量が増大して遅角側油圧室R2への作動油の供給量が増大するため、より大きな変更速度をもってバルブタイミングが遅角されるようになる。一方、デューティ比が「50%」に近づくほど、進角側連絡ポートPa1,Pa2或いは遅角側連絡ポートPb1,Pb2の開口量が減少して進角側油圧室R1或いは遅角側油圧室R2への作動油の供給量が減少するため、バルブタイミングを進角或いは遅角する際の変更速度はいずれも小さくなる。
また、カム角を上記目標位相となるようにするためには、上記算出された実位相によるフィードバック制御に基づき、この実位相が目標位相に収束するよう制御する必要がある。この場合、進角側連絡ポートPa1あるいはPa2と供給ポートPs1あるいはPs2とが連通する状態と、遅角側連絡ポートPb1あるいはPb2と供給ポートPs1あるいはPs2とが連通する状態との間でスプール212,222を変位させる制御を行う必要がある。
ところで、このような制御を行う際には、上述したオーバーラップ長を考慮にいれることが望ましい。このオーバーラップ長の分だけスプール212あるいは222が変位する間は作動油が各連絡ポートPa1,Pb1,Pa2,Pb2を通じて給排されないため、オーバーラップ長の長さが制御の応答性に大きな影響を与えるためである。
一方、この制御の応答性に影響を与える要因としては作動油の粘度が挙げられる。作動油の粘度は、その油温に応じて変化するが、機関の運転状態の変化に伴って機関温度が変化するため、作動油温もこの機関温度の影響を受けて変化する。そして、機関暖機状態など作動油温の高い場合は粘度が低下して作動油が流れやすくなるため、その流速も自ずと上昇する。一方、機関始動時など作動油温の低い場合は粘度が高くなって作動油が流れにくくなる。ちなみに、本実施形態においては上述のようにこの作動油の粘度は上記冷却水温センサ8によって検出される冷却水温から推定される。
以上の制御の応答性に影響を与える要因を考慮すると、作動油の粘度が低い状態ではオーバーラップ長の長い第1の油圧制御弁210を用いて作動油の給排制御を行い、一方、作動油の粘度が高い場合にはオーバーラップ長の短い(実質的には「0」の)第2の油圧制御弁220を用いて作動油の給排制御を行うことが好都合である。なぜなら、作動油の粘度が低い状態では、各連絡ポートPa1,Pb1,Pa2,Pb2が開くと作動油の給排が即座に行われるため、このオーバーラップ長をある程度設けておかなければ、カム角を目標位相に収束させる際の制御の安定性が得られないためである。一方、作動油の粘度が高い状態では、各連絡ポートPa1,Pb1,Pa2,Pb2が開いても作動油の給排が行われるようになるまでに時間を要するため、オーバーラップ長が長いと制御の応答性がさらに悪化するためである。
そこで、本実施形態においては、作動油の粘度に応じて、第1の油圧制御弁210と第2の油圧制御弁220とを使い分けるようにしている。以下、上記電子制御装置100aを通じて実行されるその具体的な処理手順を図4を参照して説明する。
図4に示されるように、この処理に際してはまず冷却水温センサ8によって検出された冷却水温Thwが読み込まれ(ステップS10)、次いで、この冷却水温Thwが基準温度Aより高いか否かが判定される(ステップS11)。この基準温度Aとは、上記作動油の粘度を判定するために経験的に求められた値であり、この値よりも冷却水温Thwが高いときには作動油の粘度が低いと推定され、逆にこの値以下であるときには作動油の粘度が高いと推定される。
そして、上記ステップS11での判定結果が肯定の場合、ステップS12において、上記第2の油圧制御弁220と可変バルブタイミング機構10とを接続する各油路Wa2,Wb2を遮断状態とするように切替弁40が切り替えられる。そしてその後は、上記目標位相と実位相との偏差に基づき、第1の油圧制御弁210を通じて可変バルブタイミング機構10への作動油の給排制御が実行される(ステップS13)。
一方、上記ステップS11での判定結果が否定の場合、ステップS14において、第2の油圧制御弁220と可変バルブタイミング機構10とを接続する各油路Wa2,Wb2が連通状態とされるように切替弁40が切り替えられ、作動油の流通が許可される。そしてこの場合には、引き続き第1の油圧制御弁210が上述した閉塞領域CAに位置するように制御される(ステップS15)。そしてその後は、ステップS16に移行して、上記目標位相と実位相との偏差に基づき、第2の油圧制御弁220を通じて可変バルブタイミング機構10への作動油の給排制御が行われる。
以上説明した本実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)弁体によって各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長が異なる第1の油圧制御弁210と第2の油圧制御弁220とを予め用意し、作動油のその都度の粘度に応じてそれら各油圧制御弁210,220を使い分けることとした。これにより、油圧制御弁の駆動制御にかかる演算負荷の軽減はもとより、油圧制御弁としての物理的な制約も軽減され、作動油の粘度に影響されないより安定したバルブタイミング制御が実現されるようになる。
(2)作動油の粘度が内燃機関の機関温度である冷却水温Thwに基づいて推定され、該機関温度が基準温度Aを超えている期間が作動油の粘度が低い期間として認識され、同機関温度がこの基準温度A以下となっている期間が前記作動油の粘度が高い期間として認識されることとした。機関温度である冷却水温Thwと作動油の粘度とは高い相関関係にあることから、このような冷却水温Thwに基づいて作動油の粘度を推定することで、油圧制御弁の使い分けもより適切なされるようになり、ひいては上述したバルブタイミング制御の安定性も高く維持されるようになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング制御装置を具体化した第2の実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。
この第2の実施形態では、先の第1の実施形態と異なり、オーバーラップ長の異なる二つのスプール弁が一体化された油圧制御弁を用いて作動油の給排が制御されている。図5は、本実施形態のバルブタイミング制御装置の概略構成を示した図である。なお、第1の実施形態と同じ部材には同様の符号を付しており、その説明は省略する。
図5に示されるように、この共通油圧制御弁200には、オイルポンプOPによって圧送された作動油が供給ポートPs1から供給され、この作動油が一方では進角側連絡ポートPa1から進角側油路Wa1を通じて可変バルブタイミング機構10の進角側油圧室R1に供給される。また他方では、遅角側連絡ポートPb1から遅角側油路Wb1を通じて遅角側油圧室R2に供給される。また、可変バルブタイミング機構10のそれら進角側油圧室R1あるいは遅角側油圧室R2から排出された作動油は、同共通油圧制御弁200の進角側および遅角側の排出ポートPd1からオイルパン30へと排出される。なお、この共通油圧制御弁200においては、これら連絡ポートPa1,Pb1と給排ポートPs1,Pd1とは、各連絡ポートPa1,Pb1がともに弁機構によって閉塞される領域である閉塞領域CAを経て切り替えられる。
また、共通油圧制御弁200には、オイルポンプOPによって圧送された作動油が供給ポートPs2から供給され、この作動油が一方では進角側連絡ポートPa2から進角側油路Wa2を通じて可変バルブタイミング機構10の進角側油圧室R1に供給され、他方では遅角側連絡ポートPb2から遅角側油路Wb2を通じて遅角側油圧室R2に供給される。また、可変バルブタイミング機構10のそれら進角側油圧室R1あるいは遅角側油圧室R2から排出された作動油は、同共通油圧制御弁200の進角側および遅角側の排出ポートPd2からオイルパン30へと排出される。なお、この共通油圧制御弁200は、これら連絡ポートPa2,Pb2と給排ポートPs2,Pd2とが閉塞領域CAを経ずに切り替えられるように構成されている。
このように共通油圧制御弁200が構成されることで、進角側連絡ポートPa1および遅角側連絡ポートPb1を通じて可変バルブタイミング機構10における作動油の給排制御を行う場合と、進角側連絡ポートPa2および遅角側連絡ポートPb2を通じた給排制御を行う場合とは、制御に対する作動油の給排態様が異なることとなる。
図6はこの共通油圧制御弁200の具体的な構造、並びにその動作態様を示してものであり、次に、この図6を併せ参照して、その油圧制御弁として構成をさらに詳述する。
まず、共通油圧制御弁200は、同図6(a)〜(d)に示されるように、筒状のスリーブ201を備えており、このスリーブ201に、上記進角側油路Wa1と接続される進角側連絡ポートPa1、上記遅角側油路Wb1と接続される遅角側連絡ポートPb1がそれぞれ形成されている。また、このスリーブ201には同様に、上記進角側油路Wa2と接続される進角側連絡ポートPa2、上記遅角側油路Wb2と接続される遅角側連絡ポートPb2がそれぞれ形成されている。そして、このスリーブ201には、オイルパン30からの作動油が供給される供給ポートPs1,Ps2、そして上記進角側油圧室R1および遅角側油圧室R2から排出される作動油をオイルパン30に戻す排出ポートPd1,Pd2がそれぞれ形成されている。また、このスリーブ201内には、4つの円柱状の弁体Va1,Vb1,Va2,Vb2とともに、両端近傍に同じく円柱状からなる仕切りSa,Sbが形成されたスプール202が設けられている。このうち、弁体Va1,Vb1は仕切りSa,Sbと比べて、その軸方向における幅が大きく形成されている。一方、弁体Va2,Vb2は仕切りSa,Sbと比べて、その軸方向における幅が小さく形成されている。なお、弁体Va1および弁体Vb1の幅はそれぞれ同一であって、その幅は、上記各連絡ポートPa1,Pb1の径よりも大きく形成されており、弁体Va2および弁体Vb2の幅はそれぞれ同一であって、その幅は、上記各連絡ポートPa2,Pb2の径と等しく形成されている。また、スプール202は、スプリング204によって、例えば矢印F01方向に常時付勢されており、この付勢力に抗する態様で、すなわち矢印F02方向に作動するソレノイド203への通電の有無あるいは強弱によって、スリーブ201の内周に沿うようにその軸方向に往復運動する。
ここで、まず切替弁40によって進角側油路Wa2および遅角側油路Wb2とが遮断された状態における共通油圧制御弁200の動作態様を説明する。
例えば、ソレノイド203への通電がされていない状態、すなわちスプール202がスプリング204の付勢力のみによって矢印F01方向に移動している状態では、図6(a)に示されるように、供給ポートPs1と進角側連絡ポートPa1とが連通するとともに、排出ポートPd1と遅角側連絡ポートPb1とが連通する。このような状態では、図5に示した可変バルブタイミング機構10は、その進角側油圧室R1の油量が増大される一方、遅角側油圧室R2の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは進角側に制御される。
また、ソレノイド203への通電が最大限に行われた場合には、図6(b)に示されるように、スプール202はスリーブ201内で矢印F02方向に移動し、供給ポートPs1と遅角側連絡ポートPb1とが連通するとともに、排出ポートPd1と進角側連絡ポートPa1とが連通する。このような状態では、図5に示した可変バルブタイミング機構10は、その遅角側油圧室R2の油量が増大される一方、進角側油圧室R1の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは遅角側に制御される。これら、図6(a),(b)で示した状態においては、進角側連絡ポートPa2や遅角側連絡ポートPb2を通じては、上記進角側油路Wa2および遅角側油路Wb2が遮断されていることから、作動油の給排が行われない。
一方、切替弁40によって進角側油路Wa2および遅角側油路Wb2が共に連通された状態における共通油圧制御弁200の動作態様を説明する。
このような状態においては、ソレノイド203への通電態様によっては、共通油圧制御弁200が、図6(c)に示されるような状態になることがある。すなわち、供給ポートPs2と進角側連絡ポートPa2とが連通するとともに、排出ポートPd2と遅角側連絡ポートPb2とが連通する。一方、進角側連絡ポートPa1および遅角側連絡ポートPb1は共に、弁体Va1,Vb1によってそれぞれ閉塞される。このような状態では、図5に示した可変バルブタイミング機構10は、その進角側油圧室R1の油量が増大される一方、遅角側油圧室R2の油量が減少されるため、機関バルブのバルブタイミングは進角側に制御される。
また、ソレノイド203への通電が最大限に行われた場合には、図6(d)に示されるように、スプール202はスリーブ201内で矢印F02方向に移動し、供給ポートPs1と遅角側連絡ポートPb1とが連通するとともに、排出ポートPd1と進角側連絡ポートPa1とが連通する。この場合、上述した図6(b)にて示した共通油圧制御弁200とスプール202の位置は等しいが、切替弁40の切り替えによって、連絡ポートPa1,Pb1に加え連絡ポートPa2,Pb2を通じても作動油の給排が行われる。したがって、図5に示した可変バルブタイミング機構10は、その遅角側油圧室R2の油量が図6(b)の場合と比べてより迅速に増大される一方、進角側油圧室R1の油量が図6(b)の場合と比べてより迅速に減少される。
そして、本実施形態においては、このような油圧制御弁200が用いられて作動油の粘度に応じた制御が行われており、電子制御装置100bを通じて実行される具体的な処理手順を図7を参照して説明する。
図7に示されるように、まず冷却水温センサ8によって検出された冷却水温Thwが読み込まれ(ステップS20)、この基準温度Aとは、上記作動油の粘度を判定するために経験的に求められた値であり、この値よりも冷却水温Thwが高いときには作動油の粘度が低いと推定され、逆にこの値以下であるときには作動油の粘度が高いと推定される。
そして、上記ステップS21の判定結果が肯定の場合、すなわち作動油の粘度が低い場合、ステップS22において、共通油圧制御弁200と可変バルブタイミング機構10とを接続する各油路Wa2,Wb2を遮断状態とするように切替弁40が切り替えられる。仮に、この遮断処理が行われることなく共通油圧制御弁200が図6(a)や(b)にて示したような状態になるよう制御した場合、各連絡ポートPa2,Pb2を通じた作動油の給排も同時に行われることとなる。そのため、作動油の粘度が低い状態では、可変バルブタイミング機構の各油圧室R1,R2との間で給排される作動油量が想定されるより多くなってしまうため、ハンチング等が発生もより顕著になってしまう。この点、まず切替弁40による遮断処理が行われることにより、このような不具合を好適に抑制することができる。そしてその後は、ステップS23に移行して、上記目標位相と実位相との偏差に基づき、共通油圧制御弁200を通じて可変バルブタイミング機構10への作動油の給排制御が行われる。
一方、上記ステップS21の判定結果が否定の場合、ステップS24において、共通油圧制御弁200と可変バルブタイミング機構10とを接続する各油路Wa2,Wb2が連通状態とされているように切替弁40が切り替えられ、作動油の流通が許可される。そしてその後は、ステップS23に移行して、上記目標位相と実位相との偏差に基づき共通油圧制御弁200を通じて可変バルブタイミング機構10への作動油の給排制御が行われる。なおこの場合、作動油の粘度が低いため、共通油圧制御弁200が駆動されても即座には可変バルブタイミング機構10の各油圧室R1,R2における作動油の給排は開始されないが、連絡ポートPa1,Pb1に加え、連絡ポートPa2,Pb2を通じても上記作動油の給排が行われるため、制御の応答性の悪化はより好適に抑制されることとなる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の前記(1)および(2)の効果に準ずる効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(3)一体の共通油圧制御弁200を用いることで、第1の実施形態のバルブタイミング制御装置と比べて部品点数の削減、並びに省スペース化を図ることができるとともに、制御構造のさらなる簡略化を図ることができるようになる。
(他の実施形態)
なお、上記第1および第2の実施形態は以下のように適宜変更して実施可能である。
・上記各実施形態においては、冷却水温Thw等の機関温度から作動油の粘度を推定することとしたが、これに代えて、図1あるいは図5に破線にて付記したように、油温センサ9を設け、作動油の粘度が同作動油自体の油温に基づいて推定される構成を採用してもよい。この場合、エンジンシステムによっては作動油の油温を測定するためのセンサ9が別途に必要となる可能性もあるが、こうして作動油の油温を直接計測することで、上述した作動油の粘度の推定精度もさらに高められるようになる。
・また、こうした油温センサ9を用いない場合であれ、上記機関温度としては冷却水温Thw以外にも、例えば吸気温度等、他の機関温度に基づいて作動油の粘度が推定される構成を採用してもよい。この場合も、冷却水温のように、内燃機関の運転を制御する上で通常に用いられるパラメータを用いれば、何ら特殊なセンサ等を必要とすることなく、上記作動油の粘度を推定することが可能ともなる。
・上記の各油圧制御弁200、210、220は、それぞれスプリングとソレノイドとによりスプールが互いに反対の方向に引っ張られる構成を示したが、このような構成に代えて、スプリングとソレノイドとが互いにスプールを押圧しあう構成を採用してもよい。また、両方向にソレノイドを備える油圧制御弁を採用するようにしてもよい。
・第1の実施形態および第2の実施形態において、作動油の粘度が所定の粘度(温度)を境に変化した際には、まず切替弁40により各油路Wa2,Wb2の連通/許可状態を切り替えることとしたが、この処理は油圧制御弁の駆動の後に行うこととしてもよい。
・また、切替弁40を設ける位置としては、オイルパン30と給排ポートPs2,Pd2とを接続する通路を採用することもできる。
・第1の実施形態および第2の実施形態において、油圧制御弁200,210,220におけるオーバーラップ長の長さは本実施形態で示した値に限定されず、弁体と各連絡ポートとの関係を調整することで変更可能である。
・さらに、オーバーラップ長の異なる3つ以上の油圧制御弁を用意するとともに、作動油の粘度についても3段階以上の範囲で推定し、それら推定される粘度に見合った油圧制御弁をさらに細かく使い分ける構成としてもよい。
本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング制御装置の第1の実施形態について、その概略構成を示す油圧回路図およびブロック図。 (a)〜(d)は、同第1の実施形態の装置に採用される第1の油圧制御弁の具体的な構造、並びにその動作態様を示す部分断面図。 (a),(b)は、同第1の実施形態の装置に採用される第2の油圧制御弁の具体的な構造、並びにその動作態様を示す部分断面図。 同第1の実施形態によるバルブタイミング制御手順を示すフローチャート。 本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング制御装置の第2の実施形態について、その概略構成を示す油圧回路図およびブロック図。 (a)〜(d)は、同第2の実施形態の装置に採用される共通油圧制御弁の具体的な構造、並びにその動作態様を示す部分断面図。 同第2の実施形態によるバルブタイミング制御手順を示すフローチャート。 従来のバルブタイミング制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す斜視図。 従来のバルブタイミング制御装置の可変バルブタイミング機構との関係およびその油圧制御系を示す概略図。
符号の説明
CA…閉塞領域、L1…長さ、R1…進角側油圧室、R2…遅角側油圧室、Va,Vb,Va1,Va2,Vb1,Vb2…弁体、Pa1,Pa2…進角側連絡ポート、Pb1,Pb2…遅角側連絡ポート、Ps1,Ps2…供給ポート、Pd1,Pd2…排出ポート、1…クランクシャフト、10…可変バルブタイミング機構、40…切替弁、200…共通油圧制御弁、210…第1の油圧制御弁、220…第2の油圧制御弁。

Claims (6)

  1. 内燃機関のクランクシャフトと該クランクシャフトに駆動連結されるカムシャフトとの間に介在されてそれらクランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を変位せしめることにより機関バルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング機構と、この可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室にそれぞれ接続される進角側連絡ポートおよび遅角側連絡ポートおよびこれら各連絡ポートとの間で作動油の給排を行う給排ポートを有して前記クランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相の変位に際し可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排量を調量する油圧制御機構とを備える内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記油圧制御機構は、前記進角側連絡ポートおよび前記遅角側連絡ポートをそれぞれ開閉すべく連動して移動する弁体によってそれら各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長の異なる複数の弁機構を含み、それら複数の弁機構が前記作動油の粘度の変化に応じて切替使用される
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記油圧制御機構は、前記各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長の異なる複数の弁機構として、前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経て切り替えられる第1の油圧制御弁と、前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経ずに切り替えられる第2の油圧制御弁とを備えるとともに、第2の油圧制御弁の各連絡ポートおよび給排ポートのいずれか一方には、それらポートへの作動油の流通を遮断/許可する切替弁が設けられ、前記作動油の粘度が低い期間は、前記切替弁が遮断状態に制御されるとともに、前記第1の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御され、前記作動油の粘度が高い期間は、前記第1の油圧制御弁が前記閉塞領域に、且つ前記切替弁が流通許可状態にそれぞれ制御されるとともに、前記第2の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御される
    請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記油圧制御機構は、前記各連絡ポートが共に塞がれる区間の長さであるオーバーラップ長の異なる複数の弁機構として、前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経て切り替えられる第1の油圧制御弁と、この第1の油圧制御弁と一体化されたスプール弁を有して前記各連絡ポートと前記給排ポートとが閉塞領域を経ずに切り替えられる第2の油圧制御弁とを備えるとともに、第2の油圧制御弁の各連絡ポートおよび給排ポートのいずれか一方には、それらポートへの作動油の流通を遮断/許可する切替弁が設けられ、前記作動油の粘度が低い期間は、前記切替弁が遮断状態に制御されるとともに、前記第1の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御され、前記作動油の粘度が高い期間は、前記切替弁が流通許可状態に制御されるとともに、前記第2の油圧制御弁によって前記可変バルブタイミング機構の進角側油圧室および遅角側油圧室の間での作動油の給排が制御される
    請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 前記作動油の粘度が内燃機関の機関温度に基づいて推定され、該機関温度が一定の温度を超えている期間が前記作動油の粘度が低い期間として認識され、同機関温度がこの一定の温度以下となっている期間が前記作動油の粘度が高い期間として認識される
    請求項2または3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 前記機関温度が前記内燃機関の冷却水の温度として求められる
    請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 前記作動油の粘度が同作動油自体の油温に基づいて推定され、該作動油温が一定の温度を超えている期間が前記作動油の粘度が低い期間として認識され、同作動油温がこの一定の温度以下となっている期間が前記作動油の粘度が高い期間として認識される
    請求項2または3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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