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JP2008068469A - 機能性樹脂基体およびその製造方法 - Google Patents

機能性樹脂基体およびその製造方法 Download PDF

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JP2008068469A
JP2008068469A JP2006247713A JP2006247713A JP2008068469A JP 2008068469 A JP2008068469 A JP 2008068469A JP 2006247713 A JP2006247713 A JP 2006247713A JP 2006247713 A JP2006247713 A JP 2006247713A JP 2008068469 A JP2008068469 A JP 2008068469A
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JP2006247713A
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English (en)
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Yukio Nomura
幸生 野村
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
Norihisa Mino
規央 美濃
Shuzo Tokumitsu
修三 徳満
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】耐久性の優れた撥水、撥油性樹脂基体を提供することを目的とするものである。
【解決手段】加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)層が、加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、シラン化合物SiX層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。さらに、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なSiX層が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に加水分解可能な樹脂基板表面に加水分解可能なシラン化合物層を設けた、機能性樹脂基体およびその製造方法に関する。
従来、樹脂表面に例えば撥水性を持たすために、数々の手段が行われている。例えば樹脂にシリコーン樹脂を混合する方法や、樹脂にUVやコロナ放電を照射した後にシリコーンやフルオロアルキルアルキルシランを塗布する方法や、樹脂にUVやコロナ放電を照射した後にシリカコートを設け、アルキルシランやフルオロアルキルシランを設ける方法などがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−128891号公報
しかしながら、樹脂にシリコーン樹脂を混合する方法では、樹脂の力学的強度が低下する課題があった。また、樹脂にUVやコロナ放電を照射した後にシリコーンやフルオロアルキルアルキルシランを塗布する方法では、樹脂表面近傍が酸化劣化するため、樹脂表面が柔らかくなり、膜の耐久性とくに耐摩耗性に課題があった。
これを解決するため、樹脂にUVやコロナ放電を照射した後にシリカコートを設け、アルキルシランやフルオロアルキルシランを設ける方法では、樹脂とシリカコートの熱膨張の差が大きいため、シリカコートが熱破壊(密着強度低下)する課題があった。
また、加水分解困難な樹脂では表面がきわめて安定なために、UVやコロナ放電を行ったとしても、表面を活性化できない場合や、仮に活性化できたとしても、時間をかけて樹脂の高分子鎖の熱運動により、活性化した表面が内部に潜り込んだり、表面が再びもとに戻るため、この表面と膜の間の密着強度、安定性に課題があった。
本発明はこの課題を解決するものであり、200nm以下のUV光の照射により加水分解可能な樹脂基板表面と化学結合し、加水分解可能なSiX(Xは加水分解可能な官能基)層を設けたものである。
本発明により、加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)層が、加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、シラン化合物SiX層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。また、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なSiX層が形成される。
第1の発明は、200nm以下のUV光の照射により加水分解可能な樹脂基板表面と化学結合した加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)層を設けた樹脂基体である。
この構成によると、加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基
)層が、加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、SiX層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。
また、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なSiX層を有する基体となり、耐久性にすぐれた親水性樹脂基体を提供できる。
第2の発明は、200nm以下のUV光の照射により加水分解可能な樹脂基板表面と化学結合した加水分解可能なシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層を設けた樹脂基体である。
この構成によると、加水分解可能なシラン化合物RSiY4−n層が加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、RSiY4−n層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。
また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。加えて、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なRSiY4−n層となる。その結果、耐久性の優れた撥水、撥油性樹脂基体を提供できる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、加水分解可能なシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層が加水分解可能なシラン化合物RSiYであることを特徴とする。
この構成にすると、アルキル基もしくはフルオロアルキル基が表面に露出しやすくなり、表面を撥水、撥油、非粘着性を向上できる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、加水分解可能なシラン化合物RSiY(Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層が単分子膜であることを特徴とする。
この構成にすると、アルキル基もしくはフルオロアルキル基の末端基CH基もしくはCFが表面に露出するため、表面を撥水、撥油、非粘着性をいっそう向上できる。また無色透明の超薄膜となり、樹脂の色感を維持できる。
第5の発明は、特に、第1〜4の発明において、加水分解可能な樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
この構成によって、樹脂表面の加水分解が容易になりので、化学結合したシラン化合物SiX層が形成可能である。
第6の発明は、特に、第1〜4の発明において、加水分解可能な樹脂の表面の鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする。
この構成によって、シラン化合物SiX層が結合する樹脂が硬い樹脂となるため、耐久性特に耐摩耗性が向上する。
第7の発明は、特に、第1〜4の発明において、加水分解可能な樹脂がアクリル、シリコーン、およびこれらの共重合体、もしくはポリイミド、ポリアミド、およびこれらの共重合体であることを特徴とする。
この構成によって、樹脂表面の加水分解が容易で、かつシラン化合物SiX層が化学結合する樹脂が硬い樹脂となるため、耐久性特に耐摩耗性が大幅に向上する。
第8の発明は、200nm以下のUV光の照射により樹脂基板表面を加水分解する工程と、加水分解した樹脂基板表面に少なくともシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、形成されたSiXを加水分解する工程を有する樹脂基体の製造方法である。
この製造方法によると加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)層が、加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、SiX層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。また、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なSiX層を有する基体となり、耐久性にすぐれた親水性樹脂基体を製造できる。
第9の発明は、樹脂基板表面を加水分解する工程と、加水分解した樹脂基板表面に少なくともシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)を接触する工程と、形成されたRSiY4−n層を加水分解する工程を有する樹脂基体の製造方法である。
この製造方法によると、加水分解可能なシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層が、加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、RSiY4−n層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。
さらに、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なRSiY4−n層となる。その結果、耐久性の優れた撥水、撥油性樹脂基体を製造できる。
第10の発明は、特に、第8もしくは9の発明において、加水分解可能な樹脂の加水分解を行う雰囲気が湿度10%以上かつ酸素濃度5%以上であることを特徴とする。
この方法によると、200nm以下のUV光の照射による樹脂表面の加水分解を加速できる。
第11の発明は、特に、第8もしくは9の発明において、加水分解可能な官能基XもしくはYがハロゲン基、アルコキシ基、イソシアネート基であることを特徴とする。
この方法によると、加水分解可能な樹脂と加水分解可能なシラン化合物SiX層および加水分解可能なシラン化合物SiX層と加水分解可能なシラン化合物RSiY4−nとの間で強固に共有結合するため、耐久性の優れた樹脂基体を製造できる。
第12の発明は、特に、第11の発明において、ハロゲン基がクロロ基であることを特
徴とする。
この方法によると、クロロシランの反応性が高いので、加水分解可能な樹脂とシラン化合物SiCl層がいっそう強固にかつすばやく共有結合できる。特に本発明の場合、高温で熱処理が困難な樹脂基板であることを考慮すると特に有効で、耐久性かつ量産性に優れた樹脂基体を製造できる。
第13の発明は、特に、第8〜12の発明において、シラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)もしくはシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)を接触させる工程が湿度35%以下の無水雰囲気であることを特徴とする。
この方法によると、これらのシラン化合物を空気中の水蒸気と反応させることなく、加水分解可能な樹脂とて強固に共有結合できるので、耐久性に優れた樹脂基体を製造できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル、表面硬度3H)基板1表面に、湿度50%、酸素20%の通常空気雰囲気下で172nmの波長を有するエキシマUV光2を照射することで雰囲気中の水蒸気により表面が加水分解され、水酸基が形成された樹脂基板3が製造される。
窒素雰囲気(無水)下でこの樹脂基板3にテトラクロロシラン4を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、樹脂表面の水酸基とクロロシリル基が脱塩酸反応をおこして、シロキサン結合を介して樹脂とテトラクロロシランが化学結合し、さらにこのテトラクロロシランを介して、樹脂同士が固定化する。
その結果、樹脂表面に強固に固定化したテトラクロロシランの加水分解層が形成され、耐久性に優れた親水樹脂基板5が製造される。
このテトラクロロシラン4に代わり、へプタデカフルオロデシルトリクロロシラン6を用いると、さらに耐久性に優れた撥水樹脂基体7が作製される。
なお本実施の形態に供されるシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)とシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)の加水分解可能な官能基X、Yとしてはクロロシリル基を始めとするハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネートシリル基が有効であるが、クロロシリル基は加水分解可能な樹脂層表面にある水酸基等との反応性の高く、特に本発明の場合、高温で熱処理が困難な樹脂基板であることを考慮すると特に有効である。
また、シロキサン結合を介することにより、従来の共有結合を介したもの(例えば、スルフィド結合−S−)よりも、より強固に基板に結合するので、耐熱性、耐水性、耐電気特性等が優れる。また、撥水性を付与するRとしては、アルキル基が良く、さらに撥油性を付与し、防汚性を高める場合には、フルオロアルキル基が優れている。
さらに、これらの官能基は固定化される化合物の割合(被覆率)を高めるためにも、直
鎖状のものや、n=1の構造のものがよい。
この結果、シラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)は単分子膜になり、CHやCF基が表面に露出し、さらに撥水、撥油、防汚性が高まる。
以上のことから、本実施の形態に供される化合物の具体例として、シラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)場合は、以下のものが例示できる。
(1)SiCl
(2)Si(OC
(3)Si(NCO)
なお、一般式、XSiO−(SiXO)−X(ただし、nは1以上の自然数、m、1は自然数、kは0もしくは1でXはハロゲン基、アルコキシ基、イソシアネート基)に対応する以下の化合物も適用可能である。
(4)SiCl−O−SiCl
(5)SiCl−O−SiCl−O−SiCl
(6)Si(OCH−O−Si(OCH
(7)Si(OC−O−Si(OCH
(8)Si(OC−O−Si(OC
(9)Si(NCO)−O−Si(NCO)
撥水、撥油、防汚を付与するシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)場合は、以下のものが例示できる。
(10)CH−(CHSiZCl3−p
(11)CH(CHO(CHSiZqCl3−q
(12)CH(CH−Si(CH(CH−SiZCl3−q
(13)CFCOO(CHSiZCl3−q
ただし、pは1〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1〜25の整数を示す。また、Zは、水素、アルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である。
さらに、具体的なシラン系化合物として下記に示す(14)−(22)が挙げられる。
(14)CH(CHTiCl
(15)CHCHO(CH15SiCl
(16)CH(CHSi(CH(CHSiCl
(17)CHCOO(CH15SiCl
(18)CF(CF−(CH−SiCl
(19)CF(CF−(CH−SiCl
(20)CF(CF−C−SiCl
(21)(CF−SiCl
(22)(CF−SiCl
また、上記クロロシラン系化合物の代わりに、全てのクロロシリル基をイソシアネート基に置き扱えたイソシアネート系化合物、例えば下記に示す(23)−(26)を用いてもよい。
(23)CH−(CHSiZ(NCO)3−p
(24)CH(CHO(CHSiZ(NCO)q−P
(25)CH(CH−Si(CH(CH−SiZ(NCO)3−q
(26)CFCOO(CHSiZ(NCO)3−q
但し、p、q、r、s、t、u、v、wおよびXは、前記と同様である。
前記のシラン系化合物に変えて、下記(27)−(35)に具体的に例示するシラン系化合物を用いてもよい。
(27)CH(CHSi(NCO)
(28)CHCHO(CH15Si(NCO)
(29)CH(CHSi(CH(CH2)Si(NCO)
(30)CHCOO(CH15Si(NCO)
(31)CF(CF−(CH−Si(NCO)
(32)CF(CF−(CH−Si(NCO)
(33)CF(CF−C−Si(NCO)
(34)(CF−Si(NCO)
(35)(CF−SiNCO
また、シラン系化合物として、一般に、SiZ(OA)4−k(Zは、前記と同様、Aはアルキル基、kは0、1、2または3)で表される物質を用いることが可能である。中でも、CF−(CF−(R)−SiY(OA)3−q(nは1以上の整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル基、アリール基、シリコンもしくは酸素原子を含む置換基、lは0または1、Z、Aおよびqは前記と同様)で表される物質を用いると、よりすぐれた防汚性の被膜を形成できるが、これに限定されるものではなく、これ以外にも、CH−(CH−SiZ(OA)3−qおよびCH−(CH−0−(CH−SiZ(OA)3−q、CH−(CH2)−Si(CH−(CH−SiZ(OA)3−q、CFCOO−(CH−SiZ(OA)3−q(但し、q、r、s、t、u、v、w、YおよびAは、前記と同様)などが使用可能である。
さらに、より具体的なシラン系化合物としては、下記に示す(36)−(61)を挙げることができる。
(36)CH(CHSi(NCO)
(37)CH(CHSi(NCO)
(38)CHCHO(CH15Si(OCH
(39)CFCHO(CH15Si(OCH
(40)CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH
(41)CH(CHSi(CH(CHSi(OCH3)
(42)CHCOO(CH15Si(OCH
(43)CF(CF(CHSi(OCH
(44)CF(CF−C−Si(OCH
(45)CHCHO(CH15Si(OC
(46)CH(CHSi(CH(CH15Si(OC
(47)CH(CHSi(CH(CHSi(OC
(48)CF(CHSi(CH(CHSi(OC
(49)CHCOO(CH15Si(OC
(50)CFCOO(CH15Si(OC
(51)CFCOO(CH15Si(OCH
(52)CF(CF(CHSi(OC
(53)CF(CF2)(CH2)Si(OC
(54)CF(CF2)(CH2)Si(OC
(55)CF(CFSi(OC
(56)CF(CF(CH)2Si(OCH
(57)CF(CF(CHSi(OCH
(58)CF(CF(CHSiCH(OC
(59)CF(CF(CHSiCH(OCH
(60)CF(CF(CHSi(CHOC
(61)CF(CF(CHSi(CHOCH
なお、(2)−(3)、(6)−(9)、(23)−(61)の化合物を用いた場合には、塩酸が発生しないため、装置保全および作業上のメリットもある。
また、図1のシラン化合物を浸漬する工程に示す最初の反応ステップ(脱塩化水素反応)は、一般に化学吸着反応と呼ばれている。
さらに、シラン化合物を接触させる雰囲気として、シラン化合物と雰囲気中の水蒸気との反応を抑えるためにも、雰囲気湿度が35%以下、さらに望ましくは不活性ガス雰囲気下、無水雰囲気下等が望ましい。
次に溶媒としては、水を含まない非水系溶媒を用いるのが好ましく、水を含まない炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコーン系、アルコール系溶媒などを用いることが可能である。
なお、石油系の溶剤の他に具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン、ジメチルミリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエステルシリコーンなどを挙げることができる。但し、これらの溶媒は樹脂を侵す可能性があるので、フッ化炭素系溶媒が最も好ましい。
フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)などがある。なお、これらは1種単独で用いてもよいし、よく混合するものなら2種以上を組み合わせてもよい。
加水分解可能な樹脂として、一般にポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂と類される樹脂およびこれらの変性樹脂が適用できるが、これらに限定されることはない。特にシロキサン結合を有する膜が結合する表面樹脂層が硬い樹脂ほど、耐久性特に耐摩耗性が大幅に向上するので、アクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチルなど)シリコーン樹脂、およびこれらの共重合体、もしくはポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、およびこれらの共重合体が好ましい。
また、樹脂としては、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂や上記熱硬化性樹脂およびこれらの変性樹脂などが適用できるがこれらに限定されることはない。
特に本実施の形態では従来の方法ではきわめて困難であったポリオレフィン系樹脂上へのシロキサン結合を有する膜を形成するのが可能である。
これらの形態だが、特に平面形状に限定されることはなく、処理可能であれば、樹脂成型品などの曲面形態でもかまわない。
樹脂表面の加水分解の手段としての200nm以下の真空紫外域では、強力なオゾンが発生すること、樹脂内部までUVが到達しないので樹脂を光劣化させることがない。特に172nmの波長を有するエキシマUV光は単色光のため、この特性が特に優れる。
(実施例1)
アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル、表面鉛筆硬度3H)基板表面に、湿度50%、酸素20%の通常空気雰囲気下で172nmの波長を有するエキシマUV光を100mJ/cm照射することで雰囲気中の水蒸気により表面が加水分解され、水酸基が形成された樹脂基板が製造される。窒素雰囲気(無水)下でこの樹脂基板にテトラクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、樹脂表面の水酸基とクロロシリル基が脱塩酸反応をおこして、シロキサン結合を介して樹脂とテトラクロロシランが化学結合し、さらに、このテトラクロロシランを介して、樹脂同士が固定化する。
その結果、樹脂表面に強固に固定化したテトラクロロシランの加水分解層が形成され、耐久性に優れた親水樹脂基板が製造される。
このテトラクロロシラン4に代わり、へプタデカフルオロデシルトリクロロシラン6を用いると、さらに耐久性に優れた撥水樹脂基体Aが作製される。
(比較例1)
実施の形態1の172nmの波長を有するエキシマUV光を100mJ/cmの代わりに、254nmに中心波長を有する高圧水銀灯によるUV光を100mJ/cm照射すること以外は、実施例1と同様に樹脂基体RAを作製した。
(比較例2)
実施例1の172nmの波長を有するエキシマUV光を100mJ/cmのを照射しなかったこと以外は、実施例1と同様に樹脂基体RBを作製した。
(撥水、撥油性とその耐久性能の比較)
樹脂基体A、RA、RBの水の接触角はそれぞれ、110°、103°、83°であった。RBの水の接触角が低いのは、樹脂表面に水酸基がほとんど形成されず、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランが固定化されなかったためである。
次に、AとRAについて10g/cm2の荷重をかけ、水をしみこませたふきんで1000往復こすると、樹脂基体A,RAの水の接触角は105°、52°であった。RAが水の接触角が低くなったのは、樹脂表面を観察すると表面がもろくなっていることが認められ、254nmのUV光の照射により樹脂表面が劣化したのが主因と考えられる。
この観点からも本実施の形態の200nm以下のUV光の照射した基体が優れていることがわかる。
(実施例2)
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランに代わり、デシルトリクロロシランを用いて、実施例1と同様に樹脂基体Bを作製した。
(撥水、撥油性の比較)
樹脂基体A,Bの接触角は110°108°でほとんど変わらないにもかかわらず、油性マジックで文字を書き、ワイパーでこすったところ、Aは消え、Bはまったく消えなかった。これはA表面は撥水撥油性が付与されたのに対し、Bは、撥水親油性が付与されたためである。
(実施例3)
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランに代わり、(へプタデカフルオロデシル)ジクロロシランを用いたことを除いて、実施例1と同様に樹脂基体Cを作製した。
(撥水、撥油性の比較)
樹脂基体A,Cの接触角は110°92°であった。油性インキで文字を書いたところ、Aははじいて書けないのに対し、Cははじかず書けた。一方ワイパーでこすったところ、Aは消えやすいのに対し、Cは消えにくかった。これは(へプタデカフルオロデシル)ジクロロシランが、かさ高な分子のため表面を被覆しないためと考えられ、実施例3の手段により撥水撥油性をコントロールできるとともに、より撥水撥油性を付与したい場合は、実施例1の手段が優れることがわかる。
(実施例4)
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬後に、基板をフロリナートで洗浄し、過剰なへプタデカフルオロデシルトリクロロシランを取り除いたこと以外は、実施例1と同様に樹脂基体Dを作製した。
(撥水、撥油性の比較)
樹脂基体A,Dの接触角は110°116°であった。油性マジックで文字を書いたところ、Aははじいて書けないのに対し、Dはまったくかけなかった。これはDのへプタデカフルオロデシルトリクロロシランが単分子膜になっており、表面にCF基が露出しているためと考えられる。
(実施例5)
実施例1の表面鉛筆硬度3Hアクリル樹脂に代わり、表面鉛筆硬度Hのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体Eを作製した。
(比較例3)
実施例1の表面鉛筆硬度3Hアクリル樹脂に代わり、表面鉛筆硬度Bのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体RCを作製した。
(撥水、撥油性と耐久性)
樹脂基体A、E、RCの水の接触角は110°、109°、110°であった。この後、10g/cm2の荷重をかけ、水をしみこませたふきんで1000往復こすると、樹脂基体A,E、RCの水の接触角は109°100°、52°であった。表面を観察したところ、RCには表面に削り傷がみられた。このことより、樹脂表面の硬度が硬いほど、表面が削られにくいので、その上の膜の耐久性が優れることがわかり、鉛筆硬度でH以上では実用的であるといえる。
(実施例6)
実施例1のアクリル樹脂に変わりPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体Fを作製した。
(比較例4)
実施例1のアクリル樹脂に変わりポリプロピレン樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体RDを作製した。
(撥水、撥油性と耐久性)
樹脂基体A、F、RDの水の接触角は110°、111°、90°であった。この状態で油性マジックを用いて文字を書き、ワイパーでこすったところ、A、Fは消えたものの、RDは消えなかった。
また、樹脂基体を50℃雰囲気下で100時間放置後、A、F,RDの水の接触角を測定したところ、105°、110°、75°であった。これはアクリル、PET樹脂に比べ、ポリプロピレン樹脂は、加水分解しないために水酸基の生成がほとんどなく、そのためテトラクロロシランによる架橋(化学結合)せず、表面安定化しない。
また、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランも化学結合しないためと考えられる。
また、AがFに比べて耐熱性が優れるのは、Fが熱硬化性樹脂であるためと考えら得る。
発明者は他の種々の樹脂について調べたところ、加水分解が困難なポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂やポリスチレン樹脂がポリプロピレンと同様、撥水撥油性維持の性能がよくないことがわかった。
一方、加水分解可能な樹脂でも、シリコーン、アクリルシリコン共重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレンではアクリル樹脂と極めて優れた撥水撥油維持の性能を示すことがわかった。また、熱硬化性樹脂を用いると耐熱性が優れることがわかった。これ以外の加水分解可能な樹脂、例えばPC(ポリカーボーネート)などは、アクリルとポリプロピレンの間の撥水撥油維持性能を示した。
(実施例8)
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランに代わり、へプタデカフルオロデシルトリエトキシシランを用いたことを除いて、実施例1と同様に樹脂基板Gを作製した。
(撥水、撥油性とその耐久性能の比較)
樹脂基体A、Gの水の接触角は110°、98°であった。この後、10g/cm2の荷重をかけ、水をしみこませたふきんで1000往復こすると、樹脂基体A,Gの水の接触角は109°、82°であった。このことより、クロロシランのほうが、アルコキシシランよりも強固に表面に化学結合を形成し、本発明の樹脂基板の耐久性を向上させえることがわかる。
(比較例5)
実施例1の樹脂基板を窒素雰囲気(無水)下でテトラクロロシランおよびヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬するかわりに、湿度20、35、40%で行い、実施例1と同様に樹脂基板RE(20)、RE(35)、RE(40)を作製した。
(撥水、撥油性の比較)
樹脂基体A、RE(20)、RE(35)、RE(40)の接触角は110°、107
°106°、91°であった。また、油性インキで文字を書き、ワイパーでこすったところ、A、RE(20)、RE(35)は消え、RE(40)はまったく消えなかったことから、A、RE(20)、RE(35)はヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されたのに対し、RE(40)はこの膜が形成されなかったことがわかる。これは、RE(40)は雰囲気の水蒸気とへプタデカフルオロデシルトリクロロシランが反応し、ヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されなかったためである。
(比較例6)
実施例1の樹脂基板を湿度50%の通常空気雰囲気下で172nmの波長を有するエキシマUV光を照射するかわりに、湿度5、10%雰囲気下で実施例1と同様に樹脂基板RF(5)、RF(10)を作製した。
(比較例6)
実施例1の樹脂基板を酸素20%の通常空気雰囲気下で172nmの波長を有するエキシマUV光を照射するかわりに、酸素0,5%雰囲気下で実施例1と同様に樹脂基板RG(0)、RG(10)を作製した。
(撥水、撥油性の比較)
樹脂基体A、RF(5)、RF(10)、RG(0)、RG(5)の接触角は110°、82°、107°、81°、108°であった。また、油性マジックで文字を書き、ワイパーでこすったところ、A、RF(10)、RG(5)は消え、RF(5)とRG(0)はまったく消えなかったことから、A、RE(20)、RE(35)はヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されたのに対し、RF(5)とRG(0)はこの膜が形成されなかったことがわかる。
これは、湿度が10%未満、酸素が5%未満の雰囲気下では172nmのUV照射により、樹脂表面に水酸基がほとんど形成されず、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランが固定化されなかったためである。
本発明により、加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)層が、加水分解した(活性化した)樹脂分子と強固に化学結合することで、シラン化合物SiX層を介して樹脂分子同士を固定化し樹脂表面を安定化させる。また、この層は分子レベルの超薄膜のため、熱膨張の差による破壊も起こらない。また、200nm以下のUV光により加水分解した樹脂基板は最表面のみ加水分解されており、基板樹脂の劣化はほとんどない。このため表面が極めて安定化した加水分解可能なSiX層が形成される。また、シラン化合物がRSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)の場合、表面が極めて安定化した加水分解可能なRSiY4−n層が形成され、これらにより、耐久性の優れた親水、撥水、撥油性樹脂基体を提供できるものである。
機能性樹脂基体とその製造方法工程図
符号の説明
1 アクリル樹脂
2 172nmエキシマUV光
4 テトラクロロシラン
5 親水性樹脂基体
6 ヘプタデカフロオロデシルトリクロロシラン
7 撥水、撥油樹脂基体

Claims (13)

  1. 200nm以下のUV光の照射により加水分解可能な樹脂基板表面と化学結合した加水分解可能なシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)層を設けた樹脂基体。
  2. 200nm以下のUV光の照射により加水分解可能な樹脂基板表面と化学結合した加水分解可能なシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層を設けた樹脂基体。
  3. 加水分解可能なシラン化合物RSiY4−n層が加水分解可能なシラン化合物RSiYであることを特徴とする請求項2記載の樹脂基体。
  4. 加水分解可能なシラン化合物RSiY層が単分子膜であることを特徴とする請求項3記載の樹脂基体。
  5. 加水分解可能な樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の樹脂基体。
  6. 加水分解可能な樹脂の表面の鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の樹脂基体。
  7. 加水分解可能な樹脂がアクリル、シリコーン、およびこれらの共重合体、もしくはポリイミド、ポリアミド、およびこれらの共重合体であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の樹脂基体。
  8. 200nm以下のUV光の照射により樹脂基板表面を加水分解する工程と、加水分解した樹脂基板表面に少なくともシラン化合物SiX(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、形成されたSiX層を加水分解する工程とを有する樹脂基体の製造方法。
  9. 200nm以下のUV光の照射により樹脂基板表面を加水分解する工程と、加水分解した樹脂基板表面に少なくともシラン化合物RSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層を接触する工程と、形成されたRSiY4−n層を加水分解する工程とを有する樹脂基体の製造方法。
  10. 加水分解可能な樹脂基板表面の加水分解を行う雰囲気が湿度10%以上かつ酸素濃度5%以上であることを特徴とする請求項8もしくは9記載の樹脂基体の製造方法。
  11. 加水分解可能な官能基XもしくはYがハロゲン基、アルコキシ基、イソシアネート基であることを特徴とする請求項8または9に記載の樹脂基体の製造方法。
  12. ハロゲン基がクロロ基であることを特徴とする請求項11記載の樹脂基体の製造方法。
  13. 少なくともSiX(Xは加水分解可能な官能基)もしくは少なくともRSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)層を接触させる工程が湿度35%以下の無水雰囲気であることを特徴とする請求項8〜12いずれか1項記載の樹脂基体の製造方法。
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