JP2008037564A - エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置、及びこの装置を用いたエレベータシステム - Google Patents
エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置、及びこの装置を用いたエレベータシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを人手に依らずに自動的に判別する。
【解決手段】変位センサ8A,8Bは、乗りかご1の位置に応じて変動する可動プレート6A,6Bの微小な変位量δA,δBを検出する。ケーブル状態判別手段13は、これらの変位量δA,δBが、かご位置Pに応じてそれぞれ設定されている上下限値LA1,LA2及び上下限値LB1,LB2の範囲内に入っているか否かにより、移動ケーブル5が昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別する。
【選択図】図1
【解決手段】変位センサ8A,8Bは、乗りかご1の位置に応じて変動する可動プレート6A,6Bの微小な変位量δA,δBを検出する。ケーブル状態判別手段13は、これらの変位量δA,δBが、かご位置Pに応じてそれぞれ設定されている上下限値LA1,LA2及び上下限値LB1,LB2の範囲内に入っているか否かにより、移動ケーブル5が昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置、及びこの装置を用いたエレベータシステムに関するものである。
昇降路壁部と乗りかご底部との間には、多数の通信ケーブルや電源ケーブルなどを束ねて1本に形成した移動ケーブル(テールコード又は電送ケーブルと呼ばれることもある)が配設されている。この移動ケーブルはある程度の可撓性を有しており、中間部にはU字形状に折曲された垂れ下がり部が形成されている。この垂れ下がり部が形成される移動ケーブルの部位は、乗りかごの移動に伴って昇降路内を移動する。
このように、移動ケーブルの中間部は、その垂れ下がり部形成個所が乗りかごの移動に従って逐次変動していくため、昇降路内において固定されることはなく、昇降路壁部及び乗りかご底部を両側支持点として単に下方に吊り下げられているだけである。しかし、この移動ケーブルは単位長さ当たりの重量が大きなものであり、全体としてはかなりの大きさの自重となるため、単に下方に吊り下げられただけであっても安定した姿勢が保持され、通常状態であれば横方向に大きく振れることはない。
ところが、地震発生により建物が大きく揺れた状態では、単に吊り下げられた移動ケーブルは大きく横振れし、昇降路内に設置された各種機器や部材などの障害物に衝突したり引っ掛かったりすることがある。そのため従来から、このような移動ケーブルの横振れを抑制するために、移動ケーブルに粘弾性部材を取り付けたり、昇降路壁に制振部材を配設する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−234481号公報
しかし、上記のような移動ケーブルの横振れを抑制するための部材が設けられていても、建物の揺れが一定レベル以上となる大きな地震が発生した場合には、移動ケーブルの横振れは充分に抑制されず、その結果、昇降路内の障害物に対する衝突又は引っ掛かりがしばしば発生していた。
また、通常のエレベータシステムでは、地震発生時には直ちに乗りかごを停止させ、その後の地震管制運転により乗りかご内の乗客を最寄り階に下ろして閉じ込め事故を防止するようにしている。しかし、移動ケーブルが障害物に引っ掛かった状態のまま地震管制運転を実行した場合には、乗りかごが最寄り階に到着する前に移動ケーブルの切断や障害物側の破損が生じてしまい、乗客が乗りかご内に閉じ込められる虞がある。
また、地震管制運転の終了後に通常運転を再開する場合、自動復旧により通常運転を再開する場合と、手動復旧により通常運転を再開する場合とがある。移動ケーブルが障害物に引っ掛かった状態であっても、引っ掛かった個所によっては移動ケーブルが切断されることなく乗りかごが最寄り階に到着して地震管制運転を終了することがあるが、自動復旧の場合にはこのような状態のまま通常運転が再開されてしまうため、通常運転を再開した直後に移動ケーブルが切断されたり、障害物側の機器が破損されたりすることになる。そのため、現状では移動ケーブルの引っ掛かりが生じる可能性が小さい一定レベル以下の地震に対してのみ自動復旧で通常運転を再開し、一定レベルを超えた地震に対しては、エレベータ保守作業員が現場の安全を確認した後に手動復旧で通常運転を再開するようにしている。
しかし、例えば阪神大震災クラス又はこれに準ずる大地震の発生を想定した場合、各地に散在する多数の建物のエレベータシステムに、限られた人数のエレベータ保守作業員を短時間のうちに迅速に派遣するのは現実問題として困難である。したがって、自動復旧により対応できる地震レベルを極力引き上げることが望まれるが、そのためには移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを人手に依らずに自動的に判別する技術が不可欠となる。そして、従来、このような判別はエレベータ保守作業員でなければ不可能であると考えられていたため、依然として、一定の低いレベル以下の地震に対してしか自動復旧で通常運転を再開することができなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを人手に依らずに自動的に判別することが可能なエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置を提供すると共に、自動復旧により通常運転を再開することが可能な地震レベルを従来よりも引き上げることが可能なエレベータシステムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、移動ケーブルのかご側端末部又は昇降路壁側端末部の少なくともいずれか一方に固着され、昇降路内での乗りかご位置の移動に応じた移動ケーブル重量の変化に基づく移動ケーブルの伸縮によって垂直方向への微小変位が可能な可動部材と、前記可動部材の変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段からの検出変位量と、予め乗りかご位置に応じて設定してある上下限値との比較に基づき、前記移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するケーブル状態判別手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記可動部材は、かご側固定部材又は昇降路側固定部材に、前記移動ケーブル重量に応じて伸縮する弾性部材を介して支持された可動プレートである、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記変位量検出手段として非接触式変位センサを用いた、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記変位量検出手段として接触式変位センサを用いた、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、移動ケーブルのかご側端末部と昇降路壁側端末部との間の全長にわたって取り付けられ、移動ケーブルの引っ掛かり時に切断を生じる電気抵抗線と、前記電気抵抗線に常時微少電流を供給し、前記電気抵抗線に切断が生じたときの抵抗変化を検出する抵抗変化検出手段と、前記抵抗変化検出手段からの検出信号に基づき、前記移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するケーブル状態判別手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記電気抵抗線は、前記移動ケーブルに螺旋状に巻回されて取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、移動ケーブルのかご側端末部と昇降路壁側端末部との間の全長にわたって取り付けられ、移動ケーブルの引っ掛かり時に切断又は変形を生じる光ファイバー線と、前記光ファイバー線に常時光信号を供給し、前記光ファイバー線に切断又は変形が生じたときの光量変化を検出する光量変化検出手段と、前記光量変化検出手段からの検出信号に基づき、前記移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するケーブル状態判別手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記光ファイバー線は、前記移動ケーブルに螺旋状に巻回されて取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置と、地震管制運転終了後に通常運転を再開しようとする場合、乗りかごを低速度で所定距離以上走行させても前記エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置が移動ケーブルの引っ掛かり状態を検出しなかったことを条件としてエレベータの通常運転を再開する運転制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、移動ケーブルに引っ掛かりが生じたときの特有の現象を利用する構成としているので、移動ケーブルに引っ掛かりが発生した状態であるか否かを人手に依らずに検出できるエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置を提供することができる。そして、このような移動ケーブル引っ掛かり検出装置を用いることにより、自動復旧により通常運転を再開することが可能な地震レベルを従来よりも引き上げることが可能なエレベータシステムを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態の構成図である。乗りかご1は、かご室2及びかご枠3を有している。乗りかご1と壁部4との間には、中間部にU字形状の垂れ下がり部5aが形成された移動ケーブル5が吊下されている。
移動ケーブル5のかご側端末部には、かご室2とかご枠3との間に配置された可動プレート6A(可動部材)が固着されている。可動プレート6Aは、垂直方向に変位できるように、弾性部材7(例えばゴム部材)を介してかご枠3の底部に取り付けられている。そして、可動プレート6Aの下方には、例えばレーザ変位計などの非接触式変位センサ8A(変位量検出手段)が配設されている。この変位センサ8Aは、可動プレート6Aの垂直方向の微小な変位量δA(つまり、移動ケーブル5のかご側端末部における伸縮量)を検出するものであり、その検出信号を移動ケーブル5内の通信ケーブル上に出力するようになっている。
一方、移動ケーブル5の昇降路壁側端末部は、壁部4の最上階と最下階との間の略中央位置に位置している。すなわち、壁部4には固定プレート9が固設されており、この固定プレート9に、可動プレート6Bが垂直方向に変位できるように、弾性部材7を介して取り付けられている。そして、この可動プレート6Bは、移動ケーブル5の昇降路壁側端末部に固着されている。
また、固定プレート9の先端面には、支持部材10を介して、変位センサ8Aと同様の非接触式変位センサ8B(変位量検出手段)が支持されている。この変位センサ8Bは、可動プレート6Bの下方に位置するように配置されており、可動プレート6Bの垂直方向の微小な変位量δB(つまり、移動ケーブル5の昇降路壁側端末部における伸縮量)を検出し、その検出信号を移動ケーブル5内の通信ケーブル上に出力するようになっている。
乗りかご1の昇降路内での昇降動はエレベータ制御装置11により制御されるようになっている。このエレベータ制御装置11は、かご位置演算手段12、ケーブル状態判別手段13、及び運転制御手段14を有している。なお、エレベータ制御装置11は、機械室が設置されるタイプのエレベータシステムでは機械室に設けられ、機械室が設置されないタイプのエレベータシステムでは、特定階床の乗場、又は昇降路内の特定個所などに設けられている。
かご位置演算手段12は、図示を省略している巻上機に取り付けられているかご速度検出器からのかご速度vを入力し、このかご速度vを積分演算することにより求めたかご位置Pをケーブル状態判別手段13に出力するものである。
ケーブル状態判別手段13は、変位センサ8A,8Bにより検出された変位量δA,δBが、かご位置Pに応じてそれぞれ設定されている上下限値LA1,LA2及び上下限値LB1,LB2の範囲内に入っているか否かにより、移動ケーブル5が昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するものである。
運転制御手段14は、図示を省略している巻上機の回転を制御することにより乗りかご1の昇降動を制御するものであり、ケーブル状態判別手段13が引っ掛かり状態と判別したときには直ちに乗りかご1の移動を停止するようになっている。
なお、昇降路内の障害物に対して引っ掛かりを生じる移動ケーブル5の個所は、殆どの場合はU字形状の垂れ下がり部5aの内側部分であるが、希に垂れ下がり部5a以外の個所に引っ掛かりを生ずることもある。
次に、図1の動作を図2及び図3を参照しつつ説明する。図2は、図1における乗りかご1の位置に応じた変位量δA,δBの変化を示す説明図であり、(a)はかご位置が最下階にある場合、(b)はかご位置が最上階にある場合を示している。
図2(a)に示すように、乗りかご1が最下階に位置している状態では、移動ケーブル5における垂れ下がり部5aとかご側端末部との間の距離は短く、垂れ下がり部5aと昇降路壁側端末部との間の距離は長くなっている。つまり、移動ケーブル5のかご側端末部に加わる自重(したがって、その伸び量)は小さいものであり、一方、移動ケーブル5の昇降路壁側端末部に加わる自重(したがって、その伸び量)は大きなものとなる。それ故、かご側端末部に固着された可動プレート6Aの変位量δAは小さなものであるのに対し、昇降路壁側端末部に固着された可動プレート6Bの変位量δBは大きなものとなる。
また、図2(b)に示すように、乗りかご1が最上階に位置している状態では、移動ケーブル5における垂れ下がり部5aとかご側端末部との間の距離は長く、垂れ下がり部5aと昇降路壁側端末部との間の距離は短くなっている。つまり、移動ケーブル5のかご側端末部に加わる自重(したがって、その伸び量)は大きなものであり、一方、移動ケーブル5の昇降路壁側端末部に加わる自重(したがって、その伸び量)は小さなものとなる。それ故、かご側端末部に固着された可動プレート6Aの変位量δAは大きなものであるのに対し、昇降路壁側端末部に固着された可動プレート6Bの変位量δBは小さなものとなる。
以上のことから、移動ケーブル5に引っ掛かりが生じていない「正常時」には、乗りかご1のかご位置Pが最下階と最上階との間を移動する場合における変位量δAの変化特性は、図3(a)の実線に示すような右肩上がりの曲線となる。そして、変位量δAの値が上限値LA1と下限値LA2との間の正常範囲内に入っている限り、ケーブル状態判別手段13は引っ掛かりが生じていないと判別し、一方、少しでも正常範囲内を逸脱したときには引っ掛かりが生じている旨の判別信号を運転制御手段14に出力する。図3(a)は変位量δAの変化特性であるため右肩上がりの曲線となっているが、変位量δBの変化特性は変位量δAの逆特性となり、右肩下がりの曲線となる。この変位量δBの変化特性図については、図示を省略する。
これに対し、移動ケーブル5に引っ掛かりが生じている「ケーブル引っ掛かり時」には、変位量δAの特性は図3(b)の実線に示す通りとなる。すなわち、乗りかご1が最下階からある程度の距離だけ上昇した地点で、移動ケーブル5の垂れ下がり部5aが昇降路内の障害物に引っ掛かったとする。すると、この地点を僅かに過ぎた位置P1での変位量δA1は異常に増加し、上限値LA1に到達するので、ケーブル状態判別手段13は移動ケーブル5が引っ掛かり状態である旨を判別し、その判別信号を運転制御手段14に出力する。この判別信号を受けて、運転制御手段14は直ちに巻上機の回転を停止し、乗りかご1の上昇を停止させる。したがって、移動ケーブル5が切断されるのを回避することができる。
この場合、もし本発明のような移動ケーブル引っ掛かり検出機能を備えていない従来のエレベータシステムであれば、位置P1を過ぎた後も乗りかご1は上昇し続けて位置P2に至り、破線で示すように限界の変位量δA2になった時点で移動ケーブル5が切断されることになる。
なお、本実施形態では、位置P1で乗りかご1が停止した後は、エレベータ保守作業員の現場到着を待ち、エレベータ保守作業員により移動ケーブル5の引っ掛かりが解除され、安全が確認された後に再度乗りかご1が上昇することになる。
このように、第1の実施形態では、乗りかご位置とかご側又は昇降路壁側の移動ケーブル重量との間に一定の対応関係が維持されていることに着目し、かご側端末部の変位量δA又は昇降路壁側端末部の変位量δBの検出により、この対応関係が維持されているかを判別する構成としているので、人手に頼ることなく、移動ケーブル5に引っ掛かりが生じているか否かを判別することができる。
なお、第1の実施形態は、図1に示した構成以外に、例えば下記のような種々の変形例を包含し得るものである。
(1)図1の構成では、変位量検出手段としてレーザ変位計などの非接触式の変位センサを用いているが、これに限定される趣旨ではなく、種々の方式の変位センサを用いることが可能である。例えば、図4に示すように、可動プレート6の下面に接触する接触子81A1を備えた接触式変位センサ8A1を用いてもよい。
(2)図1の構成では、移動ケーブル5のかご側端末部及び昇降路壁側端末部の双方の変位量δA,δBを検出し得るようにしているが、いずれか一方のみの変位量を検出する構成としても引っ掛かりを検出することは可能である。
(3)図1の構成では、弾性部材7としてゴム部材を用いることを想定しているが、かご側端末部又は昇降路壁側端末部におけるケーブル伸縮量を忠実に反映し得るものであれば特に限定されるものではない。例えば、ゴム部材の代わりにバネ部材を用いてもよい。
(4)図1の構成では、移動ケーブル5の伸縮量に応じて微小変位する可動部材として可動プレート6A,6Bを用いているが、この可動部材はプレート形状である必要はなく、ブロック形状などの他の形状であってもよい。あるいは、移動ケーブル5の固着個所周辺部分のみをプレート形状とし、変位センサ8A,8Bの上方に位置する部分をスティック形状等にしてもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態の構成図である。第1の実施形態は、既述したように、かご位置に応じた移動ケーブル5の伸縮量が正常範囲から逸脱しようとする場合に引っ掛かり状態と判別するものであったが、この第2の実施形態は、移動ケーブル5に取り付けた電気抵抗線が切断された場合に、引っ掛かり状態が生じていると判別するものであり、より簡易な構成となっている。
すなわち、移動ケーブル5のかご側端末部と昇降路壁側端末部との間の全長にわたって電気抵抗線15が取り付けられ、この電気抵抗線15の両端は、抵抗変化検出装置16を構成する直流電源17及び抵抗計18に接続されている。そして、直流電源17は電気抵抗線15に対して常時微小電流供給しており、抵抗計18は電気抵抗線15の切断によってその抵抗が大きく増大したときに異常検出信号をケーブル状態判別手段13に出力するようになっている。
ケーブル状態判別手段13は、この異常検出信号を入力すると、移動ケーブル5の昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあると判別する。その後は、第1の実施形態と同様に、運転制御手段14が乗りかご1の移動を停止する。
電気抵抗線15は、乗りかご1の移動に伴う垂れ下がり部5aの正常な移動によっては切断されないが、垂れ下がり部5aやその他の個所が障害物に引っ掛かった場合には容易に切断されるという特質を有するものである。例えば、少しの変形によっても破断しやすい非常に細い抵抗線を移動ケーブル5に沿わせて配置し、これを適当部材を用いて固定してもよく、あるいは、非常に薄い薄膜状の抵抗線が粘着面に形成されている粘着テープを、移動ケーブル5に沿わせて貼付するようにしてもよい。
図1に示した第1の実施形態は、移動ケーブル5のかご側端末部又は昇降路壁側端末部における伸縮量を計測可能な構造(かご枠3底部又は固定プレート9に移動ケーブル5の径よりも大きな孔を形成しておく必要がある)に改造しなければならないが、この第2の実施形態では、電気抵抗線15を移動ケーブル5に沿って取り付け、この電気抵抗線15に抵抗変化検出装置16を接続するだけでよい。したがって、この第2の実施形態の構成は既存のエレベータシステムにも容易に適用することが可能である。
図6は、本発明の第3の実施形態の構成図である。図6が図5と異なる点は、電気抵抗線15が移動ケーブル5に対して螺旋状に巻回されている点である。図7は、この相違点を説明するための移動ケーブル5及び電気抵抗線15の横断面図である。
図7(a)に示すように、図5の構成では、扁平横断面形状を有する移動ケーブル5の両平坦面5b,5c上に電気抵抗線15がほぼストレートに取り付けられているため、これらの平坦面上における電気抵抗線15の取付位置は長い区間にわたって或る限られた特定位置に固定された状態になっている。このような状態で電気抵抗線15が取り付けられていても、移動ケーブル5のいずれかの個所に引っ掛かりが発生すれば、殆どの場合はその引っ掛かり発生個所付近の電気抵抗線15が切断されるので、移動ケーブル5の引っ掛かり発生検出については実用上問題となることは少ない。
しかし、例えば、平坦面5b上において電気抵抗線15から離れた場所(×印)で引っ掛かりが発生した場合、この平坦面5b上の電気抵抗線15、又は裏側の平坦面5c上の電気抵抗線15のいずれもが切断されない可能性が僅かながら(数パーセント程度であると考えられる)残っている。このような場合には、ケーブル状態判別手段13は、移動ケーブル5に引っ掛かりが生じていることを判別することができないため、そのまま乗りかご1が移動することにより、移動ケーブル5を損傷したり切断してしまう虞がある。
これに対し、図6の構成では、図7(b)に示すように、移動ケーブル5の外周面に万遍なく電気抵抗線15が巻回されているので、移動ケーブル5のどの個所で引っ掛かりが発生しても、その付近に必ず存在する電気抵抗線15の部分が断線し、引っ掛かり発生の検出を見逃すことがない。したがって、図6の構成によれば、電気抵抗線15を長い距離必要とすることになるが、その分高い信頼性を得ることができる。
図8は、本発明の第4の実施形態の構成図である。図8が図5と異なる点は、図5における電気抵抗線15及び抵抗変化検出装置16の代わりに、それぞれ光ファイバー線19及び光量変化検出装置20を用いている点である。
光量変化検出装置20は、光ファイバー線19の一端側に対して常時光信号を供給し、他端側からこの光信号を受光しているが、移動ケーブル5に引っ掛かりが発生した場合は、その付近の光ファイバー線19に切断又は変形が生じるために、受光量が大きく変化する。光量変化検出装置20は、この受光量の変化に基づき、異常検出信号をケーブル状態判別手段13に出力するようになっている。この第4の実施形態の構成も、第2の実施形態と同様に、既存のエレベータシステムに容易に適用することが可能なものである。
図9は、本発明の第5の実施形態の構成図である。図9が図8と異なる点は、光ファイバー線19が移動ケーブル5に対して螺旋状に巻回されている点である。この図9の構成によれば、図7において既述したのと同様の理由によって、光ファイバー線19を長い距離必要とすることになるが、その分高い信頼性を得ることができる。
なお、図5、図6、及び図8、図9に示した構成では、抵抗変化検出装置16、及び光量変化検出装置20がエレベータ制御装置11の外部装置であるものとして説明しているが、これら抵抗変化検出装置16、及び光量変化検出装置20はエレベータ制御装置11の内部に設けられたものであってもよい。
次に、上述したような第1乃至第5の実施形態に係るエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置を用いたエレベータシステムにつき説明する。以下の例では、図1の検出装置を用いた場合を例に取り説明するが、図5、図6、及び図8、図9の検出装置を用いた場合も同様に考えることができる。
このエレベータシステムでは、図1において図示を省略してある地震感知器からの地震感知信号が運転制御手段14に入力されるようになっている。この地震感知器は、一定レベル以上の加速度を検出した場合(つまり、建物の揺れが一定レベル以上となった場合)に地震感知信号を出力するものであり、地震感知レベルが低レベルに設定された第1の地震感知器(通常、建物の最下階に設置されている)と、地震感知レベルが高レベルに設定された第2の地震感知器(通常、建物の最上階に設置されている)とから構成されている。そして、第1の地震感知器のみが地震を感知した場合は自動復旧による通常運転の再開が許容されるが、第2の地震感知器が地震を感知した場合は手動復旧でなければ通常運転の再開は許容されないようになっている。但し、このエレベータシステムは、図1に示した移動ケーブル引っ掛かり検出装置を備えていることから、第2の地震感知器の地震感知レベルは従来システムにおけるレベルよりも高く設定されており、自動復旧可能な範囲が拡大されている。
図10は、このようなエレベータシステムの動作についてのフローチャートである。運転制御手段14は、例えば、上記の第1の地震感知器からのみ地震感知信号を入力すると直ちにエレベータの運転を停止する(ステップ1)。そして、乗りかご1のかご室2にいる乗客を最寄り階に脱出させるべく、管制運転の実行を開始する(ステップ2)。この管制運転による乗りかご1の移動中、ケーブル状態判別手段13は、変位センサ8A,8Bからの変位量δA,δBが、かご位置Pに応じてそれぞれ設定されている上下限値LA1,LA2及び上下限値LB1,LB2の範囲内に入っているか否かにより、移動ケーブル5が昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別している(ステップ3)。
そして、乗りかご1が最寄り階に到着するまでの間にケーブル状態判別手段13が移動ケーブル5に引っ掛かりが生じていると判別した場合、運転制御手段14は直ちに運転を停止し、保守作業員が現場に到着するのを待つようにする(ステップ4)。
一方、ケーブル状態判別手段13が移動ケーブル5に引っ掛かりを生じていると判別することなく、乗りかご1が最寄り階に到着して管制運転が終了したならば(ステップ3,5)、運転制御手段14は、発生した地震のレベルが自動復旧可能なレベルであるか否かを判別する(ステップ6)。ここでは、上述したように、第1の地震感知器のみが地震感知信号を出力しているので、運転制御手段14は自動復旧可能なレベルと判別する。この場合、もし自動復旧が不可能なレベル(つまり、手動復旧とされているレベル)と判別したのであれば、運転制御手段14はそのまま運転停止状態として、保守作業員が現場に到着するのを待つようにする(ステップ4)。
運転制御手段14は、ステップ6で、地震レベルが自動復旧可能なレベルと判別すると、低速点検運転の実行を開始する(ステップ7)。この低速点検運転による乗りかご1の移動中、ケーブル状態判別手段13は、変位センサ8A,8Bからの変位量δA,δBが、かご位置Pに応じてそれぞれ設定されている上下限値LA1,LA2及び上下限値LB1,LB2の範囲内に入っているか否かにより、移動ケーブル5が昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別している(ステップ8)。そして、引っ掛かりが生じていると判別した場合、運転制御手段14は直ちに運転を停止し、保守作業員が現場に到着するのを待つようにする(ステップ4)。
一方、ケーブル状態判別手段13が移動ケーブル5に引っ掛かりを生じていると判別することなく、所定距離以上の走行(通常、最上階と最下階との間の往復走行であるが、昇降路内の情況により変更可能)を終えたならば、運転制御手段14は低速点検運転を終了する(ステップ8,9,10)。そして、運転制御手段14は、その後通常運転を再開させる(ステップ11)。
上記のように、このエレベータシステムでは、管制運転終了後に低速点検運転の実行により移動ケーブル5に引っ掛かりが生じていないか否かを判別できるようになっているので、自動復旧により通常運転を再開することが可能な地震レベルを従来よりも引き上げることが可能になっている。
1:乗りかご
2:かご室
3:かご枠
4:壁部
5:移動ケーブル
5a:垂れ下がり部
5b,5c:平坦面
6A,6B:可動プレート
7:弾性部材
8A,8B:変位センサ
9:固定プレート
10:支持部材
11:エレベータ制御装置
12:かご位置演算手段
13:ケーブル状態判別手段
14:運転制御手段
15:電気抵抗線
16:抵抗変化検出装置
17:直流電源
18:抵抗計
19:光ファイバー線
20:光量変化検出装置
δA,δB:変位量
LA1,LA2:変位量δAの上下限値
LB1,LB2:変位量δBの上下限値
v:かご速度
P:かご位置
2:かご室
3:かご枠
4:壁部
5:移動ケーブル
5a:垂れ下がり部
5b,5c:平坦面
6A,6B:可動プレート
7:弾性部材
8A,8B:変位センサ
9:固定プレート
10:支持部材
11:エレベータ制御装置
12:かご位置演算手段
13:ケーブル状態判別手段
14:運転制御手段
15:電気抵抗線
16:抵抗変化検出装置
17:直流電源
18:抵抗計
19:光ファイバー線
20:光量変化検出装置
δA,δB:変位量
LA1,LA2:変位量δAの上下限値
LB1,LB2:変位量δBの上下限値
v:かご速度
P:かご位置
Claims (9)
- 移動ケーブルのかご側端末部又は昇降路壁側端末部の少なくともいずれか一方に固着され、昇降路内での乗りかご位置の移動に応じた移動ケーブル重量の変化に基づく移動ケーブルの伸縮によって垂直方向への微小変位が可能な可動部材と、
前記可動部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記変位量検出手段からの検出変位量と、予め乗りかご位置に応じて設定してある上下限値との比較に基づき、前記移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するケーブル状態判別手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 前記可動部材は、かご側固定部材又は昇降路側固定部材に、前記移動ケーブル重量に応じて伸縮する弾性部材を介して支持された可動プレートである、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 前記変位量検出手段として非接触式変位センサを用いた、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 前記変位量検出手段として接触式変位センサを用いた、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 移動ケーブルのかご側端末部と昇降路壁側端末部との間の全長にわたって取り付けられ、移動ケーブルの引っ掛かり時に切断を生じる電気抵抗線と、
前記電気抵抗線に常時微少電流を供給し、前記電気抵抗線に切断が生じたときの抵抗変化を検出する抵抗変化検出手段と、
前記抵抗変化検出手段からの検出信号に基づき、前記移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するケーブル状態判別手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 前記電気抵抗線は、前記移動ケーブルに螺旋状に巻回されて取り付けられている、
ことを特徴とする請求項5記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 移動ケーブルのかご側端末部と昇降路壁側端末部との間の全長にわたって取り付けられ、移動ケーブルの引っ掛かり時に切断又は変形を生じる光ファイバー線と、
前記光ファイバー線に常時光信号を供給し、前記光ファイバー線に切断又は変形が生じたときの光量変化を検出する光量変化検出手段と、
前記光量変化検出手段からの検出信号に基づき、前記移動ケーブルが昇降路内の障害物に引っ掛かった状態にあるか否かを判別するケーブル状態判別手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 前記光ファイバー線は、前記移動ケーブルに螺旋状に巻回されて取り付けられている、
ことを特徴とする請求項7記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載のエレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置と、
地震管制運転終了後に通常運転を再開しようとする場合、乗りかごを低速度で所定距離以上走行させても前記エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置が移動ケーブルの引っ掛かり状態を検出しなかったことを条件としてエレベータの通常運転を再開する運転制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータシステム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006213087A JP2008037564A (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置、及びこの装置を用いたエレベータシステム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006213087A JP2008037564A (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置、及びこの装置を用いたエレベータシステム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008037564A true JP2008037564A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39173036
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006213087A Pending JP2008037564A (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | エレベータの移動ケーブル引っ掛かり検出装置、及びこの装置を用いたエレベータシステム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008037564A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012131599A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Fujitec Co Ltd | エレベータ装置 |
| WO2012164703A1 (ja) * | 2011-06-01 | 2012-12-06 | 三菱電機株式会社 | エレベーター装置 |
| JP2016016961A (ja) * | 2014-07-10 | 2016-02-01 | 三菱電機株式会社 | エレベータ用移動ケーブル装置 |
| WO2019058510A1 (ja) * | 2017-09-22 | 2019-03-28 | 三菱電機株式会社 | エレベーターの制御装置およびかご位置検出方法 |
-
2006
- 2006-08-04 JP JP2006213087A patent/JP2008037564A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012131599A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Fujitec Co Ltd | エレベータ装置 |
| WO2012164703A1 (ja) * | 2011-06-01 | 2012-12-06 | 三菱電機株式会社 | エレベーター装置 |
| JP2016016961A (ja) * | 2014-07-10 | 2016-02-01 | 三菱電機株式会社 | エレベータ用移動ケーブル装置 |
| WO2019058510A1 (ja) * | 2017-09-22 | 2019-03-28 | 三菱電機株式会社 | エレベーターの制御装置およびかご位置検出方法 |
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