JP2008050581A - セルロースアシレートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学的異方性(Re、Rth)が小さいセルロースアシレートフィルム、さらには、これを用いた高湿での長期経時で偏光子の劣化が小さいい優れた偏光板を提供すること、並びにこれらを用いた広視野角で表示品位の高い液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】エチレン性不飽和モノマーの重合体または有機酸とグリコールとから構成される重縮合体から選ばれる化合物を少なくとも一つ含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーまたは該重縮合体の原料からなる低分子エステル化合物のセルロースアシレートフィルム当たりの含有量が1質量%以下であるセルロースアシレートフィルム。
【選択図】なし
【解決手段】エチレン性不飽和モノマーの重合体または有機酸とグリコールとから構成される重縮合体から選ばれる化合物を少なくとも一つ含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーまたは該重縮合体の原料からなる低分子エステル化合物のセルロースアシレートフィルム当たりの含有量が1質量%以下であるセルロースアシレートフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、セルロースアシレートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
従来、セルロースアシレートフィルムは、その強靭性と難燃性から写真用支持体や各種光学材料に用いられてきた。特に、近年は液晶表示装置用の光学透明フィルムとして多く用いられている。セルロースアシレートフィルムは、光学的に透明性が高いことと、光学的に等方性が高いことから、液晶表示装置のように偏光を取り扱う装置用の光学材料として優れており、これまで偏光子の保護フィルムや、斜め方向からの見た表示を良化(視野角補償)できる光学補償フィルムの支持体として用いられてきた。
最近の液晶表示装置においては、視野角特性の改善がより強く要求されるようになっており、偏光子の保護フィルムや光学補償フィルムの支持体などの光学透明フィルムは、より光学的に等方性であることが求められている。光学的に等方性であるとは、光学フィルムの複屈折と厚みの積で表されるレターデーション値が小さいことが重要である。とりわけ、斜め方向からの表示良化のためには、正面方向のレターデーション(Re)だけでなく、膜厚方向のレターデーション(Rth)を小さくする必要がある。具体的には光学透明フィルムの光学特性を評価する際に、フィルム正面から測定したReが小さく、角度を変えて測定してもそのReが変化しないことが要求される。
これまでに、正面のReを小さくしたセルロースアシレートフィルムは知られていたが、角度によるRe変化が小さい、すなわちRthが小さいセルロースアシレートフィルムは作製が難しかった。セルロースアシレートフィルムの正面のReをほぼゼロとし、またレターデーションの角度変化も小さい、すなわちRthもほぼゼロとした、光学的に等方性である光学透明フィルムが強く望まれている。
セルロースアシレートフィルムの製造において、一般的に製膜性能を良化するため可塑剤と呼ばれる化合物が添加される。可塑剤の種類としては、リン酸トリフェニル、リン酸ビフェニルジフェニルのようなリン酸トリエステル;フタル酸エステル類などがある。これら可塑剤の中には、セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる効果を有するものが知られている(例えば特定の脂肪酸エステル、特許文献1参照)が、セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる効果は十分とはいえない。
また、セルロースエステルフィルムにビニルエステル及びアクリル酸エステルから選ばれるモノマーを主とするエチレン性不飽和モノマーを重合したポリマーを含有することで、偏光板保護フィルムの欠陥や異物の除去、そして偏光板の高温多湿の状態における縁の白抜けが低減できることが開示されている(特許文献2参照)。さらにポリエステルを含有するセルロースエステルフィルムからなる偏光板用保護フィルムが寸度安定性に優れていることが開示されている(例えば特許文献3)。しかしながら、最近の液晶表示装置においては、モバイルや車載用途等、屋外で使用する場合が増加しており、さらに高温多湿の状態における偏光板の性能の安定性が重要になってきている。
特開2001−247717号公報
特開2002−20410号公報
特開2002−22956号公報
本発明の目的は、光学的異方性(Re、Rth)が小さいセルロースアシレートフィルム、さらにはこれを用いた高湿での長期経時で偏光子の劣化が小さい、優れた偏光板を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に記載するセルロースアシレートフィルムにより、本発明の課題が達成された。
(1)
エチレン性不飽和モノマーの重合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーがセルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(2)
重合体がアクリル系重合体である(1)に記載のセルロースアシレートフィルム。
(3)
有機酸、グリコール、1価アルコールを重縮合して得られた重縮合体、及び有機酸、グリコールを重縮合して得られた重縮合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の重縮合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有される、該重縮合体の原料である分子5つ以下を縮合して得られた低分子エステル化合物が、セルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(4)
セルロースアシレートフィルムがさらに紫外線吸収剤を含有し、且つ該紫外線吸収剤が25℃において液状である(1)〜(3)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(5)
セルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートのアシル置換度が2.50〜
3.00であり、その平均重合度が180〜700である(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(6)
セルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートのアシル置換基が、実質的にアセチル基のみからなり、その全置換度が2.50〜2.95であり、その平均重合度が180〜550である(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(7)
セルロースアシレートフィルムの膜厚が10〜120μmである(1)〜(6)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(8)
セルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRthとReが、それぞれ下記数式(1)及び(2)の範囲を満たす(1)〜(7)の何れかに記載のセルロースアシレートフィルム。
数式(1):−25nm≦Rth(630)≦25nm、
数式(2):0nm≦Re(630)≦10nm
(9)
偏光子の両側に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板において、該保護フィルムの少なくとも1枚が、(1)〜(8)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
(10)
液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板からなり、その少なくとも1枚の偏光板が(9)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
(11)
液晶表示装置がIPSモードである(10)記載の液晶表示装置。
エチレン性不飽和モノマーの重合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーがセルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(2)
重合体がアクリル系重合体である(1)に記載のセルロースアシレートフィルム。
(3)
有機酸、グリコール、1価アルコールを重縮合して得られた重縮合体、及び有機酸、グリコールを重縮合して得られた重縮合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の重縮合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有される、該重縮合体の原料である分子5つ以下を縮合して得られた低分子エステル化合物が、セルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(4)
セルロースアシレートフィルムがさらに紫外線吸収剤を含有し、且つ該紫外線吸収剤が25℃において液状である(1)〜(3)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(5)
セルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートのアシル置換度が2.50〜
3.00であり、その平均重合度が180〜700である(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(6)
セルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートのアシル置換基が、実質的にアセチル基のみからなり、その全置換度が2.50〜2.95であり、その平均重合度が180〜550である(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(7)
セルロースアシレートフィルムの膜厚が10〜120μmである(1)〜(6)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(8)
セルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRthとReが、それぞれ下記数式(1)及び(2)の範囲を満たす(1)〜(7)の何れかに記載のセルロースアシレートフィルム。
数式(1):−25nm≦Rth(630)≦25nm、
数式(2):0nm≦Re(630)≦10nm
(9)
偏光子の両側に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板において、該保護フィルムの少なくとも1枚が、(1)〜(8)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
(10)
液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板からなり、その少なくとも1枚の偏光板が(9)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
(11)
液晶表示装置がIPSモードである(10)記載の液晶表示装置。
本発明者らの研究により、光学的異方性Re、Rthが小さいセルロースアシレートフィルムを作製することができ、このセルロースアシレートフィルムを用いて光学補償フィルム、偏光板などの光学材料、及びこれらを用いた液晶表示装置を提供することが可能になった。さらには高湿での長期経時で偏光子の劣化が小さい優れた偏光板を提供することができる。
<セルロースアシレートフィルム>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、エチレン性不飽和モノマーの重合体、または有機酸とグリコールとを重縮合することによって得られた重縮合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーまたは該重縮合体の原料からなる低分子エステル化合物(該低分子エステル化合物は原料となる有機酸、グリコール、一価アルコールから選ばれる5つ以下の分子から構成されたものである)がセルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とする。
以下に本発明に用いられるエチレン性不飽和モノマーの重合体及び有機酸とグリコールとから構成された重縮合体について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、エチレン性不飽和モノマーの重合体、または有機酸とグリコールとを重縮合することによって得られた重縮合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーまたは該重縮合体の原料からなる低分子エステル化合物(該低分子エステル化合物は原料となる有機酸、グリコール、一価アルコールから選ばれる5つ以下の分子から構成されたものである)がセルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とする。
以下に本発明に用いられるエチレン性不飽和モノマーの重合体及び有機酸とグリコールとから構成された重縮合体について説明する。
〔エチレン性不飽和モノマーの重合体〕
前記重合体は質量平均分子量が500以上10,000以下であることが好ましく、オリゴマーから低分子量ポリマーの間にあると考えられるものである。質量平均分子量が10,000以下であればセルロースエステルとの相溶性が良好であり、ブリードアウトの発生を抑制することができる。質量平均分子量は800以上8,000以下であることがより好ましく、1000以上5,000以下であることがさらに好ましい。本発明前記重合体の分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
前記重合体は質量平均分子量が500以上10,000以下であることが好ましく、オリゴマーから低分子量ポリマーの間にあると考えられるものである。質量平均分子量が10,000以下であればセルロースエステルとの相溶性が良好であり、ブリードアウトの発生を抑制することができる。質量平均分子量は800以上8,000以下であることがより好ましく、1000以上5,000以下であることがさらに好ましい。本発明前記重合体の分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
[エチレン性不飽和モノマー]
本発明で用いられる重合体を構成する重合単位を導くエチレン性不飽和モノマーを下記に挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる重合体を構成する重合単位を導くエチレン性不飽和モノマーを下記に挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いることができる上記のエチレン性不飽和モノマーとしては:ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル{以下、(メタ)アクリル酸エステルと表すこともある}として、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル(i−、n−)、(メタ)アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、(メタ)アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、(メタ)アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸オクチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ノニル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(2−エチルヘキシル)、(メタ)アクリル酸(ε−カプロラクトン)、(メタ)アクリル酸(4−メチルシクロヘキシル)、(メタ)アクリル酸(4−エチルシクロヘキシル)、(メタ)アクリル酸(2−メトキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−エトキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)等;芳香族を有するモノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−〔(2−ブトキシエトキシ)メチル〕スチレン、4−ブトキシメトキシスチレン、4−ブチルスチレン、4−デシルスチレン、4−(2−エトキシメチル)スチレン、4−(1−エチルヘキシルオキシメチル)スチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−オクチルオキシメチルスチレン、4−オクチルスチレン、4−プロポキシメチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸(2又は4−クロロフェニル)、(メタ)アクリル酸(2,3又は4−エトキシカルボニルフェニル)、(メタ)アクリル酸(o,m又はp−トリル)、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸(2−ナフチル)、(メタ)アクリル酸−p−ヒドロキシメチルフェニル等;不飽和酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
上記モノマーで構成される重合体はコポリマーでもホモポリマーでもよく、ビニルエステルのホモポリマー、ビニルエステルのコポリマー、ビニルエステルと(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー、(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマー又はコポリマーが好ましい。これら重合体の内、ビニルエステルと(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー、並びに(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマー又はコポリマーであるアクリル系重合体がより好ましい。
本発明においては、該重合体中の(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位として、その側鎖に芳香環又はシクロヘキシル基を含む(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を副次量以下とするアクリル系重合体を用いてもよい。
アクリル系重合体が、側鎖に芳香環又はシクロヘキシル基を含む(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を含む場合、該重合体中、側鎖に芳香環又はシクロヘキシル基を含む(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位が20〜40質量%を有し、且つ芳香環及びシクロヘキシル基を有さない(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を50〜80質量%有することが好ましい。また、該重合体中に、後述の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を2〜20質量%有することもできる。
アクリル系重合体が、側鎖に芳香環又はシクロヘキシル基を含む(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を含む場合、該重合体中、側鎖に芳香環又はシクロヘキシル基を含む(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位が20〜40質量%を有し、且つ芳香環及びシクロヘキシル基を有さない(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を50〜80質量%有することが好ましい。また、該重合体中に、後述の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位を2〜20質量%有することもできる。
前記の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの中、芳香環及びシクロヘキシル基を有さない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル(i−、n−)、(メタ)アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、(メタ)アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、(メタ)アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸オクチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ノニル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸(2−エチルヘキシル)、(メタ)アクリル酸(ε−カプロラクトン)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸(2−メトキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−エトキシエチル)等を挙げることができる。
本発明で特に好ましく用いられるアクリル系重合体は、上記モノマーのホモポリマー又はコポリマーであるが、中でもアクリル酸メチルエステルモノマー単位が30質量%以上を有していることがさらに好ましく、また、メタクリル酸メチルエステルモノマー単位が
40質量%以上有することがさらに好ましい。特にアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルのホモポリマーが好ましい。
40質量%以上有することがさらに好ましい。特にアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルのホモポリマーが好ましい。
またアクリル系重合体中には、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに基づく重合単位を好ましく用いることができる。水酸基を有するモノマーとしては、前記したモノマーと同様であるが、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸−p−ヒドロキシメチルフェニル、(メタ)アクリル酸−p−(2−ヒドロキシエチル)フェニル等を挙げることができ、好ましくは、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル及びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。重合体中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに基づく重合単位は、重合体中2〜20質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
本発明の重合体に有用な官能基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、ポリマーの側鎖に紫外線吸収性基や帯電防止性基を有しているものを用いてもよい。コポリマーとしてTgが50℃以下になるような基であれば制限なく用いられる。官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのエチレン性基としては、ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基で、これらは好ましく用いられる。
本発明に有用な紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの紫外線吸収性基としては、ベンゾトリアゾール基、サリチル酸エステル基、ベンゾフェノン基、オキシベンゾフェノン基、シアノアクリレート基等を挙げることができ、本発明においては何れも好ましく用いることができる。
紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、特開平6−148430号公報に記載の紫外線吸収性ポリマーを構成する紫外線吸収性モノマー、特開2002−20410号公報に記載の紫外線吸収性モノマーを好ましく用いることができる。
帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーの帯電防止性基としては、4級アンモニウム基、スルホン酸塩の基、ポリエチレンオキサイド基等を挙げることができるが、溶解性や帯電性能の観点から4級アンモニウム基が好ましい。特開2002−20410号公報に記載の帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーを好ましく用いることができる。
最近、高温多湿の状態における偏光板の性能の安定性がますます重要になってきている。本発明の発明者らは、高温多湿の状態における偏光板の性能の安定性をより一層向上させるべく、鋭意検討を行ってきた。その結果、偏光板保護フィルムとして、エチレン性不飽和モノマーの重合体を含有するセルロースアシレートフィルムを用いるとき、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマー、すなわち該重合体に同伴して該フィルム中に含有される残存未反応モノマーの含有量を低減させることが有効であることを見出した。
偏光板の偏光子に含まれるヨウ素分子は、トリエチルアミンのような電子ドナー性化合物と相互作用することが知られている(例えば、J.Am.Chem.Soc.80巻、520頁、1958年)。エチレン性不飽和モノマーも電子ドナー性化合物であるため、このような化合物が偏光板保護フィルムに含まれていると、これが隣接する偏光子中のヨウ素分子と相互作用して、これが原因で偏光子の劣化が生じるものと考えられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムに含有されるエチレン性不飽和モノマーは0〜1質量%であることが必要であり、0〜0.7質量%が好ましく、0〜0.6質量%がさらに好ましく、0〜0.2質量%が最も好ましい。
重合体中の残存モノマー量の調整は、重合終了後に沈殿させる際の溶媒の種類を選択したり、沈殿の回数を増やしたりするなど、既知の方法で低減することができる。重合終了後、重合体を加熱処理してモノマーを揮散させることもできる。
フィルム中の残存モノマー量の測定は、ガスクロマトグラフ等で容易に定量することができる。
[本発明で用いられる重合体の具体例]
下記に本発明で用いられる重合体の具体例を示すが、これらに限定されない。
下記に本発明で用いられる重合体の具体例を示すが、これらに限定されない。
本発明における重合体の添加量は、セルロースアシレートに対して0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。
本発明における重合体は、単独で用いても、2種以上の化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
本発明において重合体を添加する時期は、ドープ作製工程中の何れの時期であってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
本発明における重合体の合成法は:クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法;重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法;重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法;重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法;更に特開2000−128911号公報又は同2000−344823号公報にあるような、1つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物もしくは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法;特開2002−20410号公報及び特開2003−12859号公報等に記載の合成方法;を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いられる。
これらの重合体のエチレン性不飽和モノマー含有量は重合体の晶析や減圧蒸留により、またはこれらを繰り返すことで調整できる。
〔有機酸とグリコールの縮重合体〕
本発明の有機酸とグリコールとの縮重合体は質量平均分子量が500以上10,000
以下であることが好ましく、オリゴマーから低分子量ポリマーの間にあると考えられるものである。質量平均分子量が10,000以下であればセルロースエステルとの相溶性が良好であり、ブリードアウトの発生を抑制することができる。質量平均分子量は800以上5,000以下であることがより好ましく、1000以上3,000以下であることがさらに好ましい。本発明前記重合体の分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
本発明の有機酸とグリコールとの縮重合体は質量平均分子量が500以上10,000
以下であることが好ましく、オリゴマーから低分子量ポリマーの間にあると考えられるものである。質量平均分子量が10,000以下であればセルロースエステルとの相溶性が良好であり、ブリードアウトの発生を抑制することができる。質量平均分子量は800以上5,000以下であることがより好ましく、1000以上3,000以下であることがさらに好ましい。本発明前記重合体の分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
本発明の縮重合体の基本骨格を形成する有機散は二塩基酸であることが好ましい。
二塩基酸としては、脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸が好ましく、例えば、脂肪族二塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等、芳香族二塩基酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−キシリデンジカルボン酸等、脂環式二塩基酸としては、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ酢酸等を挙げることができる。特に、脂肪族ジカルボン酸としては炭素原子数4〜12もの、脂環式二塩基性酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、これらから選ばれる2種以上の二塩基酸を組み合わせて使用してよい。
二塩基酸としては、脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸が好ましく、例えば、脂肪族二塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等、芳香族二塩基酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−キシリデンジカルボン酸等、脂環式二塩基酸としては、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ酢酸等を挙げることができる。特に、脂肪族ジカルボン酸としては炭素原子数4〜12もの、脂環式二塩基性酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、これらから選ばれる2種以上の二塩基酸を組み合わせて使用してよい。
グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メチルー1,3―プロパンジオール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1,5―ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,5−ペンチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等を挙げることが出来るが、これらのうちエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましく、更に、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールがより好ましい。グリコールはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して用いても良い。また縮重合体体の末端を炭素数2〜20の1価のアルコールまたは炭素数2〜20の1価のカルボン酸で封鎖することもできる。
本発明の重縮合体は下記一般式(I)または(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(I) R―(A―G)m―A−R
一般式(II) S―(G―A)m―G−S
一般式(I)及び(II)中、Aは炭素数の平均が2〜10の二塩基酸残基であり、Gは炭素数の平均が2〜6のグリコール残基であり、Rは炭素数の平均が2〜20の1価のアルコール残基であり、Sは炭素数の平均が2〜20の1価のカルボン酸残基である。mは1以上の整数である。
一般式(I) R―(A―G)m―A−R
一般式(II) S―(G―A)m―G−S
一般式(I)及び(II)中、Aは炭素数の平均が2〜10の二塩基酸残基であり、Gは炭素数の平均が2〜6のグリコール残基であり、Rは炭素数の平均が2〜20の1価のアルコール残基であり、Sは炭素数の平均が2〜20の1価のカルボン酸残基である。mは1以上の整数である。
二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸が好ましく、コハク酸、アジピン酸、およびフタル酸がより好ましい。
以下に二塩基酸とグリコールの縮重合体の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
特開2006−64803号公報に記載のポリエステルポリオール、例えばポリエステルポリオールPEO−1(コハク酸と1,4−ブチレングリコールからなるポリエステルポリオール、グリコールの炭素数の平均は3.3、二塩基酸の炭素数は4)、PEO−2
(アジピン酸と1,4−ブチレングリコール及びエチレングリコールからなるポリエステルポリオール、グリコールの炭素数の平均は3.3、二塩基酸の炭素数は6)、特開2006−342227号公報に記載のポリエステル、例えば、PE−1(コハク酸とエチレングリコールからなり、2-エチルヘキシル基で末端を封鎖(停止)したポリエステル)、PE−2(アジピン酸と1,4−ブチレングリコール及びエチレングリコールからなるポリエステル、グリコールの炭素数の平均は3.33、二塩基酸の炭素数は6)、PE−3(アジピン酸及びコハク酸とエチレングリコールからなるポリエステル、グリコールの炭素数の平均は2、二塩基酸の炭素数は4.5)、ポリサイザーW−2640S、ポリサイザーW−305ELS、ポリサイザーP−103、ポリライトOD−X−286、ポリライトOD−X−2251、ポリライトOD−X−2802(大日本インキ社製)、アデカサイザーPN150、アデカサイザーPN170、アデカサイザーPN7120、アデカサイザーPN1010、アデカサイザーPN1430、アデカサイザーPN77(旭電化工業社製)、D643、D633、D620、D671(ジェイ・プラス社製)、コスモール102(日清オイリオ社製)。
特開2006−64803号公報に記載のポリエステルポリオール、例えばポリエステルポリオールPEO−1(コハク酸と1,4−ブチレングリコールからなるポリエステルポリオール、グリコールの炭素数の平均は3.3、二塩基酸の炭素数は4)、PEO−2
(アジピン酸と1,4−ブチレングリコール及びエチレングリコールからなるポリエステルポリオール、グリコールの炭素数の平均は3.3、二塩基酸の炭素数は6)、特開2006−342227号公報に記載のポリエステル、例えば、PE−1(コハク酸とエチレングリコールからなり、2-エチルヘキシル基で末端を封鎖(停止)したポリエステル)、PE−2(アジピン酸と1,4−ブチレングリコール及びエチレングリコールからなるポリエステル、グリコールの炭素数の平均は3.33、二塩基酸の炭素数は6)、PE−3(アジピン酸及びコハク酸とエチレングリコールからなるポリエステル、グリコールの炭素数の平均は2、二塩基酸の炭素数は4.5)、ポリサイザーW−2640S、ポリサイザーW−305ELS、ポリサイザーP−103、ポリライトOD−X−286、ポリライトOD−X−2251、ポリライトOD−X−2802(大日本インキ社製)、アデカサイザーPN150、アデカサイザーPN170、アデカサイザーPN7120、アデカサイザーPN1010、アデカサイザーPN1430、アデカサイザーPN77(旭電化工業社製)、D643、D633、D620、D671(ジェイ・プラス社製)、コスモール102(日清オイリオ社製)。
本発明の縮重合体の原料からなる低分子エステル化合物は、原料である二塩基酸、グリコール、一価のアルコールまたは一価のカルボン酸から構成される。ここで該低分子エステルは原料となる有機酸、グリコール、および一価アルコールから選ばれる5つ以下の分子で構成される。
6つ以上の分子で構成される成分は、該縮重合体を含有するセルロースアシレートフィルムからなる偏光板の経時性能に対する影響が小さく、5つ以下の分子で構成される低分子エステル化合物の含有量が少ないことが好ましい。さらに好ましくは3つ以下の分子で構成される低分子エステル化合物の含有量が少ないことが好ましい。
具体的には、例えばアジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジノニル、アジピン酸ビス(4-ヒドロキシブチル)、コハク酸ビス(2-ヒドロキシブチル)、コハク酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ビス(5-ヒドロキシ-3-メチルペンチル)等が挙げら
れる。これらの低分子エステルの含有量は縮重合体の晶析や減圧蒸留により、またはこれらを繰り返すことで調整できる。
具体的には、例えばアジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジノニル、アジピン酸ビス(4-ヒドロキシブチル)、コハク酸ビス(2-ヒドロキシブチル)、コハク酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ビス(5-ヒドロキシ-3-メチルペンチル)等が挙げら
れる。これらの低分子エステルの含有量は縮重合体の晶析や減圧蒸留により、またはこれらを繰り返すことで調整できる。
フィルム中の低分子エステル量の測定は、ガスクロマトグラフ等で容易に定量することができる。
本発明の重縮合体の合成は常法によって行われる。例えば、上記二塩基酸とグリコールの直接反応、上記の二塩基酸またはこれらのアルキルエステル類、例えば二塩基酸のメチルエステルとグリコール類とのポリエステル化反応またはエステル交換反応により熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコールとの脱ハロゲン化水素反応の何れかの方法により容易に合成し得るが、質量平均分子量がさほど大きくないポリエステルは直接反応によるのが好ましい。分子量の調節方法は、特に制限なく従来の方法を使用出来る。例えば、重合条件にもよるが、1価の酸または1価のアルコールで分子末端を封鎖する方法により、これらの添加量によりコントロールできる。
本発明の重縮合体の添加量は、セルロースアシレートに対して0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。
本発明の重縮合体は、単独で用いても、2種以上の化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
本発明の重縮合体を添加する時期は、ドープ作製工程中の何れの時期であってもよく、ド
ープ調製工程の最後に行ってもよい。
ープ調製工程の最後に行ってもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、エチレン性不飽和モノマーの重合体を含有することがレターデーションを小さくできる点で好ましい。
本発明におけるエチレン性不飽和モノマーの重合体または有機酸とグリコールとから構成された重縮合体は、Rth(630)が下記数式(3)を満足することが好ましい。
数式(3):|Rth(a)−Rth(0)|/a≧1.0
Rth(a):レターデーション調節剤をa%含有したセルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRth(nm)
Rth(0):レターデーション調節剤を含有しないセルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRth(nm)
a:セルロースアシレート100質量部に対するレターデーション調節剤の質量部であり、その値は0.01≦a≦30の範囲である。
数式(3):|Rth(a)−Rth(0)|/a≧1.0
Rth(a):レターデーション調節剤をa%含有したセルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRth(nm)
Rth(0):レターデーション調節剤を含有しないセルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRth(nm)
a:セルロースアシレート100質量部に対するレターデーション調節剤の質量部であり、その値は0.01≦a≦30の範囲である。
さらに本発明における重合体は、下記数式(3−1)を満足することがより好ましく、数式(3−2)を満足することがさらに好ましい。
数式(3−1):(Rth(a)−Rth(0))/a≦−1.5
数式(3−2):(Rth(a)−Rth(0))/a≦−2.0
なお、Rth(a)、Rth(0)、並びにa及びaの範囲は上記数式(3)で定義したとおりである。
数式(3−1):(Rth(a)−Rth(0))/a≦−1.5
数式(3−2):(Rth(a)−Rth(0))/a≦−2.0
なお、Rth(a)、Rth(0)、並びにa及びaの範囲は上記数式(3)で定義したとおりである。
〔紫外線吸収剤〕
本発明のセルロースアシレートフィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、目的に応じ任意の種類のものを選択することができ、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤を用いることができ、好ましくはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系である。
本発明における紫外線吸収剤は、揮散性の観点から、分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、更に好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合した多量体、オリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、特開平10−182621号公報に示される化合物、または下記化合物(UVT−1〜4)を挙げることができる。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は、25℃において液状であることが好ましい。液状の紫外線吸収剤は、いわゆる常温、1気圧下で液体の紫外線吸収剤である。ここで、「常温で液体」とは25℃において「化学大事典(1963)共立出版」等に定義される如く、一定の形を持たず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものを示す。従って、上記性質を有するものであれば融点は限定されないが、融点30℃以下、特に好ましくは15℃以下である化合物が好ましい。
例えば、液体UV剤(UVT−23L、UVT−28L)を使用した場合、粉体の「チヌビン326(TN326)」に比べて、重合体由来の残存モノマーがあった場合でも偏光板耐久性の透過率変化を小さくすることができる。
液状の紫外線吸収剤は、単一化合物であっても混合物であってもよく、混合物としては、構造異性体群から構成されるものを好ましく用いることができる。
液状の紫外線吸収剤は、上記の条件を満足すればいかなる構造をとることもできるが、紫外線吸収剤自体の光堅牢性の点から下記一般式(1)で表される2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系化合物が特に好ましい。
一般式(1):
一般式(1):
上記一般式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、ニトロ基、又は水酸基を表わす。
ル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、ニトロ基、又は水酸基を表わす。
ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特に塩素原子が好ましい。
アルキル基、アルコキシ基としては、炭素数1〜30のものが好ましく、またアルケニル基としては、炭素数2〜30のものが好ましく、これらの基は直鎖でも分岐でもよい。これらアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基はさらに置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、n−アミル基、s−アミル基、t−アミル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、エイコシル基、α,α−ジメチルベンジル基、オクチルオキシカルボニルエチル基、メトキシ基、エトキシ基、オクチルオキシ基、アリル基等が挙げられる。
アリールオキシ基、アリール基としては、例えばフェニル基、フェニルオキシ基が特に好ましく、置換基を有していてもよい。具体的には、例えばフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−アミルフェニル基等が挙げられる。
R1及びR2で表される基のうち、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基が好ましく、特に水素原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
R3で表される基のうち、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が
好ましいが、さらに水素原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
好ましいが、さらに水素原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
R1、R2及びR3で表される基のうち、常温で液体となるためには、少なくとも1つは
アルキル基であることが好ましく、さらに好ましくは少なくとも2つはアルキル基である。
アルキル基であることが好ましく、さらに好ましくは少なくとも2つはアルキル基である。
アルキル基は如何なるものをとることもできるが、少なくとも1つは第3級アルキル基、又は第2級アルキル基であることが好ましい。特にR1、R2で表されるアルキル基の少なくとも一方が第3級アルキル基、又は第2級アルキル基であることが好ましい。
以下に、本発明に好ましく用いられる液状の紫外線吸収剤の代表的な具体例を示す。
紫外線吸収剤は、吸収波長の異なる複数の吸収剤を複合して用いることが、広い波長範囲で高い遮断効果を得ることができるので好ましい。液晶用紫外線吸収剤は、液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
また、紫外線吸収剤については、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載の化合物も用いることができる。
紫外線吸収剤の添加量は、セルロースアシレートに対し0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。添加量が0.001質量%以上であれば、添加効果が十分に発揮されうるので好ましく、添加量が5質量%以下であればフィルム表面への紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制できるので好ましい。
また紫外線吸収剤は、セルロースアシレート溶解時に同時に添加してもよいし、溶解後のドープに添加してもよい。溶解後のドープに添加することが好ましく、溶解後のドープに添加する場合、スタティックミキサ等を用い、流延直前にドープに紫外線吸収剤溶液を添加する形態が、分光吸収特性を容易に調整することができるので特に好ましい。
〔セルロースアシレートフィルムのレターデーション〕
以下にレターデーションRe及びRthについて詳細に説明する。
本発明において、Re(λ)、Rth(λ)は、それぞれ、波長λにおける正面方向の
レターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。
以下にレターデーションRe及びRthについて詳細に説明する。
本発明において、Re(λ)、Rth(λ)は、それぞれ、波長λにおける正面方向の
レターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。
[レターデーション値の測定]
本発明のセルロースアシレートフィルムのレターデーションの測定方法について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムのレターデーションの測定方法について説明する。
(正面方向のレターデーションRe、膜厚方向のレターデーションRth)
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)はそれぞれ、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)は“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”{王子計測機器(株)製}を用いて、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定する。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)はそれぞれ、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)は“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”{王子計測機器(株)製}を用いて、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定する。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、面内の遅相軸(“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”により判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10°ステップで、それぞれその傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点についてのレターデーション値を測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”が算出する。
Rth(λ)は、面内の遅相軸(“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”により判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10°ステップで、それぞれその傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点についてのレターデーション値を測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”が算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”が算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(4)及び式(5)よりRthを算出することもできる。
数式(4):
数式(4):
上記のRe(θ)は、法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。数式(4)において、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
数式(5):
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、面内の遅相軸(“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”により判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップでそれぞれその傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点についてのレターデーション値を測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”が算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY & SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することがで
きる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。
きる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。
主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、“KOBRA 21ADH”又は“KOBRA WR”はnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明において、光学的異方性(Re、Rth)が小さいセルロースアシレートフィルムとしては、波長630nmにおける正面方向のレターデーションRe及び膜厚方向のレターデーションRthが、それぞれ下記数式(1)及び(2)の範囲を満たすことが好ましい。
数式(1):−25nm≦Rth(630)≦25nm、
数式(2):0nm≦Re(630)≦10nm。
数式(1):−25nm≦Rth(630)≦25nm、
数式(2):0nm≦Re(630)≦10nm。
さらに好ましくは、レターデーションRthおよびReが下記数式(1−1)及び(2−1)の範囲を満たすことであり、特に好ましくは下記数式(1−2)及び(2−2)の範囲を満たすことである。
数式(1−1):−20nm≦Rth(630)≦20nm、
数式(2−1):0nm≦Re(630)≦5nm。
数式(1−2):−15nm≦Rth(630)≦15nm、
数式(2−2):0nm≦Re(630)≦2nm。
数式(1−1):−20nm≦Rth(630)≦20nm、
数式(2−1):0nm≦Re(630)≦5nm。
数式(1−2):−15nm≦Rth(630)≦15nm、
数式(2−2):0nm≦Re(630)≦2nm。
また本発明のセルロースアシレートフィルムの、400nm以上700nm以下の波長範囲において、Rthの変動が25nm以下で且つReの変動が10nm以下であることが好ましく、Rthの変動が20nm以下で且つReの変動が5nm以下であることがさらに好ましく、Rthの変動が15nm以下で且つReの変動が3nm以下であることが特に好ましい。
〔セルロースアシレート〕
[セルロースアシレート原料綿]
本発明に用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
[セルロースアシレート原料綿]
本発明に用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
[セルロースアシレート置換度]
次に上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。
本発明のセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素数が2のアセチル基から炭素数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。
次に上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。
本発明のセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素数が2のアセチル基から炭素数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。
上記のように、本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.50〜3.00であることが望ましい。さらには置換度が2.75〜3.00であることが望ましく、2.85〜3.00であることがより望ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリル基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、又は芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、i−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。最も好ましい基はアセチルである。
上記のセルロースの水酸基に置換するアシル置換基のうちで、実質的にアセチル基/プロピオニル基/ブタノイル基の少なくとも2種類からなる場合においては、その全置換度が2.50〜3.00の場合にセルロースアシレートフィルムの光学的異方性がより好適
に低下できる。より好ましいアシル置換度は2.60〜3.00であり、さらに好ましくは2.65〜3.00である。
に低下できる。より好ましいアシル置換度は2.60〜3.00であり、さらに好ましくは2.65〜3.00である。
上記のセルロースアシレートのアシル置換基が、アセチル基のみからなる場合においては、その全置換度が2.50〜2.95の場合にセルロースアシレートフィルムの光学的異方性がより好適に低下できる。
[セルロースアシレートの重合度]
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で18
0〜700であり、セルロースアシレートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が該上限値以下であれば、セルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなりすぎることがなく、流延によるフィルム作製が容易にできるので好ましい。重合度が該下限値以上であれば、作製したフィルムの強度が低下するなどの不都合が生じないので好ましい。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。この方法は特開平9−95538号公報にも詳細に記載されている。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で18
0〜700であり、セルロースアシレートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が該上限値以下であれば、セルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなりすぎることがなく、流延によるフィルム作製が容易にできるので好ましい。重合度が該下限値以上であれば、作製したフィルムの強度が低下するなどの不都合が生じないので好ましい。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。この方法は特開平9−95538号公報にも詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
さらにセルロースアシレートの低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。
なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造時に使用される際には、セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特には0.7質量%以下の含水率を有するセルロースアシレートである。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており含水率2.5〜5質量%程度が知られている。本発明でこのセルロースアシレートの含水率を好ましい範囲にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になるものであれば特に限定されない。本発明で用いられるこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、置換基、置換度、重合度、分子量分布など前述した範囲であれば、単一で又は異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
〔セルロースアシレートへのその他の添加剤〕
本発明に用いられるセルロースアシレート溶液には、各調製工程において、前記のレターデーション調節剤、紫外線吸収剤などの外に、用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、劣化防止剤、微粒子など)を加えることができ、これらについて以下に説明する。またその添加する時期は、ドープ作製工程において何れでも添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
本発明に用いられるセルロースアシレート溶液には、各調製工程において、前記のレターデーション調節剤、紫外線吸収剤などの外に、用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、劣化防止剤、微粒子など)を加えることができ、これらについて以下に説明する。またその添加する時期は、ドープ作製工程において何れでも添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
[マット剤微粒子]
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/L以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/L以上が好ましく、100〜200g/L以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/L以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/L以上が好ましく、100〜200g/L以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成しており、フィルム中では、1次粒子の凝集体として存在して、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm以上1.5μm以下が好ましく、0.4μm以上1.2μm以下がさらに好ましく、0.6μm以上1.1μm以下が最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、「アエロジルR972」、「アエロジルR972V」、「アエロジルR974」、「アエロジルR812」、「アエロジル200」、「アエロジル200V」、「アエロジル300」、「アエロジルR202」、「アエロジルOX50」、「アエロジルTT600」{以上、日本アエロジル(株)製}などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、「アエロジルR976」及び「アエロジルR811」{以上、日本アエロジル(株)製}の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中では「アエロジル200V」及び「アエロジルR972V」が、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/L以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において、2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るため、微粒子の分散液を調製する際に幾つかの手法が考えられる。例えば、溶媒と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液を予め作製し、この微粒子分散液を、別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。他にも、溶媒に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行い、これを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶媒などと混合して分散するときの、二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤の添加量は1m2当り0.01〜1.0gが好ま
しく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
しく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
使用される溶媒は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶媒を用いることが好ましい。
[可塑剤]
本発明のセルロースアシレートフィルム中には可塑剤を含有してもよい。用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等;フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等;グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等;のセルロースアシレートよりも疎水的なものを単独で用いるか、又は2種類以上を併用するのが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルム中には可塑剤を含有してもよい。用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等;フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等;グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等;のセルロースアシレートよりも疎水的なものを単独で用いるか、又は2種類以上を併用するのが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、以上述べた重合体、紫外線吸収剤の他に、各調製工程において、用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収剤の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。また赤外吸収剤としては、例えば特開2001−194522号公報に記載されたものが使用できる。更に、各素材の添加量は、機能が発現する限りにおいて特に限定されない。またさらに、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよく、例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
〔各化合物添加の比率〕
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、分子量が3000以下の化合物の総量は、セルロースアシレート質量に対して5〜45質量%であることが望ましい。より好ましくは10〜40質量%であり、さらに望ましくは15〜30質量%である。これらの化合物としては、上述したように、レターデーション調節剤、紫外線吸収剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤などであり、分子量としては3000以下が望ましく、2000以下がより望ましく、1000以下がさらに望ましい。これら化合物の総量が該下限値以上であれば、セルロースアシレート単体の性質が出すぎることがないので、例えば温度や湿度の変化に対して光学性能や物理的強度が変動しやすくなるなどの問題が生じない。またこれら化合物の総量が該上限値以下であれば、セルロースアシレートフィルム中に化合物が相溶する限界を超えて、フィルム表面に析出してフィルムが白濁する(フィルムからの泣き出し)などの問題が生じないので、これら化合物は総量として該範囲内で用いることが好ましい。さらにその添加する時期は、ドープ調製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最終工程として、添加剤を添加し調製する工程を行ってもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、分子量が3000以下の化合物の総量は、セルロースアシレート質量に対して5〜45質量%であることが望ましい。より好ましくは10〜40質量%であり、さらに望ましくは15〜30質量%である。これらの化合物としては、上述したように、レターデーション調節剤、紫外線吸収剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤などであり、分子量としては3000以下が望ましく、2000以下がより望ましく、1000以下がさらに望ましい。これら化合物の総量が該下限値以上であれば、セルロースアシレート単体の性質が出すぎることがないので、例えば温度や湿度の変化に対して光学性能や物理的強度が変動しやすくなるなどの問題が生じない。またこれら化合物の総量が該上限値以下であれば、セルロースアシレートフィルム中に化合物が相溶する限界を超えて、フィルム表面に析出してフィルムが白濁する(フィルムからの泣き出し)などの問題が生じないので、これら化合物は総量として該範囲内で用いることが好ましい。さらにその添加する時期は、ドープ調製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最終工程として、添加剤を添加し調製する工程を行ってもよい。
〔セルロースアシレート溶液の有機溶媒〕
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、この方法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として、好ましく用いられる有機溶媒は、炭素数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、及び炭素数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン及び、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトン及びエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、例えばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、この方法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として、好ましく用いられる有機溶媒は、炭素数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、及び炭素数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン及び、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトン及びエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、例えばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
以上、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては、塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としてもよいし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としてもよく、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
その他、本発明のセルロースアシレート溶液及びフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876号公報、特開平12−95877号公報、特開平10−324774号公報、特開平8−152514号公報、特開平10−330538号公報、特開平9−95538号公報、特開平9−95557号公報、特開平10−235664号公報、特開平12−63534号公報、特開平11−21379号公報、特開平10−182853号公報、特開平10−278056号公報、特開平10−279702号公報、特開平10−323853号公報、特開平10−237186号公報、特開平11−60807号公報、特開平11−152342号公報、特開平11−292988号公報、特開平11−60752号公報、特開平11−60752号公報などに記載されている。これらの特許によると、本発明におけるセルロースアシレートに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
〔セルロースアシレートフィルムの製造工程〕
[溶解工程]
本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ溶液)の調製に際して、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解でもよく、また冷却溶解法又は高温溶解方法でもよく、さらにはこれらの組み合わせで実施されてもよい。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、濾過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
[溶解工程]
本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ溶液)の調製に際して、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解でもよく、また冷却溶解法又は高温溶解方法でもよく、さらにはこれらの組み合わせで実施されてもよい。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、濾過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
(ドープ溶液の透明度)
本発明におけるセルロースアシレート溶液である、ドープ溶液(以下、単にドープということがある)の透明度としては、85%以上であることが望ましい。より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上であることが望ましい。本発明においては、セルロースアシレートドープ溶液に含まれる各種の添加剤が、十分に溶解していることを確認する。具体的なドープの透明度の算出方法としては、ドープ溶液を1cm角のガラスセルに注入し、分光光度計“UV−3150“{(株)島津製作所製}を用いて550nmの吸光度を測定した。溶媒のみを予めブランクとして測定しておき、ブランクの吸光度とドープの吸光度との比から、ドープの透明度を算出した。
本発明におけるセルロースアシレート溶液である、ドープ溶液(以下、単にドープということがある)の透明度としては、85%以上であることが望ましい。より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上であることが望ましい。本発明においては、セルロースアシレートドープ溶液に含まれる各種の添加剤が、十分に溶解していることを確認する。具体的なドープの透明度の算出方法としては、ドープ溶液を1cm角のガラスセルに注入し、分光光度計“UV−3150“{(株)島津製作所製}を用いて550nmの吸光度を測定した。溶媒のみを予めブランクとして測定しておき、ブランクの吸光度とドープの吸光度との比から、ドープの透明度を算出した。
[流延、乾燥、巻き取り工程]
次に、本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供される、溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)で調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調整をする。ドープをド
ープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、次いでドープを加圧型ダイの口金(スリット)から、エンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延し、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを、乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して、巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせは、その目的により変わる。本発明のセルロースアシレートフィルムの主な用途としての、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
次に、本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供される、溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)で調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調整をする。ドープをド
ープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、次いでドープを加圧型ダイの口金(スリット)から、エンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延し、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを、乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して、巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせは、その目的により変わる。本発明のセルロースアシレートフィルムの主な用途としての、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの、流延製膜工程上の任意の点における残留溶媒含有率は下記数式(6)で定義される。
数式(6):(Wt−W0)×100/W0
Wt:実測ドープ膜の測定質量。
W0:乾燥終了後、さらに110℃、3時間乾燥したときのフィルム質量。
剥離点における残留溶媒含有率は5〜90質量%の範囲であることが好ましく、また該残留溶媒のうち貧溶媒の含有率が10〜95質量%の範囲であることが好ましい。
数式(6):(Wt−W0)×100/W0
Wt:実測ドープ膜の測定質量。
W0:乾燥終了後、さらに110℃、3時間乾燥したときのフィルム質量。
剥離点における残留溶媒含有率は5〜90質量%の範囲であることが好ましく、また該残留溶媒のうち貧溶媒の含有率が10〜95質量%の範囲であることが好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの延伸処理]
セルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%であることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%であることが好ましい。
延伸方法は、前記の範囲を逸脱しない範囲で公知の方法を用いることができるが、面内の均一性の観点から特にテンター延伸が好ましく用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは少なくとも100cm以上の幅であることが好ましく、全幅のRe値のバラツキが±5nmであることが好ましく、±3nmであることが更に好ましい。また、Rth値のバラツキは±10nmが好ましく、±5nmであることが更に好ましい。また、長さ方向のRe値、およびRth値のバラツキも幅方向のバラツキの範囲内であることが好ましい。
また延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶媒を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶媒量が2〜30質量%で好ましく延伸することができる。この際、フィルムを長手方向に搬送しながら長手方向と直交する方向に延伸して、該フィルムの遅相軸が該フィルムの長尺方向に対して直交するようにすることが好ましい。
延伸温度は、延伸時の残留溶媒量と膜厚によって適当な条件を選ぶことができる。残留溶媒を含む状態で延伸した場合には、延伸後に乾燥させることが好ましい。乾燥方法は前記フィルムの製膜に記載の方法に準じて行うことができる。
[膜厚]
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmがさらに好ましい。また本発明のセルロースアシレートフィルムの、任意に切り出した1m四方のフィルムの厚さの最大値と最小値の差は、厚さの平均値に対し10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより
好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmがさらに好ましい。また本発明のセルロースアシレートフィルムの、任意に切り出した1m四方のフィルムの厚さの最大値と最小値の差は、厚さの平均値に対し10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより
好ましい。
〔セルロースアシレートフィルム物性評価〕
[光学性能]
(高湿度処理後のフィルムの光学性能変化)
本発明のセルロースアシレートフィルムの、環境変化による光学性能の変化については、60℃、90%RHに240時間処理したフィルムのRe及びRthの変化量が15nm以下であることが好ましい。より好ましくは12nm以下であり、10nm以下であることがさらに好ましい。
[光学性能]
(高湿度処理後のフィルムの光学性能変化)
本発明のセルロースアシレートフィルムの、環境変化による光学性能の変化については、60℃、90%RHに240時間処理したフィルムのRe及びRthの変化量が15nm以下であることが好ましい。より好ましくは12nm以下であり、10nm以下であることがさらに好ましい。
(高温度処理後のフィルムの光学性能変化)
また、80℃、240時間処理したフィルムのRe及びRthの変化量は15nm以下であることが好ましい。より好ましくは12nm以下であり、10nm以下であることがさらに好ましい。
また、80℃、240時間処理したフィルムのRe及びRthの変化量は15nm以下であることが好ましい。より好ましくは12nm以下であり、10nm以下であることがさらに好ましい。
(フィルムのRe、Rthの湿度依存性)
本発明のセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレターデーションRthは、湿度による変化が小さいことが好ましい。具体的には下記数式(7)で示される25℃、10%RHにおけるRth値と、25℃、80%RHにおけるRth値の差ΔRthが0〜50nmであることが好ましい。より好ましくは0〜40nmであり、さらに好ましくは0〜35nmである。
数式(7):ΔRth=Rth10%RH−Rth80%RH。
本発明のセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレターデーションRthは、湿度による変化が小さいことが好ましい。具体的には下記数式(7)で示される25℃、10%RHにおけるRth値と、25℃、80%RHにおけるRth値の差ΔRthが0〜50nmであることが好ましい。より好ましくは0〜40nmであり、さらに好ましくは0〜35nmである。
数式(7):ΔRth=Rth10%RH−Rth80%RH。
(セルロースアシレートフィルムのレターデーションの面内ばらつき)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その波長630nmにおけるRe及びRthの値が、下記数式(8)の関係を満たすことが好ましく、下記数式(8−1)の関係を満たすことがさらに好ましい。
数式(8):|Re(630)max−Re(630)min|≦5で且つ|Rth(630)max−Rth(630)min|≦10
数式(8−1):|Re(630)max−Re(630)min|≦3で且つ|Rth(630)max−Rth(630)min|≦5
{式中、Re(630)max、Rth(630)maxは、任意に切り出した1m四方のフィルムの波長630nmにおける最大レターデーション値、Re(630)min、Rth(630)minは波長630nmにおける最小レターデーション値である。}
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その波長630nmにおけるRe及びRthの値が、下記数式(8)の関係を満たすことが好ましく、下記数式(8−1)の関係を満たすことがさらに好ましい。
数式(8):|Re(630)max−Re(630)min|≦5で且つ|Rth(630)max−Rth(630)min|≦10
数式(8−1):|Re(630)max−Re(630)min|≦3で且つ|Rth(630)max−Rth(630)min|≦5
{式中、Re(630)max、Rth(630)maxは、任意に切り出した1m四方のフィルムの波長630nmにおける最大レターデーション値、Re(630)min、Rth(630)minは波長630nmにおける最小レターデーション値である。}
(光弾性係数)
本発明のセルロースアシレートフィルムの光弾性係数は、50×10-13cm2/dyne以下であることが好ましい。30×10-13cm2/dyne以下であることがより好ましく、20×10-13cm2/dyne以下であることがさらに好ましい。具体的な測定方法としては、セルロースアシレートフィルム試料12mm×120mmの長軸方向に対して引張応力をかけ、その際のレターデーションをエリプソメーター"M150"{日本分光(株)製}で測定し、応力に対するレターデーションの変化量から光弾性係数を算出した。
本発明のセルロースアシレートフィルムの光弾性係数は、50×10-13cm2/dyne以下であることが好ましい。30×10-13cm2/dyne以下であることがより好ましく、20×10-13cm2/dyne以下であることがさらに好ましい。具体的な測定方法としては、セルロースアシレートフィルム試料12mm×120mmの長軸方向に対して引張応力をかけ、その際のレターデーションをエリプソメーター"M150"{日本分光(株)製}で測定し、応力に対するレターデーションの変化量から光弾性係数を算出した。
(フィルムのヘイズ)
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、ヘイズが0.01〜2%であるのが好ましい。ここで、ヘイズは、以下のようにして測定できる。
ヘイズの測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料40mm×80mmを、25℃60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定する。
試料40mm×80mmを、25℃60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K6714に従って測定した
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、ヘイズが0.01〜2%であるのが好ましい。ここで、ヘイズは、以下のようにして測定できる。
ヘイズの測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料40mm×80mmを、25℃60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定する。
試料40mm×80mmを、25℃60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K6714に従って測定した
(分光特性、分光透過率)
セルロースアシレートフィルムの試料13mm×40mmを、25℃、60%RHで分光光度計"U−3210"{(株)日立製作所}にて、波長300〜450nmにおける透過率を測定した。傾斜幅は72%の波長−5%の波長で求めた。限界波長は、(傾斜幅/2)+5%の波長で表した。吸収端は、透過率0.4%の波長で表す。これより380nm及び350nmの透過率を評価した。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、波長400nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムの試料13mm×40mmを、25℃、60%RHで分光光度計"U−3210"{(株)日立製作所}にて、波長300〜450nmにおける透過率を測定した。傾斜幅は72%の波長−5%の波長で求めた。限界波長は、(傾斜幅/2)+5%の波長で表した。吸収端は、透過率0.4%の波長で表す。これより380nm及び350nmの透過率を評価した。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、波長400nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
[物理的特性]
(フィルムのガラス転移温度Tg)
ガラス転移温度(Tg)の測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料10mgを、常温から200℃まで昇降温速度5℃/分で示差走査熱量計“DSC2910”(T.A.インスツルメント社製)で熱量測定を行い、ガラス転移温度(Tg)を算出した。
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度(Tg)は、80〜165℃であることが好ましい。耐熱性の観点から、Tgが100〜160℃であることがより好ましく、110〜150℃であることが特に好ましい。
(フィルムのガラス転移温度Tg)
ガラス転移温度(Tg)の測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料10mgを、常温から200℃まで昇降温速度5℃/分で示差走査熱量計“DSC2910”(T.A.インスツルメント社製)で熱量測定を行い、ガラス転移温度(Tg)を算出した。
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度(Tg)は、80〜165℃であることが好ましい。耐熱性の観点から、Tgが100〜160℃であることがより好ましく、110〜150℃であることが特に好ましい。
(フィルムの平衡含水率)
本発明のセルロースアシレートフィルムの平衡含水率は、偏光板の保護膜として用いる際、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、25℃、80%RHにおける平衡含水率が、0〜4%であることが好ましい。0.1〜3.5%であることがより好ましく、1〜3%であることが特に好まし
い。平衡含水率が4%以下であれば、光学補償フィルムの支持体として用いる際に、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなりすぎることがなく好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
本発明のセルロースアシレートフィルムの平衡含水率は、偏光板の保護膜として用いる際、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、25℃、80%RHにおける平衡含水率が、0〜4%であることが好ましい。0.1〜3.5%であることがより好ましく、1〜3%であることが特に好まし
い。平衡含水率が4%以下であれば、光学補償フィルムの支持体として用いる際に、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなりすぎることがなく好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
(フィルムの透湿度)
フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、60℃、95%RHの条件において測定し、膜厚80μmに換算することによって求められる。
透湿度は、セルロースアシレートフィルムの膜厚が厚ければ小さくなり、膜厚が薄ければ大きくなる。そこでどのような膜厚のサンプルでも、基準を80μmに設け換算する必要がある。膜厚の換算は、下記数式(9)に従って行うことができる。
数式(9):80μm換算の透湿度=実測の透湿度×実測の膜厚(μm)/80(μm)。
フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、60℃、95%RHの条件において測定し、膜厚80μmに換算することによって求められる。
透湿度は、セルロースアシレートフィルムの膜厚が厚ければ小さくなり、膜厚が薄ければ大きくなる。そこでどのような膜厚のサンプルでも、基準を80μmに設け換算する必要がある。膜厚の換算は、下記数式(9)に従って行うことができる。
数式(9):80μm換算の透湿度=実測の透湿度×実測の膜厚(μm)/80(μm)。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁「蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)」に記載の方法を適用することができる。
具体的には、本発明のセルロースアシレートフィルム試料70mmφを、60℃、95%RHで24時間調湿し、透湿試験装置"KK−709007"{東洋精機(株)製}にて、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2)し、下記数式(10)に従って求めた。
数式(10):透湿度=調湿後質量−調湿前質量
具体的には、本発明のセルロースアシレートフィルム試料70mmφを、60℃、95%RHで24時間調湿し、透湿試験装置"KK−709007"{東洋精機(株)製}にて、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2)し、下記数式(10)に従って求めた。
数式(10):透湿度=調湿後質量−調湿前質量
本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度は、400〜2000g/m2・24hであることが好ましい。500〜1800g/m2・24hであることがより好ましく、600〜1600g/m2・24hであることが特に好ましい。透湿度が2000g/m2・24h以内であれば、フィルムのRe値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超えるなどの不都合が生じることがなく、また、本発明のセルロースアシレートフィルムに光学異方性層を積層して光学補償フィルムとした場合も、Re値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超えることがないので好ましい。さらにこのようなフィルムを用いて作製された光学補償シートや偏光板が液晶表示装置に組み込まれた場合、色味の変化や視野角の低下を引き起こすことがないので好ましい。一方、セルロースアシレートフィルムの透湿度が400g/m2・24h以上であれば、偏光子
の両面などに貼り付けて偏光板を作製する場合に、セルロースアシレートフィルムにより接着剤の乾燥が妨げられることがなく、優れた接着性を発揮するので好ましい。
の両面などに貼り付けて偏光板を作製する場合に、セルロースアシレートフィルムにより接着剤の乾燥が妨げられることがなく、優れた接着性を発揮するので好ましい。
(フィルムの寸度変化)
本発明のセルロースアシレートフィルムの寸度安定性は、60℃、90%RHの条件下に24時間静置した場合(高湿)の寸度変化率、及び90℃、5%RHの条件下に24時間静置した場合(高温)の寸度変化率が、いずれも0.5%以下であることが好ましい。
より好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.15%以下である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの寸度安定性は、60℃、90%RHの条件下に24時間静置した場合(高湿)の寸度変化率、及び90℃、5%RHの条件下に24時間静置した場合(高温)の寸度変化率が、いずれも0.5%以下であることが好ましい。
より好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.15%以下である。
具体的な測定方法としては、セルロースアシレートフィルム試料30mm×120mmを2枚用意し、25℃、60%RHで24時間調湿し、自動ピンゲージ{新東科学(株)製}にて、両端に6mmφの穴を100mmの間隔で開け、パンチ間隔の原寸(L0)と
した。1枚の試料を60℃、90%RHにて24時間処理した後のパンチ間隔の寸法(L1)を測定、もう1枚の試料を90℃、5%RHにて24時間処理した後のパンチ間隔の
寸法(L2)を測定した。全ての間隔の測定において最小目盛り1/1000mmまで測
定し、下記数式(11)及び(12)に従って寸度変化率を求めた。
数式(11):60℃、90%RH(高湿)の寸度変化率={|L0−L1|/L0}×100、
数式(12):90℃、5%RH(高温)の寸度変化率={|L0−L2|/L0}×100。
した。1枚の試料を60℃、90%RHにて24時間処理した後のパンチ間隔の寸法(L1)を測定、もう1枚の試料を90℃、5%RHにて24時間処理した後のパンチ間隔の
寸法(L2)を測定した。全ての間隔の測定において最小目盛り1/1000mmまで測
定し、下記数式(11)及び(12)に従って寸度変化率を求めた。
数式(11):60℃、90%RH(高湿)の寸度変化率={|L0−L1|/L0}×100、
数式(12):90℃、5%RH(高温)の寸度変化率={|L0−L2|/L0}×100。
(フィルムの弾性率)
本発明のセルロースアシレートフィルムの弾性率は、200〜500kgf/mm2であることが好ましい、より好ましくは240〜470kgf/mm2であり、さらに好ましくは270〜440kgf/mm2である。具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機"STM T50BP"を用い、23℃、70%RH雰囲気中、引張速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。
本発明のセルロースアシレートフィルムの弾性率は、200〜500kgf/mm2であることが好ましい、より好ましくは240〜470kgf/mm2であり、さらに好ましくは270〜440kgf/mm2である。具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機"STM T50BP"を用い、23℃、70%RH雰囲気中、引張速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。
[フィルム表面の性状]
本発明のセルロースアシレートフィルムの表面は、JIS B0601−1994に基づく該フィルムの表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以下、及び最大高さ(Ry)が1μm以下であることが好ましい。好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以下、及び最大高さ(Ry)が0.5μm以下であり、最も好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.03μm以下、及び最大高さ(Ry)が0.3μm以下である。膜表面の凹と凸の形状は、原子間力顕微鏡(AFM)により評価することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの表面は、JIS B0601−1994に基づく該フィルムの表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以下、及び最大高さ(Ry)が1μm以下であることが好ましい。好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以下、及び最大高さ(Ry)が0.5μm以下であり、最も好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.03μm以下、及び最大高さ(Ry)が0.3μm以下である。膜表面の凹と凸の形状は、原子間力顕微鏡(AFM)により評価することができる。
[フィルムの化合物保留性]
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、フィルムに添加された可塑剤、紫
外線吸収剤などの各種化合物の保留性が要求される。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、フィルムに添加された可塑剤、紫
外線吸収剤などの各種化合物の保留性が要求される。
(フィルム高温高湿処理後の化合物保留性)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、80℃、90%RHの条件下に48時間静置した場合の質量変化が、0〜5%であるのが好ましい。より好ましくは0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜2%である。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、80℃、90%RHの条件下に48時間静置した場合の質量変化が、0〜5%であるのが好ましい。より好ましくは0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜2%である。
(保留性の評価方法)
セルロースアシレートフィルム試料を10cm×10cmのサイズに断裁し、23℃、55%RHの雰囲気下で24時間放置後の質量を測定して、次いで80±5℃、90±10%RHの条件下で48時間放置した。処理後の試料の表面を軽く拭き、23℃、55%RHで1日放置後の質量を測定して、下記数式(13)に従って高温高湿処理後の化合物の保留性を計算した。
数式(13):高温高湿処理後の化合物保留性(質量%)={(放置前の質量−放置後の質量)/放置前の質量}×100
セルロースアシレートフィルム試料を10cm×10cmのサイズに断裁し、23℃、55%RHの雰囲気下で24時間放置後の質量を測定して、次いで80±5℃、90±10%RHの条件下で48時間放置した。処理後の試料の表面を軽く拭き、23℃、55%RHで1日放置後の質量を測定して、下記数式(13)に従って高温高湿処理後の化合物の保留性を計算した。
数式(13):高温高湿処理後の化合物保留性(質量%)={(放置前の質量−放置後の質量)/放置前の質量}×100
[フィルムの力学特性]
(カール)
本発明のセルロースアシレートフィルムの幅方向のカール値は、−10/m〜+10/mであることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、後述する表面処理、光学異方性層を塗設する際の、ラビング処理の実施や配向膜、光学異方性層の塗設や貼合などを長尺で行う際に、該フィルムの幅方向のカール値が上記の範囲内であれば、フィルムのハンドリングに支障をきたしてフィルムの切断が起きるなどの問題が生じることがない。また、フィルムのエッジや中央部などで、フィルムが搬送ロールと強く接触して発塵し、フィルム上への異物付着が増加して、光学補償フィルムの点欠陥や塗布スジの頻度が許容値を超えるなどの問題も生じることがない。さらにカールを上記の範囲とすることで光学異方性層を設置するときに発生しやすい色斑故障を低減できるほか、偏光子貼り合せ時に気泡が入ることを防ぐことができるので好ましい。
(カール)
本発明のセルロースアシレートフィルムの幅方向のカール値は、−10/m〜+10/mであることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、後述する表面処理、光学異方性層を塗設する際の、ラビング処理の実施や配向膜、光学異方性層の塗設や貼合などを長尺で行う際に、該フィルムの幅方向のカール値が上記の範囲内であれば、フィルムのハンドリングに支障をきたしてフィルムの切断が起きるなどの問題が生じることがない。また、フィルムのエッジや中央部などで、フィルムが搬送ロールと強く接触して発塵し、フィルム上への異物付着が増加して、光学補償フィルムの点欠陥や塗布スジの頻度が許容値を超えるなどの問題も生じることがない。さらにカールを上記の範囲とすることで光学異方性層を設置するときに発生しやすい色斑故障を低減できるほか、偏光子貼り合せ時に気泡が入ることを防ぐことができるので好ましい。
カール値は、アメリカ国家規格協会の規定する測定方法(ANSI/ASCPH1.29−1985)に従い測定することができる。例えば曲率半径を表示したカール板で測ることができる
(引裂き強度)
フィルムの裂き強度は、JIS K7128−2:1998の引裂き試験方法に基づき、試料片50mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機(東洋精機製作所製)を用いて測定できる。(エルメンドルフ引裂き法)
本発明のセルロースアシレートフィルムの引裂き強度は、本発明のフィルムの膜厚が20〜80μmの範囲において、2g以上が好ましい。より好ましくは、5〜25gであり、更には6〜25gである。また、60μm換算で8g以上が好ましく、より好ましくは8〜15gである。
フィルムの裂き強度は、JIS K7128−2:1998の引裂き試験方法に基づき、試料片50mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機(東洋精機製作所製)を用いて測定できる。(エルメンドルフ引裂き法)
本発明のセルロースアシレートフィルムの引裂き強度は、本発明のフィルムの膜厚が20〜80μmの範囲において、2g以上が好ましい。より好ましくは、5〜25gであり、更には6〜25gである。また、60μm換算で8g以上が好ましく、より好ましくは8〜15gである。
[フィルムの残留溶媒量]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その製膜に際して、フィルムに対する残留溶媒量が、0.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。本発明のセルロースアシレートフィルムを、反射防止フィルムや光学補償フィルムなどの透明支持体としてもちいるとき、その残留溶媒量は、1.5%以下とすることでカールを抑制できる。1.0質量%以下であることがよ
り好ましい。これは、前述のドープを用いた流延法(ソルベントキャスト法)による成膜時の残留溶媒量を少なくすることで、自由堆積が小さくなることが主要な効果要因になるためと思われる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その製膜に際して、フィルムに対する残留溶媒量が、0.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。本発明のセルロースアシレートフィルムを、反射防止フィルムや光学補償フィルムなどの透明支持体としてもちいるとき、その残留溶媒量は、1.5%以下とすることでカールを抑制できる。1.0質量%以下であることがよ
り好ましい。これは、前述のドープを用いた流延法(ソルベントキャスト法)による成膜時の残留溶媒量を少なくすることで、自由堆積が小さくなることが主要な効果要因になるためと思われる。
[フィルムの吸湿膨張係数]
吸湿膨張係数の測定は、25℃、80%RH下に2時間以上放置したフィルムの寸法を、「ピンゲージEF−PH」{ミツトヨ(株)製}を用いて測定値した値L80と、25℃、10%RH下に2時間以上放置したフィルムの寸法を同様に測定した値L10とから、下記の数式(14)により求めた。
数式(14):吸湿膨張係数=(L10−L80)/L10/(80−10)[単位:(%RH)-1]
吸湿膨張係数の測定は、25℃、80%RH下に2時間以上放置したフィルムの寸法を、「ピンゲージEF−PH」{ミツトヨ(株)製}を用いて測定値した値L80と、25℃、10%RH下に2時間以上放置したフィルムの寸法を同様に測定した値L10とから、下記の数式(14)により求めた。
数式(14):吸湿膨張係数=(L10−L80)/L10/(80−10)[単位:(%RH)-1]
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料長の変化割合を示す。
本発明のセルロースアシレートフィルムの吸湿膨張係数は30×10-5/%RH以下とすることが好ましい。吸湿膨張係数は、15×10-5/%RH以下とすることが好ましく、10×10-5/%RH以下であることがさらに好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。また機械方向と垂直方向とで吸湿膨張係数がほぼ同等になることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの吸湿膨張係数は30×10-5/%RH以下とすることが好ましい。吸湿膨張係数は、15×10-5/%RH以下とすることが好ましく、10×10-5/%RH以下であることがさらに好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。また機械方向と垂直方向とで吸湿膨張係数がほぼ同等になることが好ましい。
[表面処理]
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。セルロースアシレートフィルムの表面処理には、例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。セルロースアシレートフィルムの表面処理には、例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。
ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
(鹸化処理)
本発明のセルロースアシレートフィルムを、偏光板の透明保護フィルムとして用いる場合の表面処理の有効な手段の1つとして、アルカリ鹸化処理が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムを、偏光板の透明保護フィルムとして用いる場合の表面処理の有効な手段の1つとして、アルカリ鹸化処理が挙げられる。
以下、アルカリ鹸化処理を具体的に説明する。
セルロースアシレートフィルムのアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
セルロースアシレートフィルムのアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面の接触角が55°以下であることが好ましい。より好ましくは50°以下であり、45°以下であることがさらに好ましい。接触角の評価法は、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面に直径3mmの水滴を落とし、フィルム表面と水滴のなす角をもとめる通常の手法によって親疎水性の評価として用いることができる。
一般に、固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、及び吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアシレートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
(フィルム表面を鹸化処理する前と鹸化処理した後におけるRe、Rth値の変化)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルム表面をアルカリ溶液で鹸化処理する前と後の、波長630nmにおけるRe、Rth値の変化が、下記数式(15)の関係を満たすことが好ましく、数式(15−1)の関係を満たすことがより好ましく、数式(15−2)の関係を満たすことがさらに好ましい。
数式(15):|Re(630)F−Re(630)S|≦10で、且つ|Rth(630)F−Rth(630)S|≦20、
数式(15−1):|Re(630)F−Re(630)S|≦8で、且つ|Rth(630)F−Rth(630)S|≦15、
数式(15−2):|Re(630)F−Re(630)S|≦5で、且つ|Rth(630)F−Rth(630)S|≦10。
上記式中、Re(630)Fはアルカリ溶液で鹸化する前の波長630nmにおけるRe、Re(630)Sはアルカリ溶液で鹸化した後の波長630nmにおけるReを表し、Rth(630)Fはアルカリ溶液で鹸化する前の波長630nmにおけるRth、Rth(630)Sはアルカリ溶液で鹸化した後の波長630nmにおけるRthを表す。
上記の範囲内であれば、保護フィルムの光学性能に遜色なく、偏光板、光学補償フィルム、液晶表示装置に適用した際に、光り漏れがなく好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルム表面をアルカリ溶液で鹸化処理する前と後の、波長630nmにおけるRe、Rth値の変化が、下記数式(15)の関係を満たすことが好ましく、数式(15−1)の関係を満たすことがより好ましく、数式(15−2)の関係を満たすことがさらに好ましい。
数式(15):|Re(630)F−Re(630)S|≦10で、且つ|Rth(630)F−Rth(630)S|≦20、
数式(15−1):|Re(630)F−Re(630)S|≦8で、且つ|Rth(630)F−Rth(630)S|≦15、
数式(15−2):|Re(630)F−Re(630)S|≦5で、且つ|Rth(630)F−Rth(630)S|≦10。
上記式中、Re(630)Fはアルカリ溶液で鹸化する前の波長630nmにおけるRe、Re(630)Sはアルカリ溶液で鹸化した後の波長630nmにおけるReを表し、Rth(630)Fはアルカリ溶液で鹸化する前の波長630nmにおけるRth、Rth(630)Sはアルカリ溶液で鹸化した後の波長630nmにおけるRthを表す。
上記の範囲内であれば、保護フィルムの光学性能に遜色なく、偏光板、光学補償フィルム、液晶表示装置に適用した際に、光り漏れがなく好ましい。
なお本発明での具体的なアルカリ鹸化処理とは、特に断りのない限りは、10cm×10cmのフィルムサンプルを55℃、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、30℃で0.05mol/Lの硫酸溶液で中和し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、100℃で乾燥する手順をいう。
[耐光性]
本発明のセルロースアシレートフィルムの光耐久性の指標として、スーパーキセノン光を200時間照射したフィルムのRth値の変動を測定した。キセノン光照射は、セルロースアシレートフィルム単体で、スーパーキセノンウェザーメーター"SX−75"{スガ試験機(株)製、60℃、50%RH条件}にて、キセノン光を25万Lxで200時間照射した。所定時間の経過後、フィルムを恒温槽から取り出し、上記と同様に調湿を行った後、測定した。
本発明のセルロースアシレートフィルムの光耐久性の指標として、スーパーキセノン光を200時間照射したフィルムのRth値の変動を測定した。キセノン光照射は、セルロースアシレートフィルム単体で、スーパーキセノンウェザーメーター"SX−75"{スガ試験機(株)製、60℃、50%RH条件}にて、キセノン光を25万Lxで200時間照射した。所定時間の経過後、フィルムを恒温槽から取り出し、上記と同様に調湿を行った後、測定した。
また、光耐久性の指標として色差ΔE*a*b*を用いてもよく、上記と同様の条件でス
ーパーキセノン光を照射し、その前後の色差ΔE*a*b*が20以下であることが好まし
い。より好ましくは18以下であり、15以下であることがさらに好ましい。
ーパーキセノン光を照射し、その前後の色差ΔE*a*b*が20以下であることが好まし
い。より好ましくは18以下であり、15以下であることがさらに好ましい。
色差の測定には、"UV3100"{(株)島津製作所製}を用いた。測定の仕方は、フィルムを25℃、60%RHに2時間以上調湿した後に、キセノン光照射前のフィルムのカラー測定を行い、初期値(L0 *、a0 *、b0 *)を求めた。その後、フィルム単体で、60℃、50%RH条件にてキセノン光を照射し、所定時間の経過後、フィルムを恒温槽から取り出し、25℃、60%RHに2時間調湿した後に、再びカラー測定を行い、照射経時後の値(L1 *、a1 *、b1 *)を求めた。これらから、下記数式(16)に従って色差ΔE*a*b*を求めた。
数式(16):ΔE*a*b*=[(L0 *−L1 *)2+(a0 *−a1 *)2+(b0 *−b1 *)2]1/2。
数式(16):ΔE*a*b*=[(L0 *−L1 *)2+(a0 *−a1 *)2+(b0 *−b1 *)2]1/2。
上記試験は、前記と同様の条件でスーパーキセノン光を照射し、照射前と後のセルロースアシレートフィルムを、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いてレターデーション調節剤などの化合物を抽出し、高速液体クロマトグラフィーにて検出・定量を行った。なお本発明における耐光性の試験には、同様の加速試験であるカーボンアーク照射を用いてもよい。
<セルロースアシレートフィルムの用途>
〔光学用途〕
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その用途として光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途として液晶表示装置に用いられることが好ましい。液晶表示装置は、一般に2枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された2枚の偏光板を配置した構成であり、本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板の保護フィルムとして、または、後述する機能層を付与して液晶表示装置に用いることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VA及びHANが好ましい。
〔光学用途〕
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その用途として光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途として液晶表示装置に用いられることが好ましい。液晶表示装置は、一般に2枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された2枚の偏光板を配置した構成であり、本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板の保護フィルムとして、または、後述する機能層を付与して液晶表示装置に用いることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VA及びHANが好ましい。
[機能層]
上記のような光学用途に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いる場合、該フィルムには各種の機能層を設けることが可能である。機能層としては、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層等が挙げられ、これらの機能層には、界面活性剤、滑り剤、マット剤、フィラー、染料等を添加することができる。本発明の透明フィルムに適用できる機能層としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に記載のものが挙げられる。
また、その他の用途として用いる場合にも、下塗層、バック層等の機能層を透明フィルムに設けてもよい。
上記のような光学用途に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いる場合、該フィルムには各種の機能層を設けることが可能である。機能層としては、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層等が挙げられ、これらの機能層には、界面活性剤、滑り剤、マット剤、フィラー、染料等を添加することができる。本発明の透明フィルムに適用できる機能層としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に記載のものが挙げられる。
また、その他の用途として用いる場合にも、下塗層、バック層等の機能層を透明フィルムに設けてもよい。
[用途(偏光板)]
本発明のセルロースアシレートフィルムの用途について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は、特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムはその表面をアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬・延伸して作製した偏光子の両面に、完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液などを用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの用途について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は、特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムはその表面をアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬・延伸して作製した偏光子の両面に、完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液などを用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は、偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは、偏光板出荷時、製品検査時等におい
て偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられ、またセパレートフィルムは、液晶セルへ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
て偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられ、またセパレートフィルムは、液晶セルへ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には、通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明のセルロースアシレートフィルムを適用した偏光板保護フィルムは、どの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に、液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには、透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが得に好ましい。
[用途(光学補償フィルム)]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体として用いると特に効果がある。なお、光学補償フィルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フィルムは複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体として用いると特に効果がある。なお、光学補償フィルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フィルムは複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。
従って本発明のセルロースアシレートフィルムを、液晶表示装置の光学補償フィルムに用いる場合、併用する光学異方性層のRe及びRthは、Re=0〜200nmで且つ|Rth|=0〜400nmであることが好ましく、この範囲であればどのような光学異方性層でもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムが使用される液晶表示装置の、液晶セルの光学性能や駆動方式は、特に制限されず、光学補償フィルムとして要求される、どのような光学異方性層も併用することができる。併用される光学異方性層としては、液晶性化合物を含有する組成物から形成してもよいし、複屈折を持つポリマーフィルムから形成してもよい。
(液晶性化合物を含有してなる光学異方性層)
光学異方性層として液晶性化合物を含有してなるものを用いる場合、液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物又は棒状液晶性化合物が好ましい。
光学異方性層として液晶性化合物を含有してなるものを用いる場合、液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物又は棒状液晶性化合物が好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物)
本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物の例には、様々な文献[C.Destradeらの“Mol.Crysr.Liq.Cryst.”,71巻,p.111(1981年);日本化学会編「季刊化学総説」第22号「液晶の化学」第5章、第10章第2節(1994年);B.Kohneらの“Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.”,p.1794(1985年);J.Zhangらの“J.Am.Chem.Soc.”,116巻,p.2655(1994年)]に記載の化合物が含まれる。
本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物の例には、様々な文献[C.Destradeらの“Mol.Crysr.Liq.Cryst.”,71巻,p.111(1981年);日本化学会編「季刊化学総説」第22号「液晶の化学」第5章、第10章第2節(1994年);B.Kohneらの“Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.”,p.1794(1985年);J.Zhangらの“J.Am.Chem.Soc.”,116巻,p.2655(1994年)]に記載の化合物が含まれる。
光学異方性層において、ディスコティック液晶性化合物の分子は、配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。重合性基を有するディスコティック液晶性化合物について、特開2001−4387号公報に開示されている。
(棒状液晶性化合物)
本発明において、使用可能な棒状液晶性化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。
本発明において、使用可能な棒状液晶性化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。
光学異方性層において、棒状液晶性化合物の分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。本発明に使用可能な重合性棒状液晶性化合物の例には、“Makromol.Chem.”,190巻、2255頁(1989年)、“Advanced Materials”,5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同第5622648号明細書、同第5770107号明細書、国際公開第95/22586号パンフレット、同第95/24455号パンフレット、同第97/00600号パンフレット、同第98/23580号パンフレット、同第98/52905号パンフレット、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。
(ポリマーフィルムからなる光学異方性層)
前記した様に、本発明における光学異方性層は、ポリマーフィルムから形成してもよい。ポリマーフィルムは、光学的異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなど)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル及びセルロースエステル(例えば、セルローストリアセーテート、セルロースジアセテートなど)が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体又はポリマー混合物を用いてもよい。
前記した様に、本発明における光学異方性層は、ポリマーフィルムから形成してもよい。ポリマーフィルムは、光学的異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなど)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル及びセルロースエステル(例えば、セルローストリアセーテート、セルロースジアセテートなど)が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体又はポリマー混合物を用いてもよい。
ポリマーフィルムの光学的異方性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸又は二軸延伸であることが好ましい。具体的には、2つ以上のロールの周速差を利用した縦一軸延伸、又はポリマーフィルムの両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸、これらを組み合わせての二軸延伸が好ましい。なお、2枚以上のポリマーフィルムを用いて、2枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ポリマーフィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜100μmであることが最も好ましい。
また、光学異方性層を形成するポリマーフィルムとして、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドポリエステルイミド、及びポリアリールエーテルケトン、からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマー材料を用い、これを溶媒に溶解した溶液を基材に塗布し、溶媒を乾燥させてフィルム化する方法も好ましく用いることができる。
この際、これらのポリマーフィルムと基材とを延伸して光学的異方性を発現させ、光学異方性層として用いる手法も好ましく用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムは、この場合の基材として好ましく用いることができる。また、これらポリマーフィルムを別の基材の上で作製しておき、そのポリマーフィルムを基材から剥離させたのちに、本発明のセルロースアシレートフィルムと貼合して、光学異方性層として用いることも好ましい。この手法ではポリマーフィルムの厚さを薄くすることができ、その厚さは50μm以下であることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
[一般的な液晶表示装置の構成]
セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムに用いる場合は、偏光素子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、2枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された2枚の偏光素子、及び該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも1枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムに用いる場合は、偏光素子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、2枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された2枚の偏光素子、及び該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも1枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、2枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
(液晶表示装置の種類)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(TN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとして用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(“Jpn.J.Appl.Phys.”,36巻(1997年)p.143及びp.1068)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとして用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(“Jpn.J.Appl.Phys.”,36巻(1997年)p.143及びp.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体して用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性化合物の分子が90〜360゜の範囲にねじられており、棒状液晶性化合物の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δn・d)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体して用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性化合物の分子が90〜360゜の範囲にねじられており、棒状液晶性化合物の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δn・d)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体として用いてもよい。VA型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムのレターデーション値Reを0〜150nmとし、レターデーション値Rthを70〜400nmとすることが好ましい。レターデーション値Reは、20〜7
0nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に2枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのレターデーション値Reは70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのレターデーション値Rthは150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体として用いてもよい。VA型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムのレターデーション値Reを0〜150nmとし、レターデーション値Rthを70〜400nmとすることが好ましい。レターデーション値Reは、20〜7
0nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に2枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのレターデーション値Reは70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのレターデーション値Rthは150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(IPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモード及びECBモードの液晶セルを有する、IPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体、又は偏光板の保護フィルムとしても特に有利に用いられる。これらのモードは、黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で、液晶分子を基板面に対して平行配向させて黒表示する。これらの態様において、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は、色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護フィルムのうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護フィルム(セル側の保護フィルム)に、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を、少なくとも液晶セルの片側に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモード及びECBモードの液晶セルを有する、IPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体、又は偏光板の保護フィルムとしても特に有利に用いられる。これらのモードは、黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で、液晶分子を基板面に対して平行配向させて黒表示する。これらの態様において、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は、色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護フィルムのうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護フィルム(セル側の保護フィルム)に、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を、少なくとも液晶セルの片側に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
(OCB型液晶表示装置及びHAN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置又はHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムには、レターデーションの絶対値が最小となるような方向が、光学補償フィルムの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムの光学的性質も、光学異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質及び光学異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文{“Jpn.J.Appl.Phys.”,38巻(1999年)p.2837}に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置又はHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムには、レターデーションの絶対値が最小となるような方向が、光学補償フィルムの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムの光学的性質も、光学異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質及び光学異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文{“Jpn.J.Appl.Phys.”,38巻(1999年)p.2837}に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償フィルムにも有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償フィルムにも有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有する、ASM型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)らの論文{Kume et al.,“SID 98 Digest 1089”,(1998年)}に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有する、ASM型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)らの論文{Kume et al.,“SID 98 Digest 1089”,(1998年)}に記載がある。
[ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、またハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面又は両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れか又はそれらの全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムを好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、またハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面又は両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れか又はそれらの全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムを好ましく用いることができる。
[写真フィルム支持体]
さらに本発明のセルロースアシレートフィルムは、ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としても適用でき、該写真感光材料の特許明細書に記載されている各種の素材や処方、さらには処理方法が適用できる。それらの技術については、特開2000−105445号公報に、カラーネガティブに関する記載が詳細に挙げられており、本発明のセルロースアシレートフィルムが好ましく用いられる。またカラー反転ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としての適用も好ましく、特開平11−282119号公報に記載されている各種の素材や処方さらには処理方法が適用できる。
さらに本発明のセルロースアシレートフィルムは、ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としても適用でき、該写真感光材料の特許明細書に記載されている各種の素材や処方、さらには処理方法が適用できる。それらの技術については、特開2000−105445号公報に、カラーネガティブに関する記載が詳細に挙げられており、本発明のセルロースアシレートフィルムが好ましく用いられる。またカラー反転ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としての適用も好ましく、特開平11−282119号公報に記載されている各種の素材や処方さらには処理方法が適用できる。
[液晶セルの透明基板]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学的異方性がゼロに近く、優れた透明性を持っていることから、液晶表示装置の液晶セルガラス基板の代替、すなわち駆動液晶を封入する透明基板としても用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学的異方性がゼロに近く、優れた透明性を持っていることから、液晶表示装置の液晶セルガラス基板の代替、すなわち駆動液晶を封入する透明基板としても用いることができる。
液晶を封入する透明基板は、ガスバリアー性に優れる必要があることから、必要に応じて、本発明のセルロースアシレートフィルムの表面にガスバリアー層を設けてもよい。ガスバリアー層の形態や材質は特に限定されないが、本発明のセルロースアシレートフィルムの少なくとも片面に、SiO2等を蒸着したり、又は塩化ビニリデン系ポリマーやビニ
ルアルコール系ポリマーなど、相対的にガスバリアー性の高いポリマーのコート層を設けたりする方法が考えられ、これらを適宜使用できる。
ルアルコール系ポリマーなど、相対的にガスバリアー性の高いポリマーのコート層を設けたりする方法が考えられ、これらを適宜使用できる。
また液晶を封入する透明基板として用いるには、電圧印加によって液晶を駆動するための透明電極を設けてもよい。透明電極は、特に限定されないが、本発明のセルロースアシレートフィルムの少なくとも片面に、金属膜、金属酸化物膜などを積層することによって形成することができる。中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましく、特に酸化スズを主成分とし、酸化亜鉛を2〜15質量%含む酸化インジウムの薄膜が好ましく使用できる。これら技術の詳細は、例えば特開2001−125079号公報や特開2000−227603号公報などに公開されている。
以下に本発明の実施例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
<セルロースアシレートフィルム作製>
〔アクリル系重合体の調製〕
調製例1
既知の合成法で重合体(P−11)を準備した。以下、この重合体を質量平均分子量によって、重合体(P−11−1)(質量平均分子量5,000)及び重合体(P−11−2)(質量平均分子量1,800)と呼ぶ。重合体(P−11−1)および(P−11−2)を、それぞれ酢酸エチルに溶解し、次いでこれをヘキサンに投入して得た析出物を濾
取した。晶析工程を繰り返すことで、下表の残留エチレン性不飽和モノマー含有量が異なる変性重合体を得た。モノマー含有量はガスクロマトグラフ法で測定した。
〔アクリル系重合体の調製〕
調製例1
既知の合成法で重合体(P−11)を準備した。以下、この重合体を質量平均分子量によって、重合体(P−11−1)(質量平均分子量5,000)及び重合体(P−11−2)(質量平均分子量1,800)と呼ぶ。重合体(P−11−1)および(P−11−2)を、それぞれ酢酸エチルに溶解し、次いでこれをヘキサンに投入して得た析出物を濾
取した。晶析工程を繰り返すことで、下表の残留エチレン性不飽和モノマー含有量が異なる変性重合体を得た。モノマー含有量はガスクロマトグラフ法で測定した。
〔セルロースアシレートフィルムの作製〕
比較例1−1
[セルロースアシレート原液(CAL−1)の調製]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液原液(CAL−1)を調製した。
比較例1−1
[セルロースアシレート原液(CAL−1)の調製]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液原液(CAL−1)を調製した。
{セルロースアシレート原液(CAL−1)組成}
セルロースアシレート 100質量部
アセチル置換度2.86、平均重合度310
メチレンクロリド(第1溶媒) 402質量部
メタノール(第2溶媒) 60質量部
セルロースアシレート 100質量部
アセチル置換度2.86、平均重合度310
メチレンクロリド(第1溶媒) 402質量部
メタノール(第2溶媒) 60質量部
[マット剤溶液(ML−1)の調製]
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液(ML−1)を調製した。
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液(ML−1)を調製した。
{マット剤溶液(ML−1)組成}
シリカ粒子分散液(平均粒径16nm) 10.0質量部
"AEROSIL R972"、日本アエロジル(株)製
メチレンクロリド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート原液(CAL−1) 10.3質量部
シリカ粒子分散液(平均粒径16nm) 10.0質量部
"AEROSIL R972"、日本アエロジル(株)製
メチレンクロリド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート原液(CAL−1) 10.3質量部
[アクリル系重合体溶液Aの調製]
下記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、本発明の重合体を含む溶液Aを調製した。
下記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、本発明の重合体を含む溶液Aを調製した。
(アクリル系重合体溶液A組成)
紫外線吸収剤(UV−23L) 2.0質量部
紫外線吸収剤(UV−28L) 2.0質量部
重合体(P−11−1A) 49.3質量部
メチレンクロリド(第1溶媒) 58.4質量部
エタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート原液(CAL−1) 12.8質量部
紫外線吸収剤(UV−23L) 2.0質量部
紫外線吸収剤(UV−28L) 2.0質量部
重合体(P−11−1A) 49.3質量部
メチレンクロリド(第1溶媒) 58.4質量部
エタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート原液(CAL−1) 12.8質量部
[セルロースアシレートフィルム(101)の作製]
セルロースアシレート溶液原液(CAL−1)94.6質量部、マット剤溶液(ML−1)1.3質量部、セルロースアシレート100質量部当たり、紫外線吸収剤(UV−23L)及び紫外線吸収剤(UV−28L)がそれぞれ0.6質量部、本発明の重合体(P−11−1A)が20質量部となるように、アクリル系重合体溶液Aを混合し、加熱しながら充分に攪拌して各成分を溶解し、ドープ(DP1−1)を調製した。得られたドープ(DP1−1)を、バンド流延機を用いて流延した。残留溶媒量26質量%で剥ぎ取り後に、140℃で40分間乾燥させ、厚み80μmのセルロースアシレートフィルム試料(101)を作製した。
セルロースアシレート溶液原液(CAL−1)94.6質量部、マット剤溶液(ML−1)1.3質量部、セルロースアシレート100質量部当たり、紫外線吸収剤(UV−23L)及び紫外線吸収剤(UV−28L)がそれぞれ0.6質量部、本発明の重合体(P−11−1A)が20質量部となるように、アクリル系重合体溶液Aを混合し、加熱しながら充分に攪拌して各成分を溶解し、ドープ(DP1−1)を調製した。得られたドープ(DP1−1)を、バンド流延機を用いて流延した。残留溶媒量26質量%で剥ぎ取り後に、140℃で40分間乾燥させ、厚み80μmのセルロースアシレートフィルム試料(101)を作製した。
実施例1−1〜1−7及び比較例1−2〜1−3
[セルロースアシレートフィルム(102)〜(110)の作製]
比較例1−1のセルロースアシレートフィルム(101)の作製において、表3に示す組成となるように、アクリル系重合体溶液Aを用いる代わりに、変性重合体の種類と添加量を調整して、アクリル系重合体溶液A’、B〜F、B’及びF’を調製してそれぞれ用い、また、必要に応じて、紫外線吸収剤の種類と量を変える以外は比較例1−1と同様にして、ドープ(DP1−2〜DP1−10)を調製し、これらをそれぞれ用いてセルロースアシレートフィルム試料(102)〜(110)を作製した。セルロースアシレートフィルム試料(102)〜(110)の膜厚は、何れも79.5〜80.5μmの範囲であった。また試料(101)〜(110)では、任意に切り出した1m四方のフィルムの厚さの最大値と最小値の差は、厚さの平均値に対し何れも5%以内であった。
[セルロースアシレートフィルム(102)〜(110)の作製]
比較例1−1のセルロースアシレートフィルム(101)の作製において、表3に示す組成となるように、アクリル系重合体溶液Aを用いる代わりに、変性重合体の種類と添加量を調整して、アクリル系重合体溶液A’、B〜F、B’及びF’を調製してそれぞれ用い、また、必要に応じて、紫外線吸収剤の種類と量を変える以外は比較例1−1と同様にして、ドープ(DP1−2〜DP1−10)を調製し、これらをそれぞれ用いてセルロースアシレートフィルム試料(102)〜(110)を作製した。セルロースアシレートフィルム試料(102)〜(110)の膜厚は、何れも79.5〜80.5μmの範囲であった。また試料(101)〜(110)では、任意に切り出した1m四方のフィルムの厚さの最大値と最小値の差は、厚さの平均値に対し何れも5%以内であった。
比較例1−4〜1−5
[セルロースアシレートフィルム(111)〜(112)の作製]
比較例1−1のセルロースアシレートフィルム(101)の作製において、表3に示す組成となるように、アクリル系重合体溶液Aを用いる代わりに、公知の可塑剤を用い、また、必要に応じて、紫外線吸収剤の種類と量を変える以外は比較例1−1と同様にして、ドープ(DP1−11及びDP1−12)を調製し、これらをそれぞれ用いてセルロースアシレートフィルム試料(111)及び(112)を作製した。セルロースアシレートフィルム試料(111)及び(112)の膜厚は、何れも79.5〜80.5μmの範囲であった。また試料試料(111)及び(112)では、任意に切り出した1m四方のフィルムの厚さの最大値と最小値の差は、厚さの平均値に対し何れも5%以内であった。
[セルロースアシレートフィルム(111)〜(112)の作製]
比較例1−1のセルロースアシレートフィルム(101)の作製において、表3に示す組成となるように、アクリル系重合体溶液Aを用いる代わりに、公知の可塑剤を用い、また、必要に応じて、紫外線吸収剤の種類と量を変える以外は比較例1−1と同様にして、ドープ(DP1−11及びDP1−12)を調製し、これらをそれぞれ用いてセルロースアシレートフィルム試料(111)及び(112)を作製した。セルロースアシレートフィルム試料(111)及び(112)の膜厚は、何れも79.5〜80.5μmの範囲であった。また試料試料(111)及び(112)では、任意に切り出した1m四方のフィルムの厚さの最大値と最小値の差は、厚さの平均値に対し何れも5%以内であった。
〔セルロースアシレートフィルムの評価〕
[フィルム中の残留モノマーの定量]
作製したセルロースアシレートフィルム試料(101)〜(112)から、テトラヒドロフラン/メタノール混合溶媒を用いて低分子化合物を抽出し、ガスクロマトグラフで残存モノマー量を定量した。結果を表4に示す。
[フィルム中の残留モノマーの定量]
作製したセルロースアシレートフィルム試料(101)〜(112)から、テトラヒドロフラン/メタノール混合溶媒を用いて低分子化合物を抽出し、ガスクロマトグラフで残存モノマー量を定量した。結果を表4に示す。
[レターデーション特性(Rth及びRe)の測定]
得られたセルロースアシレートフィルム(101)〜(112)について、本文中に記載された方法に従って、波長630nmにおけるレターデーション特性(Rth及びRe)を測定した。結果を表4に示す。
得られたセルロースアシレートフィルム(101)〜(112)について、本文中に記載された方法に従って、波長630nmにおけるレターデーション特性(Rth及びRe)を測定した。結果を表4に示す。
<偏光板の作製>
比較例2−1
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
次に、鹸化処理したセルロースアシレートフィルム試料(101)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光子の片側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸と偏光子の透過軸とが平行になるように配置した。
比較例2−1
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
次に、鹸化処理したセルロースアシレートフィルム試料(101)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光子の片側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸と偏光子の透過軸とが平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム「フジタックTD80UF」(富士フイルム(株)製)を、上記と同様に鹸化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。このようにして、偏光板(H−101)を作製した。
実施例2−1〜2−7及び比較例2−2〜2−5
比較例2−1の偏光板(H−101)の作製において、セルロースアシレートフィルム
試料(101)を用いる代わりに、セルロースアシレートフィルム試料(102)〜(112)を用いる以外は比較例2−1と同様にして、偏光板(H−102)〜(H−112)を作製した。
比較例2−1の偏光板(H−101)の作製において、セルロースアシレートフィルム
試料(101)を用いる代わりに、セルロースアシレートフィルム試料(102)〜(112)を用いる以外は比較例2−1と同様にして、偏光板(H−102)〜(H−112)を作製した。
〔偏光板の耐久性〕
[縁部の白抜けの評価]
偏光板(H−101)〜(H−112)のそれぞれから100mm×100mmの大きさの試料を2枚切り出し、80℃、90%RHの雰囲気に50時間曝露し、クロスニコルにより偏光板の縁に発生する白抜けの面積を全体の面積に対する面積比として観察して、下記のグレードで評価した。
○:白抜け部分が全くなかった。
△:白抜けが全体の面積に対して5%未満。
×:白抜け部分が全体の面積に対して10%以上あった。
[縁部の白抜けの評価]
偏光板(H−101)〜(H−112)のそれぞれから100mm×100mmの大きさの試料を2枚切り出し、80℃、90%RHの雰囲気に50時間曝露し、クロスニコルにより偏光板の縁に発生する白抜けの面積を全体の面積に対する面積比として観察して、下記のグレードで評価した。
○:白抜け部分が全くなかった。
△:白抜けが全体の面積に対して5%未満。
×:白抜け部分が全体の面積に対して10%以上あった。
[透過率変化]
偏光板(H−101)〜(H−112)のそれぞれから50mm×50mmの大きさの試料を2枚切り出し、60℃、95%RHの雰囲気に1000時間曝露して経時させた。経時前後のクロスニコルに重ねた状態での偏光板の透過率を測定し、波長410nmでの透過率変化を求めた。
偏光板(H−101)〜(H−112)のそれぞれから50mm×50mmの大きさの試料を2枚切り出し、60℃、95%RHの雰囲気に1000時間曝露して経時させた。経時前後のクロスニコルに重ねた状態での偏光板の透過率を測定し、波長410nmでの透過率変化を求めた。
得られた偏光板の耐久性(縁部の白抜け・透過率変化)のデータを、各偏光板に用いたセルロースアシレートフィルムの種類と共に、表4に示す。
表4の結果から、本発明に好適に用いられる重合体は、Rthを低下させる高い能力を有し、且つ偏光板の耐久性の高温における縁部の白抜け防止に効果を有していた。しかしながら、高湿条件に長時間偏光板を経時させた場合、透過率変化において性能安定性が不十分であった。重合体の残留モノマーを1質量%以下にした本発明のセルロースアシレートフィルムによりレターデーションを小さく且つ偏光板の透過率変化を小さくすることが可能となった。
〔位相差フィルム付き偏光板の作製〕
実施例3
ノルボルネン系樹脂フィルム「アートン」{JSR(株)製}を一軸延伸した位相差フィルムを、粘着剤を用いて、前記の偏光板(H−104)のセルロースアシレートフィルム(104)側に貼り付け、位相差フィルム付き偏光板を作製した。この際、位相差フィルムの正面方向レターデーションの遅相軸を、偏光板の透過軸と直交させることで、正面
特性を何ら変えることなく視覚特性を向上させることができた。位相差フィルムの正面方向レターデーションReは270nm、厚さ方向のレターデーションRthは0nmで、Nzファクターは0.5のものを用いた。
実施例3
ノルボルネン系樹脂フィルム「アートン」{JSR(株)製}を一軸延伸した位相差フィルムを、粘着剤を用いて、前記の偏光板(H−104)のセルロースアシレートフィルム(104)側に貼り付け、位相差フィルム付き偏光板を作製した。この際、位相差フィルムの正面方向レターデーションの遅相軸を、偏光板の透過軸と直交させることで、正面
特性を何ら変えることなく視覚特性を向上させることができた。位相差フィルムの正面方向レターデーションReは270nm、厚さ方向のレターデーションRthは0nmで、Nzファクターは0.5のものを用いた。
〔IPS液晶表示装置への実装評価〕
実施例4
上記実施例3で作製した位相差フィルム付き偏光板を2組用い、位相差フィルムがそれぞれ液晶セル側となるように、位相差フィルム付き偏光板、IPS型の液晶セル、位相差フィルム付き偏光板の順番に上から重ね合わせて組み込んだ表示装置を作製した。この際、上下の位相差フィルム付き偏光板の透過軸を直交させ、上側の位相差フィルム付き偏光板の透過軸は、液晶セルの分子長軸方向と平行(すなわち位相差フィルムの遅相軸と液晶セルの分子長軸方向は直交)とした。液晶セルや電極・基板は、IPSとして従来から用いられているものがそのまま使用できる。液晶セルの配向は水平配向であり、液晶は正の誘電率異方性を有しており、IPS液晶用に開発され市販されているものを用いることができる。液晶セルの物性は、液晶のΔn:0.099、液晶層のセルギャップ:3.0μm、プレチルト角:5゜、ラビング方向:基板上下とも75゜とした。
実施例4
上記実施例3で作製した位相差フィルム付き偏光板を2組用い、位相差フィルムがそれぞれ液晶セル側となるように、位相差フィルム付き偏光板、IPS型の液晶セル、位相差フィルム付き偏光板の順番に上から重ね合わせて組み込んだ表示装置を作製した。この際、上下の位相差フィルム付き偏光板の透過軸を直交させ、上側の位相差フィルム付き偏光板の透過軸は、液晶セルの分子長軸方向と平行(すなわち位相差フィルムの遅相軸と液晶セルの分子長軸方向は直交)とした。液晶セルや電極・基板は、IPSとして従来から用いられているものがそのまま使用できる。液晶セルの配向は水平配向であり、液晶は正の誘電率異方性を有しており、IPS液晶用に開発され市販されているものを用いることができる。液晶セルの物性は、液晶のΔn:0.099、液晶層のセルギャップ:3.0μm、プレチルト角:5゜、ラビング方向:基板上下とも75゜とした。
以上のようにして作製した液晶表示装置において、装置正面からの方位角方向45゜、極角方向70゜における黒表示時の光漏れ率を測定したところ、本発明のセルロースアシレートフィルムにより作製した位相差フィルム付き偏光板は、コントラスト視野角が広く好ましいことがわかった。
比較例5−1及び実施例5−1
〔アクリル系重合体(P−2)の調製〕
前記調製例1におけるアクリル系重合体(P−11)と同様に、公知の合成法により、質量平均分子量1700のアクリル系重合体(P−2)を得た。晶析工程を変えて残存モノマー含量の異なる重合体(P−2A)及び(P−2B)を得た。
〔アクリル系重合体(P−2)の調製〕
前記調製例1におけるアクリル系重合体(P−11)と同様に、公知の合成法により、質量平均分子量1700のアクリル系重合体(P−2)を得た。晶析工程を変えて残存モノマー含量の異なる重合体(P−2A)及び(P−2B)を得た。
〔セルロースアシレートフィルム試料(501)及び(502)の作製〕
比較例1−1の試料(101)における重合体(P−11−1A)を、重合体(P−2A)又は(P−2B)に変えた以外は同様にして、セルロースアシレートフィルム試料(501)及び(502)を作製した。セルロースアシレートフィルム中の残存モノマー量は試料(501)で1.2質量%、試料(502)で0.1質量%であった(何れもセルロースアシレートフィルム100質量部に対する値)。ここで残存モノマー量は2種のモノマーを合計した値で算出した。
比較例1−1の試料(101)における重合体(P−11−1A)を、重合体(P−2A)又は(P−2B)に変えた以外は同様にして、セルロースアシレートフィルム試料(501)及び(502)を作製した。セルロースアシレートフィルム中の残存モノマー量は試料(501)で1.2質量%、試料(502)で0.1質量%であった(何れもセルロースアシレートフィルム100質量部に対する値)。ここで残存モノマー量は2種のモノマーを合計した値で算出した。
セルロースアシレートフィルム試料(501)及び(502)をそれぞれ用いて、前記実施例1と同様にセルロースアシレートフィルムのレターデーション特性(Rth及びRe)の測定を行った。結果を表5に示す。
比較例6−1及び実施例6−1
〔偏光板の作製とその評価〕
またセルロースアシレートフィルム試料(501)及び(502)をそれぞれ用いて、実施例2と同様に偏光板(H−501)及び(H−502)を作製し、その耐久性評価を行った。結果を表5に示す。
〔偏光板の作製とその評価〕
またセルロースアシレートフィルム試料(501)及び(502)をそれぞれ用いて、実施例2と同様に偏光板(H−501)及び(H−502)を作製し、その耐久性評価を行った。結果を表5に示す。
表5より、重合体(P−2)を含有するフィルムでも光学特性を小さくすることが可能であることが分かる。また、残存モノマー量を低減することで偏光板の透過率変化を小さくすることができる。
実施例7−1および比較例7−1
前記縮重合体PE−1(数平均分子量2000)を公知の方法で合成し、減圧蒸留により低分子成分の含有量を変更したPE−1A及びPE−1Bを準備した。
実施例1−1と同様にして、重合体P−11−1Bの代わりにPE−1A又はPE−1Bを1倍質量に置き換えた以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料(701)及び(702)を作製した。
さらに試料(702)において、25℃で液状の紫外線吸収剤UV−23L及びUV−28Lの代わりに25℃で固体の上記TN326を1倍質量に置き換えた以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料(703)を作製した。
フィルムあたりの低分子エステル含有量とレターデーション特性を表6に示す。
前記縮重合体PE−1(数平均分子量2000)を公知の方法で合成し、減圧蒸留により低分子成分の含有量を変更したPE−1A及びPE−1Bを準備した。
実施例1−1と同様にして、重合体P−11−1Bの代わりにPE−1A又はPE−1Bを1倍質量に置き換えた以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料(701)及び(702)を作製した。
さらに試料(702)において、25℃で液状の紫外線吸収剤UV−23L及びUV−28Lの代わりに25℃で固体の上記TN326を1倍質量に置き換えた以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料(703)を作製した。
フィルムあたりの低分子エステル含有量とレターデーション特性を表6に示す。
実施例8−1、8−2および比較例8−1
またこれらフィルム試料(701)、(702)および(703)を用いて上記と同様に偏光板(H−801)、(H−802)及び(H−803)を作製し、その耐久性評価を行った。結果を表6に示す。
またこれらフィルム試料(701)、(702)および(703)を用いて上記と同様に偏光板(H−801)、(H−802)及び(H−803)を作製し、その耐久性評価を行った。結果を表6に示す。
表6より、縮重合体(PE−1)を含有するフィルムでも光学特性を小さくすることが可能であることが分かる。また、低分子エステル量を低減することで偏光板の白抜け及び透過率変化を小さくすることができる。さらに25℃で液体の紫外線吸収剤を用いると透過率変化を低減することができる。
1、1a、1b:保護膜
2:偏光子
3:機能性光学フィルム
4:粘着層
11:上側偏光板
12:上側偏光板吸収軸
13:上光学異方性層
14:上光学異方性層配向制御方向
15:液晶セル上側基板
16:上側基板配向制御方向
17:液晶分子
18:液晶セル下側基板
19:下基板配向制御方向
20:下光学異方性層
21:下光学異方性層配向制御方向
22:下側側偏光板
23:下側偏光板吸収軸
2:偏光子
3:機能性光学フィルム
4:粘着層
11:上側偏光板
12:上側偏光板吸収軸
13:上光学異方性層
14:上光学異方性層配向制御方向
15:液晶セル上側基板
16:上側基板配向制御方向
17:液晶分子
18:液晶セル下側基板
19:下基板配向制御方向
20:下光学異方性層
21:下光学異方性層配向制御方向
22:下側側偏光板
23:下側偏光板吸収軸
Claims (11)
- エチレン性不飽和モノマーの重合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有されるエチレン性不飽和モノマーがセルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
- 重合体がアクリル系重合体である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 有機酸、グリコール、1価アルコールを重縮合して得られた重縮合体、及び有機酸、グリコールを重縮合して得られた重縮合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の重縮合体を含有するセルロースアシレートフィルムであって、該フィルム中に含有される、該重縮合体の原料である分子5つ以下を縮合して得られた低分子エステル化合物が、セルロースアシレートフィルム当たり1質量%以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
- セルロースアシレートフィルムがさらに紫外線吸収剤を含有し、且つ該紫外線吸収剤が25℃において液状である請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
- セルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートのアシル置換度が2.50〜
3.00であり、その平均重合度が180〜700である請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。 - セルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートのアシル置換基が、実質的にアセチル基のみからなり、その全置換度が2.50〜2.95であり、その平均重合度が180〜550である請求項1〜5のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
- セルロースアシレートフィルムの膜厚が10〜120μmである請求項1〜6のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
- セルロースアシレートフィルムの波長630nmにおけるRthとReが、それぞれ下記数式(1)及び(2)の範囲を満たす請求項1〜7の何れかに記載のセルロースアシレートフィルム。
数式(1):−25nm≦Rth(630)≦25nm、
数式(2):0nm≦Re(630)≦10nm - 偏光子の両側に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板において、該保護フィルムの少なくとも1枚が、請求項1〜8のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
- 液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板からなり、その少なくとも1枚の偏光板が請求項9に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
- 液晶表示装置がIPSモードである請求項10記載の液晶表示装置。
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|---|---|---|---|
| JP2007190815A JP2008050581A (ja) | 2006-07-24 | 2007-07-23 | セルロースアシレートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置 |
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|---|---|
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-
2007
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