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JP2008002435A - エンジンの制御方法及び制御装置 - Google Patents

エンジンの制御方法及び制御装置 Download PDF

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JP2008002435A
JP2008002435A JP2006175159A JP2006175159A JP2008002435A JP 2008002435 A JP2008002435 A JP 2008002435A JP 2006175159 A JP2006175159 A JP 2006175159A JP 2006175159 A JP2006175159 A JP 2006175159A JP 2008002435 A JP2008002435 A JP 2008002435A
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Kengo Yonekura
賢午 米倉
Masayoshi Nishizawa
公良 西沢
Kengo Kubo
賢吾 久保
Takeshi Nakamura
健 中村
Hajime Yasuda
肇 安田
Koichi Mori
浩一 森
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】燃焼の安定性に大きな影響を与える燃焼室内残留ガス量のバラツキを抑えて、アイドル時の目標回転速度に維持するエンジンの制御方法を提供する。
【解決手段】アイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用から触媒暖機促進用へとステップ的に遅角する処理手順と、前記タイミングで前記目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、前記タイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める処理手順と、スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、前記目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する処理手順と、エンジンの燃焼変動量を推定する処理手順と、この推定した燃焼変動量に基づいて前記触媒暖機促進用の点火時期を補正する処理手順とをエンジンコントローラ(31)が含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の制御方法及び制御装置、特に冷間始動時の制御に関する。
冷間状態でのクランキングによる完爆後、エンジン回転速度が吹き上がるまでの期間は点火時期を始動用の点火時期とし、エンジン回転速度が吹き上がった後には触媒の活性化を促進させるため、圧縮上死点後の所定クランク角位置まで点火時期をステップ的に遅角させるものがある(特許文献1参照)。
特開平8−232645号公報
ところで、特許文献1の技術では、圧縮上死点後の所定クランク角位置まで点火時期をステップ的に遅角させるのに先立ち、ISC開度を大きくするなどして吸入空気量を増加させ、点火時期をステップ的に遅角させるタイミングの後ではさらに吸入空気量を増加させるのが好ましいことを提案し、これによってエンジンの吹き上がりが円滑化ないしは迅速化されるとしている。
しかしながら、エンジンの吹き上がりを円滑化ないしは迅速化させるためとはいえ、エンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度を超えてまで吹き上がらせることは燃料消費の面からみると、却って燃料を無駄に消費させていることになる。従って、燃費向上の観点からは、冷間始動時といえども、完爆後、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度へとオーバーシュートすることなく収束させることのほうが好ましい。
そこで、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角すると共に、燃費向上の観点より、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、スロットル弁位置から燃焼室までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前のタイミングよりスロットル弁を開き始める構成を考えた。
そしてこの構成で実験してみたところ、もくろみ通りにエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に、このアイドル時の目標回転速度を超えてエンジン回転速度度が吹き上がることはなくなったのであるが、実際の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーン化し、これに起因して、アイドル時の目標回転速度からの回転落ちが生じたりHCが増加してしまうことが新たに判明した。
そこでクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始め、前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量することで、冷間始動時に触媒の暖機促進を図りながら完爆後のエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に向かって速やかに収束させると共に、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後にも実際の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーン化することのないエンジンの制御方法や制御装置とすることが考えられる。
一方、吸気バルブの開閉タイミングを可変に制御し得る可変バルブタイミング・リフト機構を備え、クランキング開始に際して吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバラップが大きくなるように、この可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を設定しているエンジンがある。このエンジンでは、冷間始動時に可変バルブタイミング・リフト機構を作動させて吸気バルブの開閉タイミングを、初期位置まで進角側に移動させ、吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップを大きくするようにしている。これは、吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップ中の排気ポートより吸気ポートへの高温の排気の吹き返しを利用して冷間始動時における、主に吸気ポート壁の燃料壁流の霧化を促進するためである。
こうした可変バルブタイミング・リフト機構の作動に伴う吸気バルブの開閉タイミングのバラツキや、点火時期、空燃比のバラツキに起因して燃焼室内残留ガス量がバラツキ、この燃焼室内残留ガス量のバラツキにより燃焼変動が生じ、アイドル回転速度に変動が生じる。このようにアイドル回転速度の変動が生じたのでは、エンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に維持することが難しくなる。
そこで本発明は、可変バルブタイミング・リフト機構の作動に伴う吸気バルブの開閉タイミングのバラツキや、点火時期、空燃比のバラツキに起因して燃焼室内残留ガス量がバラツクことがあっても、燃焼の安定性に大きな影響を与えると考えられる燃焼室内残留ガス量のバラツキを抑えて、エンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に維持するようにしたエンジンの制御方法や制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路(例えば吸気ポート)にそれぞれ備えるエンジンにおいて、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始め、前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量するように構成する。さらに本発明は、エンジンの燃焼変動量を推定し、この推定した燃焼変動量に基づいて前記触媒暖機促進用の点火時期を補正するように構成する。
また、本発明は、触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えると共に、吸気バルブの開閉タイミングを可変に制御し得る可変バルブタイミング・リフト機構を備え、クランキング開始に際して吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバラップが大きくなるように、この可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を設定しているエンジンにおいて、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始め、前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量し、エンジンの燃焼変動量を推定し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降で空燃比フィードバック制御開始後にこの推定した燃焼変動量が閾値以上であるときに、吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップが小さくなる側に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を補正するかまたは前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正するように構成する。
本発明によれば、始動からのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始めるので、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後の吹き上がりを抑制しながら早期に排気温度を上昇させることが可能となり、無駄な燃料消費を抑制しつつ触媒活性時間を短くすることができる。
この場合に、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後も暫くのあいだ吸気圧や吸気ポートの吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあり、この場合には、吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化に伴って吸気ポート壁の燃料壁流量が減少し、その分燃焼室に供給される燃料量が不足し、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなり、HCの増加やエンジンの回転落ちを招くことになるのであるが、本発明によれば、スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量するので、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあっても、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなることを防止できる。この結果、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後におけるHCの増加やアイドル時の目標回転速度からの回転落ちを抑制できる。
また、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降の燃焼変動の原因として触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキが考えられるのであるが、本発明によれば、エンジンの燃焼変動量を推定し、この推定した燃焼変動量に基づいて触媒暖機促進用の点火時期を補正するので、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降の触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動を抑制することができる。
また、空燃比フィードバック制御開始後であれば、空燃比についてはバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキがあっても空燃比フィードバック制御により解消されていると考えられるため、空燃比フィードバック制御開始後における燃焼変動の原因は、吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップのバラツキ、つまり可変バルブタイミング・リフト機構による吸気バルブの開閉タイミングのバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキにあるかまたは触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキにあると考えられる。この場合に、本発明によれば、エンジンの燃焼変動量を推定し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降で空燃比フィードバック制御開始後にこの推定した燃焼変動量が閾値以上であるときに、吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップが小さくなる側に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を補正するかまたは前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正するので、可変バルブタイミング・リフト機構による吸気バルブの開閉タイミングのバラツキや触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動を抑制することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。図1〜図7を用いて説明するところは、実際には本発明の前提となる先行発明(特願2006−101497参照)の技術内容で、本発明はこの先行発明の改良発明として位置づけられる。先行発明に対して本発明により変更した部分については、図8以降の図を用いて説明する。
図1はエンジンの制御方法の実施に直接使用するエンジンの制御装置の概略構成を示している。
スロットル弁23により調量される空気は、吸気コレクタ2に蓄えられた後、吸気マニホールド3を介して各気筒の燃焼室5に導入される。燃料は各気筒の吸気ポート4に配置された燃料噴射弁21より、所定のタイミングで吸気ポート内に向けて間欠的に噴射供給される。吸気ポート4に噴射された燃料は、空気と混合して混合気を作り、この混合気は吸気バルブ15を閉じることで燃焼室5内に閉じこめられ、ピストン6の上昇によって圧縮され、点火プラグ14により着火されて燃焼する。この燃焼によるガス圧がピストン6を押し下げる仕事を行い、このピストン6の往復運動はクランクシャフト7の回転運動へと変換される。燃焼後のガス(排気)は排気バルブ16が開いたとき排気通路8へと排出される。
排気通路8のうちマニホールドの集合部に第1触媒9(スタートアップ触媒)を、また車両の床下位置に第2触媒10を備えている。これら2つの触媒9、10は、例えばいずれも三元触媒で、三元触媒は排気の空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲にあるとき、排気に含まれるHC、CO及びNOxを同時に効率よく除去できる。このため、エアフローメータ32からの吸入空気量の信号、クランク角センサ(ポジションセンサ33とフェーズセンサ34)からの信号が入力されるエンジンコントローラ31ではこれらの信号に基づいて燃料噴射弁21からの基本燃料噴射量を定めると共に、第1触媒9の上流に設けたO2センサ35からの信号に基づいて空燃比をフィードバック制御する。
一方、冷間始動時には触媒を早期に活性化すると共に、O2センサ35をも早期に活性化して空燃比のフィードバック制御を実行させるため、O2センサ35を始動直後よりヒータ(図示しない)によって加熱し、O2センサ35の信号をみて、O2センサ35が活性化したタイミングで空燃比のフィードバック制御を開始している。
なお、触媒9、10の構成はこれに限られるものでない。例えば、エンジン暖機完了後の燃費向上のため、低負荷側の運転領域において理論空燃比よりもリーンの空燃比で運転を行うようにしているものでは、リーン運転時に多く発生するNOxを吸収するため、第2触媒10をNOxトラップ触媒で構成し、このNOxトラップ触媒に三元触媒機能を持たせているが、こうした構成のものでもかまわない。
上記のスロットル弁23はスロットルモータ24により駆動される。運転者が要求するトルクはアクセルペダル41の踏み込み量(アクセル開度)に現れるので、エンジンコントローラ31ではアクセルセンサ42からの信号に基づいて目標トルクを定め、この目標トルクを実現するための目標空気量を定め、この目標空気量が得られるようにスロットル弁駆動装置(図示しない)ではスロットルモータ24を介してスロットル弁23の開度を制御する。
また、上記吸気バルブ15のバルブリフト量を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブリフト機構26と、クランクシャフト7と吸気バルブ用カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して、吸気バルブ15の開閉タイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構27とを備えている。
さて、冷間状態でのクランキングからのエンジン回転速度が良好に吹き上がるようにすると共に、排気通路8に設けている特に第1触媒9を早期に暖機するため点火時期を遅角させている。この様子を図2を参照しながら4気筒エンジンの場合で具体的に説明する。
まず、現状の制御から説明する。現状では、図2の最上段に一点鎖線で示したように、始動のためスタータスイッチをOFFよりONへと切換えたt0のタイミングより、エンジン回転速度は3つの気筒で初回の爆発に対応して変動し、4番目の気筒の爆発でエンジン回転速度が急激に上昇し、t2のタイミングでアイドル時の目標回転速度NSETを横切って吹き上がっている(一点鎖線参照)。そして、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETに到達したt2のタイミングからは、図2の第5段目に一点鎖線で示したようにアイドル時の目標回転速度NSETを維持できる吸入空気が燃焼室5に導入されるようにスロットル弁開度が所定開度TVO1へとステップ的に開かれている。
また、燃料噴射量は、冷間始動当初は噴射燃料の全てが燃焼室5に吸入されるのではなく、噴射燃料量の一部が吸気ポート4壁や吸気弁15傘裏部に付着し、吸気ポート壁を液状で流れる、いわゆる燃料壁流の形成に使われるため、燃焼室5への燃料供給遅れが発生する。このため、図2の第4段目に一点鎖線で示したように始動当初で吸気ポート壁の燃料壁流として多くが奪われるあいだは余分に燃料を噴射供給しており、燃料壁流の形成に多くが奪われなくなるタイミングより徐々に燃料噴射量を減少させている。
一方、点火時期は現状では、図2の第2段目に一点鎖線で示したように、t0のタイミングより始動用の点火時期である第1点火時期ADV1に設定され、t2のタイミングからは第1触媒9の暖機促進を図るため大きく遅角させた第2点火時期ADV2へと徐々に切換えられている。
ここで、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するt2のタイミングを境にして前と後に分けると、t2の後には、燃費向上の観点からはエンジン回転速度Neが吹き上がることなくアイドル時の目標回転速度NSETへと速やかに落ち着くことが望ましい。これは、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETを超えて吹き上がるとそれだけ燃料消費が増してしまうためである。
また、t2の後には実際の空燃比は理論空燃比に落ち着くことが望ましい。これは、暖機完了後の第1触媒9は理論空燃比を中心とする狭い範囲にあるときだけ有害三成分(HC、CO、NOx)を同時に浄化できるためである。
そこで、クランキングからのエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに達したt2のタイミングで、図2の第2段目に実線で示したように点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へとステップ的に遅角すると共に、燃費向上の観点より、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したt2のタイミングでエンジン回転速度Neをアイドル時の目標回転速度NSETに保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室5に供給されるように、スロットル弁位置から燃焼室5までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、図2の第5段目に実線で示したようにエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングよりも所定期間前のt1のタイミングよりスロットル弁23を開き始める構成を考えた(t1のタイミングは、(実験的手法に基づく)適合によって決めたり、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETより低く設定された所定の回転速度に到達したタイミングとして決めたりすることができる)。
そしてこの構成で実験してみたところ、もくろみ通りにエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に、このアイドル時の目標回転速度NSETを超えてエンジン回転速度が吹き上がることはなくなったのであるが、図2の第6段目に一点鎖線で示したように、実際の空燃比は、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングで理論空燃比(ストイキ)となっているものの、その後に燃焼安定限界ラインを超えてリーンとなり、この過度のリーン化によって、図2の第7段目の一点鎖線に示したようにHCが増加することが新たに判明した。
この原因は、主に吸気ポート4壁の燃料壁流にあると見当をつけて実験してみたところ、図2の第3段目に示したように、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングの後も吸気圧が低下し続けていた。すなわち、吸気ポート壁の燃料壁流量は燃料壁流が流れる部位の圧力(つまり吸気圧)や燃料壁流が流れる部位の吸気流速(吸気ポート4の吸気流速)に依存し、吸気圧が小さくなるほど小さくなる(これは吸気圧が小さくなるほど燃料の気化特性が良くなることによる)特質を、また吸気ポート4の吸気流速が大きくなるほど小さくなる(これは吸気ポート4の吸気流速が大きくなるほど燃料の気化特性が良くなることによる)特質を有するので、吸気圧や吸気ポートの吸気流速が変化している途中にあるt2のタイミングでの燃料壁流量よりも、吸気圧や吸気ポートの吸気流速が所定値に収束する(後に続く通常の変動の様子とほぼ変わらなくなって落ち付いた状態になる)t3のタイミングでの燃料壁流量のほうが小さくなる。燃焼室5に流入する燃料量にはこの燃料壁流量も含まれるので、t2よりt3の期間で燃料壁流量が減り続けることは、燃焼室5に流入する燃料量も、この燃料壁流量の減少に合わせて減り続けることを意味し、従って、t2のタイミングで混合気の空燃比が理論空燃比となっていても、燃料壁流量の減少に合わせて実際の空燃比がリーン側へと向かい、燃焼安定限界を超えてリーン化したものと思われる。
そこで本発明は、次の3つの操作を実行する。
〔1〕エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングからは特に第1触媒9の暖機促進を図りながらエンジン回転速度Neのアイドル時の目標回転速度NSETを超えての吹き上がりを抑制するために、図2の第2段目に実線で示したように、点火時期をt2で第1点火時期(始動用の点火時期)ADV1から第2点火時期(触媒暖機促進用の点火時期)ADV2へとステップ的に遅角する。こうした点火時期制御は気筒別に実行する。ここで、アイドル時とは、運転者がアクセルペダル41を踏み込んでいない状態をいう。アイドル時の目標回転速度NSETは適合値である。
〔2〕t2のタイミングよりエンジン回転速度Neをアイドル時の目標回転速度NSETに保持させるには、アイドル時の目標回転速度NSETを保持させるに必要な吸入空気量を燃焼室5に供給することであり、その燃焼室5への空気供給がt2のタイミングで完了している必要がある。この場合に、現状のエンジンで吸入空気量を制御するのは、吸気コレクタ2上流の吸気通路に設けられているスロットル弁23であり、従ってスロットル弁位置から燃焼室5までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、図2の第5段目に実線で示したように、t2よりも所定期間前のt1のタイミングよりスロットル弁23を所定値TVO1に向けて開き始め、t2のタイミングで所定値TVO1に落ち着くようにする。
〔3〕t2での点火時期のステップ遅角によりエンジン回転速度Neはアイドル時の目標回転速度NSETに落ち着くものの、その直後の吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化に伴う燃料壁流量の減少により空燃比の過度のリーン化が生じ、HCが増大してしまう(あるいはエンジン回転Neがアイドル時の目標回転速度NSETから却って低下してしまう)ので、このHCの増加を防ぐため、図2の第4段目に実線で示したように、スロットル弁23を開き始めるt1のタイミングを起点とし、吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が収まるt3までのあいだ、燃焼室5への燃料壁流量の減少分を補うように燃料噴射量を一時的に増量する。
ここで、現状の燃料噴射制御を前提として、上記〔3〕の操作を実行するため、始動後増量補正係数KASを用いる。これについて図3により詳述すると、図3の最上段は図2の最上段と同じである。また、図3の第2段目には上記〔1〕の操作による点火時期の動きを、第4段目には上記〔2〕の操作によるスロットル弁開度の動きを改めて示している。
まず現状では、図3の第3段目に一点鎖線で示したように、スタータスイッチ36をOFFよりONに切換えるt0のタイミングより始動後増量補正係数KASとして初期値KAS0(図では0.3)を設定し、その後にエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したt5のタイミングより所定の速度でゼロに向かって減少させている。これに対して本発明では、図3の第3段目に実線で示したように、t2のタイミングまで初期値KAS0を保持させ、t2のタイミングより所定の速度でゼロに向かって減少させる。すなわち、始動後増量補正係数KASを初期値KAS0から減少させるタイミングをt5よりt2まで遅らせる。これによって図3の第3段目にハッチングで示した面積部分が燃料増量分となり、空燃比の燃焼安定限界を超える過度のリーン化を防止できることとなる。
このように、始動後増量補正係数KASを初期値KAS0から減少させるタイミングをt5よりt2まで遅らせた(燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量した)ときに得られる実際の空燃比が、理論空燃比となることを確認している。すなわち、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、理論空燃比となるように、始動後増量補正係数KAS(燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分)を設定している。
ここでは、始動後増量補正係数KASをt5よりt2の間で一定(初期値KAS0)とし、その後に直線的に減少させているが、これに限られるものでない。要は、スロットル弁23を開き始めるt5のタイミングを起点とし、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングの後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が収束するt3のタイミングまでのあいだで、燃料噴射弁21からの燃料噴射量が一時的に増量されるように始動後増量補正係数KASを変化させればよい。
また、始動後増量補正係数KASを初期値KAS0から減少させるタイミングをt5よりt2まで遅らせることにより、燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量しているが、これに限られるものでない。例えば、始動後増量補正係数KASとは別に新たに増量補正係数を導入し、この増量補正係数によって、スロットル弁23を開き始めるt5のタイミングを起点とし、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに達したタイミングの後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が収束するt3までのあいだ、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量するようにしてもかまわない。
また、図3ではエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したt5のタイミングを、スロットル弁23を開き始めるタイミングとしているが、これに限定されるものでもない。
また、上記のように、O2センサ35が活性化したタイミングで空燃比のフィードバック制御を開始するのであるが、空燃比のフィードバック制御を開始するタイミングが、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングの後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が収束するt3のタイミングよりも前にくるようであれば、上記〔3〕の操作を中止して現状の操作に戻すことが好ましい。これは、空燃比のフィードバック制御により実際の空燃比が理論空燃比を中心とした所定のウインドウの幅内に収められ、これによって過度のリーン化を防止できるためである。
エンジンコントローラ31により実行されるこの制御を以下のフローチャートにより詳述する。
図4は完爆フラグと目標回転到達フラグを設定するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に実行する。
図4において、ステップ1ではエンジン回転速度Neを読み込む。エンジン回転速度Neはクランク角センサ(33、34)の信号に基づいて算出されている。
ステップ2では完爆フラグをみる。この完爆フラグはイグニッションスイッチ(図示しない)のOFFよりONへの切換時にゼロに初期設定されるフラグである。このため、当初は完爆フラグ=0であることよりステップ2からステップ3に進み、エンジン回転速度Neと完爆回転速度N0(例えば1000rpm)を比較する。完爆回転速度N0は適合値である。エンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達していなければそのまま今回の処理を終了する。
ステップ3でエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したとき(Ne≧N0)にはステップ4に進み、完爆回転速度N0に到達したことを示すため完爆フラグ=1とする。
ステップ5ではタイマを起動する(タイマ値TIME=0)。このタイマはエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したときからの経過時間を計測するためのものである。
上記の完爆フラグ=1により、次回からはステップ2よりステップ6に進むことになり、ステップ6でタイマ値TIMEと所定値DTを比較する。所定値DTは、エンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したタイミングからアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングまでの時間間隔で、予め適合しておく(図3参照)。タイマを起動した当初はタイマ値TIMEが所定値DT未満にあるので、ステップ7に進み、タイマ値TIMEを制御周期(100ms)の分だけインクリメントする。
ステップ7でのタイマ値TIMEのインクリメントを何度か繰り返すと、やがてタイマ値TIMEが所定値DT以上となる。このときにはステップ6よりステップ8に進み、アイドル時の目標回転速度NSETに到達したことを示すため目標回転到達フラグ(イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時にゼロに初期設定)=1とする。
図5は点火時期指令値及びスロットル弁目標開度を算出するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に、図4のフローに続けて実行する。
図5において、ステップ21ではイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるか否かをみる。イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるときにはステップ22に進み、水温センサ37により検出される冷却水温TWを始動時水温TWINTとして取り込み、この始動時水温TWINTに応じて第1点火時期ADV1を算出し、この算出した第1点火時期ADV1をステップ23で点火時期指令値ADVに移す。第1点火時期ADV1は始動に最適な点火時期で、大きく進角側にある。
ステップ24ではスロットル弁目標開度tTVOに初期値(例えばゼロ)を入れる。
イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時のあと、つまりイグニッションスイッチのON状態になると、ステップ21よりステップ25、26に進む。ステップ25、26では完爆フラグと目標回転到達フラグ(いずれのフラグも図4により設定されている)をみる。完爆フラグ=0であるときにはステップ27に進みイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時に算出した第1点火時期ADV1を維持する。このときもステップ24の操作を実行する。
完爆フラグ=1かつ目標回転到達フラグ=0であるときにはステップ26よりステップ28に進み、イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時に算出した第1点火時期ADV1を維持する。
ステップ29ではスロットル弁目標開度tTVOを次式により算出する。
tTVO=tTVO(前回)+ΔTVO …(1)
ただし、ΔTVO :一定値、
tTVO(前回):tTVOの前回値、
ここで、(1)式の所定値ΔTVOはスロットル弁目標開度の所定時間当たりの増し分を定める値であり、この値は、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングでスロットル弁目標開度tTVOが、後述する所定値TVO1に到達するように予め定めておく。スロットル弁目標開度の前回値である「tTVO(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。
ステップ30ではスロットル弁目標開度tTVOと所定値TVO1を比較する。所定値TVO1は、目標回転速度NSETを維持するトルクを発生させるのに必要な最低の吸入空気量が流れるときのスロットル弁開度である。所定値TVO1は予め適合により求めておく。
今回のエンジン運転時にステップ29を初めて経験した後ではスロットル弁目標開度tTVOは所定値TVO1未満であるので今回の処理をそのまま終了する。目標回転到達フラグ=1となるまではステップ29の操作を繰り返すことになり、スロットル弁目標開度tTVOが徐々に大きくなる。目標回転到達フラグ=1となる直前でスロットル弁目標開度tTVOが所定値TVO1以上となる。このときにはステップ30よりステップ31に進んでスロットル弁目標開度tTVOを前回と同じ値に維持する。
目標回転到達フラグ=1となったときにはステップ26よりステップ32に進み、水温センサ37により検出されるそのときの冷却水温TWに応じて第2点火時期ADV2を算出し、これをステップ33で点火時期指令値ADVに移す。
第2点火時期ADV2は、冷間始動時における第1触媒9の暖機促進用の点火時期で、第1触媒9の暖機完了後の点火時期よりも遅角側に設定されている。このため、点火時期は図3の第2段目に示したようにエンジン回転速度Neが目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングで第1点火時期ADV1より第2点火時期ADV2へとステップ的に切換わることとなる。
ステップ34ではスロットル弁目標開度tTVOを前回と同じ値(=TVO1)に維持する。
このようにして算出される点火時期指令値ADVは出力レジスタに移され、実際のクランク角がこの点火時期指令値ADVと一致したタイミングで点火コイルの一次側電流が遮断される。
また、スロットル弁目標開度tTVOを受けるスロット弁駆動装置では、実際のスロットル弁開度がこのスロットル弁目標開度tTVOと一致するようにスロットルモータ24を駆動する。
図6は目標当量比TFBYAを算出するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に実行する。
図6において、ステップ41ではイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるか否かをみる。イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるときにはステップ42に進み、始動後増量補正係数の初期値KAS0を、水温センサ37により検出される始動時水温TWINTに応じて算出し、これをステップ43で始動後増量補正係数KASに移す。始動後増量補正係数の初期値KAS0は始動時水温TWINTが低くなるほど大きくなる値である。
イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時のあと、つまりイグニッションスイッチのON状態になると、ステップ41よりステップ44に進む。ステップ44では目標回転到達フラグをみる(図4により設定されている)。目標回転到達フラグ=0であるときにはステップ45に進み始動後増量補正係数KASを前回と同じ値(つまり初期値KAS0)に維持する。
目標回転到達フラグ=1になったときにはステップ44よりステップ46に進み始動後増量補正係数KASとゼロを比較する。目標回転到達フラグ=1になったタイミングでは始動後増量補正係数KASはゼロより大きいため(初期値KAS0が入っているので)、ステップ47に進んで始動後増量補正係数KASを次式により算出する。
KAS=KAS(前回)−Δt×KAS(前回) …(2)
ただし、Δt :一定値、
KAS(前回):KASの前回値、
ここで、(2)式の所定値Δtは始動後増量補正係数KASの所定時間当たりの減少分を定める値であり、この値は吸気圧が一定値に収束するt3のタイミングでゼロとなるように、適合により予め定めておく。始動後増量補正係数の前回値である「KAS(前回)」の初期値はKAS0である。
目標回転到達フラグ=1である場合に、ステップ47の操作を繰り返すと、始動後増量補正係数KASが徐々に小さくなってゆく。従って、ステップ48で始動後増量補正係数KASとゼロを比較し、始動後増量補正係数KASが負の値になったときにはステップ49に進んで始動後増量補正係数KAS=0とする。
このようにして、始動後増量補正係数KASは、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致したタイミングより、徐々に小さくなりやがてゼロとなる値である。
現状では、始動後増量補正係数KASはエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したタイミングより徐々に小さくなるのであるが、本発明では、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致するタイミングまで初期値を維持し、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致したタイミングより徐々に小さくなる。
ステップ50、51は現状と同じである。すなわち、ステップ50では水温センサ37により検出されるそのときの冷却水温Twに応じて水温増量補正係数KTWを算出する。水温増量補正係数KTWは冷却水温Twが低くなるほど大きくなる値である。
ステップ51ではこの水温増量補正係数KTWと、上記の始動後増量補正係数KASとを用いて次式により目標当量比TFBYAを算出する。
TFBYA=1+KTW+KAS …(3)
目標当量比TFBYAは1.0を中心とする値で、エンジンの暖機完了後であれば、TFBYA=1(KTW=0、KAS=0)となり、これによって理論空燃比の混合気が得られる。冷間始動時には、上記の始動後増量補正係数KASが加わるため目標当量比TFBYAは1.0を超える値となるが、これは燃料壁流量を考慮しているからである。すなわち、冷間始動時に目標当量比TFBYAは1.0を超える値になるものの、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングより、理論空燃比の混合気が得られることとなる。
図7は燃料噴射パルス幅Tiを算出するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に、図6のフロートは独立に実行する。このフローは現状と同じである。
図7において、ステップ61では始動時燃料噴射パルス幅Ti1を次式により算出する。
Ti1=TST×KNST×KTST …(4)
ただし、TST :始動時基本噴射パルス幅、
KNST:回転速度補正係数、
KTST:時間補正係数、
これら始動時基本噴射パルス幅TST、回転速度補正係数KNST、時間補正係数KTSTの求め方は周知であるので、詳細な説明は省略する。
ステップ62ではエアフローメータ32の出力が入力したか否かをみる。エアフローメータ32の出力が入力していなければステップ63、64を飛ばしてステップ65に進み、この始動時燃料噴射パルス幅Ti1を最終の燃料噴射パルス幅Tiに移す。
一方、エアフローメータ32の出力が入力しているときにはステップ62よりステップ63に進み、図6により得ている目標当量比TFBYAを用いて次式により通常時の燃料噴射パルス幅Ti2を算出する。
Ti2=(Tp×TFBYA+Kathos)×(α+αm−1)×2+Ts
…(5)
ただし、Tp :基本噴射パルス幅、
TFBYA :目標当量比、
Kathos:過渡補正量、
α :空燃比フィードバック補正係数、
αm :空燃比学習値、
Ts :無効噴射パルス幅、
(5)式の基本噴射パルス幅Tp、過渡補正量Kathos、空燃比フィードバック補正係数α、空燃比学習値αm、無効噴射パルス幅Tsの求め方は周知である。例えば、基本噴射パルス幅Tpは次式により算出される。
Tp=K×Qa/Ne …(6)
ただし、Qa:エアフローメータ32より算出される吸入空気量、
(6)式の定数Kにより、混合気の空燃比が理論空燃比となるように設定されている。従って、上記の始動後増量補正係数KASがゼロを超える正の値である間は、燃料噴射弁21からの燃料噴射量(燃料噴射パルス幅Ti)が増量補正されることとなる。
なお、(5)式の過渡補正量Kathosは吸気ポート壁の燃料壁流量を考慮し、基本的にエンジンの負荷、回転速度及び燃料付着部の温度に基づいて算出される値であるので、始動時にはこの過渡補正量Kathosにより、燃料噴射量のうちから吸気ポート壁の燃料壁流として奪われる分だけ燃料噴射量を増量する側に働くと考えられるが、それでも、実験によれば、上記のように空燃比の過度のリーン化を招いたことになる。これは、過渡補正量Kathosの算出に、吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化までは考慮していないためである。
ステップ64〜66では始動時燃料噴射パルス幅Ti1と通常時燃料噴射パルス幅Ti2とを比較し、値の大きい方を最終の燃料噴射パルス幅Tiとして選択する。
上記の始動後増量補正係数KASが燃料噴射に用いられるのは、通常時燃料噴射パルス幅Ti2が最終の燃料噴射パルス幅Tiとして採用される場合である。すなわち、本発明では、図3においてt5のタイミング直前においては、始動時燃料噴射パルス幅Ti1より通常時燃料噴射パルス幅Ti2のほうが大きくなっていることを前提としている。
このようにして算出された燃料噴射パルス幅Tiは出力レジスタに移され、所定の燃料噴射タイミングになると、このパルス幅Tiの間だけ各気筒の燃料噴射弁21がシーケンシャルに開かれる。
以上図1〜図7を用いて説明したところは、実際には本発明の前提となる先行発明(特願2006−101497参照)の技術内容で、本発明はこの先行発明の改良発明として位置づけられるものである。
そこで、次には先行発明に対して本発明により変更した部分を説明する。
図9のフローチャートは本発明の第1実施形態で、先行発明の図5と置き換わるものである。
先行発明では可変バルブリフト機構26、可変バルブタイミング機構27のいずれも備えないエンジンを対象として述べたが、本発明の第1実施形態は、可変バルブタイミング機構27を備えるエンジンを対象としている。なお、可変バルブリフト機構26を備えるものは本発明の対象外というのではない。可変バルブタイミング機構27と可変バルブリフト機構26を総称して「可変バルブタイミング・リフト機構」というとすれば、いずれの機構27、26も可変バルブタイミング・リフト機構の一態様である。
さて、可変バルブタイミング機構(以下「VTC機構」という。)27を備えるエンジンでは、冷間始動時にVTC機構27を作動させて吸気バルブ15の開閉タイミングを、デフォルト位置(VTC機構27の非作動時の位置のこと)より初期位置まで進角側に移動させ、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを大きくするようにしている。これは、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップ中の排気ポートより吸気ポート4への高温の排気の吹き返しを利用して冷間始動時における、主に吸気ポート4壁の燃料壁流の霧化を促進するためである。
しかしながら、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを大きくして燃焼室内残留ガス量を増やしたとき、その燃焼室内残留ガス量のバラツキにより燃焼変動が生じ、アイドル回転速度に変動が生じる。このようにアイドル回転速度の変動が生じたのでは、エンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度NSETに維持することが難しくなる。
そこで、本発明の第1実施形態では、冷間始動時に吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを大きくするエンジンを前提として、エンジンの燃焼変動量を推定し、その推定した燃焼変動量を予め定めている閾値付近に維持させる。ここで、閾値としてはこれ以上、燃焼変動量が大きくなってはならない限界値を予め設定しておく。具体的には、図8に示したように、クランキングからのエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングt2以降において、トルク変動の分散値σPiを算出し(燃焼変動量を推定し)、その算出したトルク変動の分散値σPiがt6のタイミングで予め定めている閾値を超えるまでは、触媒暖機促進用の点火時期を第2点火時期ADV2より所定の速度で遅角側へと補正し、排気の高温化を図って第1触媒9の一層の暖機を促進させる。この遅角補正により燃焼状態が悪くなってトルク変動の分散値σPiがt6のタイミングで閾値を超えるたときには、今度は触媒暖機促進用の点火時期をt6の直前の値を基準として所定の速度で進角側へと補正することにより燃焼を良好にしてアイドル回転速度を安定させ、トルク変動の分散値σPiが閾値を下回るようにする。そして、この進角補正によりトルク変動の分散値σPiがt7のタイミングで閾値を下回ったらt7の直前の値を基準として再び所定の速度で遅角側に補正し排気の高温化を図って第1触媒9の暖機を促進させる。
図9において、先行発明の図5と相違する部分を主に説明すると、先行発明の図5に対してステップ71〜74が新たに追加されている。すなわち、ステップ71ではトルク変動の分散値σPiと閾値を比較する。閾値としてはこれ以上トルク変動の分散値が大きくなってはならない限界値を予め設定しておく。トルク変動の分散値σPiが閾値未満であるときには燃焼が安定していると判断し、ステップ72に進んで点火時期補正量hAD1を次式により算出する。
hAD1=hAD1(前回)−ΔAD1 …(7)
ただし、ΔAD1 :一定値、
hAD1(前回):hAD1の前回値、
ここで、(7)式の所定値ΔAD1は点火時期の所定時間当たりのリタード量を定める値である。点火時期補正量の前回値である「hAD1(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。このため、トルク変動の分散値σPiが閾値未満である状態が続けば、つまり閾値までの余裕分だけ点火時期をリタードさせて、一層の触媒暖機促進を図るため、点火時期補正量hAD1は負の値で大きくなってゆく。
一方、トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときには燃焼が不安定であると判断し、ステップ71よりステップ72に進んで、点火時期補正量hAD1を次式により算出する。
hAD1=hAD1(前回)+ΔAD2 …(8)
ただし、ΔAD2 :一定値、
hAD1(前回):hAD1の前回値、
ここで、(8)式の所定値ΔAD2は点火時期の所定時間当たりの進角量を定める値である。点火時期補正量の前回値である「hAD1(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。このため、トルク変動の分散値σPiが閾値以上である状態が続けば、つまり閾値を超えて燃焼不安定であれば点火時期を進角させて燃焼状態を安定させるため、点火時期補正量hAD1は正の値で大きくなってゆく。
ステップ73ではこのようにして算出された点火時期補正量hAD1を第2点火時期ADV2に加算した値を点火時期指令値ADVとする。点火時期指令値ADVの単位は圧縮上死点より進角側に計測したクランク角であるため、点火時期補正量hAD1が負の値であればリタード補正量となり、点火時期補正量hAD1が正の値であれば進角補正量となる。すなわち、トルク変動の分散値σPiが閾値未満である状態が続けば点火時期を徐々にリタードさせ、トルク変動の分散値σPiが閾値以上である状態が続けば点火時期を徐々に進角させることとなる。
上記のトルク変動の分散値σPiは失火パラメータMIC(の平均値)との間に相関(比例関係)があるので、図示しない別のフローにおいてこの失火パラメータMICに比例させて求めればよい。失火パラメータMICの求め方については特開平9−68095号公報に詳しいので、ここではその説明を省略する。
ここで、本発明の第1実施形態の作用効果を説明する。
まず先行発明と同一の作用効果を先に説明する。
本発明の第1実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、クランキングからのエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2(触媒暖機促進用の点火時期)へとステップ的に遅角し(図5のステップ26、32参照)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングでエンジン回転速度Neをアイドル時の目標回転速度NSETに保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室5に供給されるように、スロットル弁位置から燃焼室5までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングよりも所定期間DT前のタイミングt1よりスロットル弁23を開き始めるので(図5のステップ25、26、29、30、31参照)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後の吹き上がりを抑制しながら早期に排気温度を上昇させることが可能となり(図2最下段の実線参照)、無駄な燃料消費を抑制しつつ触媒活性時間を短くすることができる。
この場合に、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後も暫くのあいだ吸気圧や吸気ポート4の吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあり、この場合には、吸気圧や吸気ポート4の吸気流速の変化に伴って吸気ポート壁の燃料壁流量が減少し、その分燃焼室5に供給される燃料量が不足し、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなり、HCの増加やアイドル時の目標回転速度NSETからの回転落ちを招くことになるのであるが、本発明の第1実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、スロットル弁23を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に吸気圧または吸気ポート4の吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、始動後増量補正係数KASを用いて、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量するので(図6のステップ44、45、51参照)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に吸気圧や吸気ポート4の吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあっても、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなることを防止できる。この結果、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後におけるHCの増加やアイドル時の目標回転速度NSETからの回転落ちを抑制できる(図2第7段目の実線参照)。
次に、先行発明を改良した部分の作用効果を説明する。
エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミング以降の燃焼変動の原因として、触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキが考えられるのであるが、本発明の第1実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、エンジンのトルク変動の分散値σPiを算出し(燃焼変動量を推定し)、この算出したトルク変動の分散値σPiに基づき、トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときには触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正するので(図9のステップ26、32、71、74、73参照)、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降の触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動を抑制することができる。
また、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミング以降にエンジンのトルク変動の分散値σPiが閾値未満であるときには触媒暖機促進用の点火時期を遅角側に補正するので(図9のステップ26、32、71、72、73参照)、排気を一層高温化することができ、第1触媒9の暖機を促進させることができる。
次に、図12(A)、図12(B)のフローチャートは本発明の第2実施形態の点火時期指令値、スロットル弁目標開度及び目標VTC作動角を算出するためのもので、第1実施形態の図9と置き換わるものである。先行発明の図5、第1実施形態の図9と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
さて、空燃比フィードバック制御開始後であれば、空燃比バラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキがあっても空燃比フィードバック制御により解消されていると考えられるため、空燃比フィードバック制御開始後における燃焼変動の原因は、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップのバラツキ、つまりVTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキにあるか、または触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキにあると考えられる。
そこで第2実施形態は、冷間始動時にVTC機構27を作動させて吸気バルブ15の開閉タイミングをデフォルト位置より初期位置まで進角側に移動させ、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを大きくするようにしているものを対象として、次のように制御する。
〈1〉エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降で空燃比フィードバック制御開始後において、トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときに、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップが小さくなる側にVTC作動角(VTC機構27に与える指令値)を補正するかまたは触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正する。
〈2〉吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップが小さくなる側にVTC作動角を補正することによってトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときのVTC作動角を学習値1(第1学習値)として記憶し、次回のクランキング開始時にVTC作動角をこの学習値1に設定する。
〈3〉触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによってトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときの触媒暖機促進用の点火時期を学習値2(第2学習値)として記憶し、次回のクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)からこの学習値2へとステップ的に遅角する。
〈4〉VTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのバラツキと、触媒暖機促進用の点火時期のバラツキとを比較すると、VTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのほうが部品バラツキ等でばらつき易い。これに対し、触媒暖機促進用の点火時期のバラツキは比較的小さい。そこで、VTC作動角を先に補正し、VTC作動角を限界値まで補正してもトルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときに、VTC作動角を限界値に維持したまま、続いて触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正する。
以下では特に上記〈1〉、〈3〉について図10を参照して、また上記〈1〉、〈4〉について図11を参照して詳細に説明する。
図10に示したように、空燃比フィードバック制御を開始するt11のタイミングで、トルク変動の分散値σPiが閾値を超えていれば(図10第3段目参照)、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップが小さくなる側、つまりVTC作動角(VTC機構27に与える指令値)を徐々に小さくして吸気バルブ15の開閉タイミングを遅角する側に補正し(図10第4段目参照)、燃焼室内残留ガス量を減らすことで燃焼が安定する方向に向かわせる。そして、t12のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まったので(図10第3段目参照)、そのときのVTC作動角(=A)に維持すると共に(第4段目参照)、そのときのVTC作動角を学習値1(=A)として記憶し、次回のエンジン始動時に活かす。
図10の上4段はVTC作動角の学習前を示すのに対して、図10の下2段はVTC作動角の学習後を示している。すなわち、VT作動角の学習後にはVTC作動角を学習値1(=A)に設定してクランキングを開始する(図10最下段参照)。これにより、VTC作動角の学習前と同じt11のタイミングで空燃比フィードバック制御が開始されるとすると、VTC作動角の学習後にはt11のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値以下に収まっている(図10下から第2段目参照)。
一方、図11には、VTC作動角を限界値(=a)まで小さくしたのにトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まらなかった場合を示している。ここでVTC作動角の限界値は排気要求のために一定のオーバーラップは確保したいという要求から定まり、予め適合しておく。VTC作動角を初期位置(ROM設定初期値)より限界値まで小さくしたt14のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まらなければ(図11第3段目参照)、これ以上はVTC作動角を小さくできないので、限界値までVTC作動角を小さくしたことの情報を保存する。そして、t14のタイミングからはVTC作動角を限界値に維持したまま(図11第4段目参照)、今度は触媒暖機促進用の点火時期を第2点火時期ADV2より徐々に進角補正することで(図11第5段目参照)、燃焼が安定する方向に向かわせる。図ではt15のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まったので(図11第3段目参照)、そのときの触媒暖機促進用の点火時期(=B)を学習値2(=B)として記憶し(図11第5段目参照)、次回のエンジン始動時に活かす。
図11の上5段は触媒暖機促進用の点火時期の学習前を示すのに対して、図11の下3段は触媒暖機促進用の点火時期の学習後を示している。すなわち、触媒暖機促進用の点火時期の学習後にはVTC作動角を限界値(=a)に設定してクランキングを開始し(図11下から第2段目参照)、かつクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1より触媒暖機促進用の点火時期である学習値2(=B)に切換える(図11最下段参照)。こうした制御により、燃焼安定度がよくなるため、触媒暖機促進用の点火時期の学習前と同じt11のタイミングで空燃比フィードバック制御が開始されるとすると、触媒暖機促進用の点火時期の学習後にはこのt11のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値以下に収まっている(図11下から第3段目参照)。
図12(A)、図12(B)において、先行発明の図5と相違する部分を主に説明すると、目標到達フラグ=1であるときにはステップ32の操作を行った後、図12(B)に進む。ステップ81〜87については後述する。
図12(B)においてステップ88では空燃比のフィードバック制御開始後であるか否かをみる。O2センサ35が活性化していなければ空燃比のフィードバック制御開始前にあると判断し、先行発明と同じにステップ33、34の操作を実行する。
2センサ35が活性化していれば空燃比のフィードバック制御開始後であると判断し、ステップ88よりステップ89に進んでトルク変動の分散値σPiと閾値を比較する。トルク変動の分散値σPiは失火パラメータMIC(の平均値)との間に相関(比例関係)があるので、第1実施形態と同じに別のフローにおいてこの失火パラメータMICに比例させて求めればよい。トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときには燃焼が不安定であると判断し、ステップ90以降に進み、目標VTC作動角tVTCを限界値aまでの範囲で徐々に小さくしてゆく、つまり吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを小さくしてゆくことで燃焼が安定する方向に向かわせる。そのためにはまずステップ90でVTC限界フラグ(工場出荷時にゼロに初期設定)=1であるか否か、またステップ91で目標VTC作動角tVTCが限界値aに達しているか否かをみる。今は、VTC限界フラグ=0でありかつ目標VTC作動角tVTCが限界値aより大きくて限界値aに達していないとすると、このときにはステップ92に進み、VTC作動角の減少補正量hVTCを次式により算出し、ステップ93でVTC作動角の初期値からこのVTC作動角の減少補正量hVTCを差し引いた値を目標VTC作動角tVTCとして設定し、ステップ94で第2点火時期ADV2を点火時期指令値ADVに移す。
hVTC=hVTC(前回)+ΔVTC …(9)
ただし、ΔVTC :一定値、
hVTC(前回):hVTCの前回値、
ここで、(9)式の所定値ΔVTCはVTC作動角の所定時間当たりの減少量を定める値である。VTC作動角の減少補正量の前回値である「hVTC(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。このため、トルク変動の分散値σPiが閾値以上である状態が続けば、つまり閾値を超えて燃焼不安定であればVTC作動角を小さくして吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを縮小し燃焼状態を安定させるため、VTC作動角の減少補正量hVTCは正の値で大きくなってゆき、これに伴い目標VTC作動角tVTCは小さくなって限界値aへと近づいてゆく。
上記のVTC作動角の初期値はクランキングの開始より吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップを大きくしておくために予め設定している値である。
こうしたVTC作動角の減少補正によりトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときには、ステップ89よりステップ95に進み、VTC限界フラグをみる。ここでは目標VTC作動角tVTCが限界値aに到達する前にトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まっているので、VTC限界フラグ=0である。このため、ステップ95よりステップ96に進み、そのときのVTC作動角の減少補正量hVTCの値(前回にステップ92で得ている値)を減少補正量学習値として所定のメモリに格納し、ステップ97ではVTC作動角の減少補正量の学習済みであることを表すため学習済フラグ1=1とする。この学習済フラグ1の値はエンジン停止後も消失しないようにEEPROMなどに記憶させておく。ステップ98ではVTC作動角の初期値から減少補正量学習値を差し引いた値を目標VTC作動角tVTCとして設定し、ステップ99で第2点火時期ADV2を点火時期指令値ADVに移す。
一方、トルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まらないまま、目標VTC作動角tVTCが限界値a以下となったときにはステップ91よりステップ100に進み、目標VTC作動角tVTCが限界値aにまで小さくなったことを表すためVTC限界フラグ=1とし、ステップ101で目標VTC作動角tVTCを限界値aに設定する。
ステップ102では、点火時期の進角補正量hAD2を次式により算出し、ステップ103でこのようにして算出された点火時期の進角補正量hAD2を第2点火時期ADV2に加算した値を点火時期指令値ADVとする。
hAD2=hAD2(前回)+ΔAD2 …(10)
ただし、ΔAD2 :一定値、
hAD2(前回):hAD2の前回値、
ここで、(10)式の所定値ΔAD2は点火時期の所定時間当たりの進角量を定める値である。点火時期の進角補正量の前回値である「hAD2(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。このため、トルク変動の分散値σPiが閾値以上である状態が続けば、つまり閾値を超えて燃焼不安定であれば点火時期を進角させて燃焼状態を安定させるため、点火時期の進角補正量hAD1は正の値で大きくなってゆき、触媒暖機促進用の点火時期を第2点火時期ADV2より徐々に進角させることとなる。
こうした触媒暖機促進用の点火時期の進角補正によりトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときには、ステップ89よりステップ95に進み、VTC限界フラグをみる。ここでは目標VTC作動角tVTCが限界値aに到達した後に、触媒暖機促進用の点火時期の進角補正によりトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まっているので、VTC限界フラグ=1となっている。このため、ステップ95よりステップ104に進み、そのときの触媒暖機促進用の点火時期の進角補正量hADVの値(前回にステップ102で得ている)を進角補正量学習値として所定のメモリに格納し、ステップ105では触媒暖機促進用の点火時期の進角補正量hADVの学習済みであることを表すため学習済フラグ2=1とする。この学習済フラグ2の値についてもエンジン停止後に消失しないようにEEPROMなどに記憶させておく。ステップ106では第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値を点火時期指令値ADVとして設定し、ステップ106で目標VTC作動角tVTCを限界値aに設定する。
次回のエンジン運転時になると、図12(A)を開始することになる。この場合に、イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時にはステップ81、82に進んでくるので、EEPROMなどに記憶されている学習済フラグ1、学習済フラグ2の各値をみる。学習済フラグ1=0かつ学習済フラグ2=0であるときには、ステップ85でVTC作動角の初期値を目標VTC作動角tVTCとして設定する。この操作は第1実施形態の図9には示さなかったが、第1実施形態と同じである。
一方、学習済フラグ1=1であるときにはステップ81よりステップ83に進み、VTC作動角の初期値から減少補正量学習値を差し引いた値を目標VTC作動角tVTCとして設定する。図10と比較すると、VTC作動角の初期値から減少補正量学習値を差し引いた値が学習値1(=A)に相当する。学習済フラグ1=0かつ学習済フラグ2=1であるときにはステップ81、82よりステップ84に進み、限界値aを目標VTC作動角tVTCとして設定する。
その後に目標到達フラグ=1となったときにはステップ26よりステップ86に進んでEEPROMなどに記憶されている学習済フラグ2の値をみる。学習済フラグ2=0であるときにはステップ32の操作を実行した後に図12(B)に進んで前述したところを繰り返す。
一方、学習済フラグ2=1であるときにはステップ86よりステップ87に進み、第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値を点火時期指令値ADVとして設定する。図11と比較すると、第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値が学習値2(=B)に相当する。
ここで、第2実施形態の作用効果を説明する。
空燃比フィードバック制御開始後であれば、空燃比バラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキがあっても空燃比フィードバック制御により解消されていると考えられるため、空燃比フィードバック制御開始後における燃焼変動の原因は、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップのバラツキ、つまりVTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキにあるかまたは第2点火時期ADV2(触媒暖機促進用の点火時期)のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキにあると考えられる。
この場合に、第2実施形態(請求項2、9に記載の発明)によれば、エンジンのトルク変動の分散値σPiを算出し(燃焼の変動量を推定し)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミング以降で空燃比フィードバック制御開始後にこの算出したトルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときに、吸気バルブ15の開期間と排気バルブ16の開期間のオーバーラップが小さくなる側にVTC作動角(可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値)を補正するかまたは触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正するので(図12(B)のステップ88〜94、100〜103参照)、VTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのバラツキや触媒暖機促進用の点火時期のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動を抑制することができる。
また、VTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのバラツキと触媒暖機促進用の点火時期のバラツキを比較すると、VTC機構27による吸気バルブ15の開閉タイミングのほうが部品バラツキ等でばらつき易い。これに対し、触媒暖機促進用の点火時期のバラツキは比較的小さい。第2実施形態(請求項5、12に記載の発明)によれば、第1ステップとして、バラツキの大きい方であるVTC作動角(可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値)から先に補正し、バラツキの小さい方である触媒暖機促進用の点火時期の補正を後にするので、より効果的に燃焼の安定を図ることが可能となる。
次に、図15のフローチャートは第3実施形態で、先行発明、第1、第2の実施形態の図7と置き換わるものである。先行発明、第1、第2の実施形態の図7と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
第3実施形態は、第2実施形態を前提とするものである。すなわち、第2実施形態により、今回のエンジン運転開始後の制御で、VTC作動角を限界値に維持した状態で触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによってトルク変動の分散値σPiが閾値未満になったときの触媒暖機促進用の点火時期についてはその進角補正量を学習済みであるので、次回のクランキング開始時にVTC作動角を限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値(つまり学習値2)へとステップ的に遅角することになる。すると、この後、つまり、点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値(つまり学習値2)へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、燃焼変動が再び生じるとすれば、その燃焼変動の原因は空燃比のバラツキにあると特定できることとなる。
そこで第3実施形態は、今回のエンジン運転開始後に触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによってトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときの、触媒暖機促進用の点火時期の進角補正量を進角補正量学習値として記憶し、次回のクランキング開始時にVTC作動角を限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値(つまり学習値2)へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときには空燃比をリッチ側に補正するものである。
具体的には図13に示したように、次回のクランキング開始時にt0のタイミングでVTC作動角を限界値(=a)に設定してクランキングを開始し、クランキングからのエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングt2で触媒暖機促進用の点火時期を第1点火時期ADV1から学習値2(=B)に切換えているにも拘わらず、トルク変動の分散値σPiが閾値を上回っていることから、t2のタイミング以降、空燃比フィードバック制御開始前の期間において、空燃比をリッチ側に補正、つまり燃料噴射パルス幅を増量補正して、燃焼が安定する方向に向かわせる。そして、空燃比フィードバック制御開始前のt17のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値未満に収まったので(図13第4段目参照)、そのときの燃料噴射パルス幅(例えばC)に維持すると共に、そのときの燃料噴射パルス幅(=C)を学習値3(第3学習値)として記憶し、次回のエンジン始動時に活かす。
図13が燃料噴射パルス幅の学習前を示すのに対して、図14は燃料噴射パルス幅の学習後つまり前記次回の次の回のクランキング開始からの作用を示している。すなわち、燃料噴射パルス幅の学習後には、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するt2のタイミングで燃料噴射パルス幅を学習値3(=C)に設定する(図14最下段参照)。こうした制御により、空燃比のバラツキがあっても、その空燃比のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動の悪化が抑制されるため、空燃比フィードバック制御を開始する前のt18のタイミングでトルク変動の分散値σPiが閾値以下に収まっている(図14第4段目参照)。
図15において、先行発明、第1、第2の実施形態の図7と相違する部分を主に説明すると、ステップ111では目標到達フラグをみる。目標到達フラグ=0であるときにはそのまま今回の処理を終了する。
目標到達フラグ=1であるときにはステップ112に進み学習済フラグ3をみる。この学習済フラグ3は工場よりの出荷時にゼロに初期設定している。ここでは、学習済フラグ3=0であるとすると、ステップ113、114に進み、EEPROMなどに記憶されている学習済フラグ2の値(図12(B)のステップ105で設定され記憶されている)をみると共に、空燃比のフィードバック制御開始前であるか否かを判定する。学習済フラグ2=0であるかまたは空燃比のフィードバック制御開始後であるときにはそのまま今回の処理を終了する。
学習済フラグ2=1かつ空燃比のフィードバック制御開始前であるときにはステップ115に進んでトルク変動の分散値σPiと閾値を比較する。トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときには燃焼が不安定でありその原因は空燃比のバラツキにあると判断し、ステップ116に進み、燃料噴射パルス幅の増量補正量hTiを次式により算出し、ステップ117で通常時燃料噴射パルス幅Ti2にこの燃料噴射パルス幅の増量補正量hTiを加算した値を燃料噴射パルス幅Tiとして設定する。
hTi=hTi(前回)+ΔTi …(11)
ただし、ΔTi :一定値、
hTi(前回):hTiの前回値、
ここで、(11)式の所定値ΔTiは燃料噴射パルス幅の所定時間当たりの増加量を定める値である。燃料噴射パルス幅の増量補正量の前回値である「hTi(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。このため、トルク変動の分散値σPiが閾値以上である状態が続けば、つまり閾値を超えて燃焼不安定であれば燃料噴射パルス幅を大きくして燃焼状態を安定させるため、燃料噴射パルス幅の増量補正量hTiは正の値で大きくなってゆく。つまり空燃比をリッチ側に補正することで燃焼が安定する方向に向かわせる。
目標到達フラグ=1となって以降のこうした燃料噴射パルス幅の増量補正によりトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときには、ステップ115よりステップ118に進み、燃料噴射パルス幅の増量補正量hTi(前回にステップ116で得られている)を増量補正量学習値として所定のメモリに格納し、ステップ119では燃料噴射パルス幅の増量補正量の学習済みであることを表すため学習済フラグ3=1とする。この学習済フラグ3の値はエンジン停止後も消失しないようにEEPROMなどに記憶させておく。ステップ120では通常時燃料噴射パルス幅Ti2にこの増量補正量学習値を加算した値を燃料噴射パルス幅Tiとして設定する。図13と比較すると、通常時燃料噴射パルス幅Ti2にこの増量補正量学習値を加算した値が学習値3に相当する。
学習済フラグ3=1により、次回のクランキング開始後にはステップ112よりステップ121に進み通常時燃料噴射パルス幅Ti2に増量補正量学習値を加算した値を燃料噴射パルス幅Tiとして設定する。
ここで、第3実施形態の作用効果を説明する。
第3実施形態(請求項6、13に記載の発明)によれば、触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによってトルク変動の分散値σPi(推定した燃焼変動量)が閾値未満となったときの、触媒暖機促進用の点火時期の進角補正量を進角補正量学習値として記憶し、次回のクランキング開始時にVTC作動角を限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで触媒暖機促進用の点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値(つまり学習値2)へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、トルク変動の分散値σPiが閾値以上であるときには燃料噴射パルス幅を増量側に補正する(空燃比をリッチ側に補正する)ので(図15のステップ111〜117参照)、空燃比のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動の悪化も抑制できる。
第3実施形態(請求項7、14に記載の発明)によれば、前記次回のクランキング開始後に燃料噴射パルス幅を増量側に補正する(空燃比をリッチ側に補正する)ことによってトルク変動の分散値σPiが閾値未満となったときの燃料噴射パルス幅の増量補正量を増量補正量学習値として記憶し、前記次回の次の回のクランキング開始時にVTC作動角を限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値(つまり第2学習値)へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、燃料噴射パルス幅を通常時燃料噴射パルス幅Ti2に増量補正量学習値を加算した値に設定する(つまり空燃比を学習値3に設定する)ので(図15のステップ112、121参照)、前記次回の次の回のクランキング開始時にVTC作動角を限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2に進角補正量学習値を加算した値(つまり第2学習値)へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、空燃比のバラツキに起因する燃焼室内残留ガス量のバラツキに伴う燃焼変動の悪化を抑制できる。
請求項1に記載の点火時期遅角処理手順は、図5のステップ26、32、33により、吸入空気量供給処理手順は図5のステップ25、26、29、30、31により、燃料噴射量増量処理手順は図6のステップ44、45、51により、燃焼変動量推定処理手順は図9のステップ71により、点火時期補正処理手順は図9のステップ71、74、73によりそれぞれ果たされている。
請求項2に記載の点火時期遅角処理手順は、図5のステップ26、32、33により、吸入空気量供給処理手順は図5のステップ25、26、29、30、31により、燃料噴射量増量処理手順は図6のステップ44、45、51により、燃焼変動量推定処理手順は図12(B)のステップ89により、指令値・点火時期補正処理手順は図9のステップ89〜94、100〜103によりそれぞれ果たされている。
請求項8に記載の点火時期遅角手段の機能は、図5のステップ26、32、33により、吸入空気量供給手段の機能は図5のステップ25、26、29、30、31により、燃料噴射量増量手段の機能は図6のステップ44、45、51により、燃焼変動量推定手段の機能は図9のステップ71により、点火時期補正手段の機能は図9のステップ71、74、73によりそれぞれ果たされている。
請求項9に記載の点火時期遅角手段の機能は、図5のステップ26、32、33により、吸入空気量供給手段の機能は図5のステップ25、26、29、30、31により、燃料噴射量増量手段の機能は図6のステップ44、45、51により、燃焼変動量推定手段の機能は図12(B)のステップ89により、指令値・点火時期補正手段の機能は図9のステップ89〜94、100〜103により
それぞれ果たされている。
先行発明のエンジンの制御装置の概略構成図。 先行発明の作用を現状の制御と比較して説明するための波形図。 先行発明の制御方法を説明するための波形図。 先行発明の2つのフラグの設定を説明するためのフローチャート。 先行発明の点火時期指令値及びスロットル弁目標開度の算出を説明するためのフローチャート。 先行発明の目標当量比の算出を説明するためのフローチャート。 先行発明の燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャート。 本発明の第1実施形態の作用を説明するための波形図。 本発明の第1実施形態の点火時期指令値及びスロットル弁目標開度の算出を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の作用を説明するための波形図。 第2実施形態の作用を説明するための波形図。 第2実施形態の点火時期指令値、スロットル弁目標開度及び目標VTC作動角の算出を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の点火時期指令値、スロットル弁目標開度及び目標VTC作動角の算出を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の作用を説明するための波形図。 第3実施形態の作用を説明するための波形図。 第3実施形態の燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャート。
符号の説明
5 燃焼室
9 第1触媒
14 点火プラグ
21 燃料噴射弁
23 スロットル弁
27 VTC機構(可変バルブタイミング・リフト機構)
31 エンジンコントローラ
33、34 クランク角センサ
36 スタータスイッチ
37 水温センサ

Claims (14)

  1. 触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えるエンジンにおいて、
    クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角する点火時期遅角処理手順と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める吸入空気量供給処理手順と、
    前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する燃料噴射量増量処理手順と、
    エンジンの燃焼変動量を推定する燃焼変動量推定処理手順と、
    この推定した燃焼変動量に基づいて前記触媒暖機促進用の点火時期を補正する点火時期補正処理手順と
    を含むことを特徴とするエンジンの制御方法。
  2. 触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えると共に、吸気バルブの開閉タイミングを可変に制御し得る可変バルブタイミング・リフト機構を備え、クランキング開始に際して吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバラップが大きくなるように、この可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を設定しているエンジンにおいて、
    クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角する点火時期遅角処理手順と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める吸入空気量供給処理手順と、
    前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する燃料噴射量増量処理手順と、
    エンジンの燃焼変動量を推定する燃焼変動量推定処理手順と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降で空燃比フィードバック制御開始後にこの推定した燃焼変動量が閾値以上であるときに、クランキング開始に際して大きくなるように設定された吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップが小さくなる側に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を補正するかまたは前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正する指令値・点火時期補正処理手順と
    を含むことを特徴とするエンジンの制御方法。
  3. 吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップが小さくなる側に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの、前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を第1学習値として記憶し、次回のクランキング開始時に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値をこの第1学習値に設定することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  4. 前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの、前記触媒暖機促進用の点火時期を第2学習値として記憶し、次回のクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期からこの第2学習値へとステップ的に遅角することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  5. 前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を先に補正し、前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を限界値まで補正しても前記推定した燃焼変動量が閾値以上であるときに、前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  6. 前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの、前記触媒暖機促進用の点火時期を第2学習値として記憶し、次回のクランキング開始時に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を前記限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期からこの第2学習値へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、前記推定した燃焼変動量が閾値以上であるときには空燃比をリッチ側に補正することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの制御方法。
  7. 前記空燃比をリッチ側に補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの空燃比を第3学習値として記憶し、前記次回の次の回のクランキング開始時に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を前記限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から前記第2学習値へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、空燃比を前記第3学習値に設定することを特徴とする請求項6に記載のエンジンの制御方法。
  8. 触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えるエンジンにおいて、
    クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角する点火時期遅角手段と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める吸入空気量供給手段と、
    前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する燃料噴射量増量手段と、
    エンジンの燃焼変動量を推定する燃焼変動量推定手段と、
    この推定した燃焼変動量に基づいて前記触媒暖機促進用の点火時期を補正する点火時期補正手段と
    を含むことを特徴とするエンジンの制御装置。
  9. 触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えると共に、吸気バルブの開閉タイミングを可変に制御し得る可変バルブタイミング・リフト機構を備え、クランキング開始に際して吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバラップが大きくなるように、この可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を設定しているエンジンにおいて、
    クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角する点火時期遅角手段と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める吸入空気量供給手段と、
    前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化が収束するまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する燃料噴射量増量手段と、
    エンジンの燃焼変動量を推定する燃焼変動量推定手段と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミング以降で空燃比フィードバック制御開始後にこの推定した燃焼変動量が閾値以上であるときに、クランキング開始に際して大きくなるように設定された吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップが小さくなる側に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を補正するかまたは前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正する指令値・点火時期補正手段と
    を含むことを特徴とするエンジンの制御装置。
  10. 吸気バルブの開期間と排気バルブの開期間のオーバーラップが小さくなる側に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの、前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を第1学習値として記憶し、次回のクランキング開始時に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値をこの第1学習値に設定することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの、前記触媒暖機促進用の点火時期を第2学習値として記憶し、次回のクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期からこの第2学習値へとステップ的に遅角することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  12. 前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を先に補正し、前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を限界値まで補正しても前記推定した燃焼変動量が閾値以上であるときに、前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  13. 前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの、前記触媒暖機促進用の点火時期を第2学習値として記憶し、次回のクランキング開始時に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を前記限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期からこの第2学習値へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、前記推定した燃焼変動量が閾値以上であるときには空燃比をリッチ側に補正することを特徴とする請求項12に記載のエンジンの制御装置。
  14. 前記空燃比をリッチ側に補正することによって前記推定した燃焼変動量が閾値未満となったときの空燃比を第3学習値として記憶し、前記次回の次の回のクランキング開始時に前記可変バルブタイミング・リフト機構に与える指令値を前記限界値に設定すると共に、そのクランキング開始後にクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から前記第2学習値へとステップ的に遅角した後であってその後の空燃比フィードバック制御開始前に、空燃比を前記第3学習値に設定することを特徴とする請求項13に記載のエンジンの制御装置。
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