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JP2007036230A - 過電流保護素子 - Google Patents

過電流保護素子 Download PDF

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デイヴィッド シャウ チュー ワン
Fu Hua Chu
フー ホア チュー
Kuo Chang Lo
クオ チャン ロー
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Abstract

【課題】過電流保護素子の耐圧を高める。
【解決手段】過電流保護素子10は2枚の金属ホイル12及び正温度係数(PTC)材料層11を有する。PTC材料層11は2枚の金属ホイル12の間に挟み込まれ、少なくとも1つの結晶性ポリマー、非酸化物導電性セラミック粉末及び非導電性フィラーを含有する。非酸化物導電性セラミック粉末は一定の粒径分布を有する。PTC材料層11は0.1Ω-cm以下の比抵抗を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、過電流保護素子に関し、さらに詳しくは、正温度係数(PTC)導電材料を有する過電流保護素子に関する。本過電流保護素子は、より優れた比抵抗及び抵抗値再現性を示し、携帯通信用途に用いられる電源の保護に特に適する。
PTC導電材料の抵抗値は温度変化に敏感である。この特性により、PTC導電材料は電流検知材料として用いることができ、過電流保護素子及び過電流保護回路に広く用いられてきた。PTC導電材料の抵抗値は室温では低い値のままであり、よって過電流保護素子または過電流保護回路は通常に動作することができる。しかし、過電流状況または過温度状況がおこれば、PTC導電材料の抵抗値は直ちに少なくとも1万倍増大して(10オームをこえる)高抵抗状態になるであろう。したがって、過電流が抑えられ、回路素子または電池を保護する目的が達成される。
一般に、PTC導電材料は少なくとも1つの結晶性ポリマー及び導電性フィラーを含有する。導電性フィラーは結晶性ポリマー内に一様に分散される。結晶性ポリマーは主に、ポリエチレンのようなポリオレフィンポリマーである。導電性フィラーは主に、カーボンブラック、金属粒子及び/または非酸化物セラミック粉末、例えば、炭化チタンまたは炭化タングステンである。
PTC導電材料の導電率は導電性フィラーの含有量およびタイプに依存する。一般に、粗面を有するカーボンブラックはポリオレフィンポリマーとの付着性がより強く、したがってより高い抵抗値再現性が達成される。しかし、カーボンブラックの導電率は金属粒子の導電率より低い。金属粒子が導電性フィラーとして用いられる場合、粒径が大きいほど分散の一様性が低くなり、金属粒子は酸化されて抵抗値が高くなり易い。過電流保護素子の抵抗値を有効に低め、酸化を防止するため、低抵抗PTC導電材料には導電性フィラーとしてセラミック粉末が用いられることが多い。セラミック粉末にはカーボンブラックのような粗面がないから、セラミック粉末はポリオレフィンポリマーとの付着性が弱く、したがって、PTC導電材料の抵抗値再現性が十分には制御されない。従来技術では、金属粒子とポリオレフィンポリマーの間の付着性を向上させるため、導電性フィラーとしてセラミック粉末を含む従来のPTC導電材料にカップリング剤が添加されるであろう。カップリング剤は無水化合物またはシラン化合物とすることができる。しかし、カップリング剤添加後のPTC導電材料の総合抵抗値を有効に低下させることはできない。
現在、導電性フィラーとしてニッケルを含む低抵抗(約20mΩ)PTC導電材料が市販されているが、これは6Vまでの電圧にしか耐えることができない。ニッケルは空気から十分に隔離されていなければ、時間が経つと酸化され易く、この結果抵抗値が高くなる。さらに、トリップ後の低抵抗PTC導電材料の抵抗値再現性が十分ではない。
本発明の課題は高電圧過電流保護素子を提供することである。一定の粒径分布をもつ導電性粉末(導電性フィラー)を添加することにより、高電圧過電流保護素子は、優れた、抵抗値、高耐圧及び抵抗値再現性を示す。
上記課題を達成するため、本発明は2枚の金属ホイルおよびPTC材料層を有する高電圧過電流保護素子を開示する。2枚の金属ホイルのそれぞれはノジュールによる粗面を有し、PTC材料層に直接物理的に接触する。PTC材料層は、2枚の金属ホイルの間に挟み込まれ、少なくとも1つの結晶性ポリマー、非導電性フィラー及び非酸化物導電性セラミック粉末を含有する。粒径分布は、好ましくは0.01μmと30μmの間、さらに好ましくは0.1μmと10μmの間である。非酸化物導電性セラミック粉末は500μΩ-cm以下の比抵抗を有し、少なくとも1つの結晶性ポリマー内に分散される。結晶性ポリマーは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン及びポリフッ化ビニルからなる群から選ばれる。
本発明に用いられる非酸化物導電性セラミックは、(1)炭化金属(例えば、炭化チタン(TiC),炭化タングステン(WC),炭化バナジウム(VC),炭化ジルコニウム(ZrC),炭化ニオブ(NbC),炭化タンタル(TaC),炭化モリブデン(MoC)及び炭化ハフニウム(HfC))、(2)ホウ化金属(例えば、ホウ化チタン(TiB),ホウ化バナジウム(VB),ホウ化ジルコニウム(ZrB),ホウ化ニオブ(NbB),ホウ化モリブデン(MoB)及びホウ化ハフニウム(HfB))、及び(3)窒化金属(例えば窒化ジルコニウム(ZrN))から選ばれる。
本発明の非導電性フィラーは、(1)難燃剤及びアーク防止剤の効果をもつ無機化合物、例えば、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、石英ガラス、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸バリウム、及び(2)水酸基をもつ無機化合物、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウムから選ばれる。非導電性フィラーの粒径は主として0.05μmと50μmの間であり、非導電性フィラーは質量でPTC材料層の総組成の1%から20%である。
非酸化物導電性セラミック粉末の比抵抗は極めて低く(500μΩ-cm以下)、したがって非酸化物導電性セラミック粉末を含有するPTC材料層は0.5Ω-cm以下の比抵抗を達成することができる。一般に、従来のPTC材料の比抵抗は、容易には0.1Ω-cm以下に下がらない。0.1Ω-cm以下の比抵抗が達成されたとしても、従来のPTC材料は、従来のPTC材料の極めて低い抵抗値により、通常は耐圧を維持することができない。しかし、本発明の過電流保護素子のPTC材料層は、0.1Ω-cm以下の比抵抗を達成し、12Vから40Vの電圧に耐えることができる。
従来のPTC材料で0.1Ω-cm以下の比抵抗が達成された場合でも、従来のPTC材料は通常12Vより高い電圧に耐えることができない。本発明においては、耐圧を向上させるために水酸基をもつ無機化合物の非導電性フィラーがPTC材料層に添加される。さらに、PTC材料層厚が0.2mmをこえるように制御され、よってPCT材料層の耐圧がかなり高められる。PTC材料層が極めて低い比抵抗を有することから、PTC材料層から切り出されるPTCチップの面積が50mm以下まで小さくなり、それでもPTCチップは低抵抗特性を示す。したがって、1つのPTC層材料からより多くのPTCチップがつくられ、よってコストが低減される。
本過電流保護素子はさらに、集成体を形成するためにはんだリフローによるかまたはスポット溶接によって2枚の金属ホイルに接続された、2枚の金属電極シートを有する。集成体(過電流保護素子)の形状は、軸導線型、放射状リード線型、端子型または表面実装型である。また、2枚の金属ホイルは、過電流保護素子が過電流状況中に回路を保護するような回路を形成するために電源に接続することができる。
本発明を添付図面によって説明する。
本発明の過電流保護素子の好ましい実施形態の組成及び作成プロセスを添付図面によって以下に説明する。
過電流保護素子に用いられるPTC材料層の組成には、第1の結晶性ポリマー(HDPE:密度0.962g/cm,質量12.11g)、第2の結晶性ポリマー(HDPE:密度0.943g/cm,質量3.03g)、非導電性フィラー(水酸化マグネシウム:質量4.2g)及び非酸化物導電性セラミック粉末(炭化チタン:質量85.75g)が含まれる。本実施形態において、第1及び第2の結晶性ポリマーはいずれも高密度ポリエチレンであり、炭化チタンは0.1μmから10μmの間の粒径分布を有する。
過電流保護素子の作成プロセスは以下のように説明される。原材料を2分間160℃にしたブレンダー(Hakke 600)に入れる。原材料を与える手順は、高密度ポリエチレンをブレンダーに入れ、数秒間ブレンドした後、非酸化物導電性セラミック粉末(粒径分布が0.1μmと10μmの間の炭化チタン)を加える。ブレンダーの回転速度は40rpmに設定する。3分間ブレンドした後、回転速度を70rpmに上げる。7分間ブレンドした後、ブレンダー内の混合物を流し出し、これにより正温度係数(PTC)挙動を有する導電性組成物が形成される。
上記の導電性組成物が金型に装填され、金型の上部及び底部にはテフロン(登録商標)布が配される。金型は内部厚が0.25mmの鋼鉄製である。初めに、導電性組成物が装填された金型を50kg/cm,180℃で3分間予備プレスする。次いで、金型内のガスを排出し、金型を100kg/cm,180℃で3分間プレスする。150kg/cm,180℃で3分間のプレス工程を1回繰り返す。これで、PTC材料層11(図1を参照)が形成され、その厚さは0.45mmである。
次いでPTC材料層11は、それぞれの面積が20×20cmの、多数の正方形に切り分けられる。2枚の金属ホイル12がPTC材料層11の上面及び底面に貼り付けられる。PTC材料層11は初めに上面と底面のそれぞれで、金属ホイル12、「テフロン」布(図示せず)、ゴム緩衝層(図示せず)及び鋼板(図示せず)の間に挟み込まれ、これらは全てPTC材料層11の上面及び底面上に対称に配され、これにより、多層(鋼板/ゴム緩衝層/「テフロン」布/金属ホイル/PTC材料/金属ホイル/「テフロン」布/ゴム緩衝層/鋼板)構造が形成される。その後、この構造は70kg/cm,180℃で3分間プレスされる。最後に、多層構造は熱圧プレス機から取り出される。中央複合積層(金属ホイル/PTC材料/金属ホイル)は裁断されて、以降の試験に用いることができる、6.5×3.5mmの過電流保護素子10に形成される。
表1〜6は本発明の過電流保護素子10に関する電気特性を示す。表1は過電流保護素子10に用いられるPTC材料層11の5つの試料の抵抗−温度試験の結果を示す。R(Ω)はPTC材料層11の初期抵抗値を示し、その平均抵抗値は5.1mΩであり、これは市販されている製品の20mΩより低い。R(Ω)及びR最大(Ω)はそれぞれ、抵抗値−温度(R-T)曲線の勾配のピークにおける抵抗値及び最大抵抗値を示す。R室温(Ω)は室温まで冷却した後のPTC材料層11のトリップ後抵抗値を示す。比(R室温/R)の欄は過電流保護素子10に用いられるPTC材料層11が優れた抵抗値再現性を有することを示す。すなわち、抵抗値は元の抵抗値とほとんど同じ値に復帰することができる。
Figure 2007036230
さらに、PTC材料層11の比抵抗は下式(1):
Figure 2007036230
から計算することができる。
ここで、RはPTC材料層11の抵抗値(Ω)であり、AはPTC材料層11の面積(cm)であって、LはPTC材料層11の厚さ(cm)である。式(1)のRにR(Ω)の平均値0.0051Ωを代入し、式(1)の、Aに6.3×3.5mm(=6.5×3.5×10−2cm)を代入し、Lに0.45mm(=0.045cm)を代入すれば、0.0258Ω-cmの比抵抗(ρ)が得られ、これは明らかに0.1Ω-cmより小さい。
表2〜5は、本発明の別の実施形態の、すなわち、PTC材料層11の上面及び底面に取り付けられた2枚の金属ホイル12に2枚の金属電極シート22が接続されている(図2参照)、過電流保護素子20に関する、様々な電圧条件の下でのR1最大試験の結果を示す。表2〜5においてR(Ω)は過電流保護素子20の初期抵抗値を示す。表2のR30(Ω)は、6V/50Aの条件に60秒間かけられ、次いで30分間待機(すなわち電力が印加されていない)状態におかれた、過電流保護素子20の抵抗値を示す。表3のR30(Ω)は、12V/50Aの条件に60秒間かけられ、次いで30分間待機(すなわち電力が印加されていない)状態におかれた、過電流保護素子20の抵抗値を示す。表4のR30(Ω)は、16V/50Aの条件に60秒間かけられ、次いで30分間待機(すなわち電力が印加されていない)状態におかれた、過電流保護素子20の抵抗値を示す。表5のR30(Ω)は、28V/20Aの条件に1時間かけられ、次いで30分間待機(すなわち電力が印加されていない)状態におかれた、過電流保護素子20の抵抗値を示す。それぞれの表の比(R30/R)の欄から、本発明の過電流保護素子20は優れた抵抗値再現性を実際に示す。さらに、本発明の過電流保護素子20は28Vまでの電圧に耐えることができ、このことは、6Vまでの電圧にしか耐えることができない従来の過電流保護素子よりはるかに優れている。
Figure 2007036230
Figure 2007036230
Figure 2007036230
Figure 2007036230
表6は様々な電圧及び電流の条件の下での過電流保護素子20の表面温度試験の結果を示し、R(Ω)は過電流保護素子20の初期抵抗値を示す。表面温度試験の手順を以下に説明する。初めに、試料に6V/6Aの条件を印加する。試料の表面温度が上がって安定値に達した後、安定値を記録する。次いで、印加する条件を12V/7Aに変え、安定に達した後に表面温度を記録する。同様に、印加する条件を16V/16Aに、次いで28V/6Aに変え、それぞれにおいて安定に達した後に表面温度を記録する。表6のR1最大は、表面温度を記録し、次いで30分間待機(すなわち電力が印加されていない)状態においた後の抵抗値を示す。過電流及び/または過電圧の状況の下にある従来の過電流保護素子では、その表面温度は印加電圧に比例して上昇するであろう。しかし、表6から、過電流及び過電圧の条件下における過電流保護素子20の表面温度は、印加電圧に無関係に、安定なまま(101℃から109℃)である。さらに、過電流保護素子20は、明らかに3より小さい(0.0229/0.0178=1.42)優れた抵抗値再現性を示す。
Figure 2007036230
PTC材料層が一定の粒径分布を有する非酸化物導電性セラミック粉末を含有しているため、本発明の過電流保護素子は、市販されている同様の製品と比較して優れた、抵抗値、耐圧及び抵抗値再現性を実際に示す。また、金属粒子より安定であり、容易には酸化されない、導電性フィラー(すなわち、非酸化物導電性セラミック粉末)が用いられているから、経時変化の問題も排除される。
本発明の素子及び特徴を上の例及び記述で十分に説明した。本発明の精神を逸脱しないいかなる改変または変更も本発明の保護範囲に包含されると目される。
本発明の過電流保護素子を示す 本発明の過電流保護素子の別の実施形態を示す
符号の説明
10,20 過電流保護素子
11 PTC材料層
12 金属ホイル
22 金属電極シート

Claims (14)

  1. 過電流保護素子において、
    2枚の金属ホイル、及び
    前記2枚の金属ホイルの間に挟み込まれたPTC材料層、
    を有し、
    前記PTC材料層が、0.1Ω-cm以下の比抵抗及び0.2mm以上の厚さを有し、前記PTC材料層が、
    少なくとも1つの結晶性ポリマー、
    非導電性フィラー、及び
    粒径が実質的に0.1μmから10μmであり、500μΩ-cm以下の比抵抗を有する非酸化物導電性セラミック粉末、
    を含有し、
    前記非酸化物導電性セラミック粉末は前記結晶性ポリマー内に分散される、
    ことを特徴とする過電流保護素子。
  2. 前記PTC材料層の初期抵抗値が20mΩ以下であることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  3. 28Vまでの電圧に耐えることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  4. 50Aまでの電流に耐えることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  5. 3以下の抵抗値再現性比を有することを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  6. 前記PTC材料層の面積が50mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  7. 過電流保護のトリップ状態の下で110℃以下の表面温度を示すことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  8. 前記非酸化物導電性セラミック粉末が炭化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  9. 前記結晶性ポリマーが高密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  10. 前記非導電性フィラーが水酸基をもつ無機化合物であることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  11. 前記無機化合物が水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項10に記載の過電流保護素子。
  12. 前記2枚の金属ホイルのそれぞれがノジュールによる粗面を有し、前記PTC材料層に直接かつ物理的に接触することを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  13. 前記2枚の金属ホイルに接続されて集成体を形成する2枚の金属電極シートをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
  14. 回路を形成するために前記2枚の金属ホイルが電源に接続されることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護素子。
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