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JP2008035748A - アスペルギルス属菌由来新規グルコースデヒドロゲナーゼ - Google Patents

アスペルギルス属菌由来新規グルコースデヒドロゲナーゼ Download PDF

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JP2008035748A JP2006212255A JP2006212255A JP2008035748A JP 2008035748 A JP2008035748 A JP 2008035748A JP 2006212255 A JP2006212255 A JP 2006212255A JP 2006212255 A JP2006212255 A JP 2006212255A JP 2008035748 A JP2008035748 A JP 2008035748A
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JP2006212255A
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Yuji Tsuji
裕二 辻
Masao Kitabayashi
北林  雅夫
Takahide Kishimoto
高英 岸本
Yoshiaki Nishiya
西矢  芳昭
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

【課題】グルコースセンサなどにより適したグルコースデヒドロゲナーゼを取得する。
【解決手段】種々のアスペルギルス属菌がマルトース作用性の低い新規グルコースデヒドロゲナーゼを生産することを見出した。本発明はグルコースセンサなどに適したグルコースデヒドロゲナーゼを生産することを可能にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アスペルギルス属菌由来の新規グルコースデヒドロゲナーゼに関する。
血糖自己測定は、糖尿病患者が通常の自分の血糖値を把握し治療に生かすために重要である。血糖自己測定に用いられるセンサにはグルコースを基質とする酵素が利用されている。そのような酵素の例としては例えばグルコースオキシダーゼ(EC 1.1.3.4)が挙げられる。グルコースオキシダーゼはグルコースに対する特異性が高く、熱安定性に優れているという利点を有していることから血糖センサ用酵素として古くから利用されており、その最初の発表は実に40年ほど前に遡る。グルコースオキシダーゼを利用した血糖センサにおいては、グルコースを酸化してD−グルコノ−δ−ラクトンに変換する過程で生じる電子がメディエーターを介して電極に渡されることで測定がなされるが、グルコースオキシダーゼは反応で生じたプロトンを酸素に渡しやすいため溶存酸素が測定値に影響してしまうという問題があった。
このような問題を回避するために、例えばNAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.47)あるいはピロロピノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.5.2(旧 EC1.1.99.17))が血糖センサ用酵素として用いられている。これらは溶存酸素の影響を受けない点で優位であるが、前者のNAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼは安定性の乏しさや補酵素の添加が必要という煩雑性がある。一方後者のピロロピノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼは、基質特異性に乏しくマルトースやラクトースといったグルコース以外の糖類にも作用するため、測定値の正確性を損ねる可能性があるという欠点がある。
文献1〜4にはアスペルギルス・オリゼ由来のグルコースデヒドロゲナーゼについて報告されているが、他のアスペルギルス属菌由来のグルコースデヒドロゲナーゼに関しては報告されていない。
Biochim Biophys Acta.1967 Jul 11;139(2):265−76 Biochim Biophys Acta.1967 Jul 11;139(2):277−93 Biochim Biophys Acta.146(2):317−27 Biochim Biophys Acta.146(2):328−35
また、フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼとして、特許文献1にはアスペルギルス・テレウス由来フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼが開示されている。本酵素は補酵素の添加が不要であり、基質特異性に優れかつ溶存酸素の影響を受けない点で優位である。熱安定性については50℃15分処理で89%程度の活性残存率であり安定性(以下、耐熱性とも表記)についても優れているとされている。
WO 2004/058958
本発明の目的は、より実用面において有利な血糖センサー用酵素を提供することである。より具体的には、これまでグルコースデヒドロゲナーゼ(以下、GDHとも表記)を生産することが知られていなかった微生物より、熱安定性、マルトース作用性に優れた新規グルコースデヒドロゲナーゼを取得、利用することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、これまでグルコースデヒドロゲナーゼを生産することが知られていなかった微生物の中から、75種のアスペルギルス属菌について、グルコースデヒドロゲナーゼ活性を指標にスクリーニングを行った。その結果、13種のアスペルギルス属菌がGDH活性を有することを見出し、それらが生産するグルコースデヒドロゲナーゼのうち10種の酵素が熱安定性、マルトース作用性に優れていることを見出し、本出願に至った。
本発明によれば、アスペルギルス属菌より、熱安定性、マルトース作用性に優れた新規のグルコースデヒドロゲナーゼを取得することが可能になる。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
[項1]
Aspergillus carbonarius、Aspergillus foetidus、Aspergillus ustus、Aspergillus foetidus var. pallidus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger var. intermedius、Aspergillus flavus var. columnaris、Aspergillus aculeatus、Aspergillus oryzae var. oryzae、Aspergillus phoenicis、Aspergillus brunneo-uniseriatus、Aspergillus avenaceus、Aspergillus thomii、Aspergillus kambarensisのうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、培養液から抽出・精製することにより得られうる、マルトース作用性および/または熱安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ。
[項2]
Aspergillus carbonarius NBRC4030、Aspergillus foetidus NBRC4031、Aspergillus ustus NBRC4104、Aspergillus foetidus var. pallidus NBRC4118、Aspergillus flavus NBRC4186、Aspergillus niger var. intermedusNBRC4281、Aspergillus flavus var. columnaris NBRC5324、Aspergillus aculeatus NBRC5330、Aspergillus oryzae var. oryzaeNBRC6215、Aspergillus phoenicis NBRC6648、Aspergillus brunneo-uniseriatus NBRC6993、Aspergillus avenaceus NBRC8129、Aspergillus thomii NBRC8135、Aspergillus kambarensis NBRC8870のうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、培養液から抽出・精製することにより得られうる、マルトース作用性および/または熱安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ。
[項3]
請求項1または2に記載された微生物のうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、該培養液から抽出・精製する工程を含むグルコースデヒドロゲナーゼの製造方法
[項4]
請求項1または2に記載のグルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース濃度の測定方法
[項5]
請求項1または2に記載のグルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースアッセイキット
[項6]
請求項1または2に記載のグルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースセンサー
本発明のグルコースデヒドロゲナーゼは熱安定性、マルトース作用性に優れ、体外診断用医薬品、センサーなどの医療用途や、その他のグルコース測定用途において、実用面においてより有利な血糖センサー用酵素を提供することができる。
本発明の一実施形態は、Aspergillus carbonarius、Aspergillus foetidus、Aspergillus ustus、Aspergillus foetidus var. pallidus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger var. intermedius、Aspergillus flavus var. columnaris、Aspergillus aculeatus、Aspergillus oryzae var. oryzae、Aspergillus phoenicis、Aspergillus brunneo-uniseriatus、Aspergillus avenaceus、Aspergillus thomii、Aspergillus kambarensisのうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、培養液から抽出・精製することにより得られうる、マルトース作用性および/または熱安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ。
さらに好ましくは、Aspergillus carbonarius NBRC4030、Aspergillus foetidus NBRC4031、Aspergillus ustus NBRC4104、Aspergillus foetidus var. pallidus NBRC4118、Aspergillus flavus NBRC4186、Aspergillus niger var. intermedusNBRC4281、Aspergillus flavus var. columnaris NBRC5324、Aspergillus aculeatus NBRC5330、Aspergillus oryzae var. oryzaeNBRC6215、Aspergillus phoenicis NBRC6648、Aspergillus brunneo-uniseriatus NBRC6993、Aspergillus avenaceus NBRC8129、Aspergillus thomii NBRC8135、Aspergillus kambarensis NBRC8870のうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、培養液から抽出・精製することにより得られうる、マルトース作用性および/または熱安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ。
本願発明の別の一実施形態は、上記に例示された微生物のうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、該培養液からグルコースデヒドロゲナーゼを抽出・精製する工程を含むグルコースデヒドロゲナーゼの製造方法である。
グルコースデヒドロゲナーゼ活性の測定方法は以下の方法に従う。
<試薬>
50mM PIPES緩衝液pH6.5(0.1%TritonX−100を含む)
14mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液
1M D−グルコース溶液
上記PIPES緩衝液15.8ml、DCPIP溶液0.2ml、D―グルコース溶液4mlを混合して反応試薬とする。
<測定条件>
反応試薬2.9mlを37℃で5分間予備加温する。GDH溶液0.1mlを添加しゆるやかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で、600nmの吸光度変化を5分記録し、直線部分から1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を測定する。盲検はGDH溶液の代わりにGDHを溶解する溶媒を試薬混液に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を測定する。これらの値から次の式1に従ってGDH活性を求める。ここでGDH活性における1単位(U)とは、濃度200mMのD−グルコース存在下で1分間に1マイクロモルのDCPIPを還元する酵素量として定義している。
(式1)
活性(U/ml)=
{−(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.0×希釈倍率}÷(16.3×0.1×1.0)
なお、式中の3.0は反応試薬+酵素溶液の液量(ml)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm/マイクロモル)、0.1は酵素溶液の液量(ml)、1.0はセルの光路長(cm)を示す。
本発明のグルコースデヒドロゲナーゼは、熱安定性および/またはマルトース作用性に優れている。
マルトース作用性とは、マルトースを脱水素する作用を意味し、マルトースを基質としたときの活性測定値(上記グルコース活性測定法において、1M D−グルコース溶液のかわりに1M マルトース溶液を用いる)をグルコースを基質としたときの活性測定値で除したもので定義する。
グルコース測定の観点からは、マルトースに対する作用性は低いほうが好ましい。マルトースに対する作用性は、好ましくはグルコースに対して10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
熱安定性は後述の実施例2に記載の方法により評価することができる。
本発明で用いる微生物は、独立行政法人製品評価技術基盤機構より入手することができる。
微生物を培養する栄養培地としては、微生物が生育しかつ本発明に示すグルコースデヒドロゲナーゼを生産しうるものであれば特に限定しないが、より好適には微生物の生育に必要な炭素源、無機窒素源及び/または有機窒素源を含有するものがよく、さらに好ましくは通気攪拌に適した液体培地であるのがよい。液体培地の場合、炭素源としては例えばグルコース、デキストラン、可溶性デンプン、蔗糖などが、窒素源としては、例えばアンモニウム塩類、硝酸塩類、アミノ酸、コーンスティープリカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、脱脂大豆、バレイショ抽出液などが例示される。また所望により他の栄養素(例えば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機塩、ビタミン類等)を含んでいてもよい。
培養方法は、当分野において知られている方法に従う。例えば上記栄養素を含む液体培地に微生物の胞子もしくは生育状態の菌体を植菌し、静置もしくは通気攪拌により菌体を増殖させるが、好ましくは通気攪拌により培養するのがよい。培養液のpHは好ましくは5〜9であり、さらに好ましくは6〜8である。温度は通常14〜42℃、より好ましくは20℃〜40℃で行うのがよい。通常は14〜144時間培養を継続するが、好ましくは各々の培養条件においてGDHの発現量が最大となる時点で培養を終了するのがよい。このような時点を見極める方策としては、培養液のサンプリングを行って培養液中のGDH活性を測定することでその変化をモニタリングし、経時的なGDH活性の上昇がなくなった時点をピークとみなして培養停止すればよい。
上記の培養液からGDHを抽出する方法としては、菌体内に蓄積したGDHを回収する場合にあっては遠心分離もしくはろ過等の操作によって菌体のみを集め、この菌体を溶媒、好ましくは水もしくは緩衝液に再懸濁する。再懸濁した菌体は公知の方法により破砕することで菌体中のGDHを溶媒中に抽出することができる。破砕方法としては、溶菌酵素を用いることもでき、また物理的破砕方法を用いてもよい。溶菌酵素としては、真菌細胞壁を消化する能力を有するものであれば特に限定しないが、適用可能な酵素の例としてはシグマ社製「Lyticase」等が挙げられる。また、物理的破砕の方法としては例えば超音波破砕、ガラスビーズ破砕、フレンチプレス等が挙げられる。破砕処理後の溶液は、遠心分離もしくはろ過により残渣を取り除いてGDH粗抽出溶液を得ることができる。また、菌体外に分泌されたGDHを回収する場合にあっては、遠心分離もしくはろ過等の操作によって菌体を除いた培養液上清を粗抽出GDHとすればよい。
また本発明における培養方法としては固体培養によることもできる。好ましくは温度や湿度等を適宜制御の上で小麦等のふすま上に本発明のGDH生産能を有する真核微生物を生育させる。このとき、培養は静置により行ってもよく、また培養物を攪拌する等して混合してもよい。GDHの抽出は、培養物に溶媒、このましくは水もしくは緩衝液を加えてGDHを溶解させ、遠心分離もしくはろ過により菌体やふすま等の固形物を取り除くことでなされる。
上記のようにして得られたGDH含有溶液から、GDHを精製する方法としては、例えば減圧濃縮、膜濃縮、さらに硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。また、吸着剤あるいはゲルろ過剤などによるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィーを行うことにより、精製されたGDHを得ることができる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的に単一のバンドを示す程度に純化されていることが好ましい。
これらは、例えば、以下の文献に従って進めることができる。
(a)タンパク質実験プロトコール第1巻 機能解析編,第2巻 構造解析編 (秀潤社) 西村善文,大野茂男 監修
(b)改訂 タンパク質実験ノート 上 抽出と分離精製 (洋土社) 岡田雅人,宮崎香
編集
(c)タンパク質実験の進めかた (洋土社) 岡田雅人,宮崎香 編集
あるいは以下に例示する方法によって進めることもできる。
例えば、セファデックス(Sephadex)ゲル(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)などによるゲルろ過、DEAEセファロースCL−6B (GEヘルスケア バイオサイエンス社製)、オクチルセファロースCL−6B (GEヘルスケア バイオサイエンス社製)等のカラムクロマトグラフィーにより分離、精製し、精製酵素標品を得ることができる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的に単一のバンドを示す程度に純化されていることが好ましい。
上記精製されたGDH標品の部分アミノ酸配列を決定し、該部分アミノ酸配列を基に作製したプローブ又はプライマーを用いて、該微生物あるいは他の微生物由来のGDHをコードするDNAをクローニングし、そのようにしてクローニングされたDNAを種々の微生物に導入して、適宜培養・精製条件を決定してGDHを採取することは、当業者が容易になしうることである。
なお、上記の方法により得られたGDH遺伝子の塩基配列は、Science ,第214巻,1205(1981)に記載されたジデオキシ法により解読することができる。また、GDHのアミノ酸配列は上記のように決定された塩基配列より推定することができる。
さらに上記で得られたGDHは、グルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する限り、上記に例示されたものにさらに他のアミノ酸残基の一部が欠失または置換されていてもよく、また他のアミノ酸残基が付加されていてもよい。
また、GDHをコードする遺伝子も同様に改変されうる。
このような改変は当該技術分野における公知技術を用いて当業者であれば容易に実施することが出来る。例えば、蛋白質に部位特異的変異を導入するために当該蛋白質をコードする遺伝子の塩基配列を置換または挿入するための種々の方法が、Sambrookら著、Molecular Cloning; A Laboratory Manual 第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに記載されている。
また、上記で得られたGDH遺伝子は、さらに、GDHの発現を向上させる等の目的に応じて、コドンユーセージ(Codon usage)を変更したものを含みうる。
上記のようにして得られた精製酵素を、例えば凍結乾燥、真空乾燥やスプレードライなどにより粉末化して流通させることが可能である。
その際、本発明の酵素、キットまたはセンサーには、さらに他の安定化剤などをGDHの反応に特に悪い影響を及ぼさないような範囲で添加してもよい。本発明の安定化剤の配合法は特に制限されるものではない。例えばGDHを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定化剤を含む緩衝液にGDHを配合する方法、あるいはGDHと安定化剤を緩衝液に同時に配合する方法などが挙げられる。
共存できる緩衝液成分としては特に限定されるものではないが、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、GOOD緩衝液などが挙げられる。該緩衝液のpHは5.0〜9.0程度の範囲で使用目的に応じて調整される。凍結乾燥物中においては緩衝剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1%(重量比)以上、特に好ましくは0.1〜30%(重量比)の範囲で使用される。
さらに必要により他の成分、例えば界面活性剤、安定化剤、賦形剤、塩、アミノ酸、糖、防腐剤などを添加しても良い。
本発明のGDHは、液状(水溶液、懸濁液等)、粉末、凍結乾燥など種々の形態をとることができる。凍結乾燥法としては、特に制限されるものではなく常法に従って行えばよい。本発明の酵素を含む組成物は凍結乾燥物に限られず、凍結乾燥物を再溶解した溶液状態であってもよい。また、グルコース測定を行なう際には、グルコースアッセイキット、グルコースセンサーなどの種々の形態をとることができる。
凍結乾燥組成物中(センサー上も含む)においては、GDH含有量は、酵素の起源によっても異なるが、通常は約5〜70%(重量比)の範囲で好適に用いられる。酵素活性に換算すると、10〜3000U/mgの範囲で好適に用いられる。
本発明のGDHには、反応に影響を与える可能性のある添加物・混合物などの濃度を、影響を受けない程度まで低下させるか、実質的に共存させないことも可能である。例えば、牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)などのアルブミンを実質的に共存させないことも可能である。
上記のようにして製造されうるグルコースデヒドロゲナーゼは、グルコース濃度の測定に用いることができる。
グルコースアッセイキット
本発明はまた、本発明のGDHを含むグルコースアッセイキットである。本発明のグルコースアッセイキットは、本発明のGDHを少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明のGDHに加えて、アッセイに必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のGDHは種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。
グルコースセンサー
本発明はまた、本発明のGDHを用いるグルコースセンサーを特徴とする。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどを用いる方法があり、あるいはフェロセンあるいはその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。
グルコース濃度の測定は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、補酵素(フラビンなど)、およびメディエーターを加えて一定温度に維持する。メディエーターとしては、フェリシアン化カリウム、フェナジンメトサルフェートなどを用いることができる。作用電極として本発明のGDHを固定化した電極を用い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/AgCl電極)を用いる。カーボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、グルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
<実施例1>
アスペルギルス属菌由来GDHの取得
アスペルギルス属菌75種を独立行政法人製品評価技術基盤機構より購入し、それぞれのL乾標本をポテトデキストロース寒天培地(Difco製)に植菌し25℃でインキュベートすることにより復元した。復元させたプレート上の菌糸を寒天を掻き取ることで回収し、500ml容フラスコに入れた1%麦芽エキス、1.5%大豆ペプチド、2%グルコース、pH6.5 50mlに植菌した。30℃で3日間培養し、培養終了後、培養液を遠心分離して培養上清を回収し、上述の活性測定法にしたがいGDH活性を測定した。
その結果75株中14株においてGDH活性が確認された。
<実施例2>
温度安定性
実施例1でGDH活性が確認された各粗酵素液について50℃15分間加温処理行って処理前の処理後の活性を比較した。活性測定方法は上述の試験例に従った。加温処理前の活性に対する加温処理後の残存活性を表に示した。Aspergillus foetidus var. pallidus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger var. intermedius、Aspergillus flavus var. columnaris、Aspergillus oryzae var. oryzae、Aspergillus brunneo-uniseriatus、Aspergillus thomii、Aspergillus kambarensisに関しては、Aspergillus terreus var. aureusに比して、熱処理後も高い安定性を保持していると考えられた。
<実施例3>
基質特異性
実施例1で得た各粗酵素液のうち、安定性が極めて悪いものを除き、マルトース作用性を調べた。活性測定方法は上述の試験例にしたがい、マルトースに対する活性/グルコースに対する活性比をマルトース作用性と定義し、各種アスペルギルス属菌由来GDHの培養力価、マルトース作用性、熱処理後の残存活性を表1に示した。いずれの株に関しても、マルトース作用性は5%以下であり、マルトース作用性は極めて低いことが確認できた。
Figure 2008035748
本発明において、Aspergillus属菌株より、熱安定性にすぐれ、さらにマルトース作用性の低い、新規グルコースデヒドロゲナーゼを生産することをみだした。これら酵素は、グルコースセンサ等により適したものであると考えられる。
本発明の熱安定性、マルトース作用性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼは、体外診断用医薬品、センサーなどの医療用途や、その他のグルコース測定用途に用いることができる。

Claims (6)

  1. Aspergillus carbonarius、Aspergillus foetidus、Aspergillus ustus、Aspergillus foetidus var. pallidus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger var. intermedius、Aspergillus flavus var. columnaris、Aspergillus aculeatus、Aspergillus oryzae var. oryzae、Aspergillus phoenicis、Aspergillus brunneo-uniseriatus、Aspergillus avenaceus、Aspergillus thomii、Aspergillus kambarensisのうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、培養液から抽出・精製することにより得られうる、マルトース作用性および/または熱安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ。
  2. Aspergillus carbonarius NBRC4030、Aspergillus foetidus NBRC4031、Aspergillus ustus NBRC4104、Aspergillus foetidus var. pallidus NBRC4118、Aspergillus flavus NBRC4186、Aspergillus niger var. intermedusNBRC4281、Aspergillus flavus var. columnaris NBRC5324、Aspergillus aculeatus NBRC5330、Aspergillus oryzae var. oryzaeNBRC6215、Aspergillus phoenicis NBRC6648、Aspergillus brunneo-uniseriatus NBRC6993、Aspergillus avenaceus NBRC8129、Aspergillus thomii NBRC8135、Aspergillus kambarensis NBRC8870のうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、培養液から抽出・精製することにより得られうる、マルトース作用性および/または熱安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ。
  3. 請求項1または2に記載された微生物のうち少なくとも1種の微生物を、栄養培地にて培養し、グルコースデヒドロゲナーゼ活性、並びに、マルトース作用性および/または熱安定性を指標に、該培養液から抽出・精製する工程を含むグルコースデヒドロゲナーゼの製造方法
  4. 請求項1または2に記載のグルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース濃度の測定方法
  5. 請求項1または2に記載のグルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースアッセイキット
  6. 請求項1または2に記載のグルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースセンサー
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