JP2007211860A - 摩擦伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミスアライメントを含めた接触の条件を考慮して、摩擦伝動装置の面圧を低減させる。
【解決手段】摩擦伝動装置の接触面に形成したクラウニングのドロップ量の和が式(I)で与えてある。
【数1】
【選択図】図1
【解決手段】摩擦伝動装置の接触面に形成したクラウニングのドロップ量の和が式(I)で与えてある。
【数1】
【選択図】図1
Description
この発明は摩擦伝動装置に関し、より詳しくは接触面のクラウニングに関するものである。
摩擦伝動装置の例としては、遊星ローラ型変速機、トロイダル型無段変速機、リングコーン型無段変速機などが挙げられる。遊星ローラ型変速機を例にとるならば、駆動側ローラと被動側ローラが線接触して両者間でトルクを伝達するようになっている。単位長さ当たりの伝動効率を向上させつつ、転動疲労寿命を延長するためには、軸方向の面圧分布が一定であることが望ましい。Lundbergによれば、線接触の場合、接触部の軸方向の形状を対数形状とすることによって、軸方向の面圧分布を一定にすることができる。ただし、Lundbergが導いた関数の形状は実現不可能であり、Johns-Goharがこれを改良した関数を示している。摩擦伝動装置にJohns-Goharの形状を採用した例が特許文献1に開示されている。
特開平成10−89431号公報
特開2000−346078号公報(式(16)および式(19)参照)
加工誤差や変形によって、ローラにミスアライメントが生じることがある。Johns-Goharの形状ではミスアライメントを生じた場合にローラの接触端部での面圧の増大を生じる。
この発明の主要な目的は、ミスアライメントを含めた接触の条件を考慮して、摩擦伝動装置の面圧を低減させることにある。
本出願人は先に、ミスアライメントの影響を考慮した対数形状の、ころ軸受におけるクラウニングの設計方法について提案している(特願2004−234780)。この発明はかかる設計方法を摩擦伝動装置に応用したものである。そこで、そのクラウニングの設計方法についてまず述べる。
ころ軸受の軸方向断面におけるクラウニングの輪郭線形状としては、Johns, P.M. and Gohar, R.が“Roller bearings under radial and eccentric loads”(TRIBOLOGY international June 1981 pp.131〜136)において、下記の式(1)で表される最適転動体曲線(以下、Johns-Gohar曲線という。)を提唱している。
式(1)のJohns-Gohar曲線は、図9に示すように、ころの母線をy軸とし、軸受軌道輪ところの有効接触部の中央部に原点Oをとったy−z座標系において、原点Oを通り、y=±L/2(1−0.3033b/a)-1/2を漸近線とするz軸対称の曲線を表すものである。有効接触部とは、軸受軌道輪ところの二次元接触を仮定したときの接触領域で、ころの周方向にほぼ均一な幅をもつ。式(1)において、z(y)はころの母線方向位置yにおけるクラウニングのドロップ量(ころの母線からころの転動面までの母線直交方向の変位)である。また、Qは荷重、E’は等価弾性係数、Lは軸受軌道輪ところの有効接触部の長さ、bはヘルツの接触半幅(有効接触部の周方向の半幅)、aは原点Oから有効接触部の端部までの母線方向長さ(通常は、a=L/2である。)である。なお、ヘルツの接触半幅bは、下記の式(2)で求められる。
式(2)において、Rは等価半径で、有効接触部における軸受軌道輪の半径(内輪の外径または外輪の内径)をR1とし、有効接触部におけるころの半径をR2とすると、下記の式(3)で求められる。
また、軸受軌道輪およびころの弾性係数をE1,E2とし、軸受軌道輪およびころのポアソン比をν1,ν2とすると、等価弾性係数E’は下記の式(4)で求められる。
ところで、この発明者らが、式(1)のJohns-Gohar曲線で表されるクラウニングについて接触圧力の解析を行なった結果、クラウニングの端部で接触圧力がやや高くなることが確認された。このことは、特許文献2においても指摘されている。特許文献4では、有効接触部の母線方向に相当応力の最大値が分布しないように式(1)のJohns-Gohar曲線を改良したクラウニング曲線が提案されている(下記の式(5)参照)。
式(5)において、Kは安全係数で0.8〜5の範囲で定められる。また、係数k1,k2は有効接触部長さLおよびヘルツの接触半幅bによって下記の式(6)および式(7)のように定められる。
式(5)のクラウニング曲線は、式(1)のJohns-Gohar曲線と同様に、有効接触部の中央部に原点Oをとったy−z座標系において、原点Oを頂点として、z軸に関して正負線対称のフルクラウニングの輪郭線を表すものである。式(5)における係数k1,k2は、設計条件として、有効接触部の長さLおよびヘルツの接触半幅bを与えると定められる。したがって、式(5)では、安全係数Kが設計パラメータとなる。詳しくは、安全係数Kを大きくするとクラウニングの曲率半径は大きくなり、安全係数Kを小さくするとクラウニングの曲率半径は小さくなる。
式(5)では、軸受軌道輪ところの接触面近傍の相当応力の分布が略均一になるように安全係数Kを設定すれば、最適なフルクラウニングを設計することができる。詳しくは、安全係数Kの値を変えて、軸受軌道輪ところの接触面近傍の相当応力を求め、当該最大相当応力が最小となるときの安全係数Kを選択すれば、軸受軌道輪ところの相当応力の分布が母線方向に略均一になる最適なフルクラウニングを設計することができる。
述べたように、ころ軸受に形成されるクラウニングにはフルクラウニングとカットクラウニングがある。フルクラウニングは、ころと軸受軌道輪の有効接触部の全域にわたって形成されるので、フルクラウニングの母線方向長さが有効接触部の母線方向長さLと等しくなる。これに対し、カットクラウニングの場合は、有効接触部の中間部に形成されたストレート部の片端部または両端部から外側へ向かって形成されるので、ストレート部の形成領域によってカットクラウニングの母線方向長さが変化する。さらに、カットクラウニングは、母線方向長さが変化すると、有効接触部の端部におけるドロップ量(最大ドロップ量)も変化する。したがって、フルクラウニングおよびカットクラウニングの両方を想定して最適なクラウニングを設計するには、クラウニングの曲率のみならず、クラウニングの母線方向長さや最大ドロップ量を設計パラメータとして式(1)に導入する必要がある。
このように、式(5)のクラウニング曲線は、安全係数Kおよび係数k1,k2を式(1)に導入してJohns-Gohar曲線を改良してあるが、係数k1,k2を上記の式(6)および式(7)のように定義し、パラメータが安全係数Kのみになっているため、設計上の自由度が低く、カットクラウニングの設計には適していないという問題がある。
この発明では、Johns-Goharの対数関数式を改良して、形状を定める3個の設計パラメータを導入する。ミスアライメントを含めた接触の条件を考慮し、これらのパラメータを数値的に最適化することによって、面圧を低減させることができる。
すなわち、この発明の摩擦伝動装置は、接触面に形成したクラウニングのドロップ量の和が式(8)で与えられることを特徴とするものである。
ただし、A=2K1Q/πLE’
Q:荷重
L:接触面の有効接触部の母線方向長さ
E’:等価弾性係数
a:接触面の母線上にとった原点から有効接触部の端部までの長さ
Q、L、E’は設計条件として与えられ、aは原点の位置によって定められる。
Q:荷重
L:接触面の有効接触部の母線方向長さ
E’:等価弾性係数
a:接触面の母線上にとった原点から有効接触部の端部までの長さ
Q、L、E’は設計条件として与えられ、aは原点の位置によって定められる。
従来例の式(1)で表されるJohns-Gohar曲線をクラウニングに適用すると、有効接触部の端部で接触圧力が大きくなることから、式(1)に係数K1,K2’を導入して定数項をパラメータ化し、下記の式(9)とした。
式(9)は、K1=Kk2,(1−0.3033K2’b/a)=k1 2とすれば、従来例の式(5)と同じ形になる。なお、式(9)における係数K1,K2’は、ヘルツの接触半幅bや有効接触部の長さLに関係なく設定できる点で、式(5)におけるKk2,k1と意味を異にする。
式(9)は、有効接触部の中央部に原点をとり、原点を頂点とする正負線対称のフルクラウニングを表すものである。フルクラウニングは、母線方向負側または正側に向かって形成される各クラウニングの始点が一致している。これに対し、カットクラウニングは、母線方向負側または正側に向かって形成される各クラウニングの始点が一致しておらず、各クラウニングの始点間にストレート部が形成されている。そこで、式(9)で表される曲線を母線方向に平行移動してカットクラウニングを表せるようにするため、各クラウニングの始点座標(±s,0)を式(9)に導入することとした。なお、フルクラウニングもカットクラウニングも、通常は、母線方向の正負で線対称に形成されるので、母線方向負側または正側のいずれか一方側に向かって形成されるクラウニングを表す関係式を作れば、当該式を他方側に向かって形成されるクラウニングにも適用することができる。ここでは、便宜上、母線方向正側に向かって形成されるクラウニングを表す関係式を作ることとし、式(9)に始点座標(s,0)を導入して式(10)のように変換した。
クラウニングの始点座標(s,0)は、原点から有効接触部の端部までの母線方向長さaとクラウニングの母線方向長さymを用いて、(s,0)=(a−ym,0)と表すことができる(図2参照)。これにより、式(10)は式(11)のように変形することができる。
なお、式(11)で表されるクラウニング曲線は、式(9)で表されるクラウニング曲線を平行移動したものであるから、式(9)および式(11)で表されるクラウニングは、母線方向長さymと、有効接触部の端部におけるドロップ量すなわち最大ドロップ量zmが同じである。したがって、式(11)におけるクラウニングの母線方向長さymは、式(9)に基づき、式(12)のように表すことができる。
式(12)のように、クラウニングの母線方向長さymは、K1,K2’,zmを与えなければ求めることができない。したがって、式(11)に基づいてクラウニングの設計を行なうことは困難である。また、式(11)における係数K1は、荷重Qに掛けられているので、物理的な意味合いとして荷重Qの倍率と解釈することができ、K2’,ymを定めて係数K1を変化させるとクラウニング曲線の曲率が変化することから、幾何学的には、クラウニング曲線の曲率を定めるパラメータと解釈することができる。他方、係数K2’の物理的な意味合いは不明確である。したがって、式(11)から係数K2’を消去して物理的意味合いのある設計パラメータを導入する必要がある。
そこで、式(12)から得られる係数K2’を式(11)に代入して整理すると、下記の式(13)が得られる。
ここで、原点から有効接触部の端部までの母線方向長さaに対する各クラウニングの母線方向長さymの割合をK2と定義し(K2=ym/a)、ym=K2aを式(13)に代入すると共に、2K1Q/πLE’=Aとすると、上記の式(8)が得られる。
上記の式(8)は、クラウニングが形成される面の母線をy軸とし、母線直交方向にz軸をとったy−z座標系を用いて、母線方向正側に向かって形成されるクラウニングの軸線方向断面における輪郭線を表したものである。式(8)では、クラウニング曲線の曲率K1、原点から有効接触部の端部までの母線方向長さaに対する各クラウニングの母線方向長さymの割合K2、および、クラウニングの最大ドロップ量zmを除く他の値(Q,L,E’,a)は、設計条件として与えられる。また、フルクラウニングの場合や、カットクラウニングであってストレート部の長さが予め設定されている場合は、K2の値も設計条件として与えられる。したがって、式(8)に基づいてクラウニング曲線を設計するには、三つの設計パラメータK1,K2,zm、或いは二つの設計パラメータK1,zmを決定することが必要になる。
式(8)における二つまたは三つの設計パラメータを決定する手法としては、勾配法、焼きなまし法、遺伝的アルゴリズム、直接的探索法などの数値的な最適化手法を用いることができる(請求項2)。つまり、パラメータK1,K2,zmのうちの少なくとも一つを任意の最適化手法を用いてコンピュータによって自動最適化する。
勾配法は、山登り法または傾斜法としても知られている手法で、最も大きい導関数(勾配)の方向に解を探っていく方法である(たとえば、G.N. Vanderphan,“Numerical Optimization Techniques for Engineering Design: with Applications”, McGraw-Hill, Inc., New York (1984)参照)。
焼きなまし法(SA, Simulated Annealing)は、焼きなましとアナロジーから考案されたもので、エネルギーを最小化する手法である(たとえば、W.H. Press, et al, Numerical Recipes in FORTRAN: the art of scientific computing, 2nded., Cambridge University Press, Cambridge (1992)参照)。
遺伝的アルゴリズム(GA, Genetic Algorithm)は、生物進化の過程をモデル化した手法で、進化的アルゴリズム(Eas, Evolutionary Algorithm)または進化的計算(Evolutionary Computation)とも呼ばれ、多点同時探索法であることから多峰性関数にも適用できるメリットがある(たとえば、D.E. Goldberg, Genetic Algorithms in Search, Optimization & Machine Learning, Addison-Wesley Publishing Company, Inc., Reading (1989)参照)。
直接的探索法は、導関数の計算が困難である場合に、導関数を計算しないで目的関数の値だけを利用する最適化手法である。直接的探索法の代表的なものとしては、Rosenbrock法がある。Rosenbrock法は、探索方向のベクトルをより良い方向に回転させて最適値を見出す手法である(たとえば、杉江日出澄ら,“FORTRAN77による数値計算法”,培風館,1986参照)。
また、上記の数値的な最適化手法に含まれるものもあるが、線形計画法、非線形計画法、実験計画法、モンテカルロ法なども最適化手法として挙げられる。
このように最適化手法として種々のものが提案されているが、目的関数の勾配を求める必要がないというメリットがあることから、式(8)の設計パラメータの最適化には、直接探索法のひとつであるRosenbrock法を採用することが好ましい。Rosenbrock法は、一般的に初期値依存性があり、適当な初期値を与える必要がある。そこで、最適値が含まれると推定される設計パラメータの範囲、すなわち初期値探索範囲を与え、この初期値探索範囲を複数に分割して得られる設計パラメータのすべての組合せについて目的関数を求める。そして、目的関数が最適となる設計パラメータの組合せを初期値として採用する。初期値を探索する際に得られた設計パラメータと目的関数の関係は、設計パラメータに公差を与える際に利用することができる。
なお、目的関数としては、内輪軌道面、外輪軌道面またはころ転動面に負荷される最大接触圧力、ミーゼスの相当応力、トレスカの相当応力、転動疲労寿命のうち少なくともいずれかひとつを使用することができる。最大接触圧力、ミーゼスの相当応力またはトレスカの相当応力を目的関数とする場合は、これらの値が最小になるように設計パラメータを決定する。転動疲労寿命を目的関数とする場合は、転動疲労寿命が最長になるように設計パラメータを決定する。
図10に、単純な円弧形状クラウニングと式(8)で表される対数クラウニングの形状を対比して示し、図11に軸方向の面圧分布を示す。ここではミスアライメントを与えており、対数クラウニングの設計パラメータK1、K2,zmは数理的最適化手法を用いて、最大面圧が最低となるように最適化されている。図10および図11に示すように、円弧クラウニングより対数クラウニングのほうが端部でのドロップ量が小さいにも拘わらず最大面圧が低くなっている。なお、ここでは最適化の目的関数として最大面圧を採用したが、転動疲労寿命や内部応力を採用することもできる。
式(8)で与えられたドロップ量は、一方の面に設けられる必要はなく、接触する2面のドロップ量の和が式(8)のドロップ量であればよい。
K2は最適化すると通常、0.9〜1程度の値となる。ただし、製造上の必要があれば、0<K2≦1の値を任意に与えてもよい。
図12に示すように、K1、zmは最適値より小さい値となると最大面圧は極めて大きな値となる。これはエッジ部での面圧の増大による。ところが、最適値より大きい値の場合には漸増するにとどまる。したがって、公差を与える場合には、K1の最適値をK1opt、zmの最適値をzmoptとすると、K1opt≦K1かつzmopt≦zmとすればよい(請求項3)。
この発明によれば、わずかな加工量のクラウニングでありながら、摩擦伝動装置のローラの面圧が軸方向に均一になり、伝達効率が向上する。また、エッジ部での過大な応力が発生しないため、ローラの疲労寿命が延びる。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。図1に、摩擦伝動装置の一例として示した遊星ローラ型変速機は、ハウジング2と、固定輪4と、太陽軸6と、キャリア10と、遊星ローラ8とで構成されている。固定輪4はハウジング2に固定してある。固定輪4と太陽軸6とは同心状に配置され、両者間に圧接状に、複数の遊星ローラ10が介在させてある。キャリア8は軸部8aと環状板8bと遊星軸8cとから成り立っている。遊星軸8cは環状板8bの円周上に固定してあり、それぞれ針状ころ軸受を介して回転自在に遊星ローラ10を支持している。遊星ローラ4の公転に伴ってキャリア8は回転する。そして、太陽軸6が高速の入出力軸に、キャリア8の軸部8aが低速の入出力軸になり、太陽軸6を入力軸とした場合には減速機、キャリア8の軸部8aを入力軸とした場合には増速機として機能する。
固定輪4の内周面および太陽軸6の外周面は、平坦な円筒面に形成されており、遊星ローラ10の外周面にはクラウニングが形成してある。符号10aはクラウニングを指すものとする。
図2は、ローラ10の母線をy軸とし、ローラ10の母線上であって有効接触部の中央部に原点Oをとると共に、母線直交方向(半径方向)にz軸をとったy−z座標系を用いて、下記の式(14)で表されるクラウニング10aの一例を示したものである。有効接触部は、ローラ10にカットクラウニング10aを形成していない場合のローラ10の接触部位である。また、ローラ10のクラウニング10aは、通常、有効接触部の中央部を通るz軸に関して線対称に形成されるので、図2では、一方のクラウニング10aのみ示してある。
ただし、式(14)において、A=2K1Q/πLE’とする。また、クラウニング6aの始点O1の座標は(a−K2a,0)であるから、式(14)におけるyの範囲は、y>(a−K2a)である。
式(14)におけるz(y)は、ローラ10の母線方向位置yにおけるクラウニング10aのドロップ量である。また、式(14)において、Qは荷重、Lは有効接触部の母線方向長さ、E’は等価弾性係数、aは原点Oから有効接触部の端部までの母線方向長さである。これらの値は設計条件として与えられる。なお、図2では、原点Oを有効接触部の中央部にとっているので、a=L/2となる。また、原点Oからクラウニング10aの始点O1までの領域は、円筒面状に形成されるストレート部であるから、0≦y≦(a−K2a)のとき、z(y)=0となる。ただし、K2=1のとき、始点O1が原点Oと一致するので、式(14)はストレート部のないフルクラウニングを表すことになる。
式(14)において、K1,K2,zmは設計パラメータである。設計パラメータK1は荷重Qの倍率、幾何学的にはクラウニング10aの曲率を意味している。設計パラメータK2は、原点Oから有効接触部の端部までの母線方向長さaに対するクラウニング10aの母線方向長さymの割合を意味している(K2=ym/a)。設計パラメータzmは、有効接触部の端部におけるドロップ量、すなわちクラウニング10aの最大ドロップ量を意味している。
式(14)に、荷重Q等の設計条件と、適当な設計パラメータK1,K2,zmを与えるとひとつのクラウニング曲線が得られ、設計パラメータK1,K2,zmのいずれかを変化させることで、クラウニング曲線を変形させることができる。したがって、最適な設計パラメータK1,K2,zmを与えると、ローラ10の接触圧力がほぼ一様で、かつ、エッジロードが発生しなくなるような最適なクラウニング曲線が得られる。
以下、表1に示すような設計条件を与えたときの設計パラメータK1,K2,zmの最適化について説明する。なお、表1中のデータは、先の出願(特願2004−234780)で開示したころ軸受についてのものである。
設計パラメータK1,K2,zmの最適化手法としては、種々のものが提案されているが、ここでは、直接探索法のひとつであるRosenbrock法を採用し、その目的関数として、ローラ10の最大接触圧力Pmaxを使用する。
表1のような設計条件が与えられた場合、単に最大接触圧力Pmaxを最小とするだけであれば、設計パラメータK1,K2,zmのすべての組合せについて最大接触圧力Pmaxを求めるべきであるが、ローラ10のチルト勾配を考慮して最適化を行なうと、K2=1となって、カットクラウニング10aについて評価検討することができない。図2のカットクラウニング10aは、始点O1を原点Oよりも正側の領域にとっているので、K2の範囲が0〜1になる。そこで、ここでは、カットクラウニングについて評価検討するために、K2を0.5と仮定し、公差を0.05として、K2の許容範囲を0.45〜0.55とする。
図3ないし図5は、K2=0,45,0.50,0.55のときに、設計パラメータK1,zmを変化させて得られるクラウニング曲線の各々について最大接触圧力Pmaxを求め、その結果を等圧線図として示したものである。図3ないし図5において最大接触圧力Pmaxの最小値は、図4に示す最適点Mの3.486GPaである。最適点Mにおける設計パラメータK1,zmの値は、K1=2.779,zm=16.253μmである。最適点Mにおける最大接触圧力Pmaxの1.05倍までを許容範囲とすると、図3ないし図5に示すように、K1=2〜3,K2=0.45〜0.55,zm=16〜38μmを設計パラメータの公差範囲Dとして選ぶことができる。このようにして得られた公差範囲Dを式(14)の設計パラメータK1,K2,zmに与えると、図6に示すハッチング領域に好適なクラウニング曲線が収まる。なお、図6において、太線で示すクラウニング曲線は、最適点Mにおける設計パラメータK1,K2,zmによって得られる最適なクラウニング曲線である。
このように、式(14)の設計パラメータK1,K2,zmに好適な公差範囲を与えてローラ10のクラウニング10aを設計すると、ローラ10の接触圧力がほぼ一様になり、ローラ10にエッジロードが発生しなくなる。
なお、上述の実施の形態において、K2=1として設計パラメータK1,zmの最適化を行なうと、各クラウニング10aの始点を原点Oとする最適なフルクラウニングおよびその公差範囲に含まれる好適なフルクラウニングを設計することができる。
以上、この発明に係るころ軸受のクラウニング設計方法の一実施の形態につき説明したが、この発明は上述の実施の形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、たとえば上述の実施の形態では、有効接触部の中央部に原点Oをとったy−z座標系を用いてクラウニング10aを表しているが、図7(A)に示すように、原点Oを有効接触部の中央部Cからオフセットした位置にとっても、式(14)によってクラウニング10aの輪郭線を表すことができる。この場合、原点Oから有効接触部の端部までの母線方向長さaは、a≠L/2となる。また、K2>1とすると、クラウニング10aの始点座標O1(a−K2a,0)は、図7(B)に示すように、原点Oよりも負側にとられる。
また、上述の実施の形態では、有効接触部の中央部にとったz軸に関して線対称性を有するクラウニング10aを挙げて説明したが、クラウニングはz軸に関して非線対称であっても構わない。この場合、式(14)の設計パラメータK1,K2,zmを各クラウニングごとに独立して最適化してもよいし、母線方向正側に向かって形成される一方のクラウニングを下記の式(15)で表すと共に、母線方向負側に向かって形成される他方のクラウニングを下記の式(16)で表し、式(15)における設計パラメータK1p,K2p,zmpと、式(16)における設計パラメータK1n,K2n,zmnとを同時に求めても構わない。
なお、式(15)におけるapは、原点Oから有効接触部の正側端部までの母線方向長さで、式(16)におけるanは、原点Oから有効接触部の負側端部までの母線方向長さである。また、式(15)および式(16)は、設計パラメータの記号としてK1p,K2p,zmpおよびK1n,K2n,zmnを用いているが、実質的に式(14)と同じ式である。
式(15)および式(16)によれば、上述の実施の形態で説明したz軸に関して線対称のカットクラウニングやフルクラウニングのほか、たとえば、図8(A)に示すように、頂点Oを有効接触部の中央部Cからオフセットした非線対象のフルクラウニングや、図8(B)に示すように、有効接触部の中央部Cからの始点O1,O2のオフセット距離が相違する非線対称のカットクラウニングなど、種々のクラウニング形状を表すことができる。なお、図8(A)(B)に示すクラウニング曲線は、式(15)の設計パラメータK1p,K2p,zmpと、式(16)の設計パラメータK1n,K2n,zmnが、K1p≠K1n,K2pap≠K2nan,zmp≠zmnのうち少なくともいずれかひとつを満たすものである。このように、式(15)および式(16)を用いると、線対称であるか非線対称であるかを問わず最適なクラウニングおよびその公差範囲に含まれる好適なクラウニングを設計することができる。
2 ハウジング
4 固定輪
6 遊星軸
8 キャリア
10 遊星ローラ
10a クラウニング
12 針状ころ軸受
4 固定輪
6 遊星軸
8 キャリア
10 遊星ローラ
10a クラウニング
12 針状ころ軸受
Claims (3)
- 接触面に形成したクラウニングのドロップ量の和が式(I)で与えられる摩擦伝動装置。
- 式(I)中のパラメータK1,K2,zmのうちの少なくとも一つを任意の最適化手法を用いてコンピュータによって自動最適化した請求項1の摩擦伝動装置。
- パラメータK1の最適値をK1opt、zmの最適値をzmoptとしたとき、K1opt≦K1かつzmopt≦zmで表される関係が成り立つ請求項1の摩擦伝動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006031186A JP2007211860A (ja) | 2006-02-08 | 2006-02-08 | 摩擦伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006031186A JP2007211860A (ja) | 2006-02-08 | 2006-02-08 | 摩擦伝動装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007211860A true JP2007211860A (ja) | 2007-08-23 |
Family
ID=38490495
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006031186A Withdrawn JP2007211860A (ja) | 2006-02-08 | 2006-02-08 | 摩擦伝動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2007211860A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018083060A1 (de) * | 2016-11-03 | 2018-05-11 | Robert Bosch Gmbh | Vorrichtung zur drehmomentübertragung |
| WO2018096939A1 (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | Ntn株式会社 | 電動アクチュエータ |
-
2006
- 2006-02-08 JP JP2006031186A patent/JP2007211860A/ja not_active Withdrawn
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