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JP2007038646A - 光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび偏光板 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび偏光板 Download PDF

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JP2007038646A
JP2007038646A JP2006168247A JP2006168247A JP2007038646A JP 2007038646 A JP2007038646 A JP 2007038646A JP 2006168247 A JP2006168247 A JP 2006168247A JP 2006168247 A JP2006168247 A JP 2006168247A JP 2007038646 A JP2007038646 A JP 2007038646A
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Koichi Washimi
浩一 鷲見
Masayuki Sekiguchi
関口  正之
Takuhiro Ushino
卓浩 牛野
Toshihiro Mitsuboshi
智弘 三星
Yoshikuni Morita
佳邦 森田
Takeshi Otani
健 大谷
Tetsuro Tabuchi
哲朗 田縁
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JSR Corp
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Goyo Paper Working Co Ltd
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Abstract

【課題】熱可塑性ノルボルネン系樹脂が有する各種の光学特性、耐熱性および他素材との密着性・接着性などが発揮され、しかも、フィルム厚み方向の光軸が傾斜するよう制御された光学フィルムとその製造方法、ならびに当該光学フィルムを用いてなる偏光板を提供すること。
【解決手段】溶融押出された熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムを、周速度の異なる2個のロール間を通過させることにより、フィルム厚み方向の光軸を傾斜させる光学フィルムの製造方法、この製造方法によって得られる光学フィルム、偏光膜の両面の各々に保護フィルムが積層されてなる構成を有し、偏光膜の少なくとも一面に積層されてなる保護フィルムとして本発明の光学フィルムを積層した偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなる特定位相差フィルムとして有用な光学フィルムの製造方法、および光学フィルム、偏光板に関する。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、主鎖構造の剛直性に起因してガラス転移温度が高く、主鎖構造に嵩高い基が存在するために非晶性で光線透過率が高く、しかも屈折率の異方性が小さいことによる低複屈折性を示すなどの特長を有しており、耐熱性、透明性、光学特性に優れた透明熱可塑性樹脂として注目されている。
かかる熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、種々の構造のものが提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献6などを参照)。
近年、上記の特徴を利用して、例えば光ディスク、光学レンズ、光ファイバーなどの光学材料、光半導体封止などの封止材料などの分野において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を応用することが検討されている。また、光学用フィルムに応用し、以下に示したように、従来の光学用フィルムの問題点を改良する試みもなされている。
従来から、光学用フィルムとして使用されているポリカーボネート、ポリエステルあるいはトリアセチルアセテートなどよりなるフィルムは、光弾性係数が大きいために微小な応力変化によって位相差が発現して変化したり、あるいは耐熱性や吸水変形などの問題があるため、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィルムが光学用の各種フィルムとして提案されている。例えば、特許文献7〜特許文献9には、熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなるフィルムからなる位相差板が記載されている。また、特許文献10〜特許文献13には、熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなるフィルムを偏光板の保護フィルムとして使用することが記載されている。
これらの特許文献には、熱可塑性ノルボルネン系樹脂として吸水率が0.05%以下のものが容易に得られること、低吸水性の点が特徴でありかつ必要であることが記載されている。
しかしながら、このような低吸水性の熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなるフィルムを、例えば位相差板や液晶表示素子用基板として用いる場合には、それらの表面に形成されるハードコート層、反射防止膜や透明導電層との密着性、あるいは、偏光板やガラスとの接着性に問題が生じることがある。また、偏光板の保護フィルムとして用いる場合には、上記の問題に加えて、偏光膜との貼合に、通常、水系接着剤が使用されるため、当該水系接着剤中の水分が乾燥し難いという問題も生じる。
また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、種々の構造のものがあって、それら全ての熱可塑性ノルボルネン系樹脂の吸水率0.05%以下になるとは限らず、吸水率が0.05%以下の熱可塑性ノルボルネン系樹脂を得るためには、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を炭素原子と水素原子とのみからなる構造のものとするか、あるいは一部の水素の代わりにハロゲン原子を含む構造のものとすることが必要であった。
従って、上記の低吸水性に由来する問題を解決するために、分子内に極性基を導入した熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含有してなる光学用フィルムが提案されている(例えば、特許文献14および特許文献15参照。)。これらの光学用フィルムは、透明性が高いこと、透過光に与える位相差が小さいこと、さらに延伸配向させたときには均一で安定した位相差が付与されることなどの優れた光学特性を有するとともに、耐熱性および他材料との密着性や接着性などが良好であり、しかも吸水変形が小さいという利点を有するものであるが、得てしてその光学フィルムの製造方法に起因し、フィルム厚み方向の光軸は概ねフィルム法線方向とほぼ平行にならざるを得なかった。
また、近年における液晶ディスプレイの大型化や、液晶パネルがテレビモニターに採用されていることなどに伴い、液晶表示素子として、一層精細で輝度のコントラスト比が高く、視野角認知性などの優れた光学特性を有するものが要求されている。また、液晶パネルにおける液晶モード(液晶の配向状態)が種々異なるタイプが提案され採用されている。このような中、ツイステッドネマチック(TN)モードや、ベント構造をもつOCBモードの液晶セル用として、フィルム厚み方向の光軸が傾斜したフィルムが提案されている。しかしながら、このようなフィルムを得るには、フィルム基材上にディスコティック液晶のような液晶を塗布する必要があり(例えば、特許文献16および特許文献17参照。)、結果として位相差をもつ基材フィルムとの二層構造になることから視野角補償フィルムとして使用するときに不都合が生じ、また液晶自体の特徴から充分な特性を得にくいことなど課題があった。
さらに、フィルム製膜時に強制的にずりのせん断をかけ、フィルム厚み方向の光軸を傾斜させることも試みられてきたが(例えば、特許文献18および特許文献19参照。)、フィルムの表面性と厚みの均一性、ならびに位相差特性の均一性や安定性において、決して満足できるものではなかった。
特開平1−132625号公報 特開平1−132626号公報 特開昭63−218726号公報 特開平2−133413号公報 特開昭61−120816号公報 特開昭61−115912号公報 特開平4−245202号公報 特開平5−2108号公報 特開平5−64865号公報 特開平5−212828号公報 特開平6−51117号公報 特開平7−77608号公報 特開平5−61026号公報 特開平7−287122号公報 特開平7−287123号公報 特開平9−117983号公報 特開平10−206637号公報 特開2001−166134号公報 特開2003−25414号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が有する各種の光学特性、耐熱性および他素材との密着性・接着性などが発揮され、しかも、フィルム厚み方向の光軸が傾斜するよう制御された光学フィルムとその製造方法、ならびに当該光学フィルムを用いてなる偏光板を提供することにある。
本発明は、溶融押出された熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムを、周速度の異なる2個のロール間を通過させることにより、フィルム厚み方向の光軸を傾斜させることを特徴とする、特定位相差フィルムとして有用な光学フィルムの製造方法に関する。
ここで、上記2個のロールの周速度の比率(ロール1の周速度/ロール2の周速度)は、0.75以上0.99以下であることが好ましい。
また、上記2個のロールのうち、周速度の小さいロールの表面はゴム製であることが好ましい。
さらに、本発明の光学フィルムの製造方法では、熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準とし、Tg−15℃からTg+10℃において延伸加工することが好ましい。
次に、本発明は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムであって、フィルム厚み方向の光軸が3〜40度傾斜している上記の方法により得た光学フィルムに関する。
ここで、上記光学フィルムのフィルム面内の位相差(R0)は、好ましくは5〜300nmである。
次に、本発明は、偏光膜の両面の各々に保護フィルムが積層されてなる構成を有し、偏光膜の少なくとも一面に積層されてなる保護フィルムが上記光学フィルムを積層したものよりなる偏光板に関する。
本発明により得られる光学フィルムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が有する高透明性、低位相差などの光学特性、耐熱性および他素材との密着性・接着性などが発揮され、また吸水変形が小さくいという特性を有し、しかも、靱性が高く、加工時や使用時における取扱性が良好であるとともに、フィルム面内の位相差とともにフィルム厚み方向の位相差が調整された薄膜であって位相差均一性および安定な位相差特性を有するものである。
このような本発明の光学フィルムには、光拡散機能を付与することができ、また、透明導電層や反射防止層を積層することができる。
本発明の偏光板は、上記の光学フィルムを保護フィルムとして用いてなるものであり、当該光学フィルムが保護機能と位相差付与機能とを有するものであることから、液晶表示素子などに用いた場合に、従来よりもその部品点数を低減することができる。
従って、本発明の光学フィルムおよび偏光板によれば、VAタイプの液晶よりなる液晶表示素子などを高い生産効率で製造することができるとともに、得られる液晶表示素子などに最適な視野角特性を発現することができ、さらに薄膜化や小型化を図ることができる。
本発明の光学フィルムの製造方法は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶融押出法により光学フィルムに製造する方法において、当該熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の状態からTg以下に移る遷移状態において、少なくとも二個のロール間でずりのせん断をかけることにより、フィルム厚み方向の光軸を傾斜させることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなるものであるが、この光学フィルムを得るための熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、下記の(イ)〜(ホ)に示す(共)重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)が挙げられる。
(イ)下記一般式(1)で表される化合物(以下、「特定単量体a」ともいう。)の開環重合体。
(ロ)特定単量体aと、当該特定単量体aと共重合可能な化合物(以下、「共重合性単量体」ともいう。)との開環重合体。
(ハ)上記(イ)の開環重合体または(ロ)の開環重合体の水素添加物。
(ニ)上記(イ)の開環重合体または(ロ)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化して得られた化合物若しくはその水素添加物。
(ホ)特定単量体aの付加型重合体または特定単量体aと不飽和二重結合含有化合物との付加型重合体若しくはその水素添加物。
[式中、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、RとR、RとRまたはRとRは、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。]
特定重合体は、共重合性単量体として下記一般式(2)で表される化合物(以下、「特定単量体b」ともいう。)を用い、特定単量体aと特定単量体bとを共重合して得られるものであることが好ましい。このような構成の特定重合体によれば、最終的に得られる光学フィルムが靱性などの機械的な特性が一層優れたものとなり、また、押出加工や延伸加工により光学フィルムに必要とされる所望の厚さ方向の光軸傾斜や位相差を得やすくなる。
[式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、RとR、RとRまたはRとRは、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環(ただし、一般式(1)で表される構造を除く)を形成してもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。]
さらに、特定重合体は、特定単量体aと特定単量体bとの開環重合体であって、上記一般式(1)で表される特定単量体aに由来の構造単位(以下、「構造単位a」ともいう。)と上記一般式(2)で表される特定単量体bに由来の構造単位(以下、「構造単位b」ともいう。)とを有するものであることが好ましい。このような構成の特定重合体は、耐熱性と延伸加工などによる加熱加工性とのバランスを図ることができる点で好ましい。
一般式(1)〜一般式(2)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
また、炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基などのアルケニル基などが挙げられる。
さらに、一般式(1)〜一般式(2)における置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基(linkage)を介して結合していてもよい。
連結基としては、例えば炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基〔例えば、−(CH−(式中、qは1〜10の整数)で表されるアルキレン基〕;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基〔例えば、カルボニル基(−CO−)、オキシカルボニル基(−O(CO)−)、スルホン基(−SO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R )−(式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル基)〕、あるいはこれらの2種以上が結合されたものなどが挙げられる。
極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド環含有基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホニル含有基、およびカルボキシル基などが挙げられる。さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基などが挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基などが挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基などが挙げられ;トリオルガノシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基などが挙げられ;アミノ基としては第1級アミノ基が挙げられ、アルコキシシリル基としては例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
特定単量体aの具体例としては、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]−12−ペンタデセン、
ペンタシクロ[9.2.1.15,8.02,10.04,9]−12−ペンタデセン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,57,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
8−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(4−ビフェニルカルボニルオキシエチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
1,2−(2H、3H−[1,3]エピシクロペンタ)−1,2−ジヒドロアセナフチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー付加体
などを挙げることができるが、特定単量体aは、これらの化合物に限定されるものでなはい。また、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて特定単量体aとして用いることができる。
これらの中では、分子内に少なくとも1つの極性基を有する化合物が好ましく、特に、一般式(1)において、RおよびRが水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、RおよびRが水素原子または一価の有機基に相当するものであって、かつRおよびRの少なくとも一つが水素原子および炭化水素基以外の極性基であるものが、他素材との密着性・接着性を高めるので好ましい。
ここに、得られる特定重合体中の極性基の含有量は、最終的に得られる光学フィルムに要求される所望の機能などにより決定されるものであり、特に限定はされないが、特定単量体aに由来する全構造単位中に極性基を有する特定単量体aに由来の構造単位が、好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上、特に好ましくは10モル%以上であり、特定単量体aに由来する全構造単位が極性基を有するものであってもよい。
また、特定単量体aとしては、一般式(1)において、RおよびRの少なくとも一つが下記一般式(3)で表される極性基を有するものであることが、得られる特定重合体のガラス転移温度と吸水性、透湿度を制御しやすい点で好ましい。
−(CH2COOR ・・・・・・(3)
〔式中、nは0〜5の整数であり、Rは一価の有機基である。〕
一般式(3)においてRで表される一価の有機基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニリル基などのアリール基;この他にもジフェニルスルホン、テトラヒドロフルオレンなどのフルオレン類などの芳香環やフラン環、イミド環などの複素環を有する一価の基などが挙げられる。
また、一般式(3)において、nは0〜5の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0である。nの値が小さいものほど得られる特定重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体aは、その合成が容易である点で好ましい。
さらに、特定単量体aは、一般式(1)において、一般式(3)で表される極性基が結合した炭素原子にさらにアルキル基が結合したものであることが好ましく、これにより、得られる特定重合体の耐熱性と吸水性、透湿度のバランスを図ることができる。ここで、アルキル基の炭素原子数は1〜5であることが好ましく、さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
また、特定単量体aとしては、一般式(1)においてmが1でありpが0であるものは、ガラス転移温度の高い特定重合体が得られる点で好ましい。
従って、前述の特定単量体aの具体例の中から挙げるならば、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが特に好ましく、このような特定単量体aを用いることにより、ガラス転移温度が高く、吸水による変形などの悪影響を殆ど受けず、かつ他材料との密着性や接着性が良好となる程度の吸水性を有する特定重合体を得ることができる。
一方、特定単量体bの具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(α体およびβ体)、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−フェニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)フェニルスルホニルベンゼン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
アセナフチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー付加体
などを挙げることができるが、特定単量体bはこれらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて特定単量体bとして用いることができる。
これらの中では、一般式(2)におけるR〜Rが、全て水素原子であるもの、またはいずれか1つが炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、その他の全部が水素原子であるものが、最終的に得られる光学フィルムの吸水性を制御することができる点で好ましく、特に、R〜Rが、全て水素原子であるもの、またはいずれか1つがメチル基、エチル基若しくはフェニル基であり、その他の全部が水素原子であるものが、耐熱性の高い特定重合体が得られる点で好ましい。さらに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカ−8−エン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが、最終的に得られる光学フィルムの靱性を向上させる効果が極めて顕著である点で好ましい。
特定単量体aと特定単量体bとを共重合させることによって得られる特定重合体は、当該特定単量体aおよび特定単量体b以外の他の共重合性単量体とともに共重合されてなるものであってもよい。
他の共重合性単量体としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。
さらにポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖にオレフィン性不飽和結合を有する不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体aおよび必要に応じて特定単量体bを重合させてもよく、このようにして得られる特定重合体は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
特定重合体の30℃クロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は、0.2〜5dl/gであることが好ましい。さらに好ましくは0.3〜4dl/g、特に好ましくは0.5〜3dl/gである。5dl/gを超えると、溶融粘度が高くなりすぎ、加工性が悪化することがあり、一方、0.2dl/g未満であるとフィルム強度が低下することがある。
特定重合体の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、通常は8,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に好ましくは20,000〜100,000、また、重量平均分子量(Mw)が、通常は20,000〜3,000,000、好ましくは30,000〜1,000,000、さらに好ましくは40,000〜500,000、特に好ましくは40,000〜300,000の範囲である。
また、特定重合体の分子量分布は、上記のMw/Mnが、通常、1.5〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2.5〜5、特に好ましくは2.5〜4.5である。
特定重合体の23℃における飽和吸水率は、好ましくは0.05〜1重量%、さらに好ましくは0.1〜0.7重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。飽和吸水率がこの範囲内であると、各種光学特性、例えば透明性、位相差や位相差の均一性あるいは寸法精度が、高温多湿のような条件下でも維持され、他材料との密着性や接着性に優れるため使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などの添加物との相溶性も良好であるため、添加の自由度が大きくなる。飽和吸水率が0.05重量%未満であると、他材料との密着性や接着性が乏しくなり使用中に剥離を生じやすくなる場合があり、また、酸化防止剤などの添加物の配合に制限が生じることもある。一方、1重量%を超えると、吸水により光学特性の変化や寸法変化を起こしやすくなる。なお、上記の飽和吸水率はASTM D570に準拠し、23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる値である。
特定重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば特定重合体の構造単位aおよび/または構造単位bの種類、もしくは構造単位aと構造単位bとの比の調整、あるいは添加剤の添加などにより適宜変えることが可能であるが、通常は100〜250℃、好ましくは110〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃である。Tgが100℃未満の場合は、熱変形温度が低くなり、耐熱性に問題が生じるおそれがあり、また、最終的に得られるフィルムの光学特性が温度により大きく影響を受けることがある。一方、Tgが250℃を超えると、溶融押出加工や延伸加工などに加熱して加工する場合に熱可塑性ノルボルネン系樹脂が熱劣化する可能性が高くなったり、本発明のフィルム厚み方向の光軸の傾斜の制御がし難くなったりする。
構造単位aおよび構造単位bを有する特定重合体においては、構造単位aと構造単位bとの比(a/b)は、好ましくは、モル比ではa/b=95/5〜5/95、さらに好ましくは95/5〜60/40である。構造単位aの割合が上記範囲より大きいと靱性改良の効果や所望の光学特性が期待できない場合があり、逆に、構造単位aの割合が上記範囲より小さいとガラス転移温度が低くなり、耐熱性に問題が生じる場合がある。
さらに、構造単位aおよび構造単位bを有する特定重合体において、当該重合体中の構造単位aと構造単位bの比率(組成比)は、分子量分布全範囲においてバラツキが小さいことが好ましい。具体的には、重合反応に供した特定単量体aと特定単量体bとの比率に対して、任意の分子量における組成比を、±50%以内、好ましくは±30%以内、さらに好ましくは±20%以内のバラツキ範囲に収めることで、より一層均一な光学フィルムを得ることができる。また、こうした範囲に収めることで、延伸配向した際に、位相差のより一層の均一性を得ることが可能となる。
以下に、特定単量体a、および必要に応じて特定単量体bあるいはその他の共重合性単量体を開環共重合することにより、あるいはこれらの単量体を開環共重合した後、得られる開環共重合体を水素添加することにより得られる特定重合体を製造するための条件について説明する。
開環重合触媒:
単量体の開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl、MoCl、ReOClなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3Al、(C2H5)2AlCl、(C2H5)1 5AlCl1 5 、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−240517号公報に記載の化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体aおよび特定単量体b(以下、双方を併せて「特定単量体」という。)とのモル比で(a)成分:特定単量体が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲である。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
分子量調節剤:
特定重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、重合反応に供される特定単量体1モルに対して、0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
開環重合反応用溶媒:
開環重合反応において用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素化合物類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、上記芳香族炭化水素類が好ましい。
溶媒の使用量としては、溶媒:特定単量体(重量比)が、通常、1:1〜10:1となる量、好ましくは1:1〜5:1となる量である。
水素添加:
以上の開環重合により得られる開環共重合体は、そのまま特定重合体として使用することもできるが、当該開環共重合体において残留するオレフィン性不飽和結合を水素添加された水素添加物とすることが好ましい。
この水素添加物は、優れた熱安定性を有するものとなり、フィルム製膜加工時および延伸加工時、あるいは製品としての使用時において、加熱によってその特性が劣化しにくくなる。
このような水素添加物において、オレフィン性不飽和結合に対する水素添加率は、50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上である。
また、水素添加に供される開環共重合体が分子内に芳香環を有するものである場合には、水素添加後において、当該芳香環が実質的に水素添加されていないことが好ましい。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環共重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。なお、芳香環を有する置換基を分子内に有する開環重合体を水素添加する場合には、芳香環の不飽和結合が実質的に水素添加されない条件を選択することが好ましい。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属類を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
特定重合体には、透明性・耐熱性を損なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合してもよい。
また、特定重合体には、酸化防止剤などの添加剤などを添加してもよい。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスチルテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、特定重合体100重量部に対して、通常、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
さらに、酸化防止剤および紫外線吸収剤以外に、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
本発明において、光学フィルムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶融押出法によりフィルム状もしくはシート状に成形することによって得られる。
ここで、本発明において用いる押出設備について記述する。
樹脂の乾燥は、窒素循環式乾燥機により、原料の輸送も窒素を使用して行うことが好ましい。さらに、押出機上段のホッパーを真空状態にすると特に好ましい。
押出機は、単軸、二軸、遊星式、バンバリーミキサータイプのものなどいずれを選んでも良いが、単軸の押出機を用いることが一般的であり、スクリュウ形状は、フルフライト方式、ダルメージタイプ、ベントスクリュウなど、いずれでも良いが、原料の溶融過程で酸素が混入すると、ゲルなどの原因となりうるので、フライト形状で酸素を混入させにくいサブフライトをもったものなどが好ましい。
また、溶融樹脂の搬送には、ギアポンプを用いることが好ましい。
溶融押出成形時に、鏡面研磨されたロールを使用して、膜状に溶融された樹脂シートの表面を平滑に加工する。このときに使用する鏡面研磨されたロールの本数としては、1本、ないしは数本のロールを使用することが好ましい。
本発明においては、得られるフィルムもしくはシートは、2本以上の複数本のロールを用いて、Tg以上に加熱された樹脂シートを冷却転写することで、平滑なフィルムもしくはシートを得ることが好ましい。
このときに使用する2本以上のロールは、連れ周りでも独立駆動でも良いが、光軸の傾斜軸を精密に制御するためには、独立駆動であることが好ましい。鏡面ロール1に対して、もう一本のロールの駆動速度(周速度)を、下記(1)式で表される速度比Fで表現するとき、F=ロール1の周速度/ロール2の周速度として
0.75 ≦F≦ 0.99 (1)
であることが好ましく、さらに好ましくは、0.77 ≦F≦ 0.98 であり、特に好ましくは、0.78 ≦F≦ 0.96 である。
Fが0.75未満であると、光軸の傾斜角度が必要な範囲から外れ、かつロール間ですべりが発生するなどして、加工されるフィルムやシートにこすれによる傷が発生しやすくなり好ましくなく、一方、Fが0.99を超えると、光軸を傾斜させることが不可能になり好ましくない。
さらに、Tg以上の樹脂シートを転写させる2本のロールのうち、ロール1がゴム被覆されたロールであることが好ましい。ロール1が金属ロールであると、ロール1/ロール2の間隙による転写が、線転写となり、一部的にシートに圧縮応力を発生させるため、フィルムの面内の位相差を発生させやすくなることにより好ましくない。ロール1のロールは、直径が、100mm以上、300mm以下であることが好ましい。300mmを超える直径のロールでは、加工時にTダイをロールに近づけることができにくくなるため、Tダイ出口からロールまでの距離(通常、エアギャップという)を短縮することができなくなるため、好ましくない。一方、100mm未満であると、ロールを精密に加工することが難しくなること、面長を大きくする場合に、ロールにたわみなどが発生しやすくなるために、好ましくない。
また、ロール1側のロールの下部に、基材を保持するロールなどを設けて、金属ベルトやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの基材を介して、溶融樹脂シートを転写させる方法も好ましい方法である。
使用する金属ベルトの厚みは、0.2mm以上、0.4mm以下であり、0.2mm未満の厚みであると、金属ベルトが変形しやすく好ましくなく、一方、0.4mmを超えるベルトを使用すると、ベルトそのものの剛性のために、樹脂を転写させにくくなることと、そのために、保持するロールの直径を大きくする必要性があり、好ましくない。
一方、PETフィルムを使用する場合の該フィルムの厚みとしては、特に制限するものではない。
ロール1と相対して使用されるロール2の形状としては、表面が鏡面に研磨されたものであることが好ましく、好ましい表面粗度は、0.2s以下で、特に好ましくは、0.1s以下である。また、ロール2の表面材質としては、ハードクロムメッキされたもの、ニッケルメッキなどを施されたもの、セラミックスの超硬材料である、タングステン−カーバイドなどが溶射されたものなどで、剥離性がよく、かつ鏡面に研磨できる材質であることが好ましい。
ロール1とロール2の間隔は、ロール1にゴム被覆してあるために、製造するフィルムの厚みよりも、狭くてもよく、具体的には、製造するフィルム厚みをt(μm)、ロール間隔をd(μm)、使用する金属ベルト、PETなどの基材厚みをl(μm)とするとき、
(t−l−150)≦d≦(t−20)
で表される範囲内のものであることが好ましい。ロール間隔が、(t−l-150)未満であると、フィルムに面内の位相差が不安定になり好ましくなく、一方、(t−20)よりも大きな間隔を開けると、本発明の光軸を傾斜させることができないために好ましくない。
ロール1と2の圧着力は、0.1〜20MPaが好ましい範囲である。さらに好ましくは、0.2〜10MPaである。0.1MPa未満の圧着圧力であると、フィルムを十分に圧着できないため、本発明の光軸を傾斜させることができず、一方、20MPaを超える圧着圧力で圧着させると、本発明で使用するロール1のゴム被覆部分が変形してしまうため、変形量がフィルムに傷として残るために好ましくない。
本発明において、光学フィルムの厚みは、通常、1〜500μm(1,000〜500,000nm)、好ましくは1〜300μm(1,000〜300,000nm)、さらに好ましくは1〜200μm(1,000〜200,000)、最も好ましくは10〜150μm(10,000〜150,000nm)である。この厚みが1μm未満である場合には、当該光学フィルムを実質的にハンドリングすることが困難となる。一方、この厚みが500μmを超える場合には、当該加工前フィルムをロール状に巻き取った際に、いわゆる「巻きぐせ」がついてしまい、後加工などにおける取扱いが困難になる場合がある。
光学フィルムの厚み分布は、平均値に対して、通常、±10%以内、好ましくは±5%以内、さらに好ましくは±1%以内、特に好ましくは±0.5%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は1%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特に好ましくは0.005%以下であることが望ましい。光学フィルムの厚み分布を上記の範囲内に制御することにより、場合により延伸加工処理を行う際に、位相差ムラや光軸の配向ムラが発生することを防止することができる。
本発明の光学フィルムを製造するために、場合により延伸加工を施しても良い。具体的には、公知の一軸延伸法または二軸延伸法を挙げることができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、円周の異なる二組のロールを利用する縦一軸延伸法など、あるいは横一軸と縦一軸を組合わせた二軸延伸法による延伸法などを用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は、通常、1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。この時、延伸後のフィルムの屈折率楕円体の形状を制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常、120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常、1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸配向処理における処理温度は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度Tgを基準として、通常、Tg−15℃からTg+10℃、好ましくはTg±10℃、さらに好ましくはTg−10℃〜Tg+5℃の範囲である。処理温度を上記の範囲内とすることにより、溶融押出により形成されたフィルム厚み方向の光軸の傾斜を上手く保持することができるとともに、位相差ムラの発生を抑制することが可能となり、また、屈折率楕円体の制御が容易になることから好ましい。
延伸倍率は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常、1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、さらに好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が10倍を超えると、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分間、さらに好ましくは1分〜60分間保持してヒートセットすることが好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が少なく安定した光学フィルムが得られる。
本発明の光学フィルムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を500時間行った場合に、通常、1%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは1%以下である。
寸法収縮率を上記範囲内にするためには、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の原料である、例えば特定単量体a、特定単量体b、あるいはその他の共重合性単量体の選択に加え、溶融押出方法や場合により行った延伸加工方法によりコントロールすることが可能である。
上記のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向していることにより、透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、原料として用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂の種類、溶融押出方法、例えば延伸倍率、延伸処理温度などの延伸加工方法、あるいは光学フィルムの厚みなどを調整することにより制御することができる。
例えば、延伸加工についていうと、延伸倍率については、延伸前の厚みが同じフィルムであっても、延伸倍率が大きいフィルムほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望の位相差を透過光に与えるフィルムを得ることができる。また、延伸加工前の光学フィルムの厚みについては、延伸倍率が同じであっても、延伸前のフィルムの厚みが大きいほど透過光に与える位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸前のフィルムの厚みを変更することによって所望の位相差を透過光に与える光学フィルムを得ることができる。また、延伸処理温度については、延伸温度が低いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸温度を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。
また、延伸加工後の光学フィルムの厚みを調整するためには、加工前フィルムの厚み、延伸倍率などを調整することにより制御することができる。具体的には、例えば延伸加工前の光学フィルムの厚みを小さくすること、あるいは延伸倍率を大きくすることにより位相差フィルムの厚みを小さくすることができる。
このような本発明の光学フィルムにおいては、フィルム厚み方向の光軸がフィルム法線方向に対して傾斜している。ここで、フィルム厚み方向の光軸とは、本発明の光学フィルムの見かけ上の屈折率楕円体の各屈折率をNx、Ny、Nzとしたときに、専らフィルム厚み方向を指す屈折率Nzの軸方向を表す。
[Nx、Nyはフィルム面内方向の屈折率で、Nzはフィルム厚み方向の屈折率であり、Nx、Ny、Nzのそれぞれの軸のなす角度は90度である。]
ここで、フィルム厚み方向の光軸は、フィルム法線方向に対して、通常、3〜40度、好ましくは5〜35度、さらに好ましくは10〜30度である。フィルム厚み方向の光軸が上記範囲外では、例えばTNモードの液晶パネルにおいて光学補償効果が不十分になる場合がある。上記フィルム厚み方向の光軸は、使用される液晶パネルに合わせて適宜調整される。フィルム厚み方向の光軸を調整するには、フィルムを鏡面ロールなどで転写する際に、フィルムの両側から、加熱されたロールを使用し、圧着力をかけながら、転写し、フィルムを冷却することが好ましい。特に、フィルムを転写する際に、片面を鏡面ロール、もう片面をゴムロールを用いて、その間に、金属ベルトを使用して、両面から、冷却転写させることは好ましい製造方法である。転写時に、鏡面ロールと金属ベルトの送り速度を変化させることはさらに好ましい製造方法である。さらに鏡面ロールと金属ベルトの速度差は、0.5m/min以下であることが特に好ましい。
上述したフィルム厚み方向の光軸の傾きは、例えば王子計測機器(株)製のKOBRA−21ADHのような、一般に市販されている位相差(複屈折)測定装置を用いることで容易に測定することができる。より具体的には、光学フィルムをそのフィルムに対して垂直に光を透過させた場合と、例えば10度、20度とフィルム法線方向から傾斜させたときの位相差(複屈折)を測定することから求めることができる。
また、本発明の光学フィルムのフィルム面内における位相差(R0)は、通常、5〜300nm、好ましくは40〜250nm、さらに好ましくは90〜250nmである。こじき位相差(R0)が、上記範囲を外れると光学補償効果が得られない場合がある。この位相差(R0)は、使用される液晶パネルに合わせて適宜調整される。フィルム面内における位相差(R0)を調整するには、ガラス転移温度以下の温度にフィルムを速やかに冷却するために、フィルムの冷却を、両面からの転写により行うことが望ましい。このときの冷却ロールや金属ベルトなどの加工機器では、膜厚ムラや、温度ムラが無いことが望ましい成形方法である。
このような光学フィルムにおいては、フィルム面上における1m当たりに換算したときの輝点の数は、通常、5個以下、好ましくは3個以下、さらに好ましくは0または1とされる。
ここに、「輝点」とは、光学フィルムをクロスニコル状態の偏光板に挟んで観察したときに肉眼で確認される部分的な光の漏れであり、通常、外径1μm以上(円形のものであればその直径、その他の形状のものであれば長手方向の長さ)のものを計測する。もちろん、要求される性能によっては、これよりも小さいものを輝点として計測する場合がある。
また、かかる輝点は、微小領域における位相差の部分的なムラが原因と考えられている。すなわち、延伸加工前の光学フィルム中に異物や泡などが存在すると、それらが肉眼では確認できないような大きさであっても、延伸加工した際に、異物や泡などが存在する部分に応力が集中し、この応力が集中した部分の位相差が周辺部分の位相差と異なってしまうことがあり、係る位相差の違いにより光が漏れてしまうと考えられている。
「輝点」の数を5個以下にするには、使用する原料にゲルなどの輝点の原因となりうるような夾雑物をなるべく含まないことが好ましい。特に、樹脂中のゲルは、転写ロールで十分に平坦な表面を製造することに難があり、このようなものが多量に原料中にあることは全く好ましくない。なお、輝点数を減少させるには、ポリマーフィルターなどを適宜組み合わせて使用することにより、ゲルを除去ないしは低減することができる。
また、本発明の光学フィルムにおいては、フィルム面上における1m当たりに換算したときの異物の数が、好ましくは5個以下、さらに好ましくは3個以下、特に好ましくは0または1とされる。
ここでいう「異物」とは、光学フィルムに光を透過させた場合に、実質的に光の透過を妨げるものである。このような異物が光学フィルム中に存在する場合には、透過光強度に影響を与え、液晶表示素子などに用いた場合、画素抜けや特性の低下を招くおそれがある。
なお、計測すべき異物の大きさは、通常、外径1μm以上(円形のものであればその直径、その他の形状のものであれば長手方向の長さ)であるが、要求される性能によっては、これよりも小さいものを異物として計測する場合がある。
異物の数を5個以下にするには、前述の輝点の場合と同じであるが、原料中の異物を低減することが望ましい。原料中の異物を低減するには、ポリマーフィルターなどで目を細かくすることが好ましい。異物は、20μm以上のものが視認されやすいので、10μmかこれより細かい目開きのフィルターを使用すると、視認されるような異物が除去可能となる。
本発明の光学フィルムは、単独で、あるいは種類の異なるフィルムを2枚以上積層した状態のものを、保護フィルムとして偏光膜に貼合することができ、このような保護フィルムが偏光膜の両面の各々に貼合されてなる構成の積層体は、偏光板として好適に用いることができる。
偏光板として用いることのできる積層体の構成の具体例は、例えば下記のとおりである。
(1)偏光膜の一面にトリアセチルセルロース(以下、「TAC」と略する。)フィルムを貼合し、当該偏光膜の他面に本発明の光学フィルムを貼合してなる積層体
(2)偏光膜の両面に本発明の光学フィルムを貼合してなる積層体
本発明の光学フィルムを他のフィルム、シート、ガラスなどの基板に積層する場合には、粘着剤や接着剤を用いることができる。かかる粘着剤、接着剤としては、透明性に優れたものを用いることが好ましく、その具体例としては、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂などの粘着剤や、水酸基、アミノ基などの官能基を有する上記樹脂などにイソシアナト基含有化合物などの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系のドライラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリビニルアルコールを主剤とする水系接着剤などが挙げられる。
また、本発明の光学フィルムは、他のフィルムやシート、基板などとの積層の作業性を向上させるために、あらかじめ、粘着剤層または接着剤層を積層することができる。積層する場合には、粘着剤や接着剤としては前述のような粘着剤あるいは接着剤を用いることができる。
本発明の光学フィルムには、その少なくとも片面に透明導電層を積層することもできる。
透明導電層を形成するための材料としては、Sn、In、Ti、Pb、Au、Pt、Agなどの金属またはそれらの酸化物を用いことができる。
金属酸化物よりなる透明導電層は、金属酸化物を基板上に直接堆積させることにより形成することもできるが、金属単体または低級酸化物の形態で基板上に堆積させて被膜を形成し、しかるのち、加熱酸化処理、陽極酸化処理あるいは液相酸化処理などの酸化処理を施して透明化することによって形成することができる。
また、透明導電層は、透明導電層を有するその他のシート、フィルムなどを光学フィルムに接着することにより形成してもよく、プラズマ重合法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ、イオンプレーティング法、スプレー法、電解析出法などによって光学フィルム上に直接形成してもよい。
このような透明導電層の厚みは、所望の特性に応じて決定され、特に限定はされないが、通常、10〜10,000Å(オングストローム)、好ましくは50〜5,000Åである。
本発明の光学フィルム上に透明導電層を直接形成する場合には、当該光学フィルムと透明導電層との間に必要に応じて接着層またはアンカーコート層を形成してもよい。
ここで、接着層を構成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱樹脂を例示することができる。
また、アンカーコート層としては、エポキシジアクリレート、ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレートなどのいわゆるアクリルプレポリマーなどを成分として含むものを用いて、公知の硬化手法、例えばUV硬化や加熱硬化により硬化させたものが挙げられる。
また、透明導電層を積層してなる光学フィルム(以下、「光学用複合フィルム」ともいう。)には、必要に応じて、酸素や水蒸気の透過性を小さくするために、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコールなどのガスバリア性材料を、少なくとも光学用複合フィルムの一方の面に積層することもできる。
さらに、光学用複合フィルムの耐傷性および耐熱性を向上させることを目的として、光学用複合フィルム上に直接またはガスバリア層の上にハードコート層が積層されていてもよい。ここで、ハードコート剤としては、有機シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの有機ハードコート材料、または二酸化ケイ素などの無機系ハードコート材料を用いることができる。これらの中では、有機シリコーン系樹脂、アクリル樹脂などのハードコート材料が好ましい。有機シリコーン系樹脂としては、各種の官能基を有するものが使用されるが、エポキシ基を有するものが好ましい。
本発明の光学フィルムには、少なくともその片面に反射防止層を積層することができる。
反射防止層の形成方法としては、例えば、一般的に使用される、例えばシリコン、チタン、タンタル、ジルコニウムなどの金属酸化物などよりなる無機系や、例えばフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンの(共)重合体や含フッ素(メタ)アクリレート(共)重合体などの含フッ素化合物などよりなる有機系の反射防止膜を0.01〜10μm程度の厚みで、スパッタリング、蒸着、コーティング、ディッピングなどの方法により形成することができる。反射防止層の厚みは、通常は0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。0.01μm未満であると反射防止効果が発揮できず、50μmを超えると塗膜の厚みにムラが生じやすくなり外観などが悪化し好ましくない。
また、反射防止層が積層されてなる光学フィルムには、公知のハードコート層や防汚層が積層されていてもよく、また、上記の透明導電層が積層されていてもよい。さらに、反射防止層が積層されてなる光学フィルムとしては、当該光学フィルムとして光拡散機能を有するものを用いることができる。
このように、複数の機能を有することにより、反射防止層が積層されてなる光学フィルムは、例えば液晶表示素子に用いた場合、反射防止フィルムが位相差板、光拡散フィルム、偏光膜保護フィルムあるいは電極基板(透明導電層)の幾つかの機能を兼用することとなり、従来よりもその部品点数を低減することが可能となる。
本発明の偏光板は、偏光膜の両面の各々に保護フィルムが積層されてなる構成を有するものであって、上述したように、
(1)偏光膜の一面にTACフィルムを貼合し、当該偏光膜の他面に本発明の光学フィルムを貼合してなる積層体
(2)偏光膜の両面に本発明の光学フィルムを貼合してなる積層体
の二種の偏光板が包含される。
このような構成の偏光板によれば、保護フィルムが保護機能とともに位相差付与機能を有することもできるため、当該偏光板にあらためて位相差板を貼合する必要がなくなる利点があるとともに、例えば液晶表示素子などの製品の薄膜化および高機能化を図ることが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」、「%」は、特に断りのない限り「重量部」、「重量%」を意味する。
また、以下の実施例において、ガラス転移温度、飽和吸水率、全光線透過率、透過光の面内位相差、フィルム厚み方向の光軸傾斜角度、偏光板の透過率および偏光度、反射率、輝点数、耐傷性は下記の方法により測定した。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気で昇温速度が20℃/分の条件でガラス転移温度を測定した。
[飽和吸水率]
ASTM D570に準拠し、23℃の水中に1週間サンプルを浸漬し、浸漬前後のサンプルの重量変化測定し、その値から飽和吸水率を求めた。
[全光線透過率]
村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150型」を用い、全光線透過率を測定した。
[透過光の面内位相差(R0)]
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH」を用い、フィルムに垂直に光が入射したときの面内位相差(R0)を、波長590nmにおいて測定した。
[フィルム厚み方向の光軸傾斜角度]
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH」を用い、フィルムの幅方向(TD方向)を傾斜軸とした測定を行い、傾斜角度50度での位相差[以下R(50)という]、および傾斜角度−50度での位相差[以下R(−50)という]および光軸の傾斜角度[以下βという]を測定した。測定波長は590nmとした。
[偏光板の透過率および偏光度]
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH」を用い、偏光板の透過率および偏光度を測定した。測定波長は550nmとした。
[反射率]
(株)日立製作所製の分光光度計U−3310を用い、入射角5度における反射率を測定した。
[輝点数]
輝度1,000cd/mの光源上において、サンプルをクロスニコル状態の偏光板の間に挟み、肉眼で確認される外径1μm以上の大きさの部分的な光の漏れを輝点として計測した。
[耐傷性]
JIS K5400に準拠し、鉛筆硬度試験を行うことによって耐傷性を確認した。
<合成例1>
窒素置換した反応容器に、特定単量体aとして8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 225部と、特定単量体bとしてビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25部と、分子量調節剤として1−ヘキセン 27部と、溶媒としてトルエン 750部とを仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム 1.5モル/lを含有するトルエン溶液 0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)を含有する濃度 0.05モル/lのトルエン溶液 3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合反応させて開環共重合体溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環共重合体溶液を構成する開環共重合体の30℃のクロロホルム中における固有粘度(ηinh)を測定したところ、0.51dl/gであった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C) 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下、この開環共重合体を、樹脂(a−1)とする。)を得た。
このようにして得られた樹脂(a−1)についてH−NMRを用いて水素添加率を測定したところ99.9%であった。
また、樹脂(a−1)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は20,800、重量平均分子量(Mw)は62,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.00であった。
また、樹脂(a−1)のガラス転移温度(Tg)は130℃であり、23℃における飽和吸水率は0.3%であった。また、樹脂(a−1)のSP値を測定したところ、19(MPa1/2]であり、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ0.51dl/gであった。
<合成例2>
特定単量体aとして、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 237部と、特定単量体bとして5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 13部とを用いたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体(以下、「樹脂(b−1)」ともいう。)を得た。
得られた樹脂(b−1)について、水素添加率を、400MHz H−NMRスペクトルにより測定したところ、99.9%であり、また、芳香環は実質的に水素添加されていないことが確認された。
また、樹脂(b−1)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は19,000、重量平均分子量(Mw)は57,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.98であった。
また、樹脂(b−1)のガラス転移温度(Tg)は150℃であり、23℃における飽和吸水率は0.3%であった。また、樹脂(b−1)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ0.47dl/gであった。
<調製例1>
反応容器に蒸留水 250部を仕込み、この反応容器にアクリル酸ブチル 90部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 8部と、ジビニルベンゼン 2部と、オレイン酸カリウム 0.1部とを添加した後、この系をポリテトラフルオロエチレン(テフロン:登録商標)製の撹拌羽根により撹拌して分散処理した。その後、この反応容器内を窒素置換した後、この系を50℃まで昇温し、過硫酸カリウム 0.2部を添加して重合を開始した。重合開始から2時間経過後に、さらに、重合反応系に過硫酸カリウム 0.1部を添加した後、この系を80℃まで昇温し、1時間にわたって重合反応を継続させることにより重合体分散液を得た。
次いで、エバポレータを用いて、重合体分散液を固形分濃度が70%となるまで濃縮することにより、アクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤(極性基を有する粘着剤)を得た。
このようにして得られた水系粘着剤(以下、「水系粘着剤A」という)を構成するアクリル酸エステル系重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は69,000、重量平均分子量(Mw)は135,000であった。
また、水系粘着剤Aについて、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ1.2dl/gであった。
[実施例1]
樹脂(a−1)をトルエンに濃度が30%となるように溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、樹脂(a−1) 100部に対して0.3部を添加し、得られた溶液を日本精線製の公称の目開きを10μmとした日本精線製の金属繊維焼結フィルターを用いて、差圧が2MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過させた後、二軸押出機(東芝機械株式会社製;TEM−48)を用いて、3段ベントにより、トルエンを脱気しながら、ギアポンプを用いて下流に押出を行い、公称ろ過精度5μmの金属繊維焼結フィルター(金属粉末焼結タイプ:開口率50%)を用い、差圧が3.5MPa以内に収まるように溶融ろ過を行い、コートハンガー型のTダイ(650mm幅)を用いて、Tダイ出口の間隙を0.5mmとして280℃で吐出を32kg/hrに固定して、膜状に押出した。
次いで、押出したフィルムを、表面粗さが0.1Sの300mmΦの鏡面ロールと、0.3mm厚の金属ベルトの間に挟んで、フィルムの表面を光沢面に転写した。金属ベルト(幅700mm)は、ゴム被覆のロール(保持するロールの径は150mmΦ)と、冷却ロール(ロール径150mm)により保持したもので、市販のスリーブ式転写ロール(千葉機械工業製)を用いて、転写した。転写するときのロール間隔は、0.35mmであり、転写圧力は、25kgf/cmの線圧であった。
このときの、鏡面ロールの外周の周速度を8.8m/minとした。また、ゴム被覆ロールの周速度は、8.5m/minで制御を実施した。このときの鏡面ロールの温度は、オイル温調機を用いて125℃、ゴム被覆ロールの温度は、115℃に設定した。
その後、鏡面ロールから剥離した樹脂フィルムを保護フィルムと貼合し、厚さ100μm(保護フィルム厚みは除く)の樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(a−2)」ともいう)を形成した。
樹脂フィルム(a−2)から保護フィルムを剥離し、光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた樹脂フィルム(a−2)の全光線透過率は93%であった。さらに、樹脂フィルム(a−2)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例2]
実施例1において、樹脂(a−1)に代えて、樹脂(b−1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚みが100μm(保護フィルム厚みは除く)である樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(b−2)」ともいう)を得た。
樹脂フィルム(b−2)から保護フィルムを剥離し、光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた樹脂フィルム(b−2)の全光線透過率は92%であった。さらに、樹脂フィルム(b−2)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例3]
樹脂(a−1)をトルエンに濃度が30%となるように溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、樹脂(a−1) 100部に対して0.3部を添加し、得られた溶液を日本精線製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、差圧が0.4MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過させた後、二軸押出機(東芝機械株式会社製;TEM−48)を用いて、3段ベントにより、トルエンを脱気しながら、ギアポンプを用いて下流に押出を行い、公称の目開きを10μmとした日本精線製の金属繊維焼結フィルターを用いて、溶融ろ過を行い、コートハンガー型のTダイ(650mm幅)を用いて、Tダイ出口の間隙を0.5mmとして280℃で膜状に押出した。
押出したフィルムを、表面粗さが0.1Sの鏡面ロールと、0.3mm厚の金属ベルトの間に挟んで、フィルムの表面を光沢面に転写した。金属ベルト(幅700mm)は、ゴム被覆のロールと、冷却ロールにより保持したもので、市販のスリーブ式転写ロール(千葉機械工業製)を用いて、転写した。転写するときのロール間隔は、0.0mmであり、転写圧力は、0.3MPaの圧着圧力であった。
このときの、鏡面ロールの外周の周速度を5.90m/minとした。また、ゴム被覆ロールの周速度は、6.15m/minで制御を実施した。このときの鏡面ロールの温度は、オイル温調機を用いて120℃、ゴム被覆ロールの温度は、115℃に設定した。
その後、鏡面ロールから剥離した樹脂フィルムを保護フィルムと貼合し、厚さ150μm(保護フィルム厚みは除く)の樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(a−3)」ともいう)を形成した。
樹脂フィルム(a−3)から保護フィルムを剥離し、光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた樹脂フィルム(a−3)の全光線透過率は93%であった。さらに、樹脂フィルム(a−3)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例4]
実施例3において、樹脂(a−1)に代えて樹脂(b−1)を用いたことと、吐出を57kg/hrに変更した以外は、実施例1と同様にして、厚みが180μm(保護フィルム厚みは除く)である樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(b−3)」ともいう)を得た。
樹脂フィルム(b−3)から保護フィルムを剥離し、光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた樹脂フィルム(b−3)の全光線透過率は92%であった。さらに、樹脂フィルム(b−3)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例5]
実施例1で得られた樹脂フィルム(a−2)から保護フィルムを剥離し、テンター内で125℃(Tg−5℃)に加熱して、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.04倍に延伸した。その後、110℃(Tg−20℃)の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、さらに室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルム(以下、「位相差フィルム(a−4)」ともいう)を得た。
位相差フィルム(a−4)の光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた位相差フィルム(a−4)の全光線透過率は93%であった。さらに、位相差フィルム(a−4)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例6]
実施例2で得られた樹脂フィルム(b−2)から保護フィルムを剥離し、テンター内で145℃(Tg−5℃)に加熱して、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.08倍に延伸した。その後、130℃(Tg−20℃)の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、さらに室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルム(以下、「位相差フィルム(b−4)」ともいう)を得た。
位相差フィルム(b−4)の光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。
また、得られた位相差フィルム(b−4)の全光線透過率は93%以上であった。さらに、位相差フィルム(b−4)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例7]
実施例1で得られた樹脂フィルム(a−2)から保護フィルムを剥離し、テンター内で130℃(Tg℃)に加熱して、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.25倍に延伸した。その後、110℃(Tg−20℃)の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、さらに室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルム(以下、「位相差フィルム(a−5)」ともいう)を得た。
位相差フィルム(a−5)の光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた位相差フィルム(a−5)の全光線透過率は93%であった。さらに、位相差フィルム(a−5)の輝点の数は0〜1個であった。
[実施例8]
ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略する。)を、ヨウ素濃度が0.03%であってヨウ化カリウム濃度が0.5%である水溶液よりなる温度30℃の染色浴中において延伸倍率3倍で前延伸加工を行い、その後、ほう酸濃度が5%であってヨウ化カリウム濃度が8%である水溶液よりなる温度55℃の架橋浴中において延伸倍率2倍で後延伸加工を行って乾燥処理することにより、偏光膜(以下、「偏光子(1)」ともいう。)を得た。
次いで、偏光子(1)の一面に、上記水系接着剤Aを用いて樹脂フィルム(a−2)を貼付け、当該偏光子(1)の他面に、PVA系接着剤〔和光純薬工業(株)製、163−03045(分子量22,000、ケン化度88モル%)の7%水溶液、以下同じ〕を用いてTACフィルムを貼付け、さらにTACフィルムの上面に、水系接着剤Aを用いて位相差フィルム(a−4)を貼付けることにより、偏光板(以下、「偏光板(a−8)」ともいう)を得た。
得られた偏光板(a−8)の透過率は44.0%、偏光度は99.9%であり、輝点の数は0〜1個であった。
また、偏光板(a−8)について、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度が2Hを示し良好な耐傷性を有することを確認した。
さらに、偏光板(a−8)とは別にして、偏光子(1)の一面に、水系接着剤Aを用いて樹脂フィルム(a−2)を貼付け、当該偏光子(1)の他面に、水系接着剤Aを用いて位相差フィルム(a−4)を貼付け、さらに位相差フィルム(a−4)の上面に、圧力1×10−4Torrの真空下において窒化ケイ素を蒸着させて厚み80nmの第1蒸着膜を形成し、さらに、テルビウム−鉄−コバルト合金(TbFeCo)を蒸着させて厚み20nmの第2蒸着膜、窒化ケイ素を蒸着させて厚み30nmの第3蒸着膜および再外層にアルミニウム(Al)を蒸着させて厚み50nmの第4蒸着膜をこの順に形成することにより、合計4つの蒸着膜が積層されてなる反射防止層に由来の反射防止機能を付与させた。
次いで、反射防止層上に、還流冷却器および撹拌機を備えた反応器内に、メチルトリメトキシシラン25部と、メタノール分散コロイダルシリカ(固形分濃度30%、日産化学工業(株)製、メタノールゾル)10部と、水道水 6部とを仕込み、この系を70℃に加熱して2時間反応させた後、i−プロピルアルコール 38部を添加することによって得られたコーティング組成物を、エアースプレーガンを用いて塗布し、140℃で60分間加熱して厚み10μmの硬化塗膜を形成することにより、偏光板(以下、「偏光板(a−9)」ともいう)を得た。
得られた偏光板(a−9)の透過率は47.0%、偏光度は99.9%であり、輝点の数は0〜1個であった。
また、偏光板(a−9)に反射防止層側から波長400〜700nmの範囲の光を入射することによって反射率を測定したところ、いずれの波長の光に係る反射率は1%未満であり良好な反射防止機能を有することを確認した。
さらに、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度が2Hを示し良好な耐傷性を有することを確認した。
[実施例9]
実施例7と同様にして得た偏光子(1)の一面に、水系接着剤Aを用いて樹脂フィルム(b−2)を貼付け、当該偏光子(1)の他面に、PVA系接着剤を用いてTACフィルムを貼付け、さらにTACフィルムの上面に、水系接着剤Aを用いて位相差フィルム(b−4)を貼付けることにより、偏光板(以下、「偏光板(b−7)」ともいう)を得た。
得られた偏光板(b−7)の透過率は44.0%、偏光度は99.9%であり、輝点の数は0〜1個であった。
また、偏光板(b−7)について、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度が2Hを示し良好な耐傷性を有することを確認した。
さらに、偏光板(b−7)とは別にして、偏光子(1)の一面に、水系接着剤Aを用いて樹脂フィルム(b−2)を貼付け、当該偏光子(1)の他面に、水系接着剤Aを用いて位相差フィルム(b−4)を貼付け、さらに位相差フィルム(b−4)の上面に、圧力1×10−4Torrの真空下において窒化ケイ素を蒸着させて厚み80nmの第1蒸着膜を形成し、さらに、テルビウム−鉄−コバルト合金(TbFeCo)を蒸着させて厚み20nmの第2蒸着膜、窒化ケイ素を蒸着させて厚み30nmの第3蒸着膜および再外層にアルミニウム(Al)を蒸着させて厚み50nmの第4蒸着膜をこの順に形成することにより、合計4つの蒸着膜が積層されてなる反射防止層に由来の反射防止機能を付与させた。
次いで、反射防止層上に、還流冷却器および撹拌機を備えた反応器内に、メチルトリメトキシシラン25部と、メタノール分散コロイダルシリカ(固形分濃度30%、日産化学工業(株)製、メタノールゾル)10部と、水道水 6部とを仕込み、この系を70℃に加熱して2時間反応させた後、i−プロピルアルコール 38部を添加することによって得られたコーティング組成物を、エアースプレーガンを用いて塗布し、140℃で60分間加熱して厚み10μmの硬化塗膜を形成することにより、偏光板(以下、「偏光板(a−8)」ともいう)を得た。
得られた偏光板(b−8)の透過率は47.0%、偏光度は99.9%であり、輝点の数は0〜1個であった。
また、偏光板(b−8)に反射防止層側から波長400〜700nmの範囲の光を入射することによって反射率を測定したところ、いずれの波長の光に係る反射率は1%未満であり良好な反射防止機能を有することを確認した。
さらに、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度が2Hを示し良好な耐傷性を有することを確認した。
[比較例1]
鏡面ロールの外周の周速度を8.8m/minとした。また、ゴム被覆ロールの周速度は、8.8m/minで制御を実施した。このときの鏡面ロールの温度は、オイル温調機を用いて90℃、ゴム被覆ロールの温度は、70℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μm(保護フィルム厚みは除く)の樹脂フィルム(a−6)を得た。
樹脂フィルム(a−6)から保護フィルムを剥離し、光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸は傾斜しておらず、フィルムの法線方向であることが確認された。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた樹脂フィルム(a−6)の全光線透過率は93%であった。さらに、樹脂フィルム(a−6)の輝点の数は0〜1個であった。
[比較例2]
比較例1において、樹脂(a−1)に代えて樹脂(b−1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚みが100μm(保護フィルム厚みは除く)である樹脂フィルム(b−5)を得た。
樹脂フィルム(b−5)から保護フィルムを剥離し、光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸は傾斜しておらずフィルムの法線方向であることが確認された。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた樹脂フィルム(b−2)の全光線透過率は92%であった。さらに、樹脂フィルム(b−2)の輝点の数は0〜1個であった。
[比較例3]
比較例1で得られた樹脂フィルム(a−6)から保護フィルムを剥離し、テンター内で125℃(Tg−5℃)に加熱して、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.04倍に延伸した。その後、110℃(Tg−20℃)の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、さらに室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルム(以下、「位相差フィルム(a−7)」ともいう)を得た。
位相差フィルム(a−7)の光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸は傾斜しておらずフィルムの法線方向であることが確認された。光学特性測定結果を表1に示す。また、得られた位相差フィルム(a−7)の全光線透過率は93%であった。さらに、位相差フィルム(a−7)の輝点の数は0〜1個であった。
[比較例4]
比較例2で得られた樹脂フィルム(b−5)から保護フィルムを剥離し、テンター内で145℃(Tg−5℃)に加熱して、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.08倍に延伸した。その後、130℃(Tg−20℃)の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、さらに室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルム(以下、「位相差フィルム(b−6)」ともいう)を得た。
位相差フィルム(b−6)の光学フィルムとしての特性を測定した結果、厚み方向の光軸が傾斜していることが確認できた。光学特性測定結果を表1に示す。
また、得られた位相差フィルム(b−6)の全光線透過率は93%以上であった。さらに、位相差フィルム(b−6)の輝点の数は0〜1個であった。
本発明の光学フィルムおよび偏光板は、例えば携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVDなどの光ディスクの記録・再生装置に使用される波長板としても有用である。

Claims (7)

  1. 溶融押出された熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムを、周速度の異なる2個のロール間を通過させることにより、フィルム厚み方向の光軸を傾斜させることを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  2. 2個のロールの周速度の比率(ロール1の周速度/ロール2の周速度)が、0.75以上0.99以下である、請求項1記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 2個のロールのうち周速度の小さいロールの表面がゴム製である、請求項1〜2いずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準とし、Tg−15℃からTg+10℃において延伸加工する請求項1〜3いずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムであって、フィルム厚み方向の光軸が3〜40度傾斜している請求項1〜4いずれかに記載の製造方法により得た光学フィルム。
  6. フィルム面内の位相差(R0)が、5〜300nmである請求項5記載の光学フィルム。
  7. 偏光膜の両面の各々に保護フィルムが積層されてなる構成を有し、偏光膜の少なくとも一面に積層されてなる保護フィルムが請求項5〜6いずれかに記載の光学フィルムを積層したものよりなる偏光板。
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