JP2008002625A - 等速自在継手及びこれを用いたドライブシャフト、駆動車輪用軸受ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 外輪あるいは内輪の製作を簡素化し、等速自在継手の低コスト化を図る。
【解決手段】 軸方向に延びる複数のトラック溝12が球面状内周面14に形成された外輪10と、その外輪10のトラック溝12と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝22が球面状外周面24に形成された内輪20と、外輪10のトラック溝12と内輪20のトラック溝22との間に介在してトルクを伝達する複数のボール30と、外輪10の球面状内周面14と内輪20の球面状外周面24との間に介在してボール30を保持するケージ40とを備え、車室を持つ自動車のドライブシャフトを構成する等速自在継手であって、外輪10および内輪20のトラック溝12,22を冷間鍛造仕上げにより形成し、トラック溝12,22から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 軸方向に延びる複数のトラック溝12が球面状内周面14に形成された外輪10と、その外輪10のトラック溝12と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝22が球面状外周面24に形成された内輪20と、外輪10のトラック溝12と内輪20のトラック溝22との間に介在してトルクを伝達する複数のボール30と、外輪10の球面状内周面14と内輪20の球面状外周面24との間に介在してボール30を保持するケージ40とを備え、車室を持つ自動車のドライブシャフトを構成する等速自在継手であって、外輪10および内輪20のトラック溝12,22を冷間鍛造仕上げにより形成し、トラック溝12,22から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手や、角度変位のみならず軸方向変位も許容する摺動式等速自在継手及びこれらを用いたドライブシャフト、駆動車輪用軸受ユニットに関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系、例えば前輪駆動車や独立懸架方式の後輪駆動車の駆動軸には、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位の両方を許容する摺動式等速自在継手が使用されている。
前述の駆動軸には、トランスミッションからディファレンシャルに回転駆動力を伝達するプロペラシャフトや、ディファレンシャルから車輪に回転駆動力を伝達するドライブシャフトがある。また、固定式等速自在継手としては、バーフィールド型等速自在継手(BJ)がよく知られており、摺動式等速自在継手としては、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)が広く知られている。
例えば、BJタイプの固定式等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝が球面状内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びるトラック溝が球面状外周面に形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の球面状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを主要な構成要素として備えている。
また、DOJタイプの摺動式等速自在継手は、軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が円筒状内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる直線状トラック溝が球面状外周面に形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを主要な構成要素として備えている。
これら固定式等速自在継手あるいは摺動式等速自在継手における外側継手部材および内側継手部材のトラック溝は、その両側縁でのボール接触による応力集中を回避するため、そのトラック溝から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成するようにしている(例えば、特許文献3,4参照)。また、外側継手部材のトラック溝開口端には、作動角をとった時に内側継手部材に連結されたシャフトが干渉しないように面取り部を形成するようにしている。
前述した固定式等速自在継手あるいは摺動式等速自在継手における外側継手部材および内側継手部材は、一般的に以下の要領でもって製作されている。まず、円柱状ビレットを熱間鍛造、温間鍛造または冷間鍛造で外側継手部材あるいは内側継手部材の概略形状に形成し、この素材の内周面あるいは外周面および端面を旋削する。その後、熱処理を行い、内周面あるいは外周面とトラック溝、R状チャンファや面取り部を研削や焼入れ鋼切削などで仕上げ加工することにより製作している。
このようにして製作された外側継手部材および内側継手部材については、その内側継手部材にボールやケージを含めた内部部品を外側継手部材に組み込むに際して、PCDすきま等が規定値の範囲内となるように選択的に組み合わせるようにしている。つまり、多数個の外側継手部材、内側継手部材、ボールおよびケージの中から、PCDすきま等が規定値の範囲内に収まるように、それら外側継手部材、内側継手部材、ボールおよびケージからなる構成要素の組み合わせを考慮し、それら外側継手部材、内側継手部材、ボールおよびケージを選択して組み合わせるようにしている(例えば、特許文献1,2参照)。
特公平1−55688号公報
特開昭63−34323号公報
実開平6−24237号公報
実公平7−25458号公報
ところで、前述した従来の等速自在継手の構成要素である外側継手部材や内側継手部材は、鍛造、旋削および熱処理を経て、最終的にトラック溝、R状チャンファや面取り部に研削などの仕上げ加工を施すことにより製作されている。このように、鍛造、旋削および熱処理の後、トラック溝、R状チャンファや面取り部の仕上げ加工を行っていると、トラック溝、R状チャンファや面取り部を仕上げ加工するための設備、工具などの費用が嵩むと共に、仕上げ加工に時間を要することや、材料の歩留まりも悪いという不都合があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、外側継手部材あるいは内側継手部材の製作を簡素化し、低コストな等速自在継手及びこれを用いたドライブシャフト、駆動車輪用軸受ユニットを提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、軸方向に延びる複数のトラック溝が内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が外周面に形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の内周面と内側継手部材の外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備え、車室を持つ自動車のドライブシャフトを構成する等速自在継手であって、外側継手部材のトラック溝あるいは内側継手部材のトラック溝の少なくともいずれか一方を冷間鍛造仕上げにより形成し、トラック溝から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成したことを特徴とする。
本発明では、車室を持つ自動車のドライブシャフトを構成する等速自在継手において、外側継手部材のトラック溝あるいは内側継手部材のトラック溝の少なくともいずれか一方を冷間鍛造仕上げにより形成し、そのトラック溝から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成する。このように、本発明では、R状チャンファにより応力集中を回避することができるトラック溝の形成のため、冷間鍛造仕上げのみを行い、従来で行っていた旋削や熱処理後の研削仕上げを不要とすることから、等速自在継手の低コスト化を図ることができる。
なお、前述のトラック溝とR状チャンファは同時冷間鍛造仕上げにより形成することが可能である。また、外側継手部材のトラック溝開口端に、トラック溝との同時冷間鍛造仕上げにより面取り部を形成するようにしてもよい。さらに、内側継手部材の端面をトラック溝との同時冷間鍛造仕上げにより形成するようにしてもよい。
前述の構成において、外側継手部材のトラック溝とこれに協働する内側継手部材のトラック溝とで形成されたボールトラックのPCDすきまを−0.02〜+0.3mmとすることが望ましい。このようにすれば、外側継手部材、内側継手部材、ボールおよびケージからなる各構成要素間でのガタツキを必要最小限に抑制することが可能となる。なお、このPCDすきまが−0.02mmよりも小さいと、等速自在継手の作動性を確保することが困難となり、逆に、+0.3mmよりも大きいと、各構成要素間でのガタツキが大きくなる。
前述の構成において、外側継手部材の外径面またはマウス内部の少なくともいずれか一方に異音抑制手段を設けることが望ましい。このようにすれば、各構成要素間でのガタツキにより発生する異音を抑制することが可能となる。なお、外側継手部材の外径面またはマウス内部の少なくともいずれか一方としたのは、外側継手部材の外径面のみ、あるいはマウス内部のみだけでなく、外径面とマウス内部の両方も含むことを意味する。
前述の構成において、外側継手部材の内部に、潤滑油を含む潤滑成分および樹脂成分を必須成分とし、潤滑成分は発泡して多孔質化された固形物であり、かつ、潤滑成分を樹脂内部に吸蔵してなる多孔性固形潤滑剤を封入することが望ましい。このようにすれば、潤滑油を保持する固形潤滑剤の保持力を向上させると共に、外力による変形によって滲み出す潤滑油量を必要最小限にすることが可能となる。なお、前述の「吸蔵」とは、学術用語の「吸蔵」の意味と同様に、液体(液体潤滑剤など)が固体の樹脂中に化合物にならないで含まれることを意味する。
本発明における等速自在継手は、それぞれの等速自在継手の内側継手部材の軸孔にトルク伝達可能に圧入された中間シャフトとで構成されたドライブシャフトに適用可能である。また、この等速自在継手は、内側継手部材、ボールおよびケージを収容した椀状のマウス部から軸方向にステム部を一体的に延ばした外側継手部材のステム部に、ハブ輪を有する車輪用軸受部をトルク伝達可能に連結させた駆動車輪用軸受ユニットにも適用可能である。さらに、この等速自在継手は、前述のドライブシャフトと駆動車輪用軸受ユニットとで構成されたアッセンブリ体にも適用可能である。
本発明によれば、外側継手部材のトラック溝あるいは内側継手部材のトラック溝の少なくともいずれか一方を冷間鍛造仕上げにより形成し、トラック溝から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成したことにより、外側継手部材および内側継手部材のR状チャンファを持つトラック溝について旋削や熱処理後の研削仕上げが不要となることから、その仕上げ加工に必要としていた設備や工具が不要となり、また、加工時間の短縮化を図ることができ、外側継手部材および内側継手部材を効率的に製作することができ、製品のコスト低減化が図れる。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を詳述する。以下の実施形態では、バーフィールド型の固定式等速自在継手(BJ)とダブルオフセット型の摺動式等速自在継手(DOJ)を例示する。
BJタイプの等速自在継手は、図1および図2に示すように軸方向に延びる複数(6つ)のトラック溝12が球面状内周面14に円周方向等間隔に形成された外側継手部材としての外輪10と、外輪10のトラック溝12と対をなして軸方向に延びる複数(6つ)のトラック溝22が球面状外周面24に円周方向等間隔に形成された内側継手部材としての内輪20と、外輪10のトラック溝12と内輪20のトラック溝22との間に介在してトルクを伝達する複数(6個)のボール30と、外輪10の球面状内周面14と内輪20の球面状外周面24との間に介在してボール30を保持するケージ40とを備えている。複数のボール30は、ケージ40に形成されたポケット42に収容されて円周方向等間隔に配置されている。
DOJタイプの等速自在継手は、図3および図4に示すように軸方向に延びる複数(6つ)の直線状トラック溝62が円筒状内周面64に円周方向等間隔に形成された外側継手部材としての外輪60と、外輪60のトラック溝62と対をなして軸方向に延びる複数(6つ)の直線状トラック溝72が球面状外周面74に円周方向等間隔に形成された内側継手部材としての内輪70と、外輪60のトラック溝62と内輪70のトラック溝72との間に介在してトルクを伝達する複数(6個)のボール80と、外輪60の円筒状内周面64と内輪70の球面状外周面74との間に介在してボール80を保持するケージ90とを備えている。複数のボール80は、ケージ90に形成されたポケット92に収容されて円周方向等間隔に配置されている。
これらBJタイプの等速自在継手およびDOJタイプの等速自在継手は、外輪10,60、内輪20,70、ボール30,80およびケージ40,90からなる構成要素をランダムマッチングで組み付け、外輪10,60のトラック溝12,62および内輪20,70のトラック溝22,72を冷間鍛造仕上げにより形成する。
つまり、多数個の外輪10,60、内輪20,70、ボール30,80およびケージ40,90の中から、PCDすきま等が規定値の範囲内に収まるように、それら外輪10,60、内輪20,70、ボール30,80およびケージ40,90からなる構成要素を選択して組み合わせる選択組合せを行わず、トラック溝12,62,22,72を冷間鍛造仕上げにより形成した外輪10,60および内輪20,70を任意に組み合わせるランダムマッチングにより製作される。
このように、各構成要素をランダムマッチングで組み合わせ、外輪10,60のトラック溝12,62あるいは内輪20,70のトラック溝22,72を冷間鍛造仕上げにより形成したことにより、冷間鍛造仕上げのみを行い、旋削や熱処理後の研削仕上げが不要となることから、等速自在継手の低コスト化を図ることができる。
外輪10,60のトラック溝12,62および内輪20,70のトラック溝22,72は、図2および図4で拡大して示すようにトラック溝12,62,22,72から両側に連続的に延びるR状チャンファ17,67,27,77を形成している。このR状チャンファ17,67,27,77は、トラック溝12,62と内周面14,64との間あるいはトラック溝22,72と外周面24,74との間に設けられ、滑らかに繋がるように連続的に形成されている。
また、このR状チャンファ17,67,27,77は、トラック溝12,62,22,72との同時冷間鍛造仕上げにより形成されている。このようにトラック溝12,62,22,72との同時冷間鍛造仕上げにより形成することで、R状チャンファ17,67,27,77を容易に形成することができ、旋削や熱処理後の研削仕上げが不要となることから、等速自在継手のコスト低減化に寄与する。
また、図1および図3に示すように、継手が作動角をとった時に中間シャフト50(図9参照)との干渉を回避するため、外輪10,60のトラック溝開口端に形成された面取り部19,69についても、前述したトラック溝12,62,22,72との同時冷間鍛造仕上げにより形成する。さらに、内輪20,70の端面21,23,71,73の少なくとも片側端面についても、トラック溝12,62,22,72との同時冷間鍛造仕上げにより形成する。
このようにすれば、外輪10,60のトラック溝開口端の面取り部19,69および内輪20,70の端面21,23,71,73の形成についても、冷間鍛造仕上げのみを行い、旋削や熱処理後の研削仕上げが不要となることから、等速自在継手のコスト低減化に寄与する。
前述した冷間鍛造仕上げによる外輪10,60および内輪20,70を有する等速自在継手において、外輪10,60のトラック溝12,62とこれに協働する内輪20,70のトラック溝22,72とで形成されたボールトラックのPCDすきまは−0.02〜+0.3mmに規定する。このようにすれば、外輪10,60、内輪20,70、ボール30,80およびケージ40,90からなる各構成要素間でのガタツキを必要最小限に抑制することが可能となる。なお、このPCDすきまが−0.02mmよりも小さいと、等速自在継手の作動性を確保することが困難となり、逆に、+0.3mmよりも大きいと、各構成要素間でのガタツキが大きくなる。
前述した冷間鍛造仕上げによる外輪10,60および内輪20,70を有する等速自在継手において、図5および図6に示すように外輪10,60の外径面および椀状のマウス部16の底面に異音抑制手段としての吸音材130,132,140,142を設けている。このようにすれば、各構成要素間でのガタツキにより発生する異音を抑制することが可能となり、自動車の車室内での静粛性を確保することができる。なお、この実施形態では、外輪10,60の外径面およびマウス部16の底面の両方に吸音材130,132,140,142を設けたが、外輪10,60の外径面のみ、あるいはマウス部16の底面のみであってもよい。また、この吸音材130,132,140,142としては、吸音性の良好な素材であれば使用可能である。さらに、この実施形態では、マウス部16の底面に異音抑制手段を設けたが、マウス内部であれば何れに異音抑制手段を設けてもよい。
また、前述した冷間鍛造仕上げによる外輪10,60および内輪20,70を有する等速自在継手において、図7および図8に示すように外輪10,60の内部に、潤滑油を含む潤滑成分および樹脂成分を必須成分とし、潤滑成分は発泡して多孔質化された固形物であり、かつ、潤滑成分を樹脂内部に吸蔵してなる多孔性固形潤滑体150,160を封入している。この潤滑体150,160は、外輪10,60のトラック溝12,62と内輪20,70のトラック溝22,72との間に形成されたボールトラックを含む空間に封入されている。これにより、潤滑油を保持する固形潤滑剤の保持力を向上させると共に、外力による変形によって滲み出す潤滑油量を必要最小限にすることが可能となる。
この潤滑体150,160は、樹脂成分としてのプラスチックまたはゴムなどのうち、エラストマーまたはプラストマーのいずれかまたは両方を、アロイまたは共重合成分として採用できる。また、潤滑体150,160は、潤滑成分および樹脂成分を必須成分とし、圧縮、屈曲、遠心力および温度上昇に伴う気泡の膨張などの外部応力によって潤滑油を外部に供給することが可能なものである。発泡により多孔質化される際に生成させる気泡は、連続孔が望ましく、外部応力によって潤滑成分を樹脂の表面から連続孔を介して外部に直接供給することが可能である。
潤滑成分を樹脂内部に吸蔵(潤滑剤が固体の樹脂中に化合物にならないように含むこと)するには、潤滑剤の存在下で発泡反応と硬化反応を同時に行なわせる反応型含浸法を採用する。これにより、潤滑剤を樹脂内部に高充填することが可能となる。なお、反応型含浸法は、市販のシリコーン系整泡剤などの界面活性剤を使用し、各原料分子を均一に分散させて行なう。
潤滑成分(100重量%)の潤滑油の割合は、1重量%〜95重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜80重量%である。潤滑油の割合が、1重量%未満の場合は、潤滑油を必要箇所に充分に供給することが困難になる。また、95重量%を超える多量の配合では、低温でもグリースなどでは固まらずに液状のままとなり、固形潤滑剤に特有の機能を果たさない場合がある。
樹脂成分を発泡させる手段としては周知の発泡手段を採用すればよく、例えば、水、アセトン、ヘキサン等の比較的沸点の低い有機溶媒を加熱し、気化させる物理的手法やエアーや窒素などの不活性ガスを外部から吹き込む機械的発泡方法、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)やアゾジカルボンイミド(ADCA)等のように温度や光によって分解し、窒素ガスなどを発生させる分解型発泡剤を使用する方法などが挙げられる。
樹脂成分の発泡倍率は1.1倍以上200倍未満であることが望ましい。なぜなら、発泡倍率1.1倍より小さい場合は気泡体積が小さく、外部応力が加わったときに変形を許容できないし、または固形物が硬すぎて変形しないなどの不具合がある。また、200倍以上の時には外部応力に耐える強度を得ることが困難となり、使用中に破損や破壊に至ることがある。
前述した冷間鍛造仕上げによる外輪10,60および内輪20,70を有するBJタイプの等速自在継手とDOJタイプの等速自在継手は、内輪20,70の軸孔26,76にトルク伝達可能に中間シャフト50を圧入することにより、ドライブシャフトを構成する。このドライブシャフト100は、図9に示すように中実あるいは中空の中間シャフト50の一方の軸端52をBJタイプの等速自在継手の内輪20の軸孔26に圧入し、他方の軸端54をDOJタイプの等速自在継手の内輪70の軸孔76に圧入した構造を具備する。
この中間シャフト50の軸端外径には雄スプライン56,58が形成され、両等速自在継手の内輪20,70の軸孔26,76には雌スプライン28,78が形成されている。中間シャフト50の軸端52,54を等速自在継手の内輪20,70の軸孔26,76に圧入することにより、雄スプライン56,58と雌スプライン28,78とを噛み合わせることで結合させ、中間シャフト50と内輪20,70との間でトルク伝達を可能としている。
なお、中間シャフト50と外輪10,60との間には、外部からの異物の侵入および内部からのグリースの漏洩を防止するため、蛇腹状のゴムあるいは樹脂製ブーツ110,120が装着されている。ブーツ110,120の大径端部112,122は外輪10,60の開口端でブーツバンド114,124により締め付け固定され、その小径端部116,126は中間シャフト50の所定部位でブーツバンド118,128により締め付け固定されている。
以上のドライブシャフト100は、DOJタイプの等速自在継手が車両のインボード側に配されてその外輪60がディファレンシャルに連結され、BJタイプの等速自在継手が車両のアウトボード側に配されてその外輪10が車輪用軸受部に連結される。このドライブシャフト100では、図1および図3に示す等速自在継手を使用した場合を例示しているが、図5および図6に示す等速自在継手や図7および図8に示す等速自在継手を適用することも可能である。
このBJタイプの等速自在継手は、内輪20、ボール30およびケージ40を収容した椀状のマウス部16から軸方向に一体的に延びるステム部18を車輪用軸受部200にトルク伝達可能に連結させることにより、車輪用軸受部200とユニット化される。
図10はBJタイプの等速自在継手と車輪用軸受部200とを連結した駆動車輪用軸受ユニットの構造を例示する。この構造では、ハブ輪201および内輪202、複列の転動体203,204、外輪205、等速自在継手206を主要な構成要素としている。この駆動車輪用軸受ユニットでは、図1および図3に示す等速自在継手を使用した場合を例示しているが、図5および図6に示す等速自在継手や図7および図8に示す等速自在継手を適用することも可能である。
ハブ輪201は、その外周面にアウトボード側の軌道面207が形成されると共に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ209を備えている。この車輪取付フランジ209の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト(図示せず)が植設されている。このハブ輪201のインボード側外周面に形成された小径段部212に内輪202を嵌合させ、この内輪202の外周面にインボード側の軌道面208が形成されている。
内輪202は、クリープを防ぐために適当な締め代をもってハブ輪201の小径段部212に圧入されている。ハブ輪201の外周面に形成されたアウトボード側の軌道面207と、内輪202の外周面に形成されたインボード側の軌道面208とで複列の軌道面を構成する。
外輪205は、内周面にハブ輪201および内輪202の軌道面207,208と対向する複列の軌道面213,214が形成され、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ217を備えている。この車体取付フランジ217は、車体の懸架装置(図示せず)から延びるナックルにボルト等で固定される。
軸受部220は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、ハブ輪201および内輪202の外周面に形成された軌道面207,208と外輪205の内周面に形成された軌道面213,214との間に転動体203,204を介在させ、各列の転動体203,204を保持器221,222により円周方向等間隔に支持した構造を有する。軸受部220の両端開口部には、ハブ輪201と内輪202の外周面に摺接するように、外輪205とハブ輪201および内輪202との環状空間を密封する一対のシール223,224が外輪205の両端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
等速自在継手206のステム部18をハブ輪201の貫通孔に挿入し、内輪202の端面に外輪10の肩部11を突き合わせた状態で、ステム部18の端部に形成された雄ねじ部13にナット230を締め付けることによって、等速自在継手206をハブ輪201に固定し、軸受部220に予圧を付与している。このステム部18の外周面および貫通孔の内周面に形成されたスプライン15,228により両者を嵌合させることにより、トルク伝達可能となっている。
図10に示す車輪用軸受部200は、アウトボード側の軌道面207をハブ輪201に形成すると共にインボード側の軌道面208を内輪202に形成したタイプであるが、図11に示す車輪用軸受部300のように、アウトボード側の軌道面307をハブ輪301に形成すると共にインボード側の軌道面308を等速自在継手306の外輪10の肩部11に形成したタイプのものもある。なお、図11中、図10と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
このタイプの車輪用軸受部300では、外輪10のステム部17を中空とし、そのステム部17の軸端部を拡径加締めによりハブ輪301の端部に連結することにより、等速自在継手306をハブ輪301に固定した構造を具備する。この拡径加締めは、ハブ輪301の端部内径面にローレット加工などによる凹凸19を形成し、ステム部17の軸端部の拡径でもって凹凸19をステム部17の軸端部外径に食い込ませることにより行われる塑性結合である。
図12は、図9に示すドライブシャフト100に図10に示す車輪用軸受部200を組み付けたアッセンブリ体を示す。なお、図12中、図9および図10と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。このアッセンブリ体では、図1および図3に示す等速自在継手を使用した場合を例示しているが、図5および図6に示す等速自在継手や図7および図8に示す等速自在継手を適用することも可能である。また、図11に示す車輪用軸受部300をドライブシャフトに組み付けることによりアッセンブリ体を構成することも可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10,60 外側継手部材(外輪)
12,22,62,72 トラック溝
14,64 内周面
16 マウス部
17,27,67,77 R状チャンファ
18 ステム部
19,69 面取り部
20,70 内側継手部材(内輪)
21,23,71,73 端面
24,74 外周面
30,80 ボール
40,90 ケージ
50 中間シャフト
100 ドライブシャフト
130,140 異音抑制手段(吸音材)
150,160 多孔性固形潤滑体
200,300 車輪用軸受部
201,301 ハブ輪
12,22,62,72 トラック溝
14,64 内周面
16 マウス部
17,27,67,77 R状チャンファ
18 ステム部
19,69 面取り部
20,70 内側継手部材(内輪)
21,23,71,73 端面
24,74 外周面
30,80 ボール
40,90 ケージ
50 中間シャフト
100 ドライブシャフト
130,140 異音抑制手段(吸音材)
150,160 多孔性固形潤滑体
200,300 車輪用軸受部
201,301 ハブ輪
Claims (10)
- 軸方向に延びる複数のトラック溝が内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材の前記トラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が外周面に形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の内周面と内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、車室を持つ自動車のドライブシャフトを構成する等速自在継手であって、前記外側継手部材のトラック溝あるいは内側継手部材のトラック溝の少なくともいずれか一方を冷間鍛造仕上げにより形成し、前記トラック溝から両側に連続的に延びるR状チャンファを形成したことを特徴とする等速自在継手。
- 前記外側継手部材のトラック溝とこれに協働する内側継手部材のトラック溝とで形成されたボールトラックのPCDすきまを−0.02〜+0.3mmとした請求項1に記載の等速自在継手。
- 前記トラック溝とR状チャンファを同時冷間鍛造仕上げにより形成した請求項1又は2に記載の等速自在継手。
- 前記外側継手部材のトラック溝開口端に面取り部をトラック溝との同時冷間鍛造仕上げにより形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記内側継手部材の端面をトラック溝との同時冷間鍛造仕上げにより形成した請求項1〜4のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記外側継手部材の外径面またはマウス内部の少なくともいずれか一方に異音抑制手段を設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記外側継手部材の内部に、潤滑油を含む潤滑成分および樹脂成分を必須成分とし、前記潤滑成分は発泡して多孔質化された固形物であり、かつ、前記潤滑成分を樹脂内部に吸蔵してなる多孔性固形潤滑体を封入した請求項1〜6のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の一対の等速自在継手と、それぞれの等速自在継手の内側継手部材の軸孔にトルク伝達可能に圧入された中間シャフトとで構成されたドライブシャフト。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の等速自在継手と、前記内側継手部材、ボールおよびケージを収容した椀状のマウス部から軸方向にステム部を一体的に延ばした外側継手部材の前記ステム部に、ハブ輪を有する車輪用軸受部をトルク伝達可能に連結させた駆動車輪用軸受ユニット。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の一対の等速自在継手の各内側継手部材の軸孔にシャフトをトルク伝達可能に圧入したドライブシャフトと、前記内側継手部材、ボールおよびケージを収容した椀状のマウス部から軸方向にステム部を一体的に延ばした外側継手部材の前記ステム部に、ハブ輪を有する車輪用軸受部をトルク伝達可能に連結させた駆動車輪用軸受ユニットとで構成されたアッセンブリ体。
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