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JP2008008493A - 分割形メカニカルシール用密封環の製作方法 - Google Patents

分割形メカニカルシール用密封環の製作方法 Download PDF

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Toshio Fukui
寿夫 福井
Shigeyuki Fujinaga
繁行 藤永
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正樹 宮本
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Abstract

【課題】 脆性材製の分割形リングである分割形メカニカルシール用密封環を容易且つ安価に製作する方法を提供する。
【解決手段】 カーボン、セラミックス又は超硬合金で構成された脆性材製リング1の内外周面1a,1cに、一つの直径線2上の二箇所において、軸線方向に延びる微小な切欠溝3a,3bを形成した上、当該リング1に、これを前記直径線2に直交する方向に拡径させる外力F,Fを付与して、内周面側の切欠溝3aから外周面側の切欠溝3bへと亀裂を進行させることにより、当該リング1を、その分割面10d,10eが不規則且つ微細な凹凸面となるように二分割させる。外力F,Fの付与は、前記直径線2を挟んで対向し且つリング内周面1aに当接する一対の押圧治具5,5を介して行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーボン、セラミックス又は超硬合金で構成された脆性材製リングを周方向に二分割することにより分割形メカニカルシール用密封環を製作する方法に関するものである。
従来からも、シールケース側に設けた密封環と回転軸側に設けた密封環とをこれらの対向端面である密封端面で相対回転摺接させることにより、その相対回転摺接部分の内外周側領域である機内領域と機外領域とをシールするように構成されたメカニカルシールにあって、密封端面の摩耗損傷等による密封環の交換,修理等のメンテナンス作業を容易ならしめるべく、少なくとも一方の密封環を径方向に二分割しておくことが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
而して、このような分割形の密封環は、一般に、図7及び図8に示す如く、半円状の密封環構成部分21,22を個々に製作することによって得るようにしているのが普通である。すなわち、図8に示す如く、両端部に所定量δの研磨代21b,22bを設けた円弧状素材21a,22aを製作した上、これら円弧状素材21a,22aの研磨代21b,22bを研磨(ラップ,ポリッシング等)除去することによって、密封環構成部分21,22は製作される。研磨代21b,22bの研磨は、図7に示す如く、密封環構成部分21,22の研磨面21c,22c同士を衝合させることにより所望する密封環20が構築されるように行われる。
特開2001−065706号公報
しかし、このような分割形の密封環20は、各密封環構成部分21,22を個々に製作することによって得られるものであるため、円弧状素材21a,22aの研磨に高度の熟練を要する。すなわち、研磨面21c,22cの精度が低い場合には、密封環構成部分21,22が適正な円環状をなして衝合することができず、密封環20が不良品となる。したがって、作業者が高度の熟練者でない場合、不良品発生率が高くなり、製作効率も頗る悪い。また、メカニカルシール用密封環の構成材としてはカーボン,セラミックス,超硬合金等の高価な脆性材料が使用されるが、円弧状素材21a,22aを研磨して密封環構成部分21,22を得ることから、材料の歩留まりが頗る悪く、製作コストが高くなる。さらに、密封環構成部分21,22の衝合面21c,22cが平滑な平面(研磨面)であることから、密封環20としてメカニカルシールに組み込んだ場合、圧力変動等により衝合面21c,22cにズレを生じて、衝合面21c,22c間から漏れを生じる等、良好なシール機能を発揮し難い。
本発明は、分割形メカニカルシール用密封環である脆性材製の分割形リングを、上記した問題を生じることなく、容易且つ安価に製作することができる方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成すべく、カーボン、セラミックス(SiC,Al等)又は超硬合金(WC,TiC等)で構成された脆性材製リングの内外周面に、一つの直径線上の二箇所において、当該内外周面の全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝を形成した上、当該リングに、これを前記直径線に直交する方向に拡径させる外力を付与して、内周面側の切欠溝から外周面側の切欠溝へと前記直径線に沿って亀裂を進行させることにより、当該リングを、その分割面が不規則且つ微細な凹凸面となるように周方向に二分割させるようにした分割形メカニカルシール用密封環の製作方法であって、脆性材製リングへの前記外力の付与は、物理的な衝撃によることなく、前記直径線を挟んで対向し且つリング内周面に当接する一対の押圧治具を介して行われるものであって、脆性材製リングを水平面である載置面上に載置させた上、両押圧治具の対向面間を、当該対向面(5b,5b)間に装填させた下窄まり状のカム体(6)を押圧下降させることにより、前記直径線(2)に直交する方向に徐々に押し広げるようにすることを特徴とする分割形メカニカルシール用密封環の製作方法を提案する。かかる方法にあって、脆性材製リングは、密封端面として機能させる一側端面たるリング表面を上にした状態で、載置面上に載置させておくことが好ましい。また、載置面は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の低摩擦性材をコーティングする等により、低摩擦性の平滑面に構成しておくことが好ましい。
本発明によれば、分割形メカニカルシール用密封環を、高度の熟練を必要とすることなく、容易且つ安価に製作することができる。しかも、分割面が不規則且つ微細な凹凸面であることから、分割リングの衝合形態を適正に確保,維持することができ、密封環たる当該分割リングの機能を良好に発揮させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る方法の実施の形態を示す横断平面図(断面は図2のI−I線に沿う)であり、(A)図は分割開始状態を示しており、(B)図は分割完了状態を示している。また、図2は図1のII−II線に沿う縦断正面図であり、(A)図は分割開始状態を示しており、(B)図は被分割リングを(A)図と異なる形態(リング裏面を下にした形態)に載置保持させた場合の分割開始状態を示しており、(C)図は分割完了状態を示している。また、図3は図1(A)の要部(被分割リング)を取り出して示す平面図であり、図4は図3のIV−IV線に沿う縦断側面図であり、図5は分割された脆性材製リング(分割形メカニカルシール用密封環)を示す平面図であり、図6は図5の要部を拡大して示す詳細図である。
この実施の形態は、本発明の方法により図3に示す脆性材製リング1を分割して、図5及び図6に示す分割形メカニカルシール用密封環10を製作する例に係る。
本発明の方法を実施するに当たっては、まず、所望する密封環10の完成形態(後述する半円状の密封環構成部分10a,10bを、図5に示す如く、適正な円環状に衝合させた形態)に合致する形状の脆性材製リング(以下「被分割リング」という)1を製作する。この被分割リング1の内外周面1a,1bには、図3及び図4に示す如く、一つの直径線2上の二箇所において、内外周面1a,1bの全幅(軸線方向における全幅)に亘って軸線方向に延びる切欠溝(ノッチ)3a,3bが形成されている。各切欠溝3a,3bは、溝幅及び溝深さが微小且つ一定のV字溝(図3(A))又はU字溝(同図(B))である。また、被分割リング1の一側端面であるリング表面1cは、軸線に直交する平滑面(鏡面)に表面研磨されており、リング表面1cにおける切欠溝3a,3bが形成される内外周縁部分を除く所定幅(シール面幅)Wの環状部分は、当該密封環10をメカニカルシールに組み込んだ場合に相手密封環に摺接する密封端面10cとして機能するものである。なお、被分割リング1の構成材としては、当該密封環10が組み込まれるメカニカルシールの使用目的,機能や相手密封環の材質等の条件に応じた脆性材が使用される。具体的には、カーボン、SiC,Al等のセラミックス又はWC,TiC等の超硬合金が使用される。
そして、図1及び図2に示す如く、上記の如く構成された被分割リング1に、これを前記直径線2に直交する方向に拡径させる外力F,Fを付与することによって、当該リング1を半円状の密封環構成部分10a,10bに二分割させて、所望する分割形の密封環10を得るのである。
すなわち、まず、図1(A)及び図2(A)(B)に示す如く、被分割リング1を水平な載置台4に載置保持させると共にリング内周面1aに一対の押圧治具5,5を当接させる。ところで、被分割リング1の載置台4への載置形態は、一側端面(密封端面10cが形成される側の端面)であるリング表面1cを下に向けた形態(図2(A)に示す形態)であっても、他側端面(密封端面10cが形成されない側の端面)であるリング裏面1dを下に向けた形態(同図(B)に示す形態)であっても、何れでもよいが、後者のようにすることが好ましい。また、何れの場合にも(特に、前者のようにする場合には)、後述する分割作用時における当該リング1の被摺接面(リング表面1c又はリング裏面1d)と載置台4の上面たる載置面4aとの相対摺接運動により被摺接面が損傷しないように、載置面4aは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の低摩擦性材をコーティングする等により低摩擦性の平滑な水平面に構成しておくことが好ましい。両押圧治具5,5は、切欠溝3a,3bが位置する前記直径線2を挟んで対向するように、被分割リング1内に装填されたものであり、当該直径線2に対して対称の円弧形状をなす。各押圧治具5は、図1及び図2に示す如く、外周面5aをリング内周面1aに密接する円弧面(リング内周面1aと同一径をなす)に構成すると共に、内周面5bを曲率半径が下方向に漸次小さくなる円弧状のテーパ面に構成したものであり、下端面が載置面4aに接触され且つ外周面5aがリング内周面1aにその上下方向全幅に亘って当接する状態で、被分割リング1内に配置されている。
次に、図1(A)及び図2(A)(B)に示す如く、下窄まり状のカム体6の下端部を両押圧治具5,5の対向面5b,5b間に装填させた上、このカム体6を、これに適宜の押圧手段(プレス機等)により下方への押圧力Pを作用させて、徐々に押し下げていく。カム体6の外周面6aは、当該カム体6を下降させるに従って両押圧治具5,5の対向面5b,5b間を前記直径線に直交する方向に徐々に押し広げるように、押圧治具5,5のテーパ面5b,5bに対して機能しうる下窄まり状のカム面に構成されている。
而して、カム体6を下方に押圧させると、被分割リング1に、押圧治具5,5を介して、当該リング1を前記直径線2に直交する方向に拡径させる外力F,Fが付与される。したがって、カム体6が下降されるに従って、被分割リング1には、内周面側の切欠溝3aを起点とする亀裂が生じ、爾後、この亀裂が当該切欠溝3aから外周面側の切欠溝3bへと進行して、図1(B)及び図2(C)示す如く、当該リング1が半円状の密封環構成部分10a,10bに二分割される。
このとき、外力F,Fが切欠溝3a,3bを通過する直径線2に直交する方向に作用することから、上記亀裂が内周面側の切欠溝3aから外周面側の切欠溝3bへと確実に進行することになる。したがって、切欠溝3a,3bが形成された箇所以外の箇所において亀裂が発生したり、局部的な欠損を生じたりすることがなく、被分割リング1を予定された直径線2上の箇所で適正に分割することができる。したがって、分割不良品の発生する割合が極めて低く、脆性材製リング1の分割を極めて経済的に行うことができる。また、被分割リング1への外力F,Fの付与を、物理的な衝撃によることなく、リング内周面1aに当接させた円弧状の押圧治具5,5を介して行うから、リング内周面1aにピンポイントで直接的に外力F,Fを付与させる場合(直径線2に直交する直径線上のリング内周面部分のみに外力F,Fを作用させる場合)のように被分割リング1が切欠溝3a,3bが形成された部分以外で折損したり亀裂を生じたりすることがなく、上記した適正な分割が確実に行われる。
また、被分割リング1が低摩擦性の平滑水平面(載置面)4a上に載置されていることから、外力F,Fによる当該リング1の水平方向への分断作用(剪断作用)が載置面4aとこれに接触するリング表面1c(図2(A)参照)又はリング裏面1d(同図(B)参照)との間の摩擦抵抗(及び載置面4aと治具5,5の下面との間の摩擦抵抗)によって妨げられる虞れがなく、円滑且つ良好なリング分割が行われる。そして、この場合、当該リング1を、図2(B)に示す如く、密封端面10cが形成されているリング表面1cを上にした状態で載置面4a上に載置させている場合には勿論、同図(A)に示す如く、リング表面1cを下にした状態で載置面4a上に載置させている場合にも、載置面4aを前記した如き低摩擦性の平滑水平面としておくことにより、分割時における両面1c,4aの相対摺接運動により密封端面10cが損傷する虞れはない。
ところで、被分割リング1を加熱した上で急冷することにより、当該リング1を熱衝撃により分割する方法や被分割リング1をこれに直接に物理的な衝撃を与えることにより分割(剪断)させる方法も考えられるが、前者の方法によれば、内周面側の切欠溝3aを起点として亀裂が発生しても、その亀裂の終点が外周面側の切欠溝3bとなるか否か不明であり、正確なリング分割を行い得ないし、加熱,急冷により分割部分10a,10bに不測の歪が生じる虞れもある。また、後者の方法によれば、亀裂が切欠溝3a,3bの形成されていない箇所で生じる虞れがあり、リング欠損が生じ易く、不良品発生率が極めて高くなる。しかし、上記した分割方法によれば、このような問題を生じることがなく、被分割リング1を切欠溝3a,3bを結ぶライン上で確実に分割することができる。
そして、以上のようにして被分割リング1を二分割して得られた密封環構成部分10a,10bの衝合面つまり密封環10の分割面10d,10eは、図6に示す如く、微細且つ不規則な凹凸面となり、当該分割面10d,10eに平行する方向(密封環10の軸線方向及び径方向)に相対スライドを生じない状態で凹凸係合することになる。したがって、密封環10をメカニカルシールに組み込んだ場合、分割面10d,10eの凹凸係合により密封環構成部分10a,10bの軸線方向及び径方向への相対変位(ズレ)が生じず、密封環10を適正な円環状体に保持させておくことができ、分割面10d,10eからの漏れを生じたりすることなく、良好なシール機能が発揮される。また、密封環構成部分10a,10bの衝合時の位置決めつまり分割面10d,10eの適正な衝合も容易に行うことができ、密封環10のメカニカルシールへの組み込みを適正且つ容易に行うことができる。
また、冒頭で述べた如く密封環構成部分21,22を各別に製作する場合と異なって、密封環10の完成形態と同一形状に製作された被分割リング1を二分割させるため、材料の歩留まりがよく、高度の熟練を必要とすることなく、分割形密封環10を容易且つ安価に製作することができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。例えば、切欠溝3a,3bの形状は、図3(A)に示すV字溝や図3(B)に示すU字溝に限定されず、外力F,Fにより発生する亀裂の起点ないし終点及び両点間の誘導ラインとして機能しうるものであればよい。
本発明に係る方法の実施の形態を示す横断平面図(断面は図2のI−I線に沿う)であり、(A)図は分割開始状態を示しており、(B)図は分割完了状態を示している。 図1のII−II線に沿う縦断正面図であり、(A)図は分割開始状態を示しており、(B)図は被分割リングを(A)図と異なる形態(リング裏面を下にした形態)に載置保持させた場合の分割開始状態を示しており、(C)図は分割完了状態を示している。 図1(A)の要部(被分割リング)を取り出して示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿う縦断側面図である。 分割された脆性材製リング(メカニカルシール用密封環)を示す平面図である。 図5の要部を拡大して示す詳細図である。 従来方法により製作されたメカニカルシール用密封環を示す平面図である。 同密封環の構成素材を示す平面図である。
符号の説明
1 被分割リング(脆性材製リング)
1a 内周面
1b 外周面
2 直径線
3a 内周面側の切欠溝
3b 外周面側の切欠溝
4 載置台
4a 載置面
5 押圧治具
5a 押圧治具の外周面
5b 押圧治具の内周面(対向面)
6 カム体
6a カム面
10 密封環
10a 密封環構成部分
10b 密封環構成部分
10c 密封端面
10d 衝合面(分割面)
10e 衝合面(分割面)

Claims (3)

  1. カーボン、セラミックス又は超硬合金で構成された脆性材製リング(1)の内外周面(1a,1b)に、一つの直径線(2)上の二箇所において、当該内外周面(1a,1b)の全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝(3a,3b)を形成した上、当該リング(1)に、これを前記直径線(2)に直交する方向に拡径させる外力(F,F)を付与して、内周面側の切欠溝(3a)から外周面側の切欠溝(3b)へと前記直径線(2)に沿って亀裂を進行させることにより、当該リング(1)を、その分割面(10d,10e)が不規則且つ微細な凹凸面となるように周方向に二分割させるようにした分割形メカニカルシール用密封環の製作方法であって、
    脆性材製リング(1)への前記外力(F,F)の付与は、物理的な衝撃によることなく、前記直径線(2)を挟んで対向し且つリング内周面(1a)に当接する一対の押圧治具(5,5)を介して行われるものであって、脆性材製リング(1)を水平面である載置面(4a)上に載置させた上、両押圧治具(5,5)の対向面(5b,5b)間を、当該対向面(5b,5b)間に装填させた下窄まり状のカム体(6)を押圧下降させることにより、前記直径線(2)に直交する方向に徐々に押し広げるようにすることを特徴とする分割形メカニカルシール用密封環の製作方法。
  2. 脆性材製リング(1)は、密封端面(10c)として機能させる一側端面たるリング表面(1c)を上にした状態で、載置面(4a)上に載置させるようにすることを特徴とする、請求項1に記載する分割形メカニカルシール用密封環の製作方法。
  3. 載置面(4a)が低摩擦性の平滑面に構成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載する分割形メカニカルシール用密封環の製作方法。
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