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JP2008091034A - 高耐熱導線及び高耐熱電磁機器 - Google Patents

高耐熱導線及び高耐熱電磁機器 Download PDF

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JP2008091034A
JP2008091034A JP2006256176A JP2006256176A JP2008091034A JP 2008091034 A JP2008091034 A JP 2008091034A JP 2006256176 A JP2006256176 A JP 2006256176A JP 2006256176 A JP2006256176 A JP 2006256176A JP 2008091034 A JP2008091034 A JP 2008091034A
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JP2006256176A
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Yoshitaka Sugawara
良孝 菅原
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Kansai Electric Power Co Inc
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Kansai Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】耐熱性が高く、熱放散性に優れている、高耐熱導線及び高耐熱電磁機器を提供する。
【解決手段】螺旋状に巻かれた銅線71で構成されたコイル700と、コイル700を被覆した被覆体と、を備えた、空芯リアクトル70において、銅線71が合成高分子化合物(X)を用いて被覆されている。合成高分子化合物(X)がケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い耐熱性を有する被覆された導線、更には、高い耐熱性を有する電磁機器、に関するものである。電磁機器としては、例えば、変圧器、リアクトル、モーター、発電機等がある。
変圧器、リアクトル、モーター、発電機等に代表される電磁機器では、火災防止等の安全性の観点から、コイルを不燃性の容器内に設置するとともに、不燃性の絶縁油やガスを容器内に充満させていた。しかしながら、絶縁油として使用されるポリ塩化ビフェニルや、ガスとして使用される六弗化硫黄は、地球環境保護の観点から、使用が制限されるようになってきた。そこで、近年では、不燃性ではない樹脂によってコイルや機器全体を被覆(「モールド」とも言う)して絶縁した、モールド電磁機器が広く使用され始めている。
一方、変圧器、リアクトル、モーター、発電機等を構成するコイルには、各種の構造のものがあり、作製方法にも違いがあるが、最終的には、導線が螺旋状に巻かれた状態となるよう構成されている。このようなコイルにおける隣接する導線間の絶縁は、導線用被覆材(例えば絶縁ワニス)やコイルのモールド材料によって、導線を被覆する被覆膜を形成することにより、実現されていた。
また、従来のモールド変圧器、例えば、3相の変圧器では、各相のコイルが、鉄芯を取り巻くように構成された低電圧の二次コイルと、二次コイルの外側に設けられた高電圧の一次コイルと、を有している。そして、両コイルは、モールド材料で被覆されていた。鉄芯モールドリアクトルも略同様であった。
すなわち、従来のモールド変圧器、モールドリアクトル、巻線(又は、「マグネットワイヤ」とも呼ぶ)を巻いたコイルを用いたモーターや発電機は、導線と被覆膜とからなるコイルと、コイルの線間を固着するモールド材料からなる被覆体と、を備えている。そして、導線用被覆材やモールド材料として、エポキシ樹脂やシリコン樹脂が用いられていた。以下では、巻線を巻いてその線間を接着したコイルのことを「モールドコイル」と呼ぶ。
特開2003−158018 特開2002−158118 「電気工学ハンドブック(第6版)」(電気学会発行)の190頁〜192頁、699頁〜701頁、727頁〜730頁
ところで、エポキシ樹脂の耐熱性は、それほど高くなく、通常180℃以上で劣化して、柔軟性が乏しくなり、堅くなる。そのため、エポキシ樹脂を用いた従来のモールド変圧器では、コイルの使用温度の上限が70〜120℃程度に設定されており、使用中に上限温度を超えないようにファンで冷却する場合が多い。しかしながら、使用中に、大きな短絡電流や雷サージ電流が流れると、コイルの温度が上記上限温度を超えることがある。そのような場合には、エポキシ樹脂が堅くなる恐れがある。そのため、コイルの温度が高温から室温に戻る時に、エポキシ樹脂の内部すなわち被覆膜や被覆体の内部に多数のクラックが発生する恐れがある。被覆膜や被覆体にクラックが発生すると、コイルは、リーク電流が増大するとともに高電界にも耐えることができなくなり、耐電圧性が悪くなる。
また、シリコン樹脂は、エポキシ樹脂に比して耐熱性が良いが、それでも200℃程度が上限温度である。そのため、シリコン樹脂を用いた従来のモールド変圧器では、コイルの温度が200℃以上になると、シリコン樹脂に含まれているポリメチルフェニルシロキサンの柔軟性が乏しくなり、更に、コイルの温度が空気中で220℃以上になると、ポリメチルフェニルシロキサンの表面がガラス化して完全に堅くなってしまう。これは、ポリメチルフェニルシロキサンの側鎖のメチル基やフェニル基が分解して蒸発するからであると推察される。そのような場合に、コイルの温度が高温から室温に戻ると、ポリメチルフェニルシロキサンの内部すなわち被覆膜や被覆体の内部に多数のボイドやクラックが発生する。被覆膜や被覆体にボイドやクラックが発生すると、コイルは、リーク電流が増大するとともに高電界にも耐えることができなくなり、耐電圧性が悪くなる。
更に、エポキシ樹脂やシリコン樹脂は、熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、比較的低いので、コイルで発生した熱を十分に放散できない。そのため、エポキシ樹脂やシリコン樹脂でコイルを被覆した場合には、被覆しない場合よりも、定格容量を小さく設定しなければならなかった。また、エポキシ樹脂やシリコン樹脂でコイルを被覆した場合には、熱の放散性が悪いので、定格電流を上回る比較的短時間の短絡電流によって、コイルの温度が上昇する。その結果、場合によっては、被覆膜、被覆体、更には、一次コイルと二次コイルとの接触を防ぐために両者間に設けた混触防止板等が、熱破壊されて、耐電圧性が損なわれていた。
以上のように、従来のモールド変圧器、モールドリアクトル、モールドコイルを用いたモーターや発電機等の、モールド電磁機器は、耐熱性や熱放散性が十分でなく、高温では高電界に耐えることができず、耐電圧性が悪いという問題を有していた。
本発明は、高耐熱導線及び高耐熱電磁機器を提供すること、更には、熱放散性にも優れている高耐熱電磁機器を提供すること、を目的としている。
本願の第1発明は、少なくとも一部分が合成高分子化合物(X)で被覆された導線であって、
合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
構成(iv)は、Si−H基であり、
硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱導線である。
本願の第2発明は、螺旋状に巻かれた導線を有するコイルと、コイルを被覆した被覆体と、を備えた、電磁機器において、
コイルが、導線と、導線を被覆した被覆膜とで、構成されており、
被覆膜が、合成高分子化合物(X)を含有しており、
合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
構成(iv)は、Si−H基であり、
硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱電磁機器である。
本願の第3発明は、螺旋状に巻かれた導線を有するコイルと、コイルを被覆した被覆体と、を備えた、電磁機器において、
コイルが、導線と、導線を被覆した被覆膜とで、構成されており、
被覆体が、合成高分子化合物(X)を含有しており、
合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
構成(iv)は、Si−H基であり、
硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱電磁機器である。
本願の第4発明は、螺旋状に巻かれた導線を有するコイルと、コイルを被覆した被覆体と、を備えた、電磁機器において、
コイルが、導線と、導線を被覆した被覆膜とで、構成されており、
被覆膜及び被覆体が、合成高分子化合物(X)を含有しており、
合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
構成(iv)は、Si−H基であり、
硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱電磁機器である。
上記第1〜第4発明においては、次のような構成を採用するのが好ましい。
[I]ケイ素含有重合体(A)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)を導入して得られたものであり、
前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである。
[II]ケイ素含有重合体(B)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、Si−H基を導入して得られたものであり、
前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである。
[III]ケイ素含有重合体(C)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)及びSi−H基を導入して得られたものであり、
前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである。
[IV]ケイ素含有重合体(A)の反応基(a)のケイ素原子に、少なくとも1個の酸素原子が結合している。
[V]ケイ素含有重合体(B)のSi−H基のケイ素原子に、少なくとも1個の酸素原子が結合している。
[VI]ケイ素含有重合体(C)の、反応基(a)のケイ素原子及びSi−H基のケイ素原子のそれぞれに、少なくとも1個の酸素原子が結合している。
[VII]合成高分子化合物(X)が、合成高分子化合物(X)よりも高い熱伝導率を有する絶縁性セラミックス微粒子を含有している。
[VIII]上記[VII]において、熱伝導率が、4W/mK以上である。
[IX]上記[VII]において、絶縁性セラミックス微粒子が、0.01〜50μmの粒径を有し、15〜85%volの体積充填率で含有されている。
[X]第3発明において、被覆膜が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、及びセラミックス、の内から選択した1種又は2種以上を含有しており、1層で又は2層以上で構成されている。
以下、各構成要素について、説明する。
合成高分子化合物(X)は、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物である。ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有している。そして、ケイ素含有硬化性組成物(Y)に含有されるケイ素含有重合体は、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)である。具体的には、次の組み合わせが挙げられる。「(A)、(B)、(C)」、「(A)、(B)」、「(C)」、「(A)、(C)」、「(B)、(C)」。
〔ケイ素含有重合体(A)について〕
ケイ素含有重合体(A)は、下記に示す構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有している。
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)である。
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造である。
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量である。
構成(iv)は、Si−H基である。
すなわち、ケイ素含有重合体(A)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)を1種以上有し、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有し、100〜100万の重量平均分子量を有している。
なお、Rは、硬化物の耐熱性及び電気特性の点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。また、反応基(a)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、特に、Si−CH=CH基が好ましい。また、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ケイ素含有重合体(A)の反応基(a)のケイ素原子に結合している他の少なくとも1つの原子は、酸素原子であることが好ましい。
ケイ素含有重合体(A)は、反応基(a)を有するアルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応により、Si−O−Siのシロキサン結合を形成することによって、得ることができる。また、ケイ素含有重合体(A)は、反応基(a)を有さないアルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応により、Si−O−Siのシロキサン結合を有する重合体を得た後に、その重合体中のSi−OH基やSi−Cl基等の反応性の官能基を用いて反応基(a)を導入することによって、得ることもできる。更に、ケイ素含有重合体(A)は、上記両方法を併用して得てもよい。
特に、ケイ素含有重合体(A)としては、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)を導入して得られたものが、好ましい。
(ケイ素含有重合体(A)に用いる前駆体(1)について)
この前駆体(1)は、ケイ素含有重合体(A)を得るための前駆体である。前駆体(1)は、前駆体(2)の反応基(2)と反応して共有結合を形成できる反応基(1)を、1種以上且つ1個以上、有している。反応基(1)としては、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]が挙げられる。反応基(1)としては、反応性の点から、Si−OH基、Si−Cl基、Si−O−CH基、Si−O−C基が好ましい。
前駆体(1)の重量平均分子量は、取り扱いの点から、100〜50万が好ましく、500〜1万がより好ましい。
前駆体(1)は、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有している。前駆体(1)において、橋架け構造は、Si−O−Si結合によって形成されていればよく、はしご状(ラダー状)、かご状、環状等のいずれの構造を有していてもよい。また、はしご状(ラダー状)、かご状、環状等の構造の、全てがSi−O−Si結合で形成されていてもよく、又は、一部がSi−O−Si結合で形成されていてもよい。もちろん、Si−O−Si結合が複数個連続して繰り返されていてもよい。
前駆体(1)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)を、有していてもよく、又は、場合によっては有していなくてもよい。
前駆体(1)は、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応によって得ることができる。そのようなアルコキシシラン又はクロロシランとしては、反応基(a)を有するものと、反応基(a)を有さないものとが、挙げられる。
反応基(a)を有さないアルコキシシラン又はクロロシランとしては、アセトキシメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシラン、ドデシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メトキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、及び、これらのアルコキシシランのアルコキシ基の一部又は全部をクロロ基に置換してなるクロロシラン等を、用いることができる。更に、アルコキシシランのアルコキシ基又はクロロシランのクロロ基が加水分解されてシラノール基となっているものも、用いることができる。更に、これらのアルコキシシラン及びクロロシランが有する水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物等も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性等の点から、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランから選択される1種又は2種以上を用いることが、好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
反応基(a)を有するアルコキシシラン又はクロロシランとしては、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、及び、これらのアルコキシシランのアルコキシ基の一部又は全部をクロロ基に置換してなるクロロシラン等を、用いることができる。更に、アルコキシシランのアルコキシ基又はクロロシランのクロロ基が加水分解されてシラノール基となっているものも、用いることができる。更に、これらのアルコキシシラン及びクロロシランが有する水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物等も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性等の点から、ビニルトリメトキシシラン及び/又はメタクリロキシメチルトリメトキシシランを用いることが、好ましい。また、ケイ素含有重合体(A)の反応基(a)のケイ素原子に結合している他の少なくとも1つの原子が酸素原子となるように、アルコキシシラン及び/又はクロロシランを選択することが、好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
前駆体(1)を得るための上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、2種以上を使用してもよい。また、上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、所望により、他の金属のアルコラートや錯体等で処理して用いることができる。そのように処理したアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、それのみで、又は、そのように処理していないものと併用して、加水分解・縮合反応を行うことにより、ケイ素含有重合体(A)に、ケイ素以外の元素、例えば、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、チタン、鉄、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、スズ、テルル、タンタル等を組み入れることができる。
(ケイ素含有重合体(A)に用いる前駆体(2)について)
この前駆体(2)は、ケイ素含有重合体(A)を得るための前駆体である。前駆体(2)は、反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである。反応基(2)は、前駆体(1)の反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基であればよい。反応基(2)の例としては、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]が挙げられる。
前駆体(2)は、加水分解性のアルコキシ基又はクロロ基を2個以上有する二官能基性の、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの、加水分解・縮合反応によって、得ることができる。上記の二官能基性のアルコキシシラン又はクロロシランとしては、ジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、アルキルフェニルジクロロシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシラン、アルキルフェニルジアルコキシシラン等を、用いることができる。
上記の二官能基性のアルコキシシラン又はクロロシランとしては、具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシランを、好ましく用いることができ、更に、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンのように、ベンゼン環の両末端(パラ位同士)にクロロシリル基を有する有機シランも、用いることができる。また、これらの、アルコキシシラン、クロロシラン、及び有機シランが有する、水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物等も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
前駆体(2)の重量平均分子量は、100〜100万が好ましく、1000〜10万がより好ましい。また、前駆体(2)としては、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ジアルキルジクロロシラン及びジフェニルジクロロシランから選択される2種以上を混合して用いて得られたものが好ましい。
(前駆体(1)及び前駆体(2)の製造方法について)
前駆体(1)又は前駆体(2)を得るための、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応は、いわゆるゾル・ゲル反応により行えばよい。ゾル・ゲル反応の方法としては、例えば、無溶媒又は溶媒中で、酸又は塩基等の触媒を使用して、加水分解・縮合反応を行う方法を、使用できる。この時の溶媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を、1種又は2種以上混合して、用いることができる。
アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応は、アルコキシシラン及び/又はクロロシランが、水による加水分解によってシラノール基(Si−OH基)を生成し、生成したシラノール基同士、又は、シラノール基とアルコキシ基とが、縮合することによって、進む。この加水分解反応を進ませるためには、反応系に、適量の水を加えることが、望ましい。水は、溶媒として、単独で又は他の溶媒と共に、加えてもよく、触媒を溶解させた後に加えてもよい。また、空気中の水分によっても、又は、水以外の溶媒中に含まれる微量の水分によっても、この加水分解反応は進む。
この加水分解・縮合反応で用いられる酸、塩基等の触媒としては、加水分解・縮合反応を促進するものであれば特に限定されないが、具体的には、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸類;酢酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸モノイソプロピル等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の無機塩基類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン等のアミン化合物(有機塩酸)類;テトライソプロピルチタネート、テトレブチルチタネート等のチタン化合物類;ジブチル錫ラウレート、オクチル錫酸等の錫化合物類;トリフルオロボラン等のホウ素化合物類;アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物類;鉄、コバルト、マンガン、亜鉛等の金属の塩化物;鉄、コバルト、マンガン、亜鉛等の金属の、ナフテン酸塩、オクチル酸塩等の、金属カルボン酸塩類等を、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。上記の加水分解・縮合反応は、酸触媒を加えて酸性下(pH7未満)で反応を進ませた後に、塩基触媒を加えて中性ないし塩基性下で更に反応を進める、という方法によって行うのが、好ましい。
上記の加水分解・縮合反応の順序は、特に限定されない。例えば、2種以上のアルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応を行う場合には、それぞれについて、単独で、ある程度の加水分解・縮合反応を行った後に、両者を混合して、更に加水分解・縮合反応を行ってもよい。又は、2種以上のアルコキシシラン及び/又はクロロシランの全てを混合して、一度に加水分解・縮合反応を行ってもよい。
(ケイ素含有重合体(A)の製造方法について)
ケイ素含有重合体(A)は、反応基(a)を有さない前駆体(1)の反応基(1)と、反応基(a)を有さない前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、反応基(a)を有さない前駆体(3)を得た後に、前駆体(3)に反応基(a)を導入することによって、得ることができる。また、ケイ素含有重合体(A)は、前駆体(1)及び/又は前駆体(2)に反応基(a)を予め導入しておき、前駆体(1)の反応基(1)と前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、得ることができる。もちろん、反応基(a)を有しているケイ素含有重合体(A)に、更に追加して反応基(a)を導入してもよい。
このように、反応基(a)の導入反応の形式や時期は、特に限定されない。なお、反応基(a)の導入は、例えば、前駆体中のSi−OH基に対して、反応基(a)を有する一塩素置換(モノクロロ)シラン、例えば、ジメチルビニルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン等を、反応させればよい。この反応は、例えば、反応温度0〜100℃、反応時間0.1〜4時間で、行うことができる。
前駆体(1)と前駆体(2)との反応比(モル基準)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、1:99〜99:1の範囲が好ましい。
前駆体(1)と前駆体(2)との縮合反応において、反応温度は0〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜4時間が好ましい。
ケイ素含有重合体(A)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、100〜100万であり、好ましくは1000〜10万である。重量平均分子量が100より小さいと、望ましい物性が得られない。また、重量平均分子量が100万より大きいと、ナノメートルオーダーや分子レベルでの複合化ができず、生成する硬化物が、不均一になったり不透明になったりして、十分に良好な物性が得られない。
ケイ素含有重合体(A)が有する反応基(a)の濃度は、硬化性及び保存安定性の点から、0.0001〜100mmol/gが好ましく、0.001〜10mmol/gがより好ましい。
ケイ素含有重合体(A)が有する反応基(a)の数は、ケイ素含有重合体(A)の分子量にも依存するが、特に限定されるものではない。しかし、反応基(a)の数は、ケイ素含有重合体(A)1分子当たり1個以上が好ましく、ケイ素含有重合体(A)中のケイ素原子1個当たりでは1個以下が好ましい。
ケイ素含有重合体(A)に用いられる前駆体(1)及び前駆体(2)は、Si−OH基を有している場合には、Si−OH基をアルキルクロロシランと反応させることによってSi−OH基の数を調整することにより、保存安定性等を改善することができる。そのようなアルキルクロロシランとしては、トリメチルクロロシランを代表例とする一塩素置換(モノクロロ)シランを用いることができる。また、加水分解性エステル化合物で処理することによっても、Si−OH基の数を調整することができる。そのような加水分解性エステル化合物としては、オルト蟻酸エステル、オルト酢酸エステル、テトラアルコキシメタン、炭酸エステル等を用いることができる。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるケイ素含有重合体(A)の含有量は、耐熱性及び可撓性の点から、1〜99重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましい。
[ケイ素含有重合体(B)について]
ケイ素含有重合体(B)は、下記に示す構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有している。
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)である。
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造である。
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量である。
構成(iv)は、Si−H基である。
すなわち、ケイ素含有重合体(B)は、ケイ素含有重合体(A)に準じたものであり、反応基(a)に代えてSi−H基を有するものである。すなわち、ケイ素含有重合体(B)は、Si−H基を有し、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有し、100〜100万の重量平均分子量を有している。
耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ケイ素含有重合体(B)のSi−H基のケイ素原子に結合している他の少なくとも1つの原子は、酸素原子であることが好ましい。
ケイ素含有重合体(B)は、Si−H基を有するアルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応により、Si−O−Siのシロキサン結合を形成することによって、得ることができる。また、ケイ素含有重合体(B)は、Si−H基を有さないアルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応によって、Si−O−Siのシロキサン結合を有する重合体を得た後に、その重合体中のSi−OH基やSi−Cl基等の反応性の官能基を用いてSi−H基を導入することによって、得ることもできる。更に、ケイ素含有重合体(B)は、上記両方法を併用して得てもよい。
ケイ素含有重合体(B)は、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、Si−H基を導入して得られたものが、好ましい。
(ケイ素含有重合体(B)に用いる前駆体(1)について)
この前駆体(1)は、ケイ素含有重合体(B)を得るための前駆体である。前駆体(1)は、前駆体(2)の反応基(2)と反応して共有結合を形成できる反応基(1)を、1種以上且つ1個以上、有している。反応基(1)の例としては、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、Si−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]を挙げることができる。反応基(1)としては、反応性の点から、Si−OH基、Si−Cl基、Si−O−CH基、Si−O−C基が好ましく、特に、Si−OH基、Si−Cl基が好ましい。
前駆体(1)の重量平均分子量は、取り扱いの点で、100〜100万が好ましく、500〜10万がより好ましい。
前駆体(1)は、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有している。前駆体(1)において、Si−O−Si結合による橋架け構造は、Si−O−Si結合によって形成されていればよく、はしご状(ラダー状)、かご状、環状等のいずれの構造を有していてもよい。また、はしご状、かご状、環状等の構造の、全てがSi−O−Si結合で構成されていてもよく、又は、一部がSi−O−Si結合で形成されていてもよい。もちろん、Si−O−Si結合は、複数個連続して繰り返されていてもよい。
前駆体(1)は、Si−H基を、有していてもよく、又は、場合によっては有していなくてもよい。
前駆体(1)は、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応によって得ることができる。そのようなアルコキシシランやクロロシランとしては、Si−H基を有するものと、Si−H基を有さないものとが、挙げられる。
Si−H基を有さないアルコキシシラン又はクロロシランとしては、アセトキシメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシラン、ドデシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メトキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等のアルコキシシラン、及び、これらのアルコキシシランのアルコキシ基の一部又は全部をクロロ基に置換してなるクロロシラン等を、用いることができる。更に、アルコキシシランのアルコキシ基又はクロロシランのクロロ基が加水分解されてシラノール基となっているものも、用いることができる。更に、これらのアルコキシシラン及びクロロシランが有する水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物等も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性等の点から、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランから選択される1種又は2種以上を用いることが、好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
Si−H基を有するアルコキシシラン又はクロロシランとしては、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン等を、用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ジメチルクロロシランが好ましい。また、ケイ素含有重合体(B)におけるSi−H基のケイ素原子に結合している他の少なくとも1つの原子が酸素原子であるように、アルコキシシラン及び/又はクロロシランを選択することが好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記のような重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
前駆体(1)を得るための上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、2種以上を使用してもよい。また、上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、所望により、他の金属のアルコラートや錯体等で処理して用いることができる。そのように処理したアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、それのみで、又は、そのように処理していないものと併用して、加水分解・縮合反応を行うことにより、ケイ素含有重合体(B)に、ケイ素以外の元素、例えば、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、チタン、鉄、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、スズ、テルル、タンタル等を組み入れることができる。
(ケイ素含有重合体(B)に用いる前駆体(2)について)
この前駆体(2)は、ケイ素含有重合体(B)を得るための前駆体である。前駆体(2)は、反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである。反応基(2)は、前駆体(1)の反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基であればよい。反応基(2)の例としては、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、Si−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]が挙げられる。
前駆体(2)は、加水分解性のアルコキシ基又はクロロ基を2個以上有する二官能基性の、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの、加水分解・縮合反応によって、得ることができる。上記の二官能基性のアルコキシシラン又はクロロシランとしては、ジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、アルキルフェニルジクロロシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシラン、アルキルフェニルジアルコキシシラン等がある。
上記の二官能基性のアルコキシシラン又はクロロシランとしては、具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシランを、好ましく用いることができ、更に、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンのように、ベンゼン環の両末端(パラ位同士)にクロロシランを有する有機シランも、用いることができる。また、これらの、アルコキシシラン、クロロシラン、及び有機シランが有する、水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
前駆体(2)の重量平均分子量は、100〜100万程度が好ましく、1000〜10万がより好ましい。また、前駆体(2)としては、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ジアルキルジクロロシラン及びジフェニルジクロロシランから選択される2種以上を混合して用いて得られたものが、好ましい。
(前駆体(1)及び前駆体(2)の製造方法について)
前駆体(1)又は前駆体(2)を得るための、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応は、ケイ素含有重合体(A)の場合と同様に、いわゆるゾル・ゲル反応によって行えばよい。この反応を進行させるためには、上述したように、適量の水を加えることが好ましい。また、加水分解・縮合反応を促進するための種々の触媒を、使用してもよい。例えば、加水分解・縮合反応を促進するための酸触媒を加えて、酸性下(pH7未満)で反応を進ませた後に、加水分解・縮合反応を促進するための塩基触媒を加えて、中性ないし塩基性下で更に反応を進める、という方法が、好ましい。この加水分解・縮合反応の順序は、ケイ素含有重合体(A)の場合と同様に、特に限定されない。
(ケイ素含有重合体(B)の製造方法について)
ケイ素含有重合体(B)は、Si−H基を有さない前駆体(1)の反応基(1)とSi−H基を有さない前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、Si−H基を有さない前駆体(3)を得た後に、前駆体(3)にSi−H基を導入することによって、得ることができる。また、ケイ素含有重合体(B)は、前駆体(1)及び/又は前駆体(2)にSi−H基を予め導入しておき、前駆体(1)の反応基(1)と前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、得ることもできる。もちろん、Si−H基を有しているケイ素含有重合体(B)に、更にSi−H基を導入してもよい。
このように、Si−H基の導入反応の形式や時期は、特に限定されない。なお、Si−H基の導入は、例えば、前駆体中のSi−OH基に対して、Si−H基を有する一塩素置換(モノクロロ)シラン、例えば、ジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン等を、反応させればよい。この反応は、例えば、反応温度0.1〜100℃、反応時間0.1〜4時間で、行うことができる。
前駆体(1)と前駆体(2)との反応比(モル基準)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、1:99〜99:1の範囲が好ましい。
前駆体(1)と前駆体(2)との縮合反応において、反応温度は0〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜4時間が好ましい。
ケイ素含有重合体(B)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、100〜100万であり、好ましくは1000〜10万である。重量平均分子量が100より小さいと、望ましい物性が得られない。また、重量平均分子量が100万より大きいと、ナノメートルオーダーや分子レベルでの複合化ができず、生成する硬化物が、不均一になったり不透明になったりして、十分に良好な物性が得られない。
ケイ素含有重合体(B)が有するSi−H基の濃度は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、0.001〜100mmol/gが好ましく、0.01〜10mmol/gがより好ましい。
ケイ素含有重合体(B)中のSi−H基の数は、ケイ素含有重合体(B)の分子量にも依存するが、特に限定されるものではない。しかし、Si−H基の数は、ケイ素含有重合体(B)1分子当たり1個以上が好ましく、ケイ素含有重合体(B)中のケイ素原子1個当たりでは1個以下が好ましい。
ケイ素含有重合体(B)に用いられる前駆体(1)及び前駆体(2)は、Si−OH基を有している場合には、Si−OH基をアルキルクロロシランと反応させることによってSi−OH基の数を調整することにより、保存安定性等を改善することができる。そのようなアルキルクロロシランとしては、トリメチルクロロシランを代表例とする一塩素置換(モノクロロ)シランを用いることができる。また、加水分解性エステル化合物で処理することによっても、Si−OH基の数を調整することができる。そのような加水分解性エステル化合物としては、オルト蟻酸エステル、オルト酢酸エステル、テトラアルコキシメタン、炭酸エステル等を用いることができる
ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるケイ素含有重合体(B)の含有量は、耐熱性及び力学特性の点から、1〜99重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましい。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるケイ素含有重合体(A)とケイ素含有重合体(B)との含有比(重量基準)は、硬化性、耐熱性、及び力学特性の点で、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましい。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)において、反応基(a)とSi−H基との比(モル基準)は、硬化性、耐熱性、及び力学特性の点から、20:80〜80:20が好ましく、40:60〜60:40がより好ましい。
[ケイ素含有重合体(C)について]
ケイ素含有重合体(C)は、下記に示す構成(i)〜(iv)の全てを有している。
構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)である。
構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造である。
構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量である。
構成(iv)は、Si−H基である。
すなわち、ケイ素含有重合体(C)は、ケイ素含有重合体(A)に準じたものであり、反応基(a)に加えてSi−H基も有するものである。すなわち、ケイ素含有重合体(C)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)を1種以上有し、Si−H基を有し、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有し、100〜100万の重量平均分子量を有している。
なお、Rは、硬化物の耐熱性及び電気特性の点から、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。また、反応基(a)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、特にSi−CH=CH基が好ましい。また、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ケイ素含有重合体(C)の反応基(a)のケイ素原子及びSi−H基のケイ素原子にそれぞれ結合している他の少なくとも1つの原子は、酸素原子であることが好ましい。
ケイ素含有重合体(C)は、反応基(a)を有するアルコキシシラン及び/又はクロロシランと、Si−H基を有するアルコキシシラン及び/又はクロロシランとの、加水分解・縮合反応によって、Si−O−Siのシロキサン結合を形成することにより、得ることができる。もちろん、反応基(a)及びSi−H基の両方を有するアルコキシシラン及び/又はクロロシランを使用してもよく、また、両方を有するものと、一方のみを有するものとを、併用してもよい。また、ケイ素含有重合体(C)は、反応基(a)及び/又はSi−H基を有さないアルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応によって、Si−O−Siのシロキサン結合を有するが反応基(a)及び/又はSi−H基を有さない重合体を、得た後に、その重合体中のSi−OH基やSi−Cl基等の反応性の官能基を用いて反応基(a)及び/又はSi−H基を導入することによって、得ることもできる。更に、ケイ素含有重合体(C)は、上記両方法を併用して得てもよい。
特に、ケイ素含有重合体(C)は、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、更に反応基(a)及びSi−H基を導入して得られたものが好ましい。
(ケイ素含有重合体(C)に用いる前駆体(1)について)
この前駆体(1)は、ケイ素含有重合体(C)を得るための前駆体である。前駆体(1)は、前駆体(2)の反応基(2)と反応して共有結合を形成できる反応基(1)を、1種以上且つ1個以上、有している。反応基(1)の例としては、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、Si−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]が挙げられる。反応基(1)としては、反応性の点から、Si−OH基、Si−Cl基、Si−O−CH基、Si−O−C基が好ましく、特に、Si−OH基、Si−Cl基が好ましい。
前駆体(1)の重量平均分子量は、取り扱いの点で、100〜100万が好ましく、500〜10万がより好ましい。
前駆体(1)は、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有している。前駆体(1)において、Si−O−Si結合による橋架け構造は、Si−O−Si結合によって形成されていればよく、はしご状(ラダー状)、かご状、環状等のいずれの構造を有していてもよい。また、はしご状、かご状、環状等の構造の、全てがSi−O−Si結合で構成されていてもよく、又は、一部がSi−O−Si結合で形成されていてもよい。もちろん、Si−O−Si結合は、複数個連続して繰り返されていてもよい。
前駆体(1)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)を、有していてもよく、又は、場合によっては有していなくてもよい。また、前駆体(1)は、Si−H基を、有していてもよく、又は、場合によっては有していなくてもよい。
前駆体(1)は、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応によって、得ることができる。そのようなアルコキシシラン又はクロロシランとしては、反応基(a)及びSi−H基をいずれも有さないものと、反応基(a)及び/又はSi−H基を有するものとが、挙げられる。
反応基(a)及びSi−H基をいずれも有さないアルコキシシラン又はクロロシランとしては、アセトキシメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシラン、ドデシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メトキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等のアルコキシシラン、及び、これらのアルコキシシランのアルコキシ基の一部又は全部をクロロ基に置換してなるクロロシラン等を、用いることができる。更に、アルコキシシランのアルコキシ基又はクロロシランのクロロ基が加水分解されてシラノール基となっているものも、用いることができる。更に、これらのアルコキシシラン及びクロロシランが有する水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物等も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性等の点から、フェニルトリメトキシシラン及び/又はメチルトリエトキシシラン用いることが、好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
反応基(a)を有するアルコキシシラン又はクロロシランとしては、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、及び、これらのアルコキシシランのアルコキシ基の一部又は全部をクロロ基に置換してなるクロロシラン等を、用いることができる。更に、これらのアルコキシシランのアルコキシ基又はクロロ基が加水分解されてシラノール基となっているものも、用いることができる。更に、これらのアルコキシシランやクロロシランが有する水素原子の、一部又は全部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、トリエトキシビニルシラン及び/又はトリメトキシビニルシランを用いることが、好ましい。また、反応基(a)のケイ素原子に結合している他の少なくとも1つの原子が酸素原子となるように、アルコキシシラン及び/又はクロロシランを選択することが好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
Si−H基を有するアルコキシシラン又はクロロシランとしては、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン等を、用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ジメチルクロロシランが、好ましい。また、ケイ素含有重合体(C)のSi−H基のケイ素原子に結合している他の少なくとも1つの原子が酸素原子であるように、アルコキシシラン及び/又はクロロシランを選択することが、好ましい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランの、上記と同様の、重水素化物又はフッ素化物が好ましい。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。
反応基(a)及びSi−H基の両方を有するアルコキシシラン又はクロロシランとしては、ジメトキシビニルシラン、ジエトキシビニルシラン、メチルメトキシビニルシラン、フェニルメトキシビニルシラン、メチルエトキシビニルシラン、フェニルエトキシビニルシラン、ジメトキシアリルシラン、ジエトキシアリルシラン、メチルメトキシアリルシラン、フェニルメトキシアリルシラン、メチルエトキシアリルシラン、フェニルエトキシアリルシラン、及び、これらのアルコキシシランのアルコキシ基の一部又は全部をクロロ基に置換してなるクロロシラン等を、用いることができる。更に、アルコキシシランのアルコキシ基又はクロロシランのクロロ基が加水分解されてシラノール基となっているものも、用いることができる。更に、これらのアルコキシシラン及びクロロシランが有する水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物等も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。特に、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性等の点から、メチルメトキシビニルシラン、フェニルメトキシビニルシラン、ジメトキシビニルシラン等や、これらのアルコキシ基をクロロ基に置換してなるシラン化合物が、好ましい。
前駆体(1)を得るための上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、2種以上を使用してもよい。また、上記のアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、所望により、他の金属のアルコラートや錯体等で処理して用いることができる。そのように処理したアルコキシシラン及び/又はクロロシランは、それのみで、又は、そのように処理していないものと併用して、加水分解・縮合反応を行うことにより、ケイ素含有重合体(C)に、ケイ素以外の元素、例えば、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、チタン、鉄、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、スズ、テルル、タンタル等を組み入れることができる。
(ケイ素含有重合体(C)に用いる前駆体(2)について)
この前駆体(2)は、ケイ素含有重合体(C)を得るための前駆体である。前駆体(2)は、反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである。反応基(2)は、前駆体(1)の反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基であればよい。反応基(2)の例としては、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、Si−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]が挙げられる。
前駆体(2)は、加水分解性のアルコキシ基又はクロロ基を2個以上有する二官能基性の、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの、加水分解・縮合反応によって、得ることができる。上記の二官能基性のアルコキシシラン又はクロロシランとしては、ジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、アルキルフェニルジクロロシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシラン、アルキルフェニルジアルコキシシラン等を、用いることができる。
上記の二官能基性のアルコキシシラン又はクロロシランとしては、具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシランを、好ましく用いることができ、更に、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンのように、ベンゼン環の両末端(パラ位同士)にクロロシランを有する有機シランも、用いることができる。また、これらの、アルコキシシラン、クロロシラン、及び有機シランが有する水素原子の、全部又は一部が、重水素に置換されてなる重水素化物又はフッ素原子に置換されてなるフッ素化物も、用いることができる。これらは、1種のみを又は2種以上を用いることができる。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を光学材料等に使用する場合は、上記の重水素化物又はフッ素化物が好ましい。
前駆体(2)の重量平均分子量は、100〜100万前後が好ましく、1000〜10万がより好ましい。また、前駆体(2)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、ジアルキルジクロロシラン及びジフェニルジクロロシランから選択される2種以上を混合して用いて得られたものが好ましい。
(前駆体(1)及び前駆体(2)の製造方法について)
前駆体(1)又は前駆体(2)を得るための、アルコキシシラン及び/又はクロロシランの加水分解・縮合反応は、ケイ素含有重合体(A)の場合と同様に、いわゆるゾル・ゲル反応により、行えばよい。この反応を進行させるためには、上述したように、適量の水を加えることが好ましい。また、上述したように、加水分解・縮合反応を促進するための種々の触媒を使用してもよい。例えば、加水分解・縮合反応を促進するための酸触媒を加えて、酸性下(pH7未満)で反応を進ませた後に、加水分解・縮合反応を促進するための塩基触媒を加えて、中性ないし塩基性下で更に反応を進める、という方法が、好ましい。この加水分解・縮合反応の順序は、ケイ素含有重合体(A)の場合と同様に、特に限定されない。
(ケイ素含有重合体(C)の製造方法について)
ケイ素含有重合体(C)は、反応基(a)及びSi−H基をいずれも有さない前駆体(1)の反応基(1)と、反応基(a)及びSi−H基をいずれも有さない前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、反応基(a)及びSi−H基をいずれも有さない前駆体(3)を得た後に、前駆体(3)に反応基(a)及びSi−H基を導入することによって、得ることができる。また、ケイ素含有重合体(C)は、前駆体(1)及び/又は前駆体(2)に、反応基(a)又はSi−H基のいずれかを導入した後に、前駆体(1)の反応基(1)と前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、反応基(a)及びSi−H基の一方のみを有する前駆体(3)を得た後に、前駆体(3)に、反応基(a)及びSi−H基の他方(すなわち未だ導入されていないSi−H基又は反応基(a)のいずれか)を導入することによって、得ることもできる。また、ケイ素含有重合体(C)は、反応基(a)及びSi−H基をいずれも有する前駆体(1)の反応基(1)と、反応基(a)及びSi−H基をいずれも有する前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによっても、得ることができる。更に、反応基(a)又はSi−H基の一方のみを有する前駆体(1)の反応基(1)と、反応基(a)又はSi−H基の他方のみを有する前駆体(2)の反応基(2)との間で、縮合反応を行って共有結合を形成させることによって、得ることもできる。もちろん、反応基(a)及びSi−H基を有するケイ素含有重合体(C)に、更に反応基(a)及び/又はSi−H基を導入してもよい。
このように、反応基(a)及びSi−H基の導入反応の形式や時期は、特に限定されない。しかし、例えば、反応基(a)は、前駆体中のSi−OH基に対して、ジメチルビニルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン等の反応基(a)を有する一塩素置換(モノクロロ)シランを反応させることによって、導入することができる。また、Si−H基は、前駆体中のSi−OH基に対して、ジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン等のSi−H基を有する一塩素置換(モノクロロ)シランを反応させることによって、導入することができる。これらの反応は、ケイ素含有重合体(A)又は(B)を製造する場合と同様の条件(反応温度、反応時間)で行うことができる。
前駆体(1)と前駆体(2)との反応比(モル基準)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、1:99〜99:1が好ましい。
前駆体(1)と前駆体(2)との縮合反応において、反応温度は0〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜4時間が好ましい。
ケイ素含有重合体(C)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、100〜100万であり、好ましくは1000〜10万である。重量平均分子量が100より小さいと、望ましい物性が得られない。また、重量平均分子量が100万より大きいと、ナノメートルオーダー及び分子レベルでの複合化ができず、生成する硬化物が、不均一になったり不透明になったりして、十分に良好な特性が得られない。
ケイ素含有重合体(C)が有する反応基(a)の濃度は、硬化性及び保存安定性の点から、0.0001〜100mmol/gが好ましく、0.001〜10mmol/gがより好ましい。
ケイ素含有重合体(C)が有するSi−H基の濃度は、硬化性及び保存安定性の点から、0.0001〜100mmol/gが好ましく、0.001〜10mmol/gがより好ましい。
ケイ素含有重合体(C)が有する反応基(a)の数は、硬化性及び保存安定性の点から、ケイ素含有重合体(C)1分子当たり平均1個以上が好ましく、ケイ素含有重合体(C)中のケイ素原子1個当たりでは1個以下が好ましい。
ケイ素含有重合体(C)が有するSi−H基の数は、硬化性及び保存安定性の点から、ケイ素含有重合体(C)1分子当たり平均1個以上が好ましく、ケイ素含有重合体(C)中のケイ素原子1個当たりでは1個以下が好ましい。
ケイ素含有重合体(C)に用いられる前駆体(1)及び(2)は、Si−OH基を有している場合には、Si−OH基をアルキルクロロシランと反応させることによってSi−OH基の数を調整することにより、保存安定性等を改善することができる。そのようなアルキルクロロシランとしては、トリメチルクロロシランを代表例とする一塩素置換(モノクロロ)シランを用いることができる。また、加水分解性エステル化合物で処理することによっても、Si−OH基の数を調整することができる。そのような加水分解性エステル化合物としては、オルト蟻酸エステル、オルト酢酸エステル、テトラアルコキシメタン、炭酸エステル等を用いることができる。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、ケイ素含有重合体(A)及び(B)の両者を含有する場合には、ケイ素含有重合体(C)を含有しなくてもよい。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、ケイ素含有重合体(C)を含有する場合には、ケイ素含有重合体(A)及び/又は(B)を含有しなくてもよい。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるケイ素含有重合体(C)の含有量は、ケイ素含有重合体(A)及び(B)の両者を含有しない場合には、ケイ素含有重合体(C)中の反応基(a)及びSi−H基の数を考慮して適宜選択すればよい。なお、その場合におけるケイ素含有重合体(C)の好ましい含有量は、後述する「硬化反応触媒」及び「鉄族含有錯体」の好ましい含有量を除いた量である。
また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるケイ素含有重合体(C)の含有量は、ケイ素含有重合体(A)及び/又は(B)を含有する場合には、それらが有する反応基(a)及び/又はSi−H基の数を考慮して適宜選択すればよい。その場合におけるケイ素含有重合体(C)の含有量は、全てのケイ素含有重合体における反応基(a)及びSi−H基の比(モル基準)が20:80〜80:20、特に40:60〜60:40となる範囲から選択することが好ましい。そして、その場合、ケイ素含有重合体(C)の含有量は、好ましくは0〜99重量%の範囲から上記モル比を満たすように選択する。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるケイ素含有重合体の含有量の合計に関して、好ましい上限は、後述する「硬化反応触媒」及び「鉄族含有錯体」の好ましい含有量を除いた値であり、好ましい下限は、5重量%である。
[硬化反応触媒について]
硬化反応触媒は、白金系触媒であり、本発明の必須の構成要素である。
この白金系触媒は、白金、パラジウム、及びロジウムの内の、1種以上の金属を含有しており、ヒドロシリル化反応を促進する。その白金系触媒としては、公知のものを用いることができ、例えば、白金−カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体等を、用いることができる。また、これらの触媒における白金を、同じ白金系金属であるパラジウム又はロジウムに代えた化合物も、用いることができる。また、これらは、単独で又は2種以上を併用して用いてもよい。硬化性の点から、白金を含有する化合物が好ましく、具体的には、白金−カルボニルビニルメチル錯体が特に好ましい。また、クロロトリストリフェニルホスフィンロジウム(I)等の、上記白金系金属を含有するいわゆるWilkinson触媒も、硬化反応触媒である白金系触媒に含まれる。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)における硬化反応触媒の含有量は、硬化性及び保存安定性の点から、0.000001〜5重量%が好ましく、0.0001〜1.0重量%がより好ましい。含有量が5重量%より多いと、ケイ素含有硬化性組成物(Y)の安定性が乏しくなる傾向がある。また、含有量が0.000001重量%より少ないと、ケイ素含有硬化性組成物(Y)は熱を加えても硬化しない。
[鉄族含有錯体について]
鉄族含有錯体は、本発明の必須の構成要素である。
鉄族含有錯体は、耐熱性(5%重量減少温度)を向上させる。鉄族含有錯体は、鉄、ルテニウム、及びオスニウムの内のいずれか1種以上を含有する錯体であれば、特に限定されない。鉄族含有錯体としては、鉄(III)アセチルアセトネート、ヘミン誘導体、鉄(III)ジフェニルプロパンジオネート、鉄(III)アクリレート、鉄(III)メソ−テトラフェニルポルフィリンクロライド、鉄(III)トリフルオロペンタンジオネート、鉄カルボニル錯体、ルテニウムカルボニル錯体等を、用いることができる。耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、鉄(III)アセチルアセトネートが好ましい。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)における鉄族含有錯体の含有量は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、0.0001〜20重量%が好ましく、0.001〜1重量%がより好ましい。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)における硬化反応触媒と鉄族含有錯体との含有比(重量基準)は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、1000:1〜1:1000が好ましく、100:1〜1:100がより好ましい。
[その他の成分について]
ケイ素含有硬化性組成物(Y)には、任意成分として、フリーラジカルスカベンジャーを配合してもよい。フリーラジカルスカベンジャーは、酸化防止剤、安定剤等の抗酸化性物質であればよい。フリーラジカルスカベンジャーの具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,6−ジ−t−ブチル−パラクレゾール(DBPC)等を、用いることができる。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)におけるフリーラジカルスカベンジャーの含有量は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性の点から、0.1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。
なお、ケイ素含有硬化性組成物(Y)には、ケイ素含有重合体(A)〜(C)、硬化反応触媒、及び鉄族含有錯体の他にも、本発明の目的とする性能を損なわない範囲で、任意成分として、フリーラジカルスカベンジャー以外にも、他の公知の、樹脂、充填剤、添加剤等を、配合することができる。また、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)のいずれか1種以上に、各種の有機官能基を結合させることによって、更なる機能を付与することもできる。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)又はその硬化物をマトリックスとし、この中に他の有用な化合物を分散させることによって、高機能複合材料を形成することもできる。
任意に配合できる上記樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂等を、用いることができる。
任意に配合できる上記充填剤としては、コロイダルシリカ;シリカフィラー;シリカゲル;マイカ、モンモリロナイト等の鉱物;酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素微粉末等の、金属酸化物及び金属酸化物微粉末;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等のセラミックス等を、用いることができる。また、これらを有機変性処理等によって改質したものを用いてもよい。
任意に配合できる上記添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱伝導性物質等を、用いることができる。
[ケイ素含有硬化性組成物(Y)について]
ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を混合して、熱硬化させることによって、形成できる。熱硬化させる方法は、それらの構成要素を使用直前に混合して、加熱することにより硬化させる方法、又は、それらの構成要素の全てを予め混合しておき、使用する時に加熱することにより硬化させる方法、のいずれでもよい。
硬化させる際の加熱温度は、0〜300℃が好ましい。硬化反応時間(加熱時間)は、1〜6時間が好ましい。これらの好適な硬化反応条件下で硬化反応を行うことにより、ケイ素含有硬化性組成物(Y)からは、一層優れた性能を有する硬化物を得ることができる。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)を硬化させて得られた硬化物は、耐熱性、耐クラック性、電気特性等の性能が特に優れている。
硬化物の耐熱性としては、硬化物の5重量%の重量減少を生じさせる温度が380℃以上、特に400℃以上であることが好ましいが、ケイ素含有硬化性組成物(Y)からは、このような好ましい耐熱性を有する硬化物を得ることができる。
また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)からは、クラックが発生していない硬化物を得ることができる。
また、硬化物の電気特性としては、25℃で2マイクロアンペアのリーク電流が30000ボルト以上でないと発生しないことが好ましく、また、300℃で2マイクロアンペアのリーク電流が13000ボルト以上でないと発生しないことが好ましいが、ケイ素含有硬化性組成物(Y)からは、このような優れた電気特性を有する硬化物を得ることができる。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)においては、硬化反応触媒及び鉄族含有錯体の効果によって、反応基(a)及びSi−H基の反応による硬化反応が速やかに進行するため、ケイ素含有硬化性組成物(Y)からは、優れた物性を有する硬化物を得ることができる。特に、耐熱性、耐クラック性、及び電気特性に優れるが、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐候性、硬度、耐汚染性、難燃性、耐湿性、ガスバリヤ性、可撓性、伸びや強度、電気絶縁性、低誘電率性等の、力学特性、光学特性、電気特性等にも優れた硬化物を得ることができる。
更に、ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、均一で透明なため、紫外線等の光の透過性が良好であり、光反応性の触媒を添加することによって光硬化させることも可能である。光硬化は、ケイ素含有硬化性組成物(Y)に光反応性のモノマーや樹脂を配合することによって行ってもよく、又は、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)のいずれか1種以上に光反応基を持たせることによって行ってもよい。
本願の第1発明によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)被覆膜が合成高分子化合物(X)を含有しているので、被覆膜が架橋ポリエチレンからなっている通常の絶縁電線に比して、次のような特性を発揮できる。すなわち、柔軟性に富み、配線時の屈曲にフレキシブルに対応でき、したがって、被覆膜にクラック等が発生しない。また、耐熱性に富み、従来の絶縁電線では実現できなかった275〜280℃での連続使用を達成できる。また、400℃であっても、間欠的使用であれば、熱分解が殆ど発生せず、十分耐えることができる。また、コロナ放電に対する耐性も、大幅に向上できる。更に、銅線と被覆膜との密着性が良いので、高い耐湿性を達成でき、信頼性を向上できる。
(2)合成高分子化合物(X)が紫外線及び可視光線に対する高い透過性を有しているので、導線の被覆工程において気泡やボイド等の存在を容易に光学的に検出することができる。したがって、生産性を向上でき、また、使用時の導線の劣化状況を、目視や光学装置によって非破壊的に容易に観察でき、メンテナンスを著しく容易に実行することができる。
(3)合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有しているので、優れた耐熱性を発揮できる。
(4)合成高分子化合物(X)が、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属に対して、接着性が極めて良好であり、これらに強固に付着する。したがって、合成高分子化合物(X)は、導線の表面に、強固に付着する。それ故、導線と被覆膜との間に、隙間のない強固な密着状態を実現でき、高い耐湿性を得ることができる。その結果、高耐熱導線の信頼性を向上できる。
本願の第2発明又は第4発明によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)被覆膜が、合成高分子化合物(X)を含有しているので、被覆膜自体の、柔軟性と、耐熱性及び耐電圧性とを、両立できる。したがって、被覆膜の、耐熱性及び耐電圧性等の特性を、向上できる。
(2)合成高分子化合物(X)は、(a)銅、アルミニウム、ステンレス等の金属、(b)芳香族ポリアミド(アラミド紙)、エナメル等の絶縁材や被覆材、(c)エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の樹脂類、及び(d)ガラス類に対して、接着性が極めて良好であり、これらに強固に付着する。したがって、合成高分子化合物(X)は、導線の表面や被覆体のモールド材料の表面に、強固に付着する。それ故、導線と被覆膜との間、及び被覆膜と被覆体との間に、隙間のない強固な密着状態を実現でき、高い耐湿性を得ることができる。その結果、モールド電磁機器の信頼性を向上できる。したがって、モールド電磁機器の、耐熱性及び耐電圧性等の特性、及び信頼性を、向上できる。
(3)合成高分子化合物(X)が紫外線及び可視光線に対する高い透過性を有しているので、導線の被覆工程において気泡やボイド等の存在を容易に光学的に検出することができる。したがって、生産性を向上でき、また、使用時の導線の劣化状況を、目視や光学装置によって非破壊的に容易に観察でき、メンテナンスを著しく容易に実行することができる。
本願の第3発明によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)被覆体が、合成高分子化合物(X)を含有しているので、被覆体自体の、柔軟性と、耐熱性及び耐電圧性とを、両立できる。したがって、被覆体の、耐熱性及び耐電圧性等の特性を、向上できる。
(2)合成高分子化合物(X)は、(a)銅、アルミニウム、ステンレス等の金属、(b)芳香族ポリアミド(アラミド紙)、エナメル等の絶縁材や被覆材、(c)エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の樹脂類、及び(d)ガラス類に対して、接着性が極めて良好であり、これらに強固に付着する。したがって、合成高分子化合物(X)は、導線の表面や被覆体のモールド材料の表面に、強固に付着する。それ故、導線と被覆膜との間、及び被覆膜と被覆体との間に、隙間のない強固な密着状態を実現でき、高い耐湿性を得ることができる。その結果、モールド電磁機器の信頼性を向上できる。したがって、モールド電磁機器の、耐熱性及び耐電圧性等の特性、及び信頼性を、向上できる。
(3)合成高分子化合物(X)が紫外線及び可視光線に対する高い透過性を有しているので、被覆体の形成工程において気泡やボイド等の存在を容易に光学的に検出することができる。したがって、生産性を向上でき、電磁機器の劣化状況を、目視や光学装置によって非破壊的に容易に観察でき、メンテナンスを著しく容易に実行することができる。
上記構成[I]によれば、ケイ素含有重合体(A)を容易に且つ確実に得ることができる。
上記構成[II]によれば、ケイ素含有重合体(B)を容易に且つ確実に得ることができる。
上記構成[III]によれば、ケイ素含有重合体(C)を容易に且つ確実に得ることができる。
上記構成[IV]、[V]、又は[VI]によれば、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、及びハンドリング性を向上できる。
上記構成[VII]によれば、合成高分子化合物(X)の熱伝導率を増大できるので、被覆膜及び/又は被覆体の熱伝導率を増大できる。したがって、被覆膜及び/又は被覆体の熱放散性を向上でき、熱放散性が優れた導線及び/又はモールド電磁機器を得ることができる。
また、空冷装置等を不要にでき、電磁機器の構成を簡略化でき、該機器の小型化及び低コスト化を達成できる。
更に、耐熱性及び熱放散性を向上できるので、電流密度を大きくして定格容量を増大させることができる。それ故、小さい定格容量で良い場合には、小型で軽量な電磁機器を得ることができる。
上記構成[VIII]によれば、上記構成[VII]による効果を良好に発揮できる。
上記構成[IX]によれば、絶縁性セラミックス微粒子の粒径が0.01〜50μmであるので、絶縁性セラミックス微粒子を、合成高分子化合物(X)の立体構造の隙間に、効果的に充填できる。すなわち、セラミックス微粒子は、粒径が大きすぎると、合成高分子化合物(X)に対する微粒子の体積充填率が低下し、粒径が小さすぎても、微粒子同士がお互いに凝集しやすくなるために、体積充填率が低下する。しかしながら、上述の粒径であれば、体積充填率が低下することはない。したがって、上記構成[IX]によれば、40%vol以上の体積充填率を容易に実現できる。
また、上記構成[IX]によれば、絶縁性セラミックス微粒子の体積充填率が15〜85%volであるので、セラミックス微粒子同士が互いに接触する割合を増大でき、高い熱伝導率を得ることができる。したがって、被覆膜及び/又は被覆体の熱伝導率を充分に増大できる。
上記構成[X]によれば、導線を容易に被覆でき、したがって、コイル、ひいては高耐熱電磁機器を、容易に製造できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図に基づいて説明する。なお、各図において、各構成部材の寸法は、各構成部材の理解を容易にするために、実際の寸法とは対応していない。また、文中の、「部」、「%」は、重量基準によるものである。
[第1実施形態]
本実施形態は、高温環境下で使用される大型産業機械の、配線用絶縁電線に使用される、高耐熱導線である。高温環境とは、例えば、溶鉱炉、鍛造装置、圧延機等の、近傍の環境等を言う。大型産業機械としては、例えば、電動走行クレーン等がある。
使用電圧は、交流600Vである。本実施形態の高耐熱導線は、導線である銅線と、銅線を被覆した被覆膜と、からなっている。銅線は、ニッケルメッキされており、約4mmの直径を有している。被覆膜は、約1.0mmの厚さを有している。
被覆膜は、合成高分子化合物(X)を含有している。合成高分子化合物(X)は、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物である。
そして、ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、まず、前駆体(1)及び(2)を製造し、次に、前駆体(1)及び(2)を用いて前駆体(3)を製造し、次に、前駆体(3)を用いてケイ素含有重合体(A)及び(B)を製造し、そして、ケイ素含有重合体(A)及び(B)を用いて製造した。具体的には、次のとおりである。
(前駆体(1)の製造)
フェニルトリメトキシシラン75部とメチルトリエトキシシラン25部とを混合し、この混合物に0.4%のリン酸水溶液86部を加えて、反応液を形成した。次に、反応液を、10〜15℃に保って、3時間攪拌した。次に、反応液に、エタノール80部を加えた。次に、反応液を、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、60℃にて30分間攪拌した。そして、反応液に900部のトルエンを加えながら、反応液からエタノール及び水を共沸によって留去して、前駆体(1)を得た。GPCによる分析の結果、得られた前駆体(1)の重量平均分子量は5000であった。
(前駆体(2)の製造)
ジクロロメチルシラン90部とジクロロフェニルシラン9部とを混合し、この混合物をイオン交換水100部の中に滴下して、反応液を形成した。次に、反応液から水層を取り除いた後に、未だ残存している溶媒(水)を留去しながら、反応液を250℃にて2時間加熱して、反応液において重合反応を行わせた。次に、反応液に、ピリジン20部加え、更にジクロロジメチルシラン20部を加えた後、反応液を30分間攪拌した。そして、反応液を250℃にて加熱しながら減圧することによって低分子量成分及びピリジン塩酸塩を除いて、前駆体(2)を得た。GPCによる分析の結果、得られた前駆体(2)の重量平均分子量は50000であった。
(前駆体(3)の製造)
溶媒として用いるトルエンに、前駆体(1)5部と、ピリジン10部と、トリメチルクロロシラン1.5部とを、加えて、反応液を形成した。次に、反応液を、室温にて30分間攪拌した。次に、反応液に、前駆体(2)100部を加えた。次に、反応液を更に4時間攪拌しながら、反応液において共重合反応を行わせ、イオン交換水を加えることによって共重合反応を止めた。そして、反応生成物を水洗することによって、反応生成物からピリジン塩酸塩を除いて、前駆体(3)を得た。GPCによる分析の結果、得られた前駆体(3)の重量平均分子量は92000であった。
(ケイ素含有重合体(A)及び(B)の製造)
溶媒として用いるトルエンに、前駆体(3)50部と、ピリジン5部とを、加え、均一に混合して、反応液を得た。この反応液を、半分に、すなわち、第1反応液と第2反応液とに、分割した。
第1反応液に、ジメチルビニルクロロシラン5部を加えた。そして、第1反応液を、室温にて30分間攪拌し、更に70℃にて30分間攪拌した後、イオン交換水で水洗することによってピリジン塩酸塩を除いて、ケイ素含有重合体(A)を得た。得られたケイ素含有重合体(A)は、Si−CH=CH基を有し、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有し、重量平均分子量が93000であった。
一方、第2反応液に、ジメチルクロロシラン5部を加えた。そして、第2反応液を、室温にて30分間攪拌し、更に70℃にて30分間攪拌した後、イオン交換水で水洗することによってピリジン塩酸塩を除いて、ケイ素含有重合体(B)を得た。得られたケイ素含有重合体(B)は、Si−H基を有し、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有し、重量平均分子量が93000であった。
(ケイ素含有硬化性組成物(Y)の製造)
ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを混合し、この混合物に、更に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.05部とを混合した。これにより、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を得た。
(高耐熱導線の作製)
ニッケルメッキした銅線の外周に、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を押し出し成形した。そして、その組成物(Y)を、約250℃の高温窒素ガス中で硬化させることによって、合成高分子化合物(X)とした。これによって、本実施形態の高耐熱導線が得られた。
(作用効果)
本実施形態の高耐熱導線は、20℃での導体抵抗が1.38Ω/km、絶縁抵抗が55MΩ・kmであり、良好な特性を発揮できた。
また、本実施形態の高耐熱導線は、被覆膜が合成高分子化合物(X)を含有しているので、被覆膜が架橋ポリエチレンからなっている通常の絶縁電線に比して、次のような特性を発揮できた。すなわち、柔軟性に富み、配線時の屈曲にフレキシブルに対応でき、したがって、被覆膜にクラック等が発生しない。また、耐熱性に富み、従来の絶縁電線では実現できなかった280℃での連続使用を達成できた。また、400℃であっても、間欠的使用であれば、熱分解が殆ど発生せず、十分耐えることができた。また、コロナ放電に対する耐性も、大幅に向上できた。更に、銅線と被覆膜との密着性が良いので、高い耐湿性を達成でき、信頼性を向上できた。
また、本実施形態の高耐熱導線は、合成高分子化合物(X)が紫外線及び可視光線に対する高い透過性を有しているので、銅線の被覆工程において気泡やボイド等の存在を容易に光学的に検出することができる。したがって、生産性を向上でき、また、使用時の導線の劣化状況を、目視や光学装置によって非破壊的に容易に観察でき、メンテナンスを著しく容易に実行することができる。
更に、本実施形態の高耐熱導線は、合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、408℃であり、高かった。ちなみに、ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、376℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有する高耐熱導線である。
但し、合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)は、まず、前駆体(1)及び(2)を製造し、次に、前駆体(1)及び(2)を用いて前駆体(3)を製造し、次に、前駆体(3)を用いてケイ素含有重合体(C)を製造し、そして、ケイ素含有重合体(C)を用いて製造した。具体的には、次のとおりである。
(前駆体(1)、(2)、及び(3)の製造)
第1実施形態と同じである。
(ケイ素含有重合体(C)の製造)
溶媒として用いるトルエンに、前駆体(3)50部と、ピリジン5部とを、加え、更に、ジメチルクロロシラン5部と、ジメチルビニルクロロシラン5部とを、加え、均一に混合して、反応液を得た。この反応液を、室温にて30分間攪拌し、更に70℃にて30分間攪拌した後、イオン交換水で水洗することによってピリジン塩酸塩を除いて、ケイ素含有重合体(C)を得た。得られたケイ素含有重合体(C)は、Si−CH=CH基及びSi−H基を有し、Si−O−Si結合による橋架け構造を1個以上有し、重量平均分子量が93000であった。
(ケイ素含有硬化性組成物(Y)の製造)
ケイ素含有重合体(C)100部に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.05部とを、混合した。これにより、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を得た。
(高耐熱導線の作製)
本実施形態の高耐熱導線は、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を用いて、第1実施形態と同様にして作製した。但し、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を硬化させて得た合成高分子化合物(X)には、粒径約0.3μmの窒化アルミニウム微粒子を約25%volの体積充填率で含有させた。
(作用効果)
本実施形態の高耐熱導線も、第1実施形態の高耐熱導線と同様の作用効果を発揮できる。
また、本実施形態の高耐熱導線も、第1実施形態の高耐熱導線と同様に、合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、409℃であり、高かった。ちなみに、ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、374℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
更に、本実施形態の高耐熱導線は、合成高分子化合物(X)が窒化アルミニウム微粒子を含有しているので、熱伝導性を向上でき、第1実施形態に比して電流容量を約18%増大できた。更に、窒化アルミニウム微粒子が、インバータサージ等の部分放電による被覆膜の劣化の進展を抑制できるので、第1実施形態に比して絶縁破壊時間を約10倍以上長くでき、絶縁破壊寿命を大幅に改善できた。
[第3実施形態]
本実施形態は、高温環境下で使用される大型産業機械の、給電用ケーブルに使用される、高耐熱導線である。高温環境とは、例えば、溶鉱炉、鍛造装置、圧延機等の、近傍の環境等を言う。
使用電圧は、交流3.3kVである。本実施形態の高耐熱導線は、導線である銅線と、銅線を被覆した被覆膜と、からなっている。銅線は、ニッケルメッキされており、約5mmの直径を有している。被覆膜は、3層構造を有しており、内層である第1被覆膜と、中層である薄い半導電膜と、外層である第2被覆膜と、からなっている。第1被覆膜は、約2.5mmの厚さを有している。第2被覆膜は、約1.5mmの厚さを有している。
第1被覆膜は、第1合成高分子化合物(X)を含有している。第1合成高分子化合物(X)は、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)を250℃にて硬化させて得た。第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としてのルテニウムカルボニル錯体0.05部とを、混合して得た。
第2被覆膜は、第2合成高分子化合物(X)を含有している。第2合成高分子化合物(X)は、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を200℃にて硬化させて得た。第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.002部とを、混合して得た。
そして、本実施形態の高耐熱導線は、次のように作製した。
銅線の外周に、まず、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)を押し出し成形し、その組成物(Y)を250℃にて硬化させ、これにより、第1合成高分子化合物(X)を含有した第1被覆膜を形成した。次に、半導電膜を押し出し成形した。そして、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を押し出し成形し、その組成物(Y)を約200℃の高温窒素ガス中で硬化させ、これにより、第2合成高分子化合物(X)を含有した第2被覆膜を形成した。これにより、本実施形態の高耐熱導線を得た。
本実施形態の高耐熱導線は、20℃での導体抵抗が0.82Ω/km、絶縁抵抗が2500MΩ・km、静電容量が0.26μF/kmであり、良好な特性を発揮できた。
また、本実施形態の高耐熱導線は、被覆膜が第1合成高分子化合物(X)及び第2合成高分子化合物(X)を含有しているので、被覆膜が架橋ポリエチレンからなっている通常のケーブルに比して、次のような特性を発揮できた。すなわち、柔軟性に富み、配線時の屈曲にフレキシブルに対応でき、したがって、被覆膜にクラック等が発生しない。また、耐熱性に富み、従来のケーブルでは実現できなかった275℃での連続使用を達成できた。また、400℃であっても、間欠的使用であれば、熱分解が殆ど発生せず、十分耐えることができた。また、コロナ放電に対する耐性も、大幅に向上できた。更に、銅線と被覆膜との密着性が良いので、高い耐湿性を達成でき、信頼性を向上できた。
更に、本実施形態の高耐熱導線は、第1合成高分子化合物(X)を得るための第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としてのルテニウムカルボニル錯体を含有しており、また、第2合成高分子化合物(X)を得るための第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、400℃であり、高かった。ちなみに、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、372℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。なお、第2合成高分子化合物(X)についても、第1合成高分子化合物(X)と同様であった。
[第4実施形態]
本実施形態は、第3実施形態と同様の構成を有する、給電用ケーブル用の高耐熱導線である。
但し、第1合成高分子化合物(X)は、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)を250℃にて硬化させて得た。そして、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としてのクロロトリストリフェニルホスフィンロジウム(I)0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.05部とを、混合して得た。また、第1合成高分子化合物(X)及び第2合成高分子化合物(X)には、粒径約0.1μmの窒化アルミニウム微粒子を約16%volの体積充填率で含有させた。その他は、第3実施形態と同じである。
本実施形態の高耐熱導線は、第1合成高分子化合物(X)及び第2合成高分子化合物(X)が、それぞれ、窒化アルミニウム微粒子を含有しているので、熱伝導性を向上でき、第3実施形態に比して電流容量を約13%増大できた。更に、窒化アルミニウム微粒子が、インバータサージ等の部分放電による被覆膜の劣化の進展を抑制できるので、第3実施形態に比して絶縁破壊時間を約10倍以上長くでき、絶縁破壊寿命を大幅に改善できた。
また、本実施形態の高耐熱導線は、第1合成高分子化合物(X)及び第2合成高分子化合物(X)が紫外線及び可視光線に対する高い透過性を有しているので、銅線の被覆工程において気泡やボイド等の存在を容易に光学的に検出することができる。したがって、生産性を向上でき、また、使用時の導線の劣化状況を、目視や光学装置によって非破壊的に容易に観察でき、メンテナンスを著しく容易に実行することができる。
更に、本実施形態の高耐熱導線は、第1合成高分子化合物(X)を得るための第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)、及び、第2合成高分子化合物(X)を得るための第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、404℃であり、高かった。ちなみに、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、386℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。なお、第2合成高分子化合物(X)についても、第1合成高分子化合物(X)と同様であった。
[第5実施形態]
本実施形態も、高温環境下で使用される大型産業機械の、給電用ケーブルに使用される、高耐熱導線である。
使用電圧は、交流3.3kVである。本実施形態の高耐熱導線は、導線である銅線と、銅線を被覆した被覆膜と、からなっている。銅線は、ニッケルメッキされており、約1.5mmの直径を有している。被覆膜は、約0.3mmの厚さを有している。
被覆膜は、合成高分子化合物(X)を含有している。合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第2実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(C)100部に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.05部とを、混合して得た。
そして、本実施形態の高耐熱導線は、次のように作製した。
ケイ素含有硬化性組成物(Y)を、ワニスの公知の塗布方法を用いて、銅線の外周に塗布した。そして、その銅線を250〜350℃の高温の焼付け炉を通すことによって、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を硬化させて合成高分子化合物(X)とした。この塗布及び焼付けの作業を複数回実施することによって、被覆膜の膜厚を厚くした。本実施形態では、上記作業を10回実施することによって、合成高分子化合物(X)を含有した被覆膜の厚さを約0.3mmとした。
本実施形態の高耐熱導線は、厚さ約0.3mmの被覆膜が合成高分子化合物(X)を含有しているので、良好な導線抵抗を実現でき、また、300℃以上の高温であっても25kV以上の高い絶縁破壊電圧を実現できた。
また、本実施形態の高耐熱導線は、被覆膜が合成高分子化合物(X)を含有しているので、ニッケルメッキされた銅線がセラミックス膜とポリイミド膜とで順次被覆された通常の耐熱導線に比して、次のような特性を発揮できた。すなわち、柔軟性に富み、配線時の屈曲にフレキシブルに対応でき、したがって、被覆膜にクラック等が発生しない。また、耐熱性に富み、従来の耐熱導線では実現できなかった380℃での連続使用を達成できた。また、405℃であっても、間欠的使用であれば、熱分解が殆ど発生せず、十分耐えることができた。また、銅線と被覆膜との密着性が良いので、高い耐湿性を達成でき、信頼性を向上できた。
また、本実施形態の高耐熱導線は、合成高分子化合物(X)が紫外線及び可視光線に対する高い透過性を有しているので、銅線の被覆工程において気泡やボイド等の存在を容易に光学的に検出することができる。したがって、生産性を向上でき、また、使用時の導線の劣化状況を、目視や光学装置によって非破壊的に容易に観察でき、メンテナンスを著しく容易に実行することができる。
更に、本実施形態の高耐熱導線は、合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、409℃であり、高かった。ちなみに、ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、374℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
[第6実施形態]
図1は、本発明の第6実施形態の高耐熱電磁機器である空芯リアクトルを示す斜視図である。この空芯リアクトル70は、円形巻線タイプのものであり、3kV、80A、10μHの定格を有している。また、空芯リアクトル70の具体的寸法は、外形が58mm、内径が46mmである。
空芯リアクトル70は、コイルがモールド材料で被覆されたモールドリアクトルであり、螺旋状に巻かれた銅線71を有するコイル700と、コイル700を被覆した被覆体(図示せず)と、を備えている。銅線71自体は、被覆されていないものである。銅線71は、平板形状を有しており、厚さ約1.5mm及び幅約6mmの寸法を有している。
そして、本発明では、コイル700の銅線71には絶縁テープ72が巻かれている。絶縁テープ72は、ポリイミド樹脂のフィルムで形成されている。コイル700は、この絶縁テープ72が巻かれた銅線71を螺旋状に巻いて、構成されている。
銅線71の両方の終端には、各々、結線用の金属端子73a、73bが取り付けられている。絶縁テープ72は、銅線71と端子73a、73bとの境目よりも約30mm手前で終端している。被覆体は、端子73a、73b以外のコイル700全体を、被覆している。
上記被覆体は、合成高分子化合物(X)を含有している。合成高分子化合物(X)は、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られたものである。ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.01部とを、混合して得た。
コイル700の合成高分子化合物(X)による被覆は、具体的には、次のようにして行った。
まず、真空容器内に設置されたケイ素含有硬化性組成物(Y)の浴槽に、コイル700を、所定時間、浸した。この際、端子73a、73bは、その大部分が浴槽に浸らないようにした。次に、コイル700を、浴槽から取り出し、恒温槽に入れ、100℃〜300℃の範囲の所定温度、例えば210℃で3時間保持し、コイル700に付着しているケイ素含有硬化性組成物(Y)を硬化させた。これにより、合成高分子化合物(X)で被覆されたコイル700が得られた。
上記構成の空芯リアクトル70は、次のような作用効果を発揮できる。
(1)コイル700の隣接する銅線71間の絶縁が、絶縁テープ72によって達成されている。したがって、本実施形態によれば、コイル700の隣接する銅線71間の絶縁を、簡単な構成で且つ確実に実現できる。
(2)コイル700は、銅線71と絶縁テープ72とを重ねた状態で螺旋状に巻くだけで構成できるので、容易に製造できる。
(3)合成高分子化合物(X)は、銅やポリイミド樹脂との接着性が良好であるので、被覆体と、銅線71及び絶縁テープ72とを、良好に接着できる。したがって、コイル700の絶縁性を向上でき、ひいては、空芯リアクトル70の信頼性を向上できる。
(4)合成高分子化合物(X)及びポリイミド樹脂の耐熱性は、約300℃以上であり、銅線のエナメル被覆材やエポキシ被覆材の耐熱性の約2倍である。それ故、空芯リアクトル70に高電圧を印加してリアクトル動作をさせた時、銅線71の発熱が2倍程度になっても、絶縁破壊等は生じない。したがって、上記構成の空芯リアクトル70においては、銅線71の厚さを、従来のリアクトルの銅線の厚さの半分より少し厚めの程度にしても、従来のリアクトルと同じリアクトル値を実現できる。但し、銅線71の正確な厚さは、銅線71の抵抗の温度依存性も考慮して設定する必要がある。また、銅線71の厚さを従来のリアクトルと同じにした場合には、空芯リアクトルの直径を約半分にしても、従来のリアクトルと同じリアクトル値を実現できる。更に、コイル700の巻き線の回数を、従来のリアクトルの1/√2程度に低減しても、従来のリアクトルと同じリアクトル値を実現できる。以上のように、上記構成の空芯リアクトル70によれば、リアクトルの性能を損なうことなく、リアクトルの大きさや重量を従来のリアクトルよりも大幅に低減できるので、良好な経済性及び省資源化を達成できる。なお、比較対象とした従来のリアクトルでは、絶縁テープが用いられておらず、被覆体がエポキシ樹脂で構成されており、その他が空芯リアクトル70と同じである。
(5)合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、392℃であり、高かった。ちなみに、ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、376℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
なお、本実施形態では、次のような構成を採用してもよい。
すなわち、被覆体を形成した後に、コイル700の複数個所を縦方向にテープで巻いて、コイル700を固定する。テープとしては、例えば、ポリイミド樹脂からなるテープを使用できる。これによれば、コイル700の稼働時の電磁力や外部からの衝撃に対して、空芯リアクトル70の形状を確実に維持できる。
[第7実施形態]
本実施形態は、第6実施形態と同じ構成を有する空芯リアクトルである。
但し、絶縁テープ72が、第1合成高分子化合物(X)を含有したフィルムで構成されている。また、被覆体を構成する第2合成高分子化合物(X)が絶縁性セラミックス微粒子を含有している。その他は第6実施形態と同じである。
第1合成高分子化合物(X)は、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)を、250℃にて3時間加熱して、硬化させて得た。第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.25部とを、混合して得た。
第2合成高分子化合物(X)は、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を250℃にて3時間加熱して、硬化させて得た。第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.002部とを、混合して得た。
更に、第2合成高分子化合物(X)は、絶縁性セラミックスである窒化アルミニウムの微粒子を含有している。窒化アルミニウム微粒子は、約2μmの粒径を有しており、約49%volの体積充填率で第2合成高分子化合物(X)に充填されている。これにより、第2合成高分子化合物(X)は、耐熱性、耐電圧性、及び柔軟性が殆ど損なわれることなく、熱伝導率が約0.3W/mKから約6.9W/mKまで増大した。
本実施形態の空芯リアクトルは、第6実施形態と同様の作用効果を発揮すると共に、特に以下のような作用効果を発揮する。
(1)絶縁テープ72を構成する第1合成高分子化合物(X)が、被覆体を構成する第2合成高分子化合物(X)と、同種の材料であり且つ類似の組成を有しているので、第6実施形態の場合に比して、絶縁テープと被覆体との接着性をより向上できる。その結果、本実施形態の空芯リアクトルは、約330℃の高温においても、より良好な絶縁性を達成でき、より優れた信頼性を得ることができる。
(2)第2合成高分子化合物(X)の熱伝導率が高いので、コイルにおける発熱を効率良く外気に放散できる。その結果、本実施形態の空芯リアクトルは、定格許容温度を従来のリアクトルと同じにした場合に、電流容量を増大でき、しかも、小型化できる。すなわち、本実施形態の空芯リアクトルによれば、定格を、3kV、100A、10μHに増大しても、外形や内径を約10%小型化できるので、更に良好な経済性及び省資源化を達成できる。
(3)第1合成高分子化合物(X)を得るための第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、411℃であり、高かった。ちなみに、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、376℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
なお、本実施形態においては、絶縁テープ72を接着剤によって銅線71に貼り付けてもよい。
[第8実施形態]
本実施形態は、第7実施形態と同じ構成を有する空芯リアクトルである。
但し、絶縁テープを用いておらず、銅線71が、第7実施形態の第1合成高分子化合物(X)を用いて被覆されている。その他は第7実施形態と同じである。
本実施形態では、コイル700が、銅線71と、第1合成高分子化合物(X)を含有した被覆膜とで、構成されている。なお、コイル700は、被覆された銅線71を螺旋状に巻き、絶縁性セラミックス微粒子を含有した第2合成高分子化合物(X)で構成した被覆体で被覆されている。
本実施形態においても、第6及び第7実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
また、本実施形態の空芯リアクトルは、第1合成高分子化合物(X)を得るための第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、408℃であり、高かった。ちなみに、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、386℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
なお、本実施形態は、銅線71が断面丸形形状や幅狭の断面平板形状を有する場合に、特に有効に適用できる。
[第9実施形態]
図2は、本発明の第9実施形態の高耐熱電磁機器であるモールド変圧器を示す斜視図である。このモールド変圧器20は、3相モールド変圧器であり、各相のコイルである3つのモールドコイル10を有している。このモールド変圧器20は、例えば、一次側電圧が6kV、二次側電圧が210V、定格容量が750kVAの、内鉄形のモールド変圧器である。定格電流は、一次側が65A、二次側が2060Aである。モールドコイル10は、断面が略長円の柱状に形成されている。モールドコイル10には、図の縦方向に貫通する鉄心15が設けられている。モールドコイル10は、低電圧の二次コイルが内側に、高電圧の一次コイルが外側になるように、構成されている。3つのモールドコイル10の二次コイルは、低圧端子25にそれぞれ接続されており、一次コイルは高圧端子26にそれぞれ接続されている。3つの鉄心15の上下端部分を挟み込むように、上部フレーム18と下部フレーム19とが設けられている。下部フレーム19の両端部には、据付板21が、防振ゴム22を介して、取り付けられている。
モールドコイル10の一次コイルは、被覆された銅線が螺旋状に巻かれて構成されている。すなわち、一次コイルは、銅線と、銅線を被覆した被覆膜とで、構成されている。被覆膜の厚さは、例えば、10μm〜1000μmである。
そして、被覆膜は、第1合成高分子化合物(X)を含有している。第1合成高分子化合物(X)は、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)を、250℃にて3時間加熱して、硬化させて得た。第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.1部とを、混合して得た。
モールドコイル10の二次コイルも、一次コイルと同じく、銅線と、第1合成高分子化合物(X)を含有した被覆膜とで、構成されている。
モールドコイル10は、例えば、高さ84cm、長径50cmの、長円柱である。そして、モールドコイル10の上下の端面及び側面には、厚さ約4〜5cmの被覆体が形成されている。
そして、被覆体は、第2合成高分子化合物(X)を含有している。第2合成高分子化合物(X)は、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を、加熱して、硬化させて得た。第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としての白金−カルボニルビニルメチル錯体0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.01部とを、混合して得た。
モールドコイル10は、次のようにして作製した。
まず、二次コイルと一次コイルとを作製した。なお、一次コイルと二次コイルとの間には、両者間の絶縁を保つために、ポリイミド樹脂等で構成された混触防止板を設けた。次に、両コイルを、断面が略長円形の筒状の金型(図示せず)内に挿入した。このとき、金型の寸法は、金型と一次コイルとの間に4〜5cmの隙間ができるように、設定した。次に、金型を真空チャンバーに入れ、真空チャンバー内の空気を抜いて低圧とし、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を、金型内の隙間に、すなわち、金型と一次コイルとの間及び両コイルの間に、流し込んだ。次に、金型と両コイルを60℃程度の温度に加熱し、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)の粘度を下げて、所定時間保持し、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を上記隙間に十分に行き渡らせた。次に、金型、両コイル、及び第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を約200℃にて3時間加熱して、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を、硬化させて、第2合成高分子化合物(X)とした。その後、両コイルを金型から取り出し、型枠を除去した。これにより、一次コイル及び二次コイルの両者が被覆されて、両コイルと被覆体とからなるモールドコイル10が得られた。
ところで、両コイル全体を、約4〜5cmの肉厚で、気泡やボイドや隙間がないように覆うためには、第2合成高分子化合物(X)の粘度を適切に調節することが重要である。第2合成高分子化合物(X)の粘度が高すぎると、第2合成高分子化合物(X)が金型内に十分に行き渡らず、両コイルと被覆体との間に隙間ができることがある。逆に、第2合成高分子化合物(X)の粘度を低くするために、その重量平均分子量を過度に小さくすると、耐熱性が低下する。しかるに、第2合成高分子化合物(X)においては、耐熱性が高く且つ硬化後に高温でも適度の柔軟性を維持できるように、重量平均分子量を設定している。このような第2合成高分子化合物(X)の粘度は約1万cpである。しかし、粘度は温度に強く依存するので、本実施形態では、作製の際に、第2合成高分子化合物(X)を、上記のように一旦60℃に加熱することによって、3000〜5000cp程度の低い粘度とし、それを約3時間維持し、金型内の上記隙間に十分に行き渡らせた後に、200℃に加熱して硬化させている。
本実施形態のモールド変圧器20の作動を、従来のモールド変圧器とは異なる特徴的な点に着目して、以下に説明する。なお、従来のモールド変圧器では、銅線がエポキシ樹脂系ワニスで被覆されており、被覆体がエポキシ樹脂で構成されており、その他が本実施形態のモールド変圧器20と同じである。
本実施形態のモールド変圧器20は、同一規格の従来のモールド変圧器に比して、定格電流及び短絡電流を約1.6倍に増大できた。そして、その状態で本実施形態のモールド変圧器20を動作させると、モールドコイル10の温度がかなり上昇するが、電気的機械的な異常は生じなかった。これは、第2合成高分子化合物(X)が、392℃という高い5重量%減少温度を有しており、しかも、高温でも柔軟性を維持できるからである。
モールドコイル10の温度が上昇すると、鉄心15の温度も上昇するが、鉄心15の鉄損は、温度が高くなると減少するので、本実施形態のモールド変圧器によれば、変換効率を増大できるという効果も得ることができた。
従来のモールド変圧器の場合の1.5倍の短絡電流によって、本実施形態のモールド変圧器20の一次コイル及び二次コイルの温度は、340℃近くまで上昇すると推測される。しかし、この程度の温度では、両コイル周辺の第2合成高分子化合物(X)は劣化しないので、本実施形態のモールド変圧器20は、高耐電圧を維持することができた。
また、第2合成高分子化合物(X)は、340℃近くの高温でも高い柔軟性を維持できる。したがって、第2合成高分子化合物(X)は、一次コイルと二次コイルとの間に生じる電磁的な反発力を吸収することができた。それ故、モールド変圧器20の被覆体には、クラックが生じなかった。
また、本実施形態のモールド変圧器20は、第1合成高分子化合物(X)を得るための第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)、及び、第2合成高分子化合物(X)を得るための第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、412℃であり、高かった。ちなみに、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、376℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。なお、第2合成高分子化合物(X)についても、第1合成高分子化合物(X)と同様であった。
また、本実施形態のモールド変圧器20は、効率が98.2%、電圧変動率が1.7%、無負荷電流が3.5%、短絡インピーダンスが4.5%であり、高い特性を発揮できた。
更に、本実施形態のモールド変圧器20は、交流耐電圧印加試験、雷パルス試験、及び信頼性試験等においても、従来のモールド変圧器と同等以上の結果を得ることができた。
以上のように、本実施形態のモールド変圧器20は、従来のモールド変圧器に比して、耐熱性が高く、略同形状の従来のモールド変圧器に比して、他の特性を損ねることなく、定格電流すなわち定格容量を約1.6倍に増大できた。
[第10実施形態]
本実施形態は、第9実施形態と同じ形態を有するモールド変圧器である。
但し、被覆体を構成する第2合成高分子化合物(X)は、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)を250℃にて硬化させて得た。そして、第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)は、第1実施形態と同様にして得た、ケイ素含有重合体(A)50部とケイ素含有重合体(B)50部とを、混合し、この混合物に、硬化反応触媒としてのクロロトリストリフェニルホスフィンロジウム(I)0.005部と、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネート0.05部とを、混合して得た。また、第2合成高分子化合物(X)は、絶縁性セラミックス微粒子を含有している。その他は、第9実施形態と同じである。
絶縁性セラミックスとしては、窒化アルミニウムを用いている。窒化アルミニウム微粒子は、約2μmの粒径を有しており、約48%volの体積充填率で第2合成高分子化合物(X)に充填されている。これにより、第2合成高分子化合物(X)は、耐熱性、耐電圧性、及び柔軟性が殆ど損なわれることなく、熱伝導率が約0.3W/mKから約6.7W/mKまで増大した。
本実施形態のモールド変圧器によれば、モールドコイル10の被覆体の熱放散性が、第9実施形態の場合よりも更に向上するので、定格電流及び短絡電流を、従来のモールド変圧器の場合の約2.1倍にしても、特に電気的機械的な異常は生じなかった。
また、本実施形態のモールド変圧器の、効率、無負荷電流、及び短絡インピーダンス等の、電気的性能は、従来のモールド変圧器と殆ど同じであり、信頼性は、従来のモールド変圧器よりも優れていた。
また、本実施形態のモールド変圧器は、第9実施形態と同様に、第1合成高分子化合物(X)を得るための第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)、及び、第2合成高分子化合物(X)を得るための第2ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、412℃であり、高かった。ちなみに、第1ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、第1合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、376℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。なお、第2合成高分子化合物(X)についても、第1合成高分子化合物(X)と同様であった。
以上のように、本実施形態のモールド変圧器は、第9実施形態のモールド変圧器に比して、熱放散性がより高く、略同じ形状及び寸法の従来のモールド変圧器に比して、定格電流すなわち定格容量を更に増大することができた。
[第11実施形態]
本実施形態は、第6実施形態と同じ構成を有する空芯リアクトルである。
但し、絶縁テープ72は、用いられていない。また、銅線71は、表面がニッケルメッキされており、ポリイミド樹脂で被覆されている。すなわち、銅線71の被覆膜が、ポリイミド樹脂を含有している。被覆膜の厚さは、約35μmである。その他は、第6実施形態と同じである。
銅線71のポリイミド樹脂による被覆は、塗布法、押し出し法等で行う。これらの方法は、高耐熱エナメル線の被覆方法として公知である。
本実施形態の空芯リアクトルは、第6実施形態と同様の作用効果を発揮すると共に、特に以下のような作用効果を発揮する。
(1)ポリイミド樹脂が、熱可塑性樹脂であり、高温で高い流動性を有している。したがって、本実施形態は、合成高分子化合物(X)によって銅線71を被覆する場合に比して、製作が容易であるという利点を有する。
(2)上記構成の空芯リアクトル70においては、コイル700の隣接する銅線71間の絶縁が、ポリイミド樹脂によって達成されている。したがって、本実施形態によれば、コイル700の隣接する銅線71間の絶縁を、簡単な構成で且つ確実に実現できる。しかも、空芯リアクトル70を容易に製造できる。
(3)合成高分子化合物(X)は、銅、ニッケル、及びポリイミド樹脂との接着性が良好であるので、被覆体と、銅線71及び銅線71の被覆膜とを、良好に接着できる。したがって、コイル700の絶縁性を向上でき、ひいては、空芯リアクトル70の信頼性を向上できる。
[第12実施形態]
本実施形態は、第6実施形態と同じ構成を有する空芯リアクトルである。
但し、空芯リアクトル70は、1kV、80A、10μHの定格を有している。また、絶縁テープ72は、用いられていない。また、銅線71は、表面がニッケルメッキされており、アルミナを主成分とするセラミックスで被覆されている。すなわち、銅線71の被覆膜が、セラミックスを含有している。被覆膜の厚さは、約40μmである。また、合成高分子化合物(X)では、鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを0.05部用いている。その他は、第6実施形態と同じである。
銅線71のセラミックスによる被覆は、高耐熱エナメル線の被覆方法として公知の方法で行う。
本実施形態の空芯リアクトルは、第6実施形態と同様の作用効果を発揮すると共に、特に以下のような作用効果を発揮する。
(1)上記構成の空芯リアクトル70においては、コイル700の隣接する銅線71間の絶縁が、セラミックスによって達成されている。したがって、本実施形態によれば、コイル700の隣接する銅線71間の絶縁を、簡単な構成で、且つ、更なる高温においても確実に、実現できる。しかも、空芯リアクトル70を容易に製造できる。
(2)合成高分子化合物(X)は、銅、ニッケル、及びセラミックスとの接着性が良好であるので、被覆体と、銅線71及び銅線71の被覆膜とを、良好に接着できる。したがって、コイル700の絶縁性を向上でき、ひいては、空芯リアクトル70の信頼性を向上できる。
(3)本実施形態によれば、銅線71の被覆膜をセラミックスで構成しているので、被覆膜を合成高分子化合物(X)で構成した場合に比して、空芯リアクトル70の耐電圧性は劣るが、耐熱温度をより高くできる。例えば、本実施形態では、空芯リアクトル70の耐熱温度を400℃に向上できたが、合成高分子化合物(X)の組成を改善することによって合成高分子化合物(X)の耐熱温度を更に向上できれば、空芯リアクトル70の耐熱温度を500℃程度まで向上することが可能である。
(4)合成高分子化合物(X)及びセラミックスの耐熱性は、約300℃以上であり、銅線のエナメル被覆材やエポキシ被覆材の耐熱性の約2倍である。それ故、空芯リアクトル70に高電圧を印加してリアクトル動作をさせた時、銅線71の発熱が2倍程度になっても、絶縁破壊等は生じない。したがって、上記構成の空芯リアクトル70においては、銅線71の厚さを、従来のリアクトルの銅線の厚さの半分より少し厚めの程度にしても、従来のリアクトルと同じリアクトル値を実現できる。但し、銅線71の正確な厚さは、銅線71の抵抗の温度依存性も考慮して設定する必要がある。また、銅線71の厚さを従来のリアクトルと同じにした場合には、空芯リアクトルの直径を約半分にしても、従来のリアクトルと同じリアクトル値を実現できる。更に、コイル700の巻き線の回数を、従来のリアクトルの1/√2程度に低減しても、従来のリアクトルと同じリアクトル値を実現できる。以上のように、上記構成の空芯リアクトル70によれば、リアクトルの性能を損なうことなく、リアクトルの大きさや重量を従来のリアクトルよりも大幅に低減できるので、良好な経済性及び省資源化を達成できる。なお、比較対象とした従来のリアクトルでは、絶縁テープが用いられておらず、被覆体がエポキシ樹脂で構成されており、その他が空芯リアクトル70と同じである。
(5)合成高分子化合物(X)を得るためのケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体としての鉄(III)アセチルアセトネートを含有しているので、優れた耐熱性を発揮できた。具体的には、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、400℃であり、高かった。ちなみに、ケイ素含有硬化性組成物(Y)が鉄族含有錯体を含有していない場合の、合成高分子化合物(X)の5%重量減少温度は、376℃であった。このことから、鉄族含有錯体が耐熱性を向上させる効果を有していることは、明らかである。
なお、セラミックスで構成された被覆膜を、更に、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、又はポリエステル樹脂等によって、更に被覆してもよい。すなわち、導線の被覆膜を、例えば、セラミックス被覆膜と上記樹脂被覆膜とからなるダブルコートで構成してもよい。
[別の実施形態]
前駆体(1)、(2)、及び(3)の各製造例、及び、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の各製造例は、第1実施形態及び第2実施形態で述べたものに限定されるものではない。また、ケイ素含有硬化性組成物(Y)も、上記の実施形態で述べたものに限定されるものではない。これらについての各種の変形・応用は、当業者にとって容易に考え付くことである。
また、本発明は、更に、次に示すような構成を採用してもよい。
(1)本発明は、内鉄形又は外鉄形のいずれの変圧器にも適用できる。
(2)本発明は、単相又は三相のいずれの変圧器にも適用できる。
(3)本発明は、金属ケースに収納された変圧器、ケースにモールド封入された変圧器、柱上変圧器、又は路上変圧器にも、適用できる。
(4)本発明は、定格容量において、例えば、7万〜22万V級の大容量のモールド変圧器や10〜100MW級の大容量のモールド変圧器にも、適用できる。
(5)本発明は、小型化及び軽量化に好適であるので、電車や電気自動車等の車両用変圧器や事故時の応急用可搬型変圧器に適用することによって、大きな利点を得ることができる。
(6)本発明は、空芯リアクトル以外に鉄心リアクトルにも適用できる。また、本発明は、直列リアクトル、分路リアクトル、消弧リアクトル、中性点リアクトル、直流リアクトルにも適用できる。
(7)本発明の被覆された導線、すなわち合成高分子化合物(X)で被覆された導線は、モーター、発電機等の各種の電磁コイルを構成する場合にも使用でき、高耐熱性という特性を発揮できる。特に、本発明の高耐熱導線は、瞬発力を発生したときの大きな発熱に耐えることができるので、電気自動車、ハイブリッドカー、及び電車等の、大きな瞬発力を必要とするモーターに、より効果的に使用できる。
(8)本発明は、電流トランスフォーマ(CT)や電圧トランスフォーマ(VT)等の変成器、電流測定用のロボスキーコイル等にも適用でき、高耐熱性という特性を発揮できる。
(9)実施形態で説明した本発明の高耐熱導線は、主に、太い導線であるが、本発明の高耐熱導線は、細い導線や極細の導線でも実現できる。細い導線は、家電機器用コイルとして各種の家電用電磁機器において使用でき、極細の導線は、電子機器用コイルとして各種の電子用電磁機器において使用できる。更に、太い導線や細い導線は、合成高分子化合物(X)で被覆された更に細い導線を、複数本撚り合わせて構成してもよい。
(10)上述した各実施形態の高耐熱導線は、複数本を撚り合わせることによって、導線の電流容量を大幅に増大することができる。
(11)上述した実施形態の空芯リアクトルでは、銅線71を被覆する絶縁テープや被覆膜の材料として、ポリイミド樹脂を用いているが、これに限るものではなく、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、又はセラミックス、を用いてもよい。セラミックスとしては、高耐熱巻線等に用いられている公知の各種セラミックスを用いてもよい。また、これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。更に、被覆膜は、1層に限らず、2層以上で構成してもよい。その場合、層毎に、異なる種類の上記樹脂又はセラミックスを用いてもよい。また、耐熱性や熱伝導性の向上のために、及び、部分放電に対する耐性の向上のために、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、又はポリエステル樹脂に、シリカや窒化アルミニウム等のセラミックス微粉末を分散させてもよい。更に、空芯リアクトル以外のトランス、モーター、発電機等の、各種電磁機器や、家電用及び電子用の電磁機器においても、コイルの導線の被覆膜を、上記樹脂やセラミックスで構成してもよい。なお、本発明において、セラミックスは、マイカも含む概念である。
本発明は、変圧器、リアクトル、モーター、及び発電機等の、高耐熱電磁機器において、良好な経済性及び省資源化を達成できるので、産業上の利用価値が大である。
本発明の第6実施形態の高耐熱電磁機器である空芯リアクトルを示す斜視図である。 本発明の第9実施形態の高耐熱電磁機器であるモールド変圧器を示す斜視図である。
符号の説明
10 モールドコイル 20 モールド変圧器 70 空芯リアクトル 71 銅線 72 絶縁テープ 700 コイル

Claims (23)

  1. 少なくとも一部分が合成高分子化合物(X)で被覆された導線であって、
    合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
    ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
    ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
    ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
    ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
    ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
    構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
    構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
    構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
    構成(iv)は、Si−H基であり、
    硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱導線。
  2. ケイ素含有重合体(A)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)を導入して得られたものであり、
    前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
    前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである、請求項1記載の高耐熱導線。
  3. ケイ素含有重合体(B)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、Si−H基を導入して得られたものであり、
    前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
    前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである、請求項1記載の高耐熱導線。
  4. ケイ素含有重合体(C)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)及びSi−H基を導入して得られたものであり、
    前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
    前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである、請求項1記載の高耐熱導線。
  5. ケイ素含有重合体(A)の反応基(a)のケイ素原子に、少なくとも1個の酸素原子が結合している、請求項1記載の高耐熱導線。
  6. ケイ素含有重合体(B)のSi−H基のケイ素原子に、少なくとも1個の酸素原子が結合している、請求項1記載の高耐熱導線。
  7. ケイ素含有重合体(C)の、反応基(a)のケイ素原子及びSi−H基のケイ素原子のそれぞれに、少なくとも1個の酸素原子が結合している、請求項1記載の高耐熱導線。
  8. 合成高分子化合物(X)が、合成高分子化合物(X)よりも高い熱伝導率を有する絶縁性セラミックス微粒子を含有している、請求項1記載の高耐熱導線。
  9. 熱伝導率が、4W/mK以上である、請求項8記載の高耐熱導線。
  10. 絶縁性セラミックス微粒子が、0.01〜50μmの粒径を有し、15〜85%volの体積充填率で含有されている、請求項8記載の高耐熱導線。
  11. 螺旋状に巻かれた導線を有するコイルと、コイルを被覆した被覆体と、を備えた、電磁機器において、
    コイルが、導線と、導線を被覆した被覆膜とで、構成されており、
    被覆膜が、合成高分子化合物(X)を含有しており、
    合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
    ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
    ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
    ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
    ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
    ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
    構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
    構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
    構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
    構成(iv)は、Si−H基であり、
    硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱電磁機器。
  12. 螺旋状に巻かれた導線を有するコイルと、コイルを被覆した被覆体と、を備えた、電磁機器において、
    コイルが、導線と、導線を被覆した被覆膜とで、構成されており、
    被覆体が、合成高分子化合物(X)を含有しており、
    合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
    ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
    ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
    ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
    ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
    ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
    構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
    構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
    構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
    構成(iv)は、Si−H基であり、
    硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱電磁機器。
  13. 螺旋状に巻かれた導線を有するコイルと、コイルを被覆した被覆体と、を備えた、電磁機器において、
    コイルが、導線と、導線を被覆した被覆膜とで、構成されており、
    被覆膜及び被覆体が、合成高分子化合物(X)を含有しており、
    合成高分子化合物(X)が、ケイ素含有硬化性組成物(Y)を熱硬化させて得られた硬化物であり、
    ケイ素含有硬化性組成物(Y)が、ケイ素含有重合体と、硬化反応触媒と、鉄族含有錯体と、を含有しており、
    ケイ素含有重合体が、ケイ素含有重合体(A)、(B)、及び(C)の内の、少なくともケイ素含有重合体(A)及び(B)であり、又は、少なくともケイ素含有重合体(C)であり、
    ケイ素含有重合体(A)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(i)、(ii)、及び(iii)を有しており、
    ケイ素含有重合体(B)は、構成(i)〜(iv)の内の、構成(ii)、(iii)、及び(iv)を有しており、
    ケイ素含有重合体(C)は、構成(i)〜(iv)の全てを有しており、
    構成(i)は、Si−CH=CH基、Si−R−CH=CH基、及びSi−R−OCOC(R)=CH基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは水素又はメチル基である]からなる群から選ばれた反応基(a)であり、
    構成(ii)は、Si−O−Si結合による橋架け構造であり、
    構成(iii)は、100〜100万の重量平均分子量であり、
    構成(iv)は、Si−H基であり、
    硬化反応触媒は、白金系触媒であることを特徴とする、高耐熱電磁機器。
  14. ケイ素含有重合体(A)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)を導入して得られたものであり、
    前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
    前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  15. ケイ素含有重合体(B)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、Si−H基を導入して得られたものであり、
    前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
    前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  16. ケイ素含有重合体(C)が、前駆体(1)と前駆体(2)とを反応させて得られた前駆体(3)に、反応基(a)及びSi−H基を導入して得られたものであり、
    前駆体(1)は、Si−OH基、Si−R−OH基、Si−O−R基、及びSi−X基[式中、Rは炭素数1〜9のアルキレン基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である]からなる群から選ばれた1種以上の反応基(1)を有しており、
    前駆体(2)は、反応基(1)と反応して共有結合を形成できる反応基(2)を末端に有する線状ポリシロキサンである、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  17. ケイ素含有重合体(A)の反応基(a)のケイ素原子に、少なくとも1個の酸素原子が結合している、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  18. ケイ素含有重合体(B)のSi−H基のケイ素原子に、少なくとも1個の酸素原子が結合している、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  19. ケイ素含有重合体(C)の、反応基(a)のケイ素原子及びSi−H基のケイ素原子のそれぞれに、少なくとも1個の酸素原子が結合している、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  20. 合成高分子化合物(X)が、合成高分子化合物(X)よりも高い熱伝導率を有する絶縁性セラミックス微粒子を含有している、請求項11、12、又は13に記載の高耐熱電磁機器。
  21. 熱伝導率が、4W/mK以上である、請求項20記載の高耐熱電磁機器。
  22. 絶縁性セラミックス微粒子が、0.01〜50μmの粒径を有し、15〜85%volの体積充填率で含有されている、請求項20記載の高耐熱電磁機器。
  23. 被覆膜が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、及びセラミックス、の内から選択した1種又は2種以上を含有しており、1層で又は2層以上で構成されている、請求項12記載の高耐熱電磁機器。
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