JP2007279560A - ホログラム記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホログラム記録再生に好適なるフォトポリマを記録層として用いるホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】録層はフォトポリマを構成材料として含み、フォトポリマによって形成されるホログラムの回折効率の最大値を最大回折効率ηとし、ホログラム記録時における記録済みホログラムの回折効率を多重化時回折効率η’とし、モノマの拡散定数を拡散定数Dとして、形成されるホログラムの体積をホログラム体積Vとし、記録中のホログラムと記録済みホログラムとの重なり部分の体積を重なり体積V’とし、書き込み開始からの経過時間を時間tとし、0.1≧η’(D(t))/η×V’(t)/Vが成立する範囲の拡散定数の値を上限値とし、前記上限値の1/6の値の拡散定数の値を下限値として、多重記録における記録再生特性を良好なものとする。
【選択図】図4
【解決手段】録層はフォトポリマを構成材料として含み、フォトポリマによって形成されるホログラムの回折効率の最大値を最大回折効率ηとし、ホログラム記録時における記録済みホログラムの回折効率を多重化時回折効率η’とし、モノマの拡散定数を拡散定数Dとして、形成されるホログラムの体積をホログラム体積Vとし、記録中のホログラムと記録済みホログラムとの重なり部分の体積を重なり体積V’とし、書き込み開始からの経過時間を時間tとし、0.1≧η’(D(t))/η×V’(t)/Vが成立する範囲の拡散定数の値を上限値とし、前記上限値の1/6の値の拡散定数の値を下限値として、多重記録における記録再生特性を良好なものとする。
【選択図】図4
Description
本発明は、ホログラム記録媒体に関する。
近年、高記録密度を達成するとともに、高転送速度で記録データを記録再生することが可能な記録再生装置として、ホログラムを用いるホログラム記録再生装置が注目を集めている。ホログラム記録再生装置では、記録媒体の厚み方向も活用し、記録に際しては、2次元の情報を1ページとする記録データに応じたページデータに基づき参照光と信号光とを干渉させて生じる干渉縞を、ホログラム記録媒体の中にページデータ毎に3次元的なホログラムとして形成して記録をするものである。また、再生に際しては、このようにして形成されたホログラムに参照光を照射して発生する回折光を得て記録データを再生する。
また、ホログラム記録再生の方式としては、コアキシャル方式と二光束方式とが、その代表例として知られている。ここで、コアキシャル方式は、記録時においては、記録データに応じて空間光変調器によってレーザ光源からの光ビームを変調して信号光を得るとともに同一のレーザ光源からの光ビームを参照光として得て、このような信号光と参照光とを、光路の一部において同軸状(コアキシャル)に配置して、最終的には、共通の対物レンズを通過させて、ホログラム記録媒体に照射されるようにしてホログラムがホログラム記録媒体に記録されるようにするものである。そして、コアキシャル方式では、再生時においては、レーザ光源からの参照光のみをホログラム記録媒体に照射して、参照光と同軸状となる位置関係でホログラム記録媒体から回折する回折光(再生光)を得て、この回折光から記録データが再生されるようにするものである(非特許文献1を参照)。一方、二光束方式とは、記録時においては、信号光と参照光との各々を別の光路を通過させてホログラム記録媒体に照射し、再生時においては、参照光と回折光(再生光)との各々を別の光路を通過させる方式である。
また、ホログラム記録再生においては、多重化、すなわち、同一または重複するホログラム形成領域に複数の記録データを、ページ毎に重ねて記録することがおこなわれている。
そして、このようなホログラム記録媒体におけるホログラムを形成するための記録層の媒質として、フォトポリマが検討されている。フォトポリマは安価に作成できること、その耐久性および高感度性などから、記録層の媒質として用うるに好適なるものである(特許文献1を参照)。しかしながら、このようなフォポリマの物理的特性と記録再生特性との関係、例えば、多重記録に必要とされるフォポリマの物理的特性に言及した例はほとんどないのが実情である。すなわち、ホログラム記録再生におけるホログラム記録媒体の最適化の観点からこれらを知ることは重要であるにも関わらず、どのような物理特性がフォトポリマに要求されるかについては、未知であった。なお、モノマがポリマに変化する拡散過程のモデルについては、いくつかの論文が発表されている(非特許文献2、非特許文献3を参照)。また、フォトポリマの拡散定数を制御する方法についての開示がなされている(特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。
特開2004−226821号公報
米国特許出願公開第06939648号公報
米国特許出願公開第06103454号公報
米国特許出願公開第06482551号公報
日経エレクトロニクス2005年1月17日号106頁〜114頁
Shun-Der Wu et al,J.Opt.Soc.Am.B,Vol.20,Bo.6,june(2003)
C.Neipp, et al. OPTICS EXPRESS, vol.11,No16(2003)
上述の問題に鑑み、本発明は、ホログラム記録再生に用いるに好適なる、フォトポリマを記録層とするホログラム記録媒体を提供することを目的とする。
本発明のホログラム記録媒体は、複数の記録データの各々に応じて変調された信号光および前記信号光と光源を同一とする参照光を共通の集光レンズで集光して干渉させて、前記複数の記録データの各々に応じた複数のホログラムを順次重ねて形成する記録層を有するホログラム記録媒体であって、前記記録層はフォトポリマを構成材料として含み、前記フォトポリマによって形成されるホログラムの回折効率の最大値を最大回折効率ηとし、ホログラム記録時における記録済みホログラムの回折効率を多重化時回折効率η’とし、モノマの拡散定数を拡散定数Dとして、形成されるホログラムの体積をホログラム体積Vとし、記録中のホログラムと記録済みホログラムとの重なり部分の体積を重なり体積V’とし、前記記録済みホログラムの書き込み開始からの経過時間を時間tとし、0.1≧η’(D(t))/η×V’(t)/Vが成立する範囲のモノマの拡散定数の値を上限値とし、前記上限値の1/6のモノマの拡散定数の値を下限値とする範囲のモノマの拡散定数を有する。
このようなホログラム記録媒体では、モノマの拡散定数が所定の上限値以下であるので、ホログラムの多重記録をするに際して、既に記録済みのホログラムによって、書き込み中のホログラムを形成するための信号光および参照光が回折される影響が少なく良好なホログラムの書き込みができる。また、モノマの拡散定数が所定の下限値以上であるために、記録されたホログラムの再生を高速におこなうことができる。
本発明の別のホログラム記録媒体は、複数の記録データの各々に応じて変調された信号光および前記信号光と光源を同一とする参照光を共通の集光レンズで集光して干渉させてホログラムを形成するためのフォトポリマを構成材料として含む記録層を有するホログラム記録媒体であって、前記フォトポリマの連鎖長は、30nmから100nmの範囲であることを特徴とする。
このようなホログラム記録媒体では、ホログラムを形成するフォトポリマの連鎖長を30nmから100nmの範囲とすることによって、回折効率を良好なものとする。
本発明によれば、ホログラム記録再生に用いるに好適なる、フォトポリマを記録層とするホログラム記録媒体を提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態を以下の順で説明する。まず、「実施形態の概要」について説明し、ホログラム記録媒体の物理特性と再生特性との関係を求める「数値解析のモデル」について説明し、「数値解析の結果」について説明し、「コアキシャル方式のホログラム記録再生装置」について説明し、「ホログラム記録媒体の構造」について説明し、このようなホログラム記録媒体への「ホログラム記録方法」について説明し、この数値解析の結果に基づき望ましい記録層の物理定数を得るための「ホログラム記録媒体の記録層」について説明する。
「実施形態の概要」
本実施形態のホログラム記録媒体は、複数の記録データの各々に応じて変調された信号光と信号光と光源を同一とする参照光とを共通の集光レンズで集光して干渉させて、複数の記録データに応じた複数のホログラムの各々が領域を重ねて順次形成される記録層を有するものである。この記録層はフォトポリマを構成材料として含むものである。ここで、フォトポリマによって形成されるホログラムの回折効率の最大値を最大回折効率ηとし、多重化をするホログラム記録時における、多重化をされる記録済みホログラムの回折効率を多重化時回折効率η’とし、モノマの拡散定数を拡散定数Dとして、形成されるホログラムの体積をホログラム体積Vとし、記録中のホログラムと記録済みホログラムとの重なり部分の体積を重なり体積V’とし、書き込み開始からの経過時間を時間tとして、0.1≧η’(D(t))/η×V’(t)/Vによってモノマの拡散定数の上限値が与えられる。
本実施形態のホログラム記録媒体は、複数の記録データの各々に応じて変調された信号光と信号光と光源を同一とする参照光とを共通の集光レンズで集光して干渉させて、複数の記録データに応じた複数のホログラムの各々が領域を重ねて順次形成される記録層を有するものである。この記録層はフォトポリマを構成材料として含むものである。ここで、フォトポリマによって形成されるホログラムの回折効率の最大値を最大回折効率ηとし、多重化をするホログラム記録時における、多重化をされる記録済みホログラムの回折効率を多重化時回折効率η’とし、モノマの拡散定数を拡散定数Dとして、形成されるホログラムの体積をホログラム体積Vとし、記録中のホログラムと記録済みホログラムとの重なり部分の体積を重なり体積V’とし、書き込み開始からの経過時間を時間tとして、0.1≧η’(D(t))/η×V’(t)/Vによってモノマの拡散定数の上限値が与えられる。
すなわち、上式は、既に記録済みのホログラムが、新たに書き込むホログラムを形成するための信号光および参照光に与える回折量の大きさを示すものである。参照光と参照光とによって生じる干渉縞によって、干渉縞に応じた空間的なモノマ密度の分布が生じた後、このモノマ密度の分布が拡散過程を経て空間的に均一となることによって回折効率が得られるものである。また、既に記録済みのホログラムと新たに書き込むホログラムとの共通部分がある場合には、既に記録済みのホログラムは新たに書き込むホログラムに影響を及ぼすこととなるが、この影響の大きさは、モノマの拡散定数によって支配される、この共通部分における回折効率の大きさに依存することとなる。よって、このモノマの拡散定数が所定の上限値以下であれば、ホログラムの多重記録をするに際して、既に記録済みのホログラムによって、書き込み中のホログラムを形成するための信号光および参照光が回折される影響が少なく良好なホログラムの書き込みができるホログラム記録媒体を提供できる。
一方、モノマの拡散定数が小さすぎる場合には、モノマの拡散が定常状態に達して、モノマ密度が場所的に均一となるまでの時間が長くなる。モノマ密度が均一ではない場合には回折効率が低く、参照光をホログラム形成領域に照射しても良好なる再生特性が得られない。したがって、本実施形態では、モノマの拡散定数の下限値は上述した所定の上限値の1/6と定めた。
このようにして、モノマの拡散定数を好適な範囲とすることによって、ホログラムの多重記録に際して、良好な記録特性を有するとともに、記録されたホログラムの再生を記録後、速やかにおこなうことができるホログラム記録媒体を提供できる。
「数値解析のモデル」
フォトポリマのポリマ化のモデルとして、暗反応(dark reaction)と光ビームの照射後の停止反応過程(termination process)とを考慮した、1次元の非局所的拡散方程式(non-local diffusion equation)は、式(1)で記述できる。
フォトポリマのポリマ化のモデルとして、暗反応(dark reaction)と光ビームの照射後の停止反応過程(termination process)とを考慮した、1次元の非局所的拡散方程式(non-local diffusion equation)は、式(1)で記述できる。
ここで、Φm(x,t)は自由モノマ濃度(free monomer concentration)である。また、D(x,t)は拡散定数(diffusion coefficient)である。また、F(x,t)はポリマ化関数(polymerization function)である。また、G(x,x’)は、位置xにおけるポリマ化されたモノマ総量についてのx’におけるポリマ化されたモノマ濃度の影響を受ける非局所応答関数(non-local response function)である。
ここで、Kpは単位照射ビーム密度(unit of illumination beam power density)当たりのポリマ化係数(polymerization coefficient)であり、νはポリマ化と照射ビームパワーIoとの間の関係の指数(exponent)であり、Sw1nとSw2nはn番目の記録(nth recording)のスイッチング関数(switching function)であり、tenはn番目の記録におけるビーム照射の終了時間(finishing time)であり、Vgはグレーティングビジビリテイ(grating visibility)であり、Kはグレーティング・ベクトル(grating vector)である。
ここで、Doは初期拡散定数(initial diffusion coefficient)であり、αは拡散定数の減衰パラメータ(decay parameter)である。
ここで、√σはポリマ連鎖長(polymer length)の分布を近似する非局所応答長(non local response length)である。
FDTD(finite-difference time-domain)法を用いて、上式より、ポリマ密度およびモノマ密度の厳密解を求める。さらに、この式から得られるポリマ密度とモノマ密度を用いて、反射率変化(refractive index change)を式(6)で表すことができる。
そして最終的に、コーゲルニック(Kogelnik)の結合波動理論(Coupled wave Theory)を用いて回折効率(diffraction efficiency)を求めた。
「数値解析の結果」
上述の式(1)ないし式(6)に基づいて一次元の拡散モデルについて演算した数値解析の結果を以下に示す。まず、図1にポリマ密度とモノマ密度の位置xにおける値をグラフとして示す。参照光と信号光の干渉縞は位置xに対して正弦波状に分布をするものとし、時間の経過に応じてどのようにポリマ密度とモノマ密度との各々が変化するかを示している。図1のt=0.01, t=1, t=3, t=10, t=60で示す各々の曲線は参照光および信号光を照射直後からの時間をSec(秒)単位で示すものである。なお、数値解析においては上述の各式におけるパラメータを以下のように定めて解析結果を得た。Io=11.5[mW/cm2], Kt=1[1/S],kp=0.001[cm/s/(mw)1/2], ν=0.5,Vg=1,Do=4.0E-12[cm2/s],α=0.1,σ=6.2E-11[cm2/s],Cm=3.3E-4,Cp=3.7。
上述の式(1)ないし式(6)に基づいて一次元の拡散モデルについて演算した数値解析の結果を以下に示す。まず、図1にポリマ密度とモノマ密度の位置xにおける値をグラフとして示す。参照光と信号光の干渉縞は位置xに対して正弦波状に分布をするものとし、時間の経過に応じてどのようにポリマ密度とモノマ密度との各々が変化するかを示している。図1のt=0.01, t=1, t=3, t=10, t=60で示す各々の曲線は参照光および信号光を照射直後からの時間をSec(秒)単位で示すものである。なお、数値解析においては上述の各式におけるパラメータを以下のように定めて解析結果を得た。Io=11.5[mW/cm2], Kt=1[1/S],kp=0.001[cm/s/(mw)1/2], ν=0.5,Vg=1,Do=4.0E-12[cm2/s],α=0.1,σ=6.2E-11[cm2/s],Cm=3.3E-4,Cp=3.7。
図1に示すグラフから、ホログラム記録媒体のモノマ密度とポリマ密度のいずれもが、参照光および信号光を照射直後には確定せず、一定の時間経過後に略定常値に収束することが分かる。ここで、ホログラム記録媒体に参照光を照射して回折光を得る再生の作用においては、回折光はポリマとモノマとの屈折率差によって生じる。ここで、モノマ密度とポリマ密度とは、位置xに対して位相が180°異なっているために時間t=1Secから時間t=10Secでは、上述した屈折率差はあまり大きく生じることはない。一方、略定常状態である時間t=60Secにおいては、密度分布の不均一性に基づき生じたモノマの拡散が停止し、位置xに対するモノマの密度は略一定の値となる。このような定常状態においては、屈折率差は大きなものとなり、回折光の強度も大きなものとなる。
すなわち、参照光および信号光を照射直後には十分な回折光を得ることができず、照射直後から所定の時間が経過して、モノマの拡散が略定常状態に達した後に良好なる再生特性が得られることとなる。
一方、記録特性の観点から図1を見る場合には、定常状態に達した後のホログラムが記録されてしまった後に多重記録をおこなうと、それ以前に記録したホログラムによって、参照光または/および信号光が回折され、すでに記録されたホログラムの影響を受けることなく良好なるホログラムを形成することが困難となる。したがって、記録の観点からは、多重化されるホログラム(前に記録したホログラム)の記録によってモノマ密度とポリマ密度とが位置xに対して相互に180°異なる位相で分布している状態で、多重化するホログラム(後に記録するホログラム)を書き込むことが望ましい。ホログラム記録媒体の物理特性の観点から見た場合には、モノマの拡散が略定常状態に達するまでの時間が長い方が望ましいこととなる。
しかしながら、データ・ストレージ・デバイスに用いる記録媒体の観点からは、記録再生のスループット特性(入力から出力までの時間特性)は極めて重要であり、モノマの拡散が定常状態に達する時間が長ければ、スループット特性は悪化する。また、ホログラム記録後に行う後処理によって拡散は妨げられてしまうため、この後処理までにある程度待ち時間を設ける必要もある。上述の理由を総合すれば、モノマの拡散が略定常状態に達する時間が長い程良いというものでもなく、記録方法に応じた最適なる略定常状態に至るまでの時間が存在することになる。これについては、ホログラム記録再生装置について説明した後に、数値解析の結果をさらに引用しながらホログラム記録方法として後述する。
図1は、初期拡散定数Do=4.0E-12[cm2/s]におけるモノマ密度とポリマ密度とを示したが、図2は、初期拡散定数を変化させた場合におけるホログラム記録媒体の回折効率の時間変化の特性についての数値解析の結果を示す。図2のDo=1.0×10-11、Do=5.5×10-11、Do=2.0×10-12、Do=1.0×10-12で示す各々の曲線は初期拡散定数をcm2/secの単位で示すものである。
「コアキシャル方式のホログラム記録再生装置」
コアキシャル方式のホログラム記録装置では、信号光と参照光との各々について、光ビームの光路の一部を共有することによって、共通の対物レンズを用いて、記録再生を行うことができるため、光学系の簡略化ができ、さらに従来のCD、DVDなどの光ディスクと互換性が比較的に容易であることから注目を集めている。
コアキシャル方式のホログラム記録装置では、信号光と参照光との各々について、光ビームの光路の一部を共有することによって、共通の対物レンズを用いて、記録再生を行うことができるため、光学系の簡略化ができ、さらに従来のCD、DVDなどの光ディスクと互換性が比較的に容易であることから注目を集めている。
図3は、装置の主要部である光学部を中心として示した本実施形態のホログラム記録媒体の記録再生のためのホログラム記録再生装置100の模式図である。このホログラム記録再生装置100はホログラム記録媒体50への記録データを記録するホログラム記録装置としての機能と、ホログラム記録媒体50に記録された記録データを再生するホログラム再生装置としての機能の両方を有するものである。
ホログラム記録再生装置100の動作を簡単に説明する。まず、記録時の動作を説明する。
レーザ光源20からの光ビームはコリメートレンズ21を経て空間光変調器(SLM)22に入射する。ここで、コアキシャル方式を採用しているホログラム記録再生装置100では、空間光変調器22は空間光変調器22の内周部と前記空間光変調器22の外周部との2つの領域を有して構成されており、記録データに基づき、空間光変調器22の内周部に信号光(図4の符号40を参照)を発生させるための信号光パターンを表示し、空間光変調器22の外周部に参照光(図4の符号41を参照)を発生させるための参照光パターンを発生する。信号光パターンと参照光パターンの各々の内容は、制御部60からの制御信号に基づき特定されている。
信号光および参照光の各々は、ビームスプリッタ23、ダイクロイックミラー34を通過して、反射ミラー56で反射され、対物レンズ24で記録再生に適したビームサイズに絞られてホログラム記録媒体50に照射され、ホログラム記録媒体50の記録層(図4の符号50aを参照)で信号光と参照光とが重なり合いホログラムを形成することによって記録データが記録される。また、ホログラム記録媒体からの記録データの再生時においては、参照光のみを上述した光路でホログラム記録媒体50に照射して回折光(再生光)(図4の符号42を参照)を得て、この回折光を対物レンズ24、反射ミラー56、ダイクロイックミラー34、ビームスプリッタ23を経て、イメージセンサ25に導き、イメージセンサ25から得られる電気信号を制御部60で処理することによって記録データを再生している。ここで、上述したようにフォトポリマを記録層の材料としている。
この場合において、記録再生を行う光ビームはホログラム記録媒体50の記録層に焦点を結び、所定のラジアル方向の位置に光ビームが配置されるように、サーボ用光学系30を含むフォーカスおよびラジアルサーボ系によって制御がなされ、ホログラム記録媒体50が所定の回転角度となるようにスピンドルモータ51を含むスピンドルサーボ系によって制御がなされている。このようなサーボ系を動作させるための制御信号の各々は、サーボ用光源28からの記録再生用の光ビームとは波長が異なる光ビームをホログラム記録媒体50に照射して、その戻り光をビームスプリッタ27で分離してフォトディテクタ29に導き、フォトディテクタ29からの電気信号を制御部60で処理して得られる。
ここで、サーボ用光学系30からの光ビームはダイクロイックミラー34と反射ミラー56とで反射し、対物レンズ24を通過してホログラム記録媒体50に照射され、一方、記録再生用光学系からの光ビームは、上述したようにダイクロイックミラー34を透過して反射ミラー56で反射し、対物レンズ24を通過してホログラム記録媒体50に照射される。このようなコアキシャル方式を採用しているホログラム記録再生装置100では、信号光、参照光および回折光はすべて対物レンズ24を通過する。
ここで、ホログラム記録媒体50には記録再生用の光ビームおよびサーボ用の光ビームの位置決めをするためのアドレスグルーブ(図4の符号50cを参照)が配置されており、サーボ用光学系30は、従来のCD、DVD等におけると同様な構成を有して、ホログラム記録媒体50におけるサーボ用の光ビームの位置がフォトディテクタ29からの電気信号に基づいて検出できるようにされている。ここで、記録再生用の光ビームとサーボ用の光ビームとの相互の関係は記録再生用の光学系とサーボ用のサーボ用光学系30の各々を構成する光学部品の配置の相対関係によって一義的に相互の関係が定められているので、サーボ用の光ビームとホログラム記録媒体50との位置関係を上述したフォーカスおよびラジアルサーボ系、スピンドルサーボ系によって決めることによって、結果として、記録再生用の光ビームの位置関係も制御できるようになされている。
すなわち、サーボ用光学系30のフォトディテクタ29からは、いわゆる、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号が検出され、その各々のエラー信号に基づき、図示しないフォーカスアクチュエータおよび図示しないトラッキングアクチュエータとで構成される対物レンズアクチュエータの各々が制御部60に配されたフォーカス・トラッキングサーボ回路により制御されて、図4において、符号Fおよび符号Tで示す方向に対物レンズ24を変位させ、サーボ用の光ビームおよび記録再生用の光ビームの各々の光ビームがホログラム記録媒体50の目標位置を照射するようにされている。
図3に示すホログラム記録再生装置100は、記録と再生との両方の機能を備えるホログラム記録再生装置であるとして、上述の説明をおこなってきたが、ホログラム記録再生装置100において、再生の機能に関する部分、例えば、イメージセンサ25を備えず、再生の機能がない装置として本実施形態のホログラム記録装置を構成しても良いものである。
「ホログラム記録媒体の構造」
図4は、ホログラム記録媒体50の断面積方向に切断した構造を模式的に示し、さらに、信号光40および回折光42(実線は信号光40および回折光42の最外周部からの光線を示す)、参照光41(破線は参照光41の最外周部からの光線を示す)およびサーボ用の光ビーム(一点鎖線で最外周部からの光線を示す)がどのように対物レンズ24に入射し、どのようにホログラムが形成されるかを模式的に示す図である。ホログラム記録媒体50は記録層50a、記録再生用の光ビームの反射膜50b、アドレスグルーブ50cを有するものである。
図4は、ホログラム記録媒体50の断面積方向に切断した構造を模式的に示し、さらに、信号光40および回折光42(実線は信号光40および回折光42の最外周部からの光線を示す)、参照光41(破線は参照光41の最外周部からの光線を示す)およびサーボ用の光ビーム(一点鎖線で最外周部からの光線を示す)がどのように対物レンズ24に入射し、どのようにホログラムが形成されるかを模式的に示す図である。ホログラム記録媒体50は記録層50a、記録再生用の光ビームの反射膜50b、アドレスグルーブ50cを有するものである。
記録時においては、記録層50aには、信号光40と参照光41との干渉によって生じる干渉縞の形状に応じてホログラムが形成され、再生時においては、このホログラムに参照光41のみが照射されることによって、記録時における信号光40と略同一の領域に、ホログラムに応じた回折光42が反射膜50bで反射されて、対物レンズ24を通過して生じる。一方、サーボ用の光ビームは、波長選択特性を有する反射膜50bを透過して、アドレスグルーブ50cが形成されたアルミ反射膜で反射して、戻り光が生じ、フォトディテクタ29から検出した電気信号に基づいて制御部60において、上述した、フォーカスサーボ、ラジアルサーボ、スピンドルモータの回転制御の処理のために必要とされる各々のサーボのための信号、さらには、ホログラム記録媒体50における光ビームが照射されるホログラム記録媒体50の記録層50aの位置の特定のためのアドレス信号が得られる。
「ホログラム記録方法」
以下に、上述したホログラム記録装置100によって上述したホログラム記録媒体50に記録データを記録する場合について、ホログラム記録媒体50の記録層50aを構成するフォトポリマの物理的な性質を考慮した本実施形態の記録方法を説明する。
以下に、上述したホログラム記録装置100によって上述したホログラム記録媒体50に記録データを記録する場合について、ホログラム記録媒体50の記録層50aを構成するフォトポリマの物理的な性質を考慮した本実施形態の記録方法を説明する。
図5は、記録層50aに記録されるホログラムの各々の領域を光ビーム照射面から示した模式図である。各々の円形の領域は光ビームの入射側の記録層の境界面(図6の符号50a1を参照)における記録データの1ページに対応するホログラム形成領域を示すものである。トラック1は内周側であり、トラック2はトラック1よりも外周側の隣接するトラックであり、トラック3はトラック2よりも外周側の隣接するトラックである。
案内溝として機能するアドレスグルーブ50cに沿った方向であるタンジェンシャル方向に各々のページに対応してホログラムD10、ホログラムD11、ホログラムD12、ホログラムD13、ホログラムD14が相互に重なり合い多重化されて記録がおこなわれ、アドレスグルーブ50cと直交する内外周方向であるラジアル方向に各々のホログラムD20、ホログラムD30、ホログラムD40、ホログラムD50、ホログラムDn0が相互に重なり合い多重化されて記録がおこなわれる。記録する時間順序は、ホログラムD10、ホログラムD11、ホログラムD12、ホログラムD13、ホログラムD14の順序である。
なお、連続して渦巻状のアドレスグルーブ50cに沿って記録をする場合には、図5に図示しない、ホログラムD21(トラック2の中心の線と、例えば、ホログラムD11の中心とホログラム記録回転中心とを結ぶ放射状の線と、の交点に中心が配置される円形の領域)、ホログラムD22(トラック2の中心の線と、例えば、ホログラムD12の中心とホログラム記録回転中心とを結ぶ放射状の線と、の交点に中心が配置される円形の領域)・・・ホログラムD24(トラック2の中心の線と、例えば、ホログラムD14の中心とホログラム記録回転中心とを結ぶ放射状の線と、の交点に中心が配置される円形の領域)・・・ホログラムD31(トラック3の中心の線と、例えば、ホログラムD11の中心とホログラム記録回転中心とを結ぶ放射状の線と、の交点に中心が配置される円形の領域)・・・ホログラムD34(トラック3の中心の線と、例えば、ホログラムD14の中心とホログラム記録回転中心とを結ぶ放射状の線と、の交点に中心が配置される円形の領域)等のホログラムも記録されることとなる。
ここで、ホログラム領域の直径をホログラム直径Ds、トラック間隔をトラックピッチTp、タンジェンシャル方向(シフト多重方向)のホログラム領域の多重化のためのずれをシフトピッチSpで表すものとする。ホログラムは、ラジアル方向にはトラックピッチTp単位でずれて多重記録がされ、タンジェンシャル方向にはシフトピッチSpの単位でずれて多重記録がされる。
図6の(A)ないし(C)の各々は、記録層の断面から見た記録済みのホログラム形成領域を実線で模式的に表し、その上に多重化するホログラム形成領域を破線で模式的に表すものである。ここで、斜線部は、2つのホログラムが相互に重なり合う部分であり、光ビームは記録層の境界50a1の側から入射するものである。上述のホログラム直径Ds、シフトピッチSpは記録層の境界50a1における寸法として定義されるものである。
まず、ラジアル方向に多重記録することなく、タンジェンシャル方向にのみ多重記録する場合についての好適なる記録方法について説明する。ひとつのホログラムの記録に必要な時間を記録時間trとし、またページ毎の記録のセッティングに要する時間をセッティングタイムtsとする。このときにタンジェンシャル方向に記録済みのホログラムから影響を受ける最大の時間長である影響時間Tsは、式(7)で表される。ここで、影響時間Tsを図5を参照して説明すると、ホログラムD10の記録の開始から、ホログラムD14の記録の開始までの時間を表すものである。
次に、ラジアル方向へも多重化する場合について検討する。各々のトラックは渦巻状(スパイラル)に形成されているので、トラック1に沿っての記録後にトラックピッチTp離間して、トラック2に沿って多重記録が行われる。このときに、トラック1の長さをトラック長Lとすると、このときにラジアル方向に記録済みのホログラムから影響を受ける最大の時間長である影響時間Tsは、式(8)で表される。なお、式(8)は、記録済みのホログラムから影響を受けるラジアル方向の距離(ホログラム直径Dsと等しい長さである)はトラック長Lに較べて無視し得る程小さいものとした近似式である。ここで、影響時間Tsを図5を参照して説明すると、ホログラムD10の記録の開始から、ホログラムDn4の記録の開始までの時間を表すものである。
上述した影響時間Tsと図2に示す回折効率の時間変化との関係は、ホログラム記録再生特性を規定する上で重要なものとなっている。すなわち、影響時間Tsを経過する前に回折効率が立ち上がってしまう場合(時間経過に応じた回折効率が後に記録するホログラムに悪影響を与える程度の値となる場合)には、記録時においては、多重化されるホログラムが、多重化するホログラムに対してノイズ成分として混入してしまうこととなる。
図6の(A)ないし(C)を参照して、影響時間Tsと回折効率との関係を模式的に示す。コアキシャル光学系では光ビームが入射する側の記録層の境界50a1における光ビームのサイズよりも、記録層の境界50a2における光ビームのサイズの方がより小さいものとなっている。そのために、多重記録をおこなう場合において、記録層の境界50a2において形成されるホログラムが相互に重なることがない場合においても、記録層の境界50a1において形成されるホログラムが相互に重なる状態が生じることとなる。図6の(A)は、境界50a1および境界50a2の両方で相互にホログラムが重なる場合を示し、図6の(B)は、境界50a2では相互にホログラムが重ならない場合を示し、図6の(C)は、境界50a1においても相互にホログラムが重ならない場合を示している。
ここで、ホログラムの体積をホログラム体積V、重なっている部分のホログラムの体積を重なり体積V’とし、ホログラムの回折効率の最大値(定常状態に達した後の最終値)を最大回折効率(最終回折効率)η、多重化するホログラム(後書きされるホログラム)が記録される時点での多重化されるホログラム(先書きされたホログラム)の回折効率を多重化時回折効率η’とすれば、シフト多重においては、すでに先書きされたホログラムからのノイズの影響を表す指標であるノイズ係数Cは式(9)で表される。
式(9)の第1項の最大回折効率ηはホログラム記録後の時間の経過に伴い一定の値に収束する定数であり、多重化時回折効率η’は時間の関数であり、時間の経過とともに増加し、理論的には無限の時間経過後に最大回折効率ηと一致するものとなる。第1項を立ち上がり係数η’/ηと称して以下用いる。立ち上がり係数η’/ηの値が小さい程、多重化の時点における多重化されるホログラム(書き込み済みのホログラム)の回折効率が小さいので、多重化するホログラム(書き込み中のホログラム)へのノイズの影響が少ないことを表している。
図7は、立ち上がり係数η’/ηをパラメータとして、拡散定数に対する各々の立ち上がり係数η’/ηで示す割合に立ち上がるまでの経過時間を示す。ここで、数値70を付した曲線、数値50を付した曲線、数値30を付した曲線は、式(9)の立ち上がり係数η’/ηの値が、各々、70%,50%,30%を示すものである。図7に示したグラフは、立ち上がり係数η’/ηの値が70%,50%,30%の三つについて、横軸に拡散定数を示し、縦軸に70%,50%,30%の各々の立ち上がり係数η’/ηに達するまでの経過時間を示すものである。図7では、三つの曲線のみを記載しているが、任意の立ち上がり係数η’/ηの値について拡散定数に対する経過時間を数値解析より求めることができる。
また、式(9)の第2項のホログラム体積Vの値は参照光と信号光とが干渉してホログラムが形成される部分の体積を表すものであり、図6の(A)ないし(C)の断面図に示すように1次元の切断面の形状としては台形形状、3次元の形状としては、先端部を切断した円錐形状の形状で近似的に表されるものである。また、重なり体積V’は、スピンドルモータ51(図3を参照)によってホログラム記録媒体50が移動されることによって時間とともに変化する時間の関数である。ここで、ホログラム記録媒体50のタンジェンシャル方向への移動は、連続的ではなく、一のホログラムを記録後に、参照光および信号光の照射を停止し、シフトピッチSpだけタンジェンシャル方向に移動し、再び参照光および信号光を照射するものであるので、時間の経過に伴い離散的に重なり体積V’は変化するものとなる。重なり体積V’の体積は多重化されるホログラムと多重化するホログラムの重なり部分の体積であるが、重なり体積V’の値が小さい程、多重化されるホログラムと多重化するホログラムとの重なり部分が小さいので、多重化するホログラムへのノイズの影響が少ないことを表している。第2項を重なり係数V’/Vと称して以下用いる。つまり、重なり係数V’/Vの値が小さい程ノイズの影響が少ないこととなる。
ここで、上述したようにホログラム体積Vは、記録層50aの厚み、境界50a1における光ビームの径、境界50a2における光ビームの径から、先端部が切断された円錐の体積として容易に求めることができる。また、重なり体積V’は二つの円錐の重なり部分であるので、数値解析によって容易に計算できるものである。また、重なり体積V’は、時間の関数であるシフトピッチSpおよび時間の関数であるトラックピッチTpの関数であるので、重なり係数V’/Vも時間の関数として式(10)として求められる。
上述したことから明らかなように、立ち上がり係数η’/ηの値と重なり係数V’/Vの値のいずれもが、小さい程、記録再生特性は良好となるものであから、これらの積であるノイズ係数Cの値が小さい程、記録再生特性は良好となるものである。よって、最終的には、立ち上がり係数η’/η(拡散定数の関数である)と、重なり係数V’/V(時間の関数である)と、ノイズ係数C(記録再生特性の関数である)との三者が、式(10)によって関係づけられることとなる。ここで、拡散定数Dが位置xによらないものであり、スピンドルモータによってホログラム記録媒体が一定の速度で、ステップ状に回転位置が変位されているものである場合には、式(11)が成立することとなる。
式(11)の第1項は時間とともに大きくなり、理論的には無限の時間で1に収束するものであり、第2項は時間とともに小さくなり、多重記録されるホログラムと多重記録するホログラムとの共通部分がなくなれば、第2項の値は零となるものである。すなわち、ノイズ係数Cは、時間tの値が零から、第2項の値が零となるまでの時間の範囲のどこかで最大値を有する時間関数である。
ノイズ係数Cは多重化するホログラムに与える多重化されるホログラムからの影響を示す指標であるので、記録特性だけを考慮する場合には、ノイズ係数Cの値は零であることが理想である。これを実現するためには、多重化したホログラムが共通部分を有さない、すなわち、多重化をおこなわないか、拡散定数の値が零であることが必要となる。拡散定数を零とする場合には、良好な再生特性を得ることができない。
しかしながら、拡散定数を零としない場合であっても、ホログラム記録再生装置においては、誤り訂正符号(ECC)を用いた誤り訂正処理がなされるので、ある程度の記録再生特性の劣化は誤り訂正処理によって無視できることとなる。すなわち、ホログラムから再生した記録データの誤りのない再生が誤り訂正処理によって可能となる。この観点から、ノイズ係数Cは、時間tの値が零から、第2項の値が零となる時間の範囲において、式(12)で示す一定の値である定数K1以下であれば、記録再生特性には問題が生じないことになる。
一方、ノイズ係数Cの値が小さ過ぎる場合には、モノマの拡散の速度が遅すぎるために、長時間に渡り良好な再生信号を得ることができず、記録再生のスループットは悪化してしまうので、式(12)を満たす拡散定数の値は、一定の値以上であることが要求されることになる。
上述においては多重化の数が2つ、すなわち、多重化されるホログラムは1個で、多重化するホログラムも1個であるとして説明をおこなってきたが、図5に示すように、例えば、ホログラムD10、ホログラムD11、ホログラムD12、ホログラムD13、ホログラムD14、と同一トラックのみにシフト多重される場合には、ホログラムD14を記録時において、既に記録されたホログラムである、ホログラムD10、ホログラムD11、ホログラムD12、ホログラムD13、の各々からの影響がホログラムD14に及ぶ。ここで、立ち上がり係数η’/ηの値の方が重なり係数V’/Vよりも大きい範囲では、ホログラムD10のホログラムD14に与える影響のみを考慮すれば、第1近似としては一般的には十分なものである。また、重なり係数V’/Vの値が、立ち上がり係数η’/ηの値よりも大きい範囲では、ホログラムD10のホログラムD14に与える影響のみを考慮すれば、第1近似としては一般的には十分なものである。
しかしながら、重なり係数V’/Vと立ち上がり係数η’/ηとの両者を考慮するに際して、ホログラムの形成領域が重ならない程度に隣接するトラックが離間している場合、または、1本のトラックのみを有する場合においては、式(9)の第1項によって表される立ち上がり係数η’/ηに基づくノイズの影響は、ホログラムD10、ホログラムD11、ホログラムD12、ホログラムD13の順に大きなものであり、式(9)の第2項によって表される重なり係数V’/Vに基づくノイズの影響は、ホログラムD13、ホログラムD12、ホログラムD11、ホログラムD10の順に大きなものである。
したがって、同一のトラックからの影響を厳密に計算する場合には以下のようにして求めることが望ましい。ホログラムD10がホログラムD14に及ぼすノイズの影響を表すノイズ係数をノイズ係数C0とし、ホログラムD11がホログラムD14に及ぼすノイズの影響を表すノイズ係数をノイズ係数C1とし、ホログラムD12がホログラムD14に及ぼすノイズの影響を表すノイズ係数をノイズ係数C2とし、ホログラムD13がホログラムD14に及ぼすノイズの影響を表すノイズ係数をノイズ係数C3とすれば、総合的なノイズ係数Cは、ノイズ係数C0ないしノイズ係数C3の和として表されるものである。ここで、例えば、ノイズ係数C0を求めるに際しての多重化時回折効率η’の値はホログラムD14中におけるホログラムD10の領域の回折効率の値を用い、重なり体積V’の値としては、ホログラムD10とホログラムD14の形成領域の共通部分の体積(図5では零)である。他のノイズ係数C1ないしノイズ計数C3についても同様である。
さらに、隣接するトラックに記録をする場合には、同一のトラックから影響のみならず、現在記録中のホログラムと共通する重なり体積V’を有する2次元に分布をするすべての隣接するホログラムからのノイズ係数を加算した値をノイズ係数Cの値として採用することが正確にノイズ係数Cを求めるためには望ましいものである。
「円盤状のホログラム記録媒体における具体例」
円盤状のホログラム記録媒体50の寸法を特定し、図3に示すホログラム記録装置100で渦巻状にホログラムを多重記録する場合の具体例について説明する。
円盤状のホログラム記録媒体50の寸法を特定し、図3に示すホログラム記録装置100で渦巻状にホログラムを多重記録する場合の具体例について説明する。
図9に具体例における各種パラメータを表として示す。記録時間は1ページの記録データを記録するために参照光および信号光を照射している時間であり、0.0001Sec(秒)である。セッティング時間は1ページの記録データを記録するのに必要な参照光および信号光の照射の前の時間であり、より具体的には、空間光変調器22に記録のためのパターンを設定し、記録スケジューリングの読込みの時間の和であり、例えば、0.00002Secである。トラック方向のシフトピッチSp(図5を参照)は0.01mmである。クロストラック方向シフトピッチはトラックピッチTp(図5を参照)であり、0.02mmである。ディスク外周長は渦巻状に形成された最外周の1周分のトラックの長さであり、364mm程度であり、ディスク内周長は渦巻状に形成された最内周の1周分のトラックの長さであり、145mm程度であり、ディスク中央部長は渦巻状に形成された中央部(半径が外周径の1/2の位置)の1周分のトラックの長さであり、254mm程度である。
また、ホログラムサイズ(上部)は形成されるホログラムの上部の直径、すなわち、図6の(C)の領域50a1における実線部または破線部の長さであり、0.75mmであり、ホログラムサイズ(下部)は形成されるホログラムの下部の直径、すなわち、図6の(C)の領域50a2における実線部または破線部の長さであり、0.35mmであり、ホログラムサイズ(中央部)は形成されるホログラムの中央部の直径、すなわち、図6の(C)の領域50a1と領域50a2との中間点における実線部または破線部の長さであり、0.55mmである。この場合における1ページあたりの記録容量は3.2Kbitであり、転送レートは略213Mbpsである。
図10は、図9に示す数値を式(7)に代入して、一のホログラム(図5のホログラムD10)の記録を開始した後にトラックに沿ってタンジェンシャル方向にシフトした互いに影響し合うことがないホログラム(図5のホログラムD14)の記録を開始するまでの時間であるタンジェンシャル方向の影響時間Tsを求めたものである。ホログラムサイズ上部では0.0045Secであり、ホログラムサイズ中央部では0.0033Secであり、ホログラムサイズ下部では0.0021Secである。
また、図11は、図9に示す数値を式(8)に代入して、一のホログラム(図5のホログラムD10)の記録を開始した後に、ホログラム記録媒体の回転中心から伸びる、一のホログラムの中心を通過する放射状の直線上に中心を有する互いに影響し合うことがないホログラム(図5のホログラムDn0)の記録を開始するまでの時間であるラジアル方向の影響時間Tsを求めたものである。
最外周のトラックにおいては、ホログラムサイズ上部では約82Secであり、ホログラムサイズ中央部では約60Secであり、ホログラムサイズ下部では約38Secである。また、最内周のトラックにおいては、ホログラムサイズ上部では約33Secであり、ホログラムサイズ中央部では約24Secであり、ホログラムサイズ下部では約15Secである。また、中央部のトラックにおいては、ホログラムサイズ上部では約57Secであり、ホログラムサイズ中央部では約42Secであり、ホログラムサイズ下部では約27Secである。
ここで、実験結果によれば、ノイズ係数Cは、0.1以下であることが望ましい。すなわち、ノイズ係数Cの値が0.1以下であれば、予め、誤り訂正符号を付与して記録データを記録して、再生時において誤り訂正処理をおこなう場合には、良好な再生が可能であることが、一つの実験結果から求められている。したがって、ノイズ係数Cを0.1以下とする場合の立ち上がり係数η’/ηの値は、重なり係数V’/Vによって一意的に定まることとなる。
影響時間Tsの最大値が上述したように82Secであるので、この82Secの時間は回折効率が十分低いことが隣接するトラックからのノイズを減らし、良好な記録再生特性が得られることとなる。図7を参照して、この範囲に該当する拡散定数を求めると、5[nm/s]〜30[nm/s]の範囲となる。
次に、拡散定数の下限について説明する。下限値は、記録後の待ち時間の定めるものであるので、マージンを考慮して、上限値の1/6とした。
次に、ホログラム記録媒体の別の物理特性である連鎖長について説明する。フォトポリマは、開始材から発生した反応活性種(ラジカル重合であればラジカル、カチオン重合系であれば酸)によって未反応モノマが反応し、その連鎖反応によってポリマが形成されていく。よってフォトポリマにはある程度の連鎖長があるが、その連鎖長によっては実際に記録されたホログラムのコントラストが低下するために回折効率が低下することが考えられる。すなわち、ポリマ連鎖長が短いということは、より屈折率差のコントラストが明確になるので回折光率としては上昇する。
図8に数値解析によるポリマ連鎖長に対する回折効率を示す。ポリマ連鎖長は回折格子間隔に依存するが、この数値解析では回折格子間隔は550nmとしている。図8に示す解析結果から、良好なる記録再生特性を得るためには、ポリマ連鎖長は回折格子間隔の1/5〜1/10程度以下であることが望ましい。しかし、ポリマ化反応は連鎖反応であるためある一定の長さは必ず持っている。よって連鎖移動材などを用いて上記ポリマ連鎖長を制御する必要がある。
コリニア光学系(例えば、NA=0.55)の場合には、ホログラム記録媒体に入射する信号光・参照光が共に所定角度を有しての広がりを持っているので、回折格子間隔には分布があり、434nm〜734nmの間に分布している。上述したようにポリマ連鎖長は回折効率に大きく関わってくるため、連鎖長は回折格子間隔の1/10であることが望ましい。よってコアキシャル光学系での回折格子間隔を考慮に入れると、コアキシャル光学系での連鎖長は30nm〜100nmの間であることが望ましい。なお、さらに、この範囲よりも短い連鎖長になるほどより屈折率差のコントラストが明確になり、より高い回折効率を得ることが可能になる。
「ホログラム記録媒体の記録層」
上述したように、ホログラム記録媒体の記録層の最適化を図るためにモノマの拡散定数を所望の範囲とする必要がある。モノマの拡散定数はモノマの分子量と溶媒(またはマトリックス)の剛性に依存する。マトリックスは、フォトポリマを記録層として用いる場合に、記録時に発生する記録層の収縮の影響を低減するために、ホログラム記録媒体の製造時において重合反応で記録層をある程度固める機能を有するものである。このようなマトリックスのモノマ分量または材料を選択することによってマトリックスの剛性を調整して拡散定数を制御することが可能となる。
上述したように、ホログラム記録媒体の記録層の最適化を図るためにモノマの拡散定数を所望の範囲とする必要がある。モノマの拡散定数はモノマの分子量と溶媒(またはマトリックス)の剛性に依存する。マトリックスは、フォトポリマを記録層として用いる場合に、記録時に発生する記録層の収縮の影響を低減するために、ホログラム記録媒体の製造時において重合反応で記録層をある程度固める機能を有するものである。このようなマトリックスのモノマ分量または材料を選択することによってマトリックスの剛性を調整して拡散定数を制御することが可能となる。
また、ポリマ連鎖長を制御する方法としては、例えば、連鎖移動材を入れることが考えられる。連鎖移動材を入れることによって、ある程度の重合度の活性化モノマが他の末端基へと連鎖が移動するために連鎖長の短いポリマを得ることが可能となる。また、連鎖長は同一のホログラム記録媒体であっても記録条件によって変わるものであるので、このような連鎖長条件を満足するためには、記録エネルギーは、100〜1000[μJ/cm2]のエネルギー範囲とすることが望ましい。
1、2、3、n トラック、40 信号光、41 参照光、50ホログラム記録媒体、50a 記録層、50b 反射膜、50c アドレスグルーブ、51 スピンドルモータ、100 ホログラム記録再生装置、C ノイズ係数、D、Do 拡散定数、D10、D11、D12、D13、D14、D20、D30、D40、D50、Dn0、 ホログラム、V ホログラム体積、V’ 重なり体積、η 最大回折効率、η’ 多重化時回折効率
Claims (3)
- 複数の記録データの各々に応じて変調された信号光および前記信号光と光源を同一とする参照光を共通の集光レンズで集光して干渉させて、前記複数の記録データの各々に応じた複数のホログラムを順次重ねて形成する記録層を有するホログラム記録媒体であって、
前記記録層はフォトポリマを構成材料として含み、
前記フォトポリマによって形成されるホログラムの回折効率の最大値を最大回折効率ηとし、ホログラム記録時における記録済みホログラムの回折効率を多重化時回折効率η’とし、モノマの拡散定数を拡散定数Dとして、形成されるホログラムの体積をホログラム体積Vとし、記録中のホログラムと記録済みホログラムとの重なり部分の体積を重なり体積V’とし、前記記録済みホログラムの書き込み開始からの経過時間を時間tとし、0.1≧η’(D(t))/η×V’(t)/Vが成立する範囲のモノマの拡散定数の値を上限値とし、前記上限値の1/6のモノマの拡散定数の値を下限値とする範囲のモノマの拡散定数を有するホログラム記録媒体。 - 前記ホログラム記録媒体は、前記複数のホログラムの記録を順次おこなうための渦巻状の案内溝を有し、
前記拡散定数Dの値は、5nm2/Secから30nm2/Secの範囲である請求項1に記載のホログラム記録媒体。 - 複数の記録データの各々に応じて変調された信号光および前記信号光と光源を同一とする参照光を共通の集光レンズで集光して干渉させてホログラムを形成するためのフォトポリマを構成材料として含む記録層を有するホログラム記録媒体であって、
前記フォトポリマの連鎖長は、30nmから100nmの範囲であることを特徴とするホログラム記録媒体。
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Legal Events
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Effective date: 20090408 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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Effective date: 20101116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20110315 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |