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JP2008086201A - マイクロrna生成の検出方法と癌の診断・治療およびマイクロrna生成調整剤 - Google Patents

マイクロrna生成の検出方法と癌の診断・治療およびマイクロrna生成調整剤 Download PDF

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JP2008086201A JP2006266918A JP2006266918A JP2008086201A JP 2008086201 A JP2008086201 A JP 2008086201A JP 2006266918 A JP2006266918 A JP 2006266918A JP 2006266918 A JP2006266918 A JP 2006266918A JP 2008086201 A JP2008086201 A JP 2008086201A
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mir
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luciferase
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Yukihiro Akao
幸博 赤尾
Yoshihito Nakagawa
義仁 中川
Tomoki Naoe
知樹 直江
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Nagoya University NUC
Gifu Prefecture Kenkyu Kaihatsu Zaidan
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Nagoya University NUC
Gifu Prefecture Kenkyu Kaihatsu Zaidan
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Abstract

【解決課題】マイクロRNA(miRNA)の生成を正確に簡単に検出できる方法、及びマイクロRNA-143と145の増減に関係する疾患の診断・治療、さらに治療に有用なマイクロRNAの生成を調整するマイクロRNA生成調整剤を提供する。
【解決手段】ルシフェラーゼ遺伝子の下流にマイクロRNA結合部位を作成したベクター及びそのベクターを導入した組み換え細胞を利用してマイクロRNAの生成を検出するマイクロRNAの検出方法とした。前記マイクロRNA結合部位にマイクロRNAが結合するとルシフェラーゼ遺伝子の翻訳が抑制され、生成したマイクロRNA量に依存してルシフェラーゼ発現量が増減し、蛍光強度を測定することにより、マイクロRNAの量を測定することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、短鎖RNA、特にマイクロRNA(miRNA)の検出方法、癌の診断・治療法及びマイクロRNAの生成調整作用を有するマンゴスチンを含有するマイクロRNA生成調整剤に関する。
短鎖RNAが植物から動物細胞まで広く存在しており、それらが単なる転写されたRNAの分解された短鎖RNAではなく、生体にとって重要な役割を果たしていることが分かってきた。特許文献1では、小核酸分子例えば、短干渉核酸(siNA)、短干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、および短ヘアピンRNA(shRNA)分子を用いるRNA干渉(RNAi)によるインターロイキンファミリー遺伝子発現の調節について開示されている。
特許文献2において、miRNAは、mRNAの翻訳の際に介在配列特異的に翻訳を抑制し、発生タイミングを調節する。また、siRNAが二本鎖であるのに対し、miRNAは一本鎖であることが開示されている。さらに、特許文献2では、発生プロセス及び疾患、例えば癌のモジュレーター又はターゲットとして使用することが出来る。例えば、miRNA−15及びmiRNA16は、おそらく腫瘍−サプレッサーとして機能し、したがって、これらRNA又はその類似体又は前駆体の腫瘍細胞への導入は、特に白血病、例えばB−細胞慢性リンパ球性白血病に対して治療効果を提供できることが開示されている。
特許文献3は、γーマンゴスチンに優れたラジカル消去作用を有しており、抗酸化剤として有用であることが開示されている。
特許文献4は、αーマンゴスチン及びγーマンゴスチンを含有する抗アレルギー剤が開示されている。
特許文献5は、マンゴスチン果皮を含水有機溶媒で溶出後、有機溶媒を留去した析出物を0.001〜70重量%含有することを特徴とする抗菌消臭剤が開示されている。
上記のように、マイクロRNA(miRNA)がインターロイキンファミリー遺伝子発現の調節、腫瘍−サプレッサーとして機能するなど、マイクロRNAが遺伝子発現制御に関わると共に、細胞の分化、増殖に関わる重要な機能性RNA分子であり、マイクロRNAの増減は重篤な疾患を引き起こすことが考えられる。マイクロRNAは細胞の維持、増殖に重要な役割を持っていることから、マイクロRNAの産生を調節する因子は幅広い治療薬として有用であると期待される。
一方、マンゴスチン果皮抽出物、あるいはそれより精製したα−マンゴスチン、γ−マンゴスチンには、上記のように様々な薬理作用を有することが知られている。しかし、マンゴスチンがマイクロRNA(miRNA)の生成調整作用を有することについては未だ知られていない。
特公表2005−524393号公報「短干渉核酸(siR NA)を用いるインターロイキン遺伝子発現のRNA干渉媒介性阻害」 特公表2005−503827号公報「マイクロRNA分子」 特開平08−225783号公報「γ−マンゴスチンを有効 成分とする天然抗酸化剤」 特開平10−72357号公報「抗アレルギー剤」 特開2003−231607号公報「マンゴスチン抽出物及 びその含有抗菌剤」
本発明は、マイクロRNA(miRNA)の生成を正確に簡単に検出できる方法を提供する。また、マイクロRNA-143と145の増減に関係する疾患の診断・治療、さらに治療に有用なマイクロRNAの生成を調整するマイクロRNA生成調整剤を提供する。
マイクロRNAを正確に簡単に検出する方法について鋭意研究を行った結果、ルシフェラーゼ遺伝子の下流にマイクロRNA結合部位を作成したベクター及びそのベクターを導入した組み換え細胞を利用してマイクロRNAの生成を検出するマイクロRNAの検出方法を完成した。ルシフェラーゼ遺伝子の下流に導入したマイクロRNA結合部位に生成したマイクロRNAが結合するとルシフェラーゼ遺伝子の翻訳が抑制される。生成したマイクロRNAの量に依存してルシフェラーゼの発現量が増減することから、ルシフェラーゼによる蛍光強度を測定することにより、マイクロRNAの量を正確に、簡単に測定することができる
さらに、本発明は、ルシフェラーゼの下流にmiR−143結合部位を導入したことを特徴とする発現ベクターとそれを導入した組み換え細胞を利用してマイクロRNA(miR−143)の生成を検出する請求項1に記載のマイクロRNAの検出方法である。ルシフェラーゼの下流にmiR−143結合部位を導入することによって、生成したmiR−143の量を特異的に測定することができる。ここで、miR−143の配列はUGAGAUGAAGCACUGUAGCUCAであり公知の配列である。
さらに、本発明は、ルシフェラーゼの下流にmiR−145結合部位を作成した発現ベクターとそれを導入した遺伝子組み換え細胞を利用してマイクロRNA(miR−145)の生成を検出する請求項1に記載のマイクロRNAの検出方法である。ルシフェラーゼの下流にmiR−145結合部位を導入することによって、生成したmiR−145の量を特異的に測定することができる。
ここでmiR−145の配列はGUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUUであり公知の配列である。
さらに、本発明は、請求項1から3のいずれかに記載の方法によって、マイクロRNA―143又は145を検出して、癌細胞と正常細胞を区別する癌の診断法を提供する。マイクロRNAを検出することによって、癌細胞と正常細胞を区別できる。つまり、正常組織と比較し、大腸癌、造血器腫瘍、とりわけリンパ系腫瘍に特異的にmiR−143またはmiR−145の発現の低下がみられた。他の多くのがん細胞でもmiR−143またはmiR−145の発現の低下がみられることから、これらのマイクロRNAは、癌細胞と正常細胞を区別するバイオマーカーとして有用であることが判明した。また、miR−143またはmiR−145の発現の低下が癌の増殖と関連しているため、これらを癌細胞に導入することにより癌細胞の増殖を抑制することが考えられる。
さらに、請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイクロRNA検出方法を用いて、ルシフェラーゼ発現の蛍光強度を測定することにより、マイクロRNAの生成量を測定して癌細胞に対してマイクロRNA―143又は145を増加させる物質を探索することができる。
本発明はまた、マンゴスチンを含有することを特徴とするマイクロRNA生成調整剤である。マンゴスチンがマイクロRNAの生成を調整することを見出した。マイクロRNAが遺伝子発現制御に関わると共に、細胞の分化、増殖に関わる重要な機能性RNA分子であり、マイクロRNAの増減は重篤な疾患を引き起こすことが考えられる。生体の維持、増殖に重要な役割を持っていることから、マイクロRNAの産生を調整するマンゴスチンはマイクロRNA調整剤として、異常細胞を正常化、又はアポトーシス(細胞壊死)に導く細胞改善剤、リンホカイン代謝調節剤等、細胞増殖に関わる幅広い治療薬として期待される。
さらに、マイクロRNAがmiR−143であることを特徴とする請求項4に記載のマイクロRNA生成調整剤である。マイクロRNAのmiR−143産生を調整するマンゴスチンはmiR−143の生成量に関連する幅広い治療薬として期待される。
さらに、マイクロRNAがmiR−145であることを特徴とする請求項4に記載のマイクロRNA生成調整剤である。マイクロRNAのmiR−145産生を調整するマンゴスチンはmiR−145の生成量に関連する幅広い治療薬として期待される。
本発明はまた、薬学的に有効量のマンゴスチンを薬学的に許容しうる担体または希釈剤中に含む、保存または投与用に調製される組成物を含む。治療用途に用いるための許容しうる担体または希釈剤は、医薬の技術分野においてよく知られており、例えば、保存剤、安定剤、着色剤、滑沢剤、および風味剤を用いることができる。これらには、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが含まれる。さらに、抗酸化剤及び懸濁剤を用いてもよい。
薬学的に有効な用量とは、疾患状態の予防、発症の阻害、または治療(症状をある程度緩和し、好ましくはすべての症状を緩和する。)に必要な容量である。薬学的に有効な用量は、疾患の種類、用いる組成物、投与の経路、治療する哺乳動物の種類、考慮中の特定の哺乳動物の物理学的特性、同時に投与される薬剤、および医薬の分野の当業者が認識するであろう他の因子によって異なる。例えば、0.1mg/kg〜100mg/kg体重/日の活性成分を投与する。
本発明のマンゴスチンおよびその処方は、慣用的な無毒性の薬学的に許容しうる担体、アジュバントおよびベヒクルを含む容量単位処方中で、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入またはスプレーにより、または直腸に投与することができる。本明細書において用いる場合、非経口的との用語には、経皮、皮下、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、または髄腔内注射または注入の手法等が含まれる。さらに、本発明のマンゴスチンおよび薬学的に許容しうる担体を含む医薬処方が提供される。1またはそれ以上の本発明のマンゴスチンは、1またはそれ以上の無毒性の薬学的に許容しうる担体および/または希釈剤、および/またはアジュバント、および所望の場合には他の活性成分とともに存在することができる。本発明のマンゴスチンを含有する医薬組成物は、経口使用に適した形、例えば、錠剤、トローチ剤、菱形剤、水性または油性懸濁液、分散可能な粉体または顆粒、乳剤、硬カプセルまたは軟カプセル、またはシロップまたはエリキシル剤の形であることができる。
経口で使用することが意図される組成物は、医薬組成物の製造について当該技術分野において知られる任意の方法にしたがって製造することができ、そのような組成物は、薬学的に洗練された口に合う製品を提供するために、1またはそれ以上のそのような甘味剤、芳香剤、着色剤または保存剤を含んでいてもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容しうる賦形剤との混合物として活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムあるいはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えばコーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、および潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクでありうる。錠剤は被覆しなくてもよく、既知の手法により被覆してもよい。場合によっては、既知の手法によりそのような被覆を調製して、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、このことによりより長い期間の持続的な作用を与えることができる。例えば、遅延用材料、例えばグリセリンモノステアレートまたはグリセリンジステアレートを用いることができる。
経口使用のための処方は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル、または活性成分が水または油状媒体、例えば、ピーナッツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルであってよい。
ルシフェラーゼの下流にマイクロRNA結合部位を作成した発現ベクターとそれを導入した遺伝子組み換え細胞を利用することによって、ルシフェラーゼの反応生成物を蛍光法により測定して、マイクロRNAの生成量を簡単に検出することができる。
造血器腫瘍の中でリンパ系の腫瘍(急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、T細胞白血病)の診断マーカーとして使用できる。とりわけ慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫は有力な診断マーカーになる。リンパ系の腫瘍ではmiR−143およびmiR−145の前駆体を導入することで細胞増殖を抑えることができる。つまり、遺伝子治療の可能性が示唆される。
マンゴスチンを含有する製剤を投与することによって、マイクロRNAの生成を調整してマイクロRNAが関与する疾病を治療することができる。また、その他の治療剤と併用することによって、併用した薬剤の治療効果を増大させることができる。
以下に本発明を実施するための方法について例を上げて述べるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
遺伝子組み換え細胞の調製(ルシフェラーゼ遺伝子、及びマイクロRNA結合部位の導入)
遺伝子組み換え細胞の調製は、図1に示すように、pGL3ルシフェラーゼ発現ベクターはプロメガ社(code NO. E1741)から購入し、このルシフェラーゼ遺伝子の3‘側に合成したmiR−143またはmiR−145の結合部位をカイネースとアニーリングにより2本鎖にし、その後、ライゲーションにより導入した。次いで、ベクターを通常の方法にしたがって、大腸菌にトランスフェクションし、大量培養して、ベクターを調製した。
上記のように調製したルシフェラーゼ発現ベクターを用いることによって、miR−143又はmiR−145の細胞内濃度が増加するとルシフェラーゼ遺伝子の下流に導入された3‘側のマイクロRNAの結合部位にこれらのmiRNAが結合してルシフェラーゼ遺伝子の翻訳が抑制される。このルシフェラーゼ遺伝子の翻訳の抑制は、miR−143又はmiR−145の細胞内濃度に依存する。したがって、ルシフェラーゼの反応によって発生する蛍光強度を検出することによって、miR−143又はmiR−145の細胞内濃度を検出することができる。
マイクロRNAの検出
細胞からフェノール/グアニヂン チオシアネイト法により、全RNAを抽出した。次いで、MirVana(商標)qRT-PCR miRNA検出キット(Ambion社製)とmirVana(商標)qRT-PCRプライマー セット(Ambion社製)を用いて、はじめにDNAを95℃で3分間変性後、PCR法(95℃、15秒、60℃、30秒、22サイクル)によりそれらの発現レベルを調べた。すなわち、抽出したRNA50mgを逆転写酵素によりcDNAに変換し、miR−143とmiR−145のプライマー(Ambion社より購入)を使用してPCR法によりそれらの発現レベルを調べた。
ヒト癌細胞は2mML-グルタミン、10%の熱不活性化FBS(Sigma,St.
Louis,Mo,USA)を含むRPMI-1640培地中で、95%空気と5%炭酸ガスの雰囲気下、37度で培養した。生存細胞数の測定は、トリパンブルー染色法により行った。
図2は大腸癌患者の腫瘍部及び同患者の正常組織についてmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。この結果、腫瘍部においてmiR−143とmiR−145のいずれもが、大腸癌で特異的に発現が低下していた (6例中5例)。
図3はヒトのすべての正常組織とそれぞれ組織由来の癌細胞株についてmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。正常組織は十分発現していたが(上段)、癌細胞株ではすべての細胞株でmiR−143またはmiR−145の発現が低下していた(下段)。U6は内部標準として用いた。この結果より、大腸癌のみならず他の多くのがん細胞にもmiR−143またはmiR−145の発現の低下がみられ、マイクロRNAの検出は、癌細胞と正常細胞を区別できるバイオマーカーとして有用であることが判明した。
図4は、miR−143またはmiR−145の前駆microRNAをmiR−143またはmiR−145の低下している大腸癌細胞株DLD-1, SW480に導入した。この結果、細胞増殖抑制がマイクロRNAの濃度依存的にみられ、miR−143またはmiR−145は癌細胞の増殖抑制に機能していることが示唆された。
種々の白血病患者におけるmiR−143またはmiR−145の発現を検討した。
白血病は以下に分類される、骨髄系(急性骨髄性白血病、 骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患)、リンパ系の腫瘍(急性リンパ性白血病、急性T細胞性白血病、成人T細胞性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫)である。患者からインフォームドコンセントをとり、初診時および再発時(悪性細胞が大部分)について末梢血、骨髄、リンパ節からサンプリングし、qRT-PCR法にて検討した。その結果、図5a、図5b、図5c、図5dに示すように、リンパ系の腫瘍に有意に低下傾向を示した。中でも図5cに示す慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫は全症例で低下を認めた。コントロールとして健常人の末梢リンパ球、扁桃、骨髄を用いた。
(1) α−マンゴスチンの調製
マンゴスチン果皮の乾燥物60kgに対して水600Lを加えて、90℃以上、好ましくは95℃〜100℃で攪拌ししながら1時間洗浄を行った。加熱洗浄工程で、マンゴスチン果皮に含まれる赤色物質、粘性物質、吸湿性物質等の不純物質が多量に溶出されて、以後の抽出工程で純度の高いマンゴスチン結晶を含有する組成物を得ることが出来る。
加熱洗浄したマンゴスチン果皮を濾過して、その残渣に50%(v/v)エタノールを600L加えて、80℃〜85℃で1時間攪拌しながら抽出して、抽出液を濾過した。
濾液を常温にまで徐々に温度を下げた後、常温で1夜放置して、粗マンゴスチン結晶を析出させた。粗マンゴスチン結晶の析出した液を濾過して粗マンゴスチン結晶を分離した。分離した粗マンゴスチン結晶を50%V/Vエタノール10Lで洗浄後、60℃で真空乾燥して、粗マンゴスチン結晶粉末を2.4kgを得た。
粗マンゴスチン結晶2.4kgに対してエタノール24Lを加えて、常温で1時間攪拌して溶解した。この溶解液を常温で攪拌しながら水36Lに滴下し、その後80℃〜85℃で1時間攪拌した。この液を常温まで徐々に冷却し、常温で1夜攪拌してマンゴスチン結晶を析出させ濾過後、得られたマンゴスチン結晶を50%V/Vエタノールで洗浄した後、真空乾燥してマンゴスチン結晶を含有するマンゴスチン含有組成物を得た。
(2)マンゴスチンの定量法
上記方法により得られたマンゴスチン含有組成物の定量は、マンゴスチン含有組成物20mgを正確に計り、エタノールを加えて正確に100mlに溶解して試料とした。別にα−マンゴスチン標準品20mgを量り取り、エタノールを加えて正確に100mlに溶解して、標準溶液ー1とした。別にγーマンゴスチン標準品10mgを正確に計り取り、エタノールを加えて正確に50mlに溶解した。この液5mlを正確に計り、エタノールを加えて正確に50mlとして、これを標準溶液ー2とした。
上記各試料の分析は高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。使用したカラムはDevelosil ODS-5(φ4.6×250mm、野村化学製)を用いて、移動相にアセトニトリル/0.05Mリン酸水溶液(7:3)を用い、流量1.0ml/minで、40℃で展開し、波長365nmで測定を行った。高速液体クロマトグラフィーでマンゴスチン含有組成物を分析した結果、上記の精製方法で得られたマンゴスチン含有組成物はα−マンゴスチンが82.1%、γーマンゴスチンが9.0%の割合で含まれていた。上記方法で分離精製したマンゴスチン(キサントン)誘導体の化学構造を図5に示す。
本発明で使用されるマンゴスチンを含有することを特徴とするマイクロRNA生成調整剤のマンゴスチンは、α−マンゴスチン又はγ−マンゴスチンのいずれかの単独でもよいが、分離することに手間と時間が掛かるので、α−マンゴスチンとγ−マンゴスチンの混合物であってもよく、いずれか一方に限定されるものではない。
マンゴスチンのマイクロRNA調整作用
マンゴスチンをヒト大腸癌細胞株DLD-1に対して処理すると細胞増殖が抑制され、マンゴスチンの用量依存的にmiR−143とmiR−145の発現量が上昇することが判明した。
図6は大腸癌細胞株DLD-1を20 mM a-マンゴスチンで処理した結果を示す。この結果、時間と共にmiR−143とmiR−145の発現が上昇することが認められた。
図7は、大腸癌細胞株DLD-1に、図1で示したルシフェラーゼ発現ベクターにpGL3-miR-143 sensorまたはpGL3-miR-145 sensorを導入した後、0から20 mM のa-マンゴスチンで処理した結果を示す。この結果、 a-マンゴスチンの濃度に依存してルシフェラーゼ活性が低下(相対蛍光強度の低下)することが判明した。すなわち、マンゴスチンの濃度に依存して、miR−143又はmiR−145の細胞内濃度が増加して、ルシフェラーゼ遺伝子の下流の3‘側の結合部位にmiR−143又はmiR−145が結合してルシフェラーゼ遺伝子の翻訳が抑制されたことを示している。この結果から、マンゴスチンのルシフェラーゼ遺伝子の翻訳を抑制する効果は、miR−143又はmiR−145の細胞内濃度を上昇させることによって抑制していることが明らかとなった。
マンゴスチンを含むマイクロRNA調整剤の調製
実施例4で示したように、マンゴスチンが用量依存的にマイクロRNA含量を調整することができることが判明した。実施例4で得られたマンゴスチン含有組成物の経口投与用製剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、経口用液体製剤等が例示できる。マイクロRNA調整剤としてのマンゴスチンの投与量は1日当たり全投与量2〜2000mg、好ましくは10〜1000mgである。
以下に示す割合でマンゴスチン含有組成物を配合して、マンゴスチンを含む錠剤を調製した。
(製剤例1)マンゴスチン含有組成物130g、ヒドロキシプロピルセルロース260gを加えて、390mg当たり130mgのマンゴスチンを含有する散剤を製造した。
(製剤例2)マンゴスチン含有組成物130g、ヒドロキシプロピルセルロース65g、D-マンニトール305gを加えて、500mg当たり130mgのマンゴスチンを含有する顆粒剤を製造した。
マンゴスチンを含むマイクロRNA調整剤に加えるマンゴスチン含有組成物の量は、対象疾患の治療にマイクロRNAを望ましい量だけ増加させるために、併用する薬剤、適用する対象疾患、疾病の重傷度等、投与する患者に対応できるようにマンゴスチン含有組成物の含有量や投与量を適宜変更させて、マイクロRNAの生成量を加減できるマイクロRNA調整剤を調製することができる。
図1は、ルシフェラーゼ発現ベクターにmiR−143、miR−145の結合部位を導入し、pGL3-miR-143 sensorまたはpGL3-miR-145 sensorをの構造の図式を示す。 図2は大腸癌患者の腫瘍部及び同患者の正常組織についてmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。すべての腫瘍部においていずれの発現も正常組織に比べ低下していた。 図3はヒトのすべての正常組織とそれぞれ組織由来の癌細胞株についてmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。正常組織は十分発現していたが(上段)ヒト癌細胞株ではすべての細胞株で共に発現の低下がみられた(下段)。U6は内部標準。 図4は、miR−143とmiR−145の前駆microRNAをmiR−143とmiR−145の低下している大腸癌細胞株DLD-1, SW480に導入した。その結果、細胞増殖抑制が濃度依存的にみられた。 図5aは、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、及び骨髄増殖成疾患の患者から得られた細胞におけるmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。 図5bは、患者から得られた急性リンパ性白血病細胞におけるmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。 図5cは、患者から得られた急性リンパ性白血病及びBリンパ腫細胞におけるmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。 図5dは、患者から得られた成人T細胞白血病細胞及びT細胞急性リンパ性白血病細胞におけるmiR−143とmiR−145の発現を調べた結果を示す。図5a〜図5dにおいて、リンパ系腫瘍に発現低下の傾向がみられた。とくに慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫は全症例で低下を認めた。コントロールとして健常人の末梢リンパ球、扁桃、骨髄を用いた。 図6は、マンゴスチンから分離精製したマンゴスチン(キサントン)誘導体の化学構造を示す。 図7は大腸癌細胞株DLD-1を20 mM a-マンゴスチンで処理した結果を示す。時間と共にmiR−143とmiR−145の発現が増加している。 図8は、大腸癌細胞株DLD-1にルシフェラーゼ発現ベクターpGL3-miR-143 sensorまたはpGL3-miR-145 sensorを導入した後、0から20 mM a-マンゴスチンで処理した結果を示す。マンゴスチンの濃度依存的にmiR−143、miR−145が増加し、ルシフェラーゼの活性が減少していることが示唆される。

Claims (8)

  1. ルシフェラーゼの下流にマイクロRNA結合部位を作成した発現ベクターおよびそのベクターを導入した組み換え細胞を利用して、マイクロRNAの生成を検出するマイクロRNA検出方法。
  2. ルシフェラーゼの下流にmiR−143結合部位を作成した発現ベクターを導入したことを特徴とする遺伝子組み換え細胞を利用して、マイクロRNA(miR−143)の生成を検出する請求項1に記載のマイクロRNAの検出方法。
  3. ルシフェラーゼの下流にmiR−145結合部位を作成した発現ベクターを導入したことを特徴とする遺伝子組み換え細胞を利用して、マイクロRNA(miR−145)の産生を検出する請求項1に記載のマイクロRNAの検出方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の方法によって、マイクロRNA―143又は145を検出して、癌細胞と正常細胞を区別する癌の診断法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のルシフェラーゼ発現の蛍光強度を測定することにより、マイクロRNAの生成量を測定して癌細胞に対してマイクロRNA―143又は145を増加させる物質を探索方法。
  6. マンゴスチンを含有することを特徴とするマイクロRNA生成調整剤。
  7. マイクロRNAがmiR−143であることを特徴とする請求項6に記載のマンゴスチンを含有することを特徴とするマイクロRNA生成調整剤。
  8. マイクロRNAがmiR−145であることを特徴とする請求項6に記載のマンゴスチンを含有することを特徴とするマイクロRNA生成調整剤。
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