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JP2008095561A - エンジンの始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Vベルト式無段変速装置のドライブVプーリーの外径を大きくすることなく、ドライブVプーリーの外周部に形成されたスタータードリブンギヤの歯型形状がドライブVプーリーのベルト摺接面と直接重なることを防止してVベルトの耐久性を向上させ、エンジンケースのコンパクト化を図ると同時に、スターターギヤ比を適正に設定する。
【解決手段】Vベルト式無段変速装置4のドライブVプーリー7の固定プーリーフェース8を、円錐面状のベルト摺接面19を有してクランク軸3に回転一体に設けられたベルト摺接円板15と、このベルト摺接円板15のベルト摺接面19と反対側の側面に隣接してクランク軸3に回転一体に設けられた冷却ファン16とを備えて構成し、冷却ファン16の外周部にスタータードリブンギヤ24を形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スクーター型車両や小型のバギー車両等のように、エンジンのクランク軸の回転をVベルト式無段変速装置により変速して駆動輪に伝達するようにした車両におけるエンジンの始動装置に関する。
この種の始動装置では、特許文献1および2に記載されているように、エンジンのクランク軸に回転一体に設けられたVベルト式無段変速装置のドライブVプーリーの外周部にスタータードリブンギヤが一体に形成される一方、人力やスターターモーターによって駆動されるスタータードライブギヤをドライブVプーリーの近傍に配置し、エンジン始動時にはスタータードライブギヤでスタータードリブンギヤを回転駆動することによりクランク軸を助走回転させてエンジン始動が行われる。
特許文献1および2に記載されているように、従来の始動装置では、ドライブVプーリーの外周部に形成されたスタータードリブンギヤの歯型形状がドライブVプーリーのベルト摺接面と重ならないよう、ドライブVプーリーの外径が充分に大きく取られている。その理由は、スタータードリブンギヤの歯型形状がドライブVプーリーのベルト摺接面と重なると、Vベルトの側面が摩耗しやすくなりVベルトの耐久性が著しく低下してしまうからである。
特開昭62-48960号公報 特許第3518709号公報
しかしながら、上述のようにドライブVプーリーの外径を充分に大きくすると、Vベルト式無段変速装置が収容されるエンジンケース(クランクケース)のサイズが大型化してコンパクト性が損なわれるという問題があった。しかも、ドライブVプーリーの外径を大きくすると必然的にスタータードリブンギヤの歯数が多くなり、その分スタータードライブギヤの歯数を少なくしなければならないため、これにより適正なスターターギヤ比が得られなくなり、特にロープを手で引いてスタータードライブギヤを回転させてエンジン始動を行うリコイル式の始動装置ではエンジン始動が困難になる傾向があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、Vベルト式無段変速装置のドライブVプーリーの外径を大きくすることなく、ドライブVプーリーの外周部に形成されたスタータードリブンギヤの歯型形状がドライブVプーリーのベルト摺接面と直接重なることを防止してVベルトの耐久性を向上させ、エンジンケースのコンパクト化を図ると同時に、スターターギヤ比を適正に設定することができ、併せて製造が容易なエンジンの始動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るエンジンの始動装置は、クランク軸に回転一体に設けられたVベルト式無段変速装置のドライブVプーリーにスタータードリブンギヤを形成したエンジンの始動装置において、上記ドライブVプーリーの固定プーリーフェースを、円錐面状のベルト摺接面を有して上記クランク軸に回転一体に設けられたベルト摺接円板と、このベルト摺接円板のベルト摺接面と反対側の側面に隣接してクランク軸に回転一体に設けられた冷却ファンとを備えて構成し、上記冷却ファンの外周部に上記スタータードリブンギヤを形成したことを特徴とする。
また、本発明に係るエンジンの始動装置は、前記ベルト摺接円板を板状材料で円錐皿状に形成する一方、前記冷却ファンを円板状本体の側面に複数の羽根部材を一体に設けた構造とし、上記羽根部材がベルト摺接円板の反対側を向くようにして冷却ファンをクランク軸に固定し、前記スタータードリブンギヤを上記円板状本体の外周部に一体に形成したことを特徴とする。
さらに、本発明に係るエンジンの始動装置は、前記円板状本体の前記ベルト摺接円板に対向する側面を、ベルト摺接円板側面との間に一定の微小間隙を有する円錐面状に形成したことを特徴とする。
そして、本発明に係るエンジンの始動装置は、前記始動装置をリコイル式とし、エンジンの始動時にはそのスタータードライブギヤが軸方向に移動して前記スタータードリブンギヤ側に飛び込み噛合するようにし、このスタータードライブギヤを合成樹脂材料で形成する一方、前記冷却ファンを軽合金材料で形成したことを特徴とする。
本発明に係るエンジンの始動装置によれば、ドライブVプーリーの固定プーリーフェースを構成するベルト摺接円板と冷却ファンとをクランク軸の軸方向に並べて配置し、冷却ファンの外周部にスタータードリブンギヤを形成したことから、ベルト摺接円板のベルト摺接面とスタータードリブンギヤの歯型形状とが重なることがなく、これによりドライブVプーリーの外径を大きくする必要がなくなる。このため、Vベルトの耐久性を向上させるとともに、エンジンケースのコンパクト化を図り、スターターギヤ比の適正化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るエンジンの始動装置1の要部を示すエンジンケース2の部分横断面図である。このエンジンケース2は、クランク軸3の回転をVベルト式無段変速装置4により変速して駆動輪に伝達する小型のバギー車両のパワーユニットのものであり、図1中の上方が車両前方である。
クランク軸3はエンジンケース2の内部前方に車幅方向に沿うようにベアリング6で回転自在に軸支され、このクランク軸3の例えば左端にVベルト式無段変速装置4のドライブVプーリー7が回転一体に設けられている。Vベルト式無段変速装置4の基本構成および作用については一般のスクーター型車両等に用いられているものと同様である。
ドライブVプーリー7はクランク軸3に回転一体に固定された固定プーリーフェース8と、クランク軸3の軸方向にスライド自在かつクランク軸3に回転一体な可動プーリーフェース9と、クランク軸3の回転速度に応じて可動プーリーフェース9を軸方向に移動させるウェイトローラー10およびローラープレート11を備えて構成されている。固定プーリーフェース8と可動プーリーフェース9との間にはVベルト12が巻装され、このVベルト12の巻き付き有効径が可動プーリーフェース9の軸方向位置により無段階に変化して無段変速がなされる。
さらに固定プーリーフェース8は、ベルト摺接円板15と冷却ファン16とを備えた複合部品として構成されている。ベルト摺接円板15と冷却ファン16は共にクランク軸3の左端付近に形成されたスプライン17に係合してナット18で締結され、クランク軸3に回転一体に固定されている。
ベルト摺接円板15は鋼板等の板状材料により円錐皿状に形成され、その可動プーリーフェース9側の面(ここでは右側面)に円錐面状のベルト摺接面19を有する。一方、冷却ファン16は例えばアルミ系の軽合金材料により形成され、ベルト摺接円板15のベルト摺接面19と反対側の側面(ここでは左側面)に隣接する円板状本体21を備え、その左側面に複数の羽根部材22が一体に設けられている。羽根部材22はベルト摺接円板15の反対側を向き、円板状本体21のベルト摺接円板15に対向する側面(右側面)が、ベルト摺接円板15の左側面との間に一定の微小間隙23を有する円錐面状に形成されている。
そして、冷却ファン16の円板状本体21の外周部にスタータードリブンギヤ24が一体に刻設されている。このスタータードリブンギヤ24の歯型形状はベルト摺接円板15のベルト摺接面19に対して径方向に重なっている。即ち、スタータードリブンギヤ24の歯底円の径Dがベルト摺接面19の最大径Dよりも小さくなっている。
ところで、始動装置1は例えばリコイル式である。エンジンケース2の中間部にはクランク軸3に平行するスターターシャフト26が設置され、このスターターシャフト26にスターターローププーリー27が回転自在に軸支されている。また、このスターターローププーリー27のボス部外周には台形ネジ28が形成され、ここにスタータードライブギヤ30が螺合されている。スタータードライブギヤ30は合成樹脂材料により形成され、その外周部にスタータードリブンギヤ24に噛合する歯型形状31が形成されている。
スターターローププーリー27の外周部に形成されたロープ巻回溝32にはスターターロープ33が巻かれ、その自由端がエンジンケース2の外部に出ていて図示しない引き手ハンドルが設けられている。エンジン始動時には、この引き手ハンドルを引くことにより、スターターローププーリー27が回転し、その初期回転時における台形ネジ28のスラスト作用によりスタータードライブギヤ30が軸方向右側に移動し、スタータードライブギヤ30(31)がスタータードリブンギヤ24側に飛び込んで噛合する。このため、スタータードライブギヤ30によりスタータードリブンギヤ24が回転駆動され、ドライブVプーリー7全体とクランク軸3とが助走回転してエンジンが始動する。
エンジンが始動してドライブVプーリー7が回転すると、冷却ファン16の吸引力によりエンジンケース2の前方に設けられたエアダクト35から外気がエンジンケース2内部に吸引され、この外気が冷却空気としてエンジンケース2内部を後方に流れるため、摩擦熱を発生するVベルト式無段変速装置4が冷却される。
以上のように構成された始動装置1は、ドライブVプーリー7の固定プーリーフェース8をベルト摺接円板15と冷却ファン16とからなる複合部品として構成し、この二部材15,16をクランク軸3の軸方向に並べて配置し、冷却ファン16(円板状本体21)の外周部にスタータードリブンギヤ24を形成したため、ドライブVプーリー7(固定プーリーフェース8)の外径を特に大きくしなくても、ベルト摺接円板15のベルト摺接面19にスタータードリブンギヤ24の歯型形状が直接重なることを回避できる。このため、エンジンケース2のコンパクト性を保ちつつ、Vベルト12の耐久性を向上させることができる。
また、ベルト摺接面19の位置とは無関係にスタータードリブンギヤ24の歯数を自由に選定できるため、スターターギヤ比を適正に設定し、特にこの始動装置1のようなリコイル式の始動装置の場合には始動時の操作荷重やロープを引くストローク等を適切に設定することができる。
さらに、ドライブVプーリー7を構成するベルト摺接円板15を鋼板等の板状材料を用いて薄肉に形成する一方、冷却ファン16をアルミ系の軽合金材料により形成したため、両部材15,16の生産性を向上させると同時に、ベルト摺接面19を鋼鉄製にして対摩耗性を向上させつつドライブVプーリー7全体の重量を軽く保つことができる。これは高速回転部材であるドライブVプーリー7にとっては回転マスを減少させる意味で非常に有効な措置である。例えば従来のようにベルト摺接円板15と冷却ファン16とをアルミ系の軽合金材料により一体に形成したのではベルト摺接面19が軽合金製になるため対摩耗性に劣るものとなり、かと言ってドライブVプーリー7全体を鋼製にしたのでは非常に重たくなってしまう。
しかも、ベルト摺接円板15を円錐皿状に形成する一方で、冷却ファン16を円板状本体21の側面に複数の羽根部材22を一体に設けた構造とし、円板状本体21のベルト摺接円板15に対向する側面を、ベルト摺接円板15側面との間に一定の微小間隙23を有する円錐面状に形成したため、ベルト摺接円板15と冷却ファン16(円板状本体21)との間に円錐状の重ね代を設けて両部材15,16の軸方向の距離を著しく狭め、これによりエンジンケース2の幅方向の寸法のコンパクト化にも多大に貢献することができる。
加えて、スタータードライブギヤ30を合成樹脂材料で形成する一方、冷却ファン16(スタータードリブンギヤ24)を軽合金材料で形成したため、両部材16(24),30を軽量化しかつ生産しやすくするとともに、両部材16(24),30の摩耗を防いで耐久性を向上させることができる。特にケーシング2の内部が空冷、乾式であるVベルト式無段変速装置4にあっては、スタータードライブギヤ30とスタータードリブンギヤ24との間をオイルで湿式潤滑することができないため、一方のギヤを合成樹脂製にすることは耐摩耗性向上のために有効である。
なお、本発明に係る始動装置は、車両用のVベルト式無段変速装置に限らず、他の用途のVベルト式無段変速装置にも適用することができる。
本発明に係るエンジンの始動装置の要部を示すエンジンケースの部分横断面図。
符号の説明
1 始動装置
2 エンジンケース
3 クランク軸
4 Vベルト式無段変速装置
7 ドライブVプーリー
8 固定プーリーフェース
9 可動プーリーフェース
12 Vベルト
15 ベルト摺接円板
16 冷却ファン
19 ベルト摺接面
21 円板状本体
22 羽根部材
23 微小間隙
24 スタータードリブンギヤ
26 スターターシャフト
30 スタータードライブギヤ

Claims (4)

  1. クランク軸に回転一体に設けられたVベルト式無段変速装置のドライブVプーリーにスタータードリブンギヤを形成したエンジンの始動装置において、上記ドライブVプーリーの固定プーリーフェースを、円錐面状のベルト摺接面を有して上記クランク軸に回転一体に設けられたベルト摺接円板と、このベルト摺接円板のベルト摺接面と反対側の側面に隣接してクランク軸に回転一体に設けられた冷却ファンとを備えて構成し、上記冷却ファンの外周部に上記スタータードリブンギヤを形成したことを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 前記ベルト摺接円板を板状材料で円錐皿状に形成する一方、前記冷却ファンを円板状本体の側面に複数の羽根部材を一体に設けた構造とし、上記羽根部材がベルト摺接円板の反対側を向くようにして冷却ファンをクランク軸に固定し、前記スタータードリブンギヤを上記円板状本体の外周部に一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  3. 前記円板状本体の前記ベルト摺接円板に対向する側面を、ベルト摺接円板側面との間に一定の微小間隙を有する円錐面状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの始動装置。
  4. 前記始動装置をリコイル式とし、エンジンの始動時にはそのスタータードライブギヤが軸方向に移動して前記スタータードリブンギヤ側に飛び込み噛合するようにし、このスタータードライブギヤを合成樹脂材料で形成する一方、前記冷却ファンを軽合金材料で形成したことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの始動装置。
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