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JP2008004651A - 異方性微粒子を用いた接合材料 - Google Patents

異方性微粒子を用いた接合材料 Download PDF

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JP2008004651A JP2006170851A JP2006170851A JP2008004651A JP 2008004651 A JP2008004651 A JP 2008004651A JP 2006170851 A JP2006170851 A JP 2006170851A JP 2006170851 A JP2006170851 A JP 2006170851A JP 2008004651 A JP2008004651 A JP 2008004651A
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俊章 守田
Toshiaki Ishii
利昭 石井
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、接合層のせん断強さ,放熱性に優れ、シート成形が可能な接合材料を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の金属繊維と表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5 以下でかつ粒径が100nm以下の金属粒子を含み、前記金属粒子の融着により被接合部材表面と金属結合させ被接合部材間を接合するための接合用材料としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体モジュールにおける接合材料に関するものである。
インバータ等に用いられるパワー半導体装置の一つである非絶縁型半導体装置において、半導体素子を固定する部材は半導体装置の電極の一つでもある。例えば、パワートランジスタを固定部材上にSn−Pb系はんだ付け材を用いて搭載した半導体装置では、固定部材(ベース材)はパワートランジスタのコレクタ電極となる。このコレクタ電極部は半導体装置稼動時には数アンペア以上の電流が流れトランジスタチップは発熱する。この発熱に起因する特性の不安定化や寿命の低下を避けるためは、はんだ付け部の放熱性,長期信頼性(耐熱性)が確保できていなければならない。はんだ付け部の耐熱性及び放熱性の確保には高放熱性の材料が必要になってくる。
絶縁型半導体装置においても、半導体素子を安全かつ安定に動作させるためには、半導体装置の動作時に発生する熱を半導体装置の外へ効率良く放散させ、さらにはんだ付け部の接続信頼性を確保する必要がある。
特許文献1では導電性フィラーと表層がはんだで被覆された針形導電性フィラーおよびバインダ樹脂からなる導電性ペーストが開示されており、フィラー間ではんだ接続することにより低抵抗化を達成している。
特許文献2では有機物で表面が被覆された金属粒子を用い、加熱することで有機物を分解させ金属粒子同士の焼結現象を用いた接合方法が開示されている。本技術においては、接合後の金属粒子はバルク金属へと変化しているため、非常に高い耐熱性と信頼性及び高放熱性を有している。
一方、現在はんだの鉛フリー対応が迫られているが、高温はんだに関してはその代替となる材料が出ていない。実装においては階層はんだを用いることが必要不可欠なため、この高温はんだに代わる材料の出現が望まれている。従って金属粒子を用いた接合技術はこの高温はんだに代わる材料としても期待されている。
特開2004−165066号公報 特開2004−272364号公報
特許文献1に示されるモジュールは、前記回路基板と回路部品及び回路部品と親基板との接合はいずれもSnを主要組成とするはんだによる接合方法を用いており、半導体装置の製造時に必要な種々のはんだ接合への温度階層を設けることは困難である。
さらに、パワー半導体素子を搭載した半導体装置は、はんだ材にはSnおよびPbからなる共晶組成をはじめとした低融点のSn系材料を用いているため、半導体装置を高温環境下(例えば180℃以上)で用いることは困難であった。
一方、前記記載の金属粒子材料を用いた接合方法は高温環境下でも信頼性の高い接合方法であるが、接合後の焼成銀においてはバルクな銀と比較すると十分な接合強度および放熱性が得られていない。さらにこの接合プロセスにおいては実際の大量生産過程にて接合材料に圧力をかけてシート状に成形して用いることが接合材料としての取り扱い性や、接合プロセスの簡易化などの点からも有利であるが、従来の金属粒子だけでは十分なシート強度を得られず、シート材料として用いることが困難であった。
また、前記記載の導電性フィラーを用いた導電性ペーストにおいては、バインダ樹脂として有機物を用いていることから、放熱性,耐熱性という点ではバルクな金属と比較すると大きく劣っていた。さらに、ペースト状として用いることから、材料のシート化ということも困難である。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、接合層のせん断強さ,放熱性に優れ、シート成形が可能な接合材料を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の金属繊維と表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5 以下でかつ粒径が100nm以下の金属粒子を含み、前記金属粒子の融着により被接合部材表面と金属結合させ被接合部材間を接合するための接合用材料としたことを特徴とする。
また、本発明は、表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100nm以下の金属繊維を含み、前記金属繊維の融着により被接合部材表面と金属結合させ被接合部材間を接合するための接合用材料としたことを特徴とする。
また、表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の金属繊維と表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5以下でかつ粒径が100nm以下の金属粒子との混合体である接合用材料としたことを特徴とする。
また、これらの接合用材料をシート形状に成形したことを特徴とする。
基板表面に形成した金属配線と、表面に金属電極が形成された電子部品が、上記の接合用材料で構成された層を介して接合された構造を有する電子装置を特徴とする。
本発明の接合用材料では、アスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の金属繊維を含有させたことによって、シート状に成形した際に金属繊維が絡み合った状態となり、金属繊維同士の接触によりシート強度を向上させることが可能となる。また、金属繊維と粒径が100nm以下の金属粒子とを併用することによって、金属繊維同士の隙間に微細な金属粒子が存在した構成となり、加熱により接合材料を焼結した際に隙間の少ない焼結体とすることが可能となり、バルクな金属に近い耐熱性,放熱性等の特性を得ることができる。
本発明によれば、接合層のせん断強さ,放熱性の特性に優れ、また、シート成形が可能な接合材料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて具体的に説明する。
図1に本発明の接合用材料の一実施形態の概略図を示す。本発明の接合用材料は、表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の複数の金属繊維1と、金属繊維1の隙間に存在し、表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5 以下でかつ粒径が100nm以下の複数の金属粒子2との混合体で構成されている。図1では、金属粒子2を含有しているが、金属繊維1として、長軸を100nm以下のものを用いる場合には金属粒子2はなくても良い。本発明の接合用材料を接合部材間に配置し、加熱することによって金属粒子または金属繊維の表面が溶融し、金属粒子と金属繊維、また、被接合部材の表面と金属粒子又は金属繊維が金属接合され、接合部材間を接合することができる。また、接合の際には、加熱と加圧を併用することが接合体の強度及び熱伝導特性等の観点から好ましい。
本発明において、少なくとも100nm以下の金属粒子または金属繊維を接合用材料中に混合させているのは金属粒子又は金属繊維が100nm以下の粒径(あるいは長軸)でなければ低温焼結を起こさないため接合材料としての役割を果たさなくなるためである。
また、用いる金属粒子のアスペクト比を1.5 以下と規定したのは、これらの金属粒子は焼結の際に金属繊維間の隙間を埋める役割を果たすため、1.5 より大きなアスペクト比を有していると上記のように金属繊維間の隙間を埋めるような役割を果たさなくなるためである。
さらに、金属繊維の長軸方向の長さを100μm以下と規定したのは、金属繊維の長軸方向の長さが100μm以上の大きさになると、シート表面の凹凸が激しくなり接合界面における接合強度が弱くなるためである。また同時にシート成形時のシート強度も低下し始めるからである。
一方、用いる金属繊維のアスペクト比を2以上と規定したのはこれ以上のアスペクト比になれば金属繊維同士の接触によりシート強度が向上する効果が発現するためである。
本発明において、金属繊維1,金属粒子2を被覆する有機物としては、金属繊維1あるいは金属粒子2の周囲を覆うことによりこれらの凝集を防ぐ効果のある有機物であれば良く、例えば、オクチルアミン,ヘキシルジアミン,デシルアミン,メチレンジアミン等のアルキルアミン,オクタン酸,ヘキサン酸等のアルキルカルボン酸、又はアルキルチオール等を用いることができる。
また、上記の他に、金属繊維1を被覆する有機物としては、金属繊維1を作製する際に用いられる界面活性剤を保護膜(有機物)として適用することが可能であり、このような物質としては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムムロミド(CTAB)が挙げられる。また、ポリビニルピロリドン(PVP),ポリビニルアルコール(PVA),ポリエチレングリコール(PEG),ポリアクリル二トリル(PAA)等の高分子材料を上記有機物として用いても良い。
本発明において、金属繊維1,金属粒子2を被覆する酸化物は、上述の有機物と同様に金属繊維1あるいは金属粒子2の周囲を覆うことによりこれらの凝集を防ぐ効果のあるものであれば良く、金属繊維1,金属粒子2を構成する材料の酸化物を適用することができる。
本発明における接合用シート材料は接合材料に圧力をかけることにより成形される。また、このシート化に関する製法はこれに限定されることはない。
本発明の接合用材料は、有機溶媒に分散させることでペースト材料として用いることも可能である。有機溶媒としてはトルエンやトリエチレングリコール,αテルピネオール等が挙げられるがこれに限定されることはない。
また、この金属繊維と金属粒子を分散させた接合材はペースト状にし、インクジェット法により微細なノズルからペーストを噴出させて基板上の電極あるいは電子部品の接続部に塗布する方法や、あるいは塗布部分を開口したメタルマスクやメッシュ状マスクを用いて必要部分にのみ塗布を行う方法,ディスペンサを用いて必要部分に塗布する方法,シリコーンやフッ素等を含む撥水性の樹脂を必要な部分のみ開口したメタルマスクやメッシュ状マスクで塗布したり、感光性のある撥水性樹脂を基板あるいは電子部品上に塗布し、露光および現像することにより前記微細粒子等からなるペーストを塗布する部分を除去し、その後接合用ペーストをその開口部に塗布する方法や、さらには撥水性樹脂を基板あるいは電子部品に塗布後、前記金属粒子からなるペースト塗布部分をレーザーにより除去し、その後接合用ペーストをその開口部に塗布する方法がある。これらの塗布方法は、接合する電極の面積,形状に応じて組み合わせ可能である。
本発明における粒径が100nm以下の金属粒子は、100nm以下の粒径を有しかつ有機物あるいは酸化物で被覆されていればいかなるものでも用いられ、金,銀,銅,白金,パラジウム,ロジウム,オスミウム,ルテニウム,イリジウム,鉄,錫,亜鉛,コバルト,ニッケル,クロム,チタン,タンタル,タングステン,インジウム,ケイ素,アルミニウム等の中から少なくとも1種類の金属あるいは2種類以上の金属からなる合金を用いることが可能である。特にAuまたはAu合金からなるもの、あるいはAgまたはAg合金からなるものをそれぞれ単独あるいは2種類以上混合して用いることが好ましい。さらに、金属繊維としては、AuまたはAu合金からなるもの、あるいはAgまたはAg合金からなるものや、ニッケル粒子をコアとし表面にAuまたはAu合金、あるいはAgまたはAg合金をめっきしたもの、または銅のコア粒子表面にニッケルめっきを施しさらにその表層にAuまたはAu合金、あるいはAgまたはAg合金をめっきしたものを用いることができる。
これら、金属繊維と金属粒子の混合物は、保管あるいは塗布工程で凝集し個々の粒子が融着しないよう、個々の粒子表面と相互作用を起こし且つ接合温度で容易に分離可能な水あるいは界面活性剤等の有機溶媒に分散して使用することが有効である。
以上、説明したように本発明は、金属粒子に金属繊維を混合させ、粒径が100nm以下の金属を含む金属組成物が凝集することにより接合が行われるという現象を適用した実装方法である。この実装技術では金属粒子が凝集しバルクな金属に変化するという現象を用いているため、接合後の接合部は従来のはんだと比較すると非常に高い耐熱性を有している。また、この凝集層を介して同時に配合した金属粒子と半導体素子および配線基板上に形成した電極等を接合する際に、低温でかつ低加圧で接合することが可能となる。
一方、導体素子のアクティブエリア上に設けた電極とこれを搭載する配線基板の搭載部に、表面が有機物もしくは金属酸化物で被覆された金属繊維と粒径が100nm以下の表面が有機物もしくは酸化物で被覆された金属粒子で構成された接合層を形成することにより、接合時のダメージがほとんどなく配線基板へ半導体素子搭載後の熱工程において半導体素子搭載部が溶融しないため、半導体装置の小型化と高信頼化を実現できる。また、金属繊維を混合させることにより、シート材料に成形した際のシート強度が増加し、取り扱いが非常に容易になる。さらに、このような金属繊維を混合することにより、接合後の接合部におけるせん断強さや放熱性の向上が可能となり、より信頼性の高い接合が実現できる。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例において、アスペクト比が2より大きく50より小さくかつ長軸が100μm以下の金属繊維を金属ロッド、またアスペクト比が50以上でかつ長軸が100μm以下の金属繊維を金属ワイヤと記載する。また、本実施例で用いた金属粒子は全てアスペクト比が1.5以下である。
(実施例1〜5,比較例1〜3)
金属繊維の製法に関してはすでにいくつかの研究報告があり、Chem. Mater. 2002, 14,4736−4745や特開2005−97718号、Adv. Mater. 2002, 14, 80−82などですでに公知である。本実施例ではAuロッドにおいては特開2005−97718号を、AuワイヤにおいてはAdv. Mater. 2002, 14, 80−82に記載の合成方法を用いた。
図1は本発明の一実施例である有機物で表面が被覆されたAu粒子に有機物で表面が被覆されたAuロッドを混在させた場合の概略図である。本実施例で用いられるAu粒子の平均粒径は10nm程度のものであり、Auロッドはアスペクト比が10程度であり、長軸方向が100nm程度のものである。また、この接合材料は図2に示したようにアスペクト比の分布において少なくとも2つ以上の山を有することに特徴を有している。
また、本実施例において用いたAuワイヤのアスペクト比は100程度であり、長軸方向の長さは5μm程度である。
本実施例では、Au粒子を被覆する有機物としてアルキルアミン,AuロッドとAuワイヤを被覆する有機物としてCTABを用いた。
実施例1として、Au粒子とAuロッドがともに分散可能な有機溶媒であるトルエン中で、重量比において1:1の割合において混合させ、超音波を用いて両者を均一に分散させてAu粒子とAuロッドの混合ペースト材料を作製した。
また、得られた混合ペーストを60℃において減圧乾燥を行い、有機溶媒を除去させることにより得られたAu粒子とAuロッドの混合粉末にプレス機を用いて圧力をかけることにより、シート状に成形した。
また、実施例2として、Au粒子とAuロッドをトルエン中で重量比において9:1の割合において混合させたペースト材料を作成し、上記と同様の手法により、シート状の接合用材料を形成した。
また、実施例3として、Au粒子とAuロッドをトルエン中で重量比において1:9の割合において混合させたペースト材料を作成し、上記と同様の手法により、シート状の接合用材料を形成した。
また、実施例4として、Auワイヤをトルエン中に分散させたペースト材料を作成し、上記と同様の手法により、シート状の接合用材料を形成した。
また、実施例5として、Au粒子とAuロッドをトルエン中で重量比において1:1の割合において混合させたペースト材料を作成し、上記と同様の手法により、シート状の接合用材料を形成した。
一方、比較例1として、トルエン中にAu粒子のみを分散させたペースト材料を作成し、上記と同様の手法により、シート状の接合用材料を形成した。
また、比較例2として、鱗片状のAu粒子(50wt%)とエポキシ樹脂(50wt%)を含む樹脂組成物からなるペースト材料を作成した。
また、比較例3として、Au粒子(9wt%),Auロッド(1wt%),鱗片状の
Au粒子(40wt%)とエポキシ樹脂(50wt%)を含む樹脂組成物からなるペースト材料を作成した。
実施例1〜5及び比較例1〜3で作成した接合用材料について、ビッカーズ硬さ,せん断強さ、及び、熱伝導性を測定した結果を表1に示す。表1において、各特性は比較例1の特性を100%として比較した比率を示している。
Figure 2008004651
ビッカーズ硬さはAuロッドまたはAuワイヤを混合させた実施例1〜5において、
Auロッド,Auワイヤを含まない比較例1よりも、その値は大きくなった。これはAu粒子のみから作成した場合と比較すると、Au粒子にAuロッドを混在させた場合には
Auロッド同士が絡み合うことでシートの形状安定性が増し、ビッカーズ硬さが増加するためである。一方、シート強度は混合させるAuロッドの割合にも大きく依存し、Auロッドの割合が高くなると、ビッカーズ硬さも増加した。Auロッドの割合が高くなると、Auロッド同士のからみ合う点が増加し、全体として形状が非常に安定するようになるためである。また、Auワイヤのみから作製したシート材はビッカーズ強度においてAu粒子のみから作製したシート材の約9倍もの値を有していた。
せん断試験には銅の円板型試験片を上記接合材料を用いて接合を行うことにより得られた試料を用い、純粋せん断応力下での接合部強度を測定した。接合時の条件は加圧は2.5Mpa、接合温度は350℃、接合時間は2分30秒にて行った。用いた試験片の大きさは上側が直径5mm,厚さ2mmで下側が直径10mm,厚さ5mmのものである。せん断強度はAu粒子とAuロッドの混合比に大きく依存し、Auロッドの割合が増加すると、せん断強度も増加するが、さらに割合を増加させると、せん断強度の値が減少する傾向が見られた。これは、Auロッドの割合が増加することで、バルクな物性の繊維状の物体が占める割合が増加し、せん断強さの向上が可能となるが、Auロッドの割合がある一定の割合よりも多くなると、接合部中における空孔の割合が増加するようになるためであると考えられる。また、一部ではAuロッド同士が一方向に配列し、その結果接合前の充填率が増加したため、その部分においては高密度な焼結が可能であったとも考えられる。
また、熱伝導性についても、せん断強さと同様に金属ロッドあるいは金属ワイヤを混合させた実施例1〜5では比較例1よりも熱伝導性の向上が見られた。
また、実施例1〜5と、エポキシ樹脂を用いた比較例2,3の接合用材料との比較では、せん断強さ,熱伝導性の特性において約3倍以上の値を示した。
シート強度及び接合強度,熱伝導性は金属ロッドと金属粒子の混合比および金属繊維のアスペクト比に大きく依存するため、所望の機能を発現させるためにはこれらのパラメータを最適化させて用いることが必要である。
次に、表2はAuロッドのアスペクト比を変化させた場合のビッカーズ硬さの変化を示す。
Figure 2008004651
本評価に用いた接合用材料としては、Auロッドのみからシートを作製したものである。ビッカーズ硬さはAuロッドのアスペクト比の増加とともに高くなる。Auロッドのアスペクト比が大きくなると、Auロッド同士の絡み合う点の数が増加することになり、より形状の安定性が増加するためであると考えられる。従ってアスペクト比が大きな金属繊維を用いるほどその強度は強くなる。
(実施例6)
図3は本発明の実施例の一つである非絶縁型半導体装置の構造を示した図である。図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)A−A′部の断面図である。半導体素子
(MOSFET)301をセラミック絶縁基板302上に、セラミック絶縁基板302をベース材303上にそれぞれ搭載した後、エポキシ系樹脂ケース304,ボンディングワイヤ305,エポキシ系樹脂ふた306を設け、同一ケース内にシリコーンゲル樹脂307を充填した。ここで、ベース材303上のセラミック絶縁基板302は平均粒径10nm程度の表面が有機物で被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が100nm程度の表面が有機物で被覆されたAuロッドにおいて粒子の重量比が1:1で構成された接合層308で接合され、セラミック絶縁板302の銅板302a上には8個のSiからなるMOSFET素子301が平均粒径10nm程度の表面が有機物で被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が100nm程度の表面が有機物で被覆されたAuロッドにおいて粒子の重量比が1:1で構成された接合層309で接合されている。Au粒子で構成された接合層308及び309による接合は、先ず、セラミック絶縁基板302の銅板302a(Niめっきが施されている)上、及びベース材303上に平均粒径10nm程度の有機物で表面が被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が100nm程度の有機物で表面が被覆されたAuロッドにおいて粒子の重量比が1:1で構成された金属混合材料にプレス機を用いて圧力を付加することにより成形した接合用シート材を銅板302a(Niめっきが施されている)上とベース材303上にそれぞれ設置する。また、上記接合層には実施例1で記載されたペースト材料を用いることも可能である。
これらのAu接合層上に半導体素子301、及びセラミック絶縁基板302を配置させ接続する。このとき80℃程度の熱を60分間加える。
各素子301に形成されたゲート電極,エミッタ電極等と、絶縁基板上に形成した電極302a,302bエポキシ系樹脂ケース304にあらかじめ取り付けられている端子
310の間は、直径300μmのAl線305を用い超音波接合法によりでワイヤボンディングした。311は温度検出用サーミスタ素子で、平均粒径10nm程度の表面が有機物で被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が100nm程度の表面が有機物で被覆されたAuロッドにおいて粒子の重量比が1:1で構成された接合層309で構成され、電極302aと端子310との間を直径300μmのAl線305でワイヤボンディングし外部へ連絡されている。
なお、エポキシ系樹脂ケース304とベース材303の間はシリコーン接着樹脂(図示せず)を用いて固定した。エポキシ系樹脂ふた306の内厚部には凹み306′、端子
310には穴310′がそれぞれ設けられ、絶縁型半導体装置1000を外部回路と接続するためのネジ(図示せず)が装着されるようになっている。端子310はあらかじめ所定形状に打抜き,成形された銅板にNiめっきを施したものであり、エポキシ系樹脂ケース304に取り付けられている。
図4は図3に示した本発明絶縁型半導体装置のサブアッセンブリ部を示した図で、セラミック基板と半導体素子をベース材303としての複合材に搭載した。ベース材には周辺部に取付け穴303Aが設けられている。ベース材はCuで構成されており、表面にNiめっきが施してある。ベース材303上には前記Au粒子層によりセラミック絶縁基板
302を、そしてセラミック絶縁基板302上にはAu粒子層によりMOSFET素子
301がそれぞれ搭載されている。
図5は図4におけるMOSFET素子搭載部の接合前の断面の拡大概略図である。図5に示すように、接合層には実施例1の溶液材料及びシート材料を用いることが可能である。また実施例1におけるAu粒子とAuロッドの含有溶液塗布時の溶液流れ防止のために、ベース材303上にはセラミック絶縁基板302搭載領域に対応するように撥水膜322が施されている。さらに、セラミック絶縁基板302上には、半導体素子301の搭載領域に対応するように撥水膜321が施されており、Au粒子含有溶液塗布時の溶液流れ防止を図っている。また、他の実施例と同様に必要に応じてこの接合層には実施例1のシート材料を用いることも可能である。
(実施例7)
図6は本発明を用いた非絶縁型半導体装置における他の実施例の一つを示した図である。
半導体素子701およびセラミックス絶縁基板703は前記実施例7と同様に平均粒径10nm程度の表面が有機物で被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が
100nm程度の表面が有機物で被覆されたAuロッドにおいて粒子の重量比が1:1で構成された接合層により接合されている。半導体素子のエミッタ電極も接合端子731を介しセラミック絶縁基板上に形成された表面AuおよびNiめっきを施した銅配線702b、Au粒子層により接続されている。
図7は図6における半導体素子搭載部分の接合前の断面拡大概略図である。接続用端子731は銅板にNiめっきを施しさらにその表面に金めっきを行ったものを使用し、絶縁基板の配線702a上に半導体素子701を搭載した後、平均粒径10nm程度の表面が有機物で被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が100nm程度の表面が有機物で被覆されたAuロッドにおいて粒子の重量比が1:1で構成されたシート材料を半導体素子のエミッタ電極(上側)に置く。さらに、絶縁基板702上に形成した銅配線パターンで表面にNiめっき処理を行い、さらに半導体素子のエミッタ電極と端子731を介して接続する部分にAuめっき処理を行った配線702bのAuめっき部分に上記シート材料を置いた後、接続用端子731をこの表面が有機物で被覆されたAu粒子とアスペクト比が10程度で長軸が100nm程度の表面が有機物で被覆されたAuロッドからなるシート材料の電極上部に搭載し80℃程度の熱を60分間加えることにより半導体素子701と絶縁基板配線702bとの接続が完了する。絶縁型半導体装置においてはコレクタ電極だけではなくエミッタ電極部分にも大きな電流が流れるため、配線幅の大きい接続端子731を用いることによりエミッタ電極側の接続信頼性をさらに向上させることが可能になる。
また、実施例6,7で説明した半導体装置のほか、例えば、LEDを基板に実装する際に本発明の接合用材料を用いて接合を行うことで、従来の半田や熱伝導性接着材よりも放熱性を向上させることが可能である。
以上、実施例を用いて具体的に説明したが、本発明はこれら実施例に限定したものではなく、各実施例の組み合わせやその効果を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
AuロッドとAu粒子からなる混合材料の概念図。 接合用材料中におけるアスペクト比の分布図。 本発明の実施例の一つである非絶縁型半導体装置の構造を示した図。 本発明絶縁型半導体装置のサブアッセンブリ部を示した図。 半導体素子と基板接合部の拡大概略図。 非絶縁型半導体装置のサブアッセンブリ部の他の実施例構造を示した図。 半導体素子と基板接合部の拡大概略図。
符号の説明
1…金属繊維、2…金属粒子、301…半導体素子(MOSFET)、302…セラミック絶縁基板、302a…銅板、303…ベース材、304…エポキシ系樹脂ケース、
305…ボンディングワイヤ、306…エポキシ系樹脂ふた、307…シリコーンゲル樹脂、308,309…接合層、310…端子。

Claims (10)

  1. 表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の金属繊維と表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5 以下でかつ粒径が100nm以下の金属粒子を含み、前記金属粒子の融着により被接合部材表面と金属結合させ被接合部材間を接合するための接合用材料。
  2. 請求項1に記載の接合用材料がシート形状であることを特徴とする接合用材料。
  3. 請求項1に記載の接合用材料において、表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100nm以下の金属繊維を含むことを特徴とする接合用材料。
  4. 請求項1に記載の接合用材料において、前記金属繊維及び金属粒子が有機溶剤に分散していることを特徴とする接合用材料。
  5. 表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100nm以下の金属繊維を含み、前記金属繊維の融着により被接合部材表面と金属結合させ被接合部材間を接合するための接合用材料。
  6. 請求項5に記載の接合用材料がシート形状であることを特徴とする接合用材料。
  7. 請求項5に記載の接合用用材料において、表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5 以下でかつ粒径が100nm以下の金属粒子を含むことを特徴とする接合用材料。
  8. 表面が有機物もしくは酸化物で被覆されたアスペクト比が2より大きくかつ長軸が100μm以下の金属繊維と表面が有機物あるいは酸化物で被覆されたアスペクト比が1.5 以下でかつ粒径が100nm以下の金属粒子との混合体で構成されることを特徴とする接合用材料。
  9. 請求項8に記載の接合用材料がシート形状であることを特徴とする接合用材料。
  10. 基板表面に形成した金属配線と、表面に金属電極が形成された電子部品とが、請求項1に記載の接合用材料で構成された層を介して接合されていることを特徴とする電子装置。
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