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JP2008031398A - 塗布用帯電防止剤組成物およびそれを用いた帯電防止性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

塗布用帯電防止剤組成物およびそれを用いた帯電防止性樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Goji Suzuki
剛司 鈴木
Shigeki Ito
茂樹 伊藤
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Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
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Abstract

【課題】 安全性が高く且つ低湿度下において帯電防止性が低下しにくい塗布用帯電防止剤組成物と、それを用いた帯電防止性樹脂成形品の製造方法とを提供することにある。
【解決手段】
塗布用帯電防止剤組成物は、炭素数8〜20のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤(A)および低級多官能アルコール(B)を必須成分として含み、それぞれの重量比率((A)/(B))が60/40〜95/5の範囲にある。帯電防止性樹脂成形品の製造方法は、上記塗布用帯電防止剤組成物を樹脂成形品の表面に塗布する工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、低湿度下でも良好な帯電防止性を示し且つ安全性の高い塗布用帯電防止剤組成物およびそれを用いた帯電防止性樹脂成形品の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂は加工性が良いことからさまざまな用途に使用されている。これらの樹脂類は、一般に絶縁性が高く、この優れた性質を利用して種々の用途に利用されるが、その反面、摩擦等によって静電気が発生しやすく、発生した静電気は蓄積(帯電)し、人体へのショック、空気中の埃等を集めることによる成型品の汚れ、電気機器への電気障害等、種々のトラブルの原因となる。これらのトラブルを防ぐため、一般には界面活性剤を使用して成型品表面の静電物性を変え、帯電防止性を付与することにより解決が図られていた。具体的には、界面活性剤を含む帯電防止剤を成型品表面に塗布する方法や、帯電防止剤を成型品作成時に予め練り込む方法等が挙げられる。
帯電防止剤を練り込む方法では、帯電防止剤が逐次表面に移行(配向)し、成型品表面に導電膜を形成することにより効果を発揮するものと考えられているが、帯電防止効果が成形後即座に得られるわけではなく、効果の即効性に問題がある。また、帯電防止剤を練り込む際に樹脂溶融温度以上の加熱を必要とする。このような理由から、ポリエステル等の高融点樹脂では、帯電防止剤を成型品表面に塗布する方法が主に行われてきた。
熱可塑性樹脂の用途のうち、食品関係の容器や包装用途が主な用途として挙げられる。しかしながら、界面活性剤でもカチオン性界面活性剤や両性界面活性剤については、安全性に懸念があるため、食品用途では使用困難であるという問題を抱えていた。また、ノニオン性界面活性剤はその帯電防止性能そのものが低いという問題がある。したがって、食品関係用途では、主にアニオン性界面活性剤が使用されてきた。しかし、アニオン性界面活性剤では、低湿度下において帯電防止性能の低下が常に問題となっている。
低湿度下における帯電防止剤の性能低下の防止策として、いくつかの提案がなされている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、低湿度下での性能低下が防止されても、これらはすべて特殊な高分子系帯電防止剤を使用した提案であり、一般的な界面活性剤を使用した提案ではないので、食品等の安全性が必須である用途には使用できないという問題がある。このように、安全性が高く且つ低湿度下での帯電防止性低下のない塗布用帯電防止剤については、現在適当なものが無く、その開発が求められている。
特開2000−328046号公報 特開2002−88180号公報 特許第3272796号公報
本発明の目的は、安全性が高く且つ低湿度下において帯電防止性が低下しにくい塗布用帯電防止剤組成物と、それを用いた帯電防止性樹脂成形品の製造方法とを提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アニオン性界面活性剤を含む一般の塗布用帯電防止剤では、(1)帯電防止性の作用機構として、空気中の水分が成型品表面に形成されたアニオン性界面活性剤の被膜に集められ、導電層が被膜上に形成されることにより電荷を漏洩させ、これによって帯電防止性が発揮されること、(2)特に、空気中の水分量(湿度)が帯電防止性能に大きな影響を与えることという知見が得られた。そして、本発明者らは、特定のアニオン性界面活性剤と低級多官能アルコールとを特定割合で配合して得られる帯電防止剤組成物では、安全性が高く、しかも、低湿度下での性能低下が少ないことを確認して、本発明に到達した。
すなわち、本発明にかかる塗布用帯電防止剤組成物は、炭素数8〜20のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤(A)および低級多官能アルコール(B)を必須成分として含み、それぞれの重量比率((A)/(B))が60/40〜95/5の範囲にある。
本発明にかかる帯電防止性樹脂成形品の製造方法は、上記塗布用帯電防止剤組成物を樹脂成形品の表面に塗布する工程を含む。
本発明の塗布用帯電防止剤組成物は、常温常湿においても良好な帯電防止性を示し、安全性が高く且つ低湿度下において帯電防止性が低下しにくい。
本発明の帯電防止性樹脂成形品の製造方法では、常温常湿においても良好な帯電防止性を示し、しかも、安全性が高く且つ低湿度下において帯電防止性が低下しにくい帯電防止性樹脂成形品を効率よく製造することができる。
本発明の塗布用帯電防止剤組成物は、樹脂成形品の表面に塗布して通常用いられる帯電防止剤であるが、樹脂成形材料に予め練り込んで用いても差し支えない。塗布用帯電防止剤組成物は、アニオン性界面活性剤(A)および低級多官能アルコール(B)を必須成分として含む組成物である。
〔アニオン性界面活性剤(A)〕
本発明で用いられるアニオン性界面活性剤(A)は、炭素数8〜20のアルキル基を有する。アニオン性界面活性剤(A)は、本発明の塗布用帯電防止剤組成物において、優れた帯電防止性を発揮する成分であり、本発明の塗布用帯電防止剤組成物を食品容器や包装材料等に使用した場合に安全性が高い。アニオン性界面活性剤において、アルキル基は樹脂との密着性および塗布剤乾燥後の成型品表面状態を良好に保つために必須である。そして、アルキル基の炭素数が8〜20であると表面状態が良好である。
アニオン性界面活性剤(A)を構成する炭素数8〜20のアルキル基としては、たとえば、オクチル基、ノニル基、デシル基、トリデシル基、オクタデシル基等を挙げることができる。アルキル基の炭素数が8未満では、親水性が強すぎるため表面がべたつくことがある。一方、アルキル基の炭素数が20超では、疎水性が強いため表面が固くなり、樹脂成型品表面の白化現象や塗布剤の剥離等の問題が発生することがある。
アニオン性界面活性剤(A)は、好ましくは分子内にスルホン酸(塩)基、硫酸エステル(塩)基および燐酸エステル(塩)基から選ばれた少なくとも1種の官能基を含む化合物である。
ここで、スルホン酸(塩)基とは、スルホン酸基(−SOH)、または、スルホン酸基のプロトンが金属原子(リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属)や(置換)アンモニウム基等で置換したスルホン酸塩の基を意味する。また、硫酸エステル(塩)基とは硫酸と水酸基を持った化合物とのエステル化物、または、エステル化物のプロトンが金属原子(リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属)や(置換)アンモニウム基等で置換した硫酸エステル塩の基を意味する。さらに、燐酸エステル(塩)基とは燐酸と水酸基を持った化合物とのエステル化物、または、エステル化物のプロトンが金属原子(リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属)や(置換)アンモニウム基等で置換した燐酸エステル塩の基を意味する。
分子内にスルホン酸(塩)基を含む化合物としては、たとえば、オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、トリデシルスルホン酸、オクチルスルホン酸Na塩、ドデシルスルホン酸ナトリウム、トリデシルスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホサクシネートのナトリウム塩、ジトリデシルスルホサクシネートのナトリウム塩、オクチルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ノニルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
分子内に硫酸エステル(塩)基を含む化合物としては、たとえば、ドデシルサルフェートのアンモニウム塩、POE(5)ドデシルアルコールエーテルサルフェートのアンモニウム塩、POE(10)ドデシルアルコールエーテルサルフェートのアンモニウム塩、POE(5)オクチルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、POE(10)オクチルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、POE(5)ノニルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、POE(10)ノニルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等が挙げられる。
分子内に燐酸エステル(塩)基を含む化合物としては、POE(5)オクチルホスフェート、POE(10)オクチルホスフェート、POE(5)ドデシルホスフェート、POE(10)ドデシルホスフェート、POE(5)トリデシルホスフェート、POE(10)トリデシルホスフェート、POE(5)オクチルホスフェートのナトリウム塩、POE(10)オクチルホスフェートのナトリウム塩、POE(5)ドデシルホスフェートのナトリウム塩、POE(10)ドデシルホスフェートのナトリウム塩、POE(5)トリデシルホスフェートのナトリウム塩、POE(10)トリデシルホスフェートのナトリウム塩、POE(5)オクチルフェニルエーテルホスフェート、POE(10)オクチルフェニルエーテルホスフェート、POE(5)ノニルフェニルエーテルホスフェート、POE(10)ノニルフェニルエーテルホスフェート、POE(5)オクチルフェニルエーテルホスフェートのナトリウム塩、POE(10)オクチルフェニルエーテルホスフェートのナトリウム塩、POE(5)ノニルフェニルエーテルホスフェートのナトリウム塩、POE(10)ノニルフェニルエーテルホスフェートのナトリウム塩等が挙げられる。
これらのアニオン性界面活性剤(A)を1種または2種以上を併用してもよい。なお、上記でPOE(n)とは、「繰返し単位数がnであるポリオキシエチレン」を意味する。
〔低級多官能アルコール(B)〕
低級多官能アルコール(B)は、炭素数2〜16で、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物である。
低級多官能アルコール(B)は、親水性が高く、吸湿性を付与する成分であり、雰囲気が低湿度下であっても、本発明の塗布用帯電防止剤組成物に含ませることによって、アニオン性界面活性剤(A)の帯電防止性の低下を少なくすることができる。もちろん、低級多官能アルコール(B)は、本発明の塗布用帯電防止剤組成物が常温常湿においても良好な帯電防止性を発揮できるように作用する成分でもある。また、低級多官能アルコール(B)も、アニオン性界面活性剤(A)と同様に、食品容器や包装材料等に使用した場合に安全性が高い。
低級多官能アルコール(B)としては、特に限定はないが、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールおよび分子量400以下のポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアルコールが好ましい。これに対して、エタノールやイソプロパノール等の単官能アルコールや、分子量が400超のポリエチレングリコールでは、吸湿性が不足するため、低湿度下での充分な帯電防止性を保つことができないことがある。
〔その他の成分〕
本発明の塗布用帯電防止剤組成物を構成する成分としては、上記で説明したアニオン性界面活性剤(A)および低級多官能アルコール(B)以外に、溶媒;酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、染料、光安定剤等の添加剤等を挙げることができる。本発明の塗布用帯電防止剤組成物が溶媒や添加剤を含有することによって、本発明の効果が損なわれないことが望ましい。
上記溶媒としては、本発明の塗布用帯電防止剤組成物を製造する際に取扱いが容易になることや、本発明の塗布用帯電防止剤組成物を使用して後述の帯電防止性樹脂成形品を製造する際に、塗布用帯電防止剤組成物の計量、塗布、乾燥等の各工程を容易に行えるようになることから、水を必須とし、沸点100℃以下の有機溶媒をさらに含むことがある水性溶媒(C)が好ましい。水性溶媒(C)では、水への溶解性が高いアニオン性界面活性剤(A)の特性上、水は必須成分である。また、水性溶媒(C)は、乾燥性を向上させ、成型品への濡れ性を向上するために、好ましくは、沸点100℃以下の有機溶媒をさらに含有している。
沸点100℃以下の有機溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種または2種以上を併用してもよい。有機溶媒の沸点は、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。有機溶媒として沸点100℃超のものを使用した場合は、乾燥時に多量の熱量が必要になったり、乾燥不足が発生する等の問題が発生することがある。
水性溶媒(C)に占める水の重量比率については、好ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは50〜100重量%である。水性溶媒(C)に占める水の重量比率が10重量%未満であると、アニオン性界面活性剤に対する溶解度が充分でないため系全体の安定性を損ね、分離等が発生することがある。
〔成分の配合割合〕
本発明の塗布用帯電防止剤組成物において、アニオン性界面活性剤(A)および低級多官能アルコール(B)の重量比率((A)/(B))は、通常、60/40〜95/5の範囲であり、好ましくは70/30〜90/10の範囲、さらに好ましくは75/25〜85/15の範囲である。
(A)/(B)が60/40よりも小さいと(すなわち、(A)の重量比率が小さいと)、アニオン性界面活性剤(A)による性能が十分に発揮されず、湿度に関わらず帯電防止性が十分ではなく、本発明の塗布用帯電防止剤組成物を使用した場合にべたつきが生じるおそれがある。一方、(A)/(B)が95/5よりも大きいと(すなわち、(A)の重量比率が大きいと)、低級多官能アルコール(B)による性能が十分に発揮されず、低湿度下において帯電防止性が低下するおそれがある。
〔帯電防止性樹脂成形品の製造方法〕
本発明の帯電防止性樹脂成形品の製造方法は、上記で説明した塗布用帯電防止剤組成物を樹脂成形品の表面に塗布する工程(塗布工程)を含む製造方法である。
樹脂成形品としては特に限定はなく、任意の樹脂材料からなる樹脂成形品を挙げることができる。樹脂材料としては、たとえば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン等のポリオレフィン系樹脂;スチレン、AS、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、これらの混合物等の熱可塑性重合体;天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料;フェノール樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
樹脂成形品の形態についても、特に限定はなく、フィルム、シート、中空成型品、射出成型品、織布、不織布、合成皮革等の各種形態を挙げることができる。
樹脂成形品の表面に塗布用帯電防止剤組成物を塗布する具体的な方法については、特に限定はないが、たとえば、ロールコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート、エアナイフコート、含浸法、カーテン法等を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
塗布用帯電防止剤組成物の塗布量については、特に限定はないが、無用に多くすることは経済的でなく、塗布面の汚れにもつながるので必要最小限の量にとどめるほうが好ましい。塗布用帯電防止剤組成物は、塗布後の乾燥状態における有効成分として、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.1〜0.3g/mとなるように塗布される。ここで、乾燥状態とは、塗布用帯電防止剤組成物のうち、水性溶媒(C)が完全に揮発された状態と定義され、有効成分とは水性溶媒(C)が揮発された後に残された塗布面上のアニオン性界面活性剤(A)と低級多官能アルコール(B)の合計量を意味する。
本発明の帯電防止性樹脂成形品の製造方法では、塗布工程後に塗布面を乾燥する工程(乾燥工程)をさらに行ってもよい。特に、塗布用帯電防止剤組成物が水性溶媒(C)をさらに含む場合は、得られる帯電防止性樹脂成形品の表面がべとつく等の問題を解消し、製造工程時間が短縮されるという理由から、乾燥工程を行うことが好ましい。塗布後の樹脂成型品の乾燥温度は110℃以上が好ましく、乾燥温度上限については、使用する樹脂の種類により変化するが、一般には樹脂融点の20℃以下が好ましい。また、二軸延伸ポリエステルフィルム等のように、塗布後に熱延伸工程中で乾燥されてもよい。
本発明において低湿度下であっても帯電防止性が低下しない現象について、詳しいメカニズムを解析したわけではないが、以下のように推測される。
アニオン性界面活性剤(A)により帯電防止をする際、空気中の水分が樹脂成型品表面に形成されたアニオン性界面活性剤(A)を含む皮膜に集められ、この皮膜上に導電層が形成されることにより電荷を漏洩させるものと考えられる。ここで、アニオン性界面活性剤(A)は吸湿性が特に高いため、塗布型帯電防止剤組成物の成分として使用されているが、その性能が高い反面、空気中に水分が少ない低湿度下では表面上に充分な水分を得られない状態になる。これに対して、低級多官能アルコール(B)は、分子構造的にはアニオン性界面活性剤(A)とは異なっており、分子中に疎水性部分が(ほとんど)ないため、樹脂成型品表面への吸着性が悪く皮膜形成しない。低級多官能アルコール(B)は単独では帯電防止性を示さないが、空気中の水分捕集能力が非常に高いという性質を有している。このように、性質が異なるアニオン性界面活性剤(A)と低級多官能アルコール(B)とを配合することによって、樹脂成型品上で皮膜を形成しながら低湿度下における吸湿性をも補えたものと推測される。
以下に、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
(実施例1)
アニオン性界面活性剤としてのドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度40重量%)に、低級多官能アルコールとしてのグリセリンを、ドデシルスルホン酸ナトリウム/グリセリンの重量比率が90/10になるように、撹拌しながら混合した。次いで、ドデシルスルホン酸ナトリウムとグリセリンとの全体の濃度が40重量%となるように、得られた混合物に水をさらに加えて、帯電防止剤水溶液を得た。得られた帯電防止剤水溶液を水−イソプロピルアルコール混合溶媒(混合重量比率1:1)に溶かし、ドデシルスルホン酸ナトリウムとグリセリンとの全体の濃度が0.5重量%である希釈溶液を調製した。ドデシルスルホン酸ナトリウムとグリセリンの塗布量が、乾燥後の有効成分として0.01mg/mとなるようにバーコーターを使用して、得られた希釈溶液をコロナ処理済ポリエステルフィルムに塗布、直後に110℃乾燥機にて5分間乾燥した。得られた塗布フィルムを、温度23℃および湿度50%RHの環境下で1日保管した後、表2に示す各測定温湿度条件下で3時間以上放置した。放置後に得られた乾燥塗布フィルムについて、超絶縁計SM−8310型(東亜電波工業(株)製)を用い、その表面固有抵抗率を測定した。結果を表2に示す。
(実施例2〜7)
実施例1で、アニオン性界面活性剤および低級多官能アルコールを表1に示す種類および配合量に変更する以外は、実施例1と同様にして、得られた乾燥塗布フィルムの表面固有抵抗率を測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
(比較例1〜3)
実施例1で、アニオン性界面活性剤および低級多官能アルコールを表1に示す種類および配合量に変更する以外は、実施例1と同様にして、得られた比較乾燥塗布フィルムの表面固有抵抗率を測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
Figure 2008031398
ポリエチレングリコールの分子量は200である。
括弧内に示す量は、アニオン性界面活性剤および低級多官能アルコールそれぞれの配合量である。
Figure 2008031398
実施例1〜7では、湿度が低下しても、表面固有抵抗率は1桁増加する程度で、帯電防止性の低下は小さい。それに対して、低級多官能アルコールを使用しない比較例1および低級多官能アルコールの使用量が少ない比較例3では、湿度が低下した場合に表面固有抵抗率は3桁も増加し、帯電防止性が大幅に低下する。また、低級多官能アルコールの使用量が多すぎる比較例2では、湿度が低下による帯電防止性の低下は小さいが、そもそもの表面固有抵抗率が大きく、湿度にかかわらず帯電防止性が低い。

Claims (5)

  1. 炭素数8〜20のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤(A)および低級多官能アルコール(B)を必須成分として含み、それぞれの重量比率((A)/(B))が60/40〜95/5の範囲にある、塗布用帯電防止剤組成物。
  2. 前記アニオン性界面活性剤(A)が、分子内にスルホン酸(塩)基、硫酸エステル(塩)基および燐酸エステル(塩)基から選ばれた少なくとも1種の官能基を含む化合物である、請求項1に記載の塗布用帯電防止剤組成物。
  3. 前記低級多官能アルコール(B)が、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールおよび分子量400以下のポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアルコールである、請求項1または2に記載の塗布用帯電防止剤組成物。
  4. 水を必須とし、沸点100℃以下の有機溶媒をさらに含むことがある水性溶媒(C)をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の塗布用帯電防止剤組成物を樹脂成形品の表面に塗布する工程を含む、帯電防止性樹脂成形品の製造方法。
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