JP2007228011A - 弾性表面波素子、弾性表面波装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】水晶基板などの圧電基板と収納容器の接続部分に生じる応力集中を抑制し、外部から加わる衝撃などに耐える、所謂耐衝撃性を向上させた弾性表面波素子、弾性表面波装置および、それらを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】弾性表面波素子10は、圧電基板としての水晶基板1と、この水晶基板1の表面1a上に形成されたIDT電極2および反射器電極3a、3bと、水晶基板1の裏面1b上に形成された反射部としてのダイヤモンド層5とを備えている。ダイヤモンド層5は、伝播した擬似縦波型漏洩弾性表面波を反射する機能を有している。
【選択図】図1
【解決手段】弾性表面波素子10は、圧電基板としての水晶基板1と、この水晶基板1の表面1a上に形成されたIDT電極2および反射器電極3a、3bと、水晶基板1の裏面1b上に形成された反射部としてのダイヤモンド層5とを備えている。ダイヤモンド層5は、伝播した擬似縦波型漏洩弾性表面波を反射する機能を有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用した弾性表面波素子、弾性表面波装置および、その弾性表面波装置を用いた電子機器に関する。
弾性表面波装置は、共振子、フィルタ等の回路素子として通信機器などに使用されている。弾性表面波装置に用いられる弾性表面波の例としては、レイリー波(Rayleigh wave)、漏洩弾性表面波(Leaky wave)などがある。
レイリー波は、弾性体の表面を伝搬する表面波であり、そのエネルギーは圧電基板内部に放射することなく伝搬する。圧電基板中には、「遅い横波」、「速い横波」、「縦波」の3種類の体積波(バルク波)が存在するが、このレイリー波は「遅い横波」よりもさらに遅い位相速度で伝搬する。
漏洩弾性表面波は、弾性体(圧電体)の深さ方向にエネルギーを放射しながら伝搬する弾性表面波であり、圧電基板の特定の切り出し角および伝搬方向での利用が可能である。この漏洩弾性表面波は、「遅い横波」と「速い横波」の間の位相速度で伝搬する。
レイリー波は、弾性体の表面を伝搬する表面波であり、そのエネルギーは圧電基板内部に放射することなく伝搬する。圧電基板中には、「遅い横波」、「速い横波」、「縦波」の3種類の体積波(バルク波)が存在するが、このレイリー波は「遅い横波」よりもさらに遅い位相速度で伝搬する。
漏洩弾性表面波は、弾性体(圧電体)の深さ方向にエネルギーを放射しながら伝搬する弾性表面波であり、圧電基板の特定の切り出し角および伝搬方向での利用が可能である。この漏洩弾性表面波は、「遅い横波」と「速い横波」の間の位相速度で伝搬する。
弾性表面波装置の特性は、圧電基板を伝搬する弾性表面波の伝搬特性に依存しており、弾性表面波装置の高周波化に対応するために位相速度の速い弾性表面波の利用が求められている。近年、漏洩弾性表面波の理論を発展させて、基板表面での変位の殆どが縦波成分で構成され、体積波として2つの横波成分を圧電基板内部に放射しながら「速い横波」と「縦波」の間の速い位相速度で伝搬する擬似縦波型漏洩弾性表面波の弾性表面波装置への利用が開示されている(特許文献1参照)。
擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いた従来の弾性表面波装置を図9に沿って説明する。図9は、従来の弾性表面波装置を示す正断面図である。弾性表面波装置100は、IDT電極103などが形成された圧電基板の一例としての水晶基板102が、IDT電極103が収納容器106の開口部に向くように(図9では上向き)して、接着剤107を介して収納容器106内に接続されている。水晶基板102上の電極(図示せず)は、ボンディングワイヤ104を介して収納容器106の電極(図示せず)と接続されている。この擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いる水晶基板102は、特性を向上させるために厚さを薄くする必要がある。例えば、レイリー波を用いる場合では、厚さ400μm程度であった2GHzの水晶基板102を、高速な擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いて実現させるためには水晶基板102の厚さは、50μm程度となる。
水晶基板102には、その裏面側の外周部に沿って補強部108が設けられており、この補強部108により水晶基板102の裏面側に凹部105が形成されている。水晶基板102は、この補強部108が接着剤107を介して収納容器106と接続される(特許文献2参照)。この凹部105は、少なくとも水晶基板102上のIDT電極103の形成範囲に対応するように形成されている。これによって、水晶基板102の裏面側に伝播する擬似縦波型漏洩弾性表面波は、凹部105内に収まることになり、擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩なく補強部108での収納容器106との接続を行うことができる。
しかしながら、水晶基板102と収納容器106との接合が、補強部108の部分のみで行なわれることから接続面積が小さくなり、外部から弾性表面波装置100に加えられる衝撃などによる応力の集中が、この接続部分に生じ易くなる。特に、前述のように、擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いた水晶基板102は、厚さを薄くすることが必要なため強度が弱く、水晶基板102がこの接続部分から破損してしまう恐れがあるという課題を有していた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、水晶基板などの圧電基板と収納容器の接続部分に生じる応力集中を抑制し、外部から加わる衝撃などに耐える、所謂耐衝撃性を向上させた弾性表面波素子、弾性表面波装置および、それらを用いた電子機器を提供することにある。
本発明の弾性表面波素子は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振させるIDT電極を備えた弾性表面波素子であって、前記IDT電極が形成された面と表裏の関係にある前記圧電基板の裏面上に、前記圧電基板の有する音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する反射部が形成されていることを特徴とする。
本発明の弾性表面波素子によれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに圧電基板の裏面側へ漏洩する漏洩波が反射部によって反射されるため、圧電基板外へのエネルギーの漏洩を防止することが可能となる。これにより、反射部全面を用いた圧電基板の支持を行うことが可能となり、支持のための接続面積を大きくすることができる。つまり、この支持部分の応力集中が生じ難くなることから、圧電基板の破損を防止することが可能となり、所謂耐衝撃性を向上させることができる。
また、前記反射部の音響インピーダンスが、前記圧電基板の音響インピーダンスより大きいことが望ましい。
このようにすれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波の反射効率がより高くなり、保持部へのエネルギーの漏洩を減少させることができる。これにより、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じる漏洩波による弾性表面波素子のQ値等の特性劣化を抑制することが可能となる。
また、前記圧電基板と前記反射部との境界が、陽極接合または直接接合によって接合されていることが望ましい。
このようにすれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波の反射を確実に行うことが可能となる。これにより、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じる漏洩波による弾性表面波素子のQ値等の特性劣化を抑制することが可能となる。
また、前記反射部が、薄膜で形成されていることが望ましい。
このようにすれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波の反射を確実に行うことが可能となる。これにより、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じる漏洩波による弾性表面波素子のQ値等の特性劣化を抑制することが可能となる。
また、前記反射部は、前記圧電基板の平面と同一形状、または前記圧電基板の平面積以上の平面積を有していることを特徴とする。
このようにすれば、反射部と保持部との接続面積を大きく、確実に確保することが可能となる。
また、本発明の弾性表面波装置は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振させるIDT電極を備えた弾性表面波装置であって、前記IDT電極が形成された面と表裏の関係にある前記圧電基板の裏面上に、前記圧電基板の有する音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有し形成された反射部と、前記反射部に接するように形成された保持部とを有することを特徴とする。
本発明の弾性表面波装置によれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに圧電基板の裏面側へ漏洩する漏洩波が反射部によって反射されるため、保持部へのエネルギーの漏洩を防止することが可能となる。従って、圧電基板は反射部全面で保持部と接続することが可能となり、その接続面積を大きくすることができる。つまり、弾性表面波装置に外部から衝撃が加わっても、応力集中が生じ難くなり、圧電基板の破損を防止することが可能となる。これらにより、所謂耐衝撃性を向上させた弾性表面波装置を提供することができる。
また、前記反射部の音響インピーダンスが、前記圧電基板の音響インピーダンスより大きいことが望ましい。
このようにすれば、伝播した擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波の反射効率がより高くなり、保持部へのエネルギーの漏洩を減少させることができる。これにより、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じる漏洩波による弾性表面波装置のQ値等の特性劣化を抑制することが可能となる。
また、前記圧電基板と前記反射部との境界が、陽極接合または直接接合によって接合されていることが望ましい。
このようにすれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波の反射を確実に行うことが可能となる。これにより、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じる漏洩波による弾性表面波素子のQ値等の特性劣化を抑制することが可能となる。
また、前記反射部が、薄膜で形成されていることが望ましい。
このようにすれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波の反射を確実に行うことが可能となる。これにより、擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じる漏洩波による弾性表面波素子のQ値等の特性劣化を抑制することが可能となる。
また、前記反射部は、前記圧電基板の平面と同一形状、または前記圧電基板の平面積以上の平面積を有していることを特徴とする。
このようにすれば、反射部と保持部との接続面積を大きく、確実に確保することが可能となる。
また、本発明の電子機器は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振させるためのIDT電極を備えた弾性表面波装置であって、前記IDT電極が形成された面と表裏の関係にある前記圧電基板の裏面上に、前記圧電基板の有する音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する反射部が形成されている弾性表面波装置を備えていることを特徴とする。
本発明の電子機器によれば、耐衝撃性を向上した弾性表面波装置を用いているため、電子機器に加わる衝撃などにも耐え得る電子機器を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
(第一実施形態)
図1は、本実施形態に係る弾性表面波素子の概略構成を示し、図1(a)は、斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
図1に示すように、弾性表面波素子10は、圧電基板としての水晶基板1と、この水晶基板1の表面1a上に形成されたIDT電極2および反射器電極3a、3bと、水晶基板1の裏面1b上に形成された反射部としてのダイヤモンド層5とを備えている。図1において、tは水晶基板1の厚み、PはIDT電極2のピッチ、λはIDT波長、hはIDT電極2および反射器電極3a、3bの厚みである。水晶基板1は、擬似縦波型漏洩弾性表面波が励振されるように、それぞれの圧電材料に応じた切り出し角で切り出され、また、厚みtは所定の厚さに調整されている。
IDT電極2および反射器電極3a、3bは、アルミニウムを主成分とする金属からなり、水晶基板1の表面1aに形成されている。このIDT電極2は、駆動電圧の供給により擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振し、所定の周波数の振動を出力する機能を有している。反射器電極3a、3bは、IDT電極2を挟むように形成され、IDT電極2により励振された擬似縦波型漏洩弾性表面波が、外周部に向かって伝搬するのを反射し、IDT電極2に表面波エネルギーを閉じ込める機能を有している。
ダイヤモンド層5は、水晶基板1の裏面1b上に熱フィラメントCVD法などにより形成されたダイヤモンドを主成分とする層である。ダイヤモンド層5は、IDT電極2により励振され、水晶基板1の裏面1bの方向に伝播する擬似縦波型漏洩弾性表面波を反射し、水晶基板1の裏面1bからの擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩を防ぐ機能を有している。
ここで、この機能について説明する。隣接する界面(本例では、水晶とダイヤモンド)に対し、入射側の音響インピーダンスをZ1、出射側の音響インピーダンスをZ2とした場合に、この界面の音響反射比(入射波と反射波の音圧の比)は、R=(Z2−Z1)/(Z2+Z1)で表される。Z1<Z2であればRは正となり、反射波の位相は正転し、Z1>Z2であればRは負となり、反射波の位相は反転する。なお、音響インピーダンスは、密度と音速の積で表されるものである。このように、圧電基板と反射部の音響インピーダンスが異なるようにすれば、界面で擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに漏洩した漏洩波が反射される。即ち、水晶基板1の裏面1bに音響インピーダンスの異なるダイヤモンド層5を形成することにより漏洩波が反射され、ダイヤモンド層5の裏面1cにおいて振動変位がなくなり、この部分で保持してもエネルギーの漏洩を防止することができる。
なお、このダイヤモンド層5の厚みは、図2の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布に示すように、1λ(λ(IDT波長)=V(音速)/f(発振周波数)・・・(1))の厚さがあればよく、伝播した擬似縦波型漏洩弾性表面波を十分に反射する機能を有する。例えば、水晶基板(音速V=5700m/秒)を用い、発振周波数(f)が2GHz(ギガヘルツ)の場合では、式(1)から、λ=2.85μmとなることから、ダイヤモンド層5の厚みは、2.85μmあればよいことになる。
ここで図2に示すグラフは、ダイヤモンド層5の厚みが1λの場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布を示し、図3に示すグラフは、ダイヤモンド層5の厚みが10λの場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布を示している。図4に示すグラフは、比較例としての、ダイヤモンド層5が形成されていない場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布を示している。ここで、図2〜図4で示す縦軸は、擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位を表し、横軸は、水晶基板1の深さ(厚さ)を、n×λで表している。例えば、横軸で示す20とは、20×λ(IDT波長)の深さである。また、図2〜図4で示すu1は、縦波成分(X軸方向の変位)、u2は、深さ方向成分(Z軸方向の変位)、u3は、横波成分(Y軸方向の変位)を示している。
図2は、20λの厚さの水晶基板1の裏面に、厚みが1λのダイヤモンド層5を形成した場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布を示している。この場合は、図2に示すように、20λ以上の部分では、擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位が殆んどみられない。即ち、厚みが1λのダイヤモンド層5によって擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波が反射されて、ダイヤモンド層5より外側には、エネルギーの漏洩が起きていないことが分かる。
図3は、20λの厚さの水晶基板1の裏面に、厚みが10λのダイヤモンド層5を形成した場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布を示している。この場合も図2に示す1λの場合と同様に、20λ以上の部分では、擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位が殆んどみられない。即ち、厚みが10λのダイヤモンド層5を形成することによっても擬似縦波型漏洩弾性表面波の伝播とともに生じた漏洩波が反射されて、ダイヤモンド層5より外側には、エネルギーの漏洩が起きていないことが分かる。
図4は、比較例として、水晶基板1の裏面に、ダイヤモンド層5が形成されていない場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波の変位分布を示している。この場合は、図4に示すように、擬似縦波型漏洩弾性表面波の減衰が殆んど見られず、水晶基板1の裏面も振動変位を有している。
図2および図3に示すように、水晶基板1に隣接する反射部としてのダイヤモンド層5の厚みが1λより大きければ、擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波が反射されて、ダイヤモンド層5より外側には、エネルギーの漏洩を生じない。従って、ダイヤモンド層5の裏面1c全面に保持部としての接着剤等が付着されても、漏洩による特性の劣化がなく、ダイヤモンド層5の裏面1c全面による水晶基板1の支持が可能となる。
このように、水晶基板1の支持のための面積を大きくすることができることから、応力集中を生じ難くさせることができ、水晶基板1の破損を防止することが可能となる。また、ダイヤモンド層5が、水晶基板1の補強層としての機能を果たすことも併せ、所謂耐衝撃性を向上させた弾性表面波素子を提供することが可能となる。
なお、前述では反射部としてダイヤモンド層5を一例として説明したが、反射部はこれに限らない。例えば、サファイヤ、モリブデン、タングステンなどの圧電基板の音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する材質であっても良い。さらに、圧電基板の音響インピーダンスよりも大きな音響インピーダンスを有している材質の方が反射効率を高めるためには好適である。
また、前述ではダイヤモンド層5の形成に熱フィラメントCVD法を用いることで説明したが、これに限らず、水晶基板1とダイヤモンド層5の接合が分子レベル或いは原子レベルの接合であればよく、界面での擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波を反射することができる。他の接合方法としては、例えば、陽極接合法、共晶法、直接接合法などを用いてもよい。
(第二実施形態)
(第二実施形態)
次に、本実施形態に係る弾性表面波装置について図5を用いて説明する。図5は、前述の第一実施形態で説明した弾性表面波素子を収納容器に収容した弾性表面波装置の概略を示す正断面図である。
図5に示すように、弾性表面波装置20は、収納容器28と弾性表面波素子30と蓋体29とを備えている。セラミックスなどで形成された収納容器28は、一面が開放されて底面26および底面27を有する凹部が設けられている。この凹部に、圧電基板としての水晶基板21からなる弾性表面波素子30をIDT電極22が上(凹部の開放側)を向くように収納されている。水晶基板21は、IDT電極22の形成面と反対面(裏面)に熱フィラメントCVD法などによって形成された反射部としてのダイヤモンド層23の一面を、保持部としての接着剤層24などを用いることによって凹部の底面27に接続されている。このダイヤモンド層23については、前述した第一実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。水晶基板21は、IDT電極22の形成面の図示しない電極と凹部の底面26の図示しない配線電極などとワイヤー配線25などで電気的に接続されている。そして、収納容器28の上面には蓋体29が、内部を真空雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気に保持して封止され、パッケージされた弾性表面波装置20が形成される。
上述のように、本実施形態の弾性表面波装置20は、擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波の反射部としてのダイヤモンド層23を介して収納容器28の底面27に弾性表面波素子30が接続されている。このダイヤモンド層23が擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波を反射し、ダイヤモンド層23より外側、即ち、接着剤層24および底面27には、エネルギーが漏洩しないため、ダイヤモンド層23全面での接続を行うことができる。このように、弾性表面波素子30の接続面積を大きくすることができるため、応力集中を生じ難くさせることができ、水晶基板21の破損を防止することが可能となり、所謂耐衝撃性を向上させた弾性表面波装置20を提供することが可能となる。
(第三実施形態)
(第三実施形態)
次に、本実施形態に係る弾性表面波装置について図6を用いて説明する。図6は、前述の第一実施形態で説明した弾性表面波素子を収納容器に収容した弾性表面波装置の概略を示す正断面図である。
図6に示すように、弾性表面波装置50は、収納容器55と弾性表面波素子60とを備えている。セラミックスなどで形成された収納容器55は、一面が開放された凹部が設けられている。この収納容器55の凹部内に、圧電基板としての水晶基板51と反射部としてのダイヤモンド層53とからなる弾性表面波素子60を、IDT電極52を下(凹部の底面側)向きにし、金バンプ54を介してマウントさせ、電気的接続と機械的接続を同時に果たしている。そして、収納容器55内には、樹脂などによる保持部としての充填剤56が、IDT電極52の形成面を除き充填され、弾性表面波素子60を保護し、パッケージされた弾性表面波装置50となる。
上述のように、本実施形態の弾性表面波装置50は、弾性表面波素子60が擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波を反射する反射部としてのダイヤモンド層53を介して保持部としての充填剤56に覆われている。このダイヤモンド層53が擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波を反射し、ダイヤモンド層53より外側、即ち、充填剤56には、エネルギーが漏洩しないため、ダイヤモンド層53全面を充填剤56で覆うことが可能となる。このように、弾性表面波素子60の裏面側を充填剤56で覆うため接続面積が大きくなり、応力集中を生じ難くさせることができる。これにより、水晶基板51の破損を防止することが可能となり、所謂耐衝撃性を向上させた弾性表面波装置50を提供することが可能となる。
(第四実施形態)
(第四実施形態)
次に、本実施形態に係る弾性表面波装置について図7を用いて説明する。図7は、第四実施形態の弾性表面波装置の概略を示す正断面図である。
図7に示すように、弾性表面波装置70は、セラミックなどで形成された基板75上に弾性表面波素子77が接続されており、それらの周囲を覆うように保持部としてのモールド樹脂76が設けられた、所謂CSP形態で構成されている。
弾性表面波素子77は、圧電基板としての水晶基板71、反射部としてのダイヤモンド層73および水晶基板71の表面に形成されたIDT電極72などから構成されている。
弾性表面波素子77は、IDT電極72が基板75に向かう状態で金バンプ74を介してマウントされ、電気的接続と機械的接続を同時に果たしている。
そして、エポキシ樹脂などによるモールド樹脂76が、IDT電極72の形成面を除いた状態で設けられて弾性表面波素子77を保護し、パッケージされた弾性表面波装置70となる。
弾性表面波素子77は、圧電基板としての水晶基板71、反射部としてのダイヤモンド層73および水晶基板71の表面に形成されたIDT電極72などから構成されている。
弾性表面波素子77は、IDT電極72が基板75に向かう状態で金バンプ74を介してマウントされ、電気的接続と機械的接続を同時に果たしている。
そして、エポキシ樹脂などによるモールド樹脂76が、IDT電極72の形成面を除いた状態で設けられて弾性表面波素子77を保護し、パッケージされた弾性表面波装置70となる。
本実施形態の弾性表面波装置70は、弾性表面波素子77が擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波を反射する反射部としてのダイヤモンド層73を介してモールド樹脂76に覆われている。このダイヤモンド層73が擬似縦波型漏洩弾性表面波の漏洩波を反射し、ダイヤモンド層73より外側、即ち、モールド樹脂76には、エネルギーが漏洩しないため、ダイヤモンド層73全面をモールド樹脂76で覆うことが可能となる。このように、弾性表面波素子77の裏面側をモールド樹脂76で覆うため接続面積が大きくなり、応力集中を生じ難くさせることができる。これにより、水晶基板71の破損を防止することが可能となる。加えて、収納容器が不要となるため小型化することも可能となる。これらにより、耐衝撃性を向上させた小型の弾性表面波装置70を提供することが可能となる。
(第五実施形態)
(第五実施形態)
次に第五実施形態として本発明の電子機器の実施形態について説明する。図8は、電子機器の構成を示す構成図である。電子機器80には、上述の第一実施形態から第四実施形態で説明したような弾性表面波装置90(図5、図6および図7に示した弾性表面波装置20,50,70)を備えている。この実施形態に係る電子機器としては、例えば、携帯電話やキーレスエントリーシステムなどが挙げられる。携帯電話の場合には、弾性表面波装置90を携帯電話の周波数選別フィルタとして用いるようにした。また、キーレスエントリーシステムの場合には、弾性表面波装置90を、発振器の共振子として用いるようにした。
このように、この実施形態の電子機器80は、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用した弾性表面波装置90をフィルタや共振子、あるいは発振器として含んだものである。このような構成からなる電子機器80は、耐衝撃性が向上した弾性表面波装置90を備えており、外部からの衝撃にも耐え得る良好な性能を持った電子機器80を提供できる。
なお、前述の実施形態では、圧電基板の一例として水晶基板を用いて説明したがこれに限らない。例えば、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板または四ホウ酸リチウム基板などの圧電性を有する基板を用いてもよく、その効果は同様である。
1…圧電基板としての水晶基板、1a…水晶基板の表面、1b…水晶基板の裏面、1c…ダイヤモンド層の裏面、2…IDT電極、3a、3b…反射器電極、10,30,60,77…弾性表面波素子、5…反射部としてのダイヤモンド層、20,50,70…弾性表面波装置、80…電子機器、t…圧電基板の厚み、h…電極の厚み、λ…IDT波長、P…IDT電極のピッチ。
Claims (11)
- 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振させるIDT電極を備えた弾性表面波素子であって、
前記IDT電極が形成された面と表裏の関係にある前記圧電基板の裏面上に、前記圧電基板の有する音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する反射部が形成されていることを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1に記載の弾性表面波素子において、
前記反射部の音響インピーダンスが、前記圧電基板の音響インピーダンスより大きいことを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1または請求項2に記載の弾性表面波素子において、
前記圧電基板と前記反射部との境界が、陽極接合または直接接合によって接合されていることを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の弾性表面波素子において、
前記反射部が、薄膜で形成されていることを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の弾性表面波素子において、
前記反射部は、前記圧電基板の平面と同一形状、または前記圧電基板の平面積以上の平面積を有していることを特徴とする弾性表面波素子。 - 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振させるIDT電極を備えた弾性表面波装置であって、
前記IDT電極が形成された面と表裏の関係にある前記圧電基板の裏面上に、前記圧電基板の有する音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有し形成された反射部と、
前記反射部に接するように形成された保持部とを有することを特徴とする弾性表面波装置。 - 請求項6に記載の弾性表面波装置において、
前記反射部の音響インピーダンスが、前記圧電基板の音響インピーダンスより大きいことを特徴とする弾性表面波装置。 - 請求項6または請求項7に記載の弾性表面波装置において、
前記圧電基板と前記反射部との境界が、陽極接合または直接接合によって接合されていることを特徴とする弾性表面波装置。 - 請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の弾性表面波装置において、
前記反射部が、薄膜で形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。 - 請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載の弾性表面波装置において、
前記反射部は、前記圧電基板の平面と同一形状、または前記圧電基板の平面積以上の平面積を有していることを特徴とする弾性表面波装置。 - 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振させるためのIDT電極を備えた弾性表面波装置であって、前記IDT電極が形成された面と表裏の関係にある前記圧電基板の裏面上に、前記圧電基板の有する音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する反射部が形成されている弾性表面波装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006043477A JP2007228011A (ja) | 2006-02-21 | 2006-02-21 | 弾性表面波素子、弾性表面波装置および電子機器 |
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| JP2006043477A JP2007228011A (ja) | 2006-02-21 | 2006-02-21 | 弾性表面波素子、弾性表面波装置および電子機器 |
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011148705A1 (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-01 | 株式会社 村田製作所 | 弾性波デバイス |
| WO2016088543A1 (ja) * | 2014-12-01 | 2016-06-09 | 株式会社村田製作所 | 弾性波共振子、弾性波フィルタ、デュプレクサ及び弾性波装置 |
| JP2017220778A (ja) * | 2016-06-07 | 2017-12-14 | 太陽誘電株式会社 | 弾性波デバイス |
| US11336255B2 (en) | 2017-02-16 | 2022-05-17 | Acoustic Wave Device Labo., Ltd. | Acoustic wave element and method for manufacturing same |
-
2006
- 2006-02-21 JP JP2006043477A patent/JP2007228011A/ja not_active Withdrawn
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