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JP2008091818A - 光半導体装置用リードフレームおよびこれを用いた光半導体装置、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

光半導体装置用リードフレームおよびこれを用いた光半導体装置、並びにこれらの製造方法 Download PDF

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友洋 二神
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Abstract

【課題】封止樹脂にシリコーン樹脂を用いる場合であっても、リードフレーム上に設けたメッキ層の変色・変性を防止し、発光素子の発光の反射率の低下を防止することにより、長期にわたり良好な発光輝度を発揮させることが可能な光半導体装置用リードフレームとこれを用いた光半導体装置、並びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】塩化白金酸が混入したシリコーン樹脂からなる封止樹脂14の内部において、リードフレーム10の純Agメッキ層21がシリコーン樹脂と直接接触するのを回避するべく、前記純Agメッキ層21の表面にAg−Au合金メッキ層22が形成された構成とする。これにより、シリコーン樹脂の硬化触媒由来のAgClの発生を抑制し、Agメッキ層の黒褐色化を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は光半導体装置用リードフレームに関し、特に短波長領域(400〜500nm程度)での紫色〜青色発光時における光半導体装置の外観劣化を防止する技術に関する。
従来より、LED素子等を光源に利用した光半導体装置は、各種の表示用・照明用光源として広く使用されている。
当該光半導体装置は、例えば基板にリードフレームを配し、当該リードフレーム上に発光素子をマウントした後、熱、湿気、酸化などによる光源の劣化やその周辺部位の劣化を防止するため、前記光源とその周囲を封止樹脂で封止してなる。
封止樹脂の材料としては、透明性に優れ、且つ光源の高輝度を保持できる特性が求められる。エポキシ樹脂はその例示であるが、近年の照明用途等では、光の三原色を組み合わせて白色発光且つ高出力で使用するニーズが高まっており、短波長領域での発光と光透過性の劣化耐性が要求されている。そこで現在では、エポキシ樹脂よりも耐熱性・光透過性の保持特性に優れるシリコーン樹脂が用いられている(非特許文献1)。
一方、優れた光源特性を得るためには、光源の発光効率を高めるとともに、光源から発せられる光を有効利用することも重要である。このため光半導体装置では、光源の周囲に配されたリードフレームに対し、反射率の優れるメッキ層を施す技術がある。メッキ材料としては、反射率が高い金属であるAgが広く用いられる。
このように現在では、光半導体装置に対して種々の工夫を施すことにより、白色発光・高出力用途においても優れた性能を呈するように工夫が講じられている。
特開平9−266280号公報 松下電工技報Vol.53 No.1
しかしながら、光半導体装置については以下の課題がある。
すなわち、本願発明者らが光半導体装置を実際に駆動して信頼性試験を行なった場合、シリコーン樹脂で封止されたリードフレーム上のAgメッキ層表面の一部が、黒褐色に変色する問題が見られた。この原因は、金属硫化物や、塩化白金酸を代表とする金属塩化物等の樹脂硬化触媒が含まれるシリコーン樹脂を用いた場合に、当該触媒成分がAgと反応し、AgCl(塩化銀)やAg2S(硫化銀)を生ずることで起きることが明らかになった。
発光素子が搭載されるパット部付近のAgメッキ層表面が黒褐色等に変色してしまうと、反射率の高いAgの特性が損なわれ、著しく反射率が低下する。これにより光半導体装置として十分な発光輝度が得られないおそれが生じうる。
以上のように、光半導体用リードフレームとこれを用いた光半導体装置においては、未だ解決すべき余地が存在する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、封止樹脂にシリコーン樹脂を用いる場合であっても、リードフレーム上に設けたメッキ層の変色・変性を防止し、発光素子の発光の反射率の低下を防止することにより、長期にわたり良好な発光輝度を発揮させることが可能な光半導体装置用リードフレームとこれを用いた光半導体装置、並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、金属芯体と、当該金属芯体の少なくとも一部表面に形成された複数のメッキ層からなるメッキ積層体とを備える光半導体装置用リードフレームであって、前記メッキ積層体には、純Agメッキ層と、最上層として金属塩化物または金属硫化物の少なくとも何れかに対して化学耐性を有する耐性メッキ層が含まれる構成とした。
ここで、前記耐性メッキ層はAg−Au合金メッキ層とすることもできる。
また前記純Agメッキ層と前記耐性メッキ層の間には、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、金(Au)の少なくともいずれかからなる中間メッキ層を形成することもできる。
さらに前記Ag−Au合金メッキ層は、Auが主成分として含まれ、且つ、Agが25.0 w%以上50.0w%未満で含まれる構成とすることもできる。
ここで一例として、前記Ag−Au合金メッキ層は、層厚みが0.1μm以上0.6μm以下、前記純Agメッキ層は、層厚みが1.6μm以上4.0μm以下、前記中間メッキ層は、層厚みが0.005μm以上0.05μm以下にそれぞれ設定することができる。
また前記純Agメッキ層の光沢度としては、JIS規格またはISO規格において1.6以上とすることができる。
さらに本発明は、リードフレームのパット部に発光素子が配設され、当該発光素子およびパット部を封止するように封止樹脂が配設されてなる光半導体装置であって、前記リードフレームのうち、前記封止樹脂に封止された給電リード領域の反射率が、前記発光素子による400nm以上500nm未満の発光波長に対して50%以上であり、且つ、500nm以上700nm以下の発光波長に対して85%以上である構成とした。
ここで前記リードフレームは、前記本発明のいずれかに記載する光半導体装置用リードフレームであり、且つ、少なくとも前記メッキ積層体が、前記給電リード領域に対応するように設けられた構成とすることもできる。
また前記封止樹脂は、金属塩化物または金属硫化物を含む光透過性樹脂(例えばシリコーン樹脂)を選ぶこともできる。さらに前記金属塩化物としては、塩化白金酸が挙げられる。
また、本発明は、金属芯体の少なくとも一部表面に複数のメッキ積層体を形成するメッキ工程を経るリードフレームの製造方法であって、前記メッキ工程では、メッキ積層体の構成層として純Agメッキ層を形成する第一メッキステップと、前記メッキ積層体の最上層として、Ag−Au合金メッキ層を形成する第二メッキステップとを経るものとした。
ここで前記第二メッキステップでは、セレン化合物、有機硫黄化合物の少なくとも何れかの成分を含むメッキ液を用いることもできる。
また、第一メッキステップおよび第二メッキステップの間に、前記メッキ積層体の構成層としてPd、Rh、Pt、Auの少なくともいずれかからなる中間メッキ層を形成する中間メッキ層形成ステップを経ることもできる。
さらに本発明は、リードフレームのパット部に発光素子を載置するとともに、当該発光素子およびパット部に対し、封止樹脂を付着させてこれを封止する光半導体装置の製造方法であって、前記リードフレームに前記本発明の製造方法で作製したリードフレームを用い、前記リードフレームのうち、メッキ積層体が形成された領域をシリコーン樹脂からなる封止樹脂で封止するものとした。
以上の構成を有する本発明のリードフレームおよび光半導体装置によれば、リードフレーム表面にメッキ積層体として形成された純Agメッキ層は、常にAg−Au合金メッキ層等の耐性メッキ層に被覆された状態となる。従って、本発明の光半導体装置では、前記メッキ積層体が形成されたリードフレーム領域にシリコーン樹脂等の封止樹脂を付着させれば、純Agメッキ層のAg成分が単独でシリコーン樹脂等の封止樹脂に接触することが回避される。従って、このような工夫を行うことで、純Agメッキ層中のAg成分が、直接シリコーン樹脂中の硬化触媒(塩化白金酸)と接触するのが回避される。
加えて、耐性メッキ層にAg−Au合金メッキ層を用いた場合には、Agよりも化学安定性に富むAu成分が含まれている。よって、合金中のAg成分は、Au成分による化学安定作用を受け、Ag単独で存在する場合に比べて、封止樹脂に含まれる金属塩化物・金属硫化物等の樹脂硬化触媒に対する反応性が抑制される。
このような結果、本発明のリードフレームおよび光半導体装置では、リードフレーム表面の変色の原因となるAgClやAg2Sの発生を従来に比べて飛躍的に抑制・低減することができる。従って、封止樹脂にシリコーン樹脂を用いた場合であっても、長期にわたり封止樹脂中のリードフレームに施したメッキ層の良好な反射作用を維持でき、優れた発光輝度の発揮が期待できるものである。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を説明するが、当然ながら本発明はこれらの形式に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施の形態1)
<光半導体装置の構成>
図1は、本発明の形態1における光半導体装置1の模式的な断面図である。図2は半導体装置のA領域に対応する領域付近を拡大したリードフレーム10の模式的な断面図である。図2中の破線Bは、給電リード領域16aと外部接続リード領域11との境界を示す。
図1に示す光半導体装置1は、基板9に対し、リードフレーム10、外囲樹脂12、電気接続用Auワイヤー13、封止樹脂14、発光素子15等を配設することで構成される。
リードフレーム10は図2に示すように、Cu、Cu合金、Fe、Fe合金等の導電性に優れる板状の金属芯体20の表面に、1.5μm以上の厚みで純Agメッキ層21が施された基本構造を持つ。さらにリードフレーム10の給電リード領域16aには、発光素子15と良好なハンダ接続を行う目的および封止樹脂との不要な化学反応を防止する目的で、純Agメッキ層21の上に0.2μmの厚みでAg−Au合金メッキ層22が積層され、メッキ積層体2が形成されている。
Ag−Au合金メッキ層22はAuを主成分とし、Agが25.0 w%以上50.0w%未満の範囲で含まれてなる。ここでメッキ積層体2の合計厚みは1.7μmとしている。
図中、封止樹脂14に封止されるリードフレーム10の領域が給電リード領域16である。当該領域は、パット部16a、ボンディング部16bとで構成される。リードフレーム10において、パット部16aおよびボンディング部16b以外は外部接続リード領域11となるように配設される。外部接続リード領域11には、外部から発光素子15に対して電力供給されるように外部配線が別途接続される。
パット部16aには、例えばLED素子等としての発光素子15が紙面上部を発光方向として配設される。ボンディング部16bには、発光素子15と電気接続するためにAuワイヤー13の端部がボンディングされる。
発光素子15の周囲には、光反射性に優れた擂り鉢状の断面形状を持つ外囲樹脂12が配設される。当該外囲樹脂12は、例えば光反射性に優れた酸化チタンを含有するポリマー樹脂を射出成型することで形成される。
封止樹脂14は、耐熱・透明性に優れる樹脂材料から構成される。ここでは、発光素子15の発光特性に合わせ、比較的短波長領域での発光に適したシリコーン樹脂材料を用いている。従って封止樹脂14は前記シリコーン樹脂材料が主成分であるが、硬化触媒として用いられる塩化白金酸が不純物レベルで含まれている。
<リードフレーム10を用いた効果について>
以上の構成を有する本実施の形態1の光半導体装置1では、塩化白金酸が混入したシリコーン樹脂からなる封止樹脂14の内部において、リードフレーム10の純Agメッキ層21がシリコーン樹脂と直接接触するのを回避するべく、メッキ積層体2として前記純Agメッキ層21の給電リード領域16における表面に、化学耐性を有する耐性メッキ層としてAg−Au合金メッキ層22が形成された構成となっている。
かかる構成によれば、給電リード領域において、純Agメッキ層21が直接シリコーン樹脂と接触する従来構成に比べ、当該給電リード領域におけるメッキ層の耐食性、耐塩化性、耐硫化性、対酸化性が著しく向上するといった効果が得られる。これにより当該装置1では、リードフレーム10の変色の原因となるAgClやAg2S 等の発生を効果的に防止し、反射効率の低下を防止することができるようになっている。
以下この効果が得られる原理を詳述する。
従来の光半導体装置用リードフレームを、シリコーン樹脂で封止した場合、封止領域のリードフレーム領域が変色しうる。これはリードフレーム表面に存在する純Agメッキ層のAg成分とシリコーン樹脂中に不純物として含まれる金属塩化物や金属硫化物からなる樹脂硬化触媒、例えば塩化白金酸化合物と不要な化学反応を起こし、AgClやAg2S を発生したことが原因である。ここで、H2[PtCl6]・xH2O(ヘキサクロロ白金酸水和物)がAgと反応すると、次の過程を経てAgClが生成される。

(化1) H2[PtCl6]・xH2O → 2H+ + Pt2+ + 6Cl-
(化2) Pt2+ + 2Ag → Pt + 2Ag+
(化3) 2Ag+ + 2 Cl- → 2AgCl

なお、シリコーン樹脂硬化用の触媒は基本構成を塩化白金酸として、K2[PtCl4](テトロクロロ白金酸カリウム)、PtCl2(塩化白金)等の様々な形を取っている。
一方、金属硫化物に含まれる硫黄イオンとの反応は、主として以下の過程を経る。
(化4) 2Ag+ + S2- → Ag2S

ここで、シリコーン樹脂と接触するリードフレーム最表面のメッキ層が純Agメッキ層である場合には、標準電極電位0.799V(Ag++e=Ag)に対し、白金の標準電極電位が1.2V(Pt2++2e=Pt)であって、両電位の間に比較的大きなギャップがある関係となる。このようなギャップの存在によって、両原子間に電荷移動が生じ、Ptが析出するとともに、Agのイオン化が促進される(化2)。そして、イオン化により反応活性力が強くなった2Agが、例えば塩化白金酸から解離したCl-と結合し、AgClを生じる(化3)。
このような過程により、AgCl結晶がリードフレーム表面のAgメッキ層表面で析出する。AgClは可視光を吸収する黒褐色を呈するので、発光素子15の反射効率を著しく低下させる原因となる。
これに対し本実施の形態1の光半導体装置1では、封止樹脂14の内部でリードフレーム10に施された純Agメッキ層21の表面がAg−Au合金メッキ層22により被覆されているので、純Agメッキ層が硬化触媒と接触することはなく、上記のようなAgCl等の直接生成反応は生じない。さらに、Ag−Au合金成分に由来する純Auの標準電極電位は1.83V(Au++e=Au)という非常に貴な金属である。このため、Ag−Au合金メッキ層22としての標準電極電位が純Agよりも純Au側にシフトし、白金との電位ギャップが純Agメッキ層に比べて小さくなる。これにより、純Agメッキ層21だけを用いた従来のリードフレーム構成に比べ、前記電荷移動式(化2)を引き起こす起電力が小さくなり、2Agの生成が抑えられる結果、AgClやAg2S の発生が効果的に抑制されることとなる。
なお、Au等の貴金属にはその他の効果として、Cl-の表面吸着を抑制する効果もあると考えられている。従ってAg−Au合金メッキ層22を利用すれば、当該Ag−Au合金メッキ層22表面へのCl-の表面吸着を低減し、AgCl反応の抑制についての相乗効果を期待することもできる。
<リードフレーム10および光半導体装置1の製造方法例>
(リードフレーム10のメッキ処理方法について)
Cu、Cu合金、Fe、Fe合金等からなる金属薄板材をプレス加工、又はエッチング加工し、外部接続リード11及び給電リード16を含む金属芯体20を形成する。その後、当該金属芯体20の全面に純Agメッキ層21処理を施す。
なお、当該Agメッキ処理方法としては、公知のリール・トゥ・リール方式、もしくはラックを用いた浸漬メッキ方式が最も好適である。
次に、給電リード領域16に対応する純Agメッキ層21の一部領域に対し、選択的にAg−Au合金メッキ層22を選択的にメッキ処理し、メッキ積層体2を形成する。当該メッキ処理は、例えばマスキング法を利用して行うことができる。すなわち、図8(a)に示すように、本体100の表面に所定のパターン窓101が施されたメカニカルマスクMをシリコンラバーで作製し、図8(b)に示す公知のスパージャ方式、もしくはこれを応用したドラムスパージャ方式を用い、パターン窓101 を介してメッキ処理を行うことが好適である。
以上でリードフレーム10が完成される。
(光半導体装置1の製造方法)
次に、前記リードフレーム10を基板9所定位置に装着する。このとき、給電リード領域16が基板9表面に臨むように調整する。その後は前記給電リード領域16を囲繞するように外囲樹脂12を成型するため、金型を用いて射出成型する。
その後はパット部16a上に発光素子15をマウントし、発光素子15とボンディング部16bとの間をAuワイヤー13でボンディングする。次に、外囲樹脂12の内部にシリコーン樹脂を充填し、所定の硬化触媒で硬化させて、発光素子15および給電リード領域16を封止(パッケージ)する。
以上で光半導体装置1が完成される。
以下、本発明の別の実施の形態に係る光半導体装置について、実施の形態1との差異を中心に説明する。
(実施の形態2)
<構成>
図3は、本発明の形態2における光半導体装置のリードフレーム10aの模式的な部分断面図である。当該部分は図1におけるA領域に対応する領域付近を拡大した領域に相当する。
当該リードフレーム10aの特徴は、その片面全面に純Agメッキ層21およびAg−Au合金メッキ層22を形成し、これをメッキ積層体2aとした点にある。各メッキ層21、22の厚みは実施の形態1と同様である。
このような構成によれば、実施の形態1と同様の効果が奏されるほか、リードフレーム10aの片面全体がAg−Au合金メッキ層22で覆われているため、例え給電リード領域16が封止樹脂14との配置位置に対して誤差を生じる場合であっても、純Agメッキ層21が封止樹脂14と接触する危険性を完全に排除することができる。よって、AgClの発生の抑制に非常に効果的な構成となっている。
<製法>
(リードフレーム10aのメッキ処理方法)
全体的なメッキ処理方法は実施の形態1に準じるが、実施の形態2では外部接続リード領域11及び給電リード領域16を含む光半導体リードフレーム全面に、純Agメッキ層21及びAg−Au合金メッキ層22を施す必要がある。その為、実施の形態1のようにメカニカルマスクは使用せず、リール・トゥ・リール方式によるメッキ方式、もしくはラックを用いた浸漬メッキの方式等が好適と解される。
(実施の形態3)
<構成>
図4は、本発明の形態3における光半導体装置のリードフレーム10bの模式的な部分断面図である。当該部分は図1におけるA領域に対応する領域付近を拡大した領域に相当する。
当該リードフレーム10bの特徴は、金属芯体20の片面全体に直接、厚み1.5μm以上でAg−Au合金メッキ層22を配設し、純Agメッキ層21を利用していない構成にある。メッキ処理方法は実施の形態2と同様に行うことができる。
このような構成によれば、実施の形態1と同様の効果が奏されるほか、例え給電リード領域16においてAg−Au合金メッキ層22が部分的に剥離・損傷等を起こしていたとしても、純Ag成分が封止樹脂14と接触するのが効果的に防止され、優れた発光効率を維持することができる。
(実施の形態4)
<構成>
図5は、本発明の形態4における光半導体装置のリードフレーム10cの模式的な部分断面図である。当該部分は図1におけるA領域付近を拡大した領域に相当する。
当該装置のリードフレーム10cの給電リード領域16におけるメッキ積層体2bは、いわゆるPbフリーハンダを用いたハンダ接続を良好に行うため、金属芯体20表面に下地メッキ層としてNi−Pd系メッキ層(Niメッキ層23、Pdメッキ層24 を同順に積層してなる)を形成し、その上にAuフラッシュメッキ層25、Ag−Au合金メッキ層22を積層して構成された点にある。
Niメッキ層23、Pdメッキ層24、Auフラッシュメッキ層25の各厚みは、一例として、それぞれ0.3〜3.0μm、0.01〜0.2μm、0.003〜0.02μmの範囲とすることができる。
また、Ag−Au合金メッキ層22は1.5μm以上である。なお、各厚みは当然ながらこれらの数値に限定されるものではない。
このような構成によれば、実施の形態1と同様の効果が奏されるほか、いわゆる環境問題に対応したPbフリーハンダを利用しても、光半導体装置に対して良好な電気接続を行えるメリットが発揮される。
<製法>
(リードフレームのメッキ処理方法)
Niメッキ層23、Pdメッキ層24、Auフラッシュメッキ層25については、例えばリール・トゥ・リール方式によるメッキ方式、もしくはラックを用いた浸漬メッキ方式を用いて形成できる。また、Ag−Au合金メッキ層22については実施の形態1と同様に、図8(a)に示すような表面がシリコンラバー等で形成されたメカニカルマスクMを用い、図8(b)に示すようなスパージャ方式、もしくはこれを応用したドラムスパージャ方式を実施することが好適である。
(実施の形態5)
<構成>
図6は、本発明の形態5における光半導体装置のリードフレーム10dの模式的な部分断面図である。当該部分は図1におけるA領域に対応する領域付近を拡大した領域に相当する。
本実施の形態5のメッキ積層体2cは、基本的には実施の形態4と共通するが、Auフラッシュメッキ層25の上に純Agメッキ層21、Ag−Au合金メッキ層22を同順に積層して配置した点に特徴を有する。純Agメッキ層21は厚み1.3μmとし、これ以外は実施の形態4と同様の厚みにすることができる。製造方法としては実施の形態4に準じて実施できる。
(実施の形態6)
<構成>
図7は、本発明の形態6における光半導体装置のリードフレーム10eの模式的な部分断面図である。当該部分は図1におけるA領域に対応する領域付近を拡大した領域に相当する。
本実施の形態5では、リードフレーム10eには、光沢度1.6以上の光沢を持つ純Agメッキ層21が1.6〜4.0μmの厚みで形成され、Pd、Rh、Pt、Au(プラチナ系触媒金属)のうち少なくともいずれかの元素よりなる中間メッキ層26が0.005μm以上0.05μm以下の厚みで形成され、最表面にAu−Ag合金メッキ層23が0.1μm以上0.6μm以下で形成されている。メッキ積層体2dは前記3層メッキ構造により構成された部分となる。
このような構成を持つ本実施の形態6の光半導体装置においても、実施の形態1と同様に、シリコーン樹脂硬化触媒由来のAgClやAg2Sの発生の低減効果が奏される。特に当該装置では、リードフレーム10eに高性能のプラチナ系金属触媒からなる中間メッキ層26を配設しており、比較的イオン化傾向の高いAg成分をさらに安定に保つ効果が得られる。従って、他の実施の形態に比べて、より効果的にAgClやAg2Sの発生を防止し、長期にわたり優れた発光効率を発揮することが期待できるものである。
また、下地となる純Agメッキ層21は、その表面の光沢度がJIS規格における1.6以上の数値に設定されている。これにより純Agメッキ層21による反射率の向上効果が期待される。尚、純Agメッキ層21には中間メッキ層26およびAg−Au合金メッキ層22が積層されているが、これらの各層は非常に薄いため、可視光は純Agメッキ層21まで透過することができる。従って、純Agメッキ層21が下地層であっても、反射効果が有効に発揮されるようになっている。
具体的には、光沢度1.6以上の純Agメッキ層21を用いた場合、波長400nm以上700nm以下の可視光反射率が向上され、特に450nm付近で80%以上の反射率が得られる。また、500nm以上700nm以下での波長領域であれば、85%以上の高い反射率が得られることが分かっている。
なお、純Agメッキ層21については、本実施の形態6に限らず、他の実施の形態1〜5についても、光沢度がJIS規格における1.6以上の値になるように調整してもよい。また、中間メッキ層26についても同様に、他の実施の形態に適用するようにしてもよい。
また、メッキ積層体2dは、リードフレーム10eの片面全面に形成するようにしてもよい。
<製造方法>
光沢度1.6以上の光沢純Agメッキ層21を形成する場合は、例えば青化銀メッキ液を用いてメッキ処理することができる。そのほか、同様の光沢を得る方法として、セレンを含有し、且つ硫黄系有機化合物を含んだ青化銀メッキ用の光沢剤を、メッキ液1Lあたり20cc〜50cc添加して使用するのが好ましい。
(性能比較実験1)
次に、本発明の効果を実際に確認すべく、リードフレームの実施例と比較例を作製し、性能比較実験を行った。
銅合金材料をプレス加工して形成した金属芯体の表面に、光沢度1.7の純Agメッキ層を厚み2.0μmで形成した。次に、Pdメッキ層を厚み0.015μmで形成し、さらにAuを主成分としたAg35.0w%のAu−Ag合金メッキ層を全面に厚み0.2μmで形成した。これを実施例の光半導体用のリードフレームとした。
一方、比較例として、前記金属芯体の表面に、光沢度0.3の半光沢純Agメッキ層を同一厚みで施した光半導体用リードフレームを形成した。
<第一の評価試験>
硫化アンモニウム溶液を用いた耐変色性試験を行なった。
試験方法としては、純Agメッキ層を形成したリードフレーム(比較例)、及び本発明メッキを形成したリードフレームを、ホットプレート上で300℃、1分間加熱を行なった。この加熱は光半導体装置の組立工程にかかる熱履歴を想定したものである。
JIS規格H8621耐変色性試験方法に基づく硫化アンモニウム溶液(0.2ml/L硫化アンモニウム水溶液)を作成し、前記加熱を加えた比較例および実施例の各リードフレームを、溶液の中に攪拌させながら浸漬し、5分間経過後、十分に水洗して乾燥させた。
図9は耐変色性試験前後の反射率評価結果である。図9(a)、図9(b)はそれぞれ比較例、実施例である。
比較例および実施例の各リードフレームの浸漬前後の反射率測定結果によると、比較例では図9(a)のように、特に波長450nm付近において、反射率が85%付近から10%付近まで著しく低下している。これに対し実施例では図9(b)のように、波長450nm付近において、反射率が80%付近から65%程度低下している。従って、実施例は比較例よりも著しく耐変色性に効果を持っていることが確認できる。
<第二の評価試験>
二酸化硫黄ガスを用いた耐食性試験を行なった。
試験方法は第一の評価試験と同様に設定し、JIS規格H8502に規定される二酸化硫黄ガス試験で暴露試験をした。詳細な条件としては、二酸化硫黄ガス濃度25ppm、温度40℃、相対湿度80%、暴露時間168時間(1週間)の条件である。
図10(a)、図10(b)はそれぞれ比較例、実施例の各リードフレームの反射率測定結果である。
各リードフレームの暴露試験前後の反射率測定結果を比較すると、図10(a)に示される比較例は、波長450nm付近で反射率が85%付近から30%付近まで低下している。これに対し、実施例では図10(b)に示すように、波長450nm付近で反射率が80%付近から75%付近にまでしか低下していない。これにより、第一の評価試験と同様に、実施例が比較例に対して著しく良好な耐食性を有していることが分かった。
(性能比較実験2)
次に、リードフレームをシリコーン樹脂で封止した場合における、リードフレームの変色の有無について検証した。
ここでは比較例、実施例の光半導体装置を作製した。具体的には、Cu合金材料をプレス加工して形成したリードフレームの表面に、厚み2μmでAgメッキ処理をして純Agメッキ層を形成した後、Auを主成分とし、Ag35.0w%のAg−Au合金メッキ層を全面に厚み0.3μm施した。次に、作製したリードフレームに外囲樹脂を成型した。その後、さらに発光素子をリードフレームのパッド部にAgペーストを用いてマウントさせ、発光素子と給電リードの接続部をAuワイヤーでボンディングした。そして、外囲樹脂で囲まれた内部空間に、塩化白金酸を硬化触媒とするシリコーン樹脂を封止して、実施例の光半導体装置を作製した。
一方、比較例の光半導体装置として、リードフレームに純Agメッキ層のみを厚み2.0μmで施した比較例を作製した。
このようにして作製した光半導体装置を用いて、温度負荷85℃、電流15mAの条件で、1,500時間継続して作製した光半導体装置を発光させる信頼性試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2008091818
表1のように、実施例の装置におけるリードフレームでは、その表面に黒褐色の変色は認められず、装置の発光輝度が低下することも無かった。一方、比較例の装置ではリードフレームに変色が確認され、発光輝度の低下が見られた。このように、実施例で良好な性能が確認されたのは、リードフレーム表面に配設されたAg−Au合金メッキ層中のAu成分が、シリコーン樹脂の硬化触媒に対してAgに安定性を付与し、結果的に変色の原因となるAgClの発生が抑制されたためであると考えられる。
以上の各実験より、本発明の優位性が確認された。
本発明は、例えば照明用途の光半導体装置において、白色発光或いは青色・紫色発光における発光輝度を向上させる技術として利用することが可能である。
実施の形態1の光半導体装置の模式的な断面図である。 実施の形態1のリードフレームの部分的な拡大断面図である。 実施の形態2のリードフレームの部分的な拡大断面図である。 実施の形態3のリードフレームの部分的な拡大断面図である。 実施の形態4のリードフレームの部分的な拡大断面図である。 実施の形態5のリードフレームの部分的な拡大断面図である。 実施の形態6のリードフレームの部分的な拡大断面図である。 Ag−Au合金メッキ層の形成方法を説明するための図である。 実施例および比較例について行った耐変色性試験の結果を表す図である。 実施例および比較例について行った耐変色性試験の結果を表す図である。
符号の説明
1 光半導体装置
2、2a〜2e メッキ積層体
9 基板
10、10a〜10e リードフレーム
12 外囲樹脂
13 電気接続用Auワイヤー
14 封止樹脂
15 発光素子
16 給電リード領域
16a パッド部
16b ボンディング部
21 純Agメッキ層
22 Ag−Au合金メッキ層
23 Niメッキ層
24 Pdメッキ層
25 Auフラッシュメッキ層
26 中間メッキ層

Claims (17)

  1. 金属芯体と、当該金属芯体の少なくとも一部表面に形成された複数のメッキ層からなるメッキ積層体とを備える光半導体装置用リードフレームであって、
    前記メッキ積層体には、純Agメッキ層と、最上層として金属塩化物または金属硫化物の少なくとも何れかに対して化学耐性を有する耐性メッキ層が含まれる
    光半導体装置用リードフレーム。
  2. 前記耐性メッキ層はAg−Au合金メッキ層である
    請求項1に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  3. 前記純Agメッキ層と前記耐性メッキ層の間には、Pd、Rh、Pt、Auの少なくともいずれかからなる中間メッキ層が形成されている
    請求項1または2に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  4. 前記Ag−Au合金メッキ層は、Auが主成分として含まれ、且つ、Agが25.0 w%以上50.0w%未満で含まれてなる
    請求項2または3に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  5. 前記Ag−Au合金メッキ層は、層厚みが0.1μm以上0.6μm以下である
    請求項2から4のいずれかに記載の光半導体装置用リードフレーム。
  6. 前記純Agメッキ層は、層厚みが1.6μm以上4.0μm以下である
    請求項1から5のいずれかに記載の光半導体装置用リードフレーム。
  7. 前記中間メッキ層は、層厚みが0.005μm以上0.05μm以下である
    請求項3から6のいずれかに記載の光半導体装置用リードフレーム。
  8. 前記純Agメッキ層の光沢度が1.6以上である
    請求項1から7のいずれかに記載の光半導体装置用リードフレーム。
  9. リードフレームのパット部に発光素子が配設され、当該発光素子およびパット部を封止するように封止樹脂が配設されてなる光半導体装置であって、
    前記リードフレームのうち、前記封止樹脂に封止された給電リード領域の反射率が、前記発光素子による400nm以上500nm未満の発光波長に対して50%以上であり、且つ、500nm以上700nm以下の発光波長に対して85%以上である
    光半導体装置。
  10. 前記リードフレームは、請求項1〜8のいずれかに記載する光半導体装置用リードフレームであり、且つ、少なくとも前記メッキ積層体が、前記給電リード領域に対応するように設けられている
    請求項9に記載の光半導体装置。
  11. 前記封止樹脂は、金属塩化物または金属硫化物を含む光透過性樹脂である
    請求項9または10に記載の光半導体装置。
  12. 前記光透過性樹脂はシリコーン樹脂である
    請求項11に記載の光半導体装置。
  13. 前記金属塩化物は塩化白金酸である
    請求項9から12のいずれかに記載の光半導体装置。
  14. 金属芯体の少なくとも一部表面に複数のメッキ積層体を形成するメッキ工程を経るリードフレームの製造方法であって、
    前記メッキ工程では、メッキ積層体の構成層として純Agメッキ層を形成する第一メッキステップと、
    前記メッキ積層体の最上層として、Ag−Au合金メッキ層を形成する第二メッキステップと
    を経る光半導体装置用リードフレームの製造方法。
  15. 前記第二メッキステップでは、セレン化合物、有機硫黄化合物の少なくとも何れかの成分を含むメッキ液を用いる
    請求項14に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
  16. 第一メッキステップおよび第二メッキステップの間に、前記メッキ積層体の構成層としてPd、Rh、Pt、Auの少なくともいずれかからなる中間メッキ層を形成する中間メッキ層形成ステップ
    を経る請求項14または15に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
  17. リードフレームのパット部に発光素子を載置するとともに、当該発光素子およびパット部に対し、封止樹脂を付着させてこれを封止する光半導体装置の製造方法であって、
    前記リードフレームに請求項14から16のいずれかに記載の製造方法で作製したリードフレームを用い、
    前記リードフレームのうち、メッキ積層体が形成された領域をシリコーン樹脂からなる封止樹脂で封止する
    光半導体装置の製造方法。
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