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JP2008059998A - 燃料電池の運転方法及び燃料電池システム - Google Patents

燃料電池の運転方法及び燃料電池システム Download PDF

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JP2008059998A JP2006238020A JP2006238020A JP2008059998A JP 2008059998 A JP2008059998 A JP 2008059998A JP 2006238020 A JP2006238020 A JP 2006238020A JP 2006238020 A JP2006238020 A JP 2006238020A JP 2008059998 A JP2008059998 A JP 2008059998A
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徹 鳥居
Keiichi Nakada
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Abstract

【課題】電解質膜の含水状態を管理することが可能な、燃料電池の運転方法及び該運転方法を適用可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】一対の触媒層及び該一対の触媒層の間に備えられる電解質膜を有するMEAと、該MEAの一方の側及び他方の側にそれぞれ備えられる、絶縁層に覆われた複数の電極素子とガス流路とを備えるセパレータと、を具備する燃料電池の運転方法であって、電解質膜の含水状態を判定する判定工程と、該判定工程の判定結果に基いて、ガス流路内に存在する水滴を搬送すべきか否かを判断する搬送判断工程と、該搬送判断工程において、水滴を搬送すると判断された場合に、水滴の搬送方向を決定する搬送方向決定工程と、を備え、該搬送方向決定工程の結果に基いて、複数の電極素子へ電圧を印加することにより、水滴が搬送される、燃料電池の運転方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の運転方法及び該運転方法を適用可能な燃料電池システムに関し、特に、電解質膜の含水状態を管理することが可能な、燃料電池の運転方法及び該運転方法を適用可能な燃料電池システムに関する。
燃料電池は、電解質層(以下、「電解質膜」という。)と、電解質膜の両面側にそれぞれ配設される電極層(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」という。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側にそれぞれ配設される集電体(以下、「セパレータ」という。)を介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述することがある。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCの単セルは、含水状態でプロトン伝導性能を発現する電解質膜と、少なくとも触媒層を備えるカソード及びアノードと、を具備し、その理論起電力は1.23Vである。PEFCでは、アノードに水素含有ガスが、カソードに酸素含有ガスが、それぞれ供給される。アノードへと供給された水素は、アノードの触媒層(以下、「アノード触媒層」という。)に含まれる触媒上でプロトンと電子へ分離し、水素から生じたプロトンは、アノード触媒層及び電解質膜を通ってカソードの触媒層(以下、「カソード触媒層」という。)へと達する。一方、電子は、外部回路を通ってカソード触媒層へと達する。そして、カソード触媒層へと達したプロトン及び電子と、カソード触媒層へと供給される酸素とが反応することにより、水が生成される。なお、単セルの上記起電力のみでは電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、単セルを電気的に直列に接続して構成されるスタック形態の燃料電池(以下、「スタック」ということがある。)が用いられる。
PEFCに備えられる電解質膜は、所定の温度(例えば、80℃前後等)で良好なプロトン伝導性を発現する。そのため、PEFCは、セパレータに備えられる流体流路に熱媒体を流通させ、電解質膜の温度を維持している。ここで、PEFCの定常運転時にカソード触媒層で生成された水は、冷却媒体によって冷やされているセパレータに触れると、結露して液滴の水(以下、「水滴」という。)になる。この水滴は、セパレータに備えられるガス流路を流れるガスとともにセル外へと排出され得るが、水滴の量が多くなると、ガス流路に水滴が溜まり、いわゆるフラッディング状態となる。水滴が溜まると、ガスの拡散が阻害され、上記電気化学反応が生じ難くなる結果、PEFCの発電性能が低下する。そのため、PEFCの性能低下を抑制するには、フラッディング状態の発生を防止することが有効である。
一方、上述のように、PEFCの電解質膜は含水状態でプロトン伝導性能を発現するため、単セルには、加湿された水素含有ガス及び酸素含有ガス(いか、これらをまとめて「反応ガス」ということがある。)が供給される。ここで、多くの場合、単セル内のガス流路入口側の反応ガスは、同出口側の反応ガスよりも乾燥しており、単セルのガス流路入口側の電解質膜は乾燥しやすい。電解質膜が乾燥すると、プロトン伝導性能が低下するため、燃料電池の発電性能が低下する。それゆえ、PEFCの性能を向上させるには、上記フラッディング状態の発生防止に加えて、電解質膜の乾燥を抑制すること、換言すれば、電解質膜の含水状態を管理することが重要である。
電解質膜の含水状態を管理すること等を目的とした技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、電解質膜のカソード側に設けられた酸化ガス通路を通過する酸化ガス中の酸素と前記電解質膜のアノード側に設けられた燃料ガス通路を通過する燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料ガス通路及び前記酸化ガス通路の少なくとも一方のガス通路に設けられ該ガス通路内の水滴を静電搬送して該ガス通路外へ排出する静電搬送手段と、を備えた燃料電池システムが開示されている。かかる技術によれば、振動子等の可動部材をガス通路内に配置することなく、簡素な構造でガス通路(上記「ガス流路」に相当。以下において同じ。)内の水分を除去することができる、としている。なお、特許文献1には、運転状態検知手段によって検知された燃料電池の運転状態が予め水滴が発生しやすい状態として定められた所定の運転状態であると判定されたときに、電圧印加手段に複数の電極への電圧印加を行わせることが開示されている。また、特許文献2には、静電力を用いて流体を移動させるための装置が開示されている。
特開2004−342562号公報 特開2004−935号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術により複数の電極へ電圧を印加する場合、電圧を印加する際の判断基準として様々な形態が考えられ、特許文献1に開示された形態による燃料電池の運転方法では、電解質膜の含水状態の管理が不十分となる虞がある、という問題があった。さらに、例えば、ガス通路と水滴との接触抵抗等により水滴が移動し難い状態にある場合には、特許文献1に開示された技術により電圧を印加しても、水滴を移動させ難い、という問題もあった。また、特許文献2に開示された技術を単に燃料電池の分野へ適用するのみでは、電解質膜の含水状態を管理し難いという問題があった。
そこで本発明は、電解質膜の含水状態を管理することが可能な燃料電池の運転方法、及び、該運転方法を適用可能な燃料電池システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、一対の触媒層及び該一対の触媒層の間に備えられる電解質膜を有するMEAと、該MEAの一方の側及び他方の側にそれぞれ備えられる、絶縁層に覆われた複数の電極素子とガス流路とを備えるセパレータと、を具備する燃料電池の運転方法であって、電解質膜の含水状態を判定する判定工程と、該判定工程の判定結果に基いて、ガス流路内に存在する水滴を搬送すべきか否かを判断する搬送判断工程と、該搬送判断工程において、水滴を搬送すると判断された場合に、水滴の搬送方向を決定する搬送方向決定工程と、を備え、該搬送方向決定工程の結果に基いて、複数の電極素子へ電圧を印加することにより、水滴が搬送されることを特徴とする、燃料電池の運転方法である。
ここに、「一対の触媒層」とは、アノード触媒層及びカソード触媒層を意味する。さらに、「絶縁層」とは、良好な耐食性を有する絶縁性の樹脂(例えば、フッ素樹脂、炭化水素系樹脂等)等を意味し、「電極素子」としては、金、銀、銅等からなる金属線形態の素子等を例示できる。加えて、「ガス流路」とは、セパレータに形成されたガス流路のほか、ガス流路として利用可能な構造がセパレータに予め備えられている場合には、当該構造をも含む概念である。さらにまた、電解質膜の含水状態を判定する際の判定基準の具体例としては、単セル(又はスタック)の温度、単セル(又はスタック)の抵抗値、単セル(又はスタック)の負荷のほか、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
「触媒層」は、PEFCで使用される触媒層であれば、特に限定されず、触媒層に備えられる触媒としては、白金や白金合金等を例示でき、当該触媒が担体に担持される場合には、担体として、炭素(例えば、カーボンブラック等)を例示できる。さらに、触媒層及び電解質膜に備えられるプロトン伝導性を有するアイオノマーとしては、フッ素系のアイオノマー(例えば、Nafion等。「Nafion」は米国デュポン社の登録商標。以下、単に「Nafion」という。)や炭化水素系のアイオノマー(例えば、セレミオン等。「セレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標。)等を例示できる。加えて、セパレータとしては、ステンレス鋼等で構成される金属製セパレータや、炭化水素系セパレータ等を例示でき、触媒層とセパレータとの間に拡散層が備えられる場合、拡散層としては、カーボンペーパーからなる拡散層等を例示できる。
請求項2に記載の発明は、一対の触媒層及び該一対の触媒層の間に備えられる電解質膜を有するMEAと、該MEAの一方の側及び他方の側にそれぞれ備えられる、絶縁層に覆われた複数の電極素子とガス流路とを備えるセパレータと、を具備する燃料電池と、電解質膜の含水状態を判定可能な判定手段と、該判定手段の判定結果に基いて、ガス流路内に存在する水滴を搬送すべきか否かを判断可能な搬送判断手段と、搬送判断手段によって水滴を搬送すると判断された場合に、水滴の搬送方向を決定可能な搬送方向決定手段と、水滴が、搬送方向決定手段によって決定された搬送方向へと搬送されるように、複数の電極素子へ電圧を印加可能な電圧印加手段と、を有することを特徴とする、燃料電池システムである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、水滴と接触するガス流路の流路面が、疎水性とされていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、電解質膜の含水状態の判定結果に基いて、水滴搬送の是非及びその搬送方向が決められる。そのため、電解質膜の含水状態を管理することが可能な燃料電池の運転方法を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、電解質膜の含水状態の判定結果に基いて、水滴搬送の是非及びその搬送方向が決められる。そのため、電解質膜の含水状態を管理することが可能な燃料電池システムを提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、水滴と接触するガス流路の流路面が疎水性とされているので、当該流路面と水滴との間の抵抗を低減できる。そのため、水滴の静電搬送の容易化を図ることが可能になる結果、電解質膜の含水状態を容易に管理することが可能な燃料電池システムを提供できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の燃料電池の運転方法、及び、該運転方法を適用可能な燃料電池システムについて、具体的に説明する。
1.燃料電池の運転方法
図1は、本発明の燃料電池の運転方法(以下、「本発明の運転方法」という。)の形態例を概略的に示すフローチャートである。図1に示す形態にかかる本発明の運転方法では、まず、スタック温度が所定の閾値(例えば、50℃)未満であるか否かが判断される(ステップS1)。ステップS1において肯定判断された場合には、ガス流路に水滴が溜まりやすい状態であると判断できるので、引き続き、スタックの負荷が所定の閾値(例えば、カソードへと供給される酸素含有ガスの圧力が1kPa)未満であるか否かが判断される(ステップS2)。ステップS2で肯定判断された場合には、例えば、PEFCの始動直後のように、ガス流路内の水滴を反応ガスによって移動させ難い状態であると考えられるため、後述する判定手段によって、電解質膜が水浸しになりやすい状態と判定される。それゆえ、ステップS2で肯定判断された場合には、後述する搬送判断手段により、ガス流路内の水滴をガス流路の出口側へ搬送すべき状態と判断され(ステップS3)、水滴をガス流路出口側へ搬送すべく、後述する電圧印加手段へ電圧印加開始信号が出力される(ステップS4)。そして、電圧印加手段へ電圧印加開始信号が出力されると、処理はステップS2へと戻される。その後、ステップS2で否定判断されると、スタックの負荷が上記所定の閾値以上ということであり、ガス流路内の水滴をガスによって移動させることが可能になる。そのため、判定手段によって、電解質膜が水浸しになりやすい状態ではないと判定され、搬送判断手段により、水滴を静電搬送すべき状態ではないと判断される。それゆえ、ステップS2で否定判断されると、電圧印加手段の動作を停止すべく、出力信号が出力され、電圧印加手段の動作が停止される(ステップS5)。その後、PEFCの運転が継続されるか否かが判断され(ステップS6)、ステップS6において肯定判断された場合には、処理がステップS1へと戻され、ステップS6において否定判断された場合には、電圧印加手段の動作に関する処理が終了する。
一方、上記ステップS1において否定判断された場合には、スタック温度が上昇しており、電解質膜が乾燥しやすい状態であると判断できるので、引き続き、スタックの抵抗値が所定の閾値を超えるか否かが判断される(ステップS7)。ステップS7で肯定判断された場合には、電解質膜が乾燥してスタックの抵抗が増加したと考えられるので、判定手段によって、電解質膜が乾燥しやすい状態にあると判定される。それゆえ、ステップS7で肯定判断された場合には、搬送判断手段により、ガス流路内の水滴を乾燥しやすいガス流路の入口側へ搬送すべき状態と判断され(ステップS8)、水滴をガス流路入口側へ搬送すべく、電圧印加手段へ電圧印加開始信号が出力される(ステップS9)。そして、電圧印加手段へ電圧印加開始信号が出力されると、処理はステップS7へと戻される。その後、ステップS7で否定判断されると、ガス流路入口側へと移動した水滴等によって電解質膜の乾燥状態が緩和された結果、スタックの抵抗が低減したと考えることができるので、判定手段によって、電解質膜が乾燥しやすい状態ではないと判定され、搬送判断手段により、水滴を静電搬送すべき状態ではないと判断される。それゆえ、ステップS7で否定判断されると、電圧印加手段の動作を停止すべく、出力信号が出力され、電圧印加手段の動作が停止される(ステップS5)。その後、PEFCの運転が継続されるか否かが判断され(ステップS6)、ステップS6において肯定判断された場合には、処理がステップS1へと戻され、ステップS6において否定判断された場合には、電圧印加手段の動作に関する処理が終了する。
2.燃料電池システム
図2は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムの形態例を示す概略図である。図2に示すように、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システム100は、単セル30、30、…を備える燃料電池スタック(以下、「FCスタック」という。)20と、単セル30、30、…の温度を測定可能な温度測定手段21と、FCスタック20の負荷を測定可能な負荷測定手段22と、FCスタック20の抵抗値を測定可能な抵抗測定手段23と、単セル30、30、…に備えられる静電搬送手段(静電搬送手段については後述する。)へ電圧を印加可能な電圧印加手段24と、電圧印加手段24の動作を制御可能な制御手段50と、を備えている。制御手段50には、単セル30、30、…に備えられる電解質膜の含水状態を判定可能な判定手段、単セル30、30、…内の水滴を搬送すべきか否かを判断可能な搬送判断手段、及び、水滴の搬送方向を決定可能な搬送方向決定手段としての機能を兼ね備え、かつ、電圧印加手段24の動作制御を実行するCPU51と、そのCPU51に対する記憶装置とが備えられている。CPU51は、マイクロプロセッサユニットおよびその動作に必要な各種周辺回路を組み合わせて構成され、CPU51に対する記憶装置は、例えば、電解質膜の含水状態を判定する際に必要なプログラムや各種データ等を記憶するROM52と、CPU51の作業領域として機能するRAM53等を組み合わせて構成される。当該構成に加えて、さらに、CPU51が、ROM52に記憶されたソフトウエアと組み合わされることにより、本発明の燃料電池システム100における制御手段50が機能する。
温度測定手段21、負荷測定手段22、及び、抵抗測定手段23からの出力信号は、入力ポート54を介して、入力信号としてCPU51へと到達する。CPU51は、上記入力信号、及びROM52に記憶されたプログラムに基いて、出力ポート55を介して、電圧印加手段24に対する動作指令を制御する。電圧印加手段24は、CPU51から与えられた動作指令に応じて、単セル30、30、…に備えられる静電搬送手段の電極素子へ電圧を印加する。
本実施形態において、温度測定手段21としては、単セル30、30、…の温度を測定可能な温度センサが例示される。さらに、負荷測定手段22としては、単セル30、30、…へと供給される酸素含有ガスの圧力を測定可能な圧力センサが例示される。加えて、抵抗測定手段23としては、FCスタック20の抵抗値を測定可能な抵抗センサが例示される。
図3は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられる単セルの一部を拡大して示す断面図であり、図3の直線矢印は、重力方向を示している。図3において、図2に示す部材と同様の構成を採るものには、図2で使用した符号と同符号を付す。
図3に示すように、単セル30は、電解質膜1と、該電解質膜1の一方の側に備えられるアノード2及び他方の側に備えられるカソード3と、アノード2側に備えられるセパレータ5及びカソード3側に備えられるセパレータ6と、を備えている。アノード2は、アノード触媒層2a及びアノード拡散層2bを備えるとともに、カソード3は、カソード触媒層3a及びカソード拡散層3bを備え、MEA4は、一対の触媒層(アノード触媒層2a及びカソード触媒層3a)と、該一対の触媒層の間に備えられる電解質膜1を有している。セパレータ5及びセパレータ6には、それぞれ、ガス流路7、7、…及びガス流路8、8、…が備えられ、セパレータ6の重力方向最下部に位置するガス流路8xには、静電搬送手段(以下、「第1実施形態にかかる静電搬送手段」ということがある。)9が備えられている。静電搬送手段9には、複数の電極素子9bが備えられ、該電極素子9bは、水滴と接触する全表面に撥水処理が施された絶縁層9aによって覆われている。
図4は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられるセパレータを概略的に示す正面図であり、図4の直線矢印は重力方向を、点線矢印は反応ガスの代表的な流れ方向を、それぞれ示している。図5は、ガス流路内の水滴と静電搬送手段とを拡大して示す断面図であり、隣り合う電極素子の間隔(以下、「電極ピッチ」という。)及び電極素子の幅(以下、「電極幅」という。)の概念をあわせて示している。なお、図5では、理解を容易にするため、静電搬送手段の一部を省略し、水滴の重力方向下方に位置する静電搬送手段の一部と水滴を拡大して示している。図4及び図5において、図3に示す部材と同様の構成を採るものには、図3で使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図2〜図5を参照しつつ、本発明の燃料電池システムについて説明する。
図4に示すように、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられるセパレータ(以下、「第1実施形態にかかるセパレータ」ということがある。)6は、カソード拡散層3bと接触すべき凸部41、41、…と、カソード3へと供給される酸素含有ガス(以下、「空気」という。)が流通すべき格子状形態の凹部(ガス流路)8、8、…と、ガス供給口42及びガス排出口43と、を備え、重力方向最下部に位置するガス流路8xに、静電搬送手段9が備えられている。図5に示すように、静電搬送手段9には、例えば6相の平行電極列(a〜f)を形成する複数の電極素子9b、9b、…が備えられ、絶縁層9aによって覆われた複数の電極素子9b、9b、…は、電圧印加手段24と接続されている。
燃料電池システム100の作動時には、ガス流路7、7、…を介して供給された水素含有ガス(以下、「水素」という。)がアノード触媒層2aへと達し、アノード触媒層2aに含まれる触媒上で水素がプロトン及び電子へと分離する。このようにして生じたプロトンは、アノード触媒層2a、電解質膜1、及び、カソード触媒層3aに含まれるプロトン伝導性物質(例えば、Nafion等。)を経てカソード触媒層3aに含まれる触媒上へと達する。これに対し、アノード触媒層2aで生じた電子は、外部回路を経て、カソード触媒層3aに含まれる触媒上へと達する。一方、ガス流路8、8、…を介して空気がカソード3へと供給され、カソード触媒層3aに含まれる触媒へ酸素が供給される。そして、カソード触媒層3aの触媒上へ、プロトン、電子、及び酸素が供給されると、これらが反応して水が生成される。
燃料電池システム100のFCスタック20に備えられる単セル30、30、…は、単セル30、30、…の積層方向(図2の紙面上下方向)が略水平となるように配置されている。そのため、例えば、単セル30、30、…内部の温度が低温(例えば、50℃以下等)であって、格子状形態のガス流路8、8、…へと供給される空気の圧力が比較的低い場合(以下、「湿潤状態」という。)には、上記反応により生じた水が、重力方向下方へと移動し、重力方向最下部のガス流路8xに備えられる静電搬送手段9へと達する。ここで、湿潤状態時には、飽和蒸気圧が低いため、水は液滴になりやすく、ガス流路8、8、…へと供給される空気の圧力が低いため、液滴の水が当該空気によって搬送され難い。それゆえ、特に、ガス排出口43近傍に液滴の水が溜まりやすく、いわゆるフラッディング状態となりやすい。ところが、本発明の燃料電池システム100では、湿潤状態時に、CPU51によって、ガス流路8xに存在する水滴をガス流路出口側(ガス排出口43側)へ搬送すべきと判断され、CPU51からの動作指令を受けた電圧印加手段24から、複数の電極素子9b、9b、…へ電圧が印加される。このようにして、複数の電極素子9b、9b、…へ電圧が印加されると、ガス流路8xに存在する水滴をガス排出口43へ向けて静電搬送することが可能になるため、フラッディングの発生を抑制できる。
これに対し、格子状形態のガス流路8、8、…へと供給される空気の圧力が比較的大きく、単セル30、30、…内部の温度が高温(例えば、80℃以上等)である場合(以下、「乾燥状態」という。)には、単セル30内の飽和蒸気圧が高い。乾燥状態時に発生した水は、上述のように、冷却媒体によって冷却されたセパレータ6に触れることにより結露して液滴の水となり、重力方向最下部のガス流路8xへと達する。一方で、乾燥状態時には、液滴の水が蒸発して蒸気になりやすく、蒸気状態の水は、ガス流路8、8、…内を流れる空気によってガス排出口43から排出される。それゆえ、ガス排出口43近傍の電解質膜1は、含水状態に保たれやすい。ここで、一般に、ガス供給口42から供給される空気は、ガス排出口43から排出される空気よりも乾燥しているため、ガス供給口42近傍の電解質膜1は乾燥しやすく、当該部位のプロトン伝導性能が低下しやすい。ところが、本発明の燃料電池システム100では、乾燥状態時に、CPU51によって、ガス流路8xに存在する水滴をガス流路入口側(ガス供給口42側)へ搬送すべきと判断され、CPU51からの動作指令を受けた電圧印加手段24から、複数の電極素子9b、9b、…へ電圧が印加される。このようにして、複数の電極素子9b、9b、…へ電圧が印加されると、ガス流路8xに存在する水滴をガス供給口42側(図4の紙面左側)へ静電搬送することが可能になるため、当該水滴によって、ガス供給口42近傍の電解質膜1の乾燥を抑制できる。
電圧印加手段による電圧印加の形態例を、表1に示す。以下、図5の紙面左側がガス供給口側、紙面右側がガス排出口側であると仮定し、静電搬送手段9により、ガス流路8xに存在する水滴をガス排出口43側へ搬送する場合の、電圧印加形態を、図2〜図5及び表1を参照しつつ説明する。
Figure 2008059998
電圧印加手段24は、表1に示す電圧印加形態に従って、例えば、6相の平行電極列(a〜f)を形成する複数の電極素子9b、9b、…へ、(a、b、c、d、e、f)=(+、+、0、−、−、0)という電圧を印加する(表1のNo.1参照)。その後、(a、b、c、d、e、f)=(0、+、+、0、−、−)という電圧を印加し(表1のNo.2参照)、引き続き、(a、b、c、d、e、f)=(−、0、+、+、0、−)という電圧を印加し(表1のNo.3参照)、さらに、(a、b、c、d、e、f)=(−、−、0、+、+、0)という電圧を印加する(表1のNo.4参照)。そして、(a、b、c、d、e、f)=(0、−、−、0、+、+)という電圧を印加し(表1のNo.5参照)、続いて、(a、b、c、d、e、f)=(+、0、−、−、0、+)という電圧を印加する(表1のNo.6参照)。本実施形態では、表1のNo.1〜No.6を1サイクルとし、6相の平行電極列(a〜f)へ6相矩形形波の電圧を印加することで、上記サイクルを繰り返す。かかる形態で電圧を印加すると、ガス供給口42側からガス排出口43側へ、電圧の正負の切り替わりが進行する。このようにして電圧の正負の切り替わりが進行すると、絶縁層9a上の水滴は、静電誘導により帯電する。そして、上記電圧の正負の変遷に応じて、水滴近傍の電極素子9b、9b、…と反発又は引き寄せられながら、水滴がガス排出口43側へと搬送(静電搬送)される。
なお、表1では、ガス流路8xに存在する水滴をガス排出口43側へ搬送する場合の電圧印加形態を例示したが、本発明は、当該形態に限定されず、ガス流路8xに存在する水滴をガス供給口42側へ搬送することも可能である。水滴をガス供給口42側へ搬送する場合には、例えば、上記形態の逆の順番(No.6→No.5→No.4→No.3→No.2→No.1)で電圧を印加すればよい。
図6は、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられる静電搬送手段(以下、「第2実施形態にかかる静電搬送手段」ということがある。)の一部を拡大して示す断面図である。図6において、図5に示す部材と同様の構成を採るものには、図5にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。図6に示す静電搬送手段69の表面(水滴と接触し得る全表面)には、撥水処理が施されている。図7は、接触角を示す概念図であり、図7(a)は、平坦な面と水滴との間の接触角θを、図7(b)は、凹凸面と水滴との間の接触角θ’を、それぞれ示している。以下、図7(b)においてθ’で表される角度を、「見かけの接触角」と表記する。
図6に示す静電搬送手段69は、水滴と接触すべき面(以下、「搬送面」という。)が接触角90°以上の疏水表面とされた絶縁層69aによって、複数の電極素子9b、9b、…が覆われている。かかる形態の静電搬送手段69によれば、搬送面と水滴との間の接触角を大きくすることができ、静電搬送手段69と水滴との接触面積が低減するため、搬送面と水滴との間の接触抵抗を低減できる。したがって、本発明の燃料電池システムに備えられるセパレータに、静電搬送手段69が備えられていれば、容易に水滴を移動させることができるので、電解質膜の含水状態を管理することが容易になる。さらに、水滴を静電搬送する際に消費されるエネルギーを低減することも可能になる。
図8は、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられるセパレータ(以下、「第2実施形態にかかるセパレータ」という。)を概略的に示す正面図であり、図8の直線矢印は重力方向を、点線矢印は空気の代表的な流れ方向を、それぞれ示している。図8において、図4又は図6に示す部位・部材と同様の構成を採るものには、図4又は図6にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。図9は、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられる単セル(以下、「第2実施形態にかかる単セル」という。)の一部を拡大して示す断面図であり、図9の直線矢印は、重力方向を示している。図9において、図3又は図8に示す部材と同様の構成を採るものには、図3又は図8で使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。以下、図8及び図9を参照しつつ、本発明の燃料電池システムについて説明する。
図8に示すように、第2実施形態にかかるセパレータ86は、カソード拡散層3bと接触すべき凸部81、81、…と、カソード3へと供給される空気が流通すべき直線状のガス流路88、88、…と、ガス供給口42及びガス排出口43と、を備え、各凸部81、81、…の重力方向上面側に、静電搬送手段69、69、…が備えられている。一方、図9に示すように、第2実施形態にかかる単セル90には、アノード2側に、直線状のガス流路97、97、…を備えるセパレータ95が備えられ、カソード3側に、第2実施形態にかかるセパレータ86が備えられている。ここで、直線状のガス流路88、88、…が備えられている場合には、各凸部81、81、…の重力方向上面側に水滴が溜まりやすい。そのため、図8、図9に示すように、各凸部81、81、…の重力方向上面側に静電搬送手段69、69、…を設けることで、水滴を、ガス供給口42側、又は、ガス排出口43側へ容易に静電搬送することができる。さらに、第2実施形態にかかる単セル90には、水滴との接触面が疎水性とされている静電搬送手段69、69、…が備えられている。そのため、第2実施形態にかかる単セル90を備える本発明の燃料電池システムによれば、静電搬送手段69、69、…によって水滴を容易に静電搬送することで、電解質膜1の含水状態を管理することが容易になる。
図10及び図11は、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられるセパレータ(以下、「第3実施形態にかかるセパレータ」という。)を示す概略図であり、図10は第3実施形態にかかるセパレータの正面図、図11は図10のX−X断面図である。図10の点線矢印は空気の代表的な流れ方向を示しており、図11の直線矢印は重力方向を示している。図11において、図6と同様の構成を採る部材には、図6にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。ここで、図が煩雑になるのを防ぐため、図10では静電搬送手段の記載を省略している。また、図12は、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに備えられる単セル(以下、「第3実施形態にかかる単セル」という。)の一部を拡大して示す断面図であり、図12の直線矢印は、重力方向を示している。図12において、図9に示す部材と同様の構成を採るものには、図9で使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。以下、図10〜図12を参照しつつ、本発明の燃料電池システムについて説明する。
図10に示すように、第3実施形態にかかるセパレータ106は、いわゆるサーペンタイン形状のガス流路108、108、…と、隣接するガス流路108、108、…に挟まれた凸部101、101、…と、ガス供給口102及びガス排出口103と、を備えている。そして、ガス供給口102とガス排出口103とを繋ぐガス流路108、108、…の全長に亘って、第2実施形態にかかる静電搬送手段69、69、…(図11、図12参照)が備えられている。図12に示すように、第3実施形態にかかるセパレータ106は、水平面と略平行となる形態で配置され、いわゆるサーペンタイン形状のガス流路108、108、…に、静電搬送手段69、69、…が備えられている。また、図12に示すように、第3実施形態にかかる単セル120には、アノード2側に、サーペンタイン形状のガス流路127、127、…を備えるセパレータ125が備えられ、カソード3側に、第3実施形態にかかるセパレータ106が備えられている。このように、第3実施形態にかかる単セル120が水平面と略平行となる形態で、かつ、MEA4の下方に第3実施形態にかかるセパレータ106が配置される形態で使用される場合には、ガス流路108、108、…に、水滴が溜まりやすい。そのため、水滴が溜まりやすい当該箇所に、水滴との接触面が疎水性である静電搬送手段69、69、…を設けることで、水滴を、ガス供給口102側、又は、ガス排出口103側へ容易に静電搬送することができる。したがって、第3実施形態にかかる単セル120を備える本発明の燃料電池システムによれば、静電搬送手段69、69、…によって水滴を容易に静電搬送することで、電解質膜1の含水状態を管理することが可能になる。
本発明において、セパレータに備えられる電極素子の間隔(電極ピッチ)は、水滴を静電搬送し得る間隔であれば特に限定されるものではないが、水滴が存在するガス流路の幅(又は深さ)をHとするとき、水滴の搬送しやすさ等の観点から、H/3以下とすることが好ましい。一方、電極素子を配置する作業性等の観点から、0.2mm以上とすることが好ましい。
本発明に関する上記説明では、FCスタックの抵抗値を測定可能な抵抗測定手段が備えられる形態の燃料電池システムを例示したが、本発明の燃料電池システムは、当該抵抗測定手段が備えられる形態に限定されず、例えば、FCスタックに備えられる複数の単セルの状況を把握し得る、代表的な単セルの抵抗値を測定可能な抵抗測定手段が備えられていても良い。さらに、抵抗測定手段の代わりに、FCスタックの電圧値、又は、上記代表的な単セルの電圧値を測定可能な電圧測定手段が備えられる形態であっても良く、抵抗測定手段又は電圧測定手段の代わりに、上記代表的な単セルの露点を測定可能な露点測定手段が備えられる形態であっても良い。
本発明の燃料電池システムに抵抗測定手段が備えられる場合、電解質膜が乾燥しているか否かを判断する際に用いられる閾値としては、予め測定された、低温かつガス流量が少ない状態における、FCスタック(又は単セル)の抵抗値や、当該抵抗値に所定の数値を加えた値等を用いることができる。さらに、本発明の燃料電池システムに抵抗測定手段が備えられる場合、運転時間の経過とともに、FCスタックに備えられる各単セル内の環境が変化し、予め測定された上記閾値を基に乾燥状態か否かを判断すると、当該判断の正確性が低下する虞がある。そのため、乾燥状態か否かの判断を長時間に亘って正確に行うことを可能にする等の観点からは、例えば、閾値が正確か否かを定期的に判断し、閾値が正確でないと判断された場合には正確な閾値となるよう修正し、修正された閾値を用いて乾燥状態か否かが判断される形態とすることが好ましい。
また、上記説明では、第1実施形態にかかる静電搬送手段9又は第2実施形態にかかる静電搬送手段69(以下、これらをまとめて単に「静電搬送手段」ということがある。)が、単セルのカソードと対向するガス流路にのみ備えられる形態の燃料電池システムを例示したが、本発明の燃料電池システムは当該形態に限定されない。ここで、フラッディングは、カソードのみならず、アノードでも生じることがある。そのため、本発明の燃料電池システムは、アノードと対向するガス流路にのみ静電搬送手段が備えられる形態とすることも可能であるほか、アノードと対向するガス流路及びカソードと対向するガス流路に静電搬送手段が備えられる形態とすることも可能である。
また、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システム100に関する上記説明では、セパレータ6に、静電搬送手段9が備えられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されず、格子状のガス流路が備えられるセパレータの、重力方向最下部に位置するガス流路に、第2実施形態にかかる静電搬送手段69が備えられていても良い。かかる形態とすれば、重力方向最下部に位置するガス流路に溜まった水滴を、ガス供給口側又はガス排出口側へ容易に静電搬送することができるので、電解質膜の含水状態をより一層管理しやすい燃料電池システムとすることが可能になる。さらに、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システム100に関する上記説明では、重力方向最下部に位置するガス流路8xにのみ静電搬送手段9が備えられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではなく、例えば、全ての凸部41、41、…の重力方向上面側に、静電搬送手段が備えられていても良い。かかる形態とすれば、より一層容易に、水滴を静電搬送することができるので、電解質膜の含水状態を管理しやすくなる。ただし、多くの静電搬送手段が備えられると、電極素子の配置形態が複雑化してセパレータの生産性が低下する虞があるほか、セパレータに占める絶縁層の割合が増す結果、セパレータの導電性が低下する虞がある。それゆえ、第1実施形態にかかるセパレータ6では、重力方向最下部に位置するガス流路8xにのみ、静電搬送手段が備えられる形態とすることが好ましい。
一方、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池システム、及び、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池システムに関する上記説明では、第2実施形態にかかる静電搬送手段69が備えられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。セパレータに、直線状のガス流路、又は、サーペンタイン形状のガス流路が備えられる場合であっても、上記第1実施形態にかかる静電搬送手段9を設けることができる。これらの形態のセパレータに、第1実施形態にかかる静電搬送手段9が備えられていても、ガス流路に存在する水滴をガス供給口側又はガス排出口側へ静電搬送して、電解質膜の含水状態を管理することができる。
また、本発明において、電極素子に印加される電圧、及び、当該電圧を変化させる速さは特に限定されるものではないが、燃料電池システムが高負荷状態で運転される場合には、低負荷状態よりも多量の反応ガスが単セルへ供給され、多量の水が生成されるため、多量の水滴を静電搬送可能なように運転されることが好ましい。ここで、電極素子に高電圧を印加するほど、また、電圧を変化させる速さを増大させるほど、静電搬送される水滴の搬送速度が増すと考えられる。それゆえ、本発明では、負荷が増すほど、静電搬送される水滴の搬送速度を増大させ得る形態で、電極素子に電圧が印加されることが好ましい。
なお、上記説明では、水滴と接触し得る面の全て(以下、「絶縁層表面」という。)に撥水処理が施されている形態の静電搬送手段を備える燃料電池システムを例示したが、本発明の燃料電池システムに備えられる静電搬送手段は当該形態に限定されず、例えば、絶縁層の、水滴の重力方向下方に位置する表面にのみ撥水処理が施された形態や、絶縁層表面に撥水処理が施されていない形態の静電搬送手段が備えられていても良い。ただし、水滴と絶縁層表面との接触抵抗を低減する等の観点からは、当該絶縁層表面に撥水処理を施すか、又は、撥水性を有する物質からなる絶縁層が備えられる形態の静電搬送手段とすることが好ましい。本発明において利用可能な撥水処理の具体例としては、フッ素系の撥水処理剤をスプレー塗布する方法等を挙げることができる。また、絶縁層を構成し得る、撥水性を有する物質の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、ポリプロピレン(PP)等の炭化水素樹脂等を挙げることができる。さらに、上記説明では、コの字型形状の静電搬送手段を例示したが、本発明に備えられる静電搬送手段は当該形態に限定されず、水滴の重力方向下方にのみ絶縁層及び複数の電極素子が備えられる形態の静電搬送手段であっても良い。
1.静電搬送試験
上記第1実施形態にかかるセパレータ6のガス流路に水滴を配置し、その後、複数の電極素子に電圧を印加することにより、ガス流路に存在する水滴が静電搬送されるか否かを調査し、水滴が静電搬送されることを確認した。当該調査に供したセパレータの構成を表2に示す。
Figure 2008059998
2.温度と抵抗値との関係
単セルへ水素及び空気を供給して作動させ、ガス排出口から排出される水分の総質量に対する水滴質量の割合(比)及び単セルの抵抗値(交流抵抗値)と、単セルの温度と、の関係を調査した。その結果、単セル内の温度が50℃の時には、上記比が1であり、交流抵抗値が8.0[mΩ・cm]であった。これに対し、単セル内の温度が80℃の時には、上記比が0.2であり、交流抵抗値が12.0[mΩ・cm]であった。これは、単セルの温度が50℃の時には、飽和蒸気圧が低いので、単セル内の水は蒸気ではなく液滴の水で存在しやすく、発生した水は液滴の水の状態で排出され、電解質膜が乾燥し難いため、交流抵抗値が低いことを意味している。これに対し、単セルの温度が80℃の時には、飽和蒸気圧が高いので、単セル内の水は蒸気の状態で存在しやすく、発生した水の多くは蒸気の状態で排出され、電解質膜が乾燥しやすいので交流抵抗値が高いことを意味している。当該試験により、高温状態で乾燥した単セルは、抵抗値が増加しやすいことが確認された。すなわち、抵抗値が所定の閾値を超えたか否かによって、電解質膜が乾燥状態であるか否かを判断可能であることが確認された。
3.水滴の移動しやすさと凹凸との関係
カーボン粉末と撥水樹脂(フッ素樹脂等の微粉末を溶媒中に分散させたもの)とを混合・分散させた後、スプレーにて、カーボン板上に噴霧し、乾燥させて、実施例1にかかる供試材を作製した。一方、実施例1の供試材と同じ方法で作製した表面に対し、平滑性に優れた板(例えば、金属平板を鏡面研磨したもの)を当て、融点以下の温度(100〜200℃程度)条件下で圧力(100kg/cm程度)を加えるプレス処理を行うことで、実施例2にかかる供試材を作製した。このようにして作製した実施例1にかかる供試材及び実施例2にかかる供試材をそれぞれ水平面上に置き、これらの供試材の上に水滴を滴下した。そして、実施例1にかかる供試材及び実施例2にかかる供試材に滴下された水滴の見かけの接触角を測定し、その後、これらの供試材の上に滴下された水滴に風速0.2[m/s]の空気を吹き付けることにより、水滴が移動するか否かを調査した。結果を表3にあわせて示す。表3において、「(見かけの)接触角」とは、実施例1にかかる供試材では上記「見かけの接触角θ’」を、実施例2にかかる供試材では上記「接触角θ」を、それぞれ意味する。
Figure 2008059998
表3より、実施例1にかかる供試材の接触角は150°であり、実施例2にかかる供試材の接触角は120°であった。そして、実施例1にかかる供試材に滴下された水滴は、風速0.2[m/s]の空気を吹き付けると移動したが、実施例2にかかる供試材に滴下された水滴は、あまり移動しなかった。すなわち、この調査から、表面の接触角が大きい方が、水滴が移動しやすくなることが確認された。
これまでは、電極が片側だけに存在する場合の例を説明してきたが、電極の形態は上記形態に限るものではない。図13に、2方向に電極を設けた例を概略的に示す。図13(a)は上下に電極を設けた場合を示す断面図であり、紙面左右方向が流路へと供給される反応ガスの流れ方向である。図13(b)は左右に電極を設けた場合を示す断面図であり、紙面に垂直な方向が流路へと供給される反応ガスの流れ方向である。例えば、図13(a)に示すように、接地側電極を上面に、進行波電界を与える電極を下面に設けた構造や、図13(b)に示す、接地側電極を左面に、進行波電界を与える電極を右面に設けた構造のように、2方向に電極がある方式も考えられる。
本発明の運転方法の形態例を概略的に示すフローチャートである。 第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムの形態例を示す概略図である。 第1実施形態にかかる単セルの一部を拡大して示す断面図である。 第1実施形態にかかるセパレータを概略的に示す正面図である。 ガス流路内の水滴と静電搬送手段とを拡大して示す概略図である。 第2実施形態にかかる静電搬送手段の一部を拡大して示す断面図である。 接触角を示す概念図である。 第2実施形態にかかるセパレータを概略的に示す正面図である。 第2実施形態にかかる単セルの一部を拡大して示す断面図である。 第3実施形態にかかるセパレータを概略的に示す正面図である。 図10のX−X断面図である。 第3実施形態にかかる単セルの一部を拡大して示す断面図である。 2方向に電極を設けた例を示す概略図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 アノード
2a アノード触媒層
2b アノード拡散層
3 カソード
3a カソード触媒層
3b カソード拡散層
4 MEA
5、6、86、95、106、125 セパレータ
7、8、88、97、108、127 ガス流路
9、69 静電搬送手段
9a 絶縁層
9b 電極素子
20 燃料電池スタック
21 温度測定手段
22 負荷測定手段
23 抵抗測定手段
24 電圧印加手段
50 制御手段
51 CPU(判定手段、搬送判断手段、搬送方向決定手段)
52 ROM
53 RAM
54 入力ポート
55 出力ポート
30、90、120 単セル
42、102 ガス供給口
43、103 ガス排出口
100 燃料電池システム

Claims (3)

  1. 一対の触媒層及び該一対の触媒層の間に備えられる電解質膜を有するMEAと、該MEAの一方の側及び他方の側へそれぞれ備えられる、絶縁層に覆われた複数の電極素子とガス流路とを備えるセパレータと、を具備する燃料電池の運転方法であって、
    前記電解質膜の含水状態を判定する判定工程と、
    前記判定工程の判定結果に基いて、前記ガス流路内に存在する水滴を搬送すべきか否かを判断する搬送判断工程と、
    前記搬送判断工程において、前記水滴を搬送すると判断された場合に、前記水滴の搬送方向を決定する搬送方向決定工程と、を備え、
    前記搬送方向決定工程の結果に基いて、前記複数の電極素子へ電圧を印加することにより、前記水滴が搬送されることを特徴とする、燃料電池の運転方法。
  2. 一対の触媒層及び該一対の触媒層の間に備えられる電解質膜を有するMEAと、該MEAの一方の側及び他方の側にそれぞれ備えられる、絶縁層に覆われた複数の電極素子とガス流路とを備えるセパレータと、を具備する燃料電池と、
    前記電解質膜の含水状態を判定可能な判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基いて、前記ガス流路内に存在する水滴を搬送すべきか否かを判断可能な搬送判断手段と、
    前記搬送判断手段によって前記水滴を搬送すると判断された場合に、前記水滴の搬送方向を決定可能な搬送方向決定手段と、
    前記水滴が、前記搬送方向決定手段によって決定された搬送方向へと搬送されるように、前記複数の電極素子へ電圧を印加可能な電圧印加手段と、
    を有することを特徴とする、燃料電池システム。
  3. さらに、前記水滴と接触する前記ガス流路の流路面が、疎水性とされていることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池システム。
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