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JP2008010460A - ボンド磁石用組成物、それを用いたボンド磁石、およびその製造方法 - Google Patents

ボンド磁石用組成物、それを用いたボンド磁石、およびその製造方法 Download PDF

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JP2008010460A
JP2008010460A JP2006176326A JP2006176326A JP2008010460A JP 2008010460 A JP2008010460 A JP 2008010460A JP 2006176326 A JP2006176326 A JP 2006176326A JP 2006176326 A JP2006176326 A JP 2006176326A JP 2008010460 A JP2008010460 A JP 2008010460A
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Shinichi Hayashi
真一 林
Takashi Sato
崇士 佐藤
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

【課題】実用的な低い配向磁場強度でも良好な異方性が付与でき、従来よりも低温環境下で十分な可撓性を有し、機械強度が強く、高い残留磁束密度(Br)および高い最大エネルギー積((BH)max)を有するボンド磁石用組成物とボンド磁石およびその製造方法を提供する。
【解決手段】異方性を有する磁性粉末(A)と、樹脂バインダー(B)とからなり、異方性を有する磁性粉末(A)は、該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁した後、引き続き、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダー(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁したものであり、一方、樹脂バインダー(B)は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を含有するボンド磁石用組成物などによって提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボンド磁石用組成物、それを用いたボンド磁石、およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、実用的な低い配向磁場強度で配向性を大きく向上させ、低温環境下で十分な可撓性を有し、かつ機械強度を向上することができるボンド磁石用組成物およびこれを成形してなるボンド磁石、およびその製造方法に関する。
ボンド磁石は、樹脂バインダーに磁性粉を混合分散させた組成物を加熱して溶融状態とし、射出成形、押出成形、圧縮成形、圧延成形などによって製造される永久磁石であり、雑貨からモータやセンサに至るまで様々な分野で使用されている。磁性粉には、フェライト磁石粉末、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などの希土類磁石材料粉末、アルニコや鉄クロムコバルトなどの金属磁石材料粉末などが用いられている。
ボンド磁石は、樹脂バインダーに磁性粉を混合分散させたボンド磁石用組成物を成形しているため、形状自由度や機械強度に優れ、他の部品との一体成形が可能であるといった特長を持つ。
これらのボンド磁石が使用された製品は、その用途に応じて100℃以上の高温に晒されたり、逆に−35℃以下の低温に晒されたり、さらには高温の状態と低温の状態とに交互に晒される場合があるため、このような温度差が大きい状況下でボンド磁石の使用安定性を評価するために、ヒートサイクル試験や、ヒートショック試験を行っている。ボンド磁石を他の部品(主にヨーク材)と一体成形した製品、あるいは張り合わせた製品などについて、上記試験を実施すると、熱膨張率の違いから生じる歪みや、樹脂バインダーの劣化などによって、ボンド磁石が割れたり、他の部品から剥離したりすることがあり、問題となっていた。
磁性粉と混合する樹脂バインダーには、主に、ナイロン6、ナイロン12、あるいはナイロン6−12などの共重合ポリアミドが用いられているが、上記問題を解決するために、一般的にジイソノニルアジペート、ジブチルセバケート、N−ブチルベンゼンスルホンアミドおよびε−カプロラクタムなどの可塑剤を添加する方法が用いられている。しかし、この方法においても低温での可撓性が十分ではなく、また経時劣化により可撓性が低下する問題があった。
また、ボンド磁石用組成物の溶融流動性を向上させ、成形物の高磁力化のために磁性粉の充填量を多くしても良好な溶融流動性を維持し、溶融時の流動性低下に基づく成形加工性の低下を抑制することを目的に、樹脂バインダーとして、熱可塑性樹脂からなる主材樹脂に、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を含有させたボンド磁石用組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。また、熱可塑性樹脂からなる主材樹脂に重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を含有させたボンド磁石用組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。
これらは、いずれも熱可塑性樹脂を主材樹脂とし、これに重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体あるいは重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を少量添加、混合しているが、これらの樹脂バインダーでは、ボンド磁石の温度環境下での使用安定性に係る課題を解決することはできなかった。
一方、最近の小型ハードディスクの伸張、DVDの拡大等に伴う、更なる小型モータのダウンサイジング、高性能化への要求が非常に強くなってきている。この小型モータの高性能化を支える要素として希土類系の樹脂結合型磁石の性能の向上が切望されている。
前記の小型モータ等磁石応用製品の小型化、高性能化の要求を満たす候補として、Nd系金属間化合物で磁気異方性もつ希土類磁性粉を配合した磁気異方性樹脂結合型磁石がある。ただ、この磁性粉を使用し、より性能の高い磁気異方性ボンド磁石を得るためには、成形時に大きな磁界をかけ磁性粉を配向させる必要がある。磁気異方性の磁石粉末を十分に配向させるには例えば2400〜4000kA/mという非常に強い印加磁場強度(配向磁場強度)を必要とする。しかしながら、実際に使用される磁石はリング形状のほか複雑な形状が要求され、リング形状でも外形10mm以下の小型化となっており、このような形状の環境の中で前記の配向磁界を確保することは工業生産上困難を伴う。
これらの問題に対し、特許文献3,4では、磁性粉末を樹脂成分と混練する前に、あらかじめ磁性粉末の段階で成形磁場や保磁力より高い磁場中で着磁することで、未着磁品に比較して実用的な配向磁場強度で配向性に優れる樹脂結合型磁石を提供できるとしている。ただ、その手法が着磁のみだけであることから次のような製造上の問題が起こる。それは、着磁の際、磁石粉末一粒一粒が磁石になることから粉末同士が着き合い大きな塊となってしまい嵩が増す。この結果、樹脂との混合のために用いる混練機への磁石粉末の投入が、塊であるため困難となる。また、混練機の材質が鉄等の磁性体の場合、磁石粉末が混練機に付着してしまい混練そのものができなくなってしまう。
このような状況下、実用的な配向磁場強度である、240〜1200kA/m程度で成形でき、取り扱いが容易でかつ高い配向特性を有する樹脂結合型磁石用組成物であって、低温での可撓性に優れ、ヒートサイクル試験、ヒートショック試験時のワレやヨーク材からの剥がれがなく、磁気特性も良好なボンド磁石用組成物の出現が切望されていた。
特開2001−123067号公報(特許請求の範囲) 特開2001−240740号公報(特許請求の範囲) 特開平2−251111号公報 特開平6−244047号公報
本発明の目的は、上記事情に鑑み、低温環境下で十分な可撓性を有し、実用的な低い配向磁場強度でも良好な異方性が付与でき、従来よりも高い残留磁束密度(Br)および高い最大エネルギー積((BH)max)を有しつつ、機械強度も優れた、小型形状にも対応したボンド磁石用組成物、それを用いたボンド磁石、およびその製造方法を提供することにある
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、異方性磁場が高い磁性粉末と熱可塑性樹脂バインダーとを配合して樹脂結合型磁石用組成物を製造するにあたり、磁性粉末として、あらかじめ成形磁場より高い磁場にて着磁した後、さらに樹脂バインダーと十分に混練できる程度の磁場となるように脱磁を行ったものを用いるとともに、樹脂バインダーとして特定の重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を含むポリアミド樹脂を用いることにより、実用的な低い配向磁場強度でも良好な異方性を付与することができ、従来よりも高い残留磁束密度(Br)および高い最大エネルギー積((BH)max)を有しつつ、低温環境下での可撓性を効果的に向上させ、また成形加工性低下、寸法精度低下、機械強度低下などの問題を生じることのないボンド磁石を安定して製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、異方性を有する磁性粉末(A)と、樹脂バインダー(B)とからなるボンド磁石用組成物において、異方性を有する磁性粉末(A)は、該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁した後、引き続き、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダー(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁したものであり、一方、樹脂バインダー(B)は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を含有することを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、異方性を有する磁性粉(A)は、希土類(Nd又はSm)と遷移金属(Fe及び/又はCo)を含有することを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、異方性を有する磁性粉(A)は、異方性磁場が4000kA/m以上であり、全磁性粉末中に粒径が100μm以下のものを30重量%以上含有することを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、異方性を有する磁性粉末(A)は、融点が150〜500℃の金属化合物、無機燐酸、無機燐酸化合物、シラン系カップリング剤、またはチタン系カップリング剤から選ばれる1種以上の物質により表面が被覆されていることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記磁場(α)および(β)は、それぞれ独立して1600kA/m以上であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、前記磁場(α)は、1600kA/m以上であり、一方、磁場(β)は、1800kA/m以上であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体は、下記の一般式(1)で示されることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。式中、R、Rは、同一か又は異なる炭素数6〜44の脂肪族ジアミン、及び/又は脂環族ジアミンから選ばれるジアミン残基であり、Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基、Rは、炭素数20〜48のダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、mは1〜70の整数、nは1〜150の整数である。
一般式(1)
Figure 2008010460
また、本発明の第8の発明によれば、第1の発明において、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、下記の一般式(1)で示される重合脂肪酸系ポリアミド骨格(a)と、一般式(2)で示されるポリエーテルエステルアミド骨格(b)を含有することを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。式(1)中、R〜R、m、nは前記と同じである。式(2)中、Rは、炭素数4〜60のポリオキシアルキレングリコール又はジヒドロキシ炭化水素残基であり、Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基および又は炭素数20〜48のダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体の1種以上から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、qは1〜20の整数である。
一般式(1)
Figure 2008010460
一般式(2)
Figure 2008010460
また、本発明の第9の発明によれば、第1又は8の発明において、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、重合脂肪酸系ポリアミド骨格(a)とポリエーテルエステル骨格(b)の共重合比(a):(b)が、10:90〜90:10であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第10の発明は、第1の発明において、樹脂バインダー(B)は、引張降伏応力が18MPa以下であり、かつ引張破壊応力が50MPa以下であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第1の発明において、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、数平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第1の発明において、樹脂バインダー(B)は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を、50wt%以上含有することを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
さらに、本発明の第13の発明によれば、第1の発明において、樹脂バインダー(B)は、配合量が組成物100重量部に対して1〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第14の発明によれば、第1〜13のいずれかの発明に係る配向磁場中で射出成形、圧縮成形又は押出成形のいずれかにより成形することを特徴とするボンド磁石の製造方法が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、第14の発明において、配向磁場強度が、240〜1200kA/mであることを特徴とするボンド磁石の製造方法が提供される。
一方、本発明の第16の発明によれば、第14又は15の発明により得られ、配向度が95%以上であることを特徴とするボンド磁石が提供される。
一方、本発明の第17の発明によれば、第16の発明において、その−35℃での破断伸び(ASTM D638に規定する引張試験)が1%以上であることを特徴とするボンド磁石が提供される。
本発明のボンド磁石用組成物によれば、磁性粉として、あらかじめ特定の条件で着磁した後、さらに脱磁を行った希土類−遷移金属系磁性粉を用い、樹脂バインダーとして特定の重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を用いているために、この組成物を成形したボンド磁石は、実用的な低い配向磁場強度でも良好な異方性が付与できる。また、従来よりも高い残留磁束密度(Br)および高い最大エネルギー積((BH)max)を有し、かつ−35℃程度の低温環境下に晒した場合でも良好な可撓性を有し、ヒートサイクル試験、ヒートショック試験時のワレやヨーク材からの剥がれが改善される。
また、希土類元素を含む鉄系磁性粉の表面を燐酸塩など特定の皮膜で均一に被覆しておくことで、より耐候性等に優れたボンド磁石用組成物が得られる。さらに、これを成形して得たボンド磁石は、一般家電製品、通信・音響機器、医療機器、一般産業機器に至る幅広い分野で活用でき、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明のボンド磁石用組成物、ボンド磁石およびその製造方法についてさらに詳しく説明する。
本発明のボンド磁石用組成物は、異方性を有する磁性粉末(A)と、樹脂バインダー(B)とからなるボンド磁石用組成物において、異方性を有する磁性粉末(A)は、該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁した後、引き続き、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダー(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁したものであり、一方、樹脂バインダー(B)は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を含有することを特徴とする。
1.磁性粉
磁性粉(A)としては、希土類元素と遷移金属元素を含有する異方性の希土類−遷移金属系磁性材料粉末を使用する。
その希土類元素としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)が挙げられ、一方、遷移金属元素としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及びマンガン(Mn)が挙げられ、これら群のそれぞれから1種又は2種以上が選択される。
遷移金属元素では、これ以外にCr、V又はCuのいずれかを含有してもよい。特に好ましい希土類元素は、Nd又はSmのいずれか、遷移金属元素は、Fe又はCoのいずれかである。
希土類−遷移金属系磁性粉として、例えば、希土類−コバルト系、希土類−鉄−ほう素系、希土類−鉄−窒素系の磁性粉末等が挙げられる。これらの中では、特にSm又はNdを5〜40at.%、Fe及び/又はCoを50〜90at.%含有するものが好ましい。
希土類−遷移金属系磁性粉の物性は、特に限定されるものではないが、異方性を有するものでなければならず、4000kA/m以上の磁性を有するものが好ましい。かつ該粉末を構成する各磁性粒子は、粒径が100μm以下のものを30重量%以上含有するものが好ましい。得られるボンド磁石組成物の溶融流動性、磁性粉の配向性、充填率等の観点から、通常は平均粒径0.1〜100μmが好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。
また、本発明においては、希土類−遷移金属系磁性粉の表面に、後で詳述する方法によって無機燐酸、無機燐酸化合物、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤から選ばれる1種以上の物質により被膜を形成することが望ましい。
なお、要求される磁気特性に合わせて、Srフェライト、Baフェライト等のフェライト粉末、アルニコや鉄、クロム、コバルトなどの金属磁性材料粉末の磁性粉一種以上を希土類−遷移金属系磁性材料粉末に混合して用いることができる。
2.磁性粉末の着磁、脱磁
本発明において用いられる磁性粉末は、異方性を有するものであり、しかも該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁した後、引き続き、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダーのポリアミド樹脂(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁したものでなければならない。磁場(α)および(β)は、それぞれ独立して1600kA/m以上であることが望ましい。
異方性磁性粉末としては、還元拡散法によって得られるSmFe系合金粗粉を窒化処理、微粉砕して得られるSm−Fe−N系の合金微粉末がある。このような異方性磁性粉末の平均粒径は、成形後の希土類ボンド磁石の機械的強度と加工性の向上、および加工後において磁石の表面磁束の均一性に影響するため、単磁区粒径に近くなるように、通常2μm〜4μmとされている。しかし、磁性粉末は、磁性粒子同士が磁壁で区画された集合体であり、それを構成する各磁性粒子の磁性方向は不揃いな状態にある。その磁性方向を一方向に揃えるのが着磁である。そのため、該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁を行う。
磁場(α)、すなわち着磁磁界は、1600kA/m以上であり、好ましくは、1800kA/m以上である。1600kA/m未満では、これに近い保磁力を有する磁性粉末の配向を行うことができず高い配向特性を得ることができない。
磁性粉末を着磁するための着磁電源は、磁性粉末の種類、着磁極数、サイズなどの要素を加味して選択される。磁性粉末を着磁するには極めて大きなエネルギーを必要とし、図1に示すように、電源2からコンデンサに充電した高電圧を一気に治具3に流すことにより、高い磁場を磁性粉末1に与えることになる。通常、着磁電源に使われるコンデンサには、オイルコンデンサとケミカルコンデンサの2種類がある。一般的には1000V以上の電圧を必要とする時は、オイルコンデンサが採用される。要求される着磁特性を得るには、着磁される磁性粉末1を収容する治具3(容器)を用いる。治具は、非磁性の材料で構成され、磁性粉末が配向時に移動できる十分なスペースを有するものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン製の円筒状容器で、磁性粉末のかさ密度(充填層の厚さl)の3倍以上を収容できる高さ(L)が着磁方向にあればよい。
これにより、未着磁品に比較して実用的な配向磁場強度で配向性に優れる樹脂結合型磁石を得ることができるようになる。ただし、着磁のみ行った状態では、磁石粉末一粒一粒が磁石となっており、粉末同士が引き着き合い大きな塊となってしまい嵩が増してしまう。この結果、樹脂と混合するため混練機へ磁石粉末を投入しにくくなる。また、混練機の材質が鉄等の磁性体の場合、磁石粉末が混練機に付着してしまい混練そのものができなくなってしまう。そのため、引き続いて、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダーのポリアミド樹脂(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁しなければならない。
磁場(β)、すなわち脱磁磁界は、1600kA/m以上であり、より好ましくは1800kA/m以上、より好ましくは2000kA/m以上である。1600kA/m未満では、これに近い保磁力を有する磁性粉末が脱磁できずに粉末同士が引き着き合ったままで大きな塊で残存してしまい、樹脂との混合のために用いる混練機への磁石粉末の投入が、塊であるため困難となる。また、混練機の材質が鉄等の磁性体の場合、磁石粉末が混練機に付着してしまい混練そのものができなくなってしまう。
異方性の磁性粉末は、一般磁性体に比べて、保持力(HC)が非常に高く、容易に減磁しない。これを脱磁するには、コンデンサとコイルによる共振減衰脱磁という方法をとる。そのため、脱磁電源にも、着磁電源と同じようにコンデンサに充電した高い電荷をコイルに流し、共振磁場を発生させる。コイルでは、NS極が反転しながら減衰していくので、磁性粉末は反転磁場のなかで脱磁される。
本発明において、着磁、脱磁装置は、着磁用及び脱磁用の印加磁界を加えることができる電源を有するものであれば特に、限定されるものではない。市販のオイルコンデンサ式の着磁・脱磁電源には、例えば、電子磁気工業株式会社のCM−1500V、2500V、4000V型などが挙げられる。この他に、コンデンサ容量の切換え機能や、フライホイールダイオード入力切換え等の機能を有する装置を使用しても良い。
磁性粉末がSmFeN系であれば、比較的容易に脱磁される。SmCo系であるか、それよりも異方性磁場が高い材料では、SmFeN系よりも脱磁の条件は厳格なものとしなければならない。また、Nd系は、脱磁すると、初期磁化特性が違ってくるので注意が必要となる。
ところで、これまで磁石の製造現場において、しばしば脱磁手段が採用されてきた。ひとつは、リサイクルを効率化するためである。ボンド磁石は、原料となる樹脂組成物を射出成型する際に、スプルーランナーと呼ばれる、射出ノズルから金型までの経路に樹脂硬化物が副生する。これを再利用するには、樹脂硬化物を細かく粉砕することになる。この時、樹脂硬化物に磁気が残っていると、破砕工程で団子状に絡み合い、刃に吸着して作業そのものが出来なくなるので脱磁が行われる。
また、着磁工程でモータのハウジングに磁石を固定する際には、仮着磁を行っているが、磁石を固定後、ロータを組みこむ時に磁気が残っていると、組み立て工程の効率が落ちるので脱磁しなければならない。さらに、着磁量管理を必要とする磁石の場合にも、着磁量管理で不良品を再度着磁する前に一旦脱磁を行っている。
しかしながら、ボンド磁石の原料となる樹脂組成物を調製する際に磁性粉末が着磁されることはあっても、その後に脱磁されることはなく、その有用性は全く検討されることはなかった。本発明は、ボンド磁石の原料となる樹脂組成物を調製する際に着磁・脱磁を行うことで、効率的に混練できるようにすることを意図している。
本発明において、磁性粉末の構造と着脱磁のメカニズムは、以下のように考えることができる。異方性磁性粉末に前記のような条件で着磁して、その磁性方向を一方向に揃えた後、引き続き残留磁束密度が0とならない程度の脱磁を行うと、粉末の中には、残留磁束密度がほぼ0Tに近くなってしまうものもあるが、粉末全体をみれば0.001T(10G)以下と少し残る状態になる。その後、樹脂結合型磁石を作製するために配向磁界を加えると、少し残留磁化は残っているが製造上問題にならない程度の粉末が、まず配向して残留磁化が大きくなる。すると、これが近くに存在する磁性粉末の配向を助け、残留束密度がほぼ0T(0G)に近くなっている磁性粉末の残留磁束密度を大きくさせる。このような現象は、配向磁界が別の部位からも出ているようなものと言える。これにより、通常よりも低い配向磁界で高磁気特性(高い配高度)が得られるわけである。つまり、脱磁を施した磁性粉末は、配向促進補助剤として働くものと考えることができる。
3.樹脂バインダー
本発明に用いる樹脂バインダー(B)は、一般式(1)で示される重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(B−1)であるか、又はこのブロック共重合体(B−1)のオリゴマーに一般式(2)で示されるポリエーテルエステルを共重合させた重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)のいずれかを含有する。
すなわち、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(B−1)は、一般式(1)で表される。式中、R、Rは、同一か又は異なる炭素数6〜44の脂肪族ジアミン、及び/又は脂環族ジアミンから選ばれるジアミン残基であり、Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基、Rは、炭素数20〜48のダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、mは1〜70の整数、nは1〜150の整数である。
一般式(1)
Figure 2008010460
また、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)は、上記の一般式(1)で示される重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(式中、R〜R、m、nは前記と同じである)に、下記の一般式(2)で示されるポリエーテルエステルを共重合させたものである。
一般式(2)
Figure 2008010460
式中、Rは、炭素数4〜60のポリオキシアルキレングリコール又はジヒドロキシ炭化水素残基であり、Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種以上
から選ばれるジカルボン酸残基および又は炭素数20〜48のダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体の1種以上から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、qは1〜20の整数である。
重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体、又は重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、数平均分子量が1,000〜50,000のものが好ましく、5,000〜25,000のものがより好ましく、5,000〜12,000のものが最も好ましい。数平均分子量が1,000未満であると、溶融粘度が著しく小さくなり、成形加工中に磁性粉と分離し、また組成物を成形したボンド磁石の強度が著しく低くなる場合があり、数平均分子量が50,000を超えた場合、成形時に十分な溶融流動性が得られなくなる。
重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体、重合脂肪酸ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、用いられる磁性粉の種類、得られるボンド磁石組成物の溶融流動性、磁性粉の配向性等を考慮し選択すれば良い。
重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体は、重合脂肪酸系ポリアミド骨格のみからなる樹脂であるが、その骨格の中でも、芳香族環を有するか炭化水素鎖が短いジカルボン酸のハードな骨格と、重合脂肪酸のソフトな骨格とがブロック重合している樹脂が好ましく、用いられる磁性粉の種類、得られるボンド磁石組成物の溶融流動性、磁性粉の配向性等を考慮し適宜選択すれば良い。
重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)は、重合脂肪酸系ポリアミドのハードな骨格(a)と、ポリエーテルエステルのソフトな骨格(b)との共重合比(a):(b)が、10:90〜90:10である樹脂を選択することが望ましい。共重合比(a):(b)は、30:70〜70:30のものが好ましい。
また、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(B−1)同士でグレードの異なるもの、あるいは重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)同士でグレードの異なるものを混合してもよい。さらには重合脂肪酸ポリアミドブロック共重合体(B−1)と重合脂肪酸ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)とを混合して用いることも可能である。混合比率は任意であるが、(B−1):(B−2)が20:80〜50:50とすることが好ましい。
本発明で使用する重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(B−1)、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)は、特開平5−320335号、特開平5−320336号公報等に詳細に記載されている方法で製造できる。
重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(B−1)は、特定の重合脂肪酸(イ)、ジカルボン酸(ロ)、およびジアミン(ハ)を混合し、重縮合して製造される。
重合脂肪酸(イ)としては、炭素数が20〜48の不飽和脂肪酸、例えば炭素数が10〜24の二重結合または三重結合を一個以上有する一塩基性脂肪酸を重合して得た重合脂肪酸が用いられる。具体例としては、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、菜種油脂肪酸等の天然の獣植物油脂肪酸及びこれらを精製したオレイン酸、リノール酸、エルカ酸等から重合した重合脂肪酸及びこれらのエステル誘導体が挙げられる。
市販されている重合脂肪酸は、通常ダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とし、他に原料の脂肪酸や三量体化以上の脂肪酸を含有するが、ダイマー酸(二量体化脂肪酸)含有量が70%以上、好ましくは95%以上であり、かつ水素添加して不飽和度を下げたものが望ましい。特に、プリポール1004、1009、プリポール1010(以上ユニケマ社製)やエンポール1008(コグニス社製)等の市販品が好ましい。むろんこれらの混合物及びエステル誘導体も用いられる。
重合脂肪酸とともに用いられるジカルボン酸(ロ)としては、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル誘導体が使用される。例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ヘキサデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、キシレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらのエステル誘導体等が挙げられ、1種以上であっても良い。
特に、重合性、重合脂肪酸との共重合性及び得られるポリアミド共重合体の物性などの点から、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸及びこれらの混合物が好ましい。
ジアミン(ハ)としては、炭素数が2〜20のジアミンが好ましく、具体的には、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(4,4´−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミンパラキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ジアミン、炭素数20〜48の重合脂肪酸から誘導されるダイマージアミン等の脂肪族ジアミン類が挙げられる。
(イ)炭素数が20〜48の重合脂肪酸、(ロ)アゼライン酸及び/またはセバシン
酸、(ハ)炭素数が2〜20のジアミンの三者を、上記(ロ)に対する(イ)の重量比(イ)/(ロ)が0.3〜5.2でかつ全カルボキシル基に対し全アミノ基が実質的に当量になるように混合して重縮合させる。(イ)/(ロ)が0.3未満であると、得られるポリアミド共重合体の可撓性が不十分であり、一方、5.2より大きくなると、柔らかすぎると共に耐熱性の低下が著しく目的とするポリアミド共重合体が得られない。
具体的には、窒素で十分に置換した反応容器に、(イ)重合脂肪酸と、(ロ)アゼライン酸及び/またはセバシン酸と、(ハ)ヘキサメチレンジアミンの三者を、上記(ロ)に対する(イ)の重量比(イ)/(ロ)が0.3〜5.2で、かつ全カルボキシル基に対し全アミノ基が実質的に当量になるように仕込み、所定量の分子量調整剤と、少量の重縮合触媒(燐酸等)の存在下で200〜280℃に昇温して、1〜3時間反応させた後、160mmHg程度の減圧下で更に0.5〜2時間反応させることにより高分子量で可撓性に優れるポリアミド共重合体が得られる。分子量調整剤としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等のカルボキシル基含有炭化水素を用いることができる。
一方、この重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(B−2)は、特定の重合脂肪酸(イ)、ジカルボン酸(ロ)、およびジアミン(ハ)を混合し、重縮合して得られた上記重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体のオリゴマーに、ポリオキシアルキレングリコール又はジヒドロキシ炭化水素(ニ)を反応させて製造される。
ポリオキシアルキレングリコール(ニ)としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとのブロックまたはランダム共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。
ジヒドロキシ炭化水素としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの他、例えばオレフィンやブタジエンを重合して末端を水酸基化し、かつその二重結合を水素
添加して得られるポリオレフィングリコールや水添ポリブタジエングリコール等を挙げることができる。
重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体のポリエーテルエステル骨格(a)と重合脂肪酸系ポリアミド骨格(b)との共重合比(a):(b)が、10:90〜90:10の間で必要特性に応じて変化させることが好ましい。特に、(a):(b)が、80:20〜50:50のものが好ましい。重合脂肪酸系ポリアミド骨格が10未満の場合、樹脂が柔らかくなり過ぎて、必要な成形体強度が得られなくなる場合があり、90を超えると成形体が脆くなる場合がある。
このようにして製造された重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体には、富士化成工業株式会社製、「PA−30R」、同「PA−30M」、同「PA−30」、同「PA−40M」、同「PA−50R」、同「PA−50M」、同「PA−60」、同「PA−160M」、同「PA−160」、同「PA−260R」、同「PA−260M」、同「PA−260」、同「PA−270M」、同「PA−280R」、同「PA−280M」、同「PA−280」などが挙げられる。
また、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体としては、富士化成工業株式会社製、「TPAE8」、同「TPAE10・C」、同「TPAE10・HP」、同「TPAE12」などが挙げられる。
これらのポリアミド共重合体は、上記の条件を満足すれば使用することができるが、樹脂単独での機械特性において、引張降伏応力が18MPa以下、好ましくは17MPa以下であり、かつ引張破壊応力が50MPa以下、好ましくは45MPa以下でなければならない。ここで、応力測定は、JIS K7162に基づき、常温の金型に射出成形し乾燥した試料について評価したものである。引張降伏応力が18MPaを超えるか、引張破壊応力が50MPaを超えると、低温での可撓性が悪化するので好ましくない。
本発明の樹脂バインダーには、本発明の目的を損なわない限り、他の樹脂を配合することができる。例えば、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6−12、4−6ナイロン、およびその変性ナイロン、ナイロン系エラストマー等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ふっ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いることができる。
これら熱可塑性樹脂の溶融粘度や分子量は、所望の機械的強度が得られる範囲内で低い方が望ましく、例えば12ナイロンの場合であれば、分子量は15,000以下であることが好ましい。また原料としての形状は、パウダー、ビーズ、ペレット等、特に限定されないが、磁性粉との均一混合性から考えるとパウダー状が望ましい。
これらの中では、得られる成形体の種々の特性やその製造方法の容易性から、12ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂の使用が好ましい。これら熱可塑性樹脂の2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
ただし、主たる樹脂バインダーに対して、これら熱可塑性樹脂を50wt%以上配合することはできない。50wt%以上を配合すると、破断伸び、磁気特性のいずれも低下し、低温環境下での可撓性を改善できないので好ましくない。
前記の特許文献1,2には、磁石組成物全体に対して重合脂肪酸ポリアミド系樹脂を多く入れすぎると、相対的に磁粉含有率が低下するために磁気特性が低下するので好ましくないと記載されているが、重合脂肪酸ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体および重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体は機械特性がよいので、この配合量を樹脂バインダーの50wt%以上とすれば、一体成形品などで、ボンド磁石とヨーク材との熱膨張率の差から生じるボンド磁石の応力割れ等の発生を抑制できる。
4.ボンド磁石用組成物の製造方法
本発明のボンド磁石用組成物は、(1)磁性粉の表面を融点が150〜500℃の金属化合物や燐酸化合物により被覆し、(2)さらに、必要によりカップリング剤や滑剤で被覆した後、(3)前記特定の条件で磁性粉を着磁・脱磁してから、(4)前記特定の樹脂バインダーを混合し、磁性粉を分散することにより製造される。
(1)金属化合物又は燐酸化合物による被覆
本発明においては、事前に融点が150〜500℃の金属化合物又は燐酸化合物により、前記特定の異方性を有する予め着磁・脱磁された磁性粉の表面を処理する。
(金属化合物)
金属化合物としては、亜鉛(Zn)のようにそれ自身が反応後または未反応後にZn含有皮膜を形成し、かつR−T−N系磁性粉の表面に実質的に均一に被覆しうるものであり、具体的には、Zn、錫(Sn)、インジウム(In)、鉛(Pb)などが挙げられる。
金属化合物は、希土類元素を含む鉄系磁性粉表面を保護するために磁性粉の0.1〜9.1重量%を必要とする。皮膜は、磁性粉とZnなどの金属粉末を混合し、不活性ガス中、200〜500℃で熱処理して、磁性粉表面を被覆した後、熱処理によって凝集した磁性粉を解砕することで得られる。
(燐酸化合物)
燐酸化合物としては、それ自身が反応後または未反応後に燐酸塩を形成し、かつR−T−N系磁性粉の表面に被覆されることが重要となる。これらの条件を満足させることが可能な表面被覆用材料としては、一般に市販されている燐酸、燐酸溶液、燐酸塩溶液、これらの混合物等、および/または燐酸塩系表面処理剤を使用できる。燐酸化合物には、燐酸をはじめ、亜燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、直鎖状のポリ燐酸、環状のメタ燐酸が含まれる。燐酸系表面処理剤としては、たとえば、燐酸系、燐酸マンガン系、燐酸亜鉛系、燐酸水素ナトリウム系、燐酸カルシウム系、有機燐酸エステル系などの有機燐酸化合物などがある。これらの燐酸化合物は、単独もしくは二種類以上で用いることが出来る。
また、燐酸アンモニウム、燐酸アンモニウムマグネシウムなど、更には磁性粉末表面でホパイト、フォスフォフェライト等を形成する燐酸亜鉛系、ショルツァイト、フォスフォフィライト、ホパイト等を形成する燐酸亜鉛カルシウム系、マンガンヒューリオライト、鉄ヒューリオライト等を形成する燐酸マンガン系、ストレンナイト、ヘマタイト等からなる燐酸鉄系などの被膜を形成する化合物が挙げられる。上記の燐酸化合物は、通常、キレート剤、中和剤等と混合して処理剤とされる。
これらのうち、燐酸、燐酸亜鉛系、燐酸マンガン系、燐酸鉄系化合物が好ましい性能を発揮するが、その理由は、これらの金属元素が希土類系金属を成分とする磁石粉末の表面に保護膜を形成しやすいためと考えられる。これら燐酸化合物は、上記の化合物単独でも複数種を組合せてもよい。
燐酸化合物は、湿式処理法、乾式処理法のいずれかで表面処理され、その後、加熱乾燥させれば、より安定して磁性粉末に定着する。すなわち、表面処理溶液、磁性粉末は、プ
ラネタリーミキサーなどにより、十分に混合撹拌(例えば40rpm、20℃、保持・撹拌時間20分間)し、最後に、100〜150℃の真空オーブン中で10〜30時間乾燥させる。
燐酸化合物の添加量は、その種類や濃度により異なるが、磁性粉末100重量部に対して0.01〜10重量部とする。0.05〜7重量部、特に0.1〜5重量部が好ましい。これによって、磁性粉末に、厚さ5〜100nm程度の燐酸塩化合物の膜を形成できる。添加量が0.01重量部未満の場合は、膜が十分に形成されず、また10重量部を超えると磁性粉末の密度が低下し、磁気特性、機械的強度が低下する。
この被覆溶液は、磁性粉末とプラネタリーミキサー中で、十分に混合撹拌(40rpm、20℃、保持・撹拌時間20分間)し、最後に、100〜150℃の真空オーブン中で、10〜30時間乾燥させ、磁性粉末を被覆する。
ここで磁性粉表面を保護するために必要な燐酸塩皮膜の厚さは、通常、平均で3〜100nmである。燐酸塩皮膜の平均厚さが3nm未満であると十分な耐候性が得られず、また、100nmを越えると磁気特性が低下すると共にボンド磁石を作製する際には混練性や成形性が低下する。また均一に被覆されているとは、通常は磁性粉表面の80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上が燐酸塩皮膜で覆われていることをいう。
本発明で著しく効果が発揮されるものは、表面に金属化合物皮膜又は平均3〜100nmの燐酸塩皮膜が均一に被覆された希土類−鉄系磁性粉である。この磁性粉は、本出願人が提案したように(特開2001−207201号公報、特開2003−7521号公報)、従来に比べて耐候性が著しく向上している。この磁性粉を、従来のナイロン6、ナイロン12、あるいはナイロン6−12などの共重合ポリアミドと混練して得られるボンド磁石用組成物は、耐候性は大幅に改善されるものの、溶融流動性や成形加工性が未だ不十分で、成形して得られた磁石は機械強度が若干低下する。ところが、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体とを主たる樹脂バインダーとすることで大幅に改善される。
また上記希土類−鉄系磁性粉の中でも、20〜25wt%のR(希土類元素)、2.1〜3.9wt%のN(窒素)、0.2〜2.0wt%のP(リン)、0.5〜5.0wt%のO(酸素)及び残部がT(遷移金属元素および不可避的不純物)であり、不可避的不純物であるH(水素)の含有量を0.3wt%以下としたTh2Zn17型またはTh2Ni17型結晶構造をもつ希土類−鉄−窒素(R−T−N)系磁性粉を選択した場合には、成形体の表面性状も良好で、溶融流動性、成形加工性、成形体の機械強度が改善され、より効果的である。
ここで希土類元素(R)は、20〜25wt%、好ましくは23〜25wt%含有されている。Rが20wt%未満では磁性粉の残留磁化と保磁力が低下し、25wt%を超えると磁性粉の残留磁化と耐候性が低下する。N(窒素)は2.1〜3.9wt%、好ましくは2.8〜3.5wt%含有されている。Nが2.1wt%未満であるか、あるいは3.9wt%を超えると磁性粉の残留磁化と保磁力が低下するので好ましくない。
一方、燐酸塩皮膜の成分であるP(リン)の含有量は0.2〜2.0wt%、好ましくは0.3〜1.0wt%である。Pが0.2wt%未満では磁性粉の耐候性や耐熱性に劣り、2.0wt%を超えるとその残留磁化が低下するので好ましくない。また、O(酸素)は0.5〜5.0wt%、好ましくは1.0〜3.0wt%である。Oが0.5wt%未満では磁性粉表面の燐酸塩皮膜が十分に形成されていないので、耐候性や耐熱性が劣る
ばかりか、表面活性が高いため大気中で取り扱ったとき発火のおそれがある。一方、5.0wt%を超えると残留磁化が低下するので好ましくない。
そして、残部が磁性粉の主成分の遷移金属元素、すなわち、FeまたはCoなどである。燐酸塩皮膜の成分として、Zn、Cu、Mnなどがさらに含まれてもよい。このようなことから、遷移金属元素としては、Feの他に、Co、Zn、Cu又はMnから選択される1種以上が含まれるものが好適といえる。さらに、不可避的に混入する任意成分のH(水素)は0〜0.3wt%、好ましくは0.1wt%以下である。Hは耐候性に悪影響を及ぼし、0.3wt%を超えると耐候性が低下すると共に、保磁力も低下するので極力排除するのが望ましい。
また、平均粒径を1〜20μmとし、成分組成を上記範囲とすることで、室温での保磁力が400kA/m以上のR−Fe−N系磁性粉末となる。ここで平均粒径が1μm未満では磁性粉の残留磁化が低下し、20μmを超えると室温での保磁力が400kA/mを下回ることがある。
(2)カップリング剤による被覆
金属化合物又は燐酸塩で被覆された磁性粉は、さらにカップリング剤によって被覆することができる。
(カップリング剤)
本発明においては、上記の磁性粉にシラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤の少なくとも一種を用いて表面処理を施す。この中でもシラン系カップリング剤、またはチタネート系カップリング剤が好ましい。この表面処理により磁性粉末の表面が被覆されることにより、高充填時の溶融流動性をより効果的に向上させることができる。
シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどの有機シランモノマーがある。これらのシラン系カップリング剤も、単独もしくは混合して用いることが出来る。
アルミニウム系カップリング剤としては、アルコキシアルミニウムキレート類が挙げられる。具体的には、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどである。これらのアルミニウム系カップリング剤は、単独もしくは二種類以上で用いることが出来る。
チタネート系カップリング剤としては、一般に市販されている、たとえばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチ
タネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネートなどがある。これらの中では、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネートが特に好ましい。なお、これらのチタネートカップリング剤は、単独もしくは混合して用いることが出来る。
カップリング剤は、湿式処理法、乾式処理法のいずれかで被覆処理されるが、例えば、メカノフュージョン装置に投入して、事前に表面処理を行った後に、100℃前後の加熱処理を併せて行うほうがより安定した被覆磁性粉末が得られるので好ましい。
このメカノフィージョンシステムは、内部の回転ローターが高速回転し、投入された磁性粉末と有機化合物が回転ローター内壁において圧密され、更にインナーピース先端部と回転ローターとの間隙部近傍において圧縮、剪断等の作用を受ける構造でなければならない。回転ローターとインナーピースとの間隙や回転数等の条件は、磁性粉末への有機被膜の処理速度、二次粒子の解凝度合いに応じて自由に調整できるものが好ましい。例えば、ホソカワミクロン(株)製のメカノフュージョンAMSシリーズを用いることができ、同社のメカノフュージョンAMS−LAB、AMS−100Fが好適である。
その後、加熱乾燥させれば、より安定して磁性粉末に定着する。すなわち、カップリング剤溶液、磁性粉末は、プラネタリーミキサーなどにより、十分に混合撹拌(例えば40rpm、20℃、保持・撹拌時間20分間)し、最後に、100〜150℃の真空オーブン中で10〜30時間乾燥させる。
カップリング剤の添加量は、その種類や濃度により異なるが、概ね磁性粉100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜5重量部である。0.1重量部よりも少ないと、充分な溶融流動性向上や、耐環境性向上の効果が得られず、10重量部よりも多くなると成形体の密度が低下して、ボンド磁石の機械強度低下や、所望の磁気特性が得られなくなる。
本発明の表面処理方法としては、事前に金属化合物又は燐酸化合物による表面処理工程を設けて磁性粉に被覆処理を施した後、必要によりカップリング剤で処理し、その後、樹脂バインダーとを混合することが好ましいが、磁性粉と樹脂バインダーとカップリング剤とを一緒に混合しても良い。しかしながら、より確実な表面処理被膜を得るためには、磁性粉を事前にカップリング剤で処理した後、樹脂バインダーと混合することが望ましい。
(3)磁性粉末の着磁・脱磁方法
表面処理を施した磁性粉末は、例えばコンデンサ式着脱磁電源装置を用い着磁・脱磁処理される。該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁した後、引き続き、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダーのポリアミド樹脂(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁したものでなければならない。磁場(α)および(β)は、それぞれ独立して1600kA/m以上であることが望ましい。
磁場(α)、すなわち着磁磁界は、1600kA/m以上であり、好ましくは、1800kA/m以上である。1600kA/m未満では、これに近い保磁力を有する磁性粉末の配向を行うことができず高い配向特性を得ることができない。
磁場(β)、すなわち脱磁磁界は、1600kA/m以上であり、より好ましくは1800kA/m以上、より好ましくは2000kA/m以上である。1600kA/m未満では、これに近い保磁力を有する磁性粉末が脱磁できずに粉末同士が引き着き合ったままで大きな塊で残存してしまい、樹脂との混合のために用いる混練機への磁石粉末の投入が、塊であるため困難となる。また、混練機の材質が鉄等の磁性体の場合、磁石粉末が混練機に付着してしまい混練そのものができなくなってしまう。
(4)磁性粉の樹脂バインダーへの分散
最後に、上記の方法により表面処理された磁性粉は、樹脂バインダーに混合し、分散させる。
樹脂バインダー(B)の配合量は、特に制限されるものではないが、組成物100重量部に対して1〜20重量部の割合で成形方法に応じて適宜選択すれば良い。特に樹脂バインダー(B)が、1〜15重量部の割合で混合されることが好ましい。樹脂バインダー(B)が1重量部よりも少ないと磁気特性が不十分であり、20重量部よりも多いと成形性が悪化するために好ましくない。
また、本発明では上述のように磁性粉を高充填した場合に顕著な効果を奏するものであるが、本発明のボンド磁石用組成物は、磁性粉の配合量が80重量部より少ない場合でも、磁性粉の均一分散性などの点で有利である。
本発明のボンド磁石用組成物を得る場合は、必要により、下記のような添加剤、充填材を配合した後、このボンド磁石用組成物を溶融混練すれば良く、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機等の混練機などを使用して行う。
(添加剤)
本発明のボンド磁石用組成物は、磁性粉、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を含むポリアミド樹脂から構成されるものであるが、これらに加えて、添加剤として滑剤や安定剤などを使用すると、さらに組成物の加熱流動性が向上し成形性や磁気特性が向上する。
滑剤としては、例えばパラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロワックス等のワックス類、ステアリン酸、1,2−オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の脂肪酸塩(金属石鹸類)ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド等脂肪酸アミド類、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル、エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれら変性物からなるポリエーテル類、ジメチルポリシロキサン、シリコングリース等のポリシロキサン類、弗素系オイル、弗素系グリース、含弗素樹脂粉末といった弗素化合物、窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化珪素、二硫化モリブデン等の無機化合物粉体が挙げられる。
また、安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル]イミノ]]、2−(3,5−ジ・第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等のヒンダード・アミン系安定剤のほか、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗酸化剤等が挙げられ、これらの一種または二種以上を使うことが出来る。
これらの添加剤の添加量は、樹脂バインダーの種類や磁性粉の種類などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常はボンド磁石用組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部、特に0.1〜3重量部とすることが好ましい。
(充填剤)
さらに、本発明のボンド磁石用組成物には、マイカやウィスカあるいはタルク、炭素繊維、ガラス繊維など補強効果の大きな充填剤を本発明の目的を妨げない範囲で適宜添加することができる。すなわち、ボンド磁石に要求される磁気特性が比較的低く、上記磁性粉の充填量が比較的少ない場合には、ボンド磁石の機械強度が低くなりやすく、このような場合には機械強度を補うためにマイカやウィスカなどの充填剤を添加して、ボンド磁石の機械強度を補うことができる。
これらの充填剤の種類や配合量は、特に制限されるものではなく、要求されるボンド磁石の特性に応じて適宜選択すればよい。
5.ボンド磁石の製造
このボンド磁石用組成物を射出成形、圧縮成形、押出成形、圧延成形、或いはトランスファー成形等で成形することによって、磁気特性、形状自由度のみならず、耐錆特性、機械的強度、柔軟性、耐熱性などにも優れた本発明のボンド磁石が得られる。本発明のボンド磁石用組成物は、溶融流動性が優れることから、射出成形、圧縮成形、押出成形のいずれかが好適であるが、高磁気特性で高機械強度が要求されている射出成形において最も効果的である。本発明において成形装置は、特殊な構造を有する必要はなく、組成物の供給部と、成形部と、配向磁場印加部と、成形体取り出し部を有するものであればよい。
前記供給部は、金型内に成形材料である組成物を充填する部分である。この供給部には、好ましくは定量フィーダのような、組成物供給装置が設置される。上記樹脂結合型磁石用組成物中の樹脂に磁性粉末が分散して形成されたスラリーは、混合機から抜き出されて、磁性粉と樹脂とがスラリー状態を維持したままで金型に供給される。
また、成形部は、金型に供給された組成物をパンチにより圧縮成形する部分である。配向磁場印加部は、成形部である金型の周囲に、磁場を印加するためのコイルもしくは永久磁石を設置している。金型に装入された組成物には、240〜1200kA/m、好ましくは240〜800kA/mの配向磁場が印加される。配向磁場が240kA/m未満では磁性粉末を充分に配向できず、1200kA/mを超える配向磁場は実用的ではない。
成形体取り出し部は、成形体を金型から取り出す部分である。成形体は、下パンチをその加圧面が金型の上端面と一致する位置まで上昇させて、成形体を成形空間から排出し、次いで、該成形体を横方向へ移動させればよい。
すなわち、射出成形では、上記樹脂結合型磁石用組成物を射出ユニットで溶融状態にし、溶融された組成物を高温に維持された金型のスプルー部に供給し、ランナー部を経てキャビティ部に充填し、充填された樹脂を冷却しながら所定時間保持し、樹脂が硬化した後、キャビティ部から硬化した成形品を取り出すことで、本発明の磁気異方性ボンド磁石を得ることができる。
射出成形の場合、最高履歴温度が300℃以下、好ましくは260℃以下となる条件でボンド磁石用組成物を成形する。最高履歴温度が300℃を超えると、磁気特性が低下するという問題が生じるので好ましくない。
本発明のボンド磁石は、上記の樹脂結合型磁石用組成物を、熱可塑性樹脂の溶融温度まで加熱後、湿式磁場中で成形され冷却後に得られる、高い配向度を有するものである。配向度は95%以上、好ましくは96%以上であり、優れた磁気的特性を有しているため、多くの分野で利用することができる。
ボンド磁石は、特定の重合脂肪酸系ポリアミド共重合体を含む樹脂バインダーに、成形磁場より高い磁場にて着磁後、さらに脱磁を行った磁性粉を混合分散させたボンド磁石用組成物を成形しているため、形状自由度や機械強度に優れ、他の部品との一体成形が可能であるといった特長を持つ。
これらのボンド磁石を用いた製品は、その用途に応じて100℃以上の高温に晒されたり、逆に−35℃以下の低温に晒されたり、さらには高温の状態と低温の状態とに交互に晒されることがある。ボンド磁石を他の部品(主にヨーク材)と一体成形した製品、あるいは張り合わせた製品などを、このような温度差が大きい状況下で使用しても、熱膨張率の違いから生じる歪みや、樹脂バインダーの劣化などによって、ボンド磁石が割れたり、他の部品から剥離したりすることがない。このようなことから、割れ・欠けがなく、軽薄短小化が進む磁石用途、例えば、小型モータ、音響機器、OA機器等にいたる幅広い分野において特に有用である。
以下実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、これらに限定されるものでは無い。
次の各材料・成分及び方法でボンド磁石用組成物及びボンド磁石を製造し、評価した。
1.材料・成分
(1)磁性粉末
・異方性磁性粉末:Sm−Fe−N系磁性粉末(住友金属鉱山(株)製 SmFeN合金粉末)、Sm:23.5〜24.5wt%、N:3.1〜3.5wt%、異方性磁場:16.8MA/m(210kOe)、100μm以下の粒径含有率99重量%
(2)無機燐酸または無機燐酸化合物
・燐酸系処理剤(商品名:燐酸(試薬)、関東化学(株)製)
(3)有機シランモノマー
・有機シランモノマー:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:信越シリコーンKBM503)
(4)樹脂バインダー
・重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体A
オレイン酸、リノール酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサメチレンジアミンとを原料として窒素雰囲気下、190℃で反応させたポリアミドオリゴマーに、ポリオキシテトラメチレングリコール、アゼライン酸を添加し、均一になるように攪拌しながら、270℃で重合させた。融点172℃、結晶化温度158℃、MI値(230℃、21.2Nの荷重で測定)が300g/10min.である重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体Aが得られた。これは、ポリエーテルエステルアミド骨格(a)とポリエーテルエステル骨格(b)の共重合比(a):(b)が60:40であり、数平均分子量が約10,000であった。JIS K7162に基づいて評価した、この樹脂バインダーの引張降伏応力は17MPa(降伏ひずみ14%)、引張破壊応力は40MPa(破壊時呼びひずみ540%)であった。
・重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体B
ポリアミドオリゴマーに対するポリオキシテトラメチレングリコールと、アゼライン酸の配合比を変えた以外は、重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体Aと同様にして、融点153℃、結晶化温度122℃、230℃21.2Nの荷重で測定したMI値1600g/10min.である重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体Bが得られた。このポリエーテルエステルアミド骨格(a)とポリエーテルエステル骨格(b)の共重合比(a):(b)は80:20であり、数平均分子量は約6,000であった。また、JIS K7162に基づいて評価した引張降伏応力は11MPa(降伏ひずみ14%)、引張破壊応力は19MPa(破壊時呼びひずみ486%)であった。
・ナイロン12
商品名:A1709P ダイセルデグサ社製(数平均分子量約13,000)、引張降伏応力41MPa、引張破壊応力49MPa。
2.成形品の評価
・引張試験(−35℃)
ASTM D638に規定される形状(L:175mm、W:13mm{ツカミ部:19.5mm}、T:3mm)に射出成形し、得られた成形試験片を用い、ASTM D638に規定される引張試験に供した。引張り強さ50MPa以上、破断伸び1%以上、弾性率12000MPa以上で効果ありとした。
・磁気特性評価
上記射出成形条件にて得られた樹脂結合型磁石試料の最大磁気エネルギー積などの磁気特性を、チオフィー型自記磁束計(東英工業社製)にて常温で測定した。尚、配向度は、SMM法、即ち、{(成形後の樹脂結合型磁石の磁化)/(磁性粉100%でのVSMにて測定した磁化×成形後の樹脂結合型磁石の磁性粉体積率)×100}で表した。配向度、95%以上で効果ありとした。
・密度は、東洋精機製水置換型測定装置にて測定した。
(実施例1)
(1)燐酸または燐酸化合物、有機シランモノマーによる表面処理
磁性粉100重量部に対して、10重量部のIPA等のアルコール系有機溶媒に0.3重量部の表面処理用燐酸化合物を溶解した後、当該処理溶液と磁性粉とをプラネタリーミキサー中で十分混合撹拌(40rpm,20℃)し、−760mmHg、120℃の真空オーブン中で24時間乾燥させ、ここで得られた処理済み粉を更にメカノフュージョン(ホソカワミクロン(株)製)にて有機シランモノマー0.5重量部を添加し表面処理を行い、処理済磁性粉を得た。
(2)磁性粉末の着磁・脱磁方法
表面処理を施した磁性粉末は、電子磁気工業株式会社製コンデンサ式着脱磁電源装置を用い着磁・脱磁処理を行った。条件を表1,2に示す。
(3)組成物の混合及び作製
磁性粉末全量に、所定の樹脂を所定の比率になるよう添加し(各重量部)、更に滑剤として、磁性粉末100重量部に対し規定量を加え、プラネタリーミキサー中で十分混合撹拌させた。
これらにより得られた混合物をφ20mmシングル押出機(L/D=25、CR=2.0、回転数=20rpm、5mmφストランドダイ、シリンダー温度200〜250℃、ダイス温度230℃にて押し出し、ホットカットペレタイザーにて約φ5mm×5mmのペレットコンパウンドを作製した。
得られたペレットコンパウンドを(株)日本製鋼所製磁場中射出成形機(J−20MII)にてφ10mm×15mmの円柱及び15mm×8mm×2mm矩形強度試験用樹脂結合型磁石を配向磁場強度480kA/m、成形温度220〜230℃、金型温度100〜120℃にて成形し、成形品を前述の方法にてそれぞれ評価した。製造条件、評価結果を表1に示す。
(実施例2〜4)
実施例1と同じ組成とした樹脂組成物を用いて、着磁/脱磁磁界を変化させて実験した(実施例2〜3)。ポリアミド樹脂の組成(添加割合)を変えて、実施例2と同じ条件で実験した(実施例4)。製造条件、評価結果を表1に示す。
Figure 2008010460
(比較例1〜3)
実施例1で用いたポリアミド樹脂の代わりに、従来のナイロン12を用いた以外は同様にして実験した(比較例1)。また、着磁/脱磁いずれも行わないか、着磁のみ行って実験した(比較例2,3)。製造条件、得られたボンド磁石の評価結果を表2に示す。
Figure 2008010460
実施例1〜4は、本発明に基づきあらかじめ着磁した後、脱磁した磁性粉末と樹脂バインダーを用い、磁場中成形を施したものであり、いずれも480kA/mという低い配向磁場強度にも関わらず高い配向度を示し、良好な磁気特性を実現しているとともに引張り強さ、伸びが大きく、破断伸びが目標の1%を大きく上回っている。
一方、比較例1では、使用したナイロン12が、低温で脆化し、引張り強さ、破断伸びがともに低下している。比較例2は、あらかじめ着磁のみを施した磁性粉末を用いたが、着磁に伴う磁性粉末の大きな塊が存在し混練機に投入できず組成物を得ることができなかった。比較例3は、着磁・脱磁を施さない磁性粉末を用いたため、引張り強さ、伸びが大きく、破断伸びが目標の1%を大きく上回っているものの、配向度が本発明ほど良好ではない。
本発明において磁性粉末の着磁・脱磁に用いる装置とその使用に関する説明図である。
符号の説明
1 磁性粉末
2 着磁・脱磁用電源
3 治具(容器)

Claims (17)

  1. 異方性を有する磁性粉末(A)と、樹脂バインダー(B)とからなるボンド磁石用組成物において、
    異方性を有する磁性粉末(A)は、該粉末を構成する各磁性粒子の磁壁を破壊するのに十分な程度に高い磁場(α)にて着磁した後、引き続き、該粉末を構成する各磁性粒子が樹脂バインダー(B)と十分に混練できるようになる程度に高い磁場(β)にて脱磁したものであり、
    一方、樹脂バインダー(B)は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を含有することを特徴とするボンド磁石用組成物。
  2. 異方性を有する磁性粉(A)は、希土類(Nd又はSm)と遷移金属(Fe及び/又はCo)を含有することを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  3. 異方性を有する磁性粉(A)は、異方性磁場が4000kA/m以上であり、全磁性粉末中に粒径が100μm以下のものを30重量%以上含有することを特徴とする請求項1項に記載のボンド磁石用組成物。
  4. 異方性を有する磁性粉末(A)は、融点が150〜500℃の金属化合物、無機燐酸、無機燐酸化合物、シラン系カップリング剤、またはチタン系カップリング剤から選ばれる1種以上の物質により表面が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂結合型磁石用組成物。
  5. 前記磁場(α)および(β)は、それぞれ独立して1600kA/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂結合型磁石用組成物。
  6. 前記磁場(α)は、1600kA/m以上であり、一方、磁場(β)は、1800kA/m以上であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂結合型磁石用組成物。
  7. 重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体は、下記の一般式(1)で示されることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
    一般式(1)
    Figure 2008010460
    (式中、R、Rは、同一か又は異なる炭素数6〜44の脂肪族ジアミン、及び/又は脂環族ジアミンから選ばれるジアミン残基であり、Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基、Rは、炭素数20〜48のダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、mは1〜70の整数、nは1〜150の整数である。)
  8. 重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、下記の一般式(1)で示される重合脂肪酸系ポリアミド骨格(a)と、一般式(2)で示されるポリエーテルエステルアミド骨格(b)を含有することを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
    一般式(1)
    Figure 2008010460
    (式中、R〜R、m、nは前記と同じである。)
    一般式(2)
    Figure 2008010460
    (式中、Rは、炭素数4〜60のポリオキシアルキレングリコール又はジヒドロキシ炭化水素残基であり、Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種以上
    から選ばれるジカルボン酸残基および又は炭素数20〜48のダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体の1種以上から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、qは1〜20の整数である。)
  9. 重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、重合脂肪酸系ポリアミド骨格(a)とポリエーテルエステル骨格(b)の共重合比(a):(b)が、10:90〜90:10であることを特徴とする請求項1又は8に記載のボンド磁石用組成物。
  10. 樹脂バインダー(B)は、引張降伏応力が18MPa以下であり、かつ引張破壊応力が50MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  11. 重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体は、数平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  12. 樹脂バインダー(B)は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体および/または重合脂肪酸系ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を、50wt%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  13. 樹脂バインダー(B)の配合量が、組成物100重量部に対して1〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂結合型磁石用組成物を配向磁場中で射出成形、圧縮成形又は押出成形のいずれかにより成形することを特徴とするボンド磁石の製造方法。
  15. 配向磁場強度が、240〜1200kA/mであることを特徴とする請求項14に記載のボンド磁石の製造方法。
  16. 請求項14又は15に記載の方法により得られ、配向度が95%以上であることを特徴とするボンド磁石。
  17. その−35℃での破断伸び(ASTM D638に規定する引張試験)が、1%以上であることを特徴とする請求項16に記載のボンド磁石。
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