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JP2008090964A - 追記型2層構成光記録媒体 - Google Patents

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JP2008090964A JP2006272259A JP2006272259A JP2008090964A JP 2008090964 A JP2008090964 A JP 2008090964A JP 2006272259 A JP2006272259 A JP 2006272259A JP 2006272259 A JP2006272259 A JP 2006272259A JP 2008090964 A JP2008090964 A JP 2008090964A
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Toshishige Fujii
俊茂 藤井
Noboru Sasa
登 笹
Yoshitaka Hayashi
嘉隆 林
Masayuki Fujiwara
将行 藤原
Michiaki Shinozuka
道明 篠塚
Masaru Magai
勝 真貝
Hiroyoshi Sekiguchi
洋義 関口
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Abstract

【課題】簡易で単純な層構成を有し、高密度記録において記録再生波長のレーザ光に対する大きな屈折率と小さい吸収係数を実現可能で、高反射率、高感度な追記型2層構成光記録媒体の提供。
【解決手段】レーザ光入射側から順に、第一基板、第一情報層、中間層、第二情報層、第二基板を有し、第一情報層は、レーザ光入射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層、In、Zn、Sn及びSiの酸化物を主成分とする熱拡散層が積層形成されており、第二情報層は、レーザ光入射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が積層形成されている追記型2層構成光記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、青色レーザ光波長領域でも高密度の記録が可能な追記型(WORM:Write Once Read Many)光記録媒体に係り、特に、少なくとも第一情報層、中間層及び第二情報層を有する追記型2層構成光記録媒体に関するものである。
レーザ光ビームの照射により記録可能な光記録媒体として、CD−R、DVD−R等の追記型光記録媒体がある。これらの光記録媒体はCD−ROM又はDVD−ROMと再生互換性があり、小規模の配布媒体や保存用の媒体として使用されている。CD−RやDVD−Rは現在有機色素を用いた媒体が主流であり、低コストで大量生産が行われている。一方、追記型光記録媒体を無機記録層で実現する場合には、層数が多くなるとコストが上昇し商品としてのメリットが無くなるため、できるだけ層数の少ない追記型光記録媒体が提案されてきた。このような追記型光記録媒体には穴あけタイプ、相変化タイプ、合金化タイプなどの記録方式があり、コストの面からは穴あけタイプが有望であるが、C/Nが低くなってしまうという問題があった。これは穴を開けたピット部分において溶融した膜がピット内に水玉のようになって残ったり、周辺部に盛り上がったりすることが原因である。また、穴あけタイプでは層構成が1層となるため、通常使用されてきた記録膜では、ROMの高い反射率に対応できず規格外製品となってしまっていた。
穴あけ記録材料としてはTeとAu又はAgの化合物があるが(特許文献1〜2など)、これらの材料の沸点は1000℃以上であり、非常に感度が低い光記録媒体であった。
融点まで温度を上昇させればよい相変化タイプに比べ、穴あけタイプでは記録のために沸点以上まで温度を上げる大きな熱量を必要としている。そのため、相変化タイプに比べて大きなレーザパワーを必要とし、高線速記録となると半導体レーザのパワーが足りなくなる。従って、より高感度な記録膜が要求されている。
特許文献3には、400℃以下の温度で揮発性成分を遊離する第一の層の上に耐腐食性金属層を形成し、記録感度を高める試みをした発明が開示されているが、反射率を高めることは目的とされておらず、ROM互換とはなり得ない。また、耐腐食性金属をAu、Agなどとしているが、これらは熱伝導率が極めて高く、加熱したエネルギーが拡散により逃げるため、結果的に効果は低く、高線速記録には不適当であった。
また、特許文献4には、合金化タイプとして、Ge、Si、Snの何れかの元素からなる層と、Au、Ag、Al、Cuの何れかの元素からなる層にレーザ光を照射し、この二層を合金化させて記録する発明が提案されているが、low to high記録となり、ROM互換とはなり得なかった。
また、特許文献5には、記録層にInTe合金を用い、In:Te=2:1〜1:1、又は2:3〜2:5とした相変化タイプの光記録媒体が開示されているが、この発明では成膜時の状態が非晶質であり反射率が低いため初期化処理が必要である。そのため工程が増えコストの増大を招いていた。
また、特許文献6には、Ag−Znからなる第一の層(相変化合金薄膜)と、Te、Se、Sから選ばれる一種類を主成分とする第二の層(低融点薄膜)を設け、二つの層の拡散により記録を行なう発明が開示されているが、反射率を高めるために第一の層を300〜700Å、第二の層を500〜1500Åと厚くしており、生産時のタクト及びコストに不利となっていた。また、膜厚を厚くすることにより反射率を大きく上げているが、本発明者らの調査では、反射率が高く吸収率が小さすぎるため記録膜上で熱吸収が殆ど起こらず、感度が非常に悪いということが分かった。このためDVDなどの速い線速を求められる媒体には使用できない。また、AgとTe、Seなどは非常に反応性が高く、読み取りレーザ光を照射するだけで、又は媒体を放置するだけで、二つの層の反応が起こり反射率が低下した。
また、特許文献7には、第1層が主にInからなる薄膜、第2層が周期表の5B、6B族元素を含む薄膜からなり、2層間の反応又は合金化による反射率変化を伴う媒体が開示されているが、この媒体も特許文献6の発明と同様に、InとTeなどの反応性が高いため非常に不安定であった。
上記した諸々の問題が、層数の少ない無機材料からなる記録層を有する追記型光記録媒体の普及に大きな障害となっていた。
また、以前に本発明者らは青色領域のレーザ光による追記型光記録媒体に関する発明を出願した(特願2004−363010)。この発明は、従来、光吸収機能による熱発生層であり且つ分解・変質に起因した屈折率(複素屈折率の実部)変化による記録層として機能していた有機材料薄膜の代りに、無機層である主に酸化ビスマスからなる記録層(Re層)を設けた点に特徴がある。先願では、媒体の層構成が重要であることに気付き、層構成を最適化することにより大きな有用性を見出した。本発明者らは主に酸化ビスマスからなる記録層を青色レーザ対応の追記型光記録媒体に適用し、非常に優れた記録再生特性が得られることを確認している。
最近では、書き換え可能な追記型光記録媒体の記録容量を増大する観点から、片面2層構成の提案がなされている(例えば、特許文献8〜9、非特許文献1等参照)。
本発明者らが開発を行っているRe層を有する追記型光記録媒体はBiの結晶化を主体とした記録原理を有するが、高感度で反射率が適切な媒体を得るためには、その媒体設計が非常に重要となる。
しかしながら、前記先願のRe層のBiは結晶化速度が速いため、マークを横方向に広げないためにも速やかに隣接する反射層などに熱を逃がしてやる必要がある。即ち、急冷構造を取ることが必要な材料であり、記録層片面2層型のような反射層の薄い構造では、微小なマーク形成が困難になるという問題がある。
比較的熱伝導率が高く光吸収率の小さい窒化物又は炭化物などを用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層)を反射層の上に更に設けて急冷構造に近づける方法が、単層相変化型情報記録媒体(特許文献10)、及び、2層相変化型情報記録媒体(特許文献11)などで提案されている。この方法は第一情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前述のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
しかしながら、これら窒化物又は炭化物などの材料は、応力が大きいために形成された熱拡散層にクラックを生じ易く、その結果、熱拡散層を設けた光ディスクについて、充分なオーバーライト特性が得られないという問題がある。また、炭化物材料は、特に短波長側での吸収が大きく、青紫色レーザを用いるBlu−ray Diskシステムのような次世代のシステムでは、第一情報層の光透過率を大きくすることが出来ないと言う問題が生じる。
特開昭60−179952号公報 特開昭60−179953号公報 特開昭57−157790号公報 特開平4−226784号公報 特開平1−162247号公報 特許第2948899号公報 特開平11−34501号公報 特開2003−200663号公報 特開2003−203383号公報 特開平8−50739号公報 特開2000−222777号公報 International Symposium on Optical Memory 2003(ISOM 2003)予稿集p.74
本発明は、上述したような従来の問題に鑑み、簡易で単純な層構成を有し、高密度記録において記録再生波長のレーザ光に対する大きな屈折率と小さい吸収係数を実現可能で、高反射率、高感度な追記型2層構成光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜11)の発明(以下、本発明1〜11という)によって解決される。
1) レーザ光入射側から順に、第一基板、第一情報層、中間層、第二情報層、第二基板を有し、第一情報層は、レーザ光入射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層、In、Zn、Sn及びSiの酸化物を主成分とする熱拡散層が積層形成されており、第二情報層は、レーザ光入射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が積層形成されていることを特徴とする追記型2層構成光記録媒体。
2) 熱拡散層の熱伝導率が、薄膜の状態で0.9〜1.6(W/mK)の範囲にあることを特徴とする1)記載の追記型2層構成光記録媒体。
3) 第一情報層の反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2の比(T2/T1)が1.4〜12の範囲にあることを特徴とする1)又は2)記載の追記型2層構成光記録媒体。
4) 第一情報層の反射層の膜厚T1が8〜15nm、熱拡散層の膜厚T2が21〜96nmであることを特徴とする3)記載の追記型2層構成光記録媒体。
5) 第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2の比(t2/t1)が、0.7〜1.5の範囲にあることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
6) 第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであり、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
7) 第一情報層のRe層よりも手前に、典型元素を含む化合物を主成分とする層(典型元素を含む化合物層)が積層形成されていることを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
8) 典型元素を含む化合物層の典型元素がZn、Si、Al、In及びSnの中から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする7)記載の追記型2層構成光記録媒体。
9) 典型元素を含む化合物層の膜厚が10〜70nmであることを特徴とする7)又は8)記載の追記型2層構成光記録媒体。
10) Re層が、Bi酸化物を主成分とするものであることを特徴とする1)〜9)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
11) Re層が、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有することを特徴とする1)〜10)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
従来公知の追記型光記録媒体においては、有機材料薄膜が記録層と光吸収層の機能を兼用しているため、記録再生波長に対して、大きな屈折率nと比較的小さな吸収係数kを有することが有機材料の必須条件とされ、そのため有機材料を分解させる温度まで到達させるには、比較的、膜厚を厚く形成する必要があった。また、相変化型の光記録媒体については、基板の溝深さを非常に深くする必要があった。
これに対し、本発明の光記録媒体では、Re層が主たる光吸収機能を担う。
Re層の材料は正常分散を示し、有機材料のように、ある波長範囲内に大きな吸収帯を有する材料ではないため、複素屈折率の波長依存性が小さい。その結果、レーザ光の個体差や、環境温度の変化等による記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変化するという従来の問題を大幅に解消することができる。
更に、本発明者らが鋭意検討した結果、本発明1のような層構成とし、熱拡散層の材料として、In、Zn、Sn及びSiの酸化物を主成分とする材料を用いることにより、ジッタ、PRSNRが向上することを見出した。ここで主成分とは、これらの4種類の酸化物を併せて材料全体の50モル%以上を占めることを意味するが、通常はこれらの酸化物のみを用いる。また、上記4種の酸化物の混合比は、モル比で、1:4〜6:3〜5:1〜2の範囲が好ましい。これらの範囲は情報層の違いによって調整できる。また、Re層においてBiを主成分として含有するとは、Biを必須成分とし、酸素を除いた構成元素全体のうち、Biが30原子%以上を占めることを意味する。例えば、Re層がBi、Fe、O(酸素)からなる場合、BiとFeの合計量のうち、Biが30原子%以上を占めることを意味する。
なお、PRSNR(Partial Response Signal to Noise Ratio)は、再生信号のS/N及び実際の再生波形と理論的なPR波形線形成を同時に表現できる指標であり、ディスクのビット誤り率の推定を行うために必要な指標の一つである。再生波形から得られる振幅情報を特殊処理して目標とする信号を作り出し、実際の再生信号との差をPRSNRとして規格化している。PRSNRが大きいほど信号特性は良好であり、一般にエラー率を実用的な範囲に留めるためには15以上の値を必要とするとされる。
本発明では、Re層を用いた媒体を記録層片面2層型にするため、第一情報層の反射層の膜厚を、光が十分に透過する程度まで薄くしなければならない。一方、前述したようにBiは結晶化速度が速いため、マークを横方向に広げないためにも隣接する反射層などに速やかに熱を逃がしてやる必要がある。即ち、急冷構造を取ることが必要な材料であり、反射層の薄い構造では微小なマーク形成が困難になるという問題がある。
また、第二情報層が記録再生できるように、用いるレーザ光波長での吸収率が小さいことも望まれる。情報の記録再生に用いるレーザ光の波長において、消衰係数は0.5以下が望ましく、0.3以下がより好ましい。消衰係数が0.5よりも大きいと第一情報層での吸収率が増大し、第二情報層の記録再生が困難になる。
そこで、本発明1のような層構成を採用したところ、反射層が薄い構造においても急冷構造を確保でき、微小なマークを形成させることが出来るようになり、PRSNRの大幅な改善が可能となった。
図1に本発明の追記型2層構成光記録媒体の基本的層構成を示す。但し、典型元素を含む化合物層はなくてもよい。
各層の膜厚は、通常、第一情報層では、Re層を5〜25nm、好ましくは10〜15nm、誘電体層を10〜30nm、好ましくは13〜25nm、反射層を5〜25nm、好ましくは8〜15nm、熱拡散層を21〜96nm、好ましくは55〜80nm、第二情報層では、Re層を5〜25nm、好ましくは10〜15nm、誘電体層を10〜30nm、好ましくは13〜25nm、反射層を50〜200nm、好ましくは60〜90nmとする。
更に、熱拡散層の熱伝導率は、薄膜の状態で0.9〜1.6(W/mK)の範囲とすることが好ましい。0.9(W/mK)未満ではPRSNRが悪化する。これは薄い反射層を用いていることが原因となり、熱が充分に拡散せず微小なピットが形成しにくくなっているためと推測される。また、熱伝導率が1.6(W/mK)を超えると、第一情報層のPw(感度)が悪化する。これは放熱が大きすぎてピット形成に必要なエネルギーが失われるためである。なお、上記数値は、膜厚が1000nmの薄膜を用い、レーザ周期過熱による熱反射法を用いて、加熱レーザスポット径3μm、検出レーザスポット径2μmで3点について測定した平均値である。
追記型2層構成光記録媒体においては、第一情報層に記録できる特性を保持しながら、第一情報層が第二情報層に記録再生できるだけの光を適量透過させる能力を有する必要がある。従って、第一情報層の反射層の膜厚と熱拡散層の膜厚のバランスが非常に重要であり、第一情報層の反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2の比(T2/T1)を1.4〜12の範囲として、第一情報層と第二情報層の記録再生特性のバランスを取ることが好ましい。これにより、両情報層において良好な信号特性と感度を実現できる。T2/T1が1.4よりも小さいと、第一情報層の反射率が上昇しすぎて、第二情報層へ到達する光が少なくなり、第二情報層の感度やPRSNRの悪化を招くことがあり、T2/T1が12よりも大きいと、第一情報層の透過率が高くなりすぎて、第一情報層の感度やPRSNRの悪化を招くことがある。
前述したように、Biの性質から急冷構造が重要であるが、第一情報層の反射層の膜厚T1が8〜15nmの範囲にある場合には、T2/T1が1.4〜12の範囲となるように、T2を21〜96nmの範囲とすることが好ましい。T2が21nmよりも薄いと、反射層が薄い構造では微小なマーク形成が難かしくなり、信号特性が悪化することがある。また、T2が96nmよりも厚いと、熱の拡散が多すぎる現象が生じて第一情報層の感度が悪化することがある。
更に、第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2の比(t2/t1)が、0.7〜1.5の範囲にあるようにすれば、第一情報層の透過率と第二情報層の反射率とのバランスが最適となり、両情報層において良好な記録特性(PRSNR、反射率、感度)が得られる。t2/t1が0.7未満では、第一情報層の反射率が高くなり透過率が低くなるなどのため、第二情報層の感度が非常に悪くなることがある。また、t2/t1が1.5よりも大きくなると、第二情報層の反射率が大幅に上昇し、やはり第二情報層の感度が著しく悪化し、PRSNRも悪化することがある。
即ち、本発明5のように、第一情報層と第二情報層の誘電体層の膜厚比を最適化することにより、両情報層において、比較的簡素な層構成で、高いPRSNR、高反射率、高感度の特性を実現できる。
更に、第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nm、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであるように各層の膜厚を選択すれば、第一情報層の透過率と第二情報層の反射率とのバランスが最適となり、両情報層において良好な記録特性(PRSNR、反射率、感度)が得られる。第一情報層の各膜厚が上記限定範囲を外れると、第一情報層の透過率が低下し、第二情報層の感度が著しく悪化し、PRSNRも悪化することがある。第二情報層の各膜厚が上記限定範囲を外れると、第二情報層の反射率が著しく上昇し、第二情報層の感度とPRSNRが悪化することがある。
即ち、本発明6のように、第一情報層及び第二情報層の各層の膜厚を最適化することにより、両情報層において、比較的簡素な層構成で、高いPRSNR、高反射率、高感度の特性を実現できる。
更に、第一情報層のRe層よりも手前に、典型元素を含む化合物を主成分とする層(典型元素を含む化合物層)を積層形成することが望ましい(図1参照)。ここで主成分とは、典型元素を含む化合物が材料全体の30モル%以上を占めることを意味するが、通常は該化合物のみを用いる。
典型元素としてはZn、Si、Al、In及びSnの中から選ばれる一種以上の元素が好ましい。また、典型元素を含む化合物としては、ZnSSiO、Al、AlN、ITO(InO−SnO)などが挙げられる。
通常、基板は水分や酸素を含み、また、水分や酸素を透過しやすいので、記録層などが接している場合、これらの層を酸化して特性を悪化させるが、Re層と基板との間に典型元素を含む化合物層を設けると、透過する酸素や水分を遮断し、耐環境試験特性における安定性が大きく向上するので、保存特性が向上する。しかも、典型元素を含む化合物層を用いても、反射率を低下させるなどの悪影響を及ぼすことはない。
典型元素を含む化合物層の膜厚は、10〜70nmとすることが望ましい。10nm未満では酸素や水分の透過を充分に防ぐことができずRe層の劣化を招き、70nmを超えると製膜に時間がかかり、タクトが長くなったり、製膜の熱によって基板や溝が変形するなどの弊害をもたらす上に、記録特性が著しく劣化する。
更に、必要に応じて、中間層と第二情報層のRe層との間に典型元素を含む化合物層を設けても良い。これにより、第二情報層の安定性が増すことが期待される。
本発明10では、Re層としてBi酸化物を主成分とする層を用いる。ここで、主成分とは、Re層中のBiの量が前述した条件を満足するように用いることを意味する。
Bi酸化物をRe層の材料として用いることにより、極めて良好なPRSNRを得ることができ、かつ反射率の向上を図ることができる。このような層は、Re層を製膜する際のターゲットをBi酸化物又はBi合金酸化物とするか、Bi又はBi合金をアルゴンと酸素の混合雰囲気中でスパッタする等の手段を用いることにより製膜できる。
本発明11では、Re層が、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B、及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有する。
元素Mを含有させることにより青色波長の光に対して良好な記録を行うことができる。未記録状態の結晶構造と記録マークの結晶構造が異なるようにすることにより変調度を得ることは、従来から相変化記録などで行われていたが、本発明では、2種類以上の酸化物の結晶が混在する状態で記録マークを形成することにより、記録マークと未記録部の屈折率差などがより大きくなり、大きな変調度が得られる。更に、それぞれの酸化物の結晶だけでなく単体元素の結晶を存在させることで、より大きな効果が得られる。また、異なる元素又は結晶構造の結晶が混在することで、結晶の成長を抑えることができる。即ち、二つ以上の異なる元素及び/又は結晶構造の結晶からなる記録マークは、大きく成長して広がってしまうことが抑制され、小さい記録マークを形成することができる。
誘電体層の材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一般的には、透明性が高く高融点である金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物を用いることができる。
種々の材料を検討した結果、上記観点及びRe層との整合性を考慮して、好ましい結果をもたらす低熱伝導率の材料としては、ZnS、ZnO、TaS及び希土類硫化物から選択される少なくとも1種を50〜90モル%含み、かつ、融点又は分解点が1000℃以上の耐熱性化合物を含む複合誘電体が挙げられる。
上記耐熱化合物としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Y、La、Ce、Ho、Er、Yb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Si、Ge、Pb等の酸化物、窒化物、又は炭化物、Ca、Mg、Li等のフッ化物が挙げられる。これらの中でも、特にZnSと混合するのに好ましい材料はSiOである。なお、上記酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を変えたり、混合して用いることも有効である。
中間層は記録再生のために照射する光の波長における光吸収が小さいことが好ましく、材料としては、成形性、コストの点で樹脂が好適であり、紫外線硬化樹脂、遅効性樹脂、熱可逆性樹脂などを用いることができる。また、光ディスク貼り合わせ用の両面テープ(例えば日東電工製の粘着シートDA−8321)などを用いることもできる。
中間層は、記録再生を行う際に、ピックアップが第一情報層と第二情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜70μmが好ましい。
本発明の光記録媒体は、本発明1で限定した層以外に従来公知の種々の層を組み合わせて形成してもよい。
基板の材料としては、熱的、機械的に優れた特性を有し、基板側から(基板を通して)記録再生が行われる場合には光透過特性にも優れたものであれば、特に限定されるものではない。材料の例としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられるが、ポリカーボネートや非晶質ポリオレフィンが好適である。
基板の厚さは、用途により適宜設定することができ、特に限定されない。
反射層の材料は、再生光の波長で反射率の充分高いものが好ましい。例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独で又は合金として用いることができる。特にAu、Al、Agは反射率が高いので好適である。
更に、上記金属を主成分として他の元素を含んでいても良く、他の元素としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属を挙げることができる。中でもAgを主成分とするものは、コストが安く高反射率が得やすいので特に好適である。
また、金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
反射層にAg等を用いた場合、誘電体層にZnSSiOのようなSを含む材料を用いると、ZnSSiO中のSがAgと徐々に混合し、特性の悪化や反射率の低下などを招く可能性が有る。よって、適宜反射層と誘電体層との間に硫化防止層と呼ばれる層を更に設置することもある。その材料としては、例えばSiO、ZnO、SnO、Al、TiO、Inなどの酸化物、Si、AlN、TiNなどの窒化物、SiCなどの炭化物が挙げられる。一般によく用いられている材料はSiCであり、好適な材料なので、必要に応じて本発明に用いることができる。
また、基板の上や反射層の下に、反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の上引層、下引層あるいは接着層を設けてもよい。
反射層上や、その他の構成層間に適宜保護層を設けてもよい。保護層の材料としては、外力から保護する機能を有するものであれば、従来公知の材料を何れも適用できる。
例えば有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。また、無機材料としては、SiO、Si、MgF、SnO等が挙げられる。
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等が用いられるが、特にスピンコート法が好ましい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂からなる保護層は、樹脂を適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し乾燥することによって形成することができる。
紫外線硬化性樹脂からなる保護層は、樹脂をそのまま又は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し、紫外線光を照射して硬化させることによって形成できる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を適用できる。
これらの材料は単独で用いても混合して用いても良く、多層膜にして用いても良い。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmとするが、特に3〜30μmが好ましい。
本発明によれば、Re層を記録層とする追記型2層構成光記録媒体において、本発明の熱拡散層を用いることにより第一情報層の記録特性を改善できる。その結果、簡易で単純な層構成を有し、高密度記録において記録再生波長のレーザ光に対する大きな屈折率と小さい吸収係数を実現可能で、高反射率、高感度な追記型2層構成光記録媒体を提供できる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
<追記型2層構成光記録媒体の作製>
表面にトラックピッチ0.40μm、溝深さ21nmの案内溝を有する直径120mm、厚さ0.59mmのポリカーボネート樹脂製の第一基板と第二基板を用意した。
次に、Balzers社製の枚葉スパッタ装置を用いて、第一基板上に、ZnSSiO(80:20モル%)からなる膜厚40nmの典型元素を含む化合物層、Biからなる膜厚20nmのRe層、ZnSSiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの誘電体層、Agからなる膜厚15nmの反射層、In−ZnO−SnO−SiO(モル組成比=1:4.73:4:1.63)からなる膜厚50nmの熱拡散層を順次製膜することにより、第一情報層を作製した。
同様にして、第二基板上に、Agからなる膜厚80nmの反射層、ZnSSiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの誘電体層、Biからなる膜厚20nmのRe層を順次製膜することにより、第二情報層を作製した。
次に、第一情報層及び第二情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬株式会社製DVD003)を含む塗布液をスピンコートにより塗布した後、減圧雰囲気下で貼り合わせ、第一基板側から紫外線光照射し紫外線硬化樹脂を硬化させて厚さ25μmの中間層を形成した。
以上のようにして、第一基板、第一情報層、中間層、第二情報層、第二基板がこの順に積層された追記型2層構成光記録媒体を作製した(図1参照)。
更に、熱拡散層にSiOを混合して変化させた熱伝導率を測定した。そして、これらの材料を熱拡散層に用いた図1の層構成の追記型2層構成光記録媒体を作製し、これらのPRSNRと記録パワーを測定して、熱拡散層の比抵抗とPRSNRとの関係を求めた。パルステック社製ODU−1000を評価機として用い、レーザ波長405nm、NA0.6、クロック周波数64.8MHzで、6.61m/sの線速度で基板を回転させ、ランダムパターンを書き込んでPRSNRを評価した。また、同じ評価機を用い、消去パワーを3mWに固定し、記録パワーをそれぞれ振って、最も良好なPRSNR値を示す記録パワー(最適記録パワー)を測定し、Pwとして示した。なお、Pwが低いと感度がよいことになる。評価基準は、HD DVD−R規格であるPRSNR15以上、Pw13mW以下の場合を合格とした。
結果を図2、図3に示すが、これらの図から分るように熱伝導率が0.9(W/mK)未満ではPRSNRが15に近付き、更に熱伝導率が低くなると15を割ってしまった。また、1.6(W/mK)を超えるとPw(感度)が13mWに近付き、更に熱伝導率が高くなると13mWを超えてしまった。但し、これらの数値は媒体の層構成により変動するため絶対的なものではない。
なお、熱拡散層の材料の組成比を、1:4〜6:3〜5:1〜2の範囲で変化させても殆ど同じ結果が得られた。組成比は、情報層の違いに応じて前記範囲内で調整できる。
(実施例2)
第一情報層のAg反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2を振ってT2/T1の割合を様々に変化させた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、PRSNRと記録パワーを測定した。具体的には、第一情報層のAg反射層の膜厚T1を8〜15nmの範囲で変化させ、それぞれについて熱拡散層の膜厚T2を振ってT2/T1を求めて評価した。評価基準は実施例1の場合と同様である。
結果を図4、図5に示すが、これらの図から分かるように、T2/T1が1.4よりも小さくなると、第二情報層のPw(感度)が13mWに近付き、更にT2/T1が小さくなると13mWを超えてしまった。これは、第一情報層の反射率が上昇しすぎて第二情報層へ到達する光が少なくなったためと考えられる。また、T2/T1が12よりも大きくなると、第一情報層のPRSNRが15に近付き、更にT2/T1が大きくなると15を割ってしまった。これは、第一情報層の透過率が高くなりすぎたためと考えられる。但し、これらの数値は媒体の層構成により変動するため絶対的なものではない。
また、T2/T1が1.4〜12の範囲にある場合のT2は21〜96nmであるが、T1が8〜15nmと薄い構造においても急冷構造を確保することができ、微小なマークを形成させることが出来るようになり、PRSNRの大幅な改善が可能となった。
前述のようなBiの性質から急冷構造が重要であるが、T1が8〜15nmの範囲にある場合に、T2が21nmよりも薄いと、反射層の薄い構造では微小なマーク形成が困難となり、第二情報層のPw(感度)が悪化する。また、96nmよりも厚いと、熱の拡散が多すぎる現象が生じて第一情報層のPRSNRが急激に悪化する。
(実施例3)
第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2をそれぞれ振った点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、PRSNRと記録パワーを測定し評価した。評価基準は実施例1の場合と同様である。
結果を図6、図7に示すが、これらの図から分るように、t2/t1=0.7〜1.5の範囲において、第一情報層及び第二情報層で良好なPRSNRとPwを示した。しかし前記範囲を外れると、特に第二情報層のPRSNR値が悪化し、15を割ってしまった。これは、主にZnSSiOのn、kと、その膜厚との関係から、反射率が高くなり過ぎて記録できる最適値から逸脱することに起因する。但し、これらの数値は媒体の層構成により変動するため絶対的なものではない。
(実施例4)
第一情報層の、典型元素を含む化合物層の膜厚を10〜70nm、Re層の膜厚を5〜25nm、誘電体層の膜厚を10〜30nmとし、第二情報層の、Re層の膜厚を5〜25nm、誘電体層の膜厚を10〜30nmとした点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製した。
これらの媒体は、HD DVD−R規格15以上を満たすPRSNR20〜30という値を示し、反射率についてもHD DVD−R規格4.5%以上を満たす5〜7%という良好な値を示した。また、Pw(感度)も9〜11mWでの書き込みができるなど、良好な特性を示した。
なお、反射率が上昇すればPw(感度)が悪化し、記録の際には、より大きなパワーを導入する必要があるが、大きなパワーで記録を行うと隣接マーク又は隣接トラックへ大きな影響を及ぼすことになる。これに起因してPRSNRが劣化するものと考えられる。
(実施例5)
Re層のBiに、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有させた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、実施例1と同様にして評価した。
結果を表1に示すが、これらの元素を添加することにより、特に第二情報層のPRSNRとPw(感度)を改善できることが分った。
(実施例6)
第一情報層の典型元素を含む化合物層の膜厚を0、10、70、80nmとした点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、80℃(湿度85%)の恒温槽にて保存試験を行った。
これらの追記型2層構成光記録媒体について、各保存時間ごとに実施例1と同様にして第一情報層のPRSNRを測定したところ、図8に示すように、典型元素を含む化合物層を有する媒体の第一情報層では良好な保存特性が得られた。
しかし、典型元素を含む化合物層の膜厚が80nmになると、その信号特性(PRSNR)は規格値15を辛うじて満たす結果となり、膜厚が薄い場合に比べて悪化した。その原因として、光記録媒体の各層の膜厚には典型元素を含む化合物層の光学特性n、k値に対応する最適な組み合わせがあるが、80nmではその最適な膜厚の組み合わせからのずれが生じてしまい、第一情報層において良好な特性が得られなくなってしまうことが確かめられた。
また、典型元素を含む化合物層の材料がAl、SiO、InO、SnOでも同様の結果が得れることが確認された。
(実施例7)
本実施例では、ブルーレイ方式の追記型2層構成光記録媒体について述べる。
表面にトラックピッチ0.32μm、溝深さ21nmの案内溝を有する直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート樹脂製の第二基板を用意した。
次に、Balzers社製の枚葉スパッタ装置を用いて、第二基板上に、Agからなる膜厚80nmの反射層、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの誘電体層、Biからなる膜厚20nmのRe層を順次製膜し、第二情報層を作製した。
次に、第二情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬株式会社 DVD003)を含む塗布液をスピンコートにより塗布し、光透過性のスタンパを減圧雰囲気下で貼り合わせた。その後、光透過性のスタンパ側から紫外線光を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、光透過性のスタンパを剥がして厚さ25μmの第二基板と同様な溝を持つ中間層を形成した。
次に、その溝を付けた中間層上に、In−ZnO−SnO−SiO(モル組成比=1:4.73:4:1.63)からなる膜厚50nmの熱拡散層、Agからなる膜厚15nmの反射層、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの誘電体層、Biからなる膜厚20nmのRe層、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚40nmの典型元素を含む化合物層を順次製膜することにより、第一情報層を作製した。
次に、第一情報層上に、厚さ0.09mmのポリカーボネート樹脂製カバーフィルムを紫外線硬化樹脂により貼り合わせ、紫外線を照射して硬化させてカバー層を形成した。
以上のようにして、カバー層、第一情報層、中間層、第二情報層、第二基板がこの順に積層された追記型2層構成光記録媒体を作製した(図9参照)。
この媒体を4.92m/sの線速度で回転させ、レーザ光波長405nm、対物レンズの開口数0.85、クロック周波数66MHzで、ランダムパターンを書き込み、これらの記録マークについてジッタ値を測定し、評価した。
その結果、規格値を満足することが確認された。
(比較例1〜4)
熱拡散層の材料を以下の組成の3成分のものに変えた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、PRSNRと記録パワーを測定した。
・比較例1 In:ZnO:SnO=1:5:4
・比較例2 In:ZnO:SiO=1:5:1.5
・比較例3 In:SnO:SiO=1:4:1.5
・比較例4 ZnO:SnO:SiO=5:4:1
結果を表2に示すが、熱拡散層の組成において、SiOがないと第二情報層の感度が悪くなり、SnOがないと第一情報層の感度が悪くなり、InやZnOがないと第一情報層のPRSNRが大幅に悪化することが分かる。
実施例1で作製した追記型2層構成光記録媒体の層構成を示す図。 実施例1における熱拡散層の熱伝導率とPRSNRの関係を示す図。 実施例1における熱拡散層の熱伝導率とPwの関係を示す図。 実施例2におけるT2/T1とPRSNRの関係を示す図。 実施例2におけるT2/T1とPwの関係を示す図。 実施例3におけるt2/t1とPRSNRの関係を示す図。 実施例3におけるt2/t1とPwの関係を示す図。 実施例6における保存時間と第一情報層のPRSNRの関係を示す図。 実施例7で作製した追記型2層構成光記録媒体の層構成を示す図。

Claims (11)

  1. レーザ光入射側から順に、第一基板、第一情報層、中間層、第二情報層、第二基板を有し、第一情報層は、レーザ光入射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層、In、Zn、Sn及びSiの酸化物を主成分とする熱拡散層が積層形成されており、第二情報層は、レーザ光入射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が積層形成されていることを特徴とする追記型2層構成光記録媒体。
  2. 熱拡散層の熱伝導率が、薄膜の状態で0.9〜1.6(W/mK)の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の追記型2層構成光記録媒体。
  3. 第一情報層の反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2の比(T2/T1)が、1.4〜12の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の追記型2層構成光記録媒体。
  4. 第一情報層の反射層の膜厚T1が8〜15nm、熱拡散層の膜厚T2が21〜96nmであることを特徴とする請求項3記載の追記型2層構成光記録媒体。
  5. 第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2の比(t2/t1)が、0.7〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  6. 第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであり、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  7. 第一情報層のRe層よりも手前に、典型元素を含む化合物を主成分とする層(典型元素を含む化合物層)が積層形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  8. 典型元素を含む化合物層の典型元素がZn、Si、Al、In及びSnの中から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項7記載の追記型2層構成光記録媒体。
  9. 典型元素を含む化合物層の膜厚が10〜70nmであることを特徴とする請求項7又は8記載の追記型2層構成光記録媒体。
  10. Re層が、Bi酸化物を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  11. Re層が、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
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