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JP2007154021A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

インクジェット記録用水系インク Download PDF

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JP2007154021A
JP2007154021A JP2005350576A JP2005350576A JP2007154021A JP 2007154021 A JP2007154021 A JP 2007154021A JP 2005350576 A JP2005350576 A JP 2005350576A JP 2005350576 A JP2005350576 A JP 2005350576A JP 2007154021 A JP2007154021 A JP 2007154021A
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Akira Umada
昭 馬田
Koji Ito
康志 伊藤
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

【課題】耐マーカー性を満足しつつ、吐出性に優れたインクジェット記録用水分散体、それを含有する水系インク、及びその水系インクを用いるプリントヘッドノズル部の付着抑制方法を提供する。
【解決手段】(A)自己分散型顔料、(B)ポリマー粒子、及び(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物を含有するインクジェット記録用水分散体、その水分散体を含有する水系インク、及びインクジェット記録におけるプリントヘッドノズル部の付着抑制方法である。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット記録用水分散体、それを含有する水系インク、及びその水系インクを用いるプリントヘッドノズル部の付着抑制方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
例えば、特許文献1には、少なくとも着色剤、有機溶剤、シリコーンオイル系化合物及び水を含むインクジェット記録用インクが開示されている。また、特許文献2には、少なくとも顔料、シリコーンオイル系化合物、不溶性有機溶剤、スルホン基含有重合体及び水を含むインクジェット記録用インクが開示されている。
これらのインクは性能がある程度改善されているが、印字の際の吐出性能を更に向上することが要望されている。
特開平5−169790号公報 特開2003−306620号公報
本発明は、耐マーカー性を満足しつつ、吐出性に優れたインクジェット記録用水分散体、それを含有する水系インク、及びその水系インクを用いるプリントヘッドノズル部の付着抑制方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、インク中に配合された顔料やポリマー粒子が、インクジェットのノズル内面に付着することにより、該ノズルの先端部で目詰まりを引き起こして、吐出性が低下することを発見し、これを解決する手段を見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供する。
〔1〕(A)自己分散型顔料、(B)ポリマー粒子、及び(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物を含有するインクジェット記録用水分散体。
〔2〕前記〔1〕の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
〔3〕前記〔2〕の水系インクを用いる、インクジェット記録におけるプリントヘッドノズル部の付着抑制方法。
本発明のインクジェット記録用水分散体を含有する水系インクは、吐出性に優れ、ポリマー粒子の存在により耐マーカー性に優れる。
また、本発明のインクジェット記録用水系インクを用いることにより、プリントヘッドノズル部における顔料やポリマー粒子の付着を抑制できる。すなわち、本発明の水系インクは、インク中に配合された顔料やポリマー粒子がプリントヘッドノズル部に付着することが少なく、ノズルの先端部の目詰まりによる「よれ」(ベタ印字における細い白筋)や「ぬけ」(ベタ印字における太い白筋)の発生を防止できるため、プリントヘッドノズル部の付着抑制に有用である。
本発明の水分散体は、(A)自己分散型顔料、(B)ポリマー粒子、及び(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物を含有することが特徴である。以下、各成分について説明する。
〔(A)自己分散型顔料〕
自己分散型顔料とは、アニオン性親水基又はカチオン性親水基である塩生成基の1種以上を直接又は他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料を意味する。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アンモニウム基、アミノ基が挙げられる。
ここで、他の原子団としては、炭素原子数1〜24、好ましくは炭素原子数1〜12のアルキレン基、置換基を有してもよいフェニレン基又は置換基を有してもよいナフチレン基が挙げられる。
アニオン性親水基としては、顔料粒子を水系媒体に安定に分散しうる程度に十分に親水性が高いものであれば、任意のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシ基(−COOM1)、スルホン酸基(-SO31)、リン酸基(−PO31 2)、−SO2NH2、−SO2NHCOR1又はそれらの解離したイオン形(−COO-、-SO3 -、−PO3 2-、−PO3 - 1)等が挙げられる。
上記化学式中、M1は、同一でも異なってもよく、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;モノメチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリメチルアンモニウム基;モノエチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基;モノメタノールアンモニウム基、ジメタノールアンモニウム基、トリメタノールアンモニウム基等の有機アンモニウムである。
1は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基である。
これらのアニオン性親水基の中では、特にカルボキシ基(−COOM1)、スルホン酸基(-SO31)が好ましい。
カチオン性親水基としては、アンモニウム基、アミノ基等が挙げられる。これらの中でも第4級アンモニウム基が好ましく、特に下記式(1)で表される基、
Figure 2007154021
〔式中、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子又はR1(R1 は前記と同じ)、Xは、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、酢酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等のカルボン酸又は炭素数1〜8のアルキルサルフェートからプロトンを除去したアニオン性基を示す。〕、
及び下記式で表される基から選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 2007154021
自己分散型顔料に用いられる顔料としては特に制限はなく、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
また、カラー水系インクにおいては、有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、C.I.ピグメント・グリーン等からなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
顔料を自己分散型顔料とするには、上記のアニオン性親水基又はカチオン性親水基の必要量を、顔料表面に化学結合させればよい。そのような方法としては、任意の公知の方法を用いることができる。例えば、米国特許第5571311号明細書、同第5630868号明細書、同第5707432号明細書、J.E.Johnson,Imaging Science and Technology's50th Annual Coference(1997)、Yuan Yu, Imaging Science and Technology's 53th Annual Conference(2000)、ポリファイル,1248(1996)等に記載されている方法が挙げられる。
より具体的には、硝酸、過酸化水素、次亜塩素酸、クロム酸のような酸化性を有する酸等の化合物によってカルボキシ基を導入する方法、過硫酸化合物の熱分解によってスルホン基を導入する方法、カルボキシ基、スルホン基、アミノ基等を有するジアゾニウム塩化合物によって上記のアニオン性親水基を導入する方法等があるが、これらの方法に限定されるものではない。
アニオン性親水基又はカチオン性親水基の存在比は、特に限定されるものではないが、自己分散型顔料1g当たり50〜5,000μmol/gが好ましく、100〜3,000μmol/gがより好ましい。
水分散体及び水系インク中、自己分散型顔料の平均粒子径は、該分散体の安定性の観点から、40〜300nmが好ましく、50〜200nmがより好ましい。なお、平均粒径は、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)を用いて、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力して行う。
自己分散型顔料(カーボンブラック)の市販品としては、CAB−O−JET 200、同300(キャボット社製)やBONJET CW−1、同CW−2(オリヱント化学工業株式会社製)、東海カーボン株式会社のAqua−Black 162(カルボキシ基として約800μmol/g)等が挙げられる。
自己分散型顔料は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
〔(B)ポリマー粒子〕
本発明において、ポリマー粒子は、水不溶性有機化合物との相互作用により、水系インクの印字濃度、耐マーカー性を向上させるために用いられる。
本発明に用いられる「ポリマー粒子」とは、連続相を水系とする溶媒中に、界面活性剤の存在下又は界面活性剤の不存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるポリマー粒子をいう。ポリマー粒子の中では、印字濃度、耐マーカー性の観点から、(i)塩生成基含有モノマー由来の構成単位を含む自己乳化ポリマー粒子(以下、単に「(i)自己乳化ポリマー」又は「(i)自己乳化ポリマー粒子」という)、及び(ii)エチレン性不飽和モノマーを乳化重合してなるポリマー粒子(以下、単に「(ii)乳化重合ポリマー」又は「(ii)乳化重合ポリマー粒子」という)が好ましい。また、分散安定性と耐マーカー性の観点から、ポリマー粒子はビニルポリマー粒子であることが好ましい。
より優れた耐マーカー性を発現させる観点から(ii)反応性界面活性剤の存在下、エチレン性不飽和モノマーを乳化重合してなるポリマー粒子が好ましい。これは、印字物がマーカーペンのような水溶性インキと接触した際に、界面活性剤がポリマー粒子から脱離しにくいため、印字物の再溶解を抑制することができるためと考えられる。
これらの(B)ポリマー粒子は、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
(i)自己乳化ポリマー粒子
自己乳化ポリマー粒子とは、界面活性剤の不存在下、ポリマー自身の官能基(特に塩基性基又はその塩)によって、水中で乳化状態である水不溶性ポリマーの粒子をいう。その調製方法のひとつとして、ポリマーを溶媒中に溶解又は分散させた後、界面活性剤を添加せずにそのまま水中に投入し、ポリマーが有する塩生成基を中和した状態で、攪拌、混合し、前記溶媒を除去した後、乳化状態を得る方法が挙げられる。
ここで乳化状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、乳化又は分散状態が、25℃で、少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる状態をいう。
水不溶性ポリマー
水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
水不溶性ポリマーとしては、分散安定性と耐マーカー性の観点から、水不溶性ビニルポリマーが好ましい。より好ましくは、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ということがある)と(b)マクロマー(以下「(b)成分」ということがある)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ということがある)、とを含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を、溶液重合法により共重合させてなる水不溶性ポリマーである。この水不溶性ポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位を有する。
(a)塩生成基含有モノマーは、自己乳化促進の観点から、また得られる分散体の分散安定性を高める観点から用いられる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
塩生成基含有モノマーとしては、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。その例として、特開平9−286939号公報5頁7欄24行〜8欄29行に記載されているもの等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
(b)マクロマーは、印字物の印字濃度、ポリマー粒子の分散安定性を高める観点から用いられる。マクロマーとしては、数平均分子量500〜100,000、好ましくは1,000〜10,000の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。なお、(b)マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(b)マクロマーの中では、ポリマー粒子の分散安定性等の観点から、片末端に重合性官能基を有する、スチレン系マクロマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマー(b−1成分)としては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレンなどが挙げられる。
芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーとしては、芳香族基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又はそれと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2成分)としては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基、又はヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートであり、ヘテロ原子を含む置換基としては、ハロゲン原子、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基などが挙げられる。例えばベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられ、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、それらのマクロマーの片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、共重合される他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
(b)マクロマーは、オルガノポリシロキサン等の他の構成単位からなる側鎖を有するものであってもよい。この側鎖は、例えば下記式(2)で表される片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
CH2=C(CH3)−COOC36−〔Si(CH32O〕t−Si(CH33 (2)
(式中、tは8〜40の数を示す。)。
(b)成分として商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
(c)疎水性モノマーは、印字濃度、耐マーカー性の向上の観点から用いられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート、又はそれらの両方を示す。
芳香族基含有モノマーとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜12の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、例えば、前記のスチレン系モノマー(b−1成分)、前記の芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2成分)が好ましい。ヘテロ原子を含む置換基としては、前記のものが挙げられる。
(c)成分の中ではスチレン系モノマー(b−1成分)が好ましく、特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。(c)成分中の(b−1)成分の含有量は、印字濃度及び耐マーカー性向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2)成分としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。(c)成分中の(b−2)成分の含有量は、印字濃度及び耐マーカー性向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。また、(b−1)成分と(b−2)成分を併用することも好ましい。
モノマー混合物には、分散安定性を高めるために、更に、(d)水酸基含有モノマー(以下「(d)成分」という)が含有されていてもよい。(d)成分は、分散安定性を高め、また印字した際に短時間で耐マーカー性を向上させるという優れた効果を発現させる。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、更に、(e)下記式(3)で表されるモノマー(以下「(e)成分」という)が含有されていてもよい。
CH2=C(R5)COO(R6O)p7 (3)
(式中、R5は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R6は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R7は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、pは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を示す。)
(e)成分は、水系インクの吐出安定性を高め、連続印字してもヨレの発生を抑制するという優れた効果を発現する。
式(3)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
5の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
6O基の好適例としては、オキシエチレン基、オキシ(イソ)プロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらオキシアルキレンの1種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルキレン基が挙げられる。
7の好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。
(e)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(式(3)中のp値:1〜30。以下、同じ。)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエ-テル、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(p値:1〜30、その中のエチレングリコールのp値:1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、オクトキシポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(p値:1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエ-テルが好ましい。
商業的に入手しうる(d)、(e)成分の具体例としては、新中村化学工業株式会社の多官能性アクリレートモノマー(NKエステル)M−40G、同90G、同230G、日本油脂株式会社のブレンマーシリーズ、PE−90、同200、同350、PME−100、同200、同400、同1000、PP−500、同800、同1000、AP−150、同400、同550、同800、50PEP−300、50POEP−800B等が挙げられる。
上記(a)〜(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
水不溶性ポリマー製造時における、上記(a)〜(e)成分のモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又は水不溶性ポリマー中における(a)〜(e)成分に由来する構成単位の含有量は、次のとおりである。
(a)成分の含有量は、自己乳化性、得られるポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、印字濃度、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは5〜35重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度、耐マーカー性の観点から、好ましくは5〜79重量%、より好ましくは10〜60重量%である。(b)成分と(c)成分は併用してもよく、いずれか一方のみを使用してもよい。
(d)成分の含有量は、ポリマー粒子の分散安定性、耐マーカー性の観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは3〜15重量%である。
(e)成分の含有量は、ポリマー粒子の分散安定性等の観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは3〜15重量%である。
モノマー混合物中における〔(a)成分+(e)成分〕の合計含有量は、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは6〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。また、[(a)/[(b)+(c)]]の重量比は、耐マーカー性等の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.05〜0.4、更に好ましくは0.1〜0.3である。
水不溶性ポリマーの製造
水不溶性ポリマーは、溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。重合の際には、更に、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
得られる水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、印字濃度、耐マーカー性、吐出性の観点から、5,000〜500,000が好ましく、10,000〜400,000が更に好ましく、10,000〜300,000が特に好ましい。
なお、ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(i)自己乳化ポリマー粒子の製造
前記の水不溶性ポリマーから(i)自己乳化ポリマー粒子を製造する場合は、次の工程(1)及び(2)により、水分散体として得ることが好ましい。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程。
工程(2):前記有機溶媒を除去する工程。
前記工程(1)では、まず前記水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に中和剤を含む水性媒体に加えて混合、攪拌し、水中油型の分散体を得ることが好ましい。このように、中和剤を含む水性媒体に水不溶性ポリマーを添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い、微粒径の(i)自己乳化ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。該混合物の攪拌方法に特に制限はないが、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置や、場合によっては超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いてもかまわない。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられ、水に対する溶解度が20℃において、10重量%以上が好ましく、80重量%以下が好ましい。
アルコール系溶媒としては、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒が好ましい。
水性媒体とは、水を主成分とする媒体であり、多価アルコール等の、溶解度が20℃において100重量%以上の親水性溶媒を含んでいてもよい。
混合物中、有機溶媒は10〜70重量%が好ましく、水不溶性ポリマーは2〜40重量%が好ましく、水性媒体は10〜70重量%が好ましい。また、前記混合物の攪拌方法に特に制限はない。
中和剤としては、水不溶性ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
水不溶性ポリマーの中和度は、通常10〜200%、好ましくは20〜150%、更に好ましくは50〜150%である。
中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
塩生成基がカチオン性基である場合、中和度は下記式によって求めることができる。
[[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]]×100
酸価やアミン価は、水不溶性ビニルポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶媒を留去して水系にすることで、(i)自己乳化ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。得られた水分散体中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.01重量%以下である。
(ii)乳化重合ポリマー粒子
乳化重合ポリマー粒子とは、界面活性剤及び/又は反応性界面活性剤の存在下、エチレン性不飽和モノマーを乳化重合してなるポリマーの粒子をいう。
乳化重合ポリマーは、水系インクの耐マーカー性向上の観点から、反応性界面活性剤の存在下、前記の(a)成分〜(e)成分等のエチレン性不飽和モノマーを常法により乳化重合して得られるものが好ましい。
乳化重合ポリマー(反応性界面活性剤由来の構成単位を除く、以下同じ)中における(a)成分に由来する構成単位の含有量は、得られる乳化重合ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%である。
乳化重合ポリマー中における(c)成分に由来する構成単位の含有量は、得られる乳化重合ポリマー粒子の分散安定性、耐マーカー性の観点から、好ましくは50〜99.5重量%、より好ましくは60〜99.5重量%、特に好ましくは70〜99重量%である。
また、乳化重合ポリマー中における〔(a)/(c)〕の重量比は、分散安定性、印字濃度、耐マーカー性、吐出性等の観点から、好ましくは0.003〜0.5、より好ましくは0.005〜0.3、特に好ましくは0.01〜0.1である。
重合開始剤としては、公知のものを使用でき、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、クメンヒドロペルオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキサイド、パラメンタンヒドロペルオキサイド等の有機系過酸化物、アゾビスジイソブチロニトリル、メトキシベンゼンジアゾメルカプトナフタレン等のアゾ系開始剤等の有機系開始剤、又は過酸化物や酸化剤に亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、糖等の還元剤を併用するレドックス重合開始剤等が挙げられる。
乳化重合に用いる界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好適である。アニオン系界面活性剤としては、ドデシルベンザンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
反応性界面活性剤は、分子内にラジカル重合可能な不飽和2重結合を1個以上有する界面活性剤である。反応性界面活性剤は優れたモノマー乳化性を有しており、安定性に優れた水分散体を製造することができ、水系インクの耐マーカー性を向上させる。
反応性界面活性剤としては、炭素数8〜30、好ましくは12〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基等の疎水性基を少なくとも1個と、イオン性基、オキシアルキレン基等の親水性基を少なくとも1個有し、アニオン性又はノニオン性であるものが好ましい。
アルキル基としては、例えば、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、オレイル基、オクテニル基等が挙げられる。
イオン性基としては、カチオン性基(アンモニウム基等)とアニオン性基が挙げられるが、アニオン性のものが好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基等のアニオン性基又はその塩基中和物が更に好ましい。中和のために使用する塩基は、前記の中和剤と同様である。
オキシアルキレン基は、炭素数1〜4のものが好ましく、繰り返し単位の平均重合度は好ましくは1〜100、更に好ましくは4〜80、特に好ましくは4〜50である。これらの中でもオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が好ましい。
オキシアルキレン基を2種以上、例えばオキシエチレン基とオキシプロピレン基を用いる場合は、ブロック型、ランダム型、交互型等のいずれでもよい。オキシアルキレン基の末端は特に限定されず、水酸基の他、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基でもよい。
用いる反応性界面活性剤の種類は、ポリマー粒子の凝集安定性の観点から、乳化重合ポリマー粒子が、アニオン性モノマー由来の構成単位を有する場合は、アニオン性基及び/又はオキシアルキレン基を有するものが好ましく、カチオン性モノマー由来の構成単位を有する場合は、カチオン性基及び/又はオキシアルキレン基を有するものが好ましい。
反応性界面活性剤の具体例としては、例えば下記式(4)及び(5)で表されるスルホコハク酸エステル系(例えば、花王株式会社製、ラテムルS−120P、S−180A、三洋化成株式会社製、エレミノールJS−2等)、及び一般式(6)で表されるアルキルフェノールエーテル系(例えば、第一工業製薬株式会社製、アクアロンHS−10、RN−20等)が挙げられる。
Figure 2007154021
(式中、M2は、Na、K、又はNH4を示し、R8は、炭素数8〜18のアルキル基を示す。)
Figure 2007154021
(式中、M2及びR8は、前記と同じである。)
Figure 2007154021
(式中、Xは、H、SO3Na、SO3K、又はSO3NH4を示し、R8は、前記と同じであり、nは1〜200、好ましくは1〜50の整数を示す。)
これらの反応性界面活性剤の中でも、乳化重合の操作性の観点から、上記式(4)及び(5)のアニオン性基を有するものが好ましい。反応性界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
反応性界面活性剤の使用量は、反応性界面活性剤以外のエチレン性不飽和モノマー100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.1〜3重量部である。該使用量が0.1重量部以上のときにポリマー粒子の安定性が良好となってポリマー粒子の分散安定性が向上し、10重量部以下のときに耐マーカー性が良好となる。
乳化重合ポリマーの具体例としては、(メタ)アクリル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン−(メタ)アクリル系ポリマー、ブタジエン系ポリマー、スチレン系ポリマー等が挙げられる。
これらの中では、(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリル−スチレン系ポリマー、スチレン系ポリマーが好ましく、特にスチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルを共重合した(メタ)アクリル−スチレン系ポリマーが好ましい。
(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリル−スチレン系ポリマーを合成するためのモノマーとしては、前記の(a)塩生成基含有モノマー、(c)疎水性モノマー、(d)水酸基含有モノマーとして記載されているモノマー中、(メタ)アクリル基を有するモノマーを用いることが好ましい。
これらのモノマー中では、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、前記のアルキル(メタ)アクリレート、前記の芳香族基含有(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。それらの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル−スチレン系ポリマー、スチレン系ポリマーを合成するためのスチレン系モノマーとしては、前記のものが挙げられ、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、クロロスチレン等が好ましい。
(メタ)アクリル−スチレン系ポリマーを用いる場合、ポリマー粒子の水分散体の安定性を高めるために、全モノマー中に、(メタ)アクリル酸等の塩生成基含有モノマー由来の構成単位を0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%含有させることが好ましい。
塩生成基含有モノマーの含有量をこの範囲内にすることで、乳化重合の反応系の粘度を低く抑えて、安定なポリマー粒子を簡単に製造することができる。
ポリマー粒子の分散安定性及び耐マーカー性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位は2〜95重量%が好ましく、15〜80重量%が更に好ましく、スチレン系モノマー由来の構成単位は2〜95重量%が好ましく、15〜80重量%が更に好ましい。
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルを共重合する場合の重量比〔スチレン系モノマー:(メタ)アクリル酸エステル〕は70:30〜10:90が好ましく、60:40〜30:70が更に好ましい。得られるポリマー粒子の固形分量は、安定性と配合性の点から、1〜80%が好ましく、10〜70%が好ましい。
(ii)乳化重合ポリマー粒子の製造
本発明で用いる乳化重合ポリマー粒子は、公知の乳化重合法により、製造することができる。
乳化重合ポリマーは、造膜性を向上して耐マーカー性を向上させる観点から、ガラス転移温度は、好ましくは50℃以下、更に好ましくは30℃以下である。また、被膜強度を上げて耐マーカー性を向上させる観点から、ガラス転移温度は、好ましくは−70℃以上、更に好ましくは−40℃以上である。
得られる(i)自己乳化ポリマー粒子、(ii)乳化重合ポリマー粒子の水分散体のD50(散乱強度の頻度分布における、小粒子側から計算した累積50%の値)は、水分散体の保存安定性の観点から、500nm以下が好ましく、300nm以下が更に好ましく、200nm以下が特に好ましい。また、製造の容易性から、その下限は10nm以上が好ましく、30nm以上が更に好ましい。
また該水分散体のD90(散乱強度の頻度分布における、小粒子側から計算した累積90%の値)は、粗大粒子を減らして分散体の保存安定性を高める観点から、2000nm以下が好ましく、1000nm以下が更に好ましく、500nm以下が特に好ましい。また、製造のし易さから、その下限は20nm以上が好ましく、50nm以上が更に好ましい。
なお、D50及びD90の測定は、前記の大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000を用いて、同じ条件で行う。
〔(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物〕
ポリシロキサン骨格を有する化合物とは、Si−O−Si結合を持つ化合物であり、ケイ素原子及び酸素原子によるシロキサン結合の繰り返し構造を有する。ポリシロキサン骨格を有する化合物は、具体的には、下記(1)、(2)の化合物が挙げられる。
(1)シリコーンオイル
シリコーンオイルは、ポリシロキサンの側鎖及び末端に、アルキル基やアリール基などの炭化水素基を有するものが挙げられる。アルキル基は炭素数1〜6が好ましく、好ましくはジメチルポリシロキサン等のジアルキルポリシロキサンが挙げられる。シリコーンオイルは、線状で低重合度のシリコーンで、常温(25℃)で流動性を示すものが好ましい。
(2)変性シリコーン
変性シリコーンは、シリコーンオイルの側鎖及び/又は末端の炭化水素基を、ポリエーテル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、エステル基、及びフッ素原子からなる群から選ばれる1種以上の官能基又は原子を含む有機基で置換された構造を有するものである。変性シリコーンは、ポリエーテル変性、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、アルコール変性、脂肪酸変性、及びフッ素変性等からなる群から選ばれる1以上の変性シリコーンが好ましい。前記有機基の位置は、シリコーンオイルの側鎖であっても、片末端であっても、両末端であってもよい。
変性シリコーンは、水溶性又は非水溶性のものを用いることができるが、水系インク中の安定性の観点から、HLB値(デービス法)の比較的大きいものが望ましく、好ましくは2以上、更に好ましくは5以上であり、20以下が好ましい。これら変性シリコーンは、変性する置換基の分子量が1000以下であることが好ましい。
なお、ポリシロキサン骨格を有する化合物の重量平均分子量、動粘度(25℃)は、シロキサン結合の重合度によって異なる。重量平均分子量は500〜50,000が好ましく、1,000〜45,000が更に好ましく、2,000〜40,000が特に好ましい。動粘度は10〜2,000mm2/sが好ましく、20〜1,000mm2/sが更に好ましく、50〜500mm2/sが特に好ましい。動粘度の測定は、化粧品原料基準第二版注解(p.1461〜1463、1984年、薬事日報社)の一般試験法の粘度測定法第1法に記載されているウベローテ型毛細管粘度計を用いて25℃で測定する方法による。
上記のポリシロキサン骨格を有する化合物の中では、インクへの溶解性の観点から、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンは、下記の式(7)で表される化合物が好ましい。
Figure 2007154021
(式中、R11〜R17は、独立して、炭素数1〜6のアルキル基を示す。x及びyは、独立して、0以上の整数を示すが、(x+y)は1以上の整数である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示す。lは0以上の整数を示す。m及びnは、平均付加モル数であり、独立して、0以上の数を示すが、(m+n)は共に0となることはない。)
11〜R17は、メチル基が好ましい。lは好ましくは1〜3を示し、m及びnは、独立して、好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜4である。m+nは、2〜10が好ましく、2〜5が更に好ましい。
xは、好ましくは1〜20であり、yは、好ましくは1〜20であり、x+yは、好ましくは2〜40である。
EO及びPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダム付加であってもブロック付加であってもよい。
式(7)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、x=y+1を満足するものが好ましく、R11〜R17が全てメチル基であるものが好ましい。また、x=2、y=1、l=1であり、mが1以上の整数を表し、nが0を表すものが更に好ましい。
式(7)で表される化合物は市販されており、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名、KF−50、同54、同56、同96、同351、同618、日本ユニカー株式会社製の商品名、SILWET L−7601、同L−7602、同L−7604、同L−7607N、同Y−7006、同FZ−2104、同FZ−2161、ビックケミー・ジャパン株式会社製の商品名、BYK−306、同333、同341、同345、同346、同347、同348等が利用可能である。
〔水分散体、水系インク〕
本発明の水系インクは、本発明の水分散体を含有し、水を主溶媒とするインクである。
本発明の水分散体、水系インクは、(A)自己分散型顔料、(B)ポリマー粒子、(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物及び水を混合することにより得ることができる。混合順序は何れであってもよい。本発明のインクジェット記録用水分散体及び水系インク中の(A)自己分散型顔料、(B)ポリマー粒子、(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物及び水の含有量は次のとおりである。
(A)自己分散型顔料の含有量は、水分散体及びインクの安定性、印字濃度、吐出性の観点から、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%である。
(B)ポリマー粒子の含有量は、水分散体及びインクの安定性、耐擦過性(耐マーカー性)、吐出性の観点から、好ましくは0.5〜15重量%、更に好ましくは1〜12重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物の含有量は、吐出性の観点から、好ましくは0.01〜6重量%、更に好ましくは0.1〜4重量%、特に好ましくは0.2〜2重量%である。
〔(A)自己分散型顔料/(B)ポリマー粒子〕の重量比は、印字濃度、耐擦過性(耐マーカー性)、吐出性の観点から、好ましくは20/80〜90/10、更に好ましくは30/70〜70/30である。
〔(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物/(B)ポリマー粒子〕の重量比は、吐出性の観点から、好ましくは1/99〜40/60、より好ましくは5/95〜30/70である。(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物がこの範囲では、吐出性と耐マーカー性を満足させることができる。
水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、更に好ましくは40〜80重量%である。
本発明の水系インクには、必要により、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を添加することができる。また、水系インクのpHは4〜10が好ましい。
本発明の水分散体及び水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、水分散体としては、好ましくは30〜65mN/m、更に好ましくは35〜60mN/mであり、水系インクとしては、好ましくは25〜50mN/m、更に好ましくは27〜45mN/mである。
水分散体の固形分10重量%における粘度(20℃)は、水系インクとした時に良好な粘度とするために、2〜6mPa・sが好ましく、2〜5mPa・sが更に好ましい。また、水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。
〔インクジェット記録〕
本発明の水系インクを用いることにより、インクジェット記録におけるプリントヘッドノズル部、特にプリントヘッドノズル内面の凝集物の付着を抑制又は防止することができる。これにより、インクジェット記録時におけるインク液滴の着弾位置のバラツキが抑制され、「よれ」(ベタ印字における細い白筋)や「ぬけ」(ベタ印字における太い白筋)のない良好な印字、画像を得ることができる。
本発明の水系インクは、高速インクジェット記録方式であっても、吐出信頼性が優れている。本発明の水系インクを適用するインクジェット記録方式は限定されないが、特にピエゾ方式に好適である。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。
製造例1(自己乳化ポリマー粒子の水分散体の製造)
反応容器内に、メチルエチルケトン20部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.25部、及び(a)メタクリル酸/(b)スチレンマクロマー(商品名:AS−6S:東亜合成株式会社製)/(c)ベンジルメタクリレート/(e)NKエステルEH―4E(新中村化学工業社製のオクトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、エチレンオキサイドの平均付加モル数=4)=15/30/50/5(有効分重量比)のモノマー混合物250部の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、上記モノマー混合物の残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤2.25部、メチルエチルケトン40部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))2.5部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤3部をメチルエチルケトン30部に溶解した溶液を加え、更に65℃で3時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。次に、このポリマー溶液に、メチルエチルケトンを適量添加し、攪拌することにより、固形分濃度が50%のポリマー溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は、約2万であった。
このポリマー溶液30部に、メチルエチルケトン40部とアセトン30部を加えて攪拌して均一化した後、滴下ロートに入れ、中和を行うため、予め5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液3.7部、25%アンモニア水1.1部及びイオン交換水217.5部を入れて混合した反応容器内に、30分間かけて滴下した。更に、30分間攪拌し、乳化組成物を得た。得られた乳化組成物を、減圧下、60℃で有機溶媒、アンモニアと一部の水を除去し、更に、平均孔径5μmのフィルター(日本ポール株式会社製)でろ過し、粗大粒子を除去し、固形分量が20%のポリマー粒子を含む水分散体を得た。
得られたポリマー粒子のD50は56nmであった。
製造例2(乳化重合ポリマー粒子の水分散体の製造)
ビーカーに、(a)アクリル酸/(c)スチレン/(c)2−エチルヘキシルメタクリレート=2/49/49(有効分重量比)のモノマー混合物150gと反応性界面活性剤であるラテムルPD−104(花王株式会社、有効分20%)22.5g、過硫酸カリウム0.5g、水50gを入れ、ホモミキサーで攪拌し、均一な乳白色液を調製した。
次に、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えたガラス製反応器にイオン交換水300g、界面活性剤として、前記のラテムルPD−104 4.5g、過硫酸カリウム0.1gを仕込み、窒素置換した後、湯浴にて温度を80℃に昇温した。
そこに前記で得られた乳白色液を3時間かけて滴下し、その後80℃で2時間熟成して固形分量が29%のポリマー粒子を含む水分散体を得た。得られたポリマー粒子のD50を測定した結果、144nmであった。
実施例1
上記の方法で得られたポリマー粒子を含む水分散体を用いて下記インク処方によりインクを作製した。
自己分散型カーボンブラック水溶液(商品名:BONJET CW−2、オリヱント化学工業株式会社製、固形分濃度15%)53.3部(有効分濃度8部)、製造例1で得られたポリマー粒子を含む水分散体17部(有効分濃度3.4部)、シリコーンオイル「KF−96」(信越化学工業株式会社製、動粘度100mm2/s)0.3部、グリセリン10.0部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル10.0部、アセチレノールEH(川研ファインケミカル株式会社製)1.0部、及び水(残量)を全体が100部になるように、25℃で混合、撹拌して分散液を調製し、この分散液を孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過して水系インクを得た。
実施例2
実施例1において、シリコーンオイル「KF−96」0.3部の代わりに、ポリエーテル変性シリコーン「SILWET L−7604」(日本ユニカー株式会社製、動粘度390mm2/s、HLBは13)0.5部を用いた以外は実施例1と同様にして水系インクを得た。
実施例3
製造例1で得られたポリマー粒子を含む水分散体17部(有効分濃度3.4部)の代わりに、製造例2で得られたポリマー粒子を含む水分散体11.7部(有効分濃度3.4部)を用い、実施例1と同様にして水系インクを得た。
実施例4
製造例1で得られたポリマー粒子を含む水分散体17部(有効分濃度3.4部)の代わりに、製造例2で得られたポリマー粒子を含む水分散体11.7部(有効分濃度3.4部)を用い、実施例2と同様にして水系インクを得た。
比較例1
シリコーンオイルを使用せず、代わりに同量の水を用いた以外は実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例2
ポリエーテル変性シリコーンを使用せず、代わりに同量の水を用いた以外は実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例3
シリコーンオイル、及びポリマー粒子を含む水分散体を使用せず、代わりに同量の水を用いた以外は実施例1と同様にして水系インクを得た。
得られた水系インクの(1)吐出性(吐出信頼性)及び(2)耐マーカー性を下記の方法により評価した。結果を表1に示す。
(1)吐出性の評価
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、型番:EM−930C、ピエゾ方式)を用い、市販の専用紙HR−101S(キヤノン社製の高品位専用紙)に、ファインモード(高速印字モード)でテキスト及びベタパターンを含む文書を連続で10枚印字し、下記の基準により目視で評価した。
〔評価基準〕
◎:ベタ部が均一であり、文字も明瞭である。
○:ベタ部にややむらが見られるが、文字ははっきり読取ることができ実用上問題ない。
△:ベタ部に明らかにスジが見られ、文字もややかすれている。
×:印字物全体がかすれており、文字が読み取りづらい。
(2)耐マーカー性の評価
前記プリンターを用い、市販の普通紙4024(XEROX社製の普通紙)にフォトモードでテキストパターンを印字し、25℃で10分放置後、文字部分をゼブラ社製蛍光マーカー(商品名:BEAMLINER S)で1回マークし、文字の滲み具合を以下の基準で目視評価した。
〔評価基準〕
◎:文字の滲みが見られない。
○:文字の滲みがほとんど見られない。
△:文字の滲みが目立つが判別は充分可能。
×:文字の滲みが激しく文字の判別が困難。
Figure 2007154021
表1に示された結果から、実施例で得られた水系インクは、吐出性及び耐マーカー性に優れたものであることが分る。また、これらの水系インクは、普通紙に対して十分な印字濃度を有していた。
実施例1で得られたインクは、市販の専用紙(写真用紙<光沢>セイコーエプソン株式会社製、商品名:KA450PSK)に印字した際に、光沢性に優れていた。
更に、インクジェット記録におけるプリントヘッドノズルの凝集物の付着抑制の効果を評価するため、擬似ノズル内部素材として、ポリイミドフィルム(約20cm2)(ユーピレックス25S:宇部興産社製)を用い、インク(約1g)を均一に塗布した後、25℃相対湿度50%の環境下、24時間放置し乾燥させた。それを25℃の同一のインクの入ったビーカーに1時間浸漬した後、純水で軽く洗浄して、インクの残留する面積を測定したところ、実施例で得られた水系インクは、残留するインクが塗布面の10%未満であり、残存しにくいことが分かった。

Claims (10)

  1. (A)自己分散型顔料、(B)ポリマー粒子、及び(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物を含有するインクジェット記録用水分散体。
  2. (A)自己分散型顔料が自己分散型カーボンブラックである、請求項1記載のインクジェット記録用水分散体。
  3. (B)ポリマー粒子が、塩生成基含有モノマー由来の構成単位を含む自己乳化ポリマー粒子である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体。
  4. (B)ポリマー粒子が、反応性界面活性剤の存在下、エチレン性不飽和モノマーを乳化重合してなるポリマー粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  5. (B)ポリマー粒子を構成するポリマーの重量平均分子量が5,000〜500,000である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  6. (C)ポリシロキサン骨格を有する化合物の25℃における動粘度が10〜2、000mm2/sである、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  7. (C)ポリシロキサン骨格を有する化合物が、ポリエーテル変性シリコーンである、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  8. (B)ポリマー粒子に対する(C)ポリシロキサン骨格を有する化合物の重量比〔(C)/(B)〕が1/99〜40/60である、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
  10. 請求項9に記載の水系インクを用いる、インクジェット記録におけるプリントヘッドノズル部の付着抑制方法。

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