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JP2008074699A - 結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を含む高誘電率の無/有機ハイブリッド膜の製造方法 - Google Patents

結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を含む高誘電率の無/有機ハイブリッド膜の製造方法 Download PDF

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JP2008074699A JP2007240488A JP2007240488A JP2008074699A JP 2008074699 A JP2008074699 A JP 2008074699A JP 2007240488 A JP2007240488 A JP 2007240488A JP 2007240488 A JP2007240488 A JP 2007240488A JP 2008074699 A JP2008074699 A JP 2008074699A
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サンイル ソク
Chand Pramanik Nimai
チャンド プラマニク ニマイ
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Abstract

【課題】結晶性のチタン酸バリウムナノ粒子を含有する高誘電率の無/有機ハイブリッドの製造方法、これから製造された無/有機チタン酸バリウムハイブリッド及び柔軟性を有する高誘電フィルムを提供する。
【解決手段】シラン化合物に酸とイオン交換水を添加してシラン化合物の加水分解反応を介して無/有機ハイブリッド用媒質を製造する段階、製造された媒質に別途の方法で製造した結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を分散させる段階、及び柔軟性基板に特定厚さでコーティングして乾燥の後熱もしくは光エネルギー硬化してチタン酸バリウムが分散された無/有機ハイブリッドコーティング膜を形成する段階を含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は高誘電率を有する無/有機ハイブリッドの製造方法、及びこれから製造された無/有機ハイブリッドに関するものであって、より詳しくは埋め込みキャパシターで使用が期待される結晶性のチタン酸バリウムナノ粒子を含む無/有機ハイブリッドの製造方法、及びこれから製造された無/有機ハイブリッドに関するものである。
埋め込みキャパシター(embedded capacitor)は、従来の表面実装形(surface Mounting)の単一キャパシター(discrete capacitor)からアセンブリの費用を低めて電気的性能を向上させるために開発されている。柔軟性基板に埋め込みキャパシターを製造するためには誘電常数の値が高ながら低い静電容量(capacitance)許容値(tolerance)を有し、有機物基板にコーティング性とコーティング膜の柔軟性及び加工性に優れながら製造費用が低い素材が要求されている。
最近、無/有機ハイブリッド材料は高い誘電常数を有する無機粒子と柔軟性及び加工性に優れる有機成分の結合が可能であって有機基板を用いた電子回路用埋め込みキャパシター材料として関心が高まっている。特に、高誘電率を有するチタン酸バリウムと高分子を用いたナノ複合体を製造する様々な方法が試みられている。チタン酸バリウム−高分子複合体の誘電率を高めるためにはできる限り多量のチタン酸バリウムを高分子に陥入させることが必要であるが、無機物のチタン酸バリウムと有機物の高分子との間の界面エネルギーの大きな差によって均一性に優れる複合体を製造するには非常に難しく、なお複合体の加工性と柔軟性が低いという問題点が生じる。従って、高分子の媒質内にチタン酸バリウムのような高誘電無機物をその場(in-situ)で生成させる研究が一部試みられているものの、有機高分子は熱的安定性が低いから熱エネルギーを与えて結晶性に優れる高誘電無機粒子を生成させるには限界があり且つ低価で製造することは非常に難しい(T. Yogo、T. Yamamoto、W. Sakamoto、S-I Hirano, J. Mater. Res., 2004, 19, 3290)。従って、先ず結晶性の高誘電チタン酸バリウムナノ粒子を製造した後、有機ポリマー媒質に高濃度で分散混合し無/有機複合素材を製造する試みがなされている(H. Hsiang、K. -Y. Lin、F. -S. Yen、C. -Y. Hwang、J. Mater. Sci., 2001, 36, 3809;Y. Rao and C. P. Wong、J. Appl. Polym. Sci., 2004, 92, 2228)。しかし、この方法から製造した高分子複合体はチタン酸バリウムを60体積%以上陥入させても誘電率が60以下で低く、チタン酸バリウムを60体積%以上高分子に陥入させると高分子の有する長所、即ち柔軟性と加工性を殆ど失ってしまうという問題点がある。
現在の電子部品の技術的要求及びチタン酸バリウムに基づいたナノ粒子に対する要求が増加していることを考えると、無機粒子の有機物媒質としての高い分散性と柔軟性及び加工性は最も重要に考えなければならない。
このような問題点を克服するための試みの中で、第一として適合した有機媒質を選ぶことであって、エポキシ及び/またはX7Rを有機媒質で使用する技術が報告された(D. H. Kuo、C. -C. Chang、T. -Y. Su、W. -K. Wang、B. -Y. Lin、J. Eur. Ceram. Soc. 21(2001) 1171;D. H. Kuo、C. -C. Chang、T. -Y. Su、W. -K. Wang、B. -Y. Lin、Mater. Chem. Phys.85 (2004) 20)。しかし、このような方法は高い硬化(curing)温度が要求される短所がある。二番目としては結晶性チタン酸バリウムナノ粒子の有機媒質に対する分散性を向上させるためにナノ粒子の表面を有機添加剤を使用して改質する方法(Z.G. Shen、J.F. Chen、H.K. Zou、J. Yun、J. Colloid Interf. Sci.275 (2004) 158;X. Wu、L. Zou、S. Yang、D. Wang、J. Colloid Interf. Sci.239 (2001) 369;P.D. Cozzoli、A. Kornowski、H. Weller、J. Am. Chem. Soc. 125 (2003) 14539)、Ba-Ti-アルコキシド前駆体を用いて単分散されたチタン酸バリウムを製造する方法(S. O'Brien、L. Brus、C.B. Murray、J. Am. Chem. Soc. 123 (2001) 1208)などの多様な試みがあったが、分散性及び誘電率の面からさらに改善する必要がある。
従って、本発明は既存の知られた方法に比べて相対的に結晶性チタン酸バリウムナノ粒子の含量が最も少なく、高い誘電率を有する無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造する方法を提供することに目的があり、より詳しくは有機溶媒に対する高い分散性を有する結晶型チタン酸バリウムナノ粒子と、前記チタン酸バリウムナノ粒子と表面親和力に優れるシラン系化合物を媒質として使用し、結晶性チタン酸バリウムが媒質上に均一に分散された無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法を提供することにその目的がある。
なお、本発明のもう一つの目的は、前記製造方法によって製造された無/有機チタン酸バリウムハイブリッド、及びこれをコーティング、乾燥及び硬化して製造した柔軟性及び誘電特性に優れる無/有機チタン酸バリウムハイブリッド誘電体フィルムを提供することにある。
本発明は無/有機チタン酸バリウムハイブリッド(hybrid)の製造方法、それより製造された無/有機チタン酸バリウムハイブリッド誘電体フィルムに関するものである。
本発明による無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法は下記の段階を含めてなる。
1)下記化学式1で表される1種以上のシラン化合物溶液に酸を添加し加熱して無/有機ハイブリッド用媒質を製造する段階;及び
2)前記無/有機ハイブリッド用媒質に結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を分散して無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造する段階;と
を含む無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
<化学式1>
(R1)nSi(OR2)4-n
(式中、nは1乃至3の整数であり;R1はビニル基または反応性基を有する炭素数1乃至10のアルキル基であり、前記反応性基は(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、前記アルキル基はN、OまたはSから選ばれる複素原子を含み;R2は炭素数1乃至5のアルキルまたはアルケニルである。)
前記1)段階は加水分解触媒として使用された酸を溶媒抽出法で取り除き、溶媒を減圧蒸留して無/有機ハイブリッド用媒質を収得する段階をさらに含み、前記2)段階後、無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを基板上にコーティングした後、乾燥及び硬化してフィルムを形成する段階をさらに含む。
また、本発明は上述したような無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法によって製造された無/有機ハイブリッド、及びこれを基板上にコーティングした後、乾燥及び硬化して製造された高誘電率の柔軟性誘電体フィルムを提供する。
以下、本発明をより詳しく説明する。
この際、使用される技術用語及び科学用語において他の定義がなければ、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常的にわかっている意味を持つ。なお、従来と同一な技術的構成及び作用に対する繰り返される説明は省略することにする。
本発明は下記の段階を含む無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法を提供する。
1)下記化学式1で表される1種以上のシラン化合物溶液に酸を添加し加熱して無/有機ハイブリッド用媒質を製造する段階;及び
2)前記無/有機ハイブリッド用媒質に結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を分散して無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造する段階;と
を含む無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
<化学式1>
(R1)nSi(OR2)4-n
(式中、nは1乃至3の整数であり;R1はビニル基または反応性基を有する炭素数1乃至10のアルキル基であり、前記反応性基は(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、前記アルキル基はN、OまたはSから選ばれる複素原子を含み;R2は炭素数1乃至5のアルキルまたはアルケニルである。)
本発明によるチタン酸バリウムハイブリッドの製造方法は、無/有機ハイブリッド材料として前記化学式1で表されるシラン化合物を使用する。前記シラン化合物はビニル基、(メタ)アクリレート基またはエポキシ基を有し、もう一方にはトリアルコキシ基を有する化合物が望ましく、下記化学式2乃至化学式4で表されるシラン化合物が含まれる。
<化学式2>
<化学式3>
<化学式4>
(式中、前記化学式2乃至4において、R2は化学式1で定義したものと同様であり、R3は水素またはメチルであり、Aは独立に化学結合且つ炭素数1乃至10のアルキレンであり、前記アルキレンは炭素鎖に酸素原子を含む。)
前記化学式1の化合物としては、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン((3-Methacryloyloxypropyl) Trimethoxysilane: MPTS)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン((3-glycidyloxypropyl) trimethoxy silane: GPS)、ビニルトリイソプロペノキシシラン(vinyltriisopropenoxysilane: VTIPS)などが例として挙げられる。特に、前記シラン化合物の中で(メタ)アクリレート基またはエポキシ基に置換されたアルキル基及びトリアルコキシ基を有するシラン化合物を使用する場合、無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの柔軟性及びチタン酸バリウムの分散性が最も優秀でさらに望ましい。
前記シラン化合物はアルコールなどの有機溶媒に溶解して溶液状で製造した後、酸を添加して加水分解させる。この際、加水分解反応は常温で行っても構わないが、加水分解反応がより円滑に進むようにシラン化合物溶液を60乃至90℃で加熱することが望ましい。
前記添加される酸は無機酸または有機酸から選ばれる酸であれば全て使用できるが、高誘電コンデンサー膜で使用されたとき、電気電導性の不純物による電気的ブレーキダウン現状を最小化するように、加水分解された媒質に対して別途の工程を介して容易に除去でき且つ低い熱処理温度によって除去がさらに容易な無機酸の硝酸がより望ましい。
前記化学式1のシラン化合物は加水分解及び縮重合反応にアルコキシ基が水酸基及びSi-O-Siのネットワークを形成してやや粘性のある無/有機ハイブリッド溶媒質を形成する。本発明でシラン加水分解触媒で使用した硝酸触媒による媒質のゲル形成防止と無/有機チタン酸バリウム誘電膜の電気的ブレーキダウンを最小化するためにトルエンなどの有機溶媒と蒸留水を使用した溶媒置換方法によって硝酸を製造された媒質から取り除いた。つまり、加水分解されたシラン系媒質はトルエンなどの有機溶媒層に溶解され、硝酸は蒸留水に溶解される原理を用いて分離し、最終的にトルエンに溶解された媒質は減圧蒸留法で取り除き、無/有機ハイブリッド用媒質を得る。
前記2)段階からは得られた媒質に別途の方法で製造した結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を分散して無/有機チタン酸バリウムハイブリッド型素材を製造する。
本発明による結晶性チタン酸バリウムナノ粒子またはこれの分散液は本発明者らが出願した韓国特許出願第2006-0054304号に開示された製造方法により製造されたものであって、より詳しくは下記の段階を含む製造方法によって製造されたものである。
(a)チタニウムアルコキシドと下記化学式5のジアミン化合物を溶媒に溶解して混合液を製造する段階;
(b)前記混合液を水酸化バリウム水溶液に添加した後、撹拌してチタン酸バリウムを形成する段階;及び
(c)前記チタン酸バリウムを分離する段階。
<化学式5>
(式中、Rは炭素数2乃至8のアルキレン基から選ばれる。)
前記製造方法によって製造されたチタン酸バリウム結晶性ナノ粒子はチタン酸バリウムナノ粒子の表面にジアミン化合物が結合していて有機溶媒に対する分散性に最も優れる効果がある。
前記結晶性チタン酸バリウムナノ粒子の製造方法においてチタニウムアルコキシドに対するジアミン化合物のモル比が1乃至20であるものが望ましく、より望ましくは3乃至10モル比である。チタニウムアルコキシドに対するジアミン化合物のモル比は1未満である場合には非結晶性チタン酸バリウムが混入される可能性があり、有機溶媒に対する分散性が向上される効果が大きくなく、前記モル比が20を超える場合には追加添加による粒子サイズ分布の均一性及び分散性の側面の効果の増加が微々であり経済的に不利であり得る。なお、前記ジアミン化合物はエチレンジアミン(EDA)またはプロパンジアミンのものが望ましいが、これはエチレンジアミン(EDA)またはプロパンジアミンを使用する場合、5リング(5-membered ring)もしくは6リング(6-membered ring)の構造で結合するため、結晶性チタン酸バリウムの表面に相対的により安定に結合して残られる効果があるからである。
前記2)段階の媒質と結晶性チタン酸バリウムナノ粒子分散用溶液はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルイソブチルケトン(MIBK)またはシクロヘキサノン(Cyclohexanone、CHN)などの極性有機溶媒を使用するのが分散性に優れて望ましく、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはメタノールを使用するのが分散性に優れてさらに望ましい。
結晶性酸化物ナノ粒子(crystalline oxide nanoparticles)、特に低い温度及び水溶液上で合成されるチタン酸バリウムナノ粒子は表面に多数のOH基を有していることは良く知られている。前記2)段階ではチタン酸バリウムナノ粒子の表面に存在するOH基と1)段階から製造されたシラン系媒質の末端基に存在するシロキサン基との縮合反応によってTi-O-Siネットワークが形成されながらチタン酸バリウムが無/有機ハイブリッド媒質に均一に分散された無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを形成するようになる。
結晶性チタン酸バリウムナノ粒子の含量はチタン酸バリウムとシラン系無/有機ハイブリッド媒質を和した質量に対して0.5乃至40.0重量%(0.1乃至10.0体積%)になるようにしたものが望ましく、1.0乃至30重量%(0.5乃至7体積%)であるものがさらに望ましい。前記含量が0.5重量%未満である場合には誘電常数が低くて望ましくなく、前記含量が40重量%より多い場合には無/有機チタン酸バリウムハイブリッドから製造された誘電体フィルムの均一性が破られたりチタン酸バリウムと無/有機ハイブリッドの相分離をもたらし、柔軟性が大きく低下されて無/有機ハイブリッド素材の長所が損傷される。
前記2)段階ではコーティング膜の厚さを調節するために部分的に溶媒を除去して粘度が異なる無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造する過程が含まれる。スピンコーティングなどのコーティング方法や望む厚手のコーティング膜の製造に適合した程度の粘度を有するように溶媒を除去した後、これをハイブリッド誘電体フィルムを製造することに使用する。
高誘電率を有する柔軟性誘電体フィルムは前記の方法で調整した特定粘度の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドをガラスまたはプラスチック基板にコーティングした後、乾燥及び硬化して柔軟性の誘電体フィルムを製造する。前記において、乾燥条件は100乃至120℃の温度で0.5乃至6時間の範囲で行い、コーティング膜の硬化はシラン化合物の種類に応じて異なる。例えば、エポキシ基を有するシラン媒質を使用した場合は120乃至200℃で0.5時間乃至6時間程度で進まれるのが適切であり、ビニル基やアクリル基を有するシラン媒質を使用した場合は150乃至230℃で0.5時間乃至6時間熱処理し、且つ120乃至200℃で0.5時間乃至6時間熱処理の後に紫外線を約3分前後照射して硬化する。
図1を参照すれば、本発明による誘電体フィルムは最も優秀な柔軟性(flexibility)を示していることがわかり、また、製造されたフィルムの厚さはコーティングに使用したハイブリッド材料の粘度に応じて3乃至10μmの範囲で調節することができる。
なお、図4は3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを媒質として使用し、結晶性チタン酸バリウム粒子含量による無/有機チタン酸バリウムハイブリッド膜の常温における誘電特性を示したものであって、本発明によるチタン酸バリウムハイブリッド材料はチタン酸バリウムの含量を0乃至9.0重量%に変化させながら誘電特性を測定した結果、測定された誘電常数(εr)値が測定周波数(1乃至100z)の変化によって少しずつ異なっているが、4.9乃至65.3の範囲を有した。本発明によるチタン酸バリウムハイブリッドフィルムの誘電常数は含有されたチタン酸バリウムの含量によって増加する傾向があり、反面、作動周波数の増加に沿っては微弱に減少する傾向がある。添加されたチタン酸バリウムの含量によって誘電常数が増加することは誘電率の低い媒質に誘電率の高いチタン酸バリウムの含量が増加することによる算術平均和の効果と酸化物の粒子間の間隔がさらに狭くなり、ハイブリッド材料内で双極子の相互作用(dipole-dipole interaction)が増加するからであると判断される。
従来技術でBhattacrarya及びTummalaはPMN(lead magnesium niobate)-PT(lead titanate)/エポキシ(epoxy)複合体(S. Bhattacharya, R. R. Tummala, J. Microelectron. 32 (2001) 11)でεrは29であって、Lamなどの論文(K. H. Lam, H. L. W. Chan, H. S. Luo, Q. R. Yin, Z. W. Yin, C. L. Choy, Microelectron. Eng. 66 (2003) 79)では65PMN-35PT粉末を高い透過率を有する強誘電性共重合体(εr≒ 10)に分散させてεrが45乃至50であるハイブリッドを開示している。Kuo などの論文(D. H. Kuo, C. -C. Chang, T. -Y. Su, W. -K. Wang, B. -Y. Lin, Mater. Chem. Phys. 85 (2004) 201)では最大εrが44BaTiO3/エポキシ(epoxy) 複合体を開示している。本発明による無/有機チタン酸バリウムハイブリッド膜はチタン酸バリウムがハイブリッド膜内に9重量%(約2体積%)で前記先行研究に比べて非常に低い量を含有しているにも拘らず誘電常数(εr)値が65.3で著しく高く示した。
上述したように本発明による無/有機チタン酸バリウムハイブリッド誘電体フィルムの誘電常数が高いのは使用した無/有機ハイブリッド高分子物質の適合性及び前記高分子物質へのチタン酸バリウム粒子の均一な分散性によるものであると判断される。
以下、下記の実施例を通して本発明をさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明の例示に過ぎないものであって、本発明の特許請求範囲が下記に限られるものではない。
<製造例1>
(結晶性チタン酸バリウムナノ粒子の製造)
本発明に使用するチタニウムイソプロポキシド(Ti(OPri)4 or TTIP、97%Aldrich社製品)、水酸化バリウム・8水化物(98+%、Aldrich社製品)、エチレンジアミン(EDA、98+%、大政ケミカル、日本)は追加の精製過程無しでそのまま使用した。あらゆる他の化学物質及び溶媒はSigma-Aldrich社から販売する試薬等級で、追加の精製過程なく購買した状態で使用した。脱イオン水は乾燥した窒素(N2)をパージ(purge)してCO2を除去し使用した。
CO2を除去した脱イオン水50gにBa(OH)2・H2O(1.67g、Ba/Ti モル比=1.0)を入れて50℃、N2下において撹拌して水酸化バリウム水溶液を製造する。チタニウムイソプロポキシド2.5gとエチレンジアミン(EDA)を10gのイソプロピルアルコールに添加して50℃で30分間撹拌してTi-EDA混合液を製造した。この際、添加するエチレンジアミンの量は下記表1に示したようにEDA/Ti モル比基準で1乃至10の範囲で調節した。前記Ti-EDA混合液を前記水酸化バリウム水溶液に添加し70℃で2時間撹拌した。前記あらゆる反応はテフロン(登録商標)がコーティングされたポリプロピレン反応機で窒素雰囲気下において進めた。
生成された結晶性ナノ粒子を遠心分離(17000rpm、20分)して収得した後、収得された結晶性チタン酸バリウムナノ粒子をメタノールに超音波を用いて30分間分散させた後、これを遠心分離する方法を2回進めてチタン酸バリウムナノ粒子表面の水分を除去し、水分の代わりにメタノールで置換した結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を製造した。
<製造例2>
(無/有機チタン酸バリウムハイブリッド材料用媒質の製造)
無/有機チタン酸バリウムハイブリッド用媒質は改善されたゾル−ゲル法によって製造された。3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン((3-methacryloyloxy)propyl trimethoxy silane;MPTS)(98%、Aldrich)5.1gを5.1gのイソプロピルアルコール(IPA、Aldrich)に常温で撹拌しながら解けた後、0.1M HNO3溶液1.0gをMTPS-IPA溶液に滴加して、反応混合液を70℃で2時間撹拌した後、減圧して反応副産物のIPAを除去した。反応結果物にトルエンと蒸留水を投入すれば反応混合液はアルキルシロキサン反応物が溶解されたトルエン層と水素イオン、硝酸イオンなどが残っている水層で分離される。トルエン層のみを分離した後、50℃で減圧下においてトルエンを除去して粘性の明るく薄い黄色の精製された媒質を得た。前記媒質はトルエン、シクロヘキサン、メタノール、DMFなどの大部分の有機溶媒に溶解された。
<製造例3>
(無/有機チタン酸バリウムハイブリッド材料用媒質の製造)
無/有機チタン酸バリウムハイブリッド用媒質は改善されたゾル−ゲル法によって製造された。3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン[(3-glycidyloxypropyl)trimethoxy silane;GPS](98%、Aldrich)4.85gを4.85gのイソプロピルアルコール(IPA、Aldrich)に常温で撹拌しながら解けた後、0.1M HNO3溶液1.0gをMTPS-IPA溶液に滴加して、反応混合液を70℃で2時間撹拌した後、減圧して反応副産物のIPAを除去した。反応結果物にトルエンと蒸留水を投入すれば反応混合液はアルキルシロキサン反応物が溶解されたトルエン層と水素イオン、硝酸イオンなどが残っている水層で分離される。トルエン層のみを分離した後、50℃で減圧下においてトルエンを除去して粘性の明るく薄い黄色の精製された媒質を得た。前記媒質はトルエン、シクロヘキサン、メタノール、DMFなどの大部分の有機溶媒に溶解された。
<実施例1>
(無/有機チタン酸バリウムハイブリッド材料の製造)
製造例1から製造された結晶性チタン酸バリウムと製造例2から製造されたMTPSから導かれた無/有機ハイブリッド媒質を結合させて無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造した。
先ず、製造例1から製造された結晶性チタン酸バリウムを乾燥したメタノールに1時間超音波処理して分散させ、製造例2から製造した無/有機ハイブリッド媒質を前記分散液に溶解させた。この時、チタン酸バリウム含量は下記表1に示したように、チタン酸バリウムと無/有機ハイブリッド媒質を和した質量に対して0乃至9重量%に変化させた。無/有機ハイブリッド媒質とチタン酸バリウムが混合された混合液を常温で30分間超音波処理した後、4時間70乃至80℃で還流反応を行わせた。
スピンコーティングに適合した粘度を有させるために70℃でメタノールを蒸発させた後、ポリエチレンフィルムにスピンコーティング(2000rpm、20s)をして無/有機チタン酸バリウムハイブリッド膜を形成した。スピンコーティングの後、空気中において100℃で4時間乾燥してから次いで150℃で4時間硬化させ、製造されたチタン酸バリウムハイブリッド膜の厚さは約5乃至7μmであった。
無/有機チタン酸バリウム膜に対する特性分析はRigaku D/Max-2200V X-ray回折機(diffractometer)(CuKα=1.5418Å)と赤外線分光分析機(FT-IR spectrometer)としてはBio-Rad社のWin-IR、FTS-165を用いた。無/有機チタン酸バリウム(BaTiO3)ハイブリッド膜の静電容量(capacitance)の測定はインピーダンス分析器Agilent 4294Aを使用した。ハイブリッド膜の誘電常数は方程式、
<数1>
から計算した。ここで、「r」はハイブリッド膜の誘電常数であり、「d」はハイブリッド膜の厚さであり、「A」は電極の面積であり、「c」は測定された静電容量であり、「ε0」は真空における誘電常数(8.854×10-12F/m)である。ハイブリッドフィルムの厚さはKLA Tencor社のα-step 500設備を使用して測定した。
<表1>
図2は実施例1から製造されたハイブリッドフィルムに対するXRD(X-ray diffraction)パターンを示したものである。製造例1から製造されたチタン酸バリウムナノ粒子のXRDパターンと同一の位置で2θ値を有することがわかり、これからチタン酸バリウムナノ粒子がハイブリッドフィルムで製造されながら結晶性が変わらないことがわかった。
図3は実施例1から製造されたハイブリッドフィルムのFT-IR スペクトルを示したものであって、500乃至4000cm-1の特性値を示した。図3に示されたように測定されたFT-IRスペクトルを純粋なMTPSのスペクトル及びチタン酸バリウムスペクトルと比べてみて、ピークの位置がやや移動(shift)されることがわかるが、これは大部分水化されたMTPS及びチタン酸バリウムのピークである。例えば、563cm-1(Ti-O);1370、1447cm-1(Ti-OH);822、1170cm-1(Ti-O-Ti);1050、1208、1283、1500cm-1(C-N of C-NH2 and N-H of NH2)、1640、3440cm-1(OH of H2O);2850、2935cm-1(C-H)は二つのバルク及びハイブリッドから共通的に表れる。また、Si-O/Si-OH(980cm-1);Si-O-Si (1088、1170cm-1);SiC-H(1296cm-1);Si-C(1455cm-1)及びC=O(1727cm-1)などの新しいピークが観察されたが、これはMTPSに関連されたものと確認される。二つの新しいピークは925cm-1及び1375cm-1で観察されたが、これはTi-O-Siに関連されたピークである。Ti-O-Siネットワーク形成は多分チタン酸バリウム表面のOH基と部分水化されたMPTS[R-Si(OMe)3-x(OH)x]の縮合によるものと判断される。
<実施例2>
(無/有機チタン酸バリウムハイブリッド素材の製造)
製造例1から製造された結晶性チタン酸バリウムと製造例3から製造されたGPSから導かれた媒質を結合させて無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造した。
先ず、製造例1から製造された結晶性チタン酸バリウムを乾燥したメタノールに1時間超音波処理して分散させ、製造例3から製造したハイブリッド用媒質を前記分散液に溶解させた。この時、チタン酸バリウムをチタン酸バリウムと製造例3から製造した無/有機ハイブリッド媒質を和した質量に対して25重量%になるように陥入させた。無/有機ハイブリッド媒質とチタン酸バリウムが混合された混合液を常温で30分間超音波処理した後、4時間70乃至80℃で還流反応を行わせた。
スピンコーティングに適合した粘度を有させるために70℃でメタノールを蒸発させた後、ポリエチレンフィルムにスピンコーティング(2000rpm、20s)をして、無/有機チタン酸バリウムハイブリッド膜を形成した。スピンコーティングの後、空気中において120℃で1時間乾燥してから、次いで200℃で2時間硬化させ、製造されたチタン酸バリウムハイブリッド膜の厚さは約6.4μmであり、誘電常数は90.3を表した。
本発明はシラン化合物の加水分解反応及び架橋反応によって製造された媒質を用いて有機溶媒に対する分散性に優れる結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を高濃度で均一に分散させる方法で、無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造する方法、及びこれを用いた高誘電率の柔軟性誘電体フィルムを提供する。
本発明による無/有機チタン酸バリウムハイブリッド誘電体フィルムの誘電常数が高いものは、使用した無/有機ハイブリッド媒質の適合性及び特定な製造方法によって製造されたチタン酸バリウム粒子と媒質間の化学的結合による優秀な誘電特性発現に容易な形態の堅固な構造への転換によるものと判断される。従って、本発明よって製造された無/有機チタン酸バリウムハイブリッドフィルムは相対的に最も低いチタン酸バリウム含量にも高い誘電率を有するため、柔軟性及び誘電特性が全て優秀であるという長所がある。
プラスチック基板上に形成された無/有機チタン酸バリウムハイブリッドフィルムの写真である。 製造例1から製造されたチタン酸バリウム粉末と、前記チタン酸バリウムを4.5重量%含有した無/有機チタン酸バリウムハイブリッドフィルムに対するX-ray回折パターン(X-ray diffraction Pattern)である。 純粋MPTS(a)とMPTS加水分解物を媒質にしてチタン酸バリウム含量4.5重量%含有した無/有機チタン酸バリウムハイブリッドフィルム(b)に対する赤外線分光分析の結果である。 チタン酸バリウム含量による無/有機チタン酸バリウムハイブリッドフィルムの誘電常数の変化を示すグラフである。

Claims (15)

  1. 1)下記化学式1で表される1種以上のシラン化合物溶液に酸を添加し加熱して無/有機ハイブリッド用媒質を製造する段階;及び
    2)前記無/有機ハイブリッド用媒質に結晶性チタン酸バリウムナノ粒子を分散して無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを製造する段階;と
    を含む無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
    <化学式1>
    (R1)nSi(OR2)4-n
    (式中、nは1乃至3の整数であり;R1はビニル基または反応性基を有する炭素数1乃至10のアルキル基であり、前記反応性基は(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、前記アルキル基はN、OまたはSから選ばれる複素原子を含み;R2は炭素数1乃至5のアルキルまたはアルケニルである。)
  2. 前記シラン化合物は下記化学式2乃至化学式4から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
    <化学式2>
    <化学式3>
    <化学式4>
    (式中、前記化学式2乃至4において、R2は化学式1で定義したものと同様であり、R3は水素またはメチルであり、Aは独立に化学結合且つ炭素数1乃至10のアルキレンであり、前記アルキレンは炭素鎖に酸素原子を含む。)
  3. 前記シラン化合物は3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン((3-Methacryloyloxypropyl)trimethoxysilane: MPTS)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン((3-glycidyloxypropyl)trimethoxysilane: GPS)、またはビニルトリイソプロペノキシシラン(vinyltriisopropenoxysilane: VTIPS)から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  4. 前記結晶性チタン酸バリウムナノ粒子は無/有機ハイブリッド用媒質及び結晶性チタン酸バリウムナノ粒子の重量を和した重量に対して0.5乃至40重量%であることを特徴とする請求項1に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  5. 前記1)段階は加水分解触媒として使用された酸を溶媒抽出法で取り除き、溶媒を減圧蒸留して無/有機ハイブリッド用媒質を収得する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  6. 前記2)段階後、無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを基板上にコーティングした後、乾燥及び硬化してフィルムを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  7. 前記酸は硝酸であることを特徴とする請求項1に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  8. 結晶性チタン酸バリウムナノ粒子は、
    (a)チタニウムアルコキシドと下記化学式5のジアミン化合物を溶媒に溶解して混合液を製造する段階;
    (b)前記混合液を水酸化バリウム水溶液に添加した後、撹拌してチタン酸バリウムを形成する段階;及び
    (c)前記チタン酸バリウムを分離する段階を含む製造方法によって製造されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
    <化学式5>
    (式中、Rは炭素数2乃至8のアルキレン基から選ばれる。)
  9. 前記チタニウムアルコキシドに対するジアミン化合物のモル比が1乃至20であることを特徴とする請求項8に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  10. 前記チタニウムアルコキシドに対するジアミン化合物のモル比が3乃至10であることを特徴とする請求項9に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  11. 前記ジアミン化合物はエチレンジアミン(EDA)またはプロパンジアミンであることを特徴とする請求項8に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドの製造方法。
  12. 請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法によって製造された無/有機チタン酸バリウムハイブリッド。
  13. 請求項8に記載の製造方法によって製造された無/有機チタン酸バリウムハイブリッド。
  14. 請求項12に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを基板上にコーティングした後、乾燥及び硬化して製造される高誘電率の柔軟性誘電体フィルム。
  15. 請求項13に記載の無/有機チタン酸バリウムハイブリッドを基板上にコーティングした後、乾燥及び硬化して製造される高誘電率の柔軟性誘電体フィルム。
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