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JP2008037667A - 窓用合わせガラス - Google Patents

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JP2008037667A JP2006210581A JP2006210581A JP2008037667A JP 2008037667 A JP2008037667 A JP 2008037667A JP 2006210581 A JP2006210581 A JP 2006210581A JP 2006210581 A JP2006210581 A JP 2006210581A JP 2008037667 A JP2008037667 A JP 2008037667A
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幸雄 木村
Yoshihito Katayama
佳人 片山
Kazuya Yaoita
和也 矢尾板
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】日射エネルギーの吸収を抑制し、内側への再放射を抑制し、かつ、内側から入射した光による映り込みを抑制することができる窓用合わせガラスの提供。
【解決手段】外側ガラス板と、赤外線反射膜と、中間膜と、内側ガラス板と、反射防止膜とをこの順に有する窓用合わせガラスであって、赤外線反射膜が、高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とが外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、被膜(1)の数と被膜(2)の数の合計が3以上であり、被膜(1)の幾何学的厚さが70〜150nmであり、被膜(2)の幾何学的厚さが100〜200nmである赤外線反射膜であり、反射防止膜が、高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記内側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である、窓用合わせガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓用合わせガラスに関する。
窓ガラス、特に自動車等の車両に用いられる窓ガラスには、車内温度上昇を防止するために赤外線反射膜が備えられているものがある。従来、高い赤外線反射性能を発揮するために、赤外線反射膜に銀系の金属薄膜を初めとした導電性薄膜が用いられることがあった。
しかし、ガラス板に導電性薄膜が積層されていると、電波透過性能が著しく低下する。しかも、この場合、電波透過性能の低下は近赤外領域から電波の領域まで広帯域にわたっての低下となる。電波透過性能の低下は、光ビーコン、雨・曇りセンサなどの赤外線感知機器の動作不良や、テレビ、ラジオ等の受信性能の低下を生じさせる。そのため、これら機能を有する車両には、高い赤外線反射性能を有する窓ガラスを搭載しにくかった。
そこで、電波透過性能を確保しつつ赤外線を遮断する窓ガラスとして、赤外線遮蔽性微粒子を分散配合したポリビニルブチラール(PVB)樹脂等からなる中間膜(以下「微粒子分散中間膜」という。)を用いた合わせガラス(例えば、特許文献1参照。以下、このタイプの合わせガラスを「微粒子含有合わせガラス」という。)が採用されるようになってきた。
微粒子含有合わせガラスは、例えば、赤外線遮蔽性微粒子にスズドープ酸化インジウム微粒子(以下「ITO微粒子」という。)を用いることで、ITO微粒子により赤外線遮蔽性能を中間膜に付与でき、かつ、ITO微粒子が分散していることにより中間膜のシート抵抗値の低下を防止できる。そのため、微粒子含有合わせガラスは、電波透過性能を確保しつつ赤外線を遮断する窓ガラスとして有用である。
しかし、微粒子含有合わせガラスは、更に高い赤外線遮蔽性能が求められる窓ガラスとしては以下の弱点を有するといわれている。一つは、近赤外領域、例えば1000nm付近の波長の光の遮蔽性があまり高くないといわれていることである(例えば、特許文献2の[0008]参照。)。もう一つは、微粒子分散中間膜において赤外線吸収がおこるため、吸収された日射エネルギーが車内に再放射されるといわれていることである(例えば、特許文献3の[0006]〜[0008]参照。)。
特開2001−151539号公報 特開2005−89244号公報 特開2004−26547号公報
本発明者は、鋭意研究した結果、近赤外領域の光の遮蔽性を向上させ、かつ、中間膜に吸収された日射エネルギーが車内に再放射されることを防止するためには、中間膜の外側に、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とが前記外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、前記被膜(1)の数と前記被膜(2)の数の合計が3以上であり、前記被膜(1)の幾何学的厚さが70〜150nmであり、前記被膜(2)の幾何学的厚さが100〜200nmである赤外線反射膜を設けることが有効であることを見出した。
また、本発明者は、合わせガラスにこのような赤外線反射膜を設けた場合に、車内側から入射した光が赤外線反射膜により反射することにより、映り込みが大きくなることを見出した。例えば、この合わせガラスを自動車のフロントガラスとして用いたときに、インスツルメントパネル等の映り込みが生じることを見出した。
そこで、本発明は、日射エネルギーの吸収を抑制し、内側への再放射を抑制し、かつ、内側から入射した光による映り込みを抑制することができる窓用合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、中間膜の外側に赤外線反射膜を有する合わせガラスの内側ガラス板の内側に、更に、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記内側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜を設けると、日射エネルギーの吸収を抑制し、内側への再放射を抑制するという赤外線反射膜の効果を保持しつつ、内側から入射した光による映り込みを抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(i)〜(xiv)を提供する。
(i)外側ガラス板と、赤外線反射膜と、中間膜と、内側ガラス板と、反射防止膜とをこの順に有する窓用合わせガラスであって、
前記赤外線反射膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とが前記外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、前記被膜(1)の数と前記被膜(2)の数の合計が3以上であり、前記被膜(1)の幾何学的厚さが70〜150nmであり、前記被膜(2)の幾何学的厚さが100〜200nmである赤外線反射膜であり、
前記反射防止膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記内側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である、窓用合わせガラス。
(ii)前記被膜(1)の少なくとも一つが、酸化チタンまたは酸窒化チタンの単層膜(1a)である、上記(i)に記載の窓用合わせガラス。
(iii)前記被膜(1)の少なくとも一つが、異なる種類の高屈折率無機質材料からなる2層以上の多層構造からなる高屈折多層膜(1b)であり、前記高屈折多層膜(1b)の少なくとも一つの層が酸化チタンまたは酸窒化チタンの層である、上記(i)に記載の窓用合わせガラス。
(iv)前記高屈折多層膜(1b)の少なくとも一つの層が酸化チタンまたは酸窒化チタンの層であり、前記高屈折多層膜(1b)の他の少なくとも一つの層が酸化ジルコニウムの層である、上記(iii)に記載の窓用合わせガラス。
(v)前記積層被膜(X)が、酸化ジルコニウムの層と酸化チタンまたは酸窒化チタンの層とを含む幾何学的厚さの合計が70〜150nmの高屈折率多層被膜(1b−1)の二つと、二つの前記高屈折率多層被膜(1b−1)の間に存在する前記被膜(2)とからなる、上記(i)に記載の窓用合わせガラス。
(vi)前記被膜(2)が酸化ケイ素の層である、上記(i)〜(v)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(vii)前記被膜(3)の少なくとも一つの層が、
酸窒化チタン層の単層膜(3a)、
酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3b)または
酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3c)
である、上記(i)〜(vi)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(viii)前記被膜(3)の少なくとも一つの層が、
酸窒化チタン層の単層膜(3a)、
酸化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3b−1)または
酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)
である、上記(i)〜(vi)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(ix)前記反射防止膜が、前記内側ガラス板側から、前記被膜(3)、酸化ケイ素の単層膜、酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)、酸化ケイ素の単層膜がこの順に積層された反射防止膜である、上記(i)〜(vi)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(x)前記内側ガラス板の上に積層された前記被膜(3)が、酸化チタン層の単層膜である、上記(ix)に記載の窓用合わせガラス。
(xi)入射角60°で内側から入射した光の前記反射防止膜の表面での可視光反射率が、6%以下である、上記(i)〜(x)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(xii)前記中間膜が、赤外線遮蔽性微粒子が分散配合されたポリビニルブチラール樹脂からなる、上記(i)〜(xi)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(xiii)更に、前記外側ガラス板の前記赤外線反射膜を有する面と反対の面に、第2反射防止膜を有し、
前記第2反射防止膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記外側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である、上記(i)〜(xii)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
(xiv)前記外側ガラス板が無色透明ガラスであり、かつ、前記内側ガラス板がグリーン系有色透明ガラスまたは濃色ガラスである、上記(i)〜(xiii)のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
本発明の窓用合わせガラスは、日射エネルギーの吸収を抑制し、内側への再放射を抑制し、かつ、内側から入射した光による映り込みを抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の窓用合わせガラスは、外側ガラス板と、赤外線反射膜と、中間膜と、内側ガラス板と、反射防止膜とをこの順に有する窓用合わせガラスであって、前記赤外線反射膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とが前記外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、前記被膜(1)の数と前記被膜(2)の数の合計が3以上であり、前記被膜(1)の幾何学的厚さが70〜150nmであり、前記被膜(2)の幾何学的厚さが100〜200nmである赤外線反射膜であり、前記反射防止膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記内側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である、窓用合わせガラスである。
図1は、本発明の窓用合わせガラスの一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、窓用合わせガラス1は、基本的に、外側ガラス板10と、赤外線反射膜12と、中間膜14と、内側ガラス板16と、反射防止膜18とをこの順に有する。
窓用合わせガラス1が窓に用いられた際には、外側ガラス板10が外側に配され、内側ガラス板16が内側に配される。
<外側ガラス板および内側ガラス板>
外側ガラス板および内側ガラス板は、特に限定されないが、通常、ソーダライムシリカガラスが好適に用いられる。この場合、無色透明ガラスであっても、有色透明ガラスであってもよい。
外側ガラス板は、無色透明ガラスであるのが好ましい。また、内側ガラス板は、グリーン系有色透明ガラスまたは濃色ガラスであるのが好ましい。中でも、外側ガラス板が無色透明ガラスであり、かつ、内側ガラス板がグリーン系有色透明ガラスまたは濃色ガラスである組合せが好ましい。グリーン系有色透明ガラスは、紫外線吸収性能および赤外線吸収性能を有するのが好ましい。これらにより、外側でできるだけ日射エネルギーを反射することができ、さらには、窓用合わせガラスの日射透過率を小さくすることができるからである。
グリーン系有色透明ガラスは、特に限定されないが、例えば、鉄を含有するソーダライムシリカガラスが好適に挙げられる。例えば、ソーダライムシリカ系の母ガラスに、Fe23換算で、全鉄0.3〜1質量%を含有するソーダライムシリカガラスである。さらに、近赤外領域の波長の光の吸収は全鉄のうちの2価の鉄による吸収が支配的であるため、FeO(2価の鉄)の質量が、Fe23換算で、全鉄の20〜40質量%であるのが好ましい。
紫外線吸収性能を付与するためには、ソーダライムシリカ系の母ガラスにセリウム等を加える方法が挙げられる。具体的には、実質的に以下の組成のソーダライムシリカガラスを用いるのが好ましい。
SiO2:65〜75質量%、Al23:0.1〜5質量%、Na2O+K2O:10〜18質量%、CaO:5〜15質量%、MgO:1〜6質量%、Fe23換算した全鉄:0.3〜1質量%、CeO2換算した全セリウムおよび/またはTiO2:0.5〜2質量%。
濃色ガラスは、特に限定されないが、例えば、鉄を高濃度で含有するソーダライムシリカガラスが好適に挙げられる。
<赤外線反射膜>
赤外線反射膜は、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とが前記外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、前記被膜(1)の数と前記被膜(2)の数の合計が3以上であり、前記被膜(1)の幾何学的厚さが70〜150nmであり、前記被膜(2)の幾何学的厚さが100〜200nmである赤外線反射膜である。
本発明において、高屈折率無機質材料とは、ガラス板の屈折率よりも高い屈折率を有する無機質の材料である。その屈折率の値は、1.90以上であり、2.00〜2.60であるのが好ましく、2.20〜2.60であるのがより好ましい(なお、屈折率の値は、波長550nmにおける値である。以下同様。)。
高屈折率無機質材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、窒化アルミニウム、酸窒化チタン、酸窒化スズ等が好適に挙げられる。
本発明において、低屈折率無機質材料とは、前記高屈折率無機質材料よりも屈折率が低い無機材料である。屈折率の値は1.56以下であり、1.40〜1.56であるのが好ましく、1.45〜1.56であるのがより好ましい。
低屈折率無機質材料としては、酸化ケイ素、MgF2、酸化ケイ素と他の材料(Al、F、C、B、P等)との複合酸化物等が好適に挙げられる。中でも、酸化ケイ素、酸化ケイ素とAlとの複合酸化物が好ましく、酸化ケイ素がより好ましい。
本発明において被膜(1)の幾何学的厚さ(被膜(1)が多層膜である場合は各層の幾何学的厚さの合計)は、70〜150nmであり、90〜150nmであるのが好ましく、100〜140nmであるのがより好ましい。
被膜(2)の幾何学的厚さ(被膜(2)が多層膜である場合は各層の幾何学的厚さの合計)は、120〜220nmであり、150〜220nmであるのが好ましく、170〜200nmであるのがより好ましい。
被膜(1)を構成する高屈折率無機質材料の屈折率の値と、被膜(2)を構成する低屈折率無機質材料の屈折率の値とを考慮すると、被膜(1)の幾何学的厚さおよび被膜(2)の幾何学的厚さが上記範囲であると、各被膜の光学的厚さが赤外線の波長の約4分の1になり、被膜(1)と被膜(2)とを交互に積層した積層被膜(X)の干渉作用により赤外線を効率的に反射させることができる。
積層被膜(X)においては、被膜(1)の数と被膜(2)の数の合計が3以上である。したがって、少なくとも二つの被膜(1)が存在するが、これらは、それぞれ同じ材料からなる被膜であってもよく、異なる材料からなる被膜であってもよい。被膜(2)についても同様であり、赤外線反射膜中に被膜(2)が2以上存在する場合、それぞれ同じ材料からなる被膜であってもよく、異なる材料からなる被膜であってもよい。
被膜(1)(複数あるうちの各被膜(1))は、単独の高屈折率無機質材料からなる単層膜であってもよく、異なる種類の高屈折率無機質材料からなる2層以上の多層構造からなる高屈折率多層膜(1b)であってもよい。
被膜(1)が単層膜である場合、酸化チタンまたは酸窒化チタンの単層膜(1a)であるのが好ましい。酸化チタンは、透明であり、高屈折率無機質材料の中でも特に屈折率が高いため、膜厚を小さくすることができるという利点がある。また、酸窒化チタンも、高い屈折率を有するので有利である。酸窒化チタン層の単層膜は、酸窒化チタン(TiOxy)層のみからなる膜である。被膜(1)の材料として酸窒化チタンを使用する場合、反射率、透過率等の光学特性をより良好にできるため、チタンに対する窒素の量が0.1〜20%であるのが好ましい。
高屈折率多層膜(1b)は、高屈折率多層膜(1b)を構成する少なくとも一つの層が酸化チタンまたは酸窒化チタンの層であるのが好ましい。
酸化チタンまたは酸窒化チタンの層以外の他の層としては、例えば、酸化ジルコニウムの層、酸化スズの層、酸化タンタルの層、酸化亜鉛の層、酸化ニオブの層が挙げられる。中でも、酸化ジルコニウムの層が好ましい。
高屈折率多層膜(1b)としては、酸化ジルコニウムの層と酸化チタンまたは酸窒化チタンの層とからなる高屈折率多層膜(1b−1)が好ましい。酸化ジルコニウム層と、酸化チタンまたは酸窒化チタンの層との積層順は特に限定されず、外側ガラス板側から酸化ジルコニウムの層、酸化チタンまたは酸窒化チタンの層の順に積層する態様、外側ガラス板側から酸化チタンまたは酸窒化チタンの層、酸化ジルコニウムの層の順に積層する態様挙げられるが、外側ガラス板側から酸化ジルコニウムの層、酸化チタンまたは酸窒化チタンの層の順に積層する態様が、熱処理時のクラック発生をより効果的に抑制できる点で好ましい。
積層被膜(X)は、酸化ジルコニウムの層と酸化チタンまたは酸窒化チタンの層とを含む幾何学的厚さの合計が70〜150nmの高屈折率多層被膜(1b−1)の二つと、二つの高屈折率多層被膜(1b−1)の間に存在する被膜(2)とからなるのが好ましい。
被膜(1)として、前記のように酸窒化チタンの単層膜や、酸化ジルコニウムの層と酸化チタンまたは酸窒化チタンの層とからなる高屈折率多層膜(1b−1)を用いるのが好ましいのは、以下の理由によるものである。
外側ガラス板に赤外線反射膜を設けた後、曲げ加工や強化加工等の熱処理を施すことがある。被膜の材料によっては曲げ加工や強化加工の際の熱処理によって、赤外線反射膜にクラックが発生するおそれがある。特に、赤外線反射膜全体の幾何学的厚さが大きい場合(例えば、300nm以上である場合)には、クラックの発生について大きな懸念がある。クラックの発生は、主に熱処理時の結晶化による膜の体積収縮に起因すると考えられる。よって、結晶化速度が遅い材料からなる被膜を用いたり、異なる材料を積層した多層膜を用いることにより体積収縮を抑制したりするなどの手法によりクラックの発生を抑制することができる。
酸窒化チタンは、酸化チタンに比べて熱処理時に結晶化が進行しにくい。よって、被膜(1)の構成材料として酸窒化チタンを採用すれば、クラックの発生を抑制することができる。
また、クラック発生を抑制するためには、被膜(1)を多層膜とすることも有用であり、特に、酸化ジルコニウムの層と酸化チタンまたは酸窒化チタンの層とを含む多層膜とするのが好ましい。
酸化ジルコニウム層は、成膜時に大部分が単斜晶化する。また、酸化ジルコニウム層は酸化チタン層と結晶格子の大きさが同程度であり、格子マッチングがおきやすい。このような酸化ジルコニウム層が隣接することによって、熱処理時に酸化チタン層の内部で格子が再配列して結晶化することが抑制されるため、熱処理時に収縮が起こりにくい(すなわち、結晶化しにくい)ことが考えられる。よって、酸化ジルコニウム層と酸化チタン層とを積層することによってクラック発生を抑制することができる。
酸化ジルコニウムの層と酸窒化チタンの層との多層被膜とすると、これら両方の効果が得られるため、より好ましい。
被膜(2)(複数ある場合は、各被膜(2))は、単独の低屈折率無機質材料からなる単層膜であってもよく、異なる種類の低屈折率無機質材料からなる2層以上の多層構造からなる低屈折率多層膜であってもよい。被膜(2)は、単独の低屈折率無機質材料からなる単層膜であるのが好ましく、酸化ケイ素からなる単層膜であるのがより好ましい。
赤外線反射膜は、高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とを外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、被膜(1)の数と被膜(2)の数との合計が3以上である。合計数は、3以上であれば特に限定されないが、多くなりすぎると合計膜厚が厚くなりすぎ、膜の耐久性が劣化するおそれがあり、また、コスト面でも不利になるので、7以下であるのが好ましい。
被膜(1)の数と被膜(2)の数との合計は、奇数であっても偶数であってもよく、赤外線反射ガラス板が使用される状況に応じて、適宜決定することができるが、奇数であるのが好ましく、3、5、7がより好ましく、3または5が更に好ましい。
赤外線反射膜全体の幾何学的厚さ(総膜厚)は、耐久性を良好にする観点から、200〜700nmであるのが好ましく、300〜500nmであるのがより好ましい。
赤外線反射膜は、積層被膜(X)の外側ガラス板側および内側ガラス板側の一方または両方に、無機材料からなる薄膜(Y)を有していてもよい。
薄膜(Y)においては、薄膜(Y)を構成する各層の幾何学的厚さは、いずれも70nm未満である。薄膜(Y)は、単層構造であっても多層構造であってもよい。
薄膜(Y)は、赤外線反射性能を付与するための主たる膜ではないが、赤外線反射性能に影響を与えることがある。また、反射色、可視光透過率等を決定付ける役割を果たすため、薄膜(Y)が積層されている場合は、薄膜(Y)を含めたすべての膜が光学特性に関与する。
薄膜(Y)としては、例えば、中間膜との接着性を調整する接着力調整膜が挙げられる。
本発明の窓用合わせガラスは、車両用窓(特に、自動車の安全窓ガラス)に好適であり、積層被膜(X)の内側ガラス側の面が中間膜と接する構成で合わせガラスとされるのが好ましい。合わせガラスには所定の耐貫通性が求められ、この耐貫通性を支配する一因に中間膜と積層被膜(X)との接着力がある。そのため、中間膜と積層被膜(X)との接着力を調整する接着力調整膜を、積層被膜(X)の内側ガラス板側に積層するのが好ましい。接着力調整膜としては、酸化クロムからなる薄膜が好適に例示される。接着力調整膜の幾何学的厚さは5〜40nmであるのが好ましい。
また、別の好適な薄膜(Y)の例としては、合わせガラスの反射色等を調整する膜が挙げられる。
赤外線反射機能を付与するにあたり、高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とを単純に順次積層することで所望の光学特性を得るためには、積層する膜の数を多くするほどその選択肢が広がるが、上述したように、多く積層して総膜厚が厚くなるほど、膜の耐久性が劣化しやすいため、適度な膜構成にする必要がある。
一方で、多くの選択肢の中には、波長400〜800nm、特に400〜600nmの領域の反射スペクトルに極大極小の波(以下「リップル」という。)を生じる場合がある。リップルを生じると、面内の膜厚変動(ムラ)により反射(透過)極大の波長がずれ、反射(透過)色の光彩、すなわち、色ムラ(iridescence)となって目に感知されることになり、反射色に分布が発生したり、赤外線反射性能が低下するおそれがある。
そこで、積層被膜(X)の内側ガラス側に、薄膜(Y)を形成することにより、良好な光学特性を得ることができ、日射反射率(Re)を40%程度以下に維持しながら、反射スペクトルにおけるリップルを抑制することができ、外観の良好な窓用合わせガラスとすることができる。
この目的で形成する薄膜(Y)は、干渉作用を有するのが好ましいことから、多層構造であるのが好ましく、互いに接する薄膜(Y)の層と積層被膜(X)の被膜との屈折率差が0.3以上であるのが好ましく、0.5以上であるのがより好ましい。具体的には、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる幾何学的厚さが5〜40nmの高屈折率層(c)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる幾何学的厚さ5〜40nmの低屈折率層(d)とが交互に積層された、合計層数が偶数であり、積層被膜(X)の被膜(1)に接する層が低屈折率層(d)であるのが好ましい。
高屈折率層(c)としては、例えば、酸化チタンの層、酸窒化チタンの層、酸化スズの層、酸化亜鉛の層が挙げられる。中でも、酸化チタンの層が好ましい。低屈折率層(d)としては、酸化ケイ素の層、MgF2の層、酸化ケイ素と他の材料(Al、F、C、B、P等)との複合酸化物の層等が好適に挙げられる。中でも、酸化ケイ素の層、酸化ケイ素とAlとの複合酸化物の層が好ましく、酸化ケイ素の層がより好ましい。
赤外線反射膜としては、以下に示す[1]〜[8]の態様が好適に挙げられる。中でも、リップルを効果的に抑制しつつ、膜の耐久性を維持できる点で[2]〜[4]および[6]〜[8]の態様が好ましく、[2]および[3]の態様がより好ましく、[3]の態様が更に好ましい。なお、以下の例示においては、赤外線反射膜が設けられる外側ガラス板をG1で表し、積層被膜(X)における高屈折率無機質材料からなる被膜(1)をHで表し、低屈折率無機質材料からなる被膜(2)をLで表す。また、薄膜(Y)における高屈折率層をH′で表し、低屈折率層をL′で表す。さらに、外側ガラス板からの積層順序を添え字で表す。
[1]:(外側)G1/[積層被膜(X)(H1/L2/H3)](内側)
[2]:(外側)G1/[薄膜(Y)(H′1/L′2)]/[積層被膜(X)(H3/L4/H5)](内側)
[3]:(外側)G1/[積層被膜(X)(H1/L2/H3)]/[薄膜(Y)(L′4/H′5)](内側)
[4]:(外側)G1/[薄膜(Y)(H′1/L′2)]/[積層被膜(X)(H3/L4/H5)](内側)
[5]:(外側)G1/[積層被膜(X)(H1/L2/H3/L4/H5)](内側)
[6]:(外側)G1/[薄膜(Y)(H′1/L′2)]/[積層被膜(X)(H3/L4/H5/L6/H7)](内側)
[7]:(外側)G1/[積層被膜(X)(H1/L2/H3/L4/H5)]/[薄膜(Y)(L′6/H′7)](内側)
[8]:(外側)G1/[薄膜(Y)(H′1/L′2)]/[積層被膜(X)(H3/L4/H5/L6/H7)]/[薄膜(Y)(L′8/H′9)](内側)
赤外線反射膜を上記構成にすることにより、窓用合わせガラスの電波透過性を確保しつつ、日射反射率を大きく、かつ、日射透過率を小さくすることができ、耐久性にも優れる。
赤外線反射膜は、本発明の窓用合わせガラスが車両窓に好適に用いられることから電波透過性が十分に確保されているのが好ましい。
具体的には、赤外線反射膜のシート抵抗値が1kΩ/□以上であるのが好ましい。シート抵抗値は大きいほどよいことから、その上限は特に限定されない。また、上記赤外線反射膜を形成する材料は、熱処理を受けると、材料の酸化が進むため、熱処理前のシート抵抗値よりも大きなシート抵抗値を有することとなる。
外側ガラス板に赤外線反射膜を設けた後、曲げ加工や強化加工等の熱処理を施すことがある。熱処理は、通常の曲げ加工や強化加工において採用される条件によって行うことができる。例えば、設定温度650℃、熱処理時間15分間の条件で行われる。
外側ガラス板に赤外線反射膜を設ける方法は、特に限定されず、例えば、公知の方法により、被膜(1)と被膜(2)とをこの順に交互に積層して積層被膜(X)を形成させ、必要に応じて積層被膜(X)の外側ガラス板側および内側ガラス板側の一方または両方に薄膜(Y)を積層する方法が挙げられる。公知の方法は、特に限定されないが、スパッタリング法が好ましい。
熱処理を行う場合、熱処理前の構成は熱処理後の構成と同様であるのが好ましい。ただし、酸窒化チタンは、熱処理を受けると、材料中の窒素原子が窒素ガス等のガスとして膜から放出される。よって、通常、熱処理前の被膜(1)中の酸窒化チタンの層の窒素含有率は、熱処理後の被膜(1)の窒素含有率より大きく、チタンに対する窒素の量が0.1〜80%であるのが好ましく、2〜40%であるのがより好ましく、3〜40%であるのが更に好ましい。チタンに対する窒素の量が上記範囲であると、熱処理前後における屈折率変化が小さく、かつ、熱処理時におけるクラックの発生を抑制する効果が大きくなる。
スパッタリング法は、例えば、DC(直流)スパッタリング方式、AC(交流)スパッタリング方式、高周波スパッタリング方式、マグネトロンスパッタリング方式が挙げられる。中でも、プロセスが安定しており、大面積への成膜が容易であるという利点があるので、DCマグネトロンスパッタリング法、ACマグネトロンスパッタリング法が好ましい。
ターゲットの材質やスパッタガスの組成は、成膜する膜の種類によって適宜選択される。また、スパッタリングの条件(圧力、温度等)は、成膜する膜の種類、厚さ等により適宜決定される。スパッタガスの全圧は、グロー放電が安定に行われる圧力であればよい。
<反射防止膜>
反射防止膜は、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記内側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である。
上述したように、本発明の窓用合わせガラスは、赤外線反射膜を有しており、このために映り込みが大きくなるが、更に、内側ガラス板の内側表面に反射防止膜を有するため、この映り込みが抑制されている。
また、本発明の窓用合わせガラスは、反射防止膜を有するため、可視光透過率が高いものとなるので、内側ガラス板として濃色ガラスを用いても視認性が損なわれない。したがって、内側ガラス板として濃色ガラスを用いることにより、熱線吸収能力を高くすることができ、また、日射透過率を低くすることができる。
本発明に用いられる反射防止膜において、高屈折率無機質材料とは、屈折率が1.90以上の材料を意味し、低屈折率無機質材料とは、屈折率が1.56以下の材料を意味する。
反射防止膜において積層される被膜(3)および被膜(4)は、合計で、2層、4層、6層または8層であるのが好ましく、2層、4層または6層であるのがより好ましく、4層であるのが更に好ましい。
被膜(3)は、その少なくとも1層が、酸窒化チタン層の単層膜(3a)、酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3b)または酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3c)である。このように、酸化チタン層に窒素を含有させたり、酸化チタン層に隣接して酸化ジルコニウム層を設けたりすることによって、熱処理時のクラックが防止される。以下、上記(3a)〜(3c)の各膜について説明する。
<酸窒化チタン層の単層膜(3a)>
酸窒化チタン層の単層膜(3a)は、酸窒化チタン(TiOxy)層のみからなる膜である。酸窒化チタン層は、酸化チタン層に比べて、熱処理時に結晶化が進行しにくい。このため、クラックの発生を抑制することができる。
酸窒化チタン(TiOxy)層は、チタンに対する窒素の量が0.1〜80%であるのが好ましい。チタンに対する窒素の量が上記範囲であると、クラックの発生を抑制する効果がより大きくなる。クラックの発生を抑制する効果を更に大きくするためには、熱処理前におけるチタンに対する窒素の量が2〜40%であるのが好ましく、3〜40%であるのがより好ましい。
また、反射率、透過率等の光学特性をより良好にするためには、熱処理後におけるチタンに対する窒素の量が0.1〜20%であるのが好ましく、0.1〜10%であるのがより好ましく、0.1〜5%であるのが更に好ましい。
なお、本発明に用いられる赤外線反射膜および反射防止膜においては、酸窒化チタン層の組成(チタンに対する窒素の量)は、X線光電子分光法(XPS)、ESCA等により分析することができる。
酸窒化チタン層における酸素と窒素との割合(具体的にはxおよびyの値)は、直接測定することが困難である。しかし、チタンに対する窒素の量が測定により求まること、(x+y)の値がおおよそ1.8〜2.1の値をとると考えられることから、おおよその値を推測することができる。
酸窒化チタン層の好ましい組成におけるxおよびyの値の例を以下に示す。これらは、yの値を固定して算出した値として記載する。
チタンに対する窒素の量が0.1%である場合、xが1.799〜2.099、yが0.001。
チタンに対する窒素の量が2%である場合、xが1.78〜2.08、yが0.02。
チタンに対する窒素の量が3%である場合、xが1.77〜2.07、yが0.03。
チタンに対する窒素の量が5%である場合、xが1.75〜2.05、yが0.05。
チタンに対する窒素の量が10%である場合、xが1.70〜2.00、yが0.10。
チタンに対する窒素の量が40%である場合、xが1.40〜1.70、yが0.40。
チタンに対する窒素の量が80%である場合、xが1.00〜1.30、yが0.80。
熱処理は、通常の曲げ加工や強化加工において採用される条件によって行うことができ、550〜700℃の温度範囲で、好ましくは600〜700℃の温度範囲で、行うことができる。具体的には、例えば、設定温度650℃、熱処理時間15分間の条件で行われる。
酸窒化チタン層は、幾何学的厚さが、5〜160nmであるのが好ましく、40〜140nmであるのがより好ましい。上記範囲であると、反射防止膜の反射防止効果が大きくなり、また、クラックが入りにくいうえ、内側ガラス板の反りも低減することができる。さらに、酸窒化チタン層の幾何学的厚さが80〜120nmであると、反射防止膜付き内側ガラス板の反射色が透明な内側ガラス板自体の反射色により近くなるため、とりわけ好ましい。
酸窒化チタン層の製造方法については、後述する。
<酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3b)>
酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3b)は、1層以上の酸化チタン層と1層以上の酸化ジルコニウム層とを含む積層膜である。積層膜(3b)に含まれる酸化チタン層は1層または2層であるのが好ましく、積層膜(3b)に含まれる酸化ジルコニウム層は1層また2層であるのが好ましい。また、積層膜(3b)に含まれる酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とは隣接して積層されているのが好ましい。
酸化ジルコニウム層は、成膜時に大部分が単斜晶化する。また、酸化ジルコニウム層は酸化チタン層と結晶格子の大きさが同程度であり、格子マッチングがおきやすい。そして、このような酸化ジルコニウム層が隣接することによって、熱処理時に酸化チタン層の内部で格子が再配列して結晶化することが抑制されるため、熱処理時に収縮が起こりにくいのであると考えられる。または、成膜時に酸化チタン層がある程度配列した構造を持つことにより、酸化チタンの再配列が起こりにくい(すなわち、結晶化しにくい)ということも考えられる。このため、酸化チタン層のクラックの発生を抑制することができる。
積層膜(3b)の構造は、酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とが隣接して積層されていれば特に限定されず、例えば下記の構造が挙げられる。
酸化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3b−1)、
酸化チタン層と酸化ジルコニウム層と酸化チタン層との積層膜、
酸化ジルコニウム層と酸化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜、
酸化チタン層と酸化ジルコニウム層と酸化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜。
これらのうち、積層膜(3b−1)が好ましい。積層膜(3b−1)は、酸化チタン(TiO2)層と酸化ジルコニウム(ZrO2)層とが隣接して積層されている膜である。積層膜(3b−1)は、少ない層数でクラックの発生を抑制できるので、経済的に優れており、実用上有用である。
より具体的には、下記構造が挙げられる。
内側ガラス板側からZrO2/TiO2からなる2層構造、
内側ガラス板側からTiO2/ZrO2/TiO2からなる3層構造、
内側ガラス板側からZrO2/TiO2/ZrO2からなる3層構造、
内側ガラス板側からZrO2/TiO2/ZrO2/TiO2からなる4層構造。
酸化チタン層の内側ガラス板側に酸化ジルコニウム層を有する構造(例えば、[内側ガラス板側]ZrO2/TiO2[膜面側]の2層構造)、2層の酸化チタン層の間に酸化ジルコニウム層を有する構造(例えば、[内側ガラス板側]ZrO2/TiO2/ZrO2/TiO2[膜面側]からなる4層構造、[内側ガラス板側]TiO2/ZrO2/TiO2[膜面側]からなる3層構造)が、クラック発生の抑制の点で、好ましい。
そのほかに、内側ガラス板側からZrO2/TiO2/ZrO2/TiO2からなる4層構造も好ましい。その4層膜の合計厚さを被膜(3)の全体の厚さとすると、酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とからなる2層構造と比べて、酸化チタン層の1層あたりの厚さを薄くすることができ、この点からもクラックの発生が抑制される。
積層膜(3b)は、反射率、透過率、膜抵抗値等の特性に影響を及ぼさない限り、本発明の目的を損なわない範囲で、高屈折率無機質材料からなる他の層を有していてもよい。積層膜(3b)が有していてもよい高屈折率無機質材料からなる他の層としては、酸化チタン層、酸化亜鉛層、酸化タンタル層、酸化ジルコニウム層、酸化ニオブ層、窒化ケイ素層、窒化ジルコニウム層、窒化アルミニウム層等が使用できる。
積層膜(3b)は、幾何学的厚さが、40〜160nmであるのが好ましく、50〜140nmであるのがより好ましい。上記範囲であると、反射防止膜の反射防止効果が大きくなり、また、クラックが入りにくいうえ、内側ガラス板の反りも低減できる。さらに、積層膜(3b)の幾何学的厚さが80〜130nmであると、反射防止膜付き内側ガラス板の反射色が透明な内側ガラス板自体の反射色により近くなるため、とりわけ好ましい。
積層膜(3b)がZrO2/TiO2からなる2層構造の場合、酸化チタン層は、積層膜(3b)の幾何学的厚さを超えない範囲で30〜150nmであるのが好ましく、70nm〜120nmであるのがより好ましい。
また、TiO2/ZrO2/TiO2からなる3層構造およびZrO2/TiO2/ZrO2/TiO2からなる4層構造の場合、各酸化チタン層が10〜80nmであるのが好ましい。また、各酸化チタン層の幾何学的厚さが30〜60nmであると、反射防止膜付き内側ガラス板の反射色が透明な内側ガラス板自体の反射色により近くなるため、とりわけ好ましい。
酸化ジルコニウム層は、幾何学的厚さが、5〜50nmであるのが好ましく、10〜40nmであるのがより好ましい。
酸化ジルコニウム層の幾何学的厚さが5nm以上であると、成膜時に結晶化する部分がより多くなり、酸化チタン層のクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
酸化ジルコニウム層の屈折率は、酸化チタン層の屈折率に比べて小さい。そのため、積層膜(3b)の屈折率は、酸化チタン層の単層膜に比べて小さくなる。酸化ジルコニウム層の幾何学的厚さが50nm以下であると、積層膜(3b)の屈折率が十分に高くなる。
また、酸化ジルコニウム層の幾何学的厚さが50nm以下であると、酸化ジルコニウム層自体が大きな応力を持って熱処理時にクラックを生じる可能性を、効果的に抑制することができる。
積層膜(3b)は、酸化チタン層、酸化ジルコニウム層、および、必要により反射率、透過率、膜抵抗値等の特性に影響を及ぼさない限り他の高屈折率無機質材料からなる層を積層して得ることができる。この高屈折率層からなる層としては、酸化チタン層、酸化亜鉛層、酸化タンタル層、酸化ジルコニウム層、酸化ニオブ層、窒化ケイ素層、窒化ジルコニウム層、窒化アルミニウム層等が挙げられる。各層の製造方法については、後述する。
<酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3c)>
酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3c)は、1層以上の酸窒化チタン層と1層以上の酸化ジルコニウム層とを含む積層膜である。積層膜(3c)に含まれる酸窒化チタン層は1層または2層であるのが好ましく、層膜(3c)に含まれる酸化ジルコニウム層は1層または2層であるのが好ましい。また、積層膜(3c)に含まれる酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とは隣接して積層されているのが好ましい。
積層膜(3c)は、上述した単層膜(3a)の効果と積層膜(3b)の効果とを併せ持つため、クラックの発生をより効果的に抑制することができる。
積層膜(3c)の酸窒化チタン(TiOxy)層におけるチタンに対する窒素の量は、前記(3a)の酸窒化チタン(TiOxy)層の単層膜におけるチタンに対する窒素の量と同様である。xおよびyの値についても同様である。
積層膜(3c)の構造は、酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とが隣接して積層されていれば特に限定されず、例えば下記の構造が挙げられる。
酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)、
酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層と酸窒化チタン層との積層膜、
酸化ジルコニウム層と酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜、
酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層と酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層の積層膜。
これらのうち、積層膜(3c−1)が好ましい。酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)は、酸窒化チタン(TiOxy)層と酸化ジルコニウム(ZrO2)層とが隣接して積層されている膜である。
より具体的には下記構造が挙げられる。
内側ガラス板側からZrO2/TiOxyからなる2層構造(3c−1−1)、
内側ガラス板側からTiOxy/ZrO2/TiOxyからなる3層構造、
内側ガラス板側からZrO2/TiOxy/ZrO2からなる3層構造、
内側ガラス板側からZrO2/TiOxy/ZrO2/TiOxyからなる4層構造。
中でも、酸窒化チタン層の内側ガラス板側に酸化ジルコニウム層を有する構造(例えば、[内側ガラス板側]ZrO2/TiOxy[膜面側]の2層構造)、2層の酸窒化チタン層の間に酸化ジルコニウム層を有する構造[例えば、ZrO2/TiOxy/ZrO2/TiOxyからなる4層構造]が、クラック発生の抑制の点で好ましく、[内側ガラス板側]ZrO2/TiOxy[膜面側]の2層構造(積層膜(3c−1−1))がより好ましい。
積層膜(3c)は、幾何学的厚さが、40〜160nmであるのが好ましく、50〜140nmであるのがより好ましい。上記範囲であると、反射防止膜の反射防止効果が大きくなり、また、クラックが入りにくいうえ、内側ガラス板の反りも低減できる。さらに、積層膜(3c)の幾何学的厚さが80〜130nmであると、反射防止膜付き内側ガラス板の反射色が透明な内側ガラス板自体の反射色により近くなるため、とりわけ好ましい。
積層膜(3c)がZrO2/TiOxyからなる2層構造の場合、酸窒化チタン層の厚さは、積層膜(3c)の幾何学的厚さを超えない範囲で30〜150nmであるのが好ましく、70〜120nmであるのがより好ましい。
また、TiOxy/ZrO2/TiOxyからなる3層構造の場合、ZrO2/TiOxy/ZrO2/TiOxyからなる4層構造、各酸窒化チタン層が10〜80nmであるのが好ましい。また、各酸窒化チタン層の幾何学的厚さが30〜60nmであると、反射防止膜付き内側ガラス板の反射色が透明な内側ガラス板自体の反射色により近くなるため、とりわけ好ましい。
酸化ジルコニウム層は、幾何学的厚さが、5〜50nmであるのが好ましく、10〜40nmであるのがより好ましい。
酸化ジルコニウム層の幾何学的厚さが5nm以上であると、成膜時に結晶化する部分がより多くなり、酸窒化チタン層のクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
酸化ジルコニウム層の屈折率は、酸窒化チタン層の屈折率に比べて小さい。そのため、積層膜(3c)の屈折率は、酸窒化チタン層の単層膜に比べて小さくなる。酸化ジルコニウム層の幾何学的厚さが50nm以下であると、積層膜(3c)の屈折率が十分に高くなる。
また、酸化ジルコニウム層の幾何学的厚さが50nm以下であると、酸化ジルコニウム層自体が大きな応力を持って熱処理時にクラックを生じる可能性を、効果的に抑制することができる。
積層膜(3c−1−1)においては、TiOxy層の幾何学的厚さは、70〜120nmであるのが好ましく、90〜110nmであるのがより好ましい。ZrO2層の幾何学的厚さは、5〜50nmであるのが好ましい。ZrO2層の幾何学的厚さが小さすぎると、反射防止膜の耐摩耗性が低下する場合があるため、8〜30nmであるのが更に好ましい。TiOxyの幾何学的厚さおよびZrO2層の幾何学的厚さが前記の範囲を満たしていれば、反射防止効果やクラック発生防止効果は十分なものとなる。これらの効果に加えて、熱処理時における反射防止膜付き内側ガラス板の反りを抑制するためには、ZrO2層の幾何学的厚さとTiOxyの幾何学的厚さとの比は、各々の層の幾何学的厚さが前記範囲を満たす範囲において、ZrO2層/TiOxy層として1/(4〜14)であるのが好ましい。
また、積層膜(3c)は、反射率、透過率、膜抵抗値等の特性に影響を及ぼさない限り、本発明の目的を損なわない範囲で、高屈折率無機質材料からなる他の層を有していてもよい。高屈折率無機質材料からなる他の層としては、酸化チタン層、酸化亜鉛層、酸化タンタル層、酸化ジルコニウム層、酸化ニオブ層、窒化ケイ素層、窒化ジルコニウム層、窒化アルミニウム層等が挙げられる。中でも、酸化チタン層が好ましい。
酸化チタン層を有する積層膜(3c)の構造としては、例えば、TiO2/ZrO2/TiOxyからなる3層構造、ZrO2/TiO2/ZrO2/TiOxyからなる4層構造、ZrO2/TiOxy/ZrO2/TiO2からなる4層構造が挙げられる。
TiO2/ZrO2/TiOxyからなる3層構造の場合、各酸窒化チタン層および酸化チタン層が10〜80nmであるのが好ましい。ZrO2/TiO2/ZrO2/TiOxyからなる4層構造およびZrO2/TiOxy/ZrO2/TiO2からなる4層構造の場合も、各酸窒化チタン層および酸化チタン層が10〜80nmであるのが好ましい。また、各酸窒化チタン層および酸化チタン層の幾何学的厚さが30〜60nmであると、反射防止膜付き内側ガラス板の反射色が透明な内側ガラス板自体の反射色により近くなるため、とりわけ好ましい。
なお、各層の製造方法については後述する。
本発明では、被膜(3)としては、前記(3a)〜(3c)のうち、酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3c)が好ましく、酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)がより好ましく、内側ガラス板側からZrO2層/TiOxy層なる2層構造(3c−1−1)が更に好ましい。
本発明においては、被膜(3)は、少なくとも1層が上述した(3a)〜(3c)のいずれかであればよい。即ち、被膜(3)が2層以上ある場合、上述した(3a)〜(3c)以外の層を有していてもよい。ただし、この場合は、内側ガラス板から最も遠い被膜(3)が上述した(3a)〜(3c)のいずれかであるのが好ましい。
上述した(3a)〜(3c)以外の層は、特に限定されず、従来公知の層を用いることができる。例えば、酸化チタン層、酸化亜鉛層、酸化タンタル層、酸化ジルコニウム層、酸化ニオブ層、窒化ケイ素層、窒化ジルコニウム層、窒化アルミニウム層が挙げられる。中でも、酸化チタン層が好ましい。
本発明では、内側ガラス板に積層される被膜(3)および被膜(4)の合計の総数は4層であるのが好ましいことから、3層目に相当する被膜(3)が前記(3a)〜(3c)のいずれかであり、1層目に相当する高屈折率無機質材料が前記従来公知の高屈折率無機質材料からなる層であるのが好ましい。
上述した(3a)〜(3c)以外の被膜(3)の幾何学的厚さは、被膜(3)が酸化チタン層、酸化亜鉛層、酸化タンタル層、酸化ジルコニウム層または酸化ニオブ層である場合は5〜200nmであるのが好ましく、5〜100nmであるのがより好ましく、5〜60nmであるのが更に好ましい。また、被膜(3)が窒化ケイ素層、窒化ジルコニウム層または窒化アルミニウム層である場合は5〜160nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜60nmが更に好ましい。上記範囲であると、反射防止膜の反射防止効果が大きくなり、また、クラックが入りにくいうえ、内側ガラス板の反りも低減できる。
被膜(3)の屈折率は、1.90以上であればよいが、2.00〜2.60であるのが好ましく、2.20〜2.60であるのがより好ましい。
被膜(4)は、特に限定されず、従来公知の層を用いることができる。例えば、酸化ケイ素(SiO2)層が好ましい。
被膜(4)の幾何学的厚さは、5〜220nmであるのが好ましく、20〜140nmであるのがより好ましい。上記範囲であると、反射防止効果が大きくなり、また、クラックが入りにくいうえ、内側ガラス板の反りも低減できる。
被膜(4)の屈折率は、1.56以下であればよいが、1.45以上であるのが好ましい。
本発明において、被膜(3)と被膜(4)との合計の総数が4層以上である場合、複数存在する被膜(3)の幾何学的厚さは同等の厚さとしてもよく、差があってもよい。これは、複数存在する被膜(4)についても同様である。
複数存在する被膜の幾何学的厚さに差がある場合の例を示すと、合計総数が4層である場合、1層目の被膜(3)の幾何学的厚さを5〜20nm、2層目の被膜(4)の幾何学的厚さを20〜60nm、3層目の被膜(3)の幾何学的厚さを70〜130nm、4層目の被膜(4)の幾何学的厚さを80〜120nmとする例が挙げられる。
本発明に用いられる反射防止膜付き内側ガラス板は、上述した内側ガラス板上に、上述した被膜(3)と上述した被膜(4)とを、前記内側ガラス板側からこの順に偶数層積層することにより反射防止膜を形成させて、得ることができる。
以下、各層の製造方法について説明する。
酸窒化チタン層、酸化チタン層、酸化ジルコニウム層および必要により積層される他の高屈折率無機質材料からなる層、ならびに、被膜(4)を構成する層の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、いずれもスパッタリング法で成膜するのが好ましい。
スパッタリング法は、例えば、DC(直流)スパッタリング方式、AC(交流)スパッタリング方式、高周波スパッタリング方式、マグネトロンスパッタリング方式が挙げられる。中でも、プロセスが安定しており、大面積への成膜が容易であるという利点があるので、DCマグネトロンスパッタリング法、ACマグネトロンスパッタリング法が好ましい。
酸窒化チタン層の製造においては、例えば、ターゲットとしてTiOx(1<x<2)を用い、スパッタガスとして窒素原子を含むガスを含有するガスを用いて、反応性スパッタリング法を行う方法が好適に挙げられる。
酸化チタン層の製造においては、例えば、ターゲットとしてTiOx(1<x<2)を用い、スパッタガスとして酸素原子を含むガスを含有するガスを用いて、反応性スパッタリング法を行う方法が好適に挙げられる。
酸化ジルコニウム層の製造においては、例えば、ターゲットとしてジルコニウムを用い、スパッタガスとして酸素原子を含むガスを含有するガスを用いて、反応性スパッタリング法を行う方法が好適に挙げられる。
酸化ケイ素層の製造においては、例えば、ターゲットとして炭化ケイ素(SiC)を用い、スパッタガスとして酸素原子を含むガスを含有するガスを用いて、反応性スパッタリング法を行う方法が好適に挙げられる。
ターゲットには、Al、Si、Zn等公知のドーパントを本発明の特徴を損なわない範囲でドープしてもよい。この場合、ドーパントの量は、ターゲットに含まれる全金属原子に対して20%以下とするのが好ましい。
窒素原子を含むガスを含有するガスは、窒素原子を含むガスを含有するものであれば特に限定されず、例えば、窒素原子を含むガス、窒素原子を含むガスと不活性ガスとの混合ガスが挙げられる。
窒素原子を含むガスとしては、例えば、窒素ガス(N2)、N2O、NO、NO2、NH3が挙げられる。
不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスが挙げられる。中でも、経済性および放電のしやすさの点から、アルゴンが好ましい。
これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
酸素原子を含むガスを含有するガスは、酸素原子を含むガスを含有するものであれば特に限定されず、例えば、酸素原子を含むガス、酸素原子を含むガスと不活性ガスとの混合ガスが挙げられる。
酸素原子を含むガスとしては、例えば、酸素ガス(O2)、二酸化炭素ガス(CO2)が挙げられる。
不活性ガスについては、上記と同様である。
これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
スパッタリングの条件は、成膜する膜の種類、厚さ等により適宜決定されうる。また、スパッタガスの全圧は、グロー放電が安定に行われる圧力であればよい。
本発明に用いられる反射防止膜付き内側ガラス板の好適な実施態様(1)〜(4)を以下に列挙する。中でも、実施態様(1)〜(3)が好ましく、実施態様(2)がより好ましい。以下、内側ガラス板をG2で表し、被膜(3)をH、被膜(4)をLとし、内側ガラス板側からの積層順序を添え字で表す。
(1)(外側)G2/H1/L2(内側)で表され、H1が上述した(3a)、(3b)または(3c)である、2層からなる反射防止膜を有する内側ガラス板。
(2)(外側)G2/H1/L2/H3/L4(内側)で表され、H3が上述した(3a)、(3b)または(3c)である、4層からなる反射防止膜を有する内側ガラス板。
(3)(外側)G2/H1/L2/H3/L4/H5/L6(内側)で表され、H5が上述した(3a)、(3b)または(3c)である、6層からなる反射防止膜を有する内側ガラス板。
(4)(外側)G2/H1/L2/H3/L4/H5/L6/H7/L8(内側)で表され、H7が上述した(3a)、(3b)または(3c)である、8層からなる反射防止膜を有する内側ガラス板。
実施態様(2)につき、より具体的に好適な例を以下に列挙する。(2−1)においてはZrO2/TiO2/ZrO2/TiO2が、(2−2)においてはTiO2/ZrO2/TiO2が、(2−3)においてはZrO2/TiO2が、(2−4)においてはZrO2/TiOxyが、(2−5)においてはTiOxyが、前記のH3に相当する。
(2−1)(外側)G2/TiO2/SiO2/ZrO2/TiO2/ZrO2/TiO2/SiO2(内側)
(2−2)(外側)G2/TiO2/SiO2/TiO2/ZrO2/TiO2/SiO2(内側)
(2−3)(外側)G2/TiO2/SiO2/ZrO2/TiO2/SiO2(内側)
(2−4)(外側)G2/TiO2/SiO2/ZrO2/TiOxy/SiO2(内側)
(2−5)(外側)G2/TiO2/SiO2/TiOxy/SiO2(内側)
本発明の窓用合わせガラスにおいては、入射角60°で内側ガラス板側から入射した光の反射防止膜の表面での反射が、可視光反射率として6%以下であるのが好ましい。上記範囲であると、反射防止性能が十分となる。
<中間膜>
中間膜は、赤外線反射膜と内側ガラス板とを接着させることができるものであれば特に限定されないが、PVB樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂が好ましく、PVB樹脂がより好ましい。
中間膜は、赤外線遮蔽性微粒子が分散配合されているのが好ましく、赤外線遮蔽性微粒子が分散配合されたPVB樹脂からなるのがより好ましい。
赤外線遮蔽性微粒子としては、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、VおよびMoからなる群から選ばれる金属;これらの酸化物、窒化物および硫化物;これらにSbまたはFをドープしたドープ物が挙げられる。
中でも、アンチモンがドープされた酸化スズ(ATO)微粒子、ITO微粒子および酸化亜鉛微粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つであるのが好ましい。ATO、ITOおよび酸化亜鉛微粒子は、赤外線遮蔽性能に優れているため、中間膜への配合量を少なくすることができるためである。このうち、ITO微粒子が、赤外線遮蔽性能に優れている点で好ましい。
赤外線遮蔽性微粒子は、粒径が0.2μm以下であるのが好ましく、0.001〜0.15μmであるのがより好ましい。
中間膜における赤外線遮蔽性微粒子の含有割合は、中間膜全体に対して、0.1〜1質量%であるのが好ましく、0.1〜0.5質量%であるのがより好ましい。上記範囲であると、赤外線遮蔽機能を効果的に発揮することができるとともに、微粒子が混合されていることに起因するヘイズを小さくすることができる。
赤外線遮蔽性微粒子が分散配合されている中間膜は、例えば、以下の方法により得ることができる。
まず、可塑剤中に赤外線遮蔽性微粒子を分散させる。ついで、中間膜に用いられる樹脂(例えば、PVB樹脂、EVA樹脂)の溶液中に赤外線遮蔽性微粒子が分散された可塑剤を分散添加し、混合混練して中間膜用樹脂原料を得る。その後、中間膜用樹脂原料を押出成形等によりフィルムとすることにより、赤外線遮蔽性微粒子が分散配合された中間膜が得られる。なお、可塑剤の分散添加の際に、各種の添加剤を樹脂の溶液中に添加することもできる。添加剤としては、顔料、有機系紫外線吸収剤、有機系赤外線吸収剤等が挙げられる。また、可塑剤や、中間膜に用いられる樹脂の溶液に用いられる溶剤としては、公知のものを用いることができる。
<第2反射防止膜>
本発明の窓用合わせガラスは、更に、前記外側ガラス板の前記赤外線反射膜を有する面と反対の面に、第2反射防止膜を有し、前記第2反射防止膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記外側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜であるのが好ましい態様の一つである。この態様においては、赤外線の中間膜での吸収がより効果的に防止され、映り込みがより効果的に防止され、外側から見たときのギラギラ感がより小さくなる。
第2反射防止膜の構成等は、設けられる位置が異なる以外は、基本的に上述した反射防止膜と同様である。
本発明の窓用合わせガラスの製造方法は、特に限定されないが、例えば、外側ガラス板の内側表面に赤外線反射膜を形成させ、一方で、内側ガラス板の内側表面に反射防止膜を形成させ、外側ガラス板上の赤外線反射膜と内側ガラス板との間に中間膜を挟み、プレスにより一体化させる方法、外側ガラス板の内側表面に赤外線反射膜を形成させ、外側ガラス板上の赤外線反射膜と内側ガラス板の外側表面との間に中間膜を挟み、プレスにより一体化させ、その後、内側ガラス板の内側表面に反射防止膜を形成させる方法が挙げられる。このとき、ガラス板に対して赤外線反射膜または反射防止膜を形成した後、中間膜を挟む前の段階で、上述した熱処理を行ってもよい。
本発明の窓用合わせガラスが、第2反射防止膜を有する場合は、外側ガラス板の内側表面に赤外線反射膜を形成させる前、外側ガラス板の内側表面に赤外線反射膜を形成させた後、および、内側ガラス板の内側表面に反射防止膜を形成させた後のいずれのタイミングでも、第2反射防止膜を設けることができる。中でも、本発明に用いられる反射防止膜の最外層に酸化ケイ素層を設けた場合、耐擦傷性に極めて優れることから、外側ガラス板の外側表面に第2反射防止膜を形成した後に、内側表面への赤外線反射膜の形成以降の工程を行うと、赤外線反射膜の形成以降の工程において傷が付きにくいため、好ましい。このとき、外側ガラス板に対して赤外線反射膜および第2反射防止膜を形成した後、中間膜を挟む前の段階で、上述した熱処理を行ってもよい。
本発明の窓用合わせガラスは、用途を特に限定されず、広範な用途に用いることができる。例えば、自動車窓(例えば、ウインドシールド、ルーフ窓、昇降窓、側部固定窓、バックライト、ルーフ窓)、鉄道車両窓等の車両窓;建築窓が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.窓用合わせガラスの製造
(実施例1〜7、比較例1ならびに参考例1および2)
以下に示される、外側ガラス板と、赤外線反射膜と、中間膜と、内側ガラス板と、反射防止膜とを組み合わせて、以下に示される構成を有する窓用合わせガラスを得た。具体的には、赤外線反射膜を内側に形成された外側ガラス板(実施例3および4においては、赤外線反射膜を内側に形成され、反射防止膜を外側に形成された外側ガラス板。比較例1においては、単独の外側ガラス板。)と、反射防止膜を内側に形成された内側ガラス板(比較例1ならびに参考例1および2においては、単独の内側ガラス板。)との間に中間膜を配置し、圧力13〜13.5kgf/cm2、温度130〜135℃の条件で20分間プレスすることにより、一体化させて、窓用合わせガラスを得た。
(1)外側ガラス板
外側ガラス板としては、以下に示されるFL2を用いた。
・FL2:無色透明ソーダライムシリカガラス、旭硝子(株)製、厚さ2.0mm、縦100mm×横100mm
(2)赤外線反射膜
赤外線反射膜としては、以下に示される構成を有する赤外線反射膜を用いた。なお、以下に示される構成中、各層の形成は、左から順に行った。また、各層の幾何学的厚さをかっこ内に示した。
(外側)ZrO2(15nm)/TiOxy(105nm)/SiO2(185nm)/ZrO2(15nm)/TiOxy(105nm)/SiO2(30nm)/TiO2(10nm)(内側)
各層の形成は、以下のようにして行った。なお、最初のZrO2層の形成においては、被処理体として外側ガラス板を用い、以後の各層の形成においては、被処理体としてそれまでに形成された層を有する外側ガラス板を用いた。
<ZrO2層>
真空槽内にZrターゲットをスパッタターゲットとしてカソード上に設置し、真空槽を2.0×10-3Pa以下となるまで排気した。ついで、スパッタガスとして酸素ガス60sccmとアルゴンガス140sccmとを導入した。このとき、圧力は3.0×10-1Paとなった。この状態で、DCパルス電源を用いて反応性スパッタリング法を行い、真空槽内に設置した被処理体の上に、ZrO2層を形成させた。
<TiOxy層>
真空槽内にTiOx(1<x<2)ターゲットをスパッタターゲットとしてカソード上に設置し、真空槽を2.0×10-3Pa以下となるまで排気した。ついで、スパッタガスとしてアルゴンガス270sccmと窒素ガス20sccmと酸素ガス12sccmとを導入した。このとき、圧力は4.2×10-1Paとなった。この状態で、AC電源を用いて反応性スパッタリング法を行い、真空槽内に設置した被処理体の上に、TiOxy層を形成させた。
<SiO2層>
真空槽内にSiAl(Al:10%)ターゲットをスパッタターゲットとしてカソード上に設置し、真空槽を2.0×10-3Pa以下となるまで排気した。ついで、スパッタガスとしてアルゴンガス210sccmと酸素ガス190sccmとを導入した。このとき、圧力は3.4×10-1Paとなった。この状態で、AC電源を用いて反応性スパッタリング法を行い、真空槽内に設置した被処理体の上に、SiO2層を形成させた。
<TiO2層>
真空槽内にTiOx(1<x<2)ターゲットをスパッタターゲットとしてカソード上に設置し、真空槽を2.0×10-3Pa以下となるまで排気した。ついで、スパッタガスとしてアルゴンガス280sccmと酸素ガス20sccmとを導入した。このとき、圧力は4.3×10-1Paとなった。この状態で、AC電源を用いて反応性スパッタリング法を行い、真空槽内に設置した被処理体の上に、TiO2層を形成させた。
以下、各層を構成する材料の屈折率を第1表に示す。この値は波長550nmにおける値である。
Figure 2008037667
上記で得られた赤外線反射膜付き外側ガラス板を小型のベルト炉に設置し、熱処理を行った。熱処理の条件は、設定温度650℃、熱処理時間15分間であった。
(3)中間膜
中間膜としては、以下に示されるIR−PVBまたはPVBを用いた。
・IR−PVB:ITO微粒子が分散配合されたPVB樹脂からなる膜、旭硝子(株)製、厚さ0.76mm、縦100mm×横100mm
・PVB:PVB樹脂からなる膜、縦100mm×横100mm
(4)内側ガラス板
内側ガラス板としては、以下に示されるUVFL2、UVK2.3、UVK2.8またはUVK2を用いた。
・UVFL2:グリーン系有色透明ソーダライムシリカガラス、旭硝子(株)製、厚さ2.0mm、縦100mm×横100mm
・UVK2.3:濃色ソーダライムシリカガラス、旭硝子(株)製、厚さ2.3mm、縦100mm×横100mm
・UVK2.8:濃色ソーダライムシリカガラス、旭硝子(株)製、厚さ2.8mm、縦100mm×横100mm
・UVK2:濃色ソーダライムシリカガラス、旭硝子(株)製、厚さ2.0mm、縦100mm×横100mm
(5)反射防止膜
反射防止膜としては、以下に示される構成を有するAR(反射防止膜)およびAR2(第2反射防止膜)を用いた。なお、以下に示される構成中、各層の形成は、ARについては左から、AR2については右から順に行った。また、各層の幾何学的厚さをかっこ内に示した。
・AR
(外側)TiO2(10nm)/SiO2(30nm)/ZrO2(15nm)/TiOxy(100nm)/SiO2(100nm)(内側)
・AR2
(外側)SiO2(100nm)/TiOxy(100nm)/ZrO2(15nm)/SiO2(30nm)/TiO2(10nm)(内側)
(ARおよびAR2の製造方法)
各層の形成は、赤外線反射膜と同様にして行った。なお、ARについては、最初のTiO2層の形成においては、被処理体として内側ガラス板を用い、以後の各層の形成においては、被処理体としてそれまでに形成された層を有する内側ガラス板を用いた。AR2については、最初のTiO2層の形成においては、被処理体として外側ガラス板(外側面)を用い、以後の各層の形成においては、被処理体としてそれまでに形成された層を有する外側ガラス板を用いた。最後のSiO2層を形成した後、外側ガラス板(内側面)に上記の方法により赤外線反射膜を形成して、AR2と赤外線反射膜とを両面に設けた外側ガラス板を得た。
また、上記で得られたAR付きガラス板およびAR2と赤外線反射膜とを両面に設けた外側ガラス板を小型のベルト炉に設置し、熱処理を行った。熱処理の条件は、設定温度650℃、熱処理時間は15分間であった。
また、ガラス板上にTiOxy層を形成したサンプルについて、上記熱処理の前後における、チタンに対する窒素の量をESCAにより測定した。また、xとyの値を前記の前提により求めた結果を第2表に示す。なお、ガラス板上にTiOxy層のみを形成した構成であっても、チタンに対する窒素の量は、赤外線反射膜付き外側ガラス板、AR付きガラス板およびAR2と赤外線反射膜とを両面に設けた外側ガラス板において測定する場合と変わらないと考えられる。
Figure 2008037667
(6)窓用合わせガラスの構成
比較例1:(外側)FL2/IR−PVB/UVFL2(内側)
参考例1:(外側)FL2/赤外線反射膜/IR−PVB/UVFL2(内側)
実施例1:(外側)FL2/赤外線反射膜/IR−PVB/UVFL2/AR(内側)
実施例2:(外側)FL2/赤外線反射膜/IR−PVB/UVK2.3/AR(内側)
実施例3:(外側)AR2/FL2/赤外線反射膜/IR−PVB/UVFL2/AR(内側)
実施例4:(外側)AR2/FL2/赤外線反射膜/IR−PVB/UVK2.8/AR(内側)
参考例2:(外側)FL2/赤外線反射膜/PVB/UVFL2(内側)
実施例5:(外側)FL2/赤外線反射膜/PVB/UVFL2/AR(内側)
実施例6:(外側)FL2/赤外線反射膜/PVB/UVK2/AR(内側)
実施例7:(外側)FL2/赤外線反射膜/PVB/UVK2.3/AR(内側)
2.窓用合わせガラスの光学特性
上記で得られた窓用合わせガラスの各種の光学特性を、以下のようにして測定した。
(1)内側可視光反射率(内側Rv)
A光源を用いて、入射角60°で、窓用合わせガラスの内側から入射した光の可視光反射率を波長300〜2100nmの間で測定し、JIS R3106:1998の規定に準じて、内側可視光反射率(内側Rv)を求めた。内側可視光反射率は、映り込みの指標となる。
結果を第3表に示す。
(2)外側可視光反射率(外側Rv)および可視光透過率(Tv)
A光源を用いて、入射角0°で、窓用合わせガラスの外側から入射した光の可視光反射率および可視光透過率を波長300〜2100nmの間で測定し、JIS R3106:1998の規定に準じて、外側可視光反射率(外側Rv)および可視光透過率(Tv)を求めた。外側可視光反射率は、外側から見たときのギラギラ感の指標となる。
結果を第3表に示す。
(3)外側日射反射率(外側Re)および日射透過率(Te)
入射角0°で、窓用合わせガラスの外側から入射した光の日射反射率および日射透過率を波長300〜2100nmの間で測定し、JIS R3106:1998の規定に準じて、外側日射反射率(外側Re)および日射透過率(Te)を求めた。
結果を第3表に示す。また、参考例2および実施例5の波長300〜2100nmの領域における外側日射反射率のグラフを図2に示す(図2(A)が参考例2、図2(B)が実施例5である。)。図2においては、横軸が波長、縦軸が外側日射反射率である。
Figure 2008037667
第3表から明らかなように、赤外線反射膜を有する場合(参考例1)は、赤外線反射膜を有しない場合(比較例1)と比べて、外側日射反射率が高かったが、内側可視光反射率が高かった。
これに対し、赤外線反射膜を有し、更に、反射防止膜を有する本発明の窓用合わせガラス(実施例1)は、比較例1と比べて、外側日射反射率が高く、日射透過率が低く、かつ、内側可視光反射率が低かった。したがって、赤外線の中間膜での吸収が防止され、赤外線の内側への進入が防止され、かつ、映り込みを防止することができた。
また、赤外線反射膜を有し、更に、反射防止膜を有する本発明の窓用合わせガラス(実施例1)は、比較例1と比べて、外側可視光反射率が低かった。したがって、外側から見たときのギラギラ感が小さかった。
また、濃色ガラスを用いた場合(実施例2)、可視光透過率が十分であり、かつ、実施例1と比べて、日射透過率が低かった。したがって、視認性が損なわれずに、赤外線の内側への進入がより効果的に防止されていた。
さらに、第2反射防止膜を有する場合(実施例3および4)は、実施例1および2と比べて、同程度の可視光透過率でありつつ、外側日射反射率が高く、内側可視光反射率が格段に低く、かつ、外側可視光反射率が格段に低かった。したがって、視認性が損なわれずに、赤外線の中間膜での吸収がより効果的に防止され、映り込みが格段に効果的に防止され、外側から見たときのギラギラ感が格段に小さかった。特に、厚い濃色ガラスを用いた場合(実施例4)は、更に、日射透過率が格段に低かった。すなわち、赤外線の内側への進入が格段に効果的に防止されていた。
さらに、上述した中間膜としてITO微粒子が分散配合されたPVB樹脂からなる膜を用いた場合についての参考例1、実施例1および実施例2の関係は、ITO微粒子を含有しない場合についての参考例2、実施例5および実施例7の関係についても同様であった。また、この場合において、濃色ガラスの厚さを薄くしたとき(実施例6)は、実施例7と比べて、可視光透過率が高かった。したがって、視認性に優れていた。
さらに、図2から明らかなように、外側ガラス板の内側に赤外線反射膜を有し、更に、内側ガラス板の内側に反射防止膜を有する本発明の窓用合わせガラス(実施例5)は、赤外線反射膜を有し、反射防止膜を有しない場合(参考例2)と比べて、可視光における反射率が低く、かつ、赤外域における反射率が高かった。したがって、外側から見たときのギラギラ感が小さく、かつ、赤外線の中間膜での吸収が防止されていた。
本発明の窓用合わせガラスの一例を示す概略断面図である。 参考例2および実施例5の波長300〜2100nmの領域における外側日射反射率のグラフである。
符号の説明
1 窓用合わせガラス
10 外側ガラス板
12 赤外線反射膜
14 中間膜
16 内側ガラス板
18 反射防止膜

Claims (14)

  1. 外側ガラス板と、赤外線反射膜と、中間膜と、内側ガラス板と、反射防止膜とをこの順に有する窓用合わせガラスであって、
    前記赤外線反射膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(1)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(2)とが前記外側ガラス板側からこの順に交互に積層された積層被膜(X)を有し、前記被膜(1)の数と前記被膜(2)の数の合計が3以上であり、前記被膜(1)の幾何学的厚さが70〜150nmであり、前記被膜(2)の幾何学的厚さが100〜200nmである赤外線反射膜であり、
    前記反射防止膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記内側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である、窓用合わせガラス。
  2. 前記被膜(1)の少なくとも一つが、酸化チタンまたは酸窒化チタンの単層膜(1a)である、請求項1に記載の窓用合わせガラス。
  3. 前記被膜(1)の少なくとも一つが、異なる種類の高屈折率無機質材料からなる2層以上の多層構造からなる高屈折多層膜(1b)であり、前記高屈折多層膜(1b)の少なくとも一つの層が酸化チタンまたは酸窒化チタンの層である、請求項1に記載の窓用合わせガラス。
  4. 前記高屈折多層膜(1b)の少なくとも一つの層が酸化チタンまたは酸窒化チタンの層であり、前記高屈折多層膜(1b)の他の少なくとも一つの層が酸化ジルコニウムの層である、請求項3に記載の窓用合わせガラス。
  5. 前記積層被膜(X)が、酸化ジルコニウムの層と酸化チタンまたは酸窒化チタンの層とを含む幾何学的厚さの合計が70〜150nmの高屈折率多層被膜(1b−1)の二つと、二つの前記高屈折率多層被膜(1b−1)の間に存在する前記被膜(2)とからなる、請求項1に記載の窓用合わせガラス。
  6. 前記被膜(2)が酸化ケイ素の層である、請求項1〜5のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  7. 前記被膜(3)の少なくとも一つの層が、
    酸窒化チタン層の単層膜(3a)、
    酸化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3b)または
    酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層とを含む積層膜(3c)
    である、請求項1〜6のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  8. 前記被膜(3)の少なくとも一つの層が、
    酸窒化チタン層の単層膜(3a)、
    酸化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3b−1)または
    酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)
    である、請求項1〜6のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  9. 前記反射防止膜が、前記内側ガラス板側から、前記被膜(3)、酸化ケイ素の単層膜、酸窒化チタン層と酸化ジルコニウム層との積層膜(3c−1)、酸化ケイ素の単層膜がこの順に積層された反射防止膜である、請求項1〜6のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  10. 前記内側ガラス板の上に積層された前記被膜(3)が、酸化チタン層の単層膜である、請求項9に記載の窓用合わせガラス。
  11. 入射角60°で内側から入射した光の前記反射防止膜の表面での可視光反射率が、6%以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  12. 前記中間膜が、赤外線遮蔽性微粒子が分散配合されたポリビニルブチラール樹脂からなる、請求項1〜11のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  13. 更に、前記外側ガラス板の前記赤外線反射膜を有する面と反対の面に、第2反射防止膜を有し、
    前記第2反射防止膜が、屈折率が1.90以上の高屈折率無機質材料からなる被膜(3)と屈折率が1.56以下の低屈折率無機質材料からなる被膜(4)とを前記外側ガラス板側からこの順に交互に偶数層積層してなる反射防止膜である、請求項1〜12のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
  14. 前記外側ガラス板が無色透明ガラスであり、かつ、前記内側ガラス板がグリーン系有色透明ガラスまたは濃色ガラスである、請求項1〜13のいずれかに記載の窓用合わせガラス。
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