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JP2008088319A - 樹脂材料の接着方法 - Google Patents

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JP2008088319A JP2006271523A JP2006271523A JP2008088319A JP 2008088319 A JP2008088319 A JP 2008088319A JP 2006271523 A JP2006271523 A JP 2006271523A JP 2006271523 A JP2006271523 A JP 2006271523A JP 2008088319 A JP2008088319 A JP 2008088319A
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Nobuhiro Harada
信弘 原田
Tasuku Nakamura
翼 中村
Masaki Yoshida
政規 吉田
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Nagaoka University of Technology NUC
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Abstract

【課題】大気圧下において比較的簡単、低コストでかつ短時間で被接着体の濡れ性及び接着強度を向上させる樹脂材料の接着方法を提供する。
【解決手段】樹脂材料からなる被接着体としてのポリイミドフィルム4の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程と、この表面処理工程において表面処理を施したポリイミドフィルム4への接着剤の貼着を含む接着工程とを備えた樹脂材料の接着方法であって、前記表面処理工程において、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で対向する電極1間に存在する気体に高周波電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、ポリイミドフィルム4の少なくとも接着面に対して表面処理を施し、前記接着工程において、表面処理を施した接着面に前記接着剤を貼着する。これにより、比較的簡単、低コストでかつ短時間でポリイミドフィルム4の濡れ性及び接着強度を向上させた上で接着することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂材料の接着方法に関する。
導電性接着剤は、はんだを用いることなく電子部品を電気的に接触させて接着することのできる接着剤である。導電性接着剤を用いることにより、電子機器の小型化や実装技術の高度化が可能となる。
導電性接着剤のうちの1つとして、異方性導電性フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)がある。ACFは、フィルムの厚さ方向に対しては導電性を有するが、フィルムの長さ方向に対しては絶縁性を有するという特徴をもつ。
ACFを用いることにより、例えば、透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)などの電極を備えたガラス基板と、電極を備えたポリイミドフィルムとを接着させ、ガラス基板上及びポリイミドフィルム上の電極同士を電気的に接触させて接着させることができる。また、ドライバICをCOF(Chip On Film)により実装することができる。
しかしながら、ACFを用いた接着は十分な接着強度が得られにくいという問題があった。これは、被接着体が種々の材料からなること、接着阻害物が被接着体上に存在すること、被接着体自体の濡れ性が低いことなどが原因である。
したがって、ACFを用いて十分な接着強度を得るためには、被接着体上に存在する接着阻害物を除去し、被接着体自体の濡れ性を高くする必要がある。また、接着剤との分子間力を十分に得る必要がある。
被接着体上に存在する接着阻害物は、被接着体によって異なるが、被接着体が樹脂である場合は、不純物,吸着ガス,離型剤,添加剤,酸化防止剤,可塑剤,他の樹脂などが主である。
このような被接着体上に存在する接着阻害物を除去し、被接着体自体の濡れ性を高くするには、被接着体を表面処理すればよい。
薬品による液処理を用いて表面処理する方法として、液処理と、火炎処理,アルカリ処理,カップリング剤処理,研削材投射処理などのうちから選択した処理とを用いて表面処理する方法が提案されている。(例えば、特許文献1)
また、大気圧下において発生させたプラズマを用いて表面処理する方法として、希ガスと反応性ガスとを混合したガスをプラズマにより励起させて得られる活性種を用いて基板の表面を処理する方法が提案されている。(例えば、特許文献2)
特開平9−48864号公報 特開平4−358076号公報
従来技術において、薬品による液処理を用いて表面処理する方法する方法は、液処理と、火炎処理,アルカリ処理,カップリング剤処理,研削材投射処理などのうちから選択した処理とを用いて表面処理する方法である。この方法によれば、十分な接着強度を得ることができるが、処理に用いた薬品を回収又は廃棄する必要があった。また、処理工程が複雑であるため、処理時間が長く、処理コストが高かった。
また、大気圧下において発生させたプラズマを用いて表面処理する方法は、希ガスと反応性ガスとを混合したガスをプラズマにより励起させて得られる活性種を用いて基板の表面を処理する方法である。この方法によれば、大気圧近傍の圧力下において表面処理をすることができるが、反応性ガスが有毒であるために、反応に用いたガスを回収するか、無毒化を行う必要があった。また、希ガスの濃度は混合ガス全体の65%以上である必要があり、処理コストが高かった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、大気圧下において比較的簡単、低コストでかつ短時間で被接着体の濡れ性及び接着強度を向上させる樹脂材料の接着方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の樹脂材料の接着方法は、樹脂材料からなる被接着体の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程と、この表面処理工程において表面処理を施した被接着体への接着剤の貼着を含む接着工程とを備えた樹脂材料の接着方法であって、前記表面処理工程において、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で対向する電極間に存在する気体に高周波電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、被接着体の少なくとも接着面に対して表面処理を施し、前記接着工程において、表面処理を施した接着面に前記接着剤を貼着することを特徴とする。
本発明の請求項2記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記気体は、空気を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記気体は、空気及び放電ガスを含むことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の樹脂材料の接着方法は、請求項3において、前記放電ガスは、He,Ne,Ar,Kr,Xeのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明の請求項5記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記接着剤は、異方性導電性フィルムからなることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記樹脂材料は、ポリイミドフィルムであることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記電極の少なくとも一方の対面側は、誘電体で遮蔽されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記高周波電圧の周波数は、10kHz以上であることを特徴とする。
本発明の請求項9記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1又は8において、前記高周波電圧は、パルス成分を含むことを特徴とする。
本発明の請求項10記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して間接的に照射することを特徴とする。
本発明の請求項11記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して直接的に照射することを特徴とする。
本発明の請求項12記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して間欠的に照射することを特徴とする。
本発明の請求項13記載の樹脂材料の接着方法は、請求項1において、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して連続的に照射することを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、樹脂材料からなる被接着体の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程と、この表面処理工程において表面処理を施した被接着体への接着剤の貼着を含む接着工程とを備えた樹脂材料の接着方法であって、前記表面処理工程において、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で対向する電極間に存在する気体に高周波電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、被接着体の少なくとも接着面に対して表面処理を施し、前記接着工程において、表面処理を施した接着面に前記接着剤を貼着することにより、比較的簡単、低コストでかつ短時間で被接着体の濡れ性及び接着強度を向上させた上で接着することができる。
本発明の請求項2によれば、前記気体は、空気を含むことにより、場所を問わずに、より低コストにプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
本発明の請求項3によれば、前記気体は、空気及び放電ガスを含むことにより、より効率的に安定なプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
本発明の請求項4によれば、前記放電ガスは、He,Ne,Ar,Kr,Xeのうちの少なくとも1つを含むことにより、より効率的に安定なプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
本発明の請求項5によれば、前記接着剤は、異方性導電性フィルムからなることにより、電子部品の実装における選択肢が広がり、電子部品をより小型化させることができる。
本発明の請求項6によれば、前記樹脂材料は、ポリイミドフィルムであることにより、耐熱性及び絶縁性に優れた基板とすることができる。
本発明の請求項7によれば、前記電極の少なくとも一方の対面側は、誘電体で遮蔽されたものであることにより、誘電体バリア放電を用いて大気圧下で安定したプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。また、誘電体バリア放電を用いることにより、大気圧下で大型又は多量の基板の表面処理が可能なだけでなく、装置寿命を長くすることができる。
本発明の請求項8によれば、前記高周波電圧の周波数は、10kHz以上であることにより、大気圧又は大気圧近傍の圧力下においてプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
本発明の請求項9によれば、前記高周波電圧は、パルス成分を含むことにより、より均一なプラズマを発生させて表面処理を行うことができ、被接着体に対する損傷を極めて少なくすることができる。
本発明の請求項10によれば、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して間接的に照射することにより、被接着体への損傷を極めて少なくできる。
本発明の請求項11によれば、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して直接的に照射することにより、表面処理の時間をより短くすることができるだけでなく、表面処理の時間を短くすることによって被接着体への損傷を少なくすることができる。
本発明の請求項12によれば、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して間欠的に照射することにより、被接着体への損傷を極めて少なくできるだけでなく、表面処理の程度を制御しやすくなる。
本発明の請求項13によれば、前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して連続的に照射することにより、多量の被接着体に対する表面処理の時間をより短くすることができる。
本発明の樹脂材料の接着方法は、樹脂材料からなる被接着体の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程と、この表面処理工程において表面処理を施した被接着体への接着剤の貼着を含む接着工程とを備えた樹脂材料の接着方法であって、前記表面処理工程において、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で対向する電極間に存在する気体に高周波電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、被接着体の少なくとも接着面に対して表面処理を施し、前記接着工程において、表面処理を施した接着面に前記接着剤を貼着することを特徴とするものである。
本発明の被接着体は、接着剤を用いて接着することのできる被接着体であれば特定のものに限定されないが、樹脂材料からなる被接着体であるのが好ましい。樹脂材料を被接着体とすることにより、樹脂材料を基板とした自在な形状を有する部品又はデバイスを作成することができる。
本発明の樹脂材料は、特定のものに限定されないが、ポリイミドであるのが好ましい。ポリイミドを用いることにより、耐熱性及び絶縁性に優れた基板とすることができる。特にポリイミド上に電極材料が配置されている場合は、電極材料上に電子部品などを導電性接着剤などにより接着させることによって電子部品をより小型化させることができる。なお、樹脂材料は、塩化ビニル,アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリフェニレンオキシド,ポリアセタール樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,フッ素樹脂などの樹脂であってもよい。
本発明の接着面は、接着剤により接着することのできる面であれば特定のものに限定されないが、被接着体の表面の少なくとも一部であるのが好ましい。
本発明の表面処理は、被接着体上の接着阻害物を除去し、被接着体の濡れ性を確保することのできる表面処理方法であれば特定のものに限定されないが、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において発生させたプラズマを用いた表面処理であるのが好ましい。大気圧又は大気圧近傍の圧力下において発生させたプラズマを用いた表面処理を行うことにより、比較的簡単、低コストでかつ短時間で被接着体の濡れ性及び接着強度を向上させた接着面を用いて接着することができる。
本発明の接着剤は、樹脂材料、セラミックス材料又はガラスなどを接着できる接着剤であれば特定のものに限定されないが、異方性導電性フィルムからなる接着剤であるのが好ましい。異方性導電性フィルムからなる接着剤を用いることにより、電子部品の実装における選択肢が広がり、電子部品をより小型化させることができる。なお、接着剤はエポキシ樹脂などの非導電性の接着剤であってもよい。
本発明の表面処理工程における圧力は、プラズマを発生させることのできる圧力であれば特定のものに限定されないが、大気圧又は大気圧近傍の圧力であるのが好ましい。大気圧又は大気圧近傍の圧力において発生させたプラズマを用いることにより、比較的簡単、低コストでかつ短時間で被接着体の濡れ性及び接着強度を向上させた接着面を用いて接着することができる。
本発明の電極は、プラズマを発生させることのできる電極であれば特定のものに限定されないが、略平行に対向する一対の電極であるのが好ましい。また、電極の少なくとも一方の対面側は、誘電体で遮蔽された電極であるのが好ましい。電極の対面側を誘電体で遮蔽することにより、誘電体バリア放電を用いて大気圧又は大気圧近傍の圧力下で安定したプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。また、誘電体バリア放電を用いることにより、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で大型又は多量の基板の表面処理が可能なだけでなく、装置寿命を長くすることができる。ここで、誘電体バリア放電とは、電極の一方又は両方を誘電体で遮蔽することにより、電極又は誘電体へのストリーマやアークを防ぎつつ、電極又は誘電体間にプラズマを発生させる放電のことを指す。なお、電極の材料は、銀,白金,ステンレス,鉄などの金属であってもよい。また、電極の形状は、板状,円板状,円筒状,球状などの各種形状であってもよい。
本発明の気体は、プラズマを発生させることのできる気体であれば特定のものに限定されないが、空気を含む気体又は空気及び放電ガスを含む気体であるのが好ましい。気体として空気を含む気体を用いた場合は、場所を問わずに、より低コストにプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。また、気体として空気及び放電ガスを含む気体を用いた場合は、より効率的に安定なプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。ここで、プラズマを発生させるための気体は、主成分を空気としてもよく、空気を主成分とすることにより、場所を問わずに、より低コストにプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。さらに、放電ガスは、特定のものに限定されないが、He,Ne,Ar,Kr,Xeのうちの少なくとも1つを含むガスであるのが好ましい。放電ガスとして、He,Ne,Ar,Kr,Xeのうちの少なくとも1つを含むガスを用いた場合は、より効率的に安定なプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
本発明の高周波電圧は、大気圧又は大気圧近傍の圧力下においてプラズマを発生させることのできる高周波電圧であれば特定のものに限定されないが、周波数が10kHz以上の高周波電圧であるのが好ましい。周波数が10kHz以上の高周波電圧を用いることにより、大気圧又は大気圧近傍の圧力下においてプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。また、高周波電圧は、パルス成分を含む高周波電圧であるのが好ましい。パルス成分を含む高周波電圧を用いることにより、より均一なプラズマを発生させて表面処理を行うことができ、被接着体に対する損傷を極めて少なくすることができる。
本発明のプラズマは、被接着体上の接着阻害物を除去し、被接着体の濡れ性を確保するための表面処理工程に用いることのできるプラズマであれば特定のものに限定されないが、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において生じるプラズマが好ましい。また、プラズマを被接着体の少なくとも接着面に対して間接的,直接的,間欠的又は連続的に照射してもよい。プラズマを被接着体の少なくとも接着面に対して間接的に照射した場合は、被接着体への損傷を極めて少なくできる。プラズマを被接着体の少なくとも接着面に対して直接的に照射した場合は、表面処理の時間をより短くすることができるだけでなく、表面処理の時間を短くすることによって被接着体への損傷を少なくすることができる。プラズマを被接着体の少なくとも接着面に対して間欠的に照射した場合は、被接着体への損傷を極めて少なくできるだけでなく、表面処理の程度を制御しやすくなる。プラズマを被接着体の少なくとも接着面に対して連続的に照射した場合は、多量の被接着体に対する表面処理の時間をより短くすることができる。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の樹脂材料の接着方法の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
本実施例では、樹脂材料からなる被接着体の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程を行った後に、この表面処理工程において表面処理を施した被接着体の接着面への接着剤の貼着を含む接着工程を行うことにより、樹脂材料からなる被接着体を接着する。
まず、被接着体に対して表面処理工程を行った。
図1は、本実施例の表面処理工程に用いるプラズマ表面処理装置を示す。
図1において、1は電圧を印加してプラズマを発生させるための電極である。2は誘電体バリア放電を起こさせるための誘電体であり、対向する電極1の少なくとも一方の対面側は誘電体2で遮蔽されるように構成されている。3は電極カバーであり、電極1を絶縁するように構成されている。4は表面処理を施す樹脂材料からなる被接着体としてのポリイミドフィルムである。5は電極1に高周波電圧を供給する電源である。なお、電源より供給される高周波電圧の周波数やパルス成分の有無はポリイミドフィルム4の大きさ、設置状態又は雰囲気ガスなどによって変化する。そこで、電源5は制御回路6により調整可能に構成されている。また、制御回路6は発生させるプラズマモードを切替え可能に構成されている。さらに、図示しないが、電極1は水冷式の冷却管により冷却されるように構成されている。なお、図1においては、ポリイミドフィルム4は誘電体2上に配置されることにより、発生したプラズマを直接的に照射する構成になっているが、間接的に照射する構成にしてもよい。発生したプラズマを間接的に照射するためには、ポリイミドフィルム4を誘電体2上に配置せず、電極1間外又は誘電体2間外の位置に、電極1の長さ方向に対して垂直の向きになるように配置してもよい。
本実施例では、上記のプラズマ表面処理装置における電極1はAl板により構成した。Al板の大きさは、長さ30mm×幅150mm×厚さ14mmであった。また、電極1を遮蔽した誘電体2はAl板により構成し、電極1の両方を遮蔽するように構成した。Al板の大きさは、長さ100mm×幅200mm×厚さ2mmであった。この誘電体2間の距離は2mmである。さらに、電極カバー3はアクリル樹脂により構成した。加えて、ポリイミドフィルム4の大きさは、幅10〜25mm×長さ10〜200mmであり、ポリイミドフィルム4の厚さは125μmであった。なお、誘電体の材料は、セラミックス又はガラスであってもよく、酸化物系,窒化物系,炭化物系又は珪化物系のセラミックスやケイ酸塩系,ホウ酸塩系,リン酸塩系などのガラスであってもよい。また、誘電体の形状は、電極1の少なくとも対面側を遮蔽することのできるものであればよく、平板,円板,円筒状,球状などの各種形状あってもよい。さらに、ポリイミドフィルム4の厚さは数〜数100μmであってもよく、ポリイミドフィルム4の分子構造は限定されるものではない。
上記のプラズマ表面処理装置において、プラズマを発生させるための気体は、電極1間に存在する気体であり、空気又は空気と放電ガスとの混合気体を用いた。放電ガスとしてのArの流量は、1〜数L/minとした。
図2は、プラズマ表面処理装置の電極1間に印加した電圧及び電極1間に流れた電流のプロファイルの一例を示すグラフである。破線は印加電圧を示し、連続線は電流を示している。プラズマ表面処理装置を動作させ、プラズマを発生させたときの代表的な電圧及び電流は、誘電体2間距離が2mmであるのに対して、印加電圧の周波数が45kHz、印加電圧が8kV、電極1間電流が0.3Aであった。なお、印加電圧の周波数、印加電圧又は電極1間電流などは、ポリイミドフィルム4の大きさ,設置状態,電極1間距離又は雰囲気ガスなどにより変化するが、印加電圧の周波数は10kHz以上であればよく、印加電圧は、1〜数kVであってもよい。
このように誘電体2間に発生させたプラズマをポリイミドフィルム4に直接的に照射した。照射時間は1〜60秒であった。なお、プラズマはポリイミドフィルム4に対して間接的、間欠的又は連続的に照射してもよい。ここで、本実施例でのプラズマのモードはRIE(Reactive Ion Etching)方式及びDP(Direct Plasma)方式の両方を用いている。これにより、物理的及び化学的に表面処理を行うことができる。
プラズマにより表面処理を行ったポリイミドフィルム4及び未処理のポリイミドフィルム4の接触角を評価した。
本実施例では、接触角の測定方法としてθ/2法を用いた。ここで、θ/2法とは、基材液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線と、固体表面との角度から接触角を求める方法のことである。また、測定に用いたポリイミドフィルム4の大きさは、10mm×10mmであった。
図3は、プラズマ表面処理工程における表面処理時間に対する水接触角の推移のグラフを示す。図3(A)はプラズマを発生させるための気体として空気とArの混合ガスを用いた場合であり、図3(B)はプラズマを発生させるための気体として空気を用いた場合である。横軸は表面処理時間であり、縦軸は水接触角である。グラフ中に記載してあるプラズマ処理とは、プラズマにより表面処理を行ったポリイミドフィルム4を指し、未処理とは、未処理のポリイミドフィルム4を指している。また、未処理のポリイミドフィルム4に関しては、表面処理時間に対する水接触角の推移ではなく、プラズマにより各表面処理時間で表面処理を行ったポリイミドフィルム4のバックグラウンド測定としての意味を持つ。
図3(A)において、表面処理時間が60秒における未処理のポリイミドフィルム4の接触角は45.2°であったのに対し、プラズマにより表面処理を行ったポリイミドフィルム4の接触角は9.5°であった。
また、図3(B)において、表面処理時間が60秒における未処理のポリイミドフィルム4の接触角は55.2°であったのに対し、プラズマにより表面処理を行ったポリイミドフィルム4の接触角は7.6°であった。
これらの結果より、プラズマを発生させるための気体が空気又は空気とArとの混合気体のいずれにおいても、ポリイミドフィルム4に対してプラズマ表面処理を行うことによって、水接触角は減少し、濡れ性が向上することを確認した。また、表面処理時間が長いほど、水接触角は減少し、濡れ性が向上することを確認した。特に、空気とArのような放電ガスとの混合気体を用いることにより表面処理の効果がより顕著になることを確認した。
次に、接着工程を行った。本実施例では、空気とArとの混合気体を用いて発生させたプラズマを用いて表面処理を60秒間行うことにより濡れ性を向上させたポリイミドフィルム4同士を接着剤により貼着した。接着剤には、エポキシ樹脂を用いた。なお、接着剤は、異方性導電性フィルムからなる接着剤を用いてもよい。
さらに、接着したポリイミドフィルム4の接着力を評価した。接着力の評価は、JIS−K6854規格に準じた引張試験器を用いて、T字剥離試験にて行った。
試験片となるポリイミドフィルム4の大きさは、幅25mm×長さ200mmとした。このうち、接着面は、幅25mm×フィルム端からの長さ150mmである。
図4は、接着した樹脂材料の剥離速度に対する剥離強さを示す。横軸は剥離速度であり、縦軸は剥離強さである。グラフ中に記載してあるプラズマ処理とは、プラズマにより表面処理を行ったポリイミドフィルム4を用いて接着した試験片を指し、未処理とは、未処理のポリイミドフィルム4を用いて接着した試験片を指している。グラフのデータは、各剥離速度においての算術的な平均値である。
剥離速度が10〜100mm/minの範囲において、未処理の試験片及びプラズマ処理の試験片のいずれにおいても、剥離強さは剥離速度には依存しないことを確認した。また、未処理のポリイミドフィルム4を用いた試験片の剥離強さは2.87〜3.06N/25mmであったのに対し、プラズマにより表面処理を行ったポリイミドフィルム4を用いた試験片の剥離強さは9.94〜10.07N/25mmであった。プラズマ処理を行った後に接着することにより、剥離強さは、およそ3.4倍に向上することを確認した。
さらに、剥離試験の際の試験片の破壊形態を目視により評価した。破壊形態のうち、界面破壊は被接着体と接着剤との界面での剥離又は破壊であり、凝集破壊は接着剤自体の破壊である。接着強度が十分であれば凝集破壊が起こり、不十分であれば、界面破壊が起こる。破壊形態を評価した結果、未処理の試験片は界面破壊であったのに対し、プラズマ処理の試験片は凝集破壊であった。これらの結果より、本発明の接着方法が樹脂材料に適した接着方法であることを確認した。
なお、表面処理を施した接着面には、例えば、電子機器に用いられるようなガラス,セラミックス,金属,樹脂などのいずれかを含む部材を接着してもよい。
以上のように、樹脂材料からなる被接着体としてのポリイミドフィルム4の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程と、この表面処理工程において表面処理を施したポリイミドフィルム4への接着剤の貼着を含む接着工程とを備えた樹脂材料の接着方法であって、前記表面処理工程において、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で対向する電極1間に存在する気体に高周波電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、ポリイミドフィルム4の少なくとも接着面に対して表面処理を施し、前記接着工程において、表面処理を施した接着面に前記接着剤を貼着する。これにより、比較的簡単、低コストでかつ短時間でポリイミドフィルム4の濡れ性及び接着強度を向上させた上で接着することができる。
また、気体は、空気を含むことにより、場所を問わずに、より低コストにプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
また、気体は、空気及び放電ガスを含むことにより、より効率的に安定なプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
また、放電ガスは、He,Ne,Ar,Kr,Xeのうちの少なくとも1つを含むことにより、より効率的に安定なプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
また、接着剤は、異方性導電性フィルムからなることにより、電子部品の実装における選択肢が広がり、電子部品をより小型化させることができる。
また、樹脂材料は、ポリイミドフィルム4であることにより、耐熱性及び絶縁性に優れた基板とすることができる。
また、電極1の少なくとも一方の対面側は、誘電体2で遮蔽されたものであることにより、誘電体バリア放電を用いて大気圧下で安定したプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。また、誘電体バリア放電を用いることにより、大気圧下で大型又は多量の基板の表面処理が可能なだけでなく、装置寿命を長くすることができる。
また、高周波電圧の周波数は、10kHz以上であることにより、大気圧又は大気圧近傍の圧力下においてプラズマを発生させて表面処理を行うことができる。
また、高周波電圧は、パルス成分を含むことにより、より均一なプラズマを発生させて表面処理を行うことができ、ポリイミドフィルム4に対する損傷を極めて少なくすることができる。
また、表面処理工程において、プラズマをポリイミドフィルム4の少なくとも接着面に対して間接的に照射することにより、ポリイミドフィルム4への損傷を極めて少なくできる。
また、表面処理工程において、プラズマをポリイミドフィルム4の少なくとも接着面に対して直接的に照射することにより、表面処理の時間をより短くすることができるだけでなく、表面処理の時間を短くすることによってポリイミドフィルム4への損傷を少なくすることができる。
また、表面処理工程において、プラズマをポリイミドフィルム4の少なくとも接着面に対して間欠的に照射することにより、ポリイミドフィルム4への損傷を極めて少なくできるだけでなく、表面処理の程度を制御しやすくなる。
また、表面処理工程において、プラズマをポリイミドフィルム4の少なくとも接着面に対して連続的に照射することにより、多量のポリイミドフィルム4に対する表面処理の時間をより短くすることができる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では、樹脂材料の表面処理工程として大気圧又は大気圧近傍下における開放型のプラズマ表面処理を用いたが、これに限らず、密閉型のプラズマ表面処理などを用いてもよい。
本発明の樹脂材料の接着方法によるプラズマを用いた表面処理工程を説明する図である。 本発明の樹脂材料の接着方法によるプラズマ発生条件のうち電圧及び電流のプロファイルを示すグラフである。 本発明の樹脂材料の接着方法によるプラズマを用いた表面処理の時間に対する水接触角の推移を示す図である。 本発明の樹脂材料の接着方法による剥離速度に対する剥離強さを示す図である。
符号の説明
1 電極
2 誘電体
4 ポリイミドフィルム(被接着体)

Claims (13)

  1. 樹脂材料からなる被接着体の接着面に対して表面処理を施す表面処理工程と、この表面処理工程において表面処理を施した被接着体への接着剤の貼着を含む接着工程とを備えた樹脂材料の接着方法であって、前記表面処理工程において、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で対向する電極間に存在する気体に高周波電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、被接着体の少なくとも接着面に対して表面処理を施し、前記接着工程において、表面処理を施した接着面に前記接着剤を貼着することを特徴とする樹脂材料の接着方法。
  2. 前記気体は、空気を含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  3. 前記気体は、空気及び放電ガスを含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  4. 前記放電ガスは、He,Ne,Ar,Kr,Xeのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3記載の樹脂材料の接着方法。
  5. 前記接着剤は、異方性導電性フィルムからなることを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  6. 前記樹脂材料は、ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  7. 前記電極の少なくとも一方の対面側は、誘電体で遮蔽されたものであることを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  8. 前記高周波電圧の周波数は、10kHz以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  9. 前記高周波電圧は、パルス成分を含むことを特徴とする請求項1又は8記載の樹脂材料の接着方法。
  10. 前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して間接的に照射することを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  11. 前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して直接的に照射することを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  12. 前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して間欠的に照射することを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
  13. 前記表面処理工程において、前記プラズマを前記被接着体の少なくとも前記接着面に対して連続的に照射することを特徴とする請求項1記載の樹脂材料の接着方法。
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