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JP2008050595A - セルロース類の溶解溶剤およびセルロース類の溶解方法 - Google Patents

セルロース類の溶解溶剤およびセルロース類の溶解方法 Download PDF

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Hiroaki Tanioka
弘章 谷岡
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Abstract

【課題】 セルロース類を比較的低温で短時間で溶解することができ、得られる溶液が着色しない溶解溶剤および溶解方法を提供することである。
【解決手段】 イオン液体(A)並びに、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなるセルロース類用の溶解溶剤(I)であって、該溶解溶剤中の水(B)の含有量が6.0〜10.0重量%であり、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロース類用の溶解溶剤;該溶解溶剤並びにセルロース類を含有してなるセルロース類の溶液;並びに上記溶解溶剤に、セルロース類を加え、溶解が完結するまで該混合物を40〜100℃で攪拌する工程を含むセルロース類の溶解方法;である。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースやセルロース誘導体を原料とした、それらの誘導体の製造反応において、セルロース類の溶解溶剤、およびセルロース類の溶解方法に関する。
セルロースは分子内に存在する3個の水酸基が分子内、分子間で水素結合をすることにより水や一般的な有機溶媒への溶解性が乏しくなっている。このため、溶解性の観点から、セルロースを原料とした誘導体の製造反応において、利用上大きな支障となっていた。これまで、セルロースの溶媒としては、銅アンモニア溶液、カセイソーダと二硫化炭素、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム、ジメチルスルホキサイド/パラホルムアルデヒド等が発見されてきている。しかし、これらの溶媒はセルロースを溶解して更に反応させる工程での温度管理が難しいなどの問題があり、最近では、イオン液体にセルロースを溶解しうること(特許文献1)が報告されている。
しかし、この特許文献1の溶解方法は、水などの不純物を極力含有しないイオン液体中を用いてセルロースを溶解させることを特徴とする方法であり、この方法では、100℃以上の高温加熱下で長時間攪拌させる必要がある。そして、イオン液体を100℃以上で長時間加熱すると、着色が発生し易い。
このような状況下で、比較的低温下でかつ短時間での加熱によりセルロースを溶解する溶解剤が望まれている。
特表2005−506401公報
本発明の目的は、セルロースまたはセルロース誘導体を100℃以下という比較的低温で短時間で溶解することができ、得られるセルロース類の溶液が着色しない溶解溶剤、およびセルロース類の溶解方法を提供し、セルロース類を原料としたこれらの誘導体の製造に役立てることである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一定範囲の含有量の水および/または水混和性有機溶媒とイオン液体を併用した場合のみが、上記の課題を解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、イオン液体(A)並びに、水(B)および/または該水混和性有機溶媒(C)からなるセルロースまたはセルロース誘導体(II)(以下、「セルロース類」と略称する。)の溶解溶剤であって、該水混和性有機溶媒(C)が溶解度が3g/水100g以上(20℃)である有機溶媒からなる群から選ばれる1種以上である溶解溶剤;該溶解溶剤並びにセルロース類を含有してなるセルロース類の溶液;並び上記溶解剤に、セルロース類を加え、溶解が完結するまで該混合物を40〜100℃で攪拌する工程を含むセルロース類の溶解方法;である。
本発明の溶解溶剤は、セルロース類を高濃度で透明に溶解することができる。
本発明の溶解溶剤に含有するイオン液体(A)としては、以下のカチオンおよびアニオンから構成されるイオン液体が挙げられる。
イオン液体(A)を構成するカチオンとしては、イミダゾリウムカチオン(a11)、ピリジニウムカチオン(a12)およびアルキルアンモニウムカチオン(a13)などが挙げられる。
イミダゾリウムカチオン(a11)としては下記のものが挙げられる。
例えばN-メチルイミダゾリウム、N-エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムおよび1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムなどが挙げられる。
ピリジニウムカチオン(a12)としては、N−プロピルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、1,4−ジメチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウムおよび1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムなどが挙げられる。
アルキルアンモニウムカチオン(a13)としては下記のものが挙げられる。トリメチルアンモニウム、エチルジメチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられ、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオンが好ましい。
イオン液体(A)を構成するカチオンとしては、(a11)〜(a13)のそれぞれのうちの1種でも、またはそれぞれのうちの2種以上の併用でもいずれでもよく、さらに(a11)〜(a13)のいずれか1種でも、または2種以上の併用でもよい。
これらのカチオンうち、溶解性の観点から好ましいのはイミダゾリウムカチオン(a11)、ピリジニウムカチオン(a12)、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン(a11)である。
イオン液体(A)を構成するアニオンとしては、ハロゲンアニオン、カルボキシレートアニオン、、スルホネートアニオン、リン酸アニオンが挙げられる。
ハロゲンアニオンとしては塩素アニオン、臭素アニオンおよびヨウ素アニオンなどが挙げられる。
カルボキシレートアニオンとしては、炭素数1〜18のモノカルボキシレートアニオンおよびジカルボキシレートアニオン、例えばホルメートアニオン、アセテートアニオン、フマレートイオアニン、オキサレートアニオン、ラクテートアニオンおよびピルベートアニオン等が挙げられる。
スルホネートアニオンとしては、スルホン酸アニオン、、メタンスルホン酸アニオン、オクタンスルホン酸アニオン、ドデカンスルホン酸アニオンおよびエイコサンスルホン酸アニオンなどが挙げられる。
リン酸アニオンとしては、リン酸アニオン、メチルリン酸モノエステルアニオン、エチルリン酸モノエステルアニオン、プロピルリン酸モノエステルアニオン、ブチルリン酸モノエステルアニオン、メチルリン酸ジエステルアニオン、エチルリン酸ジエステルアニオン、プロピルリン酸ジエステルアニオン、ブチルリン酸ジエステルアニオンなどが挙げられる。
これらのうち、溶解性の観点から好ましくはハロゲンアニオン、カルボキシレートアニオンおよびリン酸アニオンであり、更に好ましくはカルボキシレートアニオン、ハロゲンアニオンである。
イオン液体(A)のうち、溶解性の観点から好ましいのは100℃以下で液体であるイオン液体である。
さらに好ましいのは取り扱いの観点から、25℃(室温)でイオン液体(A)そのものが液体であるか、イオン液体(A)に水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)を加えて得られる溶解溶剤(I)が25℃で液体であるようなイオン液体である。
イオン液体(A)のうち、このようなイオン液体としては、例えば、イミダゾリウムカルボキシレート、およびイミダゾリウムクロライドなどが挙げられ、更に好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムホルメート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフマレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドである。
特に好ましくは、1−エチル3−メチルイミダゾリウムホルメート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドが挙げられる。
本発明における水混和性有機溶媒(C)としては、20℃における水に対する溶解度(g/水100g)が溶解性の観点から3以上の有機溶媒であり、好ましくは10以上のものである。
具体的には、下記のような一価アルコール、多価アルコール、アルコール以外の水混和性有機溶媒が挙げられる。
一価アルコールとしては、炭素数1〜12の脂肪族アルコール;前記アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)を付加した化合物;およびこれらの混合物が挙げられる。
炭素数1〜4の脂肪族アルコールとしてはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどが挙げられ、前記アルコールに炭素数2〜4のAOを付加した化合物としてはエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールおよびグリセリンなどが挙げられる。
アルコール以外の水混和性有機溶媒としては、例えば窒素原子含有親水性有機溶媒[N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなど];ケトン系親水性有機溶媒[メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびジアセトンアルコールなど];環状エーテル系親水性有機溶媒[テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランなど];エステル系親水性有機溶媒[酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルおよびアセト酢酸エチルなど];およびスルホキシド系親水性有機溶媒[ジメチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシドなど]などが挙げられる。
なお、アルコール以外の水混和性有機溶媒として、窒素含有の塩基性溶剤(例えばピリジン、ピコリン、イミダゾール、エチルアミン、ブチルアミン、アニリンなど)は、安全性、臭気の観点から、作業環境が悪くなるという点で本発明の水混和性有機溶媒としては、好ましくない。
水混和性有機溶剤(C)としては、水(B)と併用してもよいし、しなくてもよいが、水混和性有機溶剤(C)の単独使用が好ましい。
その際に、 アルコールまたはアルコール以外の水混和性有機溶媒のそれぞれのうちの1種でも、またはそれぞれのうちの2種以上の併用でもいずれでもよく、さらにアルコールまたはアルコール以外の水混和性有機溶媒のいずれか1種でも、または2種以上の併用でもよい。
水混和性有機溶媒(C)のうち、セルロース類の溶解性および後述の方法によるイオン液体の回収性の観点から、好ましいのは低沸点溶剤の一価アルコールおよびアルコール以外の水混和性有機溶媒であり、更に好ましいのは一価アルコールおよび 窒素原子含有親水性有機溶媒、さらに好ましいのはメタノール、エタノールおよびジメチルアセトアミドである。
本発明の溶解溶剤(I)は、
(1)イオン液体(A)と水(B)の2成分;
(2)イオン液体(A)と水混和性有機溶媒(C)の2成分;
(3)イオン液体(A)と水(B)と水混和性有機溶媒(C)の3成分
の場合が挙げられる。
そして、セルロース類の溶解性の観点から、本発明の溶解溶剤(I)中の水(B)の含有量は、溶解溶剤(I)の重量に基づいて通常6.0〜10.0重量%、好ましくは6.5〜9.0重量%である。
溶解溶剤(I)の重量に基づいて水(B)の含有量が10.0重量%を超えると、セルロース類は水(B)と優先的に相互作用するため、セルロース類とイオン液体間との水素結合の形成が起こりにくくなり、セルロース類はイオン液体中に膨潤分散するのみで溶解はしにくくなる。
また、水(B)の含有量が6.0重量%未満の場合、水(B)の効果が発揮できないため溶解速度は遅く、長時間の加熱によりイオン液体の着色が発生してしまう。
また、セルロース類の溶解性の観点から、溶解溶剤(I)中の水混和性有機溶媒(C)の含有量は、通常溶解溶剤(I)の重量に基づいて3.0〜10.0重量%、好ましくは4.0〜9.0重量%である。
溶解溶剤(I)の重量に基づいて、水混和性有機溶媒(C)の含有量が10.0重量%を超えると、セルロース類は水混和性有機溶媒(C)と優先的に相互作用するため、セルロース類とイオン液体間との水素結合形成が起こりにくくなり、セルロース類はイオン液体中に膨潤分散するのみで溶解はしにくくなる。
また、水混和性有機溶媒(C)の含有量が3.0重量%未満の場合、水混和性有機溶媒(C)の効果が発揮できないため溶解速度は遅く、長時間の加熱によりイオン液体の着色が発生してしまう。
本発明の溶解溶剤(I)は、イオン液体(A)、水(B)、水混和性有機溶媒(C)を組み合わせた前記の(1)〜(3)の溶解溶剤であるが、さらに本発明の効果を阻害しない範囲において、その他の成分(D)を含有していてもよい。
その他の成分(D)としては、セルロース等の難溶性多糖類を溶解する際に使用される二硫化炭素、ジクロロメタン、N−メチルモルホリンN−オキシド、ヒドラジン、N−エチルピリジニウムオキシド、チオシアンカルシウム、水酸化銅テトラミン、塩化亜鉛、水酸化ナトリウムおよび塩化リチウムなどが挙げられる。
これらのその他の成分(D)は、溶解溶剤の重量に基づいて通常4.0重量%以下、好ましくは3.0重量%以下、さらに好ましくは2.0重量%以下であり、特に好ましくは0重量%である。
本発明の溶解溶剤に溶解させることができるセルロースおよびセルロースの誘導体(II)のうちのセルロースとしては、綿リンターまたは木材パルプ、溶解パルプなどから得られる植物系セルロース、アセトバクター属などに属する微生物の産出するバクテリアセルロース、再生セルロース、微結晶セルロースなどが挙げられる。
セルロースの溶解機構はセルロースの膨潤を経て溶解することから、セルロースの形状としては溶解溶剤との接触面積が大きい粉末状が好ましい。
また、本発明のセルロースの誘導体としては、アシル化セルロース(酢酸セルロースおよびプロピオン酸セルロースなど)、アルキルエーテル化セルロース(メチルセルロースおよびエチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシプロピルセルロースなど)およびカチオン化セルロースなどが挙げられる。
本発明のセルロース類の溶液は、上記の溶解溶剤(I)並びにセルロースまたはセルロースの誘導体(II)を含有してなるセルロース類の溶液である。
溶液中のセルロース類の含有量は、イオン液体の種類やセルロース類の種類や分子量によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。1重量%以上であればセルロース類を反応の原料として使用する場合の濃度として好ましく、20重量%以下であれば粘度が高すぎることがない。
溶液は、粘稠な無色透明液状であり、セルロース類の誘導体化の反応に利用でき、また溶液に大量の水または有機溶剤を加えて水洗・分離することで溶解したセルロース類を取り出すことができる。
誘導体化させたセルロース類を大量の水または有機溶剤を加えて析出させ、濾過等の固液分離操作を用い分離した後、残りの溶解溶剤(I)中の水または有機溶剤だけを、常圧もしくは減圧下で加熱することで揮発させ、イオン液体を回収することができる。
本発明のセルロース類の溶解方法は、イオン液体(A)並びに水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなる溶解溶剤(I)へのセルロースまたはセルロースの誘導体(II)の溶解方法であって、水混和性有機溶媒(C)としては、20℃における水100gに対する溶解度が3g以上である水混和性有機溶媒からなる群から選ばれる1種以上である溶解溶剤に、セルロース類を加え、溶解が完結するまで該混合物を40〜100℃で攪拌する工程を含むセルロース類の溶解方法である。
溶解溶剤にセルロース類を混合して混合物を形成する工程は、室温で溶解溶剤を攪拌しながら、溶解溶剤中にセルロース類を徐々に投入して、溶解溶剤中にセルロース類を分散させる工程である。その後、溶解が完結するまで攪拌しながら加熱することで溶解することができる。100℃以上で溶解させると溶液が着色する場合があるため、溶解温度としては、通常100℃未満、好ましくは40〜90℃、特に好ましくは50〜80℃である。加熱時間としては、できるだけ短いほうが好ましく、好ましくは2時間以下、さらに好ましくは1時間以下である。
本発明における「溶解」とは、セルロース類が100℃以下で均一透明に溶解していることをいう。通常は、一度溶解したセルロース類は室温に戻しても溶液状であり、析出することはない。
本発明の溶解溶剤は、セルロース類の各種の誘導体を製造する工程で使用することができ、均一状態での反応を進めることができるので、反応速度が速く、かつ、例えば、置換反応の場合に置換基の分布が比較的均一になりやすい。
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
実施例1
50mlのビーカー中に、イオン液体としての1−エチル−3−メチルイミダゾリウム酢酸塩(以下、emim・CH3CO2と略記する)18.6gおよび水1.4gを仕込み、マグネチックスターラーで室温で3分間攪拌して、均一透明な溶解溶剤(I−1)を調製した。
溶解溶剤(I−1)3.6gを50mlのガラスバイアル中に採り、セルロースとして「溶解パルプNSPP2」(日本製紙ケミカル(株)製、 重合度=約1,200)0.4gを添加し、25℃で10分間マグネチックスターラーで攪拌した後に、攪拌しながら10分間かけて80℃まで昇温し、ガラスバイアルを密閉して、その温度でさらに攪拌しながら2時間加熱し、粘性のある、無色透明なセルロースの溶液を得た。
なお、ここでいうセルロースの重合度とは、以下の式によって示されるものである。
重合度(DP)=(セルロースの重量平均分子量−18)/162
実施例2〜9および比較例1〜7
イオン液体、水、水混和性有機溶媒を表1に記載した重量%で混合し、溶解パルプまたはヒドロキシプロピルセルロースを所定量加えた後、表1に記載の加熱温度で攪拌したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜9および比較例1〜7のセルロース溶液を調製した。
なお、ヒドロキシプロピルセルロースとしては、「ヒドロキシプロピルセルロース」(和光純薬工業(株)製、粘度1000〜4000mPa・s) を使用した。
溶解性、溶液の色(性状)を表1に示す。
表1中の記号は以下の通りである。
emim・CH3CO2:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート
emim・HCO2:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムホルメート
emim・Cl:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド
bmim・Cl:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド
DMAC:ジメチルアセトアミド
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース
溶解性の評価は、表1記載の温度で2時間加熱攪拌しながら、溶液を目視で評価した。評価基準は以下の通り。
◎:1時間未満で完全に溶解した
○:1時間〜2時間で完全に溶解した
△:2時間後でもパルプまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が一部溶解せず
×:2時間後でも全く溶解せず
本発明のセルロース類の溶解溶剤は、セルロースやセルロース誘導体の各種の誘導体を製造する工程で使用することができる。

Claims (8)

  1. イオン液体(A)並びに、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなるセルロース用の溶解溶剤(I)であって、該溶解溶剤中の水(B)の含有量が6.0〜10.0重量%であり、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロースまたはセルロース誘導体用の溶解溶剤。
  2. イオン液体(A)並びに、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなるセルロース用の溶解溶剤(I)であって、該溶解溶剤中の水混和性有機溶媒(C)の含有量が3.0〜10.0重量%であり、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロースまたはセルロース誘導体用の溶解溶剤。
  3. 該イオン液体(A)が、イミダゾリウムカルボキシレートである請求項1または2記載の溶解溶剤。
  4. 該イオン液体(A)が、イミダゾリウムクロライドである請求項1または2記載の溶解溶剤。
  5. イオン液体(A)、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなる溶解溶剤(I)にセルロースまたはセルロース誘導体(II)を溶解させてなる溶液であって、
    該溶解溶剤(I)中の水(B)の含有量が6.0〜10.0重量%であり、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロースまたはセルロース誘導体溶液。
  6. イオン液体(A)、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなる溶解溶剤(I)にセルロースまたはセルロース誘導体(II)を溶解させてなる溶液であって、該溶解溶剤(I)中の該水混和性有機溶媒(C)の含有量が3.0〜10.0重量%であり、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロースまたはセルロース誘導体溶液。
  7. イオン液体(A)、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなる溶解溶剤(I)に、セルロースまたはセルロース誘導体(II)を加え、溶解が完結するまで混合物を40〜100℃で攪拌する工程を含む溶解方法であって、該溶解溶剤(I)中の水混和性有機溶媒(C)の含有量が3.0〜10.0重量%であって、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロースまたはセルロース誘導体の溶解方法。
  8. イオン液体(A)、水(B)および/または水混和性有機溶媒(C)からなる溶解溶剤(I)に、セルロースまたはセルロース誘導体(II)を加え、溶解が完結するまで混合物を40〜100℃で攪拌する工程を含む溶解方法であって、該溶解溶剤(I)中の該水混和性有機溶媒(C)の含有量が3.0〜10.0重量%であって、かつ該水混和性有機溶媒(C)の20℃における水100gに対する溶解度が3g以上であることを特徴とするセルロースまたはセルロース誘導体の溶解方法。
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