JP2008035424A - アレーアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】1GHz以上の高い周波数帯域においても、電磁波ビームの走査制御または形状制御が容易で、高利得が得られ易い小形のアレーアンテナを実現すること。
【解決手段】円柱形の穴に金属を詰めて形成したビアVAは、誘電体基板15の裏面に形成される接地板16とスタブ12の端部とを少なくとも高周波に対してショートさせるためのものである。中継接続部16aは、このビアVAと同軸のリング形状のスリットSを接地板16に形成することによって、誘電体基板15の裏面側に島状に形成されたものである。各中継接続部16aは、何れも1つの容量Cを介して、接地板16に接続されている。この容量Cは、ストリップ線路14と接地板16とを、高周波に対してはショートさせ、同時に直流に対しては絶縁する。また、一方の容量Cには、その両端に電位差を設けるように(即ち並列に)直流電源が接続されている。
【選択図】図2−C
【解決手段】円柱形の穴に金属を詰めて形成したビアVAは、誘電体基板15の裏面に形成される接地板16とスタブ12の端部とを少なくとも高周波に対してショートさせるためのものである。中継接続部16aは、このビアVAと同軸のリング形状のスリットSを接地板16に形成することによって、誘電体基板15の裏面側に島状に形成されたものである。各中継接続部16aは、何れも1つの容量Cを介して、接地板16に接続されている。この容量Cは、ストリップ線路14と接地板16とを、高周波に対してはショートさせ、同時に直流に対しては絶縁する。また、一方の容量Cには、その両端に電位差を設けるように(即ち並列に)直流電源が接続されている。
【選択図】図2−C
Description
本発明は、裏面に接地板を有する誘電体基板の表側に導体から成る所定の単位パターンを一軸方向に周期的に繰り返し配置することによって形成されたストリップ線路を有するアレーアンテナ(漏れ波アンテナ)に関し、特に、アンテナの指向性を制御可能としたものに関する。
この発明は、ミリ波帯域又はマイクロ波帯域の電磁波を送信または受信するレーダや通信機器などに有益であり、アンテナの小型化または配設空間の省スペース化に大いに有用なものである。
この発明は、ミリ波帯域又はマイクロ波帯域の電磁波を送信または受信するレーダや通信機器などに有益であり、アンテナの小型化または配設空間の省スペース化に大いに有用なものである。
誘電体基板上にCRLH(Composite Right and Left Handed )伝送線路を備えた従来のストリップアレーアンテナ(漏れ波アンテナ)の構成例を図16に例示する。このCRLH線路には、伝送線路(X軸方向の主線路)を周期的に分断するギャップや、その伝送線路から枝分かれしたスタブなどが具備されている。このアンテナでは、ギャップが供するキャパシタンスや、スタブが供するインダクタンスの作用により、ある周波数帯において、伝送される電磁波の群速度の向きと位相速度の向きを相互に反対の向きとすることができる。これにより、伝送される電磁波の周波数を変化させることができるので、主線路上で電磁波が伝播する向きとは反対向きの図中のz軸の正の向きからx軸の負の向きの方に傾斜したθ<0なる角度領域に対しても電磁波を放射することができる。その結果、放射ビームの方向を変化させる場合には、その放射ビームの走査範囲を広くとることができる。この様な、位相速度と群速度の向きが反対となる原理については、例えば下記の非特許文献1などに詳しい開示がある。
また、下記の非特許文献2には、給電点から入力する電磁波の周波数を一定値に固定したまま、所定の電子制御に基づいて放射ビームの放射角を可変制御する制御方式が開示されている。この放射角の制御方式では、例えば図16などの様な配線パターンの個々のギャップやスタブに対して、それぞれバラクタダイオードを接近させて配置し、各バラクタダイオードの容量を可変制御することによって放射ビームの放射角を可変制御している。指向性の制御は、各ストリップ線路に印加する電圧を制御することで行うことができる。即ち、誘電体基板の表面に垂直な方向を中心(角度基準)として伝送方向に沿った、給電点側寄り又は終端点側寄り等の指向性(即ち、図16の角度θに関する指向性)は、各単位パターンへの給電電圧に基づいて変化する。
また、下記の特許文献1には、中央にビアのある金属パッチを誘電体基板上に周期的に配置したEBG構造(Electrical Band Gap 構造)の反射体を利用したビーム走査アンテナ(図17−A,−B)が提案されている。このビーム走査アンテナは、反射体が有する各金属パッチ間のキャパシタンスを変化させることによって、所定の方向からその反射体に入射した電磁波の反射波の進行方向、すなわち、反射の指向性を可変制御するもので、各金属パッチ間のキャパシタンスは、金属パッチが貼り付けられた可動板を水平方向に動かすことによって可変制御される。
なお、通常、電磁波センシングや無線通信などの分野では、放射電磁波の周波数を変化させることなく、アンテナの放射ビームの指向性が制御可能であることが望ましい。
伊藤龍男、他2名、’CHARACTERISTICS AND APPLICATIONS OF PLANAR NEGATIVE REFRACTIVE INDEX MEDIA’,MWE2003,WS02−03 伊藤龍男、他2名、’Electronically-Controlled Metamaterial-Based Transmission Line as a Continuous-Scanning Leaky-Wave Antenna’,2004 IEEE MTT-S Digest TU1D-4. 米国特許:US6,552,696B1
伊藤龍男、他2名、’CHARACTERISTICS AND APPLICATIONS OF PLANAR NEGATIVE REFRACTIVE INDEX MEDIA’,MWE2003,WS02−03 伊藤龍男、他2名、’Electronically-Controlled Metamaterial-Based Transmission Line as a Continuous-Scanning Leaky-Wave Antenna’,2004 IEEE MTT-S Digest TU1D-4.
しかしながら、非特許文献1に記載されている従来のアレーアンテナにおいては、給電電力の周波数を大きく変化させない限り、上記の様なθ<0なる角度領域をも含んだ広範囲に渡ってビームの指向性を任意に持たせることは困難であり、このため、この従来のアンテナでは、一定の周波数の電磁波の放射ビームの放射角を任意に可変制御することはできない。このため、この方式を採用したアンテナは、少なくとも通信やセンシングなどの用途には不利または不向きである。
また、非特許文献2に記載されている従来のアレーアンテナには、可変容量としてバラクタダイオードが用いられているが、一般にバラクタダイオードは伝送損失が大きいため、数GHz以上の周波数帯域においては、バラクタダイオードを所望の可変容量として動作させることは難しい。このため、数GHz以上の周波数帯域の電磁波を取り扱うアレーアンテナにこの従来技術を用いることはできない。
また、放射角が可変制御可能な1GHz以下の周波数帯域などにおいても、一般にバラクタダイオードでは標準容量(所定の基準容量)に対する容量変位の比率(変化率)を十分大きく確保することは必ずしも容易ではないので、放射角の変動範囲を大きく確保することも必ずしも容易とは言えない。
また、放射角が可変制御可能な1GHz以下の周波数帯域などにおいても、一般にバラクタダイオードでは標準容量(所定の基準容量)に対する容量変位の比率(変化率)を十分大きく確保することは必ずしも容易ではないので、放射角の変動範囲を大きく確保することも必ずしも容易とは言えない。
また、非特許文献3に記載されている従来のビーム走査アンテナ(図17−A,−B)には、以下の様な生産性や制御性や、或いは小型化や薄板化など係わる問題がある。
(1)図17−A,−Bに示す様に、EBG構造の反射体を用いてビーム走査アンテナを構成するので、この反射体に対して電磁波を照射するための別の給電用アンテナを別途用意する必要がある。また、電磁波ビームの放射において上記の反射体が介在するため、高い反射効率を実現しない限り、所望の放射ビームを高利得で得ることは難しい。
(2)可動板を水平方向に動かすことによって、アンテナの放射ビームの指向性を可変制御することはできるが、各金属パッチには周期的な位置関係に関する強い制約があり、各金属パッチをそれぞれ独立に位置制御することはできない。このため、この従来のビーム走査アンテナに対して、ビーム幅やビームパターンを可変制御するなどのビーム成形技法を導入することができない。
(1)図17−A,−Bに示す様に、EBG構造の反射体を用いてビーム走査アンテナを構成するので、この反射体に対して電磁波を照射するための別の給電用アンテナを別途用意する必要がある。また、電磁波ビームの放射において上記の反射体が介在するため、高い反射効率を実現しない限り、所望の放射ビームを高利得で得ることは難しい。
(2)可動板を水平方向に動かすことによって、アンテナの放射ビームの指向性を可変制御することはできるが、各金属パッチには周期的な位置関係に関する強い制約があり、各金属パッチをそれぞれ独立に位置制御することはできない。このため、この従来のビーム走査アンテナに対して、ビーム幅やビームパターンを可変制御するなどのビーム成形技法を導入することができない。
また、目的のアンテナを構成する誘電体基板の誘電率または透磁率を、能動的に制御された電界または磁界によって可変制御して、これによってアレーアンテナの放射ビームの放射角を所望の角度に可変制御する制御方式を考えることもできるが、誘電率が変化する例えばフェライトなどの材料をアンテナ基板に用いた場合には、アンテナ中を伝播する電磁波の電力損失が非常に大きくなるので、アンテナの利得を大きく確保することは困難になる。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、1GHz以上の高い周波数帯域においても、電磁波ビームの走査制御または形状制御が容易で、高利得が得られ易い小形のアレーアンテナを実現することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、平面状の導体から成る同一または類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、その誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、与えられた電界によって誘電率が変化する誘電率可変部材と、この誘電率可変部材に対して電界を与える電界設定手段とを備え、上記の単位パターンに、伝送線路と、この伝送線路を途中で分断するギャップと、この伝送線路から枝分かれするスタブとを備え、上記の誘電率可変部材を上記のギャップまたはスタブに対して接近して配置し、上記の誘電体基板に、接地板から独立した島状に上記の誘電体基板の裏面に形成された中継接続部と上記のスタブとを電気的に接続するビアを設け、上記の電界設定手段によって、この中継接続部に与える直流電位を可変制御することにより、上記の電界を可変制御することである。
即ち、本発明の第1の手段は、平面状の導体から成る同一または類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、その誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、与えられた電界によって誘電率が変化する誘電率可変部材と、この誘電率可変部材に対して電界を与える電界設定手段とを備え、上記の単位パターンに、伝送線路と、この伝送線路を途中で分断するギャップと、この伝送線路から枝分かれするスタブとを備え、上記の誘電率可変部材を上記のギャップまたはスタブに対して接近して配置し、上記の誘電体基板に、接地板から独立した島状に上記の誘電体基板の裏面に形成された中継接続部と上記のスタブとを電気的に接続するビアを設け、上記の電界設定手段によって、この中継接続部に与える直流電位を可変制御することにより、上記の電界を可変制御することである。
ただし、本願発明のアレーアンテナは何れも、ストリップ線路が1本のラインアンテナであっても、複数本のストリップ線路から成る平面アンテナであっても良い。言い換えれば、上記の単位パターンは、1列に配列しても良いし、複数列に渡ってそれぞれ配列しても良い。
また、上記の電界の可変制御は、電界強度を連続的に変化させ得るものであっても、段階的に変化させるものであってもよく、直流電位の単なるon/off制御によるものであっても良い。したがって、例えば、上記の電界設定手段で与える電界の強さの加減によって、上記の誘電率可変部材の各方向の誘電率は、単調かつ連続的に自在に可変制御することもできる。
なお、上記のビアには金属導体を埋め込むものとする。
また、上記の電界の可変制御は、電界強度を連続的に変化させ得るものであっても、段階的に変化させるものであってもよく、直流電位の単なるon/off制御によるものであっても良い。したがって、例えば、上記の電界設定手段で与える電界の強さの加減によって、上記の誘電率可変部材の各方向の誘電率は、単調かつ連続的に自在に可変制御することもできる。
なお、上記のビアには金属導体を埋め込むものとする。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、上記の誘電率可変部材を液晶または強誘電体から構成することである。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の電界設定手段を上記の単位パターン毎にそれぞれ個別に設け、上記の直流電位の可変制御をこれらの単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することである。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の中継接続部と接地板とを高周波に対して容量を介してショートさせることである。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の電界設定手段を上記の単位パターン毎にそれぞれ個別に設け、上記の直流電位の可変制御をこれらの単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することである。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の中継接続部と接地板とを高周波に対して容量を介してショートさせることである。
また、本発明の第5の手段は、平面状の導体から成る同一または類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、この誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、誘電体、磁性体、金属導体、またはそれらの複合体のうち少なくとも一つから構成され、ストリップ線路からの高さhが変動可能な可動部材と、この可動部材に対して機械的に作用して可動部材の高さhを変化させるアクチュエータとを設け、上記の単位パターンに、伝送線路と、この伝送線路を途中で分断するギャップと、この伝送線路から枝分かれするスタブとを設け、上記の可動部材をストリップ線路または単位パターンに対して接近させてストリップ線路または単位パターンを覆う様に配設し、上記の誘電体基板に、上記のスタブと接地板とを高周波に対してショートさせるビアを設けることである。
ただし、上記のビアには金属導体を埋め込むものとする。また、上記の高さhは、単位パターンが配列される誘電体基板の表面から垂直に計った距離である。
ただし、上記のビアには金属導体を埋め込むものとする。また、上記の高さhは、単位パターンが配列される誘電体基板の表面から垂直に計った距離である。
また、本発明の第6の手段は、上記の第5の手段において、アクチュエータと可動部材を上記の各単位パターン毎にそれぞれ個別に設け、上記の高さhに関する可変制御を上記の各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することである。
また、本発明の第7の手段は、上記の第5または第6の何れか1つの手段において、上記のビアと接地板とを、誘電体基板の裏面側において容量を介して、高周波に対してショートさせることである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
また、本発明の第7の手段は、上記の第5または第6の何れか1つの手段において、上記のビアと接地板とを、誘電体基板の裏面側において容量を介して、高周波に対してショートさせることである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
CRLH漏れ波アンテナのスタブの構成形態としては、スタブの先端に一定の面積(即ち擬似的な接地容量)を有する幅広の端部領域を設けることで仮想的にグランド接続の代わりにする方式と、金属導体を詰めたビアを誘電体基板に設けて、表側のスタブの終端部を基板裏面のグランド(接地板)にこのビアを介して少なくとも高周波的にショートさせる方式の2通りを考えることができる。
そして、ビアを用いる後者の方式によれば、上記の端部領域を設ける必要がなくなるため、その単位パターンにおいては、前者の方式を採用する場合よりも、誘電体基板の表側の放射面積が減少すると共にスタブに流れる電流が減少する。このため、後者の方式によれば、導体から成る単位パターンを誘電体基板の表面に数多く配列する場合に、給電部付近に配列された単位パターンからの無駄な放射が効果的に抑えられると同時に、給電点から遠い単位パターンにまで給電電力を効率よく配給することができる。このため、各単位パターンの間で放射量が均一化されるか、少なくとも各単位パターンの間で放射量の偏りが効果的に減少する。この結果、アンテナの利得が向上すると共に放射ビームの形状が、前者の方式よりも細くなる。
したがって、ビアを用いる後者の方式を採用する本発明のアレーアンテナによれば、高い利得と優れた指向性を同時に得ることができる。
そして、ビアを用いる後者の方式によれば、上記の端部領域を設ける必要がなくなるため、その単位パターンにおいては、前者の方式を採用する場合よりも、誘電体基板の表側の放射面積が減少すると共にスタブに流れる電流が減少する。このため、後者の方式によれば、導体から成る単位パターンを誘電体基板の表面に数多く配列する場合に、給電部付近に配列された単位パターンからの無駄な放射が効果的に抑えられると同時に、給電点から遠い単位パターンにまで給電電力を効率よく配給することができる。このため、各単位パターンの間で放射量が均一化されるか、少なくとも各単位パターンの間で放射量の偏りが効果的に減少する。この結果、アンテナの利得が向上すると共に放射ビームの形状が、前者の方式よりも細くなる。
したがって、ビアを用いる後者の方式を採用する本発明のアレーアンテナによれば、高い利得と優れた指向性を同時に得ることができる。
以下、前述の本発明の各手段によるそれぞれの作用・効果について説明する。
例えば、本発明の第1の手段によれば、上記の電界設定手段を使って、上記の誘電率可変部材が置かれる空間領域の電界を可変制御することができるので、それらの誘電率可変部材を構成する分子レベルの電気双極子のモーメントベクトルの方向を所望の方向に可変制御することができる。よって、この可変作用に基づいて、上記の誘電率可変部材の各方向の誘電率が制御可能となる。更に、この誘電率可変部材の誘電率の変化により、ストリップ線路を構成する上記の各ギャブが持つキャパシタンスや、上記の各スタブが持つインダクタンスや、或いは各単位パターンと接地板との間の各キャパシタンスまたはアドミタンスなどが変化する。
例えば、本発明の第1の手段によれば、上記の電界設定手段を使って、上記の誘電率可変部材が置かれる空間領域の電界を可変制御することができるので、それらの誘電率可変部材を構成する分子レベルの電気双極子のモーメントベクトルの方向を所望の方向に可変制御することができる。よって、この可変作用に基づいて、上記の誘電率可変部材の各方向の誘電率が制御可能となる。更に、この誘電率可変部材の誘電率の変化により、ストリップ線路を構成する上記の各ギャブが持つキャパシタンスや、上記の各スタブが持つインダクタンスや、或いは各単位パターンと接地板との間の各キャパシタンスまたはアドミタンスなどが変化する。
したがって、本発明の第1の手段によれば、これらの可変作用に基づいて、アンテナの指向性を広域に渡って任意に制御することができる(指向性可変制御機能)。また、上記の可変動作は液晶等の分子レベルの動作に基づくものであるから、走査動作の高速化や装置の小形化などにも有利である。
なお、ビアの裏面側に配置される上記の中継接続部は、上記の電界設定手段が備える直流電源に対して高周波的にはアースされるが、この様な接地経路は、その他にも例えば本発明の第4の手段の様にして容量を用いて補ってもよいし、また、補わなくてもよい。この様なビアを用いることによって、前述の幅広の端部領域を表側のスタブの先端に設ける必要がなくなるため、優れた指向性と高い利得が得られることは前述の通りである。
なお、ビアの裏面側に配置される上記の中継接続部は、上記の電界設定手段が備える直流電源に対して高周波的にはアースされるが、この様な接地経路は、その他にも例えば本発明の第4の手段の様にして容量を用いて補ってもよいし、また、補わなくてもよい。この様なビアを用いることによって、前述の幅広の端部領域を表側のスタブの先端に設ける必要がなくなるため、優れた指向性と高い利得が得られることは前述の通りである。
また、本発明の第1の手段によれば、上記の電界設定手段が有する直流電源に上記の中継接続部が接続されるため、表側に位置する単位パターンの一部を構成するスタブは、高周波に対しては上記のビアを介して接地状態となる。また、この中継接続部は誘電体基板の裏面側に配設されるので、この中継接続部と直流電源とを接続するバイアス線路は、誘電体基板の裏面側に隠すことができる。
したがって、本発明の第1の手段によれば、そのバイアス線路から表側へ放射される高周波の漏れ出しを効果的に抑えることができ、よって、アレーアンテナの放射特性に対するバイアス線路の悪影響を効果的に排除することができる。このため、アンテナの設計が容易となると共に、アンテナの放射特性が従来よりも良好となる。
したがって、本発明の第1の手段によれば、そのバイアス線路から表側へ放射される高周波の漏れ出しを効果的に抑えることができ、よって、アレーアンテナの放射特性に対するバイアス線路の悪影響を効果的に排除することができる。このため、アンテナの設計が容易となると共に、アンテナの放射特性が従来よりも良好となる。
また、上記の中継接続部と基板裏面の接地板との間は直流的にはショートされず、この間には上記の電界設定手段によって任意の直流電位差を与えることができるので、これによって上記の指向性可変制御機能が保証される。
ちなみに、上記のバイアス線路は、その配線幅を例えば10μm程度にまで十分に細くすれば、そのリアクタンスに基づいて高周波を伝達しなくなるので表側に設けても構わなくなる。しかしながら、現在のエッチング加工の技術水準に照らすと、基板上に形成可能な配線の幅は、80〜100μm程度の細さが限界である。このため、上記の所望の加工精度を実現することは容易ではなく、よって、配線幅を十分に細くして基板の表側にバイアス線路を配設する様な方式は、少なくとも今のところ余り現実的なアプローチとは言えない。
一方、本発明の第1の手段によれば、上記のバイアス線路は、誘電体基板の裏面側に隠れるため、配線が若干太くなりがちなワイヤーボンディングなどの工法も、誘電体基板の裏面側においては、従来よりも自由に導入することができ、配線の加工が容易である。
ちなみに、上記のバイアス線路は、その配線幅を例えば10μm程度にまで十分に細くすれば、そのリアクタンスに基づいて高周波を伝達しなくなるので表側に設けても構わなくなる。しかしながら、現在のエッチング加工の技術水準に照らすと、基板上に形成可能な配線の幅は、80〜100μm程度の細さが限界である。このため、上記の所望の加工精度を実現することは容易ではなく、よって、配線幅を十分に細くして基板の表側にバイアス線路を配設する様な方式は、少なくとも今のところ余り現実的なアプローチとは言えない。
一方、本発明の第1の手段によれば、上記のバイアス線路は、誘電体基板の裏面側に隠れるため、配線が若干太くなりがちなワイヤーボンディングなどの工法も、誘電体基板の裏面側においては、従来よりも自由に導入することができ、配線の加工が容易である。
また、本発明の第2の手段によれば、上記の誘電率可変部材が示す誘電率の可変範囲をより広く確保することができるので、放射ビームの走査角の範囲をより大きく確保することができる。また、本発明の第2の手段によれば、放射ビームの形状を所望の形状に制御する場合にも、それらの制御性(自由度)をより高く確保することができる。
また、本発明の第5の手段の可動部材を基板に対して垂直に機械的に動かすと、これにより、ギャップやスタブの近傍の等価誘電率を変化させたり、ギャップが供するキャパシタやスタブが供するインダクタの電気長を変化させることができる。即ち、上記の高さhを可変制御することにより、ギャップのキャパシタンスやスタブのインダクタンスを変化させることができるため、アレーアンテナから放射される電磁波の強度や位相分布などを自在に可変制御することができる。したがって、本発明の第5の手段によれば、上記の高さhを上記のアクチュエータを用いて可変制御することにより、当該アレーアンテナの指向性を可変制御することができる。
また、この時の高さhの変動幅は、1mm未満の十分に小さな長さに留めることができるので、本発明の第5の手段によれば、1GHz以上の高い周波数帯域においても、所定の周波数に対してビーム指向の走査範囲の広い、従来よりも格段に小形のアレーアンテナを実現することができる。これは、個々の可動部材の微小変位に基づいて、放射ビームの指向性が可変制御できるので、アレーアンテナ全体の方位を機械的に変化させて指向性を可変制御する従来方式の場合に比べ、所望のアレーアンテナをよりコンパクトに形成することができるためである。
なお、本発明の第5の手段においても、上記のビアを用いることによって前述の幅広の端部領域を表側のスタブの先端に設ける必要がなくなり、その結果、優れた指向性と高い利得が得られることは前述の通りである。
なお、本発明の第5の手段においても、上記のビアを用いることによって前述の幅広の端部領域を表側のスタブの先端に設ける必要がなくなり、その結果、優れた指向性と高い利得が得られることは前述の通りである。
また、本発明の第3または第6の手段によれば、上記のキャパシタンスやインダクタンスを各単位パターン毎に制御することができるので、アンテナのビーム幅やビーム形状をも自在に可変制御することができる。
例えば、上記のキャパシタンスやインダクタンスを各単位パターン毎に制御することによって、アンテナの有効長を可変制御することができるので、これによって、アンテナのビーム幅を可変制御することができる。この有効長は、当該アンテナを構成する単位パターンの配列の全長の内、実際にアンテナとして実質的に有効に作用する部分の長さのことであり、この長さは各単位パターンの各放射量に基づいて判定することができる。より具体的には、これらのアンテナの有効長は、所定の周波数帯に対して動作しにくい単位パターンの並びをアンテナの終端側に設けてそこにバンドギャップを形成することによって可変制御することができ、所定の周波数帯に対して動作しにくい上記の単位パターンの並びの長さ(単位パターンの長さ×単位パターンの個数)が長い場合ほど、アンテナの有効長を短く設定することができる。
また、個々の単位パターン毎にそれらの位相を可変制御することによって、個々の単位パターン毎にそれらの指向性を制御すれば、アレーアンテナのビーム形状にヌルを形成することができる。また、例えばテーラー分布などの様な適当な放射パターンを採用すれば、上記のキャパシタンスやインダクタンスを各単位パターン毎に制御することによって、サイドローブの小さなビーム形状を実現することも可能となる。
また、これらの可変制御を任意に組み合わせることによって、以上で述べた放射ビームの指向性の可変機能や放射ビームの形状の可変機能など各種の所望の機能を何れも任意に組み合わせて同時に実現することができる。
また、これらの可変制御を任意に組み合わせることによって、以上で述べた放射ビームの指向性の可変機能や放射ビームの形状の可変機能など各種の所望の機能を何れも任意に組み合わせて同時に実現することができる。
また、本発明の第4または第7の手段によれば、各単位パターンと接地板との間の容量や上記の各ギャップの容量などを設計する場合に、これらの容量に関する設計の自由度が大きくなる。このため、本発明の第4または第7の手段によれば、所望のアンテナの放射ビームの指向性、ビーム形状、走査範囲などのチューニングが容易となる。また、この様な自由度の導入は、装置の小形化にも効果的に寄与し得る。
上記の単位パターンは、少なくとも設計や製造の容易性の観点からすれば、同一パターンのものを周期的に配列することが望ましいが、必ずしも同一パターンのものを周期的に配列する必要はない。また、ストリップ線路の構成要素となる上記の単位パターンは、伝送線路やスタブなどの各部の太さや長さなどの寸法が、必ずしも揃える必要はなく、また、ギャップなどの間隔なども不揃いでも良い。
また、上記のスタブはストリップ線路の片側だけにあっても、同位置で両側にあっても良く、或いは、進行方向に沿って設ける側を交互に反転しても良い。また、通常、上記のスタブはストリップ線路に対して直角に設けられるが、その角度は一般に任意で良い。また、上記のギャップを構成するストリップ線路の対峙部分は、そのキャパシタンスを大きくするために、伝送方向に対して垂直な方向の幅を広く構成しても良い。
また、上記のスタブはストリップ線路の片側だけにあっても、同位置で両側にあっても良く、或いは、進行方向に沿って設ける側を交互に反転しても良い。また、通常、上記のスタブはストリップ線路に対して直角に設けられるが、その角度は一般に任意で良い。また、上記のギャップを構成するストリップ線路の対峙部分は、そのキャパシタンスを大きくするために、伝送方向に対して垂直な方向の幅を広く構成しても良い。
また、以下に例示する各実施例のアレーアンテナが放射または受信する電磁波の周波数は、概ね10GHz〜300GHzの範囲(ミリ波帯及び準ミリ波帯)において概ね略一定に固定された周波数を想定したものであり、単位パターンをx軸方向に繰り返し形成する際のそのパターン形成周期は、勿論従来と同様にしてその周波数に合わせて決定すれば良い。ただし、本発明によって得ることができる作用・効果は、必ずしも上記の周波数帯域内の電磁波を取り扱うアレーアンテナだけに限定されるものではない。
また、特に上記の誘電率可変部材を液晶で構成する場合には、上記の電界を掛けていない時にその液晶分子を所望の向きに揃えるために、その方向に溝が彫られた板(例えば配向膜など)を用いることが望ましい。即ち、この様な液晶分子の配向制御には、例えば液晶ディスプレーの分野の技術などを適用したり応用したりすることができる。
また、特に上記の本発明の第5の手段を採用する場合には、以下の実施形態なども有効である。即ち、例えば、上記のアクチュエータは、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)などを用いて構成することが可能であり、この場合には、電気的に上記の高さhを制御することができる。ただし、上記の高さhは、機械的な駆動制御機構を用いて可変制御しても良い。
また、誘電体と金属導体との複合体、若しくは磁性体と金属導体との複合体で、上記の可動部材を構成した場合には、その誘電体や磁性体の表面に金属導体を設けても良く、或いはその誘電体や磁性体の内部に金属導体を設けても良い。
ただし、ストリップ線路全体または単位パターン全体を覆う様な広範に渡って連なる金属導体を配置すると、当該アレーアンテナからの電磁波の放射が阻止されてしまうので、板状または網状に広く連なった金属導体を上記の可動部材の構成に使用することはない。これらの金属導体を用いる場合には、それらの金属導体は、例えば誘電体基板の中に局所的に含めるなどして、上記の可動部材の少なくとも一部として局所的に分散配置する。
ただし、ストリップ線路全体または単位パターン全体を覆う様な広範に渡って連なる金属導体を配置すると、当該アレーアンテナからの電磁波の放射が阻止されてしまうので、板状または網状に広く連なった金属導体を上記の可動部材の構成に使用することはない。これらの金属導体を用いる場合には、それらの金属導体は、例えば誘電体基板の中に局所的に含めるなどして、上記の可動部材の少なくとも一部として局所的に分散配置する。
また、上記の可動部材は、必ずしも上記の単位パターンの全体を覆う様に配設しなくても良い。例えば、上記の可動部材によって、ギャップだけを上から覆う様にしても良いし、スタブだけを上から覆う様にしても良いし、それらの両方だけを上から覆う様にしても良い。ギャップの近傍に配設される可動部材の部分がそのギャップのキャパシタンスを支配的に変化させ、スタブの近傍に配設される部分がそのスタブのインダクタンスを支配的に変化させる。
なお、上記の可動部材の材料としては、例えばフッ素樹脂やセラミックスなどが適している。これらの材料を用いれば、上記の可動部材の比誘電率を2〜10に制御することができるので、1GHz以上の高い周波数帯域においても使用可能な、ビーム指向の走査範囲の広い小形のアレーアンテナを安価に実現することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1に本実施例1のアレーアンテナ100の平面図を示す。比誘電率が2.2の4フッ化エチレン樹脂から成る誘電体基板15の中央には、矩形のプール領域15aが形成されており、このプール領域15aの中には、ネマティック液晶に光重合成ポリマーを混合して成る液晶13(誘電率可変部材)が充鎮されている。また、この液晶13を包む各面には、x軸方向に延びた配向溝が形成されている。給電点p1 から終端点p2 へ展開されているストリップ線路14の殆どの部位は、この液晶13の上にパターン形成されている。このストリップ線路14は例えば銅などの導体から形成することができ、その殆どの部位は、単位パターンUの周期的な繰り返しによって形成されている。単位パターンUは、x軸方向に延びる主線路11と、この主線路11を幹としてy軸方向に延びるスタブ12と、主線路11を途中で分断するギャップG1から構成されている。
このアレーアンテナ100は、上記の単位パターンUをx軸方向に16周期配列して構成されている。分断された主線路11の対峙面から形成されるこのギャップG1はキャパシタを構成するものであり、その対峙部11a,11bはそれぞれ、ギャップG1のキャパシタンスを増大させるために、y軸方向に拡張して形成されている。また、y軸方向に突き出したスタブ12の端部には、ビアVAが形成されている。
図2−A,−B,−Cにアレーアンテナ100の単位パターンUの平面図と、その各断面α、断面βにおける断面図をそれぞれ示す。誘電体基板15の裏面には、平板状の導体から成る接地板16が形成されている。ビアVAは、誘電体基板15の裏面に形成される接地板とスタブ12の端部とを少なくとも高周波に対してショートさせるためのものであり、誘電体基板15にz軸方向に掘り空けた円柱形の穴に金属を詰めて形成したものである。ビアVAの裏面側は、中継接続部16aに接続されている。この中継接続部16aは、ビアVAと同軸のリング形状のスリットSを接地板16に形成することによって、誘電体基板15の裏面側に島状に形成されたものである。各中継接続部16aは、何れも1つの容量Cを介して、接地板16に接続されている。この容量Cは、ストリップ線路14と接地板16とを、高周波に対してはショートさせ、同時に直流に対しては絶縁する。また、一方の容量Cには、その両端に電位差を設けるように(即ち並列に)直流電源が接続されている。即ち、この直流電源の一方の配線q1 は中継接続部16aに、もう一方の配線q2 は接地板16に接続されている。この様な直流電源は、各単位パターンU毎に配設してもよいし、例えば並列接続などによって、1つの直流電源を各単位パターンUの間で共有する様にしても良い。
この様な電界設定手段(上記の直流電源や配線q1 ,q2 など)を用いて、ストリップ線路14の下に配置された液晶13(誘電率可変部材)に対してz軸方向に電界を掛けると、液晶13を構成する液晶分子が回転して向きを変えるので、この時、z軸方向の誘電率は高くなる。
例えば、上記の液晶13のz軸方向の厚みを約0.127mmに設定した場合、上記の電界設定手段でストリップ線路14と接地板16との間に100Vの電圧をかけると、液晶13のz軸方向の比誘電率は約2.2から約2.8まで変化する。また、この電圧を50Vにすると、液晶13のz軸方向の比誘電率は約2.4になる。
例えば、上記の液晶13のz軸方向の厚みを約0.127mmに設定した場合、上記の電界設定手段でストリップ線路14と接地板16との間に100Vの電圧をかけると、液晶13のz軸方向の比誘電率は約2.2から約2.8まで変化する。また、この電圧を50Vにすると、液晶13のz軸方向の比誘電率は約2.4になる。
図3−Aは、アレーアンテナ100の放射シミュレーションにおける配線図である。ここでは、上記の直流電源を電圧可変の電源とし、各単位パターンUの間で共有する様に、各単位パターンUを電源に対して並列に接続した。
一方、図3−Bには、同放射シミュレーションに対する比較例の構成を示す。このアレーアンテナ900においては、ビアを設けずに直接スタブ12の幅広の端部12aから配線q3 を用いて、各単位パターンのストリップ線路に直流電位を与える方式とした。ここで、端部12aを幅広に形成する理由は、この部位によって接地点を擬似的に具現するためであり、これによって、仮想的な接地容量が構成されている。
本実施例のアレーアンテナ100では、表側のストリップ線路14の面積がアレーアンテナ900のものよりも小さいため、ストリップ線路14と接地板16との間の容量も小さくなってしまうが、それらは、上記の容量C(図2−C)によって補ったり調整したりすることができる。また、上記の幅広の端部12aが奏する容量(上記の接地容量)についても同様に、上記の容量C(図2−C)によって、補ったり調整したりすることができる。
本実施例のアレーアンテナ100では、表側のストリップ線路14の面積がアレーアンテナ900のものよりも小さいため、ストリップ線路14と接地板16との間の容量も小さくなってしまうが、それらは、上記の容量C(図2−C)によって補ったり調整したりすることができる。また、上記の幅広の端部12aが奏する容量(上記の接地容量)についても同様に、上記の容量C(図2−C)によって、補ったり調整したりすることができる。
したがって、この様な調整を適当に行えば、アレーアンテナ100を、その放射面積以外の点でアレーアンテナ900(比較列)と略等価な回路に構成することができる。言い換えれば、これらの調整パラメータを集中定数素子を用いて簡単に具備できる点でも、本実施例1のアレーアンテナ100のスタブの接地方式は優れており、例えば本実施例の様な裏面の容量Cを介した接地方式によれば、所望のアンテナの放射ビームの指向性、ビーム形状、走査範囲などのチューニングが容易となる。また、この様な自由度の導入は、目的のアレーアンテナの小形化にも寄与する。
図4−A〜Cに、本実施例1の放射シミュレーションの結果(放射特性)を示す。本シミュレーション結果より、以下のことが分かる。ただし、この放射シミュレーションでは、給電する高周波の周波数を76GHzとし、上記の容量Cを5pFと仮定した。
(1)ビアを有する本実施例1のアレーアンテナ100では、直流電源の電圧を0Vから100Vまで変化させることによって、放射ビームの放射ピークの方位角θを+28°から−24°まで振ることができる。
(2)アレーアンテナ100(ビアあり)では、アレーアンテナ900よりも利得が約1dBi高い。
(3)アレーアンテナ100(ビアあり)のビーム幅は、アレーアンテナ900のものよりも狭い。(この放射特性は、観測対象とすべきターゲットを絞り込む際などに、非常に有利である。)
(1)ビアを有する本実施例1のアレーアンテナ100では、直流電源の電圧を0Vから100Vまで変化させることによって、放射ビームの放射ピークの方位角θを+28°から−24°まで振ることができる。
(2)アレーアンテナ100(ビアあり)では、アレーアンテナ900よりも利得が約1dBi高い。
(3)アレーアンテナ100(ビアあり)のビーム幅は、アレーアンテナ900のものよりも狭い。(この放射特性は、観測対象とすべきターゲットを絞り込む際などに、非常に有利である。)
これらのシミュレーション結果は、アレーアンテナ100においては、給電点付近に配列される単位パターンUからの無駄な放射が抑制されると共に、その分の給電電力が終端点付近の単位パターンにまで効率よく行き届くために、各単位パターン間で放射が均一化された結果生じるものと考えられる。
また、アレーアンテナ900では、バイアス線路(配線q3 )を誘電体基板の表側に露出させざるを得ないが、アレーアンテナ100では、ビアVAの導入によって、これらの配線(配線q1 ,q2 )を裏面側に隠すことができるため、これらのバイアス線路からの放射が、所望のアレーアンテナの放射特性に悪影響を与える恐れも払拭される。
また、アレーアンテナ900では、バイアス線路(配線q3 )を誘電体基板の表側に露出させざるを得ないが、アレーアンテナ100では、ビアVAの導入によって、これらの配線(配線q1 ,q2 )を裏面側に隠すことができるため、これらのバイアス線路からの放射が、所望のアレーアンテナの放射特性に悪影響を与える恐れも払拭される。
図5−A,−Bに、本実施例2の放射シミュレーションにおける配線図を示す。本実施例では、実施例1のアレーアンテナ100に対して、各単位パターン毎にその配線q1 上にそれぞれスイッチSWを設けることによって新たにアレーアンテナ110を構成し、これらのスイッチSWのon/off状態に基づいて、アンテナの放射ビームの幅を可変制御できる様にした。
図5−A,−Bの直流電源の電圧は何れも100Vであるが、図5−Aが表す接続状態aにおいては、16個の全てのスイッチSWがoff状態になっているため、各誘電率可変部材(液晶13)のz軸方向の比誘電率はそれぞれ何れも2.2のままになっている。一方、図5−Bが表す接続状態bにおいては、給電点寄りの8つの単位パターンUに対応する各スイッチSWがそれぞれoff状態になっており、残り半分の終端点P2 寄りの8つの単位パターンUについては、対応する各スイッチSWがon状態になっている。このため、終端点P2 寄りの8つの単位パターンUの各誘電率可変部材(液晶13)のz軸方向の比誘電率はそれぞれ2.8に変化している。
この時、上記の接続状態b(図5−B)では、事実上有効なアンテナ長が接続状態a(図5−A)の半分になっている。これは、液晶13の個々の分子からなる各双極子モーメントが電界に従ってそれぞれz軸方向に配向されると、図2−AのギャップG1の部分(容量)を高周波が伝播し難くなると同時に、伝播された高周波が接地板16にアースされ易くなるためであり、この作用に基づいて、接続状態bでは終端点P2 寄りの8つの各単位パターンUはアンテナ素子(放射エレメント)としては殆ど動作しない。以下、この様な非動作の単位パターンUの群列によって形成される、アレーアンテナの非動作部をバンドギャップと言う。
図6に、この放射シミュレーションの結果(放射特性)を示す。このグラフから分かる様に、利得が3dBi〜4dBiの付近では、アレーアンテナ110の接続状態aにおける放射ビームの幅は、接続状態bの時の凡そ半分になっている。また、放射ピークにおける利得は、接続状態aの時が10.1dBiで、接続状態bの時が7.6dBiになっている。これらの結果より、近距離のものを幅広く検出したい場合には、図5−Bの様に制御するとよく、遠方のものを角度を絞って検出したい場合には、図5−Aの様な制御形態が適していることが分かる。
また、アンテナの放射ビームの幅は、他の類例を後から図15を用いて例示するのと同様に、非動作状態に設定する(即ち、液晶の双極子モーメントがz軸方向に配向される)単位パターンUの数によって制御することができる。
また、アンテナの放射ビームの幅は、他の類例を後から図15を用いて例示するのと同様に、非動作状態に設定する(即ち、液晶の双極子モーメントがz軸方向に配向される)単位パターンUの数によって制御することができる。
更に、図5−Bの接続形態bにおいて、直流電源の電圧を100Vから50Vに変更して、同様のシミュレーションを行った。その結果を図7のグラフbに示す。ただし、この図7中のグラフaは、図4−Aのビアありの場合のグラフを比較参照のためにそのまま写したものである。各電源の電圧をこの様に比較的狭い範囲(0V〜50V)で制御した場合には、バンドギャップは形成されず、各単位パターンUからの放射量や放射の方向を任意に制御することができる。
本図7のグラフaとグラフbとでは、ピーク利得に殆ど差異がないが、グラフbには、+2°の周辺にヌルが形成されている。これは、給電側の8つの単位パターンUからの放射ビームがBackward側に向き、終端側の8つの単位パターンUからの放射ビームがForward 側に向くためであり、この作用により、アンテナの略正面の方向にヌルが向く。また、このヌルが向く方向は、直流電源の電圧を変化させることにより制御可能である。
したがって、例えばノイズ源の方位が既知である場合などには、その方向に上記のヌルの方向を合わせることによって、当該アレーアンテナのS/N比を効果的に向上させることができる。
本図7のグラフaとグラフbとでは、ピーク利得に殆ど差異がないが、グラフbには、+2°の周辺にヌルが形成されている。これは、給電側の8つの単位パターンUからの放射ビームがBackward側に向き、終端側の8つの単位パターンUからの放射ビームがForward 側に向くためであり、この作用により、アンテナの略正面の方向にヌルが向く。また、このヌルが向く方向は、直流電源の電圧を変化させることにより制御可能である。
したがって、例えばノイズ源の方位が既知である場合などには、その方向に上記のヌルの方向を合わせることによって、当該アレーアンテナのS/N比を効果的に向上させることができる。
図8に示す本実施例3のアレーアンテナ120は、実施例1のアレーアンテナ100において、図2−Cの直流電源を各単位パターンU毎に設けたものであり、これらの各直流電源の電圧は、それぞれ個別に可変制御することができる。上記の実施例2におけるビーム幅調整機能やヌル形成機能は、個々の単位パターンUに掛ける電界の大きさをそれぞれ可変制御することによって実現されるものであるから、勿論本実施例3のアレーアンテナ120によっても、同様の機能を実現することができる。
なお、この構造においても同様に、特に各電源の電圧を比較的狭い範囲(例:0V〜50V)で制御した場合には、バンドギャップ(上記の非動作部)は形成されず、各単位パターンUからの放射量や放射の方向を任意に制御することができる。このため、本実施例3のアレーアンテナ120を用いれば、上記のヌル形成機能などの他にも、例えば以下の機能を実現することもできる。
(サイドローブ抑制機能)
本サイドローブ抑制機能は、xz面上に現われるサイドローブの放射レベルを抑えるものであり、この機能は各単位パターンUからの放射の分布を一般的に知られているテイラー分布とすることによって実現することができる。
本サイドローブ抑制機能は、xz面上に現われるサイドローブの放射レベルを抑えるものであり、この機能は各単位パターンUからの放射の分布を一般的に知られているテイラー分布とすることによって実現することができる。
図9に本実施例4のアレーアンテナ200の斜視図および断面図を示す。誘電体基板1は、4フッ化エチレン樹脂(:比誘電率2.2)から形成された厚さ約0.13mmの板状材料から成り、これが高さ変動可能な可動部材に相当している。この誘電体基板1は、ピエゾ素子2を介して、当該アンテナの本体10に接続されている。ピエゾ素子2は、その表面に電圧を印加することによって、誘電体基板1の法線方向、即ち図中のz軸方向に伸縮動作することができる。即ち、このピエゾ素子2が、誘電体基板1の高さhを変化させるアクチュエータに相当している。
図9の断面図に示すように、本体10は、誘電体基板15をベースに形成されており、この誘電体基板15の上面にはストリップ線路14が形成されている。また、この誘電体基板15の裏面には金属層から形成された接地板16が積層されている。更に、この接地板16とストリップ線路14とは、ビアVAによってショートされている。このビアVAは、誘電体基板15にz軸方向に掘り空けた円柱形の穴に金属を詰めて形成したものである。
図10に、この本体10の平面図を示す。上記のストリップ線路14は、実施例1の単位パターンUのx軸方向における周期的な配列によって形成されており、上記のビアVAは、ストリップ線路14の一部を構成するスタブ12の先端に設けられている。即ち、これらの配線パターンは、図1の配線パターンと同様に形成されている。ただし、この本体10の誘電体基板15には、液晶を充填する領域がなく、本実施例4のアレーアンテナ200には、液晶は用いられていない。
図9の高さhは、この本体10のベースを成す上記の誘電体基板15の上面から、上記の誘電体基板1の裏面までの距離を示すものであり、z軸方向に測る。この高さhは、上記の様にその印加電圧が可変制御可能なピエゾ素子2(アクチュエータ)の伸縮動作によって、自在に可変制御することができる。
図11に、このアレーアンテナ200の放射シミュレーションの結果、即ち、指向性の高さhに関する依存特性を示す。この指向性は、上記の高さhを以下に示す3通りに変化させてそれぞれ測定したものである。ただし、この時の給電電力の周波数は、76GHzとした。この時の放射パターンのピーク位置(角度θ)は、h=1.0mmの時にはθ=−14°であり、h=0.6mmの時にはθ=+2°であり、h=0.2mmの時にはθ=+20°であった。
例えば、この様に、本実施例のアレーアンテナ200では、上記のアクチュエータで上記の高さhを可変制御することによって、放射ビームの方向を自在に可変制御することができる。
例えば、この様に、本実施例のアレーアンテナ200では、上記のアクチュエータで上記の高さhを可変制御することによって、放射ビームの方向を自在に可変制御することができる。
この実施例4のアレーアンテナ200に対する比較例を図12に示す。図12のストリップ線路14は、図3−Bのものと同様に形成されたものであり、本比較例では、この図12の本体10′を用いて、上記と略同等のシミュレーションを実施した。ただし、図12の本体10′には、液晶が具備されておらず、勿論、直流電源やそのバイアス線路も接続されていない。
図13に、この比較例に係わる放射シミュレーションの結果を示す。この指向性は、上記の高さhを、h=0.1mm,0.05mm,0.025mmの3通りに変化させて、それぞれ測定したものである。給電電力の周波数は、76.5GHzとした。この時の放射パターンのピーク位置(角度θ)は、h=0.05mmの時θ≒0°(z軸方向)であり、h=0.1mmの時θ≒+25°であり、h=0.025mmの時θ≒−28°であった。
図11と図13の各グラフを比較すると分かる様に、スタブ12に端部12aを設けて仮想的な接地状態を実現する方式よりも、実際にビアVAを用いて裏面の接地板16に直接スタブ12の先端を接地する方式の方が、放射ビームの幅をより細くすることができる。これは、実施例1で示した作用と同様の作用によるものである。即ち、アレーアンテナ200においては、給電点付近に配列される単位パターンUからの無駄な放射が抑制されると共に、その分の給電電力が終端点付近の単位パターンにまで効率よく行き届くために、各単位パターン間で放射が均一化されるものと考えられる。
また、この様にビーム幅の細い放射特性は、観測対象とすべきターゲットを絞り込む際などに、非常に有利である。
また、この様にビーム幅の細い放射特性は、観測対象とすべきターゲットを絞り込む際などに、非常に有利である。
図14に本実施例5のアレーアンテナ210の斜視図を示す。このアレーアンテナ210は、上記の実施例4のアレーアンテナ200を改良したものであり、本体10については、実施例4のアレーアンテナ200に用いたものと同一材料で同一構造のものを使用した。ただし、個々の単位パターンUの形状などの構成は同一としたが、単位パターンUのx軸方向における繰り返し回数は、11単位とした。
このアレーアンテナ210の特徴は、アレーアンテナ200の誘電体基板1を各単位パターンU毎にそれぞれ対応させて、分割して配列した点にある。即ち、このアレーアンテナ210においては、アレーアンテナ200の誘電体基板1が、1a〜1kの計11枚にそれぞれ分割されてx軸方向に並べられている。また、この分割に伴って、アレーアンテナ200のピエゾ素子2(アクチュエータ)も、各誘電体基板1a〜1k毎に対応させて、それぞれ個別に配設されている。即ち、例えば、ピエゾ素子2kは、誘電体基板1kをz軸方向に並進移動させるためのアクチュエータである。ピエゾ素子2a〜2jについても同様である。
(実施例5の作用と効果)
各誘電体基板1a〜1kの高さhは、2a〜2kの各圧電素子に印加する電圧をそれぞれ可変制御することによって、それぞれ可変制御することができる。そして、この高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することによって、以下の作用・効果を得ることができる。
各誘電体基板1a〜1kの高さhは、2a〜2kの各圧電素子に印加する電圧をそれぞれ可変制御することによって、それぞれ可変制御することができる。そして、この高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することによって、以下の作用・効果を得ることができる。
(1)アンテナのビーム幅を自在に変更する
例えば、上記のアクチュエータを用いて、ギャップのキャパシタンス成分やスタブのインダクタンス成分を可変制御することができるので、これにより、一部の単位パターンを所定の周波数に対して非動作状態に制御することができる。そして、この場合、それらの非動作状態の単位パターンによって、当該アレーアンテナの終端側に、即ち、給電点の反対側にバンドギャップを形成することができるので、この作用により、当該アレーアンテナの有効長を可変制御することができる。その際、アレーアンテナの有効長が短い場合ほど、当該アレーアンテナのビーム幅が広くなるので、アンテナのビーム幅を自在に可変制御することが可能となる。ただし、上記の有効長とは、当該アンテナを構成する単位パターンの配列の全長の内、実際にアンテナとして実質的に有効に作用する部分の長さのことであり、この長さは各単位パターンの各放射量に基づいて判定することができる。
例えば、上記のアクチュエータを用いて、ギャップのキャパシタンス成分やスタブのインダクタンス成分を可変制御することができるので、これにより、一部の単位パターンを所定の周波数に対して非動作状態に制御することができる。そして、この場合、それらの非動作状態の単位パターンによって、当該アレーアンテナの終端側に、即ち、給電点の反対側にバンドギャップを形成することができるので、この作用により、当該アレーアンテナの有効長を可変制御することができる。その際、アレーアンテナの有効長が短い場合ほど、当該アレーアンテナのビーム幅が広くなるので、アンテナのビーム幅を自在に可変制御することが可能となる。ただし、上記の有効長とは、当該アンテナを構成する単位パターンの配列の全長の内、実際にアンテナとして実質的に有効に作用する部分の長さのことであり、この長さは各単位パターンの各放射量に基づいて判定することができる。
図15に、アレーアンテナ210の放射シミュレーションの結果(方位−利得特性)を例示する。例えば、給電電力の周波数を76.0GHzとし、誘電体基板1a〜1cの高さhをそれぞれ0.1mmに、誘電体基板1d〜1kの高さhをそれぞれ0.025mmにすると、図15の(c)に示す様なビーム形状が得られる。また、同一周波数で、誘電体基板1a〜1gの高さhを0.1mmに、誘電体基板1h〜1kの高さhを0.025mmにすると、図15の(b)に示す様なビーム形状が得られる。また、同一周波数で、誘電体基板1a〜1kの高さhをそれぞれ全て0.1mmにすると、図15の(a)に示す様なビーム形状が得られる。
(2)不要なサイドローブの放射量を抑制する
また、高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行すれば、サイドローブレベルを抑制することも可能となる。即ち、上記のアクチュエータを用いて、上記の単位パターンの各放射量の分布を、例えば周知のテイラー分布などの様なサイドローブ抑制作用を奏する適当な分布に制御することができ、これによって、当該アレーアンテナのサイドローブの放射量を小さく抑制することができる。
また、高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行すれば、サイドローブレベルを抑制することも可能となる。即ち、上記のアクチュエータを用いて、上記の単位パターンの各放射量の分布を、例えば周知のテイラー分布などの様なサイドローブ抑制作用を奏する適当な分布に制御することができ、これによって、当該アレーアンテナのサイドローブの放射量を小さく抑制することができる。
(3)所望の向きにヌルを形成する
また、高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行すれば、単位パターンの各指向性を相異なる複数の向きに制御することによって、それらの向きから外れた向きにヌルを形成することができ、これによって、任意の方向からの信号の受信を低減させることができる。例えば、アンテナの正面方向にヌルを形成したい場合には、半数の単位パターンのビームの向きを後方波(Backward波)の側(即ち、左手系のビームの向き)に向け、残りの半数の単位パターンのビームの向きを前方波(Forward 波)の側(即ち、右手系のビームの向き)に向ければ良い。これにより、正面方向からの信号の受信を低減させることができる。
また、高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行すれば、単位パターンの各指向性を相異なる複数の向きに制御することによって、それらの向きから外れた向きにヌルを形成することができ、これによって、任意の方向からの信号の受信を低減させることができる。例えば、アンテナの正面方向にヌルを形成したい場合には、半数の単位パターンのビームの向きを後方波(Backward波)の側(即ち、左手系のビームの向き)に向け、残りの半数の単位パターンのビームの向きを前方波(Forward 波)の側(即ち、右手系のビームの向き)に向ければ良い。これにより、正面方向からの信号の受信を低減させることができる。
ただし、例えば、単位パターンの各指向性を相異なる2つの向きに組分けして制御する場合、一方の向きに放射させる単位パターンの組に属する各単位パターンは、必ずしも単位パターンの配列上に連続に一纏まりに配置する必要はない。即ち、相異なる指向性を与える単位パターンを交互に配置しても良いし、一方の向きに放射させる単位パターンの組を配列上の連続的な1組にまとめても良い。また、上記の複数の向きは、3方向でも4方向以上でも良い。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、先の実施例2では、アレーアンテナ110(図5−A,−B)の直流電源の電圧を100Vに固定してシミュレーションを行ったが、アレーアンテナ110の直流電源は、電圧を任意に可変制御できる直流電源にしてもよい。この場合には、実施例1,2のシミュレーション結果からも分かる様に、スイッチを用いて放射ビームの幅を任意の幅に制御すると同時に、その直流電圧を可変制御することによって、更にその任意幅の放射ビームの走査制御を広い角度領域に渡って自在に行うことができる。
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、先の実施例2では、アレーアンテナ110(図5−A,−B)の直流電源の電圧を100Vに固定してシミュレーションを行ったが、アレーアンテナ110の直流電源は、電圧を任意に可変制御できる直流電源にしてもよい。この場合には、実施例1,2のシミュレーション結果からも分かる様に、スイッチを用いて放射ビームの幅を任意の幅に制御すると同時に、その直流電圧を可変制御することによって、更にその任意幅の放射ビームの走査制御を広い角度領域に渡って自在に行うことができる。
(変形例2)
また、上記の直流電源は、交流電源としてもよい。図4−A〜Cのシミュレーション結果から分かる様に、上記の直流電源の電圧を周期的に変化させれば、その周期に従って放射ビームの走査制御を行うことも可能となる。したがって、上記の直流電源の代わりに、例えば10Hzの交流電源を用いれば、1秒間当り10回の走査動作を実現することができる。
また、上記の直流電源は、交流電源としてもよい。図4−A〜Cのシミュレーション結果から分かる様に、上記の直流電源の電圧を周期的に変化させれば、その周期に従って放射ビームの走査制御を行うことも可能となる。したがって、上記の直流電源の代わりに、例えば10Hzの交流電源を用いれば、1秒間当り10回の走査動作を実現することができる。
(変形例3)
また、上記の実施例4、実施例5では、可動部材として誘電体を上下に移動させているが、これらの誘電体の内部には、例えば金属片などを入れても良い。その場合は単に誘電率を制御するだけでなく、同時にギャップやスタブの電気長を制御することもでき、よって、誘電体の移動に対するビーム角θの変化をより敏感に設定することが可能となる。したがって、この様な改造を施せば、ビーム方向の変化範囲をより幅広く確保したり、或いは、アクチュエータを更に小型化したりすることも可能又は更に容易となる。
また、上記の実施例4、実施例5では、可動部材として誘電体を上下に移動させているが、これらの誘電体の内部には、例えば金属片などを入れても良い。その場合は単に誘電率を制御するだけでなく、同時にギャップやスタブの電気長を制御することもでき、よって、誘電体の移動に対するビーム角θの変化をより敏感に設定することが可能となる。したがって、この様な改造を施せば、ビーム方向の変化範囲をより幅広く確保したり、或いは、アクチュエータを更に小型化したりすることも可能又は更に容易となる。
(変形例4)
また、上記の実施例4、実施例5では、可動部材を上下方向(z軸方向)に並進移動させているが、可動部材の運動は、並進往復運動でも回動運動でも良い。任意の形態の運動によって、上記の高さhを可変制御することができる。
また、上記の実施例4、実施例5では、可動部材を上下方向(z軸方向)に並進移動させているが、可動部材の運動は、並進往復運動でも回動運動でも良い。任意の形態の運動によって、上記の高さhを可変制御することができる。
(変形例5)
また、本願発明のアレーアンテナは、スロットアンテナに内蔵する放射源として利用してもよい。言い換えれば、例えばアンテナの利得を調整したりサイドローブレベルを低減させたりするために、本願発明のアレーアンテナの上部に基板に対して平行に、スロット放射用のスロット板を設けるなどしてもよい。
また、本願発明のアレーアンテナは、スロットアンテナに内蔵する放射源として利用してもよい。言い換えれば、例えばアンテナの利得を調整したりサイドローブレベルを低減させたりするために、本願発明のアレーアンテナの上部に基板に対して平行に、スロット放射用のスロット板を設けるなどしてもよい。
本発明は、無線通信や電磁波センシングに有用であり、例えば、無線通信装置や、車両の事故防止システムやオートクルーズ制御システムなどに用いられる障害物センサや、或いはその他の車両周辺の物体に対する物体探索手段などとして利用することができる。
100 : アレーアンテナ
11 : 主線路
12 : スタブ
13 : 液晶
14 : ストリップ線路
15 : 誘電体基板
16 : 接地板
G1 : ギャップ
VA : ビア
U : 単位パターン
11 : 主線路
12 : スタブ
13 : 液晶
14 : ストリップ線路
15 : 誘電体基板
16 : 接地板
G1 : ギャップ
VA : ビア
U : 単位パターン
Claims (7)
- 平面状の導体から成る同一または類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、
与えられた電界によって誘電率が変化する誘電率可変部材と、
前記誘電率可変部材に対して電界を与える電界設定手段と
を有し、
前記単位パターンは、
伝送線路と、
前記伝送線路を途中で分断するギャップと、
前記伝送線路から枝分かれするスタブと
を有し、
前記誘電率可変部材は、
前記ギャップまたは前記スタブに対して接近して配置されており、
前記誘電体基板は、
前記裏面に前記接地板から独立した島状に形成された中継接続部と、前記スタブとを電気的に接続するビアを有し、
前記電界設定手段は、
前記中継接続部に与える直流電位を可変制御することにより前記電界を可変制御する
ことを特徴とするアレーアンテナ。 - 前記誘電率可変部材は、
液晶または強誘電体から構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。 - 前記電界設定手段は、
前記単位パターン毎にそれぞれ個別に設けられており、
前記直流電位の可変制御を前記単位パターン毎にそれぞれ独立に実行する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアレーアンテナ。 - 前記中継接続部と前記接地板とは、
高周波に対して容量を介してショートされている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアレーアンテナ。 - 平面状の導体から成る同一または類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、
誘電体、磁性体、金属導体、またはそれらの複合体のうち少なくとも一つから構成され、前記ストリップ線路からの高さhが変動可能な可動部材と、
前記可動部材に対して機械的に作用して前記可動部材の前記高さhを変化させるアクチュエータと
を有し、
前記単位パターンは、
伝送線路と、
前記伝送線路を途中で分断するギャップと、
前記伝送線路から枝分かれするスタブと
を有し、
前記可動部材は、
前記ストリップ線路または前記単位パターンに対して接近して、前記ストリップ線路または前記単位パターンを覆う様に配設されており、
前記誘電体基板は、
前記スタブと前記接地板とを高周波に対してショートさせるビアを有する
ことを特徴とするアレーアンテナ。 - 前記アクチュエータと前記可動部材は、
前記単位パターン毎にそれぞれ個別に設けられ、
前記高さhに関する可変制御は、
前記単位パターン毎にそれぞれ独立に実行される
ことを特徴とする請求項5に記載のアレーアンテナ。 - 前記ビアと前記接地板とは、
前記裏面側において容量を介して、高周波に対してショートされている
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のアレーアンテナ。
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|---|---|---|---|
| JP2006209029A JP2008035424A (ja) | 2006-07-31 | 2006-07-31 | アレーアンテナ |
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|---|---|
| JP2008035424A true JP2008035424A (ja) | 2008-02-14 |
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- 2006-07-31 JP JP2006209029A patent/JP2008035424A/ja active Pending
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