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JP2008088920A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火内燃機関 Download PDF

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JP2008088920A JP2006272158A JP2006272158A JP2008088920A JP 2008088920 A JP2008088920 A JP 2008088920A JP 2006272158 A JP2006272158 A JP 2006272158A JP 2006272158 A JP2006272158 A JP 2006272158A JP 2008088920 A JP2008088920 A JP 2008088920A
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ignition
injector
internal combustion
combustion engine
cavity
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JP2006272158A
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Hisato Hirooka
久人 広岡
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】始動時に排気ガス浄化触媒を加熱する大幅遅角点火の処理でのスモーク発生を抑制し、成層燃焼を行う中・低負荷運転領域で燃焼効率を向上可能な筒内噴射式火花点火内燃機関を提供する。
【解決手段】燃焼室5の天井中央付近にインジェクタ10と点火プラグ12とを配置し、ピストン2の頂面部を凹部状に形成し、その底面部から突設した仕切り壁状の振り分け突部14によって分割し、インジェクタ10で噴射した噴霧燃料流11を反射して点火プラグ12にかかる成層混合気を形成する点火成層混合気流生成用のキャビティ15と、振り分け突部14によって分配された噴霧燃料流11を均質混合気にする均質混合気生成用のキャビティ16とを構成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、燃焼室内に燃料を直接的に噴射供給する燃料噴射の時期を大幅に変更調整するのに対応して、燃焼室内で混合気の空燃比を局所的に異ならせる混合気分布の状態を変更して点火可能とする、筒内噴射式火花点火内燃機関に関する。
一般に、自動車等に利用される内燃機関(エンジン)には、燃費の向上を図るため、燃焼室内において局所的に空燃比をリッチにし、あるいは局所的な部分にだけ混合気を形成する等により、燃焼室内全体ではトータルとしてリーン(酸素過多雰囲気)な空燃比で燃焼させる成層燃焼方式を利用するものがある。
この成層燃焼方式の内燃機関には、燃焼室内において局所的に形成される混合気の空燃比を正確に制御するため、インジェクタにより燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内噴射方式及び火花点火方式を採用したものがある。
さらに、筒内噴射式火花点火内燃機関には、ピストンに、頂面の所定部所を凹ませた形状のキャビティを設け、インジェクタで燃料をキャビティ内に向かって噴射することによって、燃料の気化を促進すると共に、シリンダの内壁面への燃料の付着が少なくなるように構成したものがある。
このように構成した従来の筒内噴射式火花点火内燃機関では、例えば、シリンダヘッドにペントルーフ型(切妻屋根型)に形成された燃焼室天井部を形成し、この燃焼室天井部の中央寄り位置(例えば、吸気弁と排気弁とを配置した部分から中心側の所定位置)に配置したインジェクタから所定タイミングでシリンダの軸方向に向けて燃料を噴射するよう構成する。
またピストンには、インジェクタの噴射方向中心軸とほぼ同軸上の位置を中心とする円環状の凹陥部に形成されたキャビティを設ける。
これと共に燃焼室天井部の中心から吸気側に偏位した位置には、点火プラグを燃焼室内へシリンダ軸方向に対して斜め方向に突出させて配置し、ピストンが上死点の位置にきた際にキャビティの内方上部の中心から吸気側へ偏位した位置に着火可能なように構成する。
このように構成された筒内噴射式火花点火内燃機関では、成層燃焼を行う中・低負荷運転領域の内燃機関圧縮行程において、シリンダヘッド側に上昇してきたピストンが上死点の手前所定位置に到達した際に、インジェクタから燃料を噴射する。
すると、この筒内噴射式火花点火内燃機関では、噴射された燃料(噴射燃料)は、キャビティ内で受け止められ断面略円弧形状をなす円周溝部にガイドされて噴射燃料の拡散する方向及び広がりが制御されることにより、略ドーナッツ形状の混合気の分布状態を形成するので、噴霧燃料のシリンダ内周壁面側への拡散を防止することができる。
よって、このように構成した筒内噴射式火花点火内燃機関では、噴射燃料の一部が直接シリンダの内周壁面に衝突することによって生じる冷却作用による燃焼の悪化や、プラグのくすぶりを防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、このような筒内噴射式火花点火内燃機関では、内燃機関の始動時に、この内燃機関から排出される排気ガスを浄化するため設置された触媒の触媒床温を常温から触媒の機能を活性化させる温度まで急速に増加させるために、内燃機関の膨張行程においてインジェクタから燃料を噴射して点火することにより燃料の燃焼エネルギが内燃機関を回転させるために消費されるのを減じて排気ガスを高温のまま排気ガス浄化触媒へ送給することにより触媒床温を急速に上昇させるための、いわゆる大幅遅角点火の処理を行うことが実用化されている。
上述したようなシリンダヘッドの燃焼室天井部における中央部位にインジェクタと点火プラグとを並べて配置した構成の筒内噴射式火花点火内燃機関で大幅遅角点火の処理を行う場合には、膨張行程においてインジェクタから燃料を噴射すると、ピストン頂面のキャビティが燃焼室天井部から離れていく動作(インジェクタからピストン頂面が逃げる動作)を行っているため、インジェクタから噴射した噴霧燃料を、逃げて行くピストン頂面に反射させて点火プラグの位置へ戻させる動作が困難となる。
このため、シリンダヘッドの中央部にインジェクタと点火プラグとが配置されている筒内噴射式火花点火内燃機関で大幅遅角点火の処理を行う場合には、インジェクタから噴射された直後の噴霧燃料に、インジェクタに近接して配置された点火プラグで点火しなければならなくなる。
この場合には、インジェクタから点火プラグまでの噴霧飛行距離が極端に短くなるため、噴霧燃料が気化して空気と混合する期間が十分にとれないので、噴霧燃料に多く含まれる液状の燃料の粒子で点火プラグが濡れてくすぶるようになったり、リッチな状態の噴霧燃料に点火して未燃の炭化水素(HC)やスモークを発生させたりするおそれがある。
特開平11−107759号公報 特開2003−27945号公報
本発明は上述した点に鑑み、内燃機関の始動時に排気ガス浄化触媒の触媒床温を急速に増加させるための大幅遅角点火の処理を行った際にスモークが発生することを抑制し、成層燃焼を行う中・低負荷運転領域での内燃機関の圧縮行程で燃料を噴霧し点火した際の燃焼効率を向上できるようにした、筒内噴射式火花点火内燃機関を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒の燃焼室内へインジェクタにより燃料を直接噴射すると共に、点火プラグによって点火して燃焼を起こさせる筒内噴射式火花点火内燃機関において、インジェクタを燃焼室の天井中央部に配置し、インジェクタから気筒内のピストン側へ向けて斜状に噴霧燃料流を噴射するよう構成し、燃焼室の天井部におけるインジェクタに隣接する位置に、点火プラグを配置し、ピストンの頂面部に、凹部状の噴射パターン変更用キャビティを形成し、噴射パターン変更用キャビティの底面部から隆起するように仕切り壁状の振り分け突部を形成して、点火成層混合気流生成用のキャビティと、均質混合気生成用のキャビティとに分割し、インジェクタから一の所定時期に噴霧燃料流を噴射することにより、振り分け突部によって噴射された噴霧燃料流を、点火成層混合気流生成用のキャビティと均質混合気生成用のキャビティとに振り分けて分配し、点火成層混合気流生成用のキャビティで形成された成層混合気と均質混合気生成用のキャビティで形成された均質混合気とに対して点火プラグで点火可能に構成し、インジェクタから他の所定時期に噴霧燃料流を噴射して点火成層混合気流生成用のキャビティで反射させることにより点火プラグにかかる成層混合気を形成した状態で、点火プラグで点火可能に構成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、筒内噴射式火花点火内燃機関で、排気ガス浄化触媒の触媒床温を上昇させるための遅角点火の処理を行う場合には、インジェクタから一の所定時期に噴霧燃料流を噴射して点火成層混合気流生成用のキャビティで反射させることにより点火プラグにかかる成層混合気を形成した状態で、点火プラグで点火することを特徴とする。
前述のように構成することにより、内燃機関の始動時に排気ガス浄化触媒の触媒床温を急速に増加させるため燃料噴射の時期を大幅に変更調整して大幅遅角点火の処理を行う際に、インジェクタから噴射した噴霧燃料流を点火成層混合気流生成用のキャビティで反射させることにより点火プラグにかかるように成層混合気を集めた状態で、点火プラグで点火するのでスモークが発生することを抑制できる。しかもこの構成によれば、成層燃焼を行う中・低負荷運転領域での内燃機関の圧縮行程で燃料を噴霧した際に燃焼室内で混合気の空燃比を局所的に異ならせて適切な混合気分布の状態にしてから点火するので、燃焼室内にある空気を無駄なく利用して燃焼を行わせることにより燃焼効率を向上できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、インジェクタの所定複数個の燃料噴射用の噴孔から、扇形の範囲に対して放射線方向に所定複数本の噴霧燃料流を噴射するよう構成し、隣接する噴霧燃料流の間位置に、点火プラグを配置したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項1に記載の発明の作用、効果に加えて、点火プラグに直接噴霧燃料流が当たって、噴霧燃料に多く含まれる液状の燃料の粒子で点火プラグが濡れ点火時にくすぶることを抑制できる。
本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関によれば、内燃機関の始動時に排気ガス浄化触媒の触媒床温を急速に増加させるため燃料噴射の時期を大幅に変更調整して大幅遅角点火の処理を行った際にスモークが発生することを抑制でき、しかも成層燃焼を行う中・低負荷運転領域での内燃機関の圧縮行程で燃料を噴霧した際に燃焼室内で混合気の空燃比を局所的に異ならせて適切な混合気分布の状態にしてから点火することにより燃焼効率を向上できるという効果がある。
本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関に関する実施の形態について、図1乃至図6により説明する。
図1は、筒内噴射式火花点火内燃機関Eが備える単一の気筒の要部を取り出して示す断面概略構成図であり、1はシリンダボア(シリンダボア1というときは、吸気弁及び排気弁等を備えた燃焼室部分と、シリンダ内壁面と、ピストンヘッドとに囲まれた空間を構成する部分を意味するものとする。)、2はピストンである。なお、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eは、多気筒の内燃機関又は単気筒の内燃機関として構成することができる。
この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダブロック3に穿設されたシリンダ穴の端部開口部分を塞ぐようにシリンダヘッド4を配置し、シリンダブロック3のシリンダ穴内で、図示しないクランク軸に連動してピストン2が気密を保ちながら往復運動をできるように構成する。
この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダヘッド4のシリンダ穴に連続するよう対応した燃焼室5を設ける。この燃焼室5は、いわゆるペントルーフ型に形成する。すなわち、燃焼室5のペントルーフ型の燃焼室天井部は、側面視で鈍角の二等辺三角形となるような2つの斜面部を有する切妻屋根形状に形成する。
図1及び図6に示すように、燃焼室5の一方の斜面部には、シリンダヘッド4に設けられた空気吸入用の通路である2個の吸気ポート6の端部を開口させる開口部分6aを形成する。また、各吸気ポート6の開口部分6aには、各開口部分6aを開放又は遮断するための吸気バルブ7をそれぞれ装着する。
各吸気バルブ7は、動弁装置によって操作されることにより、同期して各開口部分6aを開放又は遮断する動作を行う。
また、燃焼室5の他方の斜面部には、シリンダヘッド4に設けられた排気ガス排出用の通路である2個の排気ポート8の端部を開口させる開口部分8aを形成する。また、各排気ポート8の開口部分8aを開放又は遮断するための排気バルブ9をそれぞれ装着する。各排気バルブ9は、図示しない内燃機関制御システムで制御される可変動弁装置によって操作されることにより、同期して各開口部分8aを開放又は遮断する動作を行う。
各気筒のシリンダボア1における燃焼室5のペントルーフ型の燃焼室天井中央部(例えば、吸気弁と排気弁とを配置した部分から中心側の所定位置)には、シリンダボア1の中心軸H方向に向けて配置されて、その先端部をシリンダボア1内に露呈させるように、インジェクタ10を配置する。このインジェクタ10は、内燃機関制御システムで制御されることにより、図示しない燃料タンクから加圧ポンプで送給された燃料を、制御された所要のタイミングで所要量だけ、シリンダボア1内へ直接噴射するよう構成する。このインジェクタ10は、その先端部に複数個(ここでは6個)の燃料噴射用の噴孔(図示せず)を設ける。
図1、図3及び図6から理解されるように、このインジェクタ10は、その所定複数個の燃料噴射用の噴孔から、吸気バルブ7から排気ポート8へ向かう中心線Nに対して対称となるように、所定複数本の噴霧燃料流11を噴射するよう構成する。
すなわち、このインジェクタ10では、図3に示すようにシリンダボア1の中央に配置したインジェクタ10から2個の排気バルブ9を配置した半円形(扁平な扇形)の範囲に対して、放射線方向に等間隔で所定複数本の噴霧燃料流11を噴射するよう構成する。
また、このインジェクタ10では、図1に示すようにシリンダボア1を縦断面で見たとき、その中央に配置したインジェクタ10から、シリンダボア1の中心線Hに対して所定角度S開いた方向に向けて所定複数本の噴霧燃料流11を噴射するよう構成する。
図1、図3及び図6に示すように、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダボア1の燃焼室5の中央部に装着したインジェクタ10の先端部から、シリンダボア1の中心線Hに対して角度30度だけ開いた方向(図1で斜め下方向)に向けて6本の噴霧燃料流11を噴射するよう構成することにより、吸気行程で吸入される空気の流れに噴霧燃料流11を乗せて良好なタンブル流を形成できる。なお、インジェクタ10から噴霧燃料流11を噴射する方向は、シリンダボア1の部分に作るタンブル流の流れの方向に沿う所要の方向を選択して設定できる。
すなわち、上述した図1、図3及び図6に具体的に示すようにインジェクタ10を構成した場合には、例えば、この内燃機関の高負荷高回転時(例えば、最大負荷の80%以上、回転数4000rpm以上)に、吸気行程で吸気バルブ7を開いたときに吸気した空気が吸気ポート6の開口部分6aと吸気バルブ7との間からシリンダボア1内に急速に流れ込む空気の流れに沿うように、インジェクタ10から噴霧燃料流11が噴射される。
よって、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダボア1内において吸気行程で流入した空気の流れと、インジェクタ10から噴射した噴射燃料の貫徹力とが相俟って加速され強められたタンブル流を形成し、これが圧縮行程末期の点火時期まで良好に持続してシリンダボア1内に乱れを存在させている状態で点火することができるので、燃焼速度を速め、筒内噴射式火花点火内燃機関Eの性能を向上できる。
また、このインジェクタ10では、その先端部から6本の噴霧燃料流11を噴射するよう構成する他に、燃料噴霧の形状を種々に設定可能であり、例えば、噴霧燃料流11を、比較的厚さの薄い略扇形状に燃料を噴射するものとし、又は1本の噴霧燃料流11を中実若しくは中空円錐形状若しくは中実柱形状となるようにしても良い。また、このインジェクタ10では、燃料噴霧の形状を円弧状スリット噴孔や複数の直線スリット噴孔の組み合わせにより、比較的に薄い円弧状等の燃料噴霧の形状としても良い。
図1、図3及び図6に示すように、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダボア1の中心軸H上に配置したインジェクタ10に近接し、吸気バルブ7から排気バルブ9へ向かう方向と平行な中心線N上の所定位置に点火プラグ12を配置する。
この点火プラグ12は、シリンダボア1の中心軸H方向に向くよう傾斜して、一方の端部に設けた着火部である電極部が燃焼室5内に若干突出する状態で露呈するように設置する。
この点火プラグ12は、図示しない内燃機関制御システムで制御されるプラグ駆動回路から所要の点火時期に駆動電流が供給されて、所要の点火エネルギで2つの電極間にアークを飛ばして着火させるように構成する。
さらに、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、図3に示すように、隣接する噴霧燃料流11の間に2つの電極が位置するようにシリンダヘッド4の所定位置に点火プラグ12を配置することにより、インジェクタ10から噴射される噴霧燃料流11が点火プラグ12の2つの電極に直接当たって液体の燃料で濡れた状態となってくすぶることを抑制するよう構成する。
図1乃至図5に示すように、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダボア1の内部に往復運動可能に配置するピストン2の頂面に、インジェクタ10から噴射された噴霧燃料の流動状態を2つの噴射パターンの間で切り換えるように変更するための噴射パターン変更用キャビティ13を設ける。
この噴射パターン変更用キャビティ13は、ピストン2の頂面に穿設した図3に示すような平面視略長円形の凹部として構成する。図1乃至図5に示すように、噴射パターン変更用キャビティ13は、その内周側面部を断面略円弧状にえぐるようにして凹ませた湾曲面Cに形成する。
このように構成した噴射パターン変更用キャビティ13では、この噴射パターン変更用キャビティ13内に噴射された噴霧燃料は、キャビティを囲む内周の湾曲面Cにガイドされてシリンダブロック3のシリンダ穴の内壁面に直接当たらない方向に向けて反射するので、噴霧燃料がシリンダブロック3のシリンダ穴の内壁面に付着して燃焼せずに残るようなことを抑制できる。
また、噴射パターン変更用キャビティ13には、その排気ポート8の開口部分8aの下側に対応した底面部の所定位置に、振り分け突部14を設け、全体として縦断面略Wの字形に形成する。
この振り分け突部14は、噴射パターン変更用キャビティ13の底面部における、インジェクタ10を通る中心線Mの一方の側に広がる半円弧状の範囲から所定高さで断面略三角形状の仕切り壁状に隆起させて同じ高さで連なるよう一体的に構成する。
なお、この振り分け突部14の高さは、インジェクタ10から噴射する噴霧燃料流11の状態に対応して決めることができるもので、例えば、噴射パターン変更用キャビティ13の深さの半分程度とすることができる。
図1に示すように、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、例えばピストン2が圧縮行程で上死点前のクランク角60度の位置にあるときに、インジェクタ10からシリンダボア1の中心線Hに対して所定角度S(ここでは30度)開いた方向に向けて噴射した噴霧燃料流11の先端部が、振り分け突部14の稜線14Aに当たるように構成する。
図1、図2及び図4に示すように、この噴射パターン変更用キャビティ13では、振り分け突部14から、排気ポート8側のキャビティを囲む内周の湾曲面Cにかけて分割して形成される湾曲凹部により、噴霧燃料を点火プラグ12の電極部側へ反射させて電極部にかかる着火性の良い最適な成層混合気を形成するための点火成層混合気流生成用のキャビティ15を構成する。
また、この噴射パターン変更用キャビティ13では、振り分け突部14から吸気ポート6側のキャビティを囲む内周湾曲面にかけて分割して形成される湾曲凹部により、噴霧燃料を均質に混合させるための均質混合気生成用のキャビティ16を構成する。なお、この噴射パターン変更用キャビティ13では、点火成層混合気流生成用のキャビティ15を均質混合気生成用のキャビティ16よりも小さく形成する。
次に、上述のように構成した筒内噴射式火花点火内燃機関Eの噴射パターン変更用キャビティ13に関わる作用及び動作について説明する。
この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、その冷間始動時に、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eから排出される排気ガスを浄化するため設置された触媒の触媒床温を常温から触媒の機能を活性化させる温度まで急速に増加させるために、いわゆる大幅遅角点火の処理を行う。
この筒内噴射式火花点火内燃機関Eで大幅遅角点火の処理を行うときには、図4に示すように、筒内噴射式火花点火内燃機関Eの膨張行程において、インジェクタ10からピストン2の点火成層混合気流生成用のキャビティ15へ向けて噴霧燃料流11を噴射させる。
すると、シリンダヘッド4の燃焼室5天井部の中央部位に配置したインジェクタ10から噴射された噴霧燃料流11が、燃焼室5天井部から離れていく動作(インジェクタ10からピストン2が逃げる動作)を行っているピストン2頂面の点火成層混合気流生成用のキャビティ15によって反射されて点火プラグ12の位置へ戻される。
すなわち、この動作では、噴霧燃料流11の進む方向とピストン2の点火成層混合気流生成用のキャビティ15の移動する方向とが同じために噴霧燃料流11を反射する作用が弱まっても、インジェクタ10から噴射される噴霧燃料流11の大部分が点火成層混合気流生成用のキャビティ15に向けて噴射され点火成層混合気流生成用のキャビティ15の凹部で屈曲するように反射されて点火プラグ12近くへ集めるようにして戻されるので、シリンダボア1内の所定の場所にできる狭いエリア内で、点火プラグ12の電極部分にかかる成層混合気を形成できる。
よって、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、上述のようにして、点火プラグ12の電極部分の周辺に着火性の良い最適な混合気を形成した状態で点火プラグ12により点火し、良好に燃焼させ、このときの燃料の燃焼エネルギが筒内噴射式火花点火内燃機関Eを回転させるために消費されるのを減じて排気ガスを高温のまま排気ガス浄化触媒へ送給させることにより触媒床温を急速に上昇させることができる。
なお、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは具体的にいうと、噴霧燃料流11が点火成層混合気流生成用のキャビティ15で反射される状態を作る適切なタイミング(これに適合するクランク角のタイミングである第2の所定クランク角の範囲内)で、インジェクタ10から噴霧燃料流11を噴射する。
そして、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、反射してきた噴霧燃料流11により点火プラグ12の周囲に成層混合気が形成されたタイミング(例えば、膨張行程の上死点からクランク角60度以上進んだタイミングであって、好ましくは70度から80度程度の範囲の所要タイミング)で点火する。
このように筒内噴射式火花点火内燃機関Eで大幅遅角点火の処理を行った場合には、インジェクタ10から噴射した直後の噴射燃料が点火プラグ12にかかって点火プラグ12が濡れてくすぶることを抑制し、未燃の炭化水素(HC)やスモークが発生することを抑制できる。
次に、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eで、中・低負荷運転領域(例えば、最大負荷の80%以下、回転数4000rpm以下)での運転時に成層燃焼を行う場合について説明する。
この場合には、図1及び図2に示すように、中・低負荷運転領域で運転中の筒内噴射式火花点火内燃機関Eの圧縮行程において、インジェクタ10からピストン2の振り分け突部14へ向けて噴霧燃料流11を噴射させる。
すると、シリンダヘッド4の燃焼室5天井部の中央部に配置したインジェクタ10から噴射された噴霧燃料流11が、燃焼室5天井部に接近していく動作を行っているピストン2の振り分け突部14によって、点火成層混合気流生成用のキャビティ15側へ流入されるものと、均質混合気生成用のキャビティ16側へ流入されるものとに、所定の分配率(例えば、50対50)で振り分けられる。
この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、インジェクタ10から噴霧燃料流11を噴射する噴霧期間を制御することにより、噴霧燃料流11を所要の分配率で点火成層混合気流生成用のキャビティ15側と均質混合気生成用のキャビティ16側とに振り分ける。
なお、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、例えば、圧縮行程においてピストン2が上死点側へ移動する際に、クランク角が圧縮上死点前60度に至ったときがインジェクタ10から噴霧燃料流11を噴射する噴霧期間の最終時期となるタイミング(第1の所定クランク角の範囲内)で噴射動作を行う。
これにより筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、圧縮行程の末期に至った図2に示す点火タイミングのときに、振り分け突部14にガイドされて均質混合気生成用のキャビティ16内へ入った噴霧燃料が、比較的長い距離(点火成層混合気流生成用のキャビティ15に比べて長い)を流れる間に気化が進むと共に比較的多くの空気との混合が進んで、リーン(酸素過多雰囲気)な状態の均質な弱成層の混合気を形成する。
また、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、図2に示す点火タイミングのときに、振り分け突部14にガイドされて点火成層混合気流生成用のキャビティ15へ導入されて反射した噴霧燃料が、気化して空気と混合して成層混合気を形成し、この成層混合気の一部が点火プラグ12の電極部分にかかる状態となる。
次に、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、点火成層混合気流生成用のキャビティ15側にある点火プラグ12の電極部分の周辺に形成された着火性の良い最適な成層混合気(例えば、ストイキ(理論空燃比)の混合気)に、点火プラグ12により点火してシリンダボア1の中央部で初期火炎を発生させる。
すると、このシリンダボア1の中央部で初期火炎は、点火成層混合気流生成用のキャビティ15側へ火炎を広げると同時に、この初期火炎を発生する部分を共有する状態となった、均質混合気生成用のキャビティ16側にある理論空燃比よりリーン(酸素過多雰囲気)な空燃比での弱成層の混合気に良好に着火して火炎を広げ均質混合気生成用のキャビティ16内の全体で良好に燃焼する。
よって、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダボア1の中央部で点火プラグ12により着火性の良い最適な成層混合気に点火して初期火炎を発生させると、この初期火炎から、点火成層混合気流生成用のキャビティ15側と均質混合気生成用のキャビティ16側とへ、同時に火炎が伝播して燃焼室5側の内部全体での燃焼を、比較的に短い期間で行うことができる(すなわち、キャビティの一方の端部から他方の端部へ向けて火炎を伝播させる場合に比べて短い期間とできる)。
また、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、シリンダボア1の中央部にあるインジェクタ10から噴射パターン変更用キャビティ13の点火成層混合気流生成用のキャビティ15側へ向けて噴霧燃料流11を噴射しても、振り分け突部14により噴霧燃料流11の例えば半分程度のものが噴霧燃料流11の噴射方向と反対側の空間へ反射されて充填されるので、噴射パターン変更用キャビティ13内の全体にある空気を満遍なく利用して燃焼効率を向上できる。
なお、一つの浅い皿状のキャビティにおける一方の側にだけ噴霧燃料を噴射した場合には、キャビティの一方の端部に偏って理論空燃比よりリッチな空燃比になりすぎる状態となり、キャビティの他方の端部でリーンになりすぎる状態となって、全体として均質な燃焼ができなくなって燃焼効率が低下する。
これに比べて、噴射パターン変更用キャビティ13を備えた筒内噴射式火花点火内燃機関Eでは、燃焼効率を向上できることになる。
次に、この筒内噴射式火花点火内燃機関Eで高負荷高回転運転を行う時には、前述したように、吸気行程で開いた吸気バルブ7からシリンダボア1内に急速に流れ込む空気の流れと、インジェクタ10から噴射される噴霧燃料流11の貫徹力とが相俟って加速され強められて強いタンブル流を形成できるので、燃焼速度を速め、筒内噴射式火花点火内燃機関Eの性能を向上できる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を採り得ることは勿論である。
本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関の実施の形態に係る、一つの気筒の要部を取り出して、成層燃焼を行う中・低負荷運転時にインジェクタからの噴霧燃料流を噴射パターン変更用キャビティ内の振り分け突部へ噴射する状態を示す断面概略構成図である。 本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関の実施の形態に係る、一つの気筒の要部を取り出して、中・低負荷運転時に成層燃焼を行うため点火した状態を示す断面概略構成図である。 本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関の実施の形態に係る、一つの気筒におけるピストンの部分を示す概略平面図である。 本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関の実施の形態に係る、一つの気筒の要部を取り出して、始動時に膨張行程で大幅遅角点火の処理を行うためインジェクタからピストンの点火成層混合気流生成用のキャビティへ噴霧燃料流を噴射させた状態を示す断面概略構成図である。 本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関の実施の形態に係る、ピストンの部分を取り出して示す斜視図である。 本発明の筒内噴射式火花点火内燃機関の実施の形態に係る、シリンダヘッドの燃焼室側を示す底面図である。
符号の説明
1 シリンダボア
2 ピストン
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 燃焼室
6 吸気ポート
7 吸気バルブ
8 排気ポート
9 排気バルブ
10 インジェクタ
11 噴霧燃料流
12 点火プラグ
13 噴射パターン変更用キャビティ
14 振り分け突部
15 点火成層混合気流生成用のキャビティ
16 均質混合気生成用のキャビティ

Claims (3)

  1. 気筒の燃焼室内へインジェクタにより燃料を直接噴射すると共に、点火プラグによって点火して燃焼を起こさせる筒内噴射式火花点火内燃機関において、
    前記インジェクタを前記燃焼室の天井中央部に配置し、前記インジェクタから前記気筒内のピストン側へ向けて斜状に噴霧燃料流を噴射するよう構成し、
    前記燃焼室の天井部における前記インジェクタに隣接する位置に、前記点火プラグを配置し、
    前記ピストンの頂面部に、凹部状の噴射パターン変更用キャビティを形成し、
    前記噴射パターン変更用キャビティの底面部から隆起するように仕切り壁状の振り分け突部を形成して、点火成層混合気流生成用のキャビティと、均質混合気生成用のキャビティとに分割し、
    前記インジェクタから一の所定時期に前記噴霧燃料流を噴射することにより、前記振り分け突部によって噴射された前記噴霧燃料流を、前記点火成層混合気流生成用のキャビティと前記均質混合気生成用のキャビティとに振り分けて分配し、前記点火成層混合気流生成用のキャビティで形成された成層混合気と前記均質混合気生成用のキャビティで形成された均質混合気とに対して前記点火プラグで点火可能に構成し、
    前記インジェクタから他の所定時期に前記噴霧燃料流を噴射して前記点火成層混合気流生成用のキャビティで反射させることにより前記点火プラグにかかる成層混合気を形成した状態で、前記点火プラグで点火可能に構成したことを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
  2. 前記筒内噴射式火花点火内燃機関で、排気ガス浄化触媒の触媒床温を上昇させるための遅角点火の処理を行う場合には、前記インジェクタから一の所定時期に前記噴霧燃料流を噴射して前記点火成層混合気流生成用のキャビティで反射させることにより前記点火プラグにかかる成層混合気を形成した状態で、前記点火プラグで点火することを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  3. 前記インジェクタの所定複数個の燃料噴射用の噴孔から、扇形の範囲に対して放射線方向に所定複数本の前記噴霧燃料流を噴射するよう構成し、隣接する前記噴霧燃料流の間位置に、前記点火プラグを配置したことを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
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