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JP2008002329A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の失火検出装置において、高精度で迅速な失火判定を可能とすると共に計算負荷を低減して低コスト化を可能とする。
【解決手段】燃焼効率(熱発生量)と図示トルク熱量効率(図示トルク)とが相関関係にあるという知見から、ECU51は、燃焼室圧力に基づいて図示トルク熱量を算出(図示トルク熱量算出手段)し、燃料供給量に基づいて供給燃料熱量を算出(供給燃料熱量算出手段)し、図示トルク熱量と供給燃料熱量との比率により図示熱効率を算出(図示熱効率算出手段)し、図示熱効率と予め設定された失火判定値を比較して失火を判定(失火判定手段)する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置に関し、特に、熱効率を用いて失火を検出するものである。
例えば、燃料を燃焼室に直接噴射する筒内噴射式エンジンでは、吸気弁の開放時に、空気が吸気ポートから燃焼室に吸入されてピストンにより圧縮され、この高圧空気に対してインジェクタから燃料が直接噴射され、燃焼室内の高圧空気と霧状の燃料とが混合し、この混合気が点火プラグに導かれて着火して爆発することで駆動力を得ることができ、排気弁の開放時に、燃焼後の排気ガスが排気ポートから排出される。
この場合、一般的に、制御装置は、検出した吸入空気量に基づいて基準燃料噴射量を設定し、始動後には、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいてこの基準燃料噴射量を補正すると共に、排気ガスの酸素濃度をフィードバックして空燃比がストイキ(理論空燃比)となるように燃料噴射量を補正している。また、制御装置は、吸気圧、エンジン回転数などのエンジン運転状態に基づいて基準点火時期を設定し、始動後には、吸気温度、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいてこの基準点火時期を補正すると共に、空燃比のフィードバック補正に応じて燃料噴射量を補正している。そして、制御装置は、設定した燃料噴射量(燃料噴射時間)や点火時期に基づいてインジェクタや点火プラグを駆動制御している。
このようなエンジン制御では、燃料噴射量、空燃比、点火時期などが現在のエンジンの運転状態に適応したものに設定されていないと失火を招いてしまい、排気ガス特性やドライバビリティの悪化を引き起こしてしまうばかりでなく、エンジン停止に至る可能性もある。そのため、制御装置は、常時、エンジンの失火を検出してその原因を特定し、燃料噴射量、空燃比、点火時期などを補正する必要がある。
エンジンの失火を検出する失火検出装置としては、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。この特許文献1の内燃機関の燃料噴射制御装置は、早期噴射に対応する燃焼の終了後に、筒内圧センサが検出した燃焼室内圧力とクランク角度から定まる燃焼室容積との積に基づいて燃焼室内に発生した筒内発熱量に関する発熱パラメータを算出し、この発熱パラメータに基づいて、主噴射に関して失火が発生しないように主噴射の噴射時期を制御するものである。また、特許文献2の内燃機関の制御装置は、筒内圧センサが検出した筒内圧力と筒内容積との積値に基づいて、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータを算出し、この制御パラメータに基づいて筒内の失火を判定するものである。
特開2005−054753号公報 特開2005−207407号公報
上述した各特許文献では、筒内圧力と筒内容積との積値に基づいて筒内発熱量に関する発熱パラメータ(制御パラメータ)を算出し、この発熱パラメータに基づいて失火を判定している。ところが、この発熱パラメータ(制御パラメータ)を算出するためには、燃焼室での筒内発熱量(熱発生量)をリアルタイムで算出する必要があるが、算出処理に微分項計算処理が含まれるために、その計算負荷が非常に高いものとなる。高精度で迅速な失火判定を行うためには、制御装置に高性能な計算機(CPU)が必要となり、高コスト化を招いてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、高精度で迅速な失火判定を可能とすると共に計算負荷を低減して低コスト化を可能とした内燃機関の失火検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関の失火検出装置は、内燃機関の燃焼室圧力に基づいて図示トルク熱量を算出する図示トルク熱量算出手段と、前記内燃機関の燃料供給量に基づいて供給燃料熱量を算出する供給燃料熱量算出手段と、前記図示トルク熱量算出手段が算出した図示トルク熱量と前記供給燃料熱量算出手段が算出した供給燃料熱量との比率により図示熱効率を算出する図示熱効率算出手段と、該図示熱効率算出手段が算出した図示熱効率と予め設定された失火判定値を比較して前記内燃機関の失火を判定する失火判定手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の内燃機関の失火検出装置では、燃焼室圧力を検出する筒内圧センサを設け、前記図示トルク熱量算出手段は、該筒内圧センサが検出した燃焼室圧力に燃焼室容積を乗算して図示トルク熱量を算出することを特徴としている。
本発明の内燃機関の失火検出装置では、前記供給燃料熱量算出手段は、基本燃料噴射量に残留燃料量を加算して壁面付着燃料量を減算して燃料供給量を算出し、該燃料供給量に燃料低位発熱量を乗算して供給燃料熱量を算出することを特徴としている。
本発明の内燃機関の失火検出装置によれば、燃焼室圧力に基づいて図示トルク熱量を算出する図示トルク熱量算出手段と、燃料供給量に基づいて供給燃料熱量を算出する供給燃料熱量算出手段と、図示トルク熱量と供給燃料熱量との比率により図示熱効率を算出する図示熱効率算出手段と、図示熱効率と予め設定された失火判定値を比較して失火を判定する失火判定手段とを設けている。即ち、燃焼室での熱発生量と相関関係にある図示トルク熱量を用いて図示熱効率を算出し、この図示熱効率と失火判定値を比較して失火を判定しており、計算負荷を低減して低コスト化を可能とすることができると共に、高精度で迅速な失火判定を可能とすることができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の失火検出装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係る内燃機関の失火検出装置が適用された内燃機関を表す概略構成図、図2は、本実施例の内燃機関の失火検出装置における失火判定制御のフローチャート、図3は、燃焼効率と図示トルク熱量効率との相関関係を表すグラフである。
本実施例の内燃機関の失火検出装置において、図1に示すように、内燃機関としてのエンジン10は多気筒筒内噴射式であって、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
燃焼室18は、シリンダブロック11におけるシリンダボア13の壁面とシリンダヘッド12の下面とピストン14の頂面により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向(図1にて上方)に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
なお、図示しないが、クランクシャフト16に固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24にそれぞれ固結された各カムシャフトシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフト16と吸気カムシャフト23と排気カムシャフト24が連動可能となっている。
従って、クランクシャフト16に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。この場合、この吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、クランクシャフト16が2回転(720度)する間に1回転(360度)するように設定されている。そのため、エンジン10は、クランクシャフト16が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が1回転することとなる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)27,28となっている。この吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の軸端部にVVTコントローラ29,30が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ31,32からの油圧をこのVVTコントローラ29,30の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフト23,24の位相を変更し、吸気弁21及び排気弁22の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気弁21及び排気弁22の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ33,34が設けられている。
吸気ポート19には、吸気マニホールド35を介してサージタンク36が連結され、このサージタンク36に吸気管37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にはエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の下流側にスロットル弁39を有する電子スロットル装置40が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)41が装着されており、このインジェクタ41は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜して配置されている。各気筒に装着されるインジェクタ41はデリバリパイプ42に連結され、このデリバリパイプ42には高圧燃料供給管43を介して高圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)44が連結されている。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ45が装着されている。
一方、排気ポート20には、排気マニホールド46を介して排気管47が連結されており、この排気管47には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する三元触媒48,49が装着されている。また、エンジン10には、クランキングを行うスタータモータ50が設けられており、エンジン始動時に図示しないピニオンギヤがリングギヤと噛み合った後、回転力がピニオンギヤからリングギヤへと伝わり、クランクシャフト16を回転することができる。
ところで、車両には電子制御ユニット(ECU)51が搭載されており、このECU51は、インジェクタ41や点火プラグ45などを制御可能となっている。即ち、吸気管37の上流側にはエアフローセンサ52及び吸気温センサ53が装着され、また、サージタンク36には吸気圧センサ54が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、吸気圧(吸気管負圧)をECU51に出力している。また、電子スロットル装置40にはスロットルポジションセンサ55が装着されており、現在のスロットル開度をECU51に出力しており、アクセルポジションセンサ56は、現在のアクセル開度をECU51に出力している。更に、クランク角センサ57は、検出した各気筒のクランク角度をECU51に出力し、このECU51は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。また、シリンダブロック11にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ58が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU51に出力している。更に、シリンダヘッド12には燃焼室18内の圧力、つまり、筒内圧力を検出する筒内圧センサ59が設けられており、検出した筒内圧力をECU50に出力している。また、各インジェクタ41に連通するデリバリパイプ42には燃料圧力を検出する燃圧センサ60が設けられており、検出した燃料圧力をECU51に出力している。一方、排気管47には、三元触媒48の上流側及び下流側に位置して排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ61,62が設けられており、検出した酸素濃度をECU51に出力している。
従って、ECU51は、検出した燃料圧力に基づいてこの燃料圧力が所定圧力となるように高圧燃料ポンプ44を駆動すると共に、検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量(燃料噴射時間)、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ41及び点火プラグ45を駆動して燃料噴射及び点火を実行する。また、ECU51は、検出した排気ガスの酸素濃度をフィードバックして空燃比がストイキ(理論空燃比)となるように燃料噴射量を補正している。
また、ECU51は、エンジン運転状態に基づいて吸気・排気可変動弁機構27,28を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
上述したように、ECU51は、各種の検出結果に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期、または空燃比を制御しているが、これらが現在のエンジン10の運転状態に適応したものに設定されていないと失火を招いてしまうおそれがある。そのため、本実施例では、ECU51は、エンジン10の燃焼状態に応じて失火を検出し、燃料噴射量、空燃比、点火時期などを補正している。
即ち、本実施例では、ECU51に、エンジン10の燃焼室圧力(筒内圧力)に基づいて図示トルク熱量を算出する図示トルク熱量算出手段と、燃料供給量に基づいて供給燃料熱量を算出する供給燃料熱量算出手段と、図示トルク熱量と供給燃料熱量との比率により図示熱効率を算出する図示熱効率算出手段と、図示熱効率と予め設定された失火判定値を比較してエンジン10の失火を判定する失火判定手段とを設けている。
エンジン10の失火を検出する場合、燃焼効率を用いて行うことが一般に知られているが、燃焼効率を求めるためには、熱発生量を算出する必要がある。しかし、熱発生量の算出処理には微分項計算処理が含まれるため、その計算負荷が非常に高くなって高性能な計算機(CPU)が必要となってしまう。
そこで、本実施例では、この燃焼効率と図示トルク熱量効率が相関関係にあることを見出し、この図示トルク熱量効率を用いてエンジン10の失火検出を行うこととしている。即ち、図3の燃焼効率に対する図示トルク熱量効率を表すグラフからわかるように、燃焼効率と図示トルク熱量効率は、低燃焼効率サイクル、つまり、失火が発生しやすい領域にて相関関係があると認められる。なお、図示トルクとは、エンジン10の燃焼室18の圧力から求めたエンジントルクである。
ここで、本実施例の内燃機関の失火検出装置による失火判定制御について、図2のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
実施例の内燃機関の失火検出装置による失火判定制御において、図2に示すように、ステップS11では、ECU(図示トルク熱量算出手段)51は、燃焼室圧力p(θ)に燃焼室容積vを乗算し、下記数式(1)を用いて図示トルク熱量QITQiを算出する。この場合、燃焼室圧力p(θ)は、筒内圧センサ59が検出したクランク角度θにおける検出値を用い、燃焼室容積vは、クランク角度θとエンジン10の諸源(シリンダボア径やクランク半径など)に基づいて算出され、予めクランク角度θの関数として設定された数値を用いる。
Figure 2008002329
ステップS12では、ECU(供給燃料熱量算出手段)51は、基本燃料噴射量Fuelinjiに残留燃料量Fuelegriを加算して壁面付着燃料量Fuelwetiを減算し、下記数式(2)を用いて燃料供給量Fueliを算出する。続いて、この燃料供給量Fueliに燃料低位発熱量Huを乗算し、下記数式(3)を用いて供給燃料熱量QFueliを算出する。この場合、基本燃料噴射量Fuelinjiは、エンジン10の運転状態(吸入空気量など)に応じて算出されたインジェクタ41への指示燃料量、残留燃料量Fuelegriは、前サイクルにおいて、燃焼室18に残存した燃料量、壁面付着燃料量Fuelwetiは、前サイクルにおいて、吸気ポート19に付着して気化しなかった燃料量であり、本実施例のように、筒内噴射式内燃機関の場合、この壁面付着燃料量Fuelwetiは、0となる。また、燃料低位発熱量Huは、低燃焼効率サイクル(失火サイクル)における単位量あたりの燃料の発熱量である。
Figure 2008002329
Figure 2008002329
そして、ステップS13では、ECU(図示熱効率算出手段)51は、図示トルク熱量QITQiと供給燃料熱量QFueliとの比率により、下記数式(4)を用いて図示熱効率QQiを算出する。
Figure 2008002329
ステップS14では、ECU(失火判定手段)51は、求めた図示熱効率QQiと予め設定された失火判定値を比較してエンジン10の失火を判定する。即ち、図示熱効率QQiが失火判定値より大きいと判定されたときには、ステップS15に移行して、エンジン10は、現在、正常燃焼サイクルで運転されていると判定する。一方、ステップS14にて、図示熱効率QQiが失火判定値以下であると判定されたときには、ステップS16に移行して、エンジン10は、現在、失火サイクルで運転されていると判定する。
そして、エンジン10が正常燃焼サイクルであると判定された場合には、現在に制御を継続する一方、失火サイクルであると判定された場合には、失火原因を特定し、特定した失火原因に対応した制御、例えば、燃料噴射量の増量または減量、点火時期の進角または遅角、吸気期間及び排気期間の進角または遅角などの補正制御を実行する。
このように本実施例の内燃機関の失火検出装置にあっては、燃焼効率(熱発生量)と図示トルク熱量効率(図示トルク)とが相関関係にあるという知見から、ECU51は、燃焼室圧力に基づいて図示トルク熱量を算出(図示トルク熱量算出手段)し、燃料供給量に基づいて供給燃料熱量を算出(供給燃料熱量算出手段)し、図示トルク熱量と供給燃料熱量との比率により図示熱効率を算出(図示熱効率算出手段)し、図示熱効率と予め設定された失火判定値を比較して失火を判定(失火判定手段)するようにしている。
従って、燃焼室18での熱発生量と相関関係にある図示トルクを用いて図示熱効率を算出し、この図示熱効率と失火判定値を比較して失火を判定しており、微分項処理などをなくして計算負荷を低減することができ、制御機器などの低コスト化を可能とすることができると共に、リアルタイムで、高精度で迅速な失火判定を可能とすることができる。
また、燃焼室圧力を検出する筒内圧センサ59を用い、この筒内圧センサ59が検出した燃焼室圧力に燃焼室容積を乗算して図示トルク熱量を算出している。従って、熱発生量と図示トルク(熱量)との関係を表すマップまたは換算式から熱発生量を推定することが可能となり、計算負荷を低減することができる。
更に、基本燃料噴射量に残留燃料量を加算して壁面付着燃料量を減算して燃料供給量を算出し、この燃料供給量に燃料低位発熱量を乗算して供給燃料熱量を算出している。従って、供給燃料熱量を適正に算出することで、供給燃料熱量を高精度に算出することができ、エンジン10の失火判定を高精度に行うことができる。
なお、上述した実施例では、本発明の内燃機関の失火検出装置を筒内噴射式の多気筒エンジンに適用して説明したが、この形式のエンジンに限らず、直列型またはV型エンジンに適用することもでき、ポート噴射式の内燃機関に適用しても同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関の失火検出装置は、高精度で迅速な失火判定を可能とすると共に計算負荷を低減して低コスト化を可能とするものであり、いずれの種類の内燃機関に用いても好適である。
本発明の一実施例に係る内燃機関の失火検出装置が適用された内燃機関を表す概略構成図である。 本実施例の内燃機関の失火検出装置における失火判定制御のフローチャートである。 燃焼効率と図示トルク熱量効率との相関関係を表すグラフである。
10 エンジン(内燃機関)
14 ピストン
16 クランクシャフト
18 燃焼室
19 吸気ポート
20 排気ポート
21 吸気弁
22 排気弁
41 インジェクタ
45 点火プラグ
51 電子制御ユニット、ECU(図示トルク熱量算出手段、供給燃料熱量算出手段、図示熱効率算出手段、失火判定手段)
52 エアフローセンサ
57 クランク角センサ
59 筒内圧センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の燃焼室圧力に基づいて図示トルク熱量を算出する図示トルク熱量算出手段と、前記内燃機関の燃料供給量に基づいて供給燃料熱量を算出する供給燃料熱量算出手段と、前記図示トルク熱量算出手段が算出した図示トルク熱量と前記供給燃料熱量算出手段が算出した供給燃料熱量との比率により図示熱効率を算出する図示熱効率算出手段と、該図示熱効率算出手段が算出した図示熱効率と予め設定された失火判定値を比較して前記内燃機関の失火を判定する失火判定手段とを具えたことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置において、燃焼室圧力を検出する筒内圧センサを設け、前記図示トルク熱量算出手段は、該筒内圧センサが検出した燃焼室圧力に燃焼室容積を乗算して図示トルク熱量を算出することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置において、前記供給燃料熱量算出手段は、基本燃料噴射量に残留燃料量を加算して壁面付着燃料量を減算して燃料供給量を算出し、該燃料供給量に燃料低位発熱量を乗算して供給燃料熱量を算出することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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