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JP2008018448A - 連続鋳造方法 - Google Patents

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雅彦 寺内
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Abstract

【課題】鋳型の上側の寿命を長くすることで、鋳型全体の寿命を向上させることができる連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】タンディッシュ内の溶鋼2を鋳型4に供給し、供給された溶鋼2を一方向に電磁攪拌しながら溶鋼2を鋳造する連続鋳造方法であって、タンディッシュから鋳型4への溶鋼2の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型4へ溶鋼2を供給して鋳造を行う際、鋳型4内の溶鋼2における湯面レベルを、溶鋼2の供給を停止する前の湯面レベルよりも15mm以上変更してから鋳造を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、連続鋳造方法に関する。
従来より、タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、鋳型に供給した溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法がある(例えば、特許文献1、2)。
この連続鋳造方法に用いられる鋳型は銅を主成分とする材料から形成されており、通常、鋳造を繰り返すと、鋳型の内面下側が鋳型の下側で溶鋼を冷却する冷却水やその水蒸気の影響によって腐食し、当該内面下側に凹みが形成される。また、鋳造を繰り返すと鋳型の内面上側も溶鋼等によって浸食され、当該内面上側にも凹みが形成される。
このように、鋳型の内面に凹みが形成され、この凹みが大きくなると、鋳型と溶鋼との間に介在させるモールドパウダーが凹みに入ってしまい、鋳型と溶鋼との間でモールドパウダーの不均一が発生する。モールドパウダーの不均一が発生すると、鋳型への抜熱量が変化して凝固シェルが不均一に凝固するという問題を引き起こすことから、鋳型の内面に腐食や浸食によって形成される凹みを可及的に抑えることが強く望まれている。
鋳型の内面下側に対しては、当該内面下側が腐食され難くするために、Co系合金やNi合金等の被覆(メッキ)を施すことで、凹みの形成を遅らせ、ひいては、鋳型の寿命の延長を図っている。
また、鋳型の内面上側に対しても、当該内面上側が浸食され難くするために、Co系合金やNi合金等の被覆(メッキ)を施すことで、凹みの形成を遅らせ、鋳型の寿命の延長を図ることが考えられる。
特開平8−281402号公報 特開2002−283023号公報
しかしながら、鋳型の上側は鋳型の下側に比べて温度が高く、鋳型の内面上側にメッキ処理を施したとしても、メッキは銅に比べ伸縮し難いことから銅からメッキが剥がれやすいという問題があり、鋳型の内面上側には薄いメッキしかできないのが実情である。鋳型の内面上側にかかる薄いメッキを施したとしても、鋳型の寿命をあまり長くすることができない。
特に、近年では溶鋼の一部の原料(鉄源)として、Znが含有された自動車等のスラップが用いられることが多くなってきている。
溶鋼中のZnによっても銅は腐食され易く、鋳型の内面上側に薄いメッキを施しただけでは、この浸食を防ぐことができず、寿命を延ばす効果があまりなく、十分に鋳型の寿命を長くすることができないという問題がある。
図7は、Znを含む溶鋼を鋳型を用いて鋳造した場合、Znを含む溶鋼が鋳型の寿命に与える影響をについて調査した結果をまとめたものである。即ち、図7は、鋳型の上側の内面においてメッキ処理を施さずにその鋳型を用いて連続鋳造を繰り返し行う実験を行い、鋳型の寿命(鋳型寿命)と、溶鋼中のZnの平均濃度とをまとめたものである。
図7に示すように、溶鋼2中のZnの平均濃度が高くなるにつれて、鋳型寿命が短くなっていることが分かる。明確なメカニズムが明らかとなっていないが、Znの平均濃度が高くなると、金属製化合物(Cu−Zn合金)が形成され易く、その融点が低融点であるために鋳型4の内側における溶損量が増加することから、Znの濃度が高いほど内面が凹み易く鋳型4の寿命が短くなってしまったと考えられる。
そこで、本発明では、鋳型の内面上側に凹みを形成し難くすることで、鋳型全体の寿命を向上させることができる連続鋳造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、この供給された溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法であって、前記タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際、鋳型内の溶鋼における湯面レベルを、前記溶鋼の供給を停止する前の湯面レベルよりも15mm以上変更してから鋳造を行う点にある。
発明者は、溶鋼を鋳造した後の鋳型の内面について様々な調査を行った。その結果、鋳型の内面上側に着目すると、特に、溶鋼の湯面が接触する内面部分において、鋳造方向約15mm幅に亘って腐食や浸食度合いが高いことが分かった。
そこで、発明者は、溶鋼のメニスカスの位置(湯面レベル)を変える、即ち、溶鋼の湯面と鋳型の内面上側とが接触する部分を変更することによって、鋳型の内面上側における腐食や浸食を分散し、結果として、鋳型の上側の寿命を長くするようにした。
連続鋳造方法では、タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際(以降、切換時ということがある)、湯面レベルの変更を行い易いことから、発明者はこの切換時に湯面レベルの変更を行うこととした。
切換時に湯面レベルの変更を行えば、鋳造中に湯面レベルを変更する場合に比べ、鋳造される鋳片に悪影響を及ぼす恐れもない。即ち、湯面レベルの変更を鋳造中に実施すると、その変更したタイミングで鋳型内に投入したモールドバウダーの巻き込みの発生、或いは、鋳型内の溶鋼流動が急激に変化するため、製品に悪影響を及ぼすが、切換時に湯面レベルの変更を行えばそのようなことを防ぐことができる。
本発明の他の手段は、タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、この供給された溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法であって、前記タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際、鋳型内の溶鋼を電磁攪拌する攪拌方向を変更してから鋳造を行う点にある。
さらに、発明者は、溶鋼を鋳造した後の鋳型の内面について様々な調査を進めた。その結果、鋳型の内面上側に着目すると、局所的に腐食や浸食が進行している部分があった。通常、鋳型は平面視で矩形状であり、溶鋼を電磁攪拌した際には、水平方向に加速された溶鋼が鋳型の内面に当たって溶鋼の流れの向きを変えながら攪拌することとなるので、加速した溶鋼が鋳型に当たりやすい内面部分が局所的に浸食が進行している。
そこで、発明者は、鋳型内の溶鋼を電磁攪拌する攪拌方向を変更することで、電磁攪拌によって鋳型に当たりやすい内面部分を変え、鋳型の内面上側における腐食や浸食を分散することにした。
さて、一般的に、電磁攪拌は鋳型内の未凝固の溶鋼に磁場を印加することで水平方向の流れを与えるものであり、溶鋼の流れによって凝固シェルの成長面に捕捉される介在物や気泡を洗い流す作用がある。それゆえ、電磁攪拌では溶鋼の流速を一定流速以上に確保すると共に、溶鋼の流れを安定化するのが好ましい。
鋳造中に攪拌方向を変更してしまうと、溶鋼の流れが逆転(反転)して、流速が必要流速以下になったり、流れが乱れたりして、介在物や気泡を洗い流す作用が薄れ、内部欠陥が発生して品質上問題になることがあるため、電磁攪拌の攪拌方向を変更するタイミングは切換時に行うこととした。
本発明の他の手段は、タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、この供給された溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法であって、前記タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際、鋳型内の溶鋼における湯面レベルを、前記溶鋼の供給を停止する前の湯面レベルよりも15mm以上変更すると共に、鋳型内の溶鋼を電磁攪拌する攪拌方向を変更してから鋳造を行う点にある。
これによれば、湯面レベルの変更と、攪拌方向の変更との両方を行っているので、鋳型の内面における浸食や腐食をより分散させることができ、その結果、鋳型の寿命を大幅に延ばすことができる。
前記溶鋼の供給停止を行うタイミングは、鋳造する鋼種を変更するとき、又はタンディッシュのメンテナンスを行うときであることが好ましい。
連続鋳造方法では、タンディッシュに設けた浸漬ノズル上のスライドバルブ或いはストッパーを閉鎖することで鋳型への溶鋼の供給を停止し、その後、シーケンスブロックを鋳型内に投入して、スライドバルブ或いはストッパーを開くことで、鋼種の異なる鋳片を連続的に鋳造している。
また、連続鋳造方法では、鋳造を繰り返すとタンディッシュ内に設けた耐火物の溶損が進行したり、タンディッシュ内にスラグが蓄積されるため、浸漬ノズルを閉鎖してタンディッシュを整備する場所に移動させ、タンディッシュの耐火物を交換したり、タンディッシュ内のスラグを除去するメンテナンスを行っている。
したがって、鋳造する鋼種を変更するときやタンディッシュのメンテナンスを行う際は、必ず鋳型への溶鋼の供給停止を行うので、このようなタイミングに合わせ、その後に行われる鋳造の際に、湯面レベルや攪拌方向を変更するようにすれば、効率よく連続鋳造を行うことができる。
本発明によれば、鋳型の内面上側に凹みを形成し難くすることで、鋳型全体の寿命を向上させる。
本発明の連続鋳造方法について説明する。
図1は、本発明の連続鋳造方法によって鋳造を行う連続鋳造装置を示している。ただし、本発明はこの設備を使用するものに限定されるものではない。
図1に示すように、連続鋳造装置1は、ブルーム連続鋳造装置又はビレット連続鋳造装置であって、溶鋼2を一時的に貯留するタンディッシュ3と、このタンディッシュ3からの溶鋼2が供給される鋳型4と、この鋳型4により成型された鋳片を引き出すと共に、鋳片をサポートする複数のサポートロール5とを有している。鋳型4の外側には鋳型4内の溶鋼2を電磁攪拌する電磁攪拌装置(M-EMS)6が配置されている。
タンディッシュ3は、全体として有底箱形となっており、タンディッシュ3の底部に浸漬ノズル7が設けられている。浸漬ノズル7は、スライドバルブ8により開閉可能となっており、浸漬ノズル7の開閉によりタンディッシュ3による鋳型4への溶鋼2の注入が停止又は再開できるようになっている。
鋳型4は、銅を主成分とする材料から角筒状に形成されている。溶鋼2と接触する下側部分、即ち、鋳型4の内面は、Co系合金やNi合金等の被覆がなされている。詳しくは、図1に示すように、鋳型4の上端から下側にむけての200〜300mm以外の範囲Aは、その厚さが0.5〜2.0mmのメッキが施されている。
図2の平面図に示すように、電磁攪拌装置6は、従来から連続鋳造装置に用いられている一般的なもので、溶鋼2を右旋回(右回り)させたり、溶鋼2を左旋回(左回り)させたりすることができる。なお、図2は、鋳型4を展開した展開図に、溶鋼2の流れや内面の腐食(浸食)状態を図示したものである。
連続鋳造装置1では、転炉や二次精錬設備等から出鋼された溶鋼2を取鍋によってタンディッシュ3まで搬送し、搬送された取鍋内の溶鋼2をタンディッシュ3へ注入後、浸漬ノズル7を開くと共に、電磁攪拌装置6で鋳型4内の溶鋼2を一方向に攪拌することで、溶鋼2を連続的に鋳造することができるようになっている。この連続鋳造装置では、同じ鋼種の溶鋼2を連続的に数チャージ鋳造したり、鋼種の異なる溶鋼2を連続的に鋳造することができる。
なお、連続鋳造装置1では、図示しない移動装置によってタンディッシュ3を移動させることができ、タンディッシュ3を交換することができる。
以下、本発明の連続鋳造方法について詳しく説明する。
本発明にかかる連続鋳造方法では、タンディッシュ3から鋳型4への溶鋼2の供給を停止した後に、再度タンディッシュ3から鋳型4へ溶鋼2を供給して鋳造を行う際、鋳型4内の溶鋼2における湯面レベルを、溶鋼2の供給を停止する前の湯面レベルよりも15mm以上変更してから鋳造を行うようにしている。
具体的には、まず、タンディッシュ3内の溶鋼2を鋳型4に供給し、溶鋼2を右旋回させて当該溶鋼2を攪拌しながら鋳造を開始する。そして、数チャージ後、鋳造する鋼種を変更するときやタンディッシュ3のメンテナンスを行う際に、浸漬ノズル7を閉鎖してタンディッシュ3から鋳型4への溶鋼2の供給を停止する(鋳造を一時的に停止する)。
鋳造を一時的に停止後、タンディッシュ3内に鋼種の異なる別の溶鋼2を装入したり、タンディッシュ3を新しいものに入れ替えを行う。その後、浸漬ノズル7を開いてタンディッシュ3から鋳型4への溶鋼2供給を再開し、鋳造を再び行う。
以降、説明の便宜上、溶鋼2供給を再開し鋳造を行う工程を再鋳造工程ということがある。また、再鋳造工程よりも前に、鋳型4に溶鋼2を注入して鋳造を行う工程のことを、前鋳造工程ということがある。
図1に示すように、再鋳造工程の際には、再鋳造工程の湯面レベルL2を前鋳造工程の湯面レベルL1よりも15mm以上下がるように、浸漬ノズル7における溶鋼の供給量や鋳造速度を制御しながら鋳造を行う。再鋳造工程で、湯面レベルを前鋳造工程よりも下げた際、溶鋼2に対する浸漬ノズル7の装入量は湯面レベルの下げ量に対応して下げる。
なお、通常、鋳造の際には、溶鋼2上にパウダーを投入し、溶鋼2(凝固シェル)と鋳型4の間にパウダーを介在させるが、この実施の形態では、湯面レベルの基準となる位置は、パウダーの上面ではなく、溶鋼2の湯面上としている。
上述したように鋳造を行った場合、図2に示すように、前鋳造工程の際は、鋳型4の内面上側において、左右方向の一方側で且つ上側となる範囲Bが腐食又は浸食され易く、他の部分については殆ど浸食又は浸食されない状態にとなる。
また、再鋳造工程の際は、湯面レベルL2を前鋳造工程の湯面レベルL1よりも下げているので、鋳型4の内面上側において、左右方向の一方側で且つ最下側となる範囲Cが腐食又は浸食され易く、前記範囲Bは殆ど腐食又は浸食されない状態にとなる。
したがって、溶鋼2の湯面と鋳型4の内面上側とが接触する部分を変更することによって、鋳型4の内面上側における腐食又は浸食を分散し、結果として、鋳型4の上側の寿命を長くすることができる。
また、この連続鋳造方法では、再鋳造工程の際、湯面レベルL1を前鋳造工程の湯面レベルL2よりも15mm以上下げるのに加え、鋳型4内の溶鋼2を電磁攪拌する攪拌方向を変更してから鋳造を行うことが好ましい。
例えば、前鋳造工程の際、溶鋼2を右旋回させて当該溶鋼2を攪拌し(図2の溶鋼内、実線)、再鋳造工程の際は、湯面レベルL1を前鋳造工程の湯面レベルL2よりも15mm以上下げ、レベルが下げられた溶鋼2を左旋回させて当該溶鋼2を攪拌させる(図2の溶鋼内、破線)。
図2に示すように、このように、湯面のレベルを下げると共に、溶鋼2の攪拌方向を変更すれば、再鋳造工程の際は、鋳型4の内面上側において、左右方向の他方側で且つ最下側となる範囲Dが腐食又は浸食され易く、他の範囲は殆ど腐食又は浸食されない状態にとなる。
したがって、電磁攪拌によって鋳型4に当たりやすい内面部分を変え、鋳型4の内面上側における浸食を分散し、鋳型4の上側の寿命を長くすることができる。
なお、再鋳造工程の際に、湯面レベルを代えず、再鋳造工程の湯面レベルL2と前鋳造工程の湯面レベルL1と同じとし、攪拌方向だけを変更してもよい。即ち、前鋳造工程と再鋳造工程とで水平方向における攪拌方向を反転させるだけでもよい。
この場合、再鋳造工程の際は、鋳型4の内面上側において、左右方向の他方側で且つ最上側となる範囲Fが腐食又は浸食され易く、他の範囲は殆ど腐食又は浸食されないようにすることができる。
次に、再鋳造工程の際、湯面レベルを前鋳造工程の湯面レベルよりも15mm以上にすること及び攪拌方向を変更することについて詳しく説明する。
まず、発明者は、鋳型4の内面上側にメッキを施していない場合、内面上側に形成される凹みが鋳造した鋳片に与える影響について調査した。
即ち、発明者は、鋳型4の上側の内面(前記範囲A以外の部分)においてメッキ処理を施さずにその鋳型4を用いて連続鋳造を繰り返し行う実験を行い、図3に示すように、鋼種毎の表面割れの発生率と、鋳型4の内面上側(範囲A以外)における最大の凹み量(最大損耗量)との関係について調べた。
なお、鋼種毎の表面割れは、鋳造した鋳片の表面をMT検査装置で検査し、鋳片の表面(鋳片の内部における表面側近傍)において5mm以上の開口があいているものを「欠陥有り」、5mm未満の開口のものを「欠陥無し」とした。そして、「欠陥有り」とした数から検査を行った鋳片の総数を割ることで表面割れの発生率を求めた。
図3に示すように、最大の凹み量が大きくなるにつれて、鋳片における表面割れの発生率が増加しており、最大の凹み量が0.3mm以上を超えると、すべての鋼種において表面割れが発生している。
よって、鋳型4の下内面のみにメッキをした鋳型4(鋳型4の上側の内面にメッキを施していない鋳型4)においては、その内面上側に形成された凹みが0.3mm以上となったとき、鋳型4が寿命を迎え、当該鋳型4を新しい物に交換しなければならないことが分かった。
また、発明者は、鋳型4の上側の内面(前記範囲A以外の部分)においてメッキ処理を施さずに鋳造を繰り返し行った後の内面上側における凹みの分布について調べた。図4は、内面上側における凹みの分布をまとめたものである。
図4に示すように、溶鋼2の湯面が接触する内面上側部分において、凹みが0.3mm以上となる範囲は、鋳造方向に向けて約15mmであった。また、内面上側における凹みは、内面上側全体ではなく、片側に集中している。
内面上側において凹みが片側に集中する原因としては、溶鋼2を電磁攪拌した際、水平方向に加速された溶鋼2が鋳型4の内面に当たって溶鋼2の流れの向きを変えながら流れることとなるため、加速した溶鋼2が鋳型4に当たりやすい部分が集中的に凹んでしまったと考えられる。
以上、図4の結果によれば、再鋳造工程の際には、溶鋼2の湯面と鋳型4の内面上側とが接触する部分を幅方向に15mm以上変更したり、攪拌方向の向きをかえることで加速した溶鋼2が当たる部分を変えることがよいことが分かった。
次に、発明者は、鋳造する際に溶鋼2の湯面レベルを変更したり、攪拌方向の向きをかえる時期について検討した。その結果を図5に示す。
図5は、湯面レベルの変更時期及び攪拌方向変更時期と、鋳片における介在物の欠陥不合格率についてまとめたものである。電磁攪拌装置6では、メニスカス位置での磁束密度(銅板外面より15mm離れた所で測定)を80〜300gaussとし、周波数は1〜4Hzとした。
ケース1は湯面レベルを切換時に変更したものであり、ケース2は湯面レベルを切換時に変更せずに鋳造中に変更してしたものである。また、ケース3は、攪拌方向を鋳造中に変更したものであり、ケース4は、電磁攪拌を使用せずに鋳造したものである。
図5に示すように、湯面レベルを切換時に変更した場合(ケース1)では欠陥不合格率が0.1%以下で非常に不良品の発生する割合が低く、湯面レベルを鋳造時に変更した場合(ケース2)では欠陥不合格率が3.4%と非常に不良品の発生する割合が多くなっている。
したがって、本発明の連続鋳造方法では、切換時に湯面レベルの変更を行えば、鋳造中に湯面レベルを変更する場合に比べ、鋳造される鋳片における不良品の発生率も低いことから切換時に湯面レベルを変更することとした。
また、攪拌方向を鋳造中に変更した場合(ケース3)では欠陥不合格率が0.8%と、、電磁攪拌を使用せずに鋳造した場合(ケース4)の欠陥不合格率がほぼ同程度で、不良の発生する割合が多くなる。
したがって、湯面レベルの変更を鋳造中に実施すると、その変更したタイミングで鋳型内に投入したモールドバウダーの巻き込み或いは鋳型内の溶鋼流動が急激に変化し、不良品の発生率が高くなることから鋳造中ではなく切換時に攪拌方向を変更することとした。
図6は、本発明の連続鋳造方法で鋳造を行った実施例と、本発明の連続鋳造方法で鋳造を行わなかった比較例とをまとめたものである。実施例と比較例において、電磁攪拌装置6では、メニスカス位置での磁束密度(銅板外面より15mm離れた所で測定)を80〜300gaussとし、周波数は1〜4Hzとした。
ケース5は、鋳型4の下内面のみにメッキを施した鋳型4を製作し、この鋳型4を用いて湯面のレベルを変更せずに連続的に鋳造を行ったものである。
ケース6は、鋳型4の下内面に加え、鋳型4の内面上側にメッキをした鋳型4を製作し、この鋳型4を用いて湯面のレベルを変更せずに連続的に鋳造を行ったものである。
ケース7〜9は、鋳型4の下内面のみにメッキを施した鋳型4を製作し、湯面レベルを変更したり、攪拌方向を変えて鋳造を行ったものである。
詳しくは、ケース7は、前鋳造工程と、再鋳造工程とで湯面レベルを変更せず、攪拌方向のみを変えて連続的に鋳造を行ったもので、ケース8は、前鋳造工程と、再鋳造工程とで攪拌方向を変更せず、湯面レベルを15mm以上変えて連続的に鋳造を行ったもので、ケース9は、再鋳造工程で攪拌方向を変えると共に、前鋳造工程と再鋳造工程とで湯面レベルを変えて鋳造を行ったものである。
図6に示すように、攪拌方向を変えて鋳造を行った場合(ケース7)や湯面レベルを15mm以上変えて鋳造を行った場合(ケース8)では、鋳型4の内面上側にメッキを施した鋳型4に比べ鋳型寿命が向上した。
即ち、鋳型4の内面上側にメッキを施さなくても、攪拌方向を変更したり湯面レベルを変えることによって、鋳型4の寿命を向上させることができる。
特に、攪拌方向を変えると共に、湯面レベルを15mm以上変えて鋳造を行った場合(ケース9)では、鋳型寿命が500ch以上となり非常に寿命を長くすることができた。
なお、上記実施の形態では、溶鋼2の供給停止を行うタイミングを、鋳造する鋼種を変更するとき、又はタンディッシュ3のメンテナンスを行うときであるとしたが、これ以外の場合であっても良い。
連続鋳造装置の概念図である。 鋳型の内面上側おいて腐食(浸食)状態を示す図である。 鋳片の表面割れと凹み量との関係を示す図である。 鋳型の内面上側おいて凹みの分布を示す図である。 湯面レベル及び攪拌方向の変更時期と、欠陥不合格率との関係を示す図である。 実施例及び比較例における鋳型寿命を示す図である。 鋳型の寿命と溶鋼中の[Zn]濃度の関係を示す図である。
符号の説明
1 連続鋳造装置
2 溶鋼
3 タンディッシュ
4 鋳型
5 サポートロール
6 電磁攪拌装置
7 浸漬ノズル

Claims (4)

  1. タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、この供給された溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法であって、
    前記タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際、鋳型内の溶鋼における湯面レベルを、前記溶鋼の供給を停止する前の湯面レベルよりも15mm以上変更してから鋳造を行うようにしたことを特徴とする連続鋳造方法。
  2. タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、この供給された溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法であって、
    前記タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際、鋳型内の溶鋼を電磁攪拌する攪拌方向を変更してから鋳造を行うようにしたことを特徴とする連続鋳造方法。
  3. タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給し、この供給された溶鋼を一方向に電磁攪拌しながら鋳造する連続鋳造方法であって、
    前記タンディッシュから鋳型への溶鋼の供給を停止した後に、再度タンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給して鋳造を行う際、鋳型内の溶鋼における湯面レベルを、前記溶鋼の供給を停止する前の湯面レベルよりも15mm以上変更すると共に、鋳型内の溶鋼を電磁攪拌する攪拌方向を変更してから鋳造を行うようにしたことを特徴とする連続鋳造方法。
  4. 前記溶鋼の供給停止を行うタイミングは、鋳造する鋼種を変更するとき、又はタンディッシュのメンテナンスを行うときであることを特徴とする請求項1〜3にいずれかに記載の連続鋳造方法。
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