図1は本発明の第1の実施例における面実装用のチップ型発光素子の模式的断面図である。
図1のチップ型発光素子100は、積層型アルミナ基板10上に発光ダイオードチップ(以下、LEDチップと呼ぶ)20が接合されてなる。
積層型アルミナ基板10は、第1層アルミナシート11および第2層アルミナシート12の2層構造を有する。後述するように、第2層アルミナシート12の上面には金属膜からなる一対の電極パッド13が形成され、第1層アルミナシート11の裏面には金属膜からなる一対の裏面引出し電極14が形成されている。第1層アルミナシート11および第2層アルミナシート12を貫通するように複数のスルーホール15が設けられ、各スルーホール15内にAg(銀)が埋め込まれている。また、第1層アルミナシート11の一対の端面にはそれぞれ金属膜16がコーティングされている。
一方、LEDチップ20は、透光性のサファイア基板21上にLED発光層28が形成されてなる。LED発光層28上にはp電極25およびn電極26が形成されている。
積層型アルミナ基板10上にサファイア基板21を上に向けてLEDチップ20が貼り合わされ、LEDチップ20のp電極25およびn電極26が、Au(金)バンプ30および銀ペースト31によりそれぞれ積層型アルミナ基板10の電極パッド13に接合されている。積層型アルミナ基板10とLEDチップ20との間にはアンダーフィル樹脂32が充填されている。それにより、積層型アルミナ基板10上にLEDチップ20が固定されている。
チップ型発光素子100のサイズは、例えば0.6mm×0.3mmであるが、実装技術の進展に追従してさらなる微小化も可能である。また、チップ型発光素子100の厚みは、0.35mm程度である。
図2(a),(b),(c)は図1のチップ型発光素子100に用いられる積層型アルミナ基板10のそれぞれ模式的平面図、模式的断面図および模式的底面図である。
図2に示すように、積層型アルミナ基板10の第2層アルミナシート12の上面には、金属膜からなる一対の矩形形状の電極パッド13が形成されている。電極パッド13はLEDチップ20のp電極25およびn電極26との位置合わせの許容性を高めるために広い面積に形成される。また、積層型アルミナ基板10の第1層アルミナシート11の裏面には、電極パッド13に対応する位置に金属膜からなる一対の裏面引出し電極14が形成されている。
一対の電極パッド13と一対の裏面引出し電極14との間に相当する第1層アルミナシート11および第2層アルミナシート12の位置に複数のスルーホール15が形成され、各スルーホール15内にAgが埋め込まれている。これにより、対向する電極パッド13と裏面引出し電極14とが電気的に接続されるとともに、Agの良好な熱伝導性により放熱特性が高められている。この結果、積層型アルミナ基板10は良好な熱伝導性および良好な耐熱特性を有する。
第1層アルミナ基板11の両端面にはほぼ半円形の切欠き16aが形成されており、各切欠き16aの側面に金属膜16がコーティングされている。
第2層アルミナシート12の厚みは、製造工程に耐え得る強度を保持し、かつ第1層アルミナシート11と張り合わせた状態で個々のチップに簡単に分割可能となるように、本実施例では0.15mmに設定する。
図3(a),(b),(c)は図1のチップ型発光素子100に用いられるLEDチップ20のそれぞれ模式的平面図および模式的断面図である。
図3に示すように、透光性の単結晶のサファイア基板21上に、GaN(窒化ガリウム)系化合物半導体からなるバッファ層22、n型半導体層23およびp型半導体層24が順に形成されている。p型半導体層24の一部領域が除去され、n型半導体層23が露出している。バッファ層22、n型半導体層23およびp型半導体層24がLED発光層28を構成する。このLED発光層28は、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)およびIn(インジウム)の少なくとも1つを含む他の窒化物系半導体により形成してもよい。
p型半導体層24上にはp電極25が形成されている。p電極25の全面には、可視光に対して反射率の高いPd/Al等からなる反射膜(図示せず)が蒸着法等により形成されている。それにより、LED発光層28から出射した光が反射膜でサファイア基板21の側に反射される。その反射膜上および露出したn型半導体層23上には、n電極26が露出するようにSiO2 、SiN等からなる絶縁保護膜27が形成されている。
p型電極25上の絶縁保護膜27には、窓29が設けられ、p電極25の一部が窓29内に露出している。それにより、実質的にp電極25とn電極26との間の距離が隔てられ、短絡等による不良が防止される。また、このLEDチップ20のp電極25およびn電極26と積層型アルミナ基板10の電極パッド13との接合に半田ボールを用いた際に、窓29が半田留めとして作用し、半田ボールの形状の維持および半田ボールのセルフアライメントが可能となる。
図3に示すように、p電極25とn電極26との間には数μm程度の段差が形成されている。この段差は、後述する製造工程により吸収される。
図4および図5は図1のチップ型発光素子100の製造方法を示す模式的工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、ウエハ状の透光性のサファイア基板21上に、図3に示した構造を有するGaN系化合物半導体からなるLED発光層28を形成し、電流供給のための電極形成プロセスによりp電極25およびn電極26を形成する。それにより、LEDウエハ20aが形成される。
次に、図4(b)に示すように、LEDウエハ20aのp電極25およびn電極26上にそれぞれAuバンプ30を形成する。このAuバンプ30は、例えばワイヤボンダ装置を利用して形成し、ネック部30aの長さのばらつきを低減するために、バンプ専用ワイヤを用いる。このバンプ専用ワイヤは、ワイヤ先端へのアーク放電等による溶製化後にボール(球状部)直上の再結晶脆弱部が短くなるように材料が設計されている。
なお、Auバンプ30の他の形成方法として、通常の金ワイヤを用い、セカンドボンドをボール肩部に行うスタッドバンプボンディング法を用いてもよい。また、レジストによりパターニングを行い、電界メッキ法または無電界メッキ法によりAuバンプ30を形成してもよい。
次に、図4(c)に示すように、Auバンプ30の直上に一定厚さの銀ペースト31を転写する。これにより、LEDウエハ20aのp電極25とn電極26との段差が吸収される。この銀ペースト31は、熱硬化性樹脂に銀粒子を混入させたものであり、硬化させることにより粒子間の接合が行われ、導電性が得られる。この場合、予め平坦面に一定厚さで銀ペーストを塗布し、塗布された銀ペースト上にAuバンプ30が形成されたLEDウエハ20aを反転させて押しつけることにより、LEDウエハ20aの全域のAuバンプ30上に銀ペースト31の均一な転写を行うことができる。
このように、本実施例では、Auバンプ30上に銀ペースト31を転写する方法を用いているが、積層型アルミナ基板10においてAuバンプ30に対向する位置に選択的にスクリーン印刷法またはディスペンサ等を用いて銀ペーストを塗布してもよい。
次いで、図4(d)に示すように、積層型アルミナ基板10上にLEDウエハ20aをAuバンプ30を下にして張り合わせて固定する。この場合、Auバンプ30上の銀ペースト31を積層型アルミナ基板10の電極パッド13に位置合わせする。この場合、図2に示した積層型アルミナ基板10においては、電極パッド13の面積が広いため、位置合わせの許容性が高くなっている。
この位置合わせの際には、LEDウエハ20aのp電極25およびn電極26を除いてサファイア基板21およびLED発光層28は透光性を有するので、積層型アルミナ基板10上にLEDウエハ20aを張り合わせた後も、LEDウエハ20a側から積層型アルミナ基板10の電極パッド13を視認することができる。このため、両面アライナ等の複雑な装置を用いることなく位置合わせを容易に行うことができる。
その後、積層型アルミナ基板10およびLEDウエハ20aに所定の温度を加え、銀ペースト31を硬化させる。
次いで、図5(e)に示すように、積層型アルミナ基板10とLEDウエハ20aとの接合の機械的強度を高め、かつ熱応力、湿度等に対する耐環境特性を高めるために、積層型アルミナ基板10とLEDウエハ20aとの間にアンダーフィル樹脂32を注入する。アンダーフィル樹脂32としては、絶縁性を有し、流動性を保持し、かつアルミナおよびGaN系化合物半導体の線膨張係数を考慮したエポキシ樹脂等の材料を用いる。
次に、図5(f)に示すように、チップ化を容易にするために、サファイア基板21を50μm以下の厚みに薄く研磨する。本実施例では、LEDチップ20aの厚みを20μmにし、所望位置でのチップ化を容易にしている。
さらに、図5(g)に示すように、スクライバ装置を用いてサファイア基板21の所望位置の切断線に罫書き線を形成するか、またはダイシング装置を用いてダイシング溝33を形成する。作業性の点からは、鋭利なダイアモンドポイントを切断線に押しつけて罫書き線を形成するスクライバ装置を用いることが好ましい。罫書き線またはダイシング溝33を形成した後、切断線を支点にしてブレーカ装置により加圧してLEDウエハ20aを押し割り、図1に示した個々のチップ型発光素子100に順次分割する。
積層型アルミナ基板10には、第1層アルミナシート11の長辺方向および短辺方向には、同基板作成時にくさび切り込みが形成されており、それらのくさび切り込みの位置で分割する。
なお、チップ化前の積層型アルミナ基板10の状態では、第1層アルミナシート11の切断線上にほぼ円形のスルーホール16bが形成されており、このスルーホール16bの内面にも金属膜がコーティングされている。そして、図5(g)の工程で積層型アルミナ基板10を切断線で分割することにより、図2に示したように、第1層アルミナシート11の両端面にほぼ半円形の切欠き16aが形成され、切欠き16aの側面に金属膜16が残る。これにより、面実装時に、半田が金属膜16上にも流動し、半田接合の容易性および高信頼性が得られる。
第2層アルミナシート12は、図5(e)の工程で積層型アルミナ基板10とLEDウエハ20aとの間に注入されるアンダーフィル樹脂32が第1層アルミナシート11のスルーホール16bから漏れ出すことを防止する。
なお、サファイア基板21およびGaN系化合物半導体からなるLED発光層28は、ともにモース硬度9と非常に硬い。また、六方晶系結晶構造を有するLEDウエハ20aは一方向にへき開性がないため、ウエハからのチップ化が非常に困難となっている。このため、従来のプロセスでは、一般的に電極形成後にサファイア基板を厚み100μm程度に薄く研磨した後に、ダイシング装置、スクライバ装置等を用いてLEDチップに分離している。
しかしながら、厚み100μm程度のサファイア基板は所望する位置以外の位置で割れることが多く、また分割後の形状が長方形とならずに歪んだ形状になることがある。これを改善するためにはさらに薄いサファイア基板を用いることが必要であるが、研磨またはその後の取り扱い中における割れを回避するとともに、サファイア基板と電極を含むLED発光層との間の線膨張係数の違いにより生じるサファイア基板の反りを許容範囲内に維持するためには、サファイア基板の厚みは80μm程度が限界である。
本実施例のチップ型発光素子100の製造方法においては、図4(d)および図5(e)の工程で積層型アルミナ基板10にLEDウエハ20を接合した後に図5(f)の工程でサファイア基板21の研磨を行い、図5(g)の工程でチップ化を行っているので、LEDウエハ20aのサファイア基板21における割れおよび反りに対する耐性が高められている。したがって、サファイア基板1およびLED発光層28を含むLEDウエハ20aを研磨して厚み50μm以下に薄くしても、サファイア基板1の割れおよび反りが生じない。
本実施例のチップ型発光素子100においては、LEDチップ20と同一サイズの積層型アルミナ基板10上にLEDチップ20が貼り合わされ、積層型アルミナ基板10の上面の一対の電極パッド13にLEDチップ20のp電極25およびn電極26がフリップチップ方式により接合され、かつ一対の電極パッド13がスルーホール15内に埋め込まれたAgを介して積層型アルミナ基板10の裏面の一対の裏面引出し電極14に電気的に接続されている。したがって、薄型化、小型化およびコンパクト化が可能となる。
また、LED発光層28から発生した光は透光性のサファイア基板21を通して外部に出射される。この場合、p電極25およびn電極26はサファイア基板21と反対側のLED発光層28上に形成されているので、光がp電極25およびn電極26で遮断されない。したがって、高輝度化が可能となる。
さらに、製造時には、LEDウエハ20a上にLED発光層28および複数のLEDチップ20に対応する複数組のp電極25およびn電極26を形成するとともに、複数のLEDチップ20に対応する積層型アルミナ基板10を形成し、積層型アルミナ基板10上にLEDウエハ20aを貼り合わせた後に、LEDウエハ20aを積層型アルミナ基板10とともに複数のLEDチップ20に分割することができる。それにより、工程数および製造時間が低減され、低コスト化が可能となる。
図6は本発明の第2の実施例における面実装用のチップ型発光素子の模式的断面図である。
図6のチップ型発光素子100が図1のチップ型発光素子100と異なるのは次の点である。後述するように、積層型アルミナ基板10の構造が図1の積層型アルミナ基板10の構造と異なる。本実施例の積層型アルミナ基板10においては、LEDチップ20のp電極25およびn電極26に対向する第2層アルミナシート12の上面の位置に金属膜からなる一対の電極パッド13が形成されている。
この積層型アルミナ基板10上に図3に示した構造を有するLEDチップ20が貼り合わされている。LEDチップ20のp電極25およびn電極26は、共晶半田バンプにより形成される半田ボール41を介してそれぞれ積層型アルミナ基板10の一対の電極パッド13に接合されている。積層型アルミナ基板10とLEDチップ20との間にはアンダーフィル樹脂42が充填されている。それにより、積層型アルミナ基板10上にLEDチップ20が固定されている。
図7(a),(b),(c)は図6のチップ型発光素子100に用いられる積層型アルミナ基板10のそれぞれ模式的平面図、模式的断面図および模式的底面図である。
図7に示すように、積層型アルミナ基板10の第2層アルミナシート12の上面には、LEDチップ20のp電極25およびn電極26に対応する位置に金属膜からなる一対の円形の電極パッド13が形成されている。この電極パッド13のサイズは半田ボール41のサイズにほぼ等しく設定される。また、積層型アルミナ基板10の第1層アルミナシート11の裏面には、図2の積層型アルミナ基板10と同様に、金属膜からなる一対の裏面引出し電極14が形成されている。
一対の電極パッド13と一対の裏面引出し電極14との間に相当する第1層アルミナシート11および第2層アルミナシート12の位置にそれぞれスルーホール15が形成され、各スルーホール15内にAgが埋め込まれている。これにより、対向する電極パッド13と裏面引出し電極14とが電気的に接続されるとともに、Agの良好な熱伝導性により放熱性が高められている。この結果、積層型アルミナ基板10は良好な熱伝導性および良好な耐熱特性を有する。
図7の積層型アルミナ基板10においても、第1層アルミナシート11の両端面にほぼ半円形の切欠き16aが形成されており、各切欠き16aの側面に金属膜16がコーティングされている。
上記のように、図7の積層型アルミナ基板10においては、LEDチップ20に形成されたp電極25およびn電極26に対向する位置に半田ボール41とほぼ同じサイズの電極パッド13が形成されているので、積層型アルミナ基板10上へのLEDウエハ20aの接合後における半田ボール41の溶解および再結晶時に、半田ボール41の高さを一定に保ちつつ半田ボール41のセルフアラインメント機能が働く。
図8および図9は図6のチップ型発光素子100の製造方法を示す模式的工程断面図である。
まず、図8(a)に示すように、図4(a)の工程と同様に、透光性のサファイア基板21上に、LED発光層28を形成し、LED発光層28にp電極25およびn電極26を形成する。それにより、LEDウエハ20aが形成される。
次に、図8(b)に示すように、LEDウエハ20aのp電極25およびn電極26上にそれぞれ共晶半田バンプ40を形成する。この共晶半田バンプ40は、第1の実施例と同様に、ワイヤボンダ装置を用いて形成する。
なお、他の形成方法として、レジストによりパターニングを行い、電界メッキ法または無電界メッキ法により半田共晶バンプ40を形成してもよい。また、半田合金の蒸着法、半田ペーストのスクリーン印刷法等を用いてもよい。
次に、図8(c)に示すように、共晶半田バンプ40にロジン系非活性フラックスを加え、不活性ガス雰囲気で加熱することにより半田ボール(球状バンプ)41を形成する。これにより、LEDウエハ20aのp電極25とn電極26との段差が吸収される。この場合、図4(c)の工程における銀ペーストの転写と同様にして、フラックスを平坦面に塗布し、塗布されたフラックス上に共晶半田バンプ40が形成されたLEDウエハ20aを反転させて押しつけることにより、LEDウエハ20aの全域の共晶半田バンプ40上にフラックスの均一な転写を行うことができる。その後、LEDウエハ20aを所定の温度に設定されたリフロー炉に通すことにより、半田ボール41が形成される。
なお、LEDウエハ20aに形成されたp電極25およびn電極26の最表層にはAuからなる酸化防止層を用い、その酸化防止層の下地層にNi(ニッケル)またはCu(銅)を用いることにより、共晶半田バンプ40との接合層を形成する。それにより、金属の共晶半田バンプ40内への合金取り込みによるLED発光層28への影響を回避する。
次に、図8(d)に示すように、積層型アルミナ基板10に形成された半田ボール41にLEDウエハ20aのp電極25およびn電極26を位置合わせし、積層型アルミナ基板10上にLEDウエハ20aを貼り合わせる。そして、N2 等の不活性ガス雰囲気中またはN2 /H2 混合ガス等のフォーミングガス雰囲気中で所定の温度で加熱して半田ボール41を溶解させる。それにより、積層型アルミナ基板10の電極パッド13とLEDチップ20aのp電極25およびn電極26とが合金化により接続される。
この場合、LEDウエハ20aをフラックスの粘着力で積層型アルミナ基板10上に接着されている状態にし、半田が溶解したときの粘性によるセルフアラインメント効果でLEDウエハ20aに多少の位置ずれがあってもその位置ずれが自動的に修正されるように、LEDウエハ20aの自重以外の力を加えずに水平に保持する。
その後、図9(e)に示すように、積層型アルミナ基板10とLEDウエハ20aとの間にアンダーフィル樹脂42を注入する。次に、図9(f)に示すように、サファイア基板21を研磨し、LEDウエハ20aの厚みを20μm程度に薄くする。さらに、図9(g)に示すように、スクライバ装置を用いて罫書き線を形成するかまたはダイシング装置を用いてダイシング溝43を形成した後、ブレーカ装置により加圧してLEDウエハ20aを押し割り、図6に示した個々のチップ型発光素子100に順次分割する。
本実施例のチップ型発光素子100においても、第1の実施例のチップ型発光素子100と同様に、LEDチップ20と同一サイズの積層型アルミナ基板10上にLEDチップ20が貼り合わされ、積層型アルミナ基板10の上面の一対の電極パッド13にLEDチップ20のp電極25およびn電極26がフリップチップ方式により接合され、かつ一対の電極パッド13がスルーホール15内に埋め込まれたAgを介して積層型アルミナ基板10の裏面の一対の裏面引出し電極14に電気的に接続されている。したがって、薄型化、小型化およびコンパクト化が可能となる。
また、LED発光層28から発生した光は透光性のサファイア基板21を通して外部に出射される。この場合、p電極25およびn電極26はサファイア基板21と反対側のLED発光層28上に形成されているので、光がp電極25およびn電極26で遮断されない。したがって、高輝度化が可能となる。
さらに、製造時には、LEDウエハ20a上にLED発光層28および複数のLEDチップ20に対応する複数組のp電極25およびn電極26を形成するとともに、複数のLEDチップ20に対応する積層型アルミナ基板10を形成し、積層型アルミナ基板10上にLEDウエハ20aを貼り合わせた後に、LEDウエハ20aを積層型アルミナ基板10とともに複数のLEDチップ20に分割することができる。それにより、工程数および製造時間が低減され、低コスト化が可能となる。
図10および図11は本発明の第3の実施例におけるチップ型発光素子100の製造方法を示す模式的工程断面図である。
第3の実施例のチップ型発光素子100の製造方法は、以下の点を除いて第1の実施例のチップ型発光素子100の製造方法と同様である。図10(a),(b)の工程は、図4(a),(b)の工程と同様である。
図10(b)の工程でp電極25およびn電極26上にAuバンプ30を形成した後、図10(c)に示すようにLEDウエハ20aのAuバンプ30を下に向けてLEDウエハ20aを平坦面に平行に対向させ、所定の圧力で押しつける。これにより、Auバンプ30の高さが容易に均一化される。これにより、LEDウエハ20aのp電極25とn電極26との段差が吸収される。
次に、図10(d)に示すように、LEDウエハ20aのAuバンプ30側の面に異方性導電フィルム50を仮圧着する。異方性導電フィルム50としては、接着剤としての熱硬化性樹脂中に硬質の金属粒子または金属薄層がメッキ形成されたプラスチック粒子を混入させた異方性導電材を用いる。本実施例では、前者の熱硬化性樹脂中に金属粒子を混入した異方性導電材を用いる。
この異方性導電フィルム50は、セパレータと熱硬化性樹脂との2層構造を有する。平坦面上で異方性導電フィルム50上にLEDウエハ20aを押し当てて加熱圧着することによりLEDウエハ20aの全面に熱硬化性樹脂を転写させ、セパレータフィルムから熱硬化性樹脂を遊離させる。
次に、図11(e)に示すように、LEDウエハ20aのAuバンプ30を積層型アルミナ基板10の電極パッド13に位置合わせし、積層型アルミナ基板10上にLEDウエハ20aを貼り合わせて、所定の加熱および加圧を行い、両者を電気的にかつ機械的に接合する。
この場合、異方性導電フィルム50の熱硬化性樹脂に混入された金属粒子が、LEDウエハ20aのp電極25およびn電極26と積層型アルミナ基板10の電極パッド13との双方の表面酸化膜を突き破ってそれぞれp電極25およびn電極26の金属および電極パッド13の金属中に食い込む。それにより、電気的に安定した接続が行われる。同時に、一時的に低流動化した熱硬化性樹脂が積層型アルミナ基板10とLEDウエハ20aとの間隙を埋めて両者を接着する。
なお、積層型アルミナ基板10の電極パッド13およびLEDウエハ20aのp電極25およびn電極26以外の領域には所定の圧力が加わらないため、金属粒子は熱硬化性樹脂で覆われ、絶縁性が保たれている。
なお、第3の実施例の製造方法を図6のチップ型発光素子100の製造に適用してもよい。
本実施例の製造方法においても、第1および第2の実施例と同様に、薄型化、小型化、コンパクト化、高輝度化および低コスト化が図られたチップ型発光素子100が得られる。
以上のように、上記実施例の製造方法によれば、サファイア基板21上へのLED発光層28ならびにp電極25およびn電極26のパターニングといったウエハプロセスから半田材料を用いた面実装可能なチップ型発光素子100の形成までを一貫してウエハ状態で行うことにより、同時に数千個のチップ型発光素子100を作製することが可能となる。
図12(a),(b)は図1または図6のチップ型発光素子100を用いたLEDランプの一例を示すそれぞれ模式的平面図および模式的断面図である。
図12に示すように、チップ型発光素子100は透光性樹脂からなる透光性基板110内に透光性樹脂接着剤で固定されている。透光性基板110上には透光性樹脂からなるドーム型レンズ120が設けられている。透光性基板110およびドーム型レンズ120は透光性樹脂成形体により構成される。
図13は図1または図6のチップ型発光素子110を用いたLEDランプの他の例を示す模式的斜視図である。
図13に示すように、駆動ドライバ内蔵のベース基板130上に複数のチップ型発光素子100が一列に配置され、複数のチップ型発光素子100上に透光性樹脂からなる半円柱状の集光レンズ140が設けられている。
このように、図1または図6のチップ型発光素子100は、サイズ0.6mm×0.3mmおよび厚み0.35mmと非常に小型であるため、大きな実装面積を必要としない。したがって、図13に示すようにコンパクトな棒状のLEDランプが実現される。
なお、図13の例では、集光レンズ140が設けられているが、図13のLEDランプを広視野が要求されるバックライト、表示装置等に用いる場合には、集光レンズ140を設けなくてよい。