JP2007268321A - 気体分離膜およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)100重量部に対し、イソシアネート基を少なくとも2個有する多官能イソシアネート化合物(B)を0.1〜5重量部反応させて得られる溶媒に可溶性の変性ポリシロキサン共重合体(C)を分離層として用いることを特徴とする気体分離膜。
【選択図】なし
Description
(1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)100重量部に対し、イソシアネート基を少なくとも2個有する多官能イソシアネート化合物(B)を0.1〜5重量部反応させて得られる溶媒に可溶性の変性ポリシロキサン共重合体(C)を分離層として用いることを特徴とする気体分離膜、
(式中、R1〜R8は各々独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、X1およびX2は各々独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、aおよびcは各々独立に2〜10の整数を表し、bおよびdは各々独立に1〜4000の整数を表し、mおよびnは各々独立に0または正の整数を表し、mとnが同時に0であることはない。)
(2)変性ポリシロキサン共重合体(C)のポリスチレン換算数平均分子量が10万〜100万であることを特徴とする前記(1)の変性ポリシロキサン共重合体(C)、
(3)前記(1)または(2)に記載の変性ポリシロキサン共重合体(C)を分離層として用いることを特徴とする気体分離膜、
(4)前記(1)または(2)に記載の変性ポリシロキサン共重合体(C)を多孔質支持体上に積層してなる前記(1)または(2)の気体分離膜、
(5)前記(1)または(2)記載の変性ポリシロキサン共重合体(C)の溶液を多孔質支持体に塗工することを特徴とする気体分離膜の製造法
を提供するものである。
式中、R1〜R8は各々独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、X1およびX2は各々独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、aおよびcは各々独立に2〜10の整数を表し、bおよびdは各々独立に1〜4000の整数を表し、mおよびnは各々独立に0または正の整数を表し、mとnが同時に0であることはない。
R1〜R8の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ビニル基、フェニル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
X1およびX2の具体例としては、以下の構造式で表される直鎖アルキレン基、環式アルキレン基、アラルキレン基が挙げられる。
bおよびdは好ましくは25〜250の整数であり、aおよびcは好ましくは3である。
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)は、下記一般式(II)、(III)でそれぞれ表される両末端アミノ変性ポリシロキサン(D)および/または両末端OH変性ポリシロキサン(E)とジイソシアネートの反応により製造される。具体的な製造方法としては、例えば特開平10−310628号公報、特表2004−536954公報、特開2005−2340公報等に記載された方法を利用することができる。
(式中、R1〜R8およびa、b、c、dは各々上記で定義した通りである。)
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)の製造に用いられるジイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは1種のみを使用するだけでなく、複数種を組み合わせて使用することができる。
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)の製造に当たっては、(A)の機械的特性を改善する目的で、上記両末端アミノ変性ポリシロキサン(D)および/または両末端OH変性ポリシロキサン(E)に加えてジアミンやジヒドロキシ化合物を連鎖延長剤として併用することができる。ジアミンおよびジヒドロキシ化合物の具体例としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水等を挙げることができる。これらの連鎖延長剤は1種のみを使用するだけでなく、複数種を組み合わせて使用することができる。
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)中には、尿素基とウレタン基の合計量に対し50モル%以上、より好適には75モル%以上の尿素基が含有されていることが膜の機械的強度の観点から好ましい。また(A)中のポリシロキサン鎖の含有量は、本発明の気体分離膜の気体透過性能を大きく左右するものであり、(A)の重量を基準としてポリシロキサン鎖が60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上含まれることが好ましい。ここで言うポリシロキサン鎖の含有量とは、ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)中に占める下記連鎖の合計の重量割合を指す。
(式中、R1〜R8およびb、dは上記で定義した通りである。)
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)の好ましい分子量は、多官能イソシアネート化合物(B)との反応性や、反応後に得られる変性ポリシロキサン共重合体(C)の好適分子量を考慮してポリスチレン換算数平均分子量で1000〜10万の範囲である。
本発明に用いられるイソシアネート基を少なくとも2個有する多官能イソシアネート化合物(B)としては、下記の一般式で表される化合物が使用される。
(式中、Y1、Y3、およびY5は各々独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、Y2は酸素、窒素を含んでいてもよい炭素数2〜20の3価の有機基を表し、Y4は炭素数2〜20の3価の炭化水素基を表し、pは1〜10の整数を表す。)
式(IV)で表されるジイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート等が挙げられる。
式(V)で表されるトリイソシアネートの具体例としては、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートや、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートから誘導される下記式のような変性イソシアネートが挙げられる。
式(VI)で表される多官能イソシアネートの具体例としては、下記式で表されるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられる。
(式中、qは1〜10の整数を表す。)
これらの多官能イソシアネート化合物はそれぞれ単独で用いられるだけでなく、複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)としては、一般式(I)で表される繰り返し単位を有するものであれば市販品を使用してもよい。例えば、Wacker社からGeniomerの商品名で市販されているポリシロキサン/ポリウレタン共重合体などが好適に使用できる。
また、変性ポリシロキサン共重合体(C)の分子量とネットワーク構造を制御するという観点から、多官能性イソシアネート化合物(B)としては上記式(IV)で表されるジイソシアネートが特に好適である。
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)と多官能性イソシアネート化合物(B)を反応させる方法は特に制限されず、溶媒を使用して溶液中で反応させる方法、溶媒を用いずに押出機や、バンバリーミキサー、ブラベンダー中で反応させる方法が挙げられる。溶液中で反応する場合に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ビス(2−エトキシエチル)エーテルなどのエーテル系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などを挙げることができ、特にテトラヒドロフランが好適である。
反応温度および反応時間については特に制限はなく、50℃〜200℃、1分〜10時間の範囲で反応の速度に応じて適宜選択される。
本発明に用いられる多孔質支持体としては、多孔質フォーム、不織布、織布などが挙げられ、孔の大きさ、孔径の均一性、支持体の厚みなどの点から多孔質フォームを用いることが好ましい。多孔質フォームは抽出法、延伸法、物理的な開口法など様々な方法によって製造されるが、製法に限定されることなく使用できる。多孔質支持体の形状としては、平膜状、中空糸状、チューブ状などが挙げられ、特に平膜状のものが好適である。また、多孔質支持体は対称構造でも非対称構造でも使用できる。
多孔質支持体の膜厚は5μm〜5mmのものが使用でき、より好ましくは10μm〜500μmであり、さらに好ましくは10μm〜100μmである。膜厚が5μmより薄くなると支持体としての強度が充分でない場合が多く、5mmより大きいと膜の柔軟性が損なわれ取り扱いが難しくなったり、気体透過の抵抗が大きくなることがあるため好ましくない。
(1)ポリマーの分子量
HLC−8120GPC(東ソー社製)にTSKguardcolumnHXL−L、TSKgelG5000HXLおよびTSKgelG4000HxL(いずれも東ソー社製)を取り付けた装置を用い、テトラヒドロフランを溶離液とし示差屈折計により測定を行った。標準試料として単分散ポリスチレンを使用し数平均分子量(Mn)を求めた。
(2)複合膜の分離層厚み
膜を液体窒素冷却下で割断し白金蒸着した後、走査型電子顕微鏡FE−SEM S−800(日立製作所製)により断面写真を撮影し分離層の厚みを求めた。
(3)酸素透過速度および分離係数
作製した複合膜より直径47mmの円形試料を切り出し、タンク付きステンレスホルダーKST−47(アドバンテック東洋社製)に取り付けた。次いで25℃の恒温下でゲージ圧0.1MPaの酸素および窒素を透過させ、15mlの気体が透過するのに要する時間を計測することにより酸素透過速度および窒素透過速度を求めた。分離係数は酸素透過速度と窒素透過速度の比より求めた。
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)として、両末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンの繰り返し単位数約40)とジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートの共重合体であるWacker社のGeniomer(登録商標)140(Mn=36,000)を使用した。このポリマーは一般式(I)においてR1〜R4がメチル基、X1が4,4’−ジシクロヘキシルメチル基であり、a=3、b=約39、n=0である場合に相当する。このポリマー100g、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート4.0g、およびジブチル錫ジラウレート0.02gを混合し、東洋精機製作所製ラボプラストミルを用いて190℃で10分間混練することにより変性ポリシロキサン共重合体を得た。得られたポリマーはテトラヒドロフランに可溶であり、Mn=320,000であった。
この複合膜を用いて酸素および窒素の透過速度を測定したところ、酸素の透過速度は1,400×10−6cm3(STP)/cm2・sec・cmHg、酸素/窒素の分離係数は2.0であった。
実施例1と同じく両末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンの繰り返し単位数約40)とジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートの共重合体であるWacker社のGeniomer(登録商標)140(Mn=36,000)を用いた。このポリマー100g、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート4.0g、およびジブチル錫ジラウレート0.02gをテトラヒドロフラン500mlに溶解し、ステンレス製オートクレーブを用いて150℃で30分間反応を行うことにより変性ポリシロキサン共重合体を得た。反応後の溶液は均一透明であり、溶解しているポリマーの分子量を測定したところMn=240,000であった。
この複合膜を用いて酸素および窒素の透過速度を測定したところ、酸素の透過速度は1,500×10−6cm3(STP)/cm2・sec・cmHg、酸素/窒素の分離係数は2.0であった。
ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)として、両末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンの繰り返し単位数約40)とヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートの共重合体であるWacker社のGeniomer(登録商標)60(Mn=83,000)を使用した。このポリマーは一般式(I)においてR1〜R4がメチル基、X1が1,6−ヘキサメチレン基であり、a=3、b=約39、n=0である場合に相当する。このポリマー100g、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート3.0g、およびジブチル錫ジラウレート0.02gを混合し、東洋精機製作所製ラボプラストミルを用いて170℃で10分間混練することにより変性ポリシロキサン共重合体を得た。得られたポリマーはテトラヒドロフランに可溶であり、Mn=430,000であった。
この複合膜を用いて酸素および窒素の透過速度を測定したところ、酸素の透過速度は1,600×10−6cm3(STP)/cm2・sec・cmHg、酸素/窒素の分離係数は1.9であった。
実施例3と同じく両末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンの繰り返し単位数約40)とヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートの共重合体であるWacker社のGeniomer(登録商標)60(Mn=83,000)を用いた。このポリマー100重量部、イソホロンジイソシアネート2重量部、およびジブチル錫ジラウレート0.01重量部を均一に混合し、テクノベル社製押出機(KZW15−45MG)を用いて180℃にて溶融混練することにより変性ポリシロキサン共重合体を得た。得られたポリマーはテトラヒドロフランに可溶であり、Mn=570,000であった。
この複合膜を用いて酸素および窒素の透過速度を測定したところ、酸素の透過速度は1,200×10−6cm3(STP)/cm2・sec・cmHg、酸素/窒素の分離係数は2.0であった。
実施例1において、反応に使用するジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートの使用量を1.0g、ジブチル錫ジラウレートの使用量を0.01gとする以外はまったく同じ条件・方法で混練を行った。得られたポリマーはテトラヒドロフランに可溶であり、Mn=86,000であった。
実施例1および2で使用した両末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンの繰り返し単位数約40)とジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートの共重合体であるWacker社のGeniomer(登録商標)140(Mn=36,000)をジイソシアネート変性反応を行うことなく、未反応のままテトラヒドロフランに溶解し、2.5重量%の溶液とした。この溶液を使用し、旭化成ケミカルズ製ポリエチレン多孔質膜ハイポア(登録商標)NB630(膜厚30μm)用いて、窒素雰囲気下にて膜の片面のみを溶液表面に浮遊・接触させ、連続的に引き上げる方法(フロート法)で塗工を行った。得られた複合膜の塗工層の厚みは950nmであった。
実施例1において、反応に使用するジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートの使用量を10.0g、ジブチル錫ジラウレートの使用量を0.1gとする以外はまったく同じ条件・方法で混練を行った。得られたポリマーはテトラヒドロフランには完全に溶解せず多くのゲル分が認められた。このゲル分は濾過等の方法では除去するのが困難であり、溶液塗工に使用するのは不適当と判断された。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン共重合体(A)100重量部に対し、イソシアネート基を少なくとも2個有する多官能イソシアネート化合物(B)を0.1〜5重量部反応させて得られる気体分離膜用変性ポリシロキサン共重合体(C)。
(式中、R1〜R8は各々独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、X1およびX2は各々独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、aおよびcは各々独立に2〜10の整数を表し、bおよびdは各々独立に1〜4000の整数を表し、mおよびnは各々独立に0または正の整数を表し、mとnが同時に0であることはない。) - 変性ポリシロキサン共重合体(C)のポリスチレン換算数平均分子量が10万〜100万であることを特徴とする請求項1に記載の気体分離膜用変性ポリシロキサン共重合体(C)。
- 請求項1または2に記載の変性ポリシロキサン共重合体(C)を分離層として用いることを特徴とする気体分離膜。
- 請求項1または2に記載の変性ポリシロキサン共重合体(C)を多孔質支持体上に積層してなる請求項3に記載の気体分離膜。
- 請求項1または2に記載の変性ポリシロキサン共重合体(C)の溶液を多孔質支持体に塗工することを特徴とする気体分離膜の製造方法。
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