JP2008030160A - 円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面12を有するレンズ10でも複雑な装置を用いず、簡単に短時間で、しかも高精度に心取りできるようなレンズの心取り方法と、その心取り方法を用いたレンズの製造方法を提供することが課題である。
【解決手段】レンズ10の光学面を転写するための光学面を有した2つの入れ子31、32により加圧成形した円形レンズ10を心取りするため、入れ子の光学面のうちの少なくとも1つに光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面12を設け、該自由曲面12周囲を囲繞する光透過域外に、光軸に中心を持つと共に成形する円形レンズ10の光入射側と光出射側とで異なる曲率で半径方向に向け、肉厚が増加または減少するクランプ用曲面14を形成して円形レンズ10を成形し、該成形した円形レンズ10に形成された前記クランプ用曲面14でベルクランプして心取りするようにした。
【選択図】図1
【解決手段】レンズ10の光学面を転写するための光学面を有した2つの入れ子31、32により加圧成形した円形レンズ10を心取りするため、入れ子の光学面のうちの少なくとも1つに光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面12を設け、該自由曲面12周囲を囲繞する光透過域外に、光軸に中心を持つと共に成形する円形レンズ10の光入射側と光出射側とで異なる曲率で半径方向に向け、肉厚が増加または減少するクランプ用曲面14を形成して円形レンズ10を成形し、該成形した円形レンズ10に形成された前記クランプ用曲面14でベルクランプして心取りするようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法に関し、特に、光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有する円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法に関するものである。
レンズの製造方法には、従来からいろいろな方法があるが、高精度、低コストの製造方法として、ガラス成形がある。これは、超硬合金やセラミック材等によりつくられた型に、耐蝕性や耐酸化性を向上させるために保護コートを施し、ガラスをその軟化点近傍で加圧して光学面やフランジ面部を成形転写してつくられる。
この加圧成形方法には、さらに2つの方法がある。1つは、成形レンズの両光学面を転写するための光学面を有する2つの入れ子と胴型部品により構成される成形キャビティ内に、加熱されたガラスを入れて2つの入れ子の距離を縮める事で加圧充填して成形する充填成形、もう1つは胴型部品がないかもしくはガラスとは接触しない位置にあり、光学面を有する2つの入れ子部品の距離を縮める事で加圧成形するが、外周方向についてはガラスのプレス時の拡がりを規制せずに成形転写を行なわない、例えばはみ出し成形と呼ばれる方式である。
充填成形は、外周部と光学面の偏心を小さく押えておけば成形レンズの外周まで確実に成形転写されるため、成形レンズ外周部の後加工なしで成形後の実装におけるレンズの位置決め基準をそのままつきあてや嵌合部として用いる事ができ、成形レンズ組みあげまで、機械加工が全く必要なくなる。しかしこの方式は、型内のキャビティ容積が決まっているため、ガラスの体積は成形時にキャビティ容積よりも必ず小さくなければならず、通常、球や円板形状で供給されるガラス材料(プリフォーム)の体積管理に精度を要し、コスト高になるという欠点がある。また、成形した外周部は胴型と密着するため貼りつき等が発生し易く、成形レンズを確実に型から取り出すには、入れ子を胴型に対して突き出す等の機械的な取出し機構を型に施す必要がある。
しかしながら型は、プリフォームを加圧成形する際、ガラスの軟化点近傍という高温にさらされるため、入れ子の駆動機構の摺動部は酸化やガラス粉の混入等により作動不良を発生し易く、極めて信頼性の低いものとなる。また、摺動を行うにはスキ間が必要であるから、入れ子の駆動を行う場合は嵌合公差によって両型の偏心精度が悪くなる。それを補うために、偏心に影響する他の型部品の加工精度を高くせねばならず、型のコストも高くなる。
一方、加圧成形時に外周部の規制を行なわないはみ出し成形法では、プリフォームの体積精度が緩くて良く、また型に複雑な駆動機構を持たないため、プリフォーム、型とも安価になる。従って、はみ出し成形法が現在では一般的である。ただはみ出し成形法は、成形後に心取り加工をおこなう必要があるが、この心取り加工には、光学的に心出しして行う方法、ダイヤルゲージにより心出しして行う方法、ベルクランプ法で心出しして行う方法などがあり、このうちベルクランプ法は、比較的短時間で低コストの加工が可能であるため、光学レンズの心取り加工法として一般化している。
このベルクランプ法は、一例として図5(A)に示したように、成形されたレンズ100を固定軸101とクランプ軸102の間に送り込み、図5(B)に示したようにクランプ軸102をレンズ100の方に動かし、固定軸101とクランプ軸102が完全にレンズ100の表面に接するようにする。そして固定軸101とクランプ軸102がレンズ100を保持した状態で、図5(C)に示したように固定軸101とクランプ軸102を回転させると、レンズ100が103で示したように、固定軸101とクランプ軸102の回転軸105とレンズ100の光軸104とが一致する方向に滑り、心出しを行うことができる。
そのためこの状態で、図5(D)に示したように加工具106で固定軸101とクランプ軸102と共に回転しているレンズ100の周囲を加工することで、心出しされたレンズ100を得ることができる。
一方、映像分野において使用されるレンズの中には、こういったベルクランプ法による加工が困難なレンズも存在する。例えば特許文献1には、内視鏡に用いる光学系内に回転非対称な表面形状を有する光学素子である光位相変調マスクを配し、光束を規則的に分散してデジタル処理で復元させることで、被写界深度の深い画像撮影を可能にする撮像装置が提案されている。
ここに用いられている光位相変調マスクは、軸非対称な表面形状を有しているが、前記したベルクランプ法による心出しは、レンズの表面に光軸に対して対称で、半径方向に厚みが異なる部位が存在しないと正確な心出しができない。この特許文献1に示されている光位相変調マスクは表面形状が光軸に対して軸非対称な面であり、ベルクランプ法を用いることができない。
このような問題に対しては、例えば特許文献2に、R1、R2をレンズの曲率半径、r1、r2をベルクランプに用いるベルホルダーの半径としたとき、
Z=|(r1/R1)±(r2/R2)|/2 ……(1)
で算出されるZが小さいとベルクランプが難しいので、このZの値が小さいモールドレンズのレンズとして用いる有効径部分の外側にクランプ面を設定し、このクランプ面の表裏の曲率の差を、有効径部分の設計形状を延長した仮想曲面の表裏の曲率の差より大きくしてベルクランプを可能としたモールドレンズが示されている。
Z=|(r1/R1)±(r2/R2)|/2 ……(1)
で算出されるZが小さいとベルクランプが難しいので、このZの値が小さいモールドレンズのレンズとして用いる有効径部分の外側にクランプ面を設定し、このクランプ面の表裏の曲率の差を、有効径部分の設計形状を延長した仮想曲面の表裏の曲率の差より大きくしてベルクランプを可能としたモールドレンズが示されている。
また同様に特許文献3には、通常のベルクランプ式心取りが不可能である曲率の浅いレンズに対してベルクランプを可能とするため、成形レンズの成形面の回転対称軸と同軸で有効径部外周に曲率部を設け、同軸上に対向配置した第1、第2のベルホルダーをこの曲率部に当接させて芯出しを行った後、第1、第2のベルホルダーと同軸で、かつ、その内径部に軸方向に移動操作可能に配置した第3、第4のホルダーにより芯出ししてレンズを固定し、その後、第1、第2のベルホルダーをレンズ当接状態から退避させて心取り加工を行うようにしたレンズ心出し方法が示されている。
同様に特許文献4には、有効部の厚さの変化が小さいかまたは厚さが一定である光学素子における、光軸に関して回転対称な形状の有効部の外側に径方向に厚さが変化する外縁部を設け、この外縁部の両面を基準面としてベルクランプ方式によって調芯を行うようにした、光学素子ならびに光学素子の調芯方法および製造方法が示され、前記外縁部は、外側に向かって厚くなる形状と薄くなる形状の両方が可能であり、有効部に連続する曲率を有していても、有効部と異なる曲率を有していてもよいとしている。
さらに特許文献5には、シリンドリカルレンズ(円筒面レンズ)の芯出し、ないしは芯取りを自動的に行なうため、まず、円筒面レンズを固定側レンズホルタ上に真空吸着して対向面を弾性体などの治具で挟圧し、測定子移動テーブル上の電気マイクロメータゲージヘッドを介してレンズの測定面上に移動させ、レンズ軸を回転させて当レンズの偏芯量を角度毎に測定して記憶させると共に、当記憶値のうちの最高値2ヶ所を解析して稜線方向を導出し、更に稜線の直角方向の2個所の数値を抽出してその平均値を算出する。この平均値における数値の大きな方向を砥石の回転中心線上で、かつ進行方向になるようにレンズ軸を回転させて停止させ、ここで砥石を押し出して、前記測定平均値になるまでフィードバック制御でレンズの偏芯を修正することを繰り返し、測定平均値が規格値内になった時点で芯出しが完了したとする、レンズ芯取機における円筒面レンズの自動芯出し方法とその装置が示されている。
しかしながら特許文献2、特許文献3、特許文献4に示されたクランプ方法は、回転対称な表面形状を有する光学素子に対するものであって、前記したような回転非対称な表面形状を有する光学素子については言及が無く、また、特許文献3に示されたレンズ心出し方法は、合計4つのベルホルダーが必要で、心出し具そのものが高価となる。
さらに特許文献5に示された自動芯出し方法とその装置は、真空吸着装置やシリンドリカルレンズを挟圧するための弾性体を備えた治具、電気マイクロメータゲージなどを用意する必要があって高価となり、さらにレンズの偏芯量を角度毎に測定し、稜線方向の導出やフィードバック制御等が必要で心出しまでに時間が掛かる上、回転非対称な表面形状を有する光学素子では測定結果によりどのように光学素子を動かしたらよいかの判断が難しい、という問題がある。
そのため本発明においては、光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有するレンズでも複雑な装置を用いず、簡単に短時間で、しかも高精度に心取りできるようなレンズの心取り方法と、その心取り方法を用いたレンズの製造方法を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明における円形レンズの心取り方法は、
光学面のうちの少なくとも1つに、光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有した円形レンズの心取り方法であって、
前記自由曲面周囲を囲繞する前記光透過域外に、光軸中心から対称であると共に光入射側と光出射側とで異なる曲率で肉厚が増加または減少するクランプ用曲面を形成し、該クランプ用曲面でベルクランプして心取りすることを特徴とする。
光学面のうちの少なくとも1つに、光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有した円形レンズの心取り方法であって、
前記自由曲面周囲を囲繞する前記光透過域外に、光軸中心から対称であると共に光入射側と光出射側とで異なる曲率で肉厚が増加または減少するクランプ用曲面を形成し、該クランプ用曲面でベルクランプして心取りすることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため本発明における円形レンズの製造方法は、
光学面のうちの少なくとも1つに光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有した円形レンズの製造方法であって、
前記円形レンズの前記自由曲面周囲を囲繞する前記光透過域外に、光学面光軸中心に対して対称であり、光入射側と光出射側とで異なる曲率で肉厚が増加または減少するクランプ用曲面を配し、該クランプ用曲面をベルクランプして心取りして加工し、製造することを特徴とする。
光学面のうちの少なくとも1つに光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有した円形レンズの製造方法であって、
前記円形レンズの前記自由曲面周囲を囲繞する前記光透過域外に、光学面光軸中心に対して対称であり、光入射側と光出射側とで異なる曲率で肉厚が増加または減少するクランプ用曲面を配し、該クランプ用曲面をベルクランプして心取りして加工し、製造することを特徴とする。
このように、円形レンズに前記特許文献1に示されているような回転非対称な表面形状を有する光学素子のように、光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面の光学面を形成し、かつ、その自由曲面周囲にクランプ用曲面を配し、そのクランプ用曲面でクランプしながら心取りすることで、例え光透過域が自由曲面であっても正確にベルクランプ法でレンズの心取りをすることが可能となるから、円形レンズ周囲の加工は複雑な装置を用いずとも短時間で簡単に、しかも高精度におこなうことができ、複雑な形状を有するレンズであってもコストも抑えて製造することができる。
また、前記円形レンズ成形用に2つの入れ子を用意し、少なくとも1の入れ子に前記光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面に対応する光学面を形成すると共に、該自由曲面周囲を囲繞する前記クランプ用曲面を配し、該入れ子で加圧成形して円形レンズを製造することで、自由曲面を持つ円形レンズを容易に製造することができる。
そして、前記自由曲面が対物側である場合、前記自由曲面周囲に形成したクランプ用曲面を凹形状としたことで、レンズに入射してきた周辺の光を更にレンズ外周に屈折させることができ、外乱光によるゴーストやフレアを軽減することができると共に、こうして製造した円形レンズを鏡筒などに固定する際、固定側(コバ部分)が広くなるから光軸合わせが容易になり、また固定も確実に行えるレンズとすることができる。
さらにこのような円形レンズの心取り方法と円形レンズの製造方法が、ガラス成形レンズに用いられることで、より精度の高い円形レンズの心取り方法及び円形レンズの製造方法とすることができる。
このように本発明になる円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法は、従来は困難であった光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有する円形レンズを簡単、高精度に心出しして製造することができ、前記したような光位相変調マスクを高精度に供給することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明になる円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法を用いて心取りし、製造した、光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有する円形レンズの一例で、ここに示した自由曲面は、分かり易くするため誇張して示してあり、(A)はこの円形レンズを対物側から見た図、(B)は断面図、図2は(A)が本発明になる円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法を用いて製造した、対物側に光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面とその周囲を囲繞するクランプ用曲面を形成した円形レンズの例、(B)は自由曲面を持たないレンズの例、図3は本発明になる円形レンズの製造方法におけるガラス成形する入れ子を概略的に示した図、図4は円形レンズの対物側に形成したクランプ用曲面を凹として周辺の有害光を減らせるようにした場合の例である。
図1において10は本発明になる円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法を用いて心取りし、製造した、光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有する円形レンズ、11は通常の球面または非球面からなる光学面、12は光透過域が光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面であり、この自由曲面は、前記特許文献1に示された光位相変調マスクのように、回転非対称な表面形状を有して円形レンズ10の光軸13に対して非対称(軸非対称)な面であり、ある位置における光軸に垂直な線の左右に対称な面はあるが、例えば球面又は非球面のような面対称がある面を有してレンズの光軸を単に偏心したものなどは含まれず、光軸中心に対して非対称な面である。14は、この光透過域である自由曲面12の周囲を囲繞し、光軸13に中心を持つと共に円形レンズ10の光入射側と光出射側とで異なる曲率となるよう半径方向に向け、肉厚が減少(または増加でもよい)するベルクランプ用曲面、15は加工後のレンズ外周、16は円形レンズ10をベルクランプ法でクランプする際のベルホルダーの概略位置である。
本発明になる円形レンズの心取り方法と該方法を用いた円形レンズの製造方法で作られた円形レンズ10は、このように光透過域に光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面12があり、それによってこの自由曲面12の部分では前記したベルクランプ法による心取りができない。そのため本発明においては、その自由曲面12の周囲を囲繞する光透過域外に、光軸13に中心を持つと共に、円形レンズ10の光入射側と光出射側とで、正、負を含む異なる曲率で半径方向に向け、肉厚が増加または減少するクランプ用曲面14を形成するよう、レンズ成型用入れ子の光学転写面を形成し、それによって成形された円形レンズ10のクランプ用曲面14の例えば16で示した位置でベルクランプして心取りし、レンズ外周を15のように加工して製造するものである。
図2は(A)が本発明になる円形レンズの心取り方法を用いて製造した、対物側に光軸中心に対して非対称な面からなる光透過域である自由曲面と、その周囲を囲繞する光透過域外にクランプ用曲面を形成した円形レンズの例、(B)は自由曲面を持たないレンズの例である。なお、上段の(A)に示す(a)と下段(B)に示す(b)、同様に(c)と(d)、(e)と(f)、(g)と(h)、(k)と(m)、(n)と(p)は、それぞれ同様なレンズにおける自由曲面を有するレンズと有しないレンズをそれぞれ示している。
図中、(A)における20a、20c、20e、20g、20k、20nはそれぞれのレンズにおける前記したような自由曲面、21a、21c、21e、21g、21k、21nは通常の球面若しくは非球面からなるレンズ面、22a、22c、22e、22g、22k、22nは自由曲面20の周囲を囲繞するクランプ用曲面、23、24は自由曲面の範囲を示す線、25は各レンズの光軸である。また、(B)における26b、26d、26f、26h、26m、26pはそれぞれのレンズにおける光入射側曲面、27b、27d、27、27h、27m、27pはそれぞれのレンズにおける光射出側曲面、28は各レンズの光軸である。また、(B)におけるR付きの数字は、それぞれの曲面における半径を示していて、正・負の符号は、光入射側に対して曲面が凸(正)であるか凹(負)であるかを示している。なお、これら図1、図2に示したレンズ曲面や自由曲面はそれぞれ一例であり、ここに示した数値や形状に限定されないことは当然である。
まず(a)と(b)に示したレンズは、光入射側も出射側も曲面が凸(正)であるレンズで全体として凸レンズを構成し、(c)と(d)のレンズも光入射側と出射側の曲面が凸(正)ではあるが、全体として凹レンズを構成している。(e)と(f)のレンズは、光入射側が凹(負)で出射側が凸(正)と逆の曲面を有して全体として凹レンズを構成し、(g)と(h)のレンズは光入射側が凸(正)で出射側が凹(負)と(e)と(f)の場合と同様逆の曲面を有してはいるが、全体として凸レンズを構成している。(k)と(m)のレンズは光入射側も出射側も曲面が凹(負)であるレンズで全体として凸レンズを構成し、(n)と(p)のレンズも光入射側と出射側の曲面が凹(負)ではあるが、全体として凹レンズを構成している。
この図2(A)に示した自由曲面20a、20c、20e、20g、20k、20nは、前記特許文献1に示された光位相変調マスクのように回転非対称な表面形状ではあるが、(B)に示した通常の球面若しくは非球面からなるレンズ面の図と比較してみれば明らかなように、通常の面との差異は小さなものである。しかしこれらの自由曲面は、前記したように光軸に対して非対称であると共に光軸中心に対して非対称であり、かつ、半径方向の厚みが異なるから、ベルクランプによる心取りはできない。
そのため各レンズには、22a、22c、22e、22g、22k、22nで示したクランプ用曲面が設けられ、このクランプ面と、相対する光射出側の曲面21a、21c、21e、21g、21k、21nとの半径方向の厚さは、増加または減少するよう設けられているが、ベルクランプのためには図2(A)において(e)、(g)のようにそれぞれの曲面が負と正、または正と負のように、逆方向の曲率であると容易である。それに対し、(a)、(c)、(k)、(n)のように正と正、負と負のように同方向の曲率の場合は負と正、または正と負のような逆方向の曲率の場合に比較して心取りに時間が掛かかり、また、(c)のように一面が光軸25に対して垂直あるいは垂直に近い場合、対面する面の曲率を大きくしないと心取りが困難になる。
また、図2(A)の(e)、(n)のように、クランプ用曲面22と光射出側の曲面とで凹レンズが形成されている場合、レンズに入射してきた周辺の光を更にレンズ外周に屈折させることができ、外乱光によるゴーストやフレアを軽減することができると共に、円形レンズを鏡筒などに固定する際、固定側(コバ面)が広くなるから心出しが容易になると共に固定を確実に行えるレンズとすることができる。
すなわち、図4に示したように、通常の球面または非球面からなる光学面11に対して前記した自由曲面12を有し、この自由曲面12の周囲を囲繞するクランプ用曲面17を光軸中心から対称な形状にすることで、クランプ用曲面を自由曲面の基準Rより大きくすることになり、周辺部の有害光を減らすことができると共に、コバ面を厚く取ることができ、レンズの組み込み精度を向上させることができる。
このようにクランプ用曲面の取り方により、光学面の曲率との差を大きく取れば心取り精度が向上し、コバ面を厚く取るようにすれば組み込み精度が向上し、肉厚を薄くなるようにすれば体積が減ってコストダウンすることになり、目的に応じてクランプ用曲面の形状を選択するとより効果的である。なお、加圧成形により円形レンズを成形するため、自由曲面の平均R(曲率)と正負を一致させた方が無理のない成形とすることができる。
以上が本発明になる円形レンズの心取り方法を用いて製造することのできるレンズの説明であるが、次に図3を用い、はみ出し成形によりレンズを成形する方法について説明する。前記したようにはみ出し成形は、胴型部品を図3に示したように用いないか、もしくは加熱したガラス材料(プリフォーム)30とは接触しない位置に設け、このガラス材料を例えば図1に示した自由曲面12に対応した面を形成しながら成形するため、一の入れ子である上型31に、自由曲面12に対応した光学面33とベルクランプ用曲面14に対応させた光学面35を設け、他の入れ子である下型32に、通常の光学面11に対応した光学面34を設けてある。
そして、上型31と下型32とによりガラス材料30を加圧成形し、成形されて自由曲面12とベルクランプ用曲面14、通常の光学面11が形成されてガラス材料が周囲にはみ出したレンズを、前記図5(A)における成形されたレンズ100として固定軸101とクランプ軸102の間に送り込む。その上で図5(B)に示したようにクランプ軸102をレンズ100(レンズ10)の方に動かし、完全にレンズ100の表面に接するようにして、固定軸101とクランプ軸102がレンズ100を保持した状態で、図5(C)に示したように固定軸101とクランプ軸102を回転させ、固定軸101とクランプ軸102の回転軸105とレンズ100の光軸104とが一致する方向に滑るようにして心出しを行う。
そして図2(D)に示したように、加工具106で固定軸101とクランプ軸102と共に回転しているレンズ100(レンズ10)の周囲を加工することで、図1に示したような心出しされたレンズ10を得るわけである。
このようにして自由曲面12を持つ円形レンズ10の成形、心出し、加工を行うことで、光軸に対して非対称な有効面をもつレンズにおいても、設計値に対する誤差が非常に小さいレンズを得ることができる。そのため、自由曲面をもつレンズであっても、調整工程など経なくても精度の高い組込みが可能になり、結果的に安価なレンズユニットを構成することができる。
また、自由曲面12がベルクランプする面より凸になるようにし、立ち上がり面をマスクや墨塗り等によって反射を無くすことで、段差による反射を無くすことができる。
ベルクランプ法においては、光入射側と光出射側の両面の曲率(R)が同じまたは略同じ場合、心取り精度が悪くなるが、そのようなレンズにおいても光透過領域外に本発明のクランプ用曲面を形成することで、周辺部で安定してベルクランプすることが可能となる。
ベルクランプ法においては、光入射側と光出射側の両面の曲率(R)が同じまたは略同じ場合、心取り精度が悪くなるが、そのようなレンズにおいても光透過領域外に本発明のクランプ用曲面を形成することで、周辺部で安定してベルクランプすることが可能となる。
本発明によれば、光透過域が自由曲面であっても正確にベルクランプ法でレンズの心取りをすることが可能であり、円形レンズ周囲の加工を複雑な装置を用いずとも短時間で簡単に、しかも高精度におこなうことができ、複雑な形状を有するレンズをコストも抑えて製造することができる。
10 円形レンズ
11 球面または非球面からなる光学面
12 自由曲面
13 光軸
14 ベルクランプ用曲面
15 レンズ外周
16 ベルホルダー位置
20 自由曲面
21 通常の球面若しくは非球面
22 クランプ用曲面
23、24 自由曲面の範囲を示す線
25 光軸
26 光入射側曲面
27 光射出側曲面
28 光軸
11 球面または非球面からなる光学面
12 自由曲面
13 光軸
14 ベルクランプ用曲面
15 レンズ外周
16 ベルホルダー位置
20 自由曲面
21 通常の球面若しくは非球面
22 クランプ用曲面
23、24 自由曲面の範囲を示す線
25 光軸
26 光入射側曲面
27 光射出側曲面
28 光軸
Claims (5)
- 光学面のうちの少なくとも1つに、光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有した円形レンズの心取り方法であって、
前記自由曲面周囲を囲繞する前記光透過域外に、光軸中心から対称であると共に光入射側と光出射側とで異なる曲率で肉厚が増加または減少するクランプ用曲面を形成し、該クランプ用曲面でベルクランプして心取りすることを特徴とする円形レンズの心取り方法。 - 光学面のうちの少なくとも1つに光透過域を形成する光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面を有した円形レンズの製造方法であって、
前記円形レンズの前記自由曲面周囲を囲繞する前記光透過域外に、光学面光軸中心に対して対称であり、光入射側と光出射側とで異なる曲率で肉厚が増加または減少するクランプ用曲面を配し、該クランプ用曲面をベルクランプして心取りして加工し、製造することを特徴とする円形レンズの製造方法。 - 前記円形レンズ成形用に2つの入れ子を用意し、少なくとも1の入れ子に前記光軸中心に対して非対称な面からなる自由曲面に対応する光学面を形成すると共に、該自由曲面周囲を囲繞する前記クランプ用曲面を配し、該入れ子で加圧成形して円形レンズを製造することを特徴とする請求項1または2に記載した円形レンズの心取り方法または製造方法。
- 前記自由曲面が対物側である場合、前記自由曲面周囲に形成したクランプ用曲面を凹形状としたことを特徴とする請求項1または2に記載した円形レンズの心取り方法または製造方法。
- 前記請求項1乃至4に記載した円形レンズの心取り方法と円形レンズの製造方法が、ガラス成形レンズに用いられることを特徴とする円形レンズの心取り方法または円形レンズの製造方法。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011242346A (ja) * | 2010-05-21 | 2011-12-01 | Nikon Corp | 光学素子、光学装置および光学素子の偏芯量および曲面形状測定方法。 |
| KR101930138B1 (ko) * | 2016-11-03 | 2018-12-17 | 연세대학교 산학협력단 | 다공성 물질을 이용한 광학체 및 이를 제조하기 위한 광학 제조장치 |
| CN114800964A (zh) * | 2021-01-22 | 2022-07-29 | 扬明光学股份有限公司 | 制造具有自由曲面的模仁,和使用所述模仁来制作镜片的方法与镜片 |
-
2006
- 2006-07-28 JP JP2006207223A patent/JP2008030160A/ja active Pending
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