JP2008081575A - 硬化性組成物、硬化膜及び積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記成分(A)〜(D):(A)分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)と結合され、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子、(B)2個以上のウレタン結合及び2個以上の重合性不飽和基を有する化合物、(C)1個以上の重合可能な基を有するポリシロキサン化合物、(D)上記成分(A)、(B)及び(C)以外の、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を含有する硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
表面滑り性を付与する方法として、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル重合体のアクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、光重合開始剤、無機粒子及び末端反応性ポリジメチルシロキサンからなる光硬性樹脂組成物を、光硬化型のコ−ティング材料として用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、このような組成物を用いた硬化物は、表面滑り性に一定の改良が認められるものの、表面滑り性の経時変化が大きく、また滑り性付与成分のブリードアウトが発生する場合がある。硬度及び耐擦傷性については必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
特許文献2には、(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンを配合することにより表面滑り性を改善した硬化性組成物記載されているが、防汚性の観点からはさらに改良の余地があった。
1.下記成分(A)〜(D):
(A)分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)と結合され、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子
(B)2個以上のウレタン結合及び2個以上の重合性不飽和基を有する化合物
(C)1個以上の重合可能な基を有するポリシロキサン化合物
(D)上記成分(A)、(B)及び(C)以外の、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物
を含有する硬化性組成物。
2.組成物中の固形分全量を100重量%としたときに、前記成分(A)を5〜85重量%の範囲内、前記成分(B)を5〜50重量%の範囲内、前記成分(C)を0.01〜5重量%の範囲内、及び前記成分(D)を1〜87重量%の範囲内で含有する上記1に記載の硬化性組成物。
3.前記(A)成分の分子内に重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物(Ab)が、下記式(2)に示す構造を含む化合物である上記1又は2に記載の硬化性組成物。
4.前記成分(C)のガスパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量が500以上である上記1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
5.成分(C)が、下記式(1)
で示される構造を含む化合物である上記1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
6.前記式(1)で示される化合物が、R1のみにおいて重合性不飽和基を有する、上記5に記載の硬化性組成物。
7.前記(C)成分が有する重合性不飽和基が、(メタ)アクリロイル基である、上記1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
8.前記成分(B)が、下記式(6)及び/又は(7)
である上記1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
9.さらに、(E)ラジカル重合開始剤を含有する上記1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
10.さらに、(F)有機溶剤を含有する上記1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
11.上記1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化物からなる硬化膜。
12.透明基材上に上記12に記載の硬化膜を積層してなる積層体。
本発明の硬化性組成物は、下記成分(A)〜(G)を含み得る。成分(A)〜(D)は必須成分であり、成分(E)〜(G)は必要に応じて添加し得る任意成分である。
(A)分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)と結合され、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子(以下、「反応性粒子」という)
(B)2個以上のウレタン結合及び2個以上の重合性不飽和基を有する化合物(以下、「ウレタン結合含有化合物」という)
(C)1個以上の重合可能な基を有するポリシロキサン化合物(以下、「反応性ポリシロキサン化合物」という)
(D)上記成分(A)、(B)及び(C)以外の、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物(以下、「多官能重合性不飽和基含有化合物」という)
(E)ラジカル重合開始剤
(F)有機溶剤
(G)添加剤
以下、各成分について説明する。
本発明に用いられる反応性粒子(A)は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子(Aa)と、分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)とを反応させることにより得られ、重合性不飽和基を有する、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子である。
反応性粒子(A)の製造に用いられる酸化物粒子(Aa)は、得られる硬化性組成物の硬化膜の無色性の観点から、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子である。
本発明に用いられる有機化合物(Ab)は、重合性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記式(2)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものであることが好ましい。また、この有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
有機化合物(Ab)に含まれる重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
有機化合物に含まれる前記式(2)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(2)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や高屈折率層等の隣接層との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。このようなシラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
シラノール基又はシラノール基を生成する化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子(Aa)と結合する構成単位である。
有機化合物(Ab)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(3)に示す化合物を挙げることができる。
R8は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
R9は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
R10は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を有する有機化合物(Ab)を金属酸化物粒子(Aa)と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。得られる反応性粒子(A)中の有機重合体成分即ち加水分解性シランの加水分解物及び縮合物の割合は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少%の恒量値として、例えば空気中で室温から通常800℃までの熱重量分析により求めることができる。
尚、反応性粒子(A)の含有量は、固形分を意味し、反応性粒子(A)が溶剤分散ゾルの形態で用いられるときは、その含有量には溶剤の量を含まない。
本発明に用いられるウレタン結合含有化合物は、2個以上のウレタン結合及び2個以上の重合性不飽和基を有する化合物(B)であり、この化合物を配合することにより、得られる硬化膜の低カール性、高屈曲性を発現させるとともに、高硬度の発現にも寄与する。ウレタン基を有することで、通常の多官能(メタ)アクリレートと比較して架橋密度が低いにも関わらず高硬度を発現し、かつ屈曲に対する柔軟性を付与することができる。
反応性ポリシロキサン化合物(C)は、1個以上の重合可能な基を有し、2個以上のシロキサン構造を有する化合物であれば特に制限はない。ポリシロキサン鎖と重合可能な基との間には、適宜スペーサー構造、例えば、ウレタン結合等を有していてもよい。ウレタン結合を導入することで、他の成分との相溶性が改善去れ、光学特性に悪影響を与えるような大きな層分離を抑制することができる。
かかるシリコーン化合物としては、その分子末端に、例えば3−(2’−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−(2’,3’−ジヒドロキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(2’−エチル−2’−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシ)プロピル基、3−(2’−ヒドロキシ−3’−イソプロピルアミノ)プロピル基等の有機基を有するシリコーン化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いられる。
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いられる。
ポリウレタンポリオール構造を有する化合物(C)を得るための反応としては、例えば水酸基を有するシリコーン化合物、ポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオール、及びポリイソシアネートを反応させ、次いで上記シリコーン化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ポリイソシアネート、上記シリコーン化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ポリイソシアネート及び上記シリコーン化合物を反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後に水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後に上記シリコーン化合物を反応させる方法等が挙げられる。
ポリオールの好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で通常50〜15,000であり、特に好ましくは100〜8,000である。
本発明に用いられる多官能重合性不飽和基含有化合物(D)は、組成物の成膜性を高めるために好適に用いられる。多官能重合性不飽和基含有化合物(D)としては、分子内に2個以上の重合性不飽和基を含むものであれば、前述の(A)、(B)及び(C)成分を除くほか、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリルエステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。このうち、(メタ)アクリルエステル類が好ましい。
本発明の組成物においては、上記成分(A)〜(D)以外の配合成分として、(E)ラジカル重合開始剤(以下、「ラジカル重合開始剤(E)」ということがある)を配合することが好ましい。
このようなラジカル重合開始剤(E)としては、例えば、熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物(熱重合開始剤)、及び放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)等の、汎用されているものを挙げることができる。
本発明の組成物は、塗膜の厚さを調節するために、有機溶剤で希釈して用いることができる。例えば、反射防止膜や被覆材として用いる場合の粘度は、通常0.1〜50,000mPa・秒/25℃であり、好ましくは、0.5〜10,000mPa・秒/25℃である。
有機溶剤(F)としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
本発明の組成物には、上記成分の他、必要に応じて熱重合開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等を添加することができる。
好ましい熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
本発明の組成物は、熱及び/又は放射線(光)によって硬化させることができる。熱による場合、その熱源としては、例えば、電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いることができる。放射線(光)による場合、その線源としては、組成物をコーティング後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、例えば、赤外線の線源として、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源として、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源として、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源として、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。また、アルファ線、ベ−タ線及びガンマ線の線源として、例えば、Co60等の核分裂物質を挙げることができ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に又は一定期間をおいて照射することができる。
本発明の硬化膜は、前記硬化性組成物を種々の基材、例えば、プラスチック基材にコーティングして硬化させることにより得ることができる。具体的には、組成物をコーティングし、好ましくは、0〜200℃で揮発成分を乾燥させた後、熱及び/又は放射線で硬化処理を行うことにより被覆成形体として得ることができる。熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。放射線による場合、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cm2であり、より好ましくは、0.1〜2J/cm2である。また、好ましい電子線の照射条件は、加速電圧は10〜300kV、電子密度は0.02〜0.30mA/cm2であり、電子線照射量は1〜10Mradである。
本発明の積層体は、透明基材上に上記の硬化膜を積層して得ることができる。好適な透明基材や、硬化膜の積層方法は、前述の通りである。本発明の積層体は、高い透明性と硬度を有し、かつ、表面滑り性及び防汚性(指紋拭き取り性及び油性染料の拭き取り性)並びにその持続性にも優れているため、各種表示装置の表面保護フィルム等として好適である。
[有機化合物(Ab)の合成]
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン221部、ジブチル錫ジラウレート1部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート222部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量%とからなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)549部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌することで重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)を得た。生成物中の残存イソシアネート量をFT−IRで分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550cm−1の吸収ピーク及び原料イソシアネート化合物に特徴的な2260cm−1の吸収ピークが消失し、新たにウレタン結合及びS(C=O)NH−基に特徴的な1660cm−1のピーク及びアクリロキシ基に特徴的な1720cm−1のピークが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロキシ基と−S(C=O)NH−、ウレタン結合を共に有するアクリロキシ基修飾アルコキシシランが生成していることを示した。以上により、前記式(4)及び(5)で示される有機化合物(Ab)が合計で773部とペンタエリスリトールテトラアクリレート220部が得られた。
[反応性粒子(A−1)の製造]
合成例1で製造した組成物2.98部(重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を2.32部含む)、シリカ粒子分散液(Aa)(シリカ濃度32%、MEK−ST、数平均粒子径0.022μm、日産化学工業(株)製)89.90部、イオン交換水0.12部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.36部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(分散液(A−1))を得た。この分散液(A−1)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30.7%であった。また、分散液(A−1)を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、95%であった。
[片末端に3個のアクリロイル基を有する反応性ポリシロキサン化合物(C−1)の合成]
攪拌機を備えた反応容器に2,4−トリレンジイソシアネート10.4部、ジブチルスズジラウレート0.08部及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02部を仕込み、15℃以下に冷却した。攪拌しながら温度が30℃以下に保たれるようにこれに、新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量%とからなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)37.5部を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次に、水酸基当量1,000のα−[3−(2’−ヒドロキシエトキシ)プロピル]、ω−トリメチルシリルオキシポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製サイラプレーンFM−0411)を52.1部を添加し20〜55℃で攪拌した。残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了とした。得られた生成物の数平均分子量(東ソー製 AS−8020を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算数平均分子量を測定。以下、同じ。)を測定したところ、分子量は1600の片末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物の他に、生成物の20重量%のトリレンジイソシアネート1モルとペンタエリスリトールトリアクリレート2モルの結合物が認められた。この手法により得られた液状の末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物をC−1とする。
[両末端に各1個のアクリロイル基を有する反応性ポリシロキサン化合物(C−2)の合成]
撹拌機を備えた反応容器に2,4−トリレンジイソシアネート14.3部、ジブチルスズジラウレート0.08部及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02部を仕込み、15℃以下に冷却した。撹拌しながら温度が30℃以下に保たれるようにヒドロキシエチルアクリレート10.5部を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次に、水酸基当量1,000のα、ω−[3−(2’−ヒドロキシエトキシ)プロピル]ポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製サイラプレーンFM−4411)37.3部を添加し20〜55℃で撹拌した。残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了とした。得られた生成物の数平均分子量(東ソー製 AS−8020を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算数平均分子量を測定。以下、同じ。)を測定したところ、分子量は1900の両末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物の他に、生成物の20重量%のトリレンジイソシアネート1モルとヒドロキシエチルアクリレート2モルの結合物が認められた。この手法により得られた液状の両末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物をC−2とする。
[片末端に1個のアクリロイル基を有する反応性ポリシロキサン化合物(C−3)の合成]
攪拌機を備えた反応容器に2,4−トリレンジイソシアネート16.6部、ジブチルスズジラウレート0.08部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02部を仕込み、15℃以下に冷却した。攪拌しながら温度が30℃以下に保たれるようにヒドロキシエチルアクリレート8.7部を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次に、水酸基当量1,000のα−[3−(2’−ヒドロキシエトキシ)プロピル]、ω−トリメチルシリルオキシポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製サイラプレーンFM−0411)を74.7部を添加し20〜55℃で攪拌した。残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了とした。得られたポリジメチルシロキサン化合物の数平均分子量は1400であった。この手法により得られた液状の末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物をC−3とする。
[式(6)で示されるウレタン結合含有多官能(メタ)アクリレート(B−1)の製造]
攪拌機付きの容器内のイソホロンジイソシアネート19部と、ジブチル錫ジラウレート0.2部とからなる溶液に対し、新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)93部を、10℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、6時間の条件で攪拌し、反応液とした。
この反応液中の生成物、即ち、製造例1と同様にして残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1重量%以下であり、反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内に、ウレタン結合、及びアクリロイル基(重合性不飽和基)とを含むことを確認した。
以上により、前記式(6)で示される化合物が75部とペンタエリスリトールテトラアクリレート37部が得られた。
[式(7)で示されるウレタン結合含有多官能(メタ)アクリレート(B−2)の製造]
攪拌機付きの容器内の2,4−トリレンジイソシアネート16部と、ジブチル錫ジラウレート0.2部とからなる溶液に対し、新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)93部を、10℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、6時間の条件で攪拌し、反応液とした。
この反応液中の生成物、即ち、製造例1と同様にして残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1重量%以下であり、反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内に、ウレタン結合、及びアクリロイル基(重合性不飽和基)とを含むことを確認した。
以上により、前記式(7)で示される化合物が72部とペンタエリスリトールテトラアクリレート37部が得られた。
実施例1
合成例2で製造した反応性シリカ粒子分散液(A−1)176.9部(反応性粒子(A)として54.3部とメチルエチルケトン122.6重量部を含む。反応性粒子(A)は、シリカ粒子(Aa)50部と粒子に結合した有機化合物(Ab)4.3重量部からなる。)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アロニックスM−404;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ))4.8部、前記式(6)で示される合成例6で製造したウレタン結合含有多官能アクリレート(B−1)6.1部、前記式(7)で示される合成例7で製造したウレタン結合含有多官能アクリレート(B−2)27.2部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート3.9部、合成例3で製造した片末端反応性ポリシロキサン化合物(C−1)0.2部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure184)2.2部、及び2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(Irgacure907)1.3部、メチルエチルケトン(MEK)10部、メチルイソブチルケトン(MIBK)70部、シクロヘキサノン20部を40℃で2時間撹拌することで均一な溶液を得た。このうち、ペンタエリスリトールテトラアクリレートは、有機化合物(Ab)及び前記式(6)で示される多官能アクリレートに混在するペンタエリスリトールテトラアクリレートに由来する。この組成物の固形分含量を求めたところ、31%であった。
この組成物の各成分の配合量比を表1に示す。
表1に記載した組成に従った他は、実施例1と同様にして、各組成物を製造した。
表1中の略称の内容を下記に示す。
A−1:合成例2で製造した反応性粒子(A)
C−1:合成例3で製造した片末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物(C)。重合性不飽和基の数は3個である。
C−2:合成例4で得られた両末端反応性ポリシロキサン化合物(C)。重合性不飽和基の数は2個である。
C−3:合成例5で製造した片末端反応性ポリジメチルシロキサン化合物。重合性不飽和基の数は1個である。
(1)塗布、乾燥、硬化条件
各実施例及び比較例で得られた組成物を、基材上にバーコーターを用いて乾燥膜厚20μmになるように塗布した後、80℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥し、コンベア式水銀ランプを用いて1J/cm2の光量で照射して硬化被膜を得た。この硬化被膜を用いて、透過率、ヘーズ、防汚性、鉛筆硬度、耐スチールウール(SW)性、カール性、屈曲性、耐候性(黄変性及びヘーズの変化)を評価した。その結果を表2に示す。
尚、基材は、ヘーズの評価には厚さが80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いた。
評価項目毎に、評価方法を示す。ヘーズ、防汚性(指紋拭き取り性 及び油性染料の拭き取り性の各特性を、積層体の製造直後に測定し、評価した。ここで、湿熱試験の条件は、80℃、相対湿度85%で100時間であり、耐候性試験の条件は、QUV試験、100時間である。
透過率は得られたTAC付きハードコートフィルムをカラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JISK7105に準拠して測定した。得られた光線透過率の値は下記の基準で評価した。
◎:光線透過率 95%以上
○:光線透過率 90%以上95%未満
△:光線透過率 85%以上90%未満
×:光線透過率 85%未満
積層体のヘーズを、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
◎:0.3未満
○:0.3以上0.6未満
△:0.6以上1.2未満
×:1.2以上
PETフィルム上で硬化させた被膜に、指を押しつけて指紋を付けた後、ティッシュペーパー(商品名:エリエール、大王製紙(株))で40往復繰り返して拭き取り、指紋が残存しているか否かを目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:5回以内で拭き取ることが出来、指紋が残らない。
○:20回以内で拭き取ることが出来、指紋が残らない。
△:40回以内で拭きとることが出来、指紋が残らない。
×:拭き取り不可。
PETフィルム上で硬化させた被膜の約1cm2四方を油性染料インキタイプのマーキングペン(ゼブラ(株)製、商品名:マッキー)で隙間なく塗りこむ。1分間自然乾燥させた後、マーカーで塗りこんだ箇所を不織布(ベンコット)で拭き取り、何回の拭き取りで拭き取れたか又は拭き取れなかったかを目視観察し、以下の基準でランク付けして評価した。
◎:5回以内で拭き取ることが出来、油性インキは残らない。
○:20回以内で拭き取ることが出来、油性インキは残らない。
△:40回以内で拭きとることが出来、油性インキは残らない。
×:拭き取り不可。
鉛筆硬度試験機を用い、荷重500gの条件で5回引掻き、無傷が4回以上であった最も硬い鉛筆の芯の硬さを評価値とした。
得られた硬化膜を、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール(株)製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB-301、テスター産業(株)製)に取りつけ、硬化膜の表面を荷重500gの条件で10回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を、以下の基準により目視で確認した。評価基準は以下の通りである。
◎:硬化膜に傷が発生しない。
○:硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められないか、あるいは硬化膜にわずかな細い傷が認められる。
△:硬化膜全面に筋状の傷が認められる。
×:硬化膜の剥離が生じる。
得られたハードコート付きTACフィルムを10cm角の大きさに切り取り、水平に置き、四隅の水平面からの浮きの平均をカールの値とし、下記基準に従って評価した。
◎:0mm以上10mm未満
○:10mm以上30mm未満
△:30mm以上50mm未満
×:50mm以上
得られたハードコート付きTACフィルムを10cm×1cmの大きさに切り取っ
た後金属棒に巻き付け、目視でクラックが確認できなかった金属棒の最小の直径を
評価値とした。
◎:1mm以上5mm未満
○:5mm以上15未満
△:15mm以上25mm未満
×:25mm以上
Claims (12)
- 下記成分(A)〜(D):
(A)分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)と結合され、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とする粒子
(B)2個以上のウレタン結合及び2個以上の重合性不飽和基を有する化合物
(C)1個以上の重合可能な基を有するポリシロキサン化合物
(D)上記成分(A)、(B)及び(C)以外の、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物
を含有する硬化性組成物。 - 組成物中の固形分全量を100重量%としたときに、前記成分(A)を5〜85重量%の範囲内、前記成分(B)を5〜50重量%の範囲内、前記成分(C)を0.01〜5重量%の範囲内、及び前記成分(D)を1〜87重量%の範囲内で含有する請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記成分(C)のガスパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量が500以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記式(1)で示される化合物が、R1のみにおいて重合性不飽和基を有する、請求項5に記載の硬化性組成物。
- 前記(C)成分が有する重合性不飽和基が、(メタ)アクリロイル基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- さらに、(E)ラジカル重合開始剤を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- さらに、(F)有機溶剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物からなる硬化膜。
- 透明基材上に請求項11に記載の硬化膜を積層してなる積層体。
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