JP2007035658A - ポリイミド樹脂基材及びそのポリイミド樹脂基材を用いた配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】2層基板が加熱処理された後のポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性をバラツキのない安定したものとすることが可能なポリイミド樹脂基材を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決するため、配線板の構成材料として用いるポリイミド樹脂基材において、当該ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上濃度でケイ素を含むことを特徴とするポリイミド樹脂基材を採用する。このポリイミド樹脂基材を用いた銅張積層板は、常態及び加熱後の双方において、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との良好な密着性を示す。
【選択図】 なし
【解決手段】 上記課題を解決するため、配線板の構成材料として用いるポリイミド樹脂基材において、当該ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上濃度でケイ素を含むことを特徴とするポリイミド樹脂基材を採用する。このポリイミド樹脂基材を用いた銅張積層板は、常態及び加熱後の双方において、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との良好な密着性を示す。
【選択図】 なし
Description
ポリイミド樹脂基材及びそのポリイミド樹脂基材を用いた配線板に関する。特に、いわゆる2層フレキシブル銅張積層板を用いた配線板に好適なポリイミド樹脂基材に関する。
ポリイミド樹脂は、フレキシビリティに富み柔軟であり、機械的強度、耐熱性、電気的特性等の諸特性に優れ、従来から、接着剤を用いて銅箔と張り合わせた3層基板としてフレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の一種と言えるテープオートメーティドボンディング(TAB)製品の製造に広く用いられてきた。
ところが、近年の電気・電子製品のダウンサイジングの要求の高まりから、狭小化したスペースにデバイスするためのフレキシブルプリント配線板の薄層化及び小型化が要求され、配線密度の向上、耐折強度の向上の観点から、接着剤層を省略し、ポリイミド樹脂基材の表面に直接銅層を備えた2層基板の供給が行われてきた。
この2層基板を製造する方法としては、a)ポリイミド前駆体ワニスを銅箔等の導体層を構成する素材表面に塗布し、乾燥し、硬化させるキャスティング法や、b)ポリイミドフィルム上に導体層を直接形成するスパッタリング法及びメッキ法、c)熱可塑性ポリイミドフイルムを圧着するラミネート法等がある。
キャスティング法の長所としては、電解銅箔のように、接着面に十分なアンカー効果を示す凹凸があり接着強度を向上させる処理の施された導体形成材料だけでなく、圧延箔の如き接着面の粗化レベルの低いものやその他各種の金属箔を使用することが出来る点にある。また、キャスティング法で製造された2層基板は、ポリイミドフィルムと銅との密着性が優れ、耐熱性、耐燃性、電気特性、耐薬品性にも優れたものとなる。キャスティング法の欠点は、薄い導体層を採用しにくいという点にあり、ファインパターン回路の形成に不向きということである。
これに対し、スパッタリング法及びメッキ法は、導体層の厚みを任意にコントロールすることが出来る点が最も大きな特徴である。非常に薄い導体層にすればファインパターン回路を容易に形成することが出来るからである。このスパッタリング法及びメッキ法の欠点は、既存の平滑なポリイミド基材上に銅等を析出させ導体層を形成するので、導体層とポリイミド基材との接着力が弱いという問題がある。
ところが、市場における電子及び電気機器の軽薄短小化は、止まるところを知らず回路のファインピッチ化の要求は日増しに高くなっている。従って、プリント配線板製造業者においては、導体層とポリイミド基材との接着力が弱いという問題があるものの、ファインパターン回路を容易に形成することが出来るスパッタリング法及びメッキ法を用いた2層基板の使用が避けられないものとなる。
そのため、スパッタリング法及びメッキ法を用いた2層基板の導体層とポリイミド基材との接着力を向上させるために、特許文献1に開示されているようにニッケル、コバルト、パラジウム等の蒸着金属膜を、ポリイミド樹脂基材と導体層である銅層との間の中間層として設け密着性の向上を図ることが提唱されてきた。また、特許文献2には、ポリイミド樹脂基材の樹脂内に、当該基材の絶縁性を有る程度犠牲にしてでも、ポリイミド樹脂基材と導体層である銅層との良好な密着性を得るため錫を添加し、ポリイミド樹脂基材と導体層である銅層との間の中間層としてクロム又はクロム合金等を設けることを提唱している。そして、特許文献3では、2層基板を構成するポリイミド樹脂基板のポリイミド樹脂内に酸化アルミニウム又は酸化ケイ素を0.01〜2重量%含ませ、且つ、ポリイミド樹脂表面をプラズマ処理することでポリイミド樹脂基材と導体層である銅層との良好な密着性を得ることが可能となることを提唱している。
そして、上述した方法に替わるものとして、ポリイミド樹脂基材と銅層との密着性を比較的良好に維持することのできるものとして、特許文献4に開示されているようなダイレクトメタライゼーション法というものが提唱されてきたのである。このダイレクトメタライゼーション法を採用することで、ポリイミド樹脂基材に導体層を直接形成しても、ある程度の密着性を確保しつつ、導体層を薄く作り込むことが可能となってきたのである。
しかしながら、上述した2層基板のポリイミド樹脂基材と銅層との密着性の改善の過程があり、確かに当該密着性自体の改善は図られてきた。ところが、今まで殆ど触れられてこなかったのが、2層基板が加熱処理された後の当該密着性とその密着性に大きなバラツキが生じるという問題である。2層基板が加熱処理された後の密着性は、加熱前の常態での密着性に比べ著しく劣化するものとなり、しかも、その値のバラツキが広範なものとなる。従って、市場では、製品の信頼性を高く維持するためにも、常態での密着性を可能な限り高くして、部品実装やフュージング等の高温が付加される工程を経て密着性が多少大きなバラツキを持って劣化しても回路剥離の起こらないように配慮がなされてきた。即ち、加熱後の2層基板のポリイミド樹脂基材と銅層との密着性に対する信頼性が乏しいために、2層基板の品質設計に大きなアローワンスを確保する以外に手立てがなく、オーバースペック製品となっていた可能性があるのである。
仮に、2層基板が加熱処理された後の密着性のバラツキを小さくすることができれば、製品ごとに加熱前の常態での密着性からの劣化率の計算が可能になり、製品の品質設計が容易になり、2層基板の密着性に求められていたオーバースペックを是正することも可能となる。
以上のことから理解できるように、2層基板が加熱処理された後のポリイミド樹脂基材と銅層との密着性をバラツキのない安定したものとすることが出来れば、素材メーカーにとっては材料コストの削減が可能となる可能性が高く、その材料を用いて2層基板を製造するラミネータ及びエッチャーにとっては製品品質の安定化が図れることになり、トータル的に考えた製品コストを削減して安価で高品質の製品供給が可能となるのである。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下の発明に係るポリイミド樹脂基材を用いることで、2層基板が加熱処理された後のポリイミド樹脂基材と銅層との密着性をバラツキのない安定したものとすることが出来ることに想到したのである。以下、本件発明について説明する。
(ポリイミド樹脂基材)
本件発明に係るポリイミド樹脂基材は、「配線板の構成材料として用いるポリイミド樹脂基材において、当該ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上の濃度でケイ素を含むことを特徴とするポリイミド樹脂基材。」である。ここで、配線板とは、ラミネート法やダイレクトメタライゼーション法を用いて導体層を形成した後にエッチング工法を採用して得られるプリント配線板のみならず、蒸着法やメッキ法等を採用して回路形状を直接的に形成するフルアディティブ工法を採用して得られる配線板等を含む意味で記載たものである。
本件発明に係るポリイミド樹脂基材は、「配線板の構成材料として用いるポリイミド樹脂基材において、当該ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上の濃度でケイ素を含むことを特徴とするポリイミド樹脂基材。」である。ここで、配線板とは、ラミネート法やダイレクトメタライゼーション法を用いて導体層を形成した後にエッチング工法を採用して得られるプリント配線板のみならず、蒸着法やメッキ法等を採用して回路形状を直接的に形成するフルアディティブ工法を採用して得られる配線板等を含む意味で記載たものである。
ポリイミド樹脂基材とは、基本的には芳香族四塩基酸と芳香族ジアミン成分とを溶媒中で反応させ樹脂溶液として、その樹脂溶液を用いてフィルム状等に加工するか、当該樹脂溶液をガラスクロス等の骨格材に含浸させた後に、加熱するか化学的反応によるプロセスにより脱水してイミド化して、製造されるものである。そして、このポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性改善のための手段の一つとして、このポリイミド樹脂基材の金属導体層との接着面の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上濃度でケイ素を含ませるのである。このときのケイ素は、少なくともポリイミド樹脂表面の近傍に存在していれば良いのであり、ポリイミド樹脂基材表面の近傍にのみ存在することを意図しているのではない。従って、ポリイミド樹脂基材の内部が同濃度のケイ素を含む状態であっても構わないのである。
ここで言うケイ素は、i)ポリイミド樹脂溶液に酸化ケイ素の粉粒を分散させフィルム状にすることにより供給したり、ii)ポリイミド樹脂基材の表面に酸化ケイ素を含む溶液若しくはシランカップリング剤を塗布する事により供給したり、iii)ポリイミド樹脂基材の表面に単体のケイ素、酸化ケイ素等を蒸着法、スパッタリング法、イオンプランテーション法等と同様の方法を採用して供給する方法等を採用する事が可能である。
i)及びii)の方法は、非常に簡便で工業的には有利な方法であるが、i)は酸化ケイ素粉を用いる場合の粉粒の分散性によっては、ポリイミド樹脂基材の粉粒表面近傍における酸化ケイ素粒子の偏在が起きやすくなるため、ポリイミド樹脂基材の粉粒表面近傍におけるケイ素濃度のコントロールが困難である。この問題を解決しようとして、酸化ケイ素含有量を極力高く設定せざるを得ないが、ある一定量を超えるとポリイミド樹脂基材の長所であるフレキシビリティに富む機械的強度、耐熱性、電気的特性等の諸特性を劣化させるのである。ii)は、ポリイミド樹脂基材が化学的にも非常に安定であるため、酸化ケイ素を含む溶液の溶媒に種々の極性溶媒を用いたとしても、塗布後にポリイミド樹脂基材表面に安定的に定着させる事が困難なものである。従って、i)及びii)の処理方法を採用する場合にはプラズマ処理等他の密着性改善処理を併用することが好ましいと言える。これらに対し、iii)の方法は、極めて効率的に狙った量のケイ素をポリイミド樹脂基材表面に定着させることが可能であり、しかも平面的に見たときの均一性に優れケイ素の偏在を防止できる方法でもある。
ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内のケイ素濃度の測定には、X線光電子分光法(ESCA又はXPSと称する場合もある。)を用いることが好ましい。X線光電子分光法とは、真空中で固体表面に対しX線照射すると、X線により励起された表面原子層から電子が飛び出すことになる。これを光電子と呼び、元素に固有のエネルギー値を示すものであり、そのエネルギー分布を測定することで組成を特定する分析方法である。X線光電子分光法では、表面から深いところで発生した光電子は、表面に出てくるまでに吸収され消滅するため、試料表面から数十原子層の深さの情報が得られることになる。このときの平均的な深さを考えると5nm前後と言えるのである。従って、本件発明におけるポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内のケイ素濃度の測定に好適と言えるのである。
(銅張積層板)
上述してきた本件発明に係るポリイミド樹脂基材を用いて得られる銅張積層板は、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着安定性に優れ、例え加熱処理を行った後であっても、銅張積層板シート内の場所的なバラツキ、製造ロット間バラツキを著しく低下させることが可能となるのである。
上述してきた本件発明に係るポリイミド樹脂基材を用いて得られる銅張積層板は、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着安定性に優れ、例え加熱処理を行った後であっても、銅張積層板シート内の場所的なバラツキ、製造ロット間バラツキを著しく低下させることが可能となるのである。
ここでは、銅張積層板の構成素材として用いるポリイミド樹脂基材は、ポリイミド樹脂基材、ガラス繊維やアラミド繊維等の骨格材を含んだポリイミドプリプレグ等のポリイミド変性の樹脂を含む基材素材の全てを含む概念として記載している。従って、通常のリジット基板と同様に使用される厚いポリイミド樹脂基材、フレキシブルプリント配線板に使用される薄いポリイミド樹脂基材の全てを含むものである。
また、金属導体層は、ダイレクトメタライゼーション法、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法等を用いてポリイミド樹脂基材表面に直接形成する場合、電解銅箔や圧延銅箔等の金属箔を熱間プレス成形して形成する場合等により形成されるものである。即ち、金属導体層の形成方法に関しては、特に限定は要しない。
特に、本件発明に係るポリイミド樹脂基材を用いることで、ダイレクトメタライゼーション法を用いて金属導体層を構成した場合の、加熱処理を行った後のポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性に生じるバラツキの減少には、特に効果的となるのである。現段階で、何故、ダイレクトメタライゼーション法において、本件発明に係るポリイミド樹脂基材を用いることが有利なものとなる理由は明確ではない。ここで言うダイレクトメタライゼーション法とは、ポリイミド樹脂基材の表面をアルカリを用いて開環処理して金属イオンを吸着させ、還元して金属薄膜層を形成し、銅層を電解成長させることで、ポリイミド樹脂基材表面に銅層を形成するものである。
以上のことから理解できるように、本件発明に言う銅張積層板とは、リジット系プリント配線板及びフレキシブルプリント配線板の製造材料となる銅張積層板の全てを含む概念として記載している。更に、ここで言うフレキシブルプリント配線板とは、銅層とポリイミド樹脂基材層とが張り合わされたものであり、銅層とポリイミド樹脂基材との間に異種金属のバリア層、防錆層等が介在している場合をも含む概念として記載しており、テープオートメーティッドボンディング(TAB)、チップオンフレキシブル基板(COF)等のあらゆる製品を含む概念として記載している。
以上に述べたポリイミド樹脂基材を用いて製造した銅張積層板は、加熱処理を行った後のポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性に生じるバラツキが非常に小さくなり、配線板の品質設計及び品質管理が容易なものなり、トータル的に見た製品製造コストの削減に有効に寄与するのである。
以下、本件発明に係るポリイミド樹脂基材を用いてフレキシブルプリント配線板を製造する実施例を通じて、本件発明をより詳細に説明する。
本実施例では、本件発明に係るポリイミド樹脂基材を用いて、いわゆるダイレクトメタライゼーション法を用いて銅層とポリイミド樹脂層とからなる2層基板を製造し、この2層基板を用いてフレキシブルプリント配線板の製造を行った結果について示す。但し、ここでは当該ポリイミド樹脂基材の両面に銅層を備えた両面張り2層基板を製造した。そして、更に、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性の評価として、金属導体層の引き剥がし強度の測定を行った結果を示すものとする。以下、各工程を順を追って説明する。
ここでは、ポリイミド樹脂基材として、商品名カプトン150EN(東レ・デュポン株式会社製)の38μm厚さのフィルムを用いた。最初にポリイミド樹脂フィルムの表面をプラズマ処理した。そして、このポリイミド樹脂基材の表面を、溶媒に純水:エチルアルコール=1:1を用い、シランカップリング剤濃度が10g/l、液温25℃の溶液に5分間接触させ、100℃の温度で5分間乾燥させ、シランカップリング剤を定着させることでケイ素含有被膜を形成した。ESCAによる分析では、このポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に1.1原子%濃度でケイ素を含む結果となった。
以上のようにして表面層のケイ素濃度を調整したポリイミド樹脂基材をアルカリ処理してイミド環を開環し表面にカルボキシル基を形成する開環工程を行った。アルカリ処理は、水酸化カリウム濃度が5.0mol/l、溶液温度が60℃の溶液中に、当該ポリイミド樹脂基材を、5分間浸漬することにより行った。アルカリ処理が終了すると、十分に水洗し、ポリイミド樹脂基材の表面から付着したアルカリ溶液を除いた。
次に、開環工程が終了し水洗したポリイミド樹脂基材を、中和工程で処理した。開環してカルボキシル基を形成し、強アルカリ化したポリイミド樹脂基材を、酸溶液中に浸漬して中和操作を行ったのである。ここで中和に用いた溶液は、塩酸溶液であって、当該塩酸溶液の濃度は6.0mol/l、溶液温度は25℃、処理時間1分の条件を採用した。そして、中和が終了すると水洗処理を行った。
中和工程が終了すると、コバルトイオン吸着工程で、ポリイミド樹脂基材の中和したカルボキシル基と含コバルト溶液とを接触させ、カルボキシル基にコバルトイオンを吸着させポリイミド樹脂基材の両面にカルボキシルコバルト塩を形成した。ここで用いた含コバルト溶液は、コバルト濃度が0.05mol/l、溶液温度は23℃の硫酸コバルト溶液であり、この溶液中に1分間浸漬した。そして、水洗して、ポリイミド樹脂基材の表面に残留した硫酸コバルト溶液を除いた。
続いて、コバルト薄膜形成工程で、ポリイミド樹脂基材表面に形成したカルボキシルコバルト塩を還元して、ポリイミド樹脂基材の表面にコバルト薄膜を形成した。この還元は、濃度が0.01mol/l、溶液温度25℃の水素化ホウ素ナトリウム溶液中にカルボキシルコバルト塩を形成したポリイミド樹脂基材を5分間浸漬して、還元剤と接触させることにより行った。そして、水洗して表面から付着した還元剤を除去した。ここでは、以上述べたコバルトイオン吸着工程とコバルト薄膜形成工程とを5回繰り返し行った。
そして、回路用銅層形成工程で、銅薄膜形成工程で銅薄膜が形成されたポリイミド樹脂基材の表面に、電解法を用いて500nm厚さのニッケルメッキ層を設けた。このときのニッケルメッキにはスルファミン酸ニッケルメッキ浴として、スルファミン酸ニッケル400g/l、ホウ酸30g/l、pH=4.5、液温55℃の溶液を用い、対極に不溶性陽極であるDSE板を配し、電流密度0.2A/dm2で電解する事により行った。
そして、更に、銅成分を電着させ、銅薄膜を18μm厚の銅層となるまでメッキアップした。ここで電解に用いた溶液は、ピロリン酸カリウム濃度330g/l、ピロリン酸銅濃度90g/l、アンモニア4ml/l、pH=4.5、液温45℃のピロリン酸銅溶液であり、対極に不溶性陽極であるDSE板を配し、電流密度3A/dm2で電解する事により行った。メッキアップが終了すると、十分に水洗して付着した硫酸銅溶液の除去を行った。
以上のダイレクトメタライゼーション法により、銅層とポリイミド樹脂層とが直接張り付けられた状態で、且つ銅層を両面に備えた2層基板を得たのである。そして、この2層基板の銅層の表面にエッチングレジスト層を形成し、露光、現像し、エッチングすることで、引き剥がし強度の測定用回路を形成するエッチング工程を行った。その後、水洗処理して、150℃で1時間の真空乾燥を行った。
この回路エッチングにより製造した引き剥がし強度測定用試料は、回路幅が5mm、長さ10cmの直線回路であり、密着性判断に90°ピール試験装置(株式会社ユーカリ技研社製)を用いて、回路の引き剥がし強度を測定した。以上のようにして製造した引き剥がし強度測定用試料は、32cm角のサイズを持ち、その面内に60点の引き剥がし強度の測定可能なものである。本件発明者等は、この引き剥がし強度測定用試料を10枚製造した。
引き剥がし強度の測定は、引き剥がし強度測定用試料の同一面内でのバラツキを見るために1枚の測定用資料を任意に抽出し、同一面内での平均引き剥がし強度及び標準偏差(以下、これを「平均引き剥がし強度A」、「標準偏差A」と称する。)を求めた。また、引き剥がし強度の測定において、常態引き剥がし強度と150℃×168時間の加熱後の引き剥がし強度とに分けて測定した。この結果、平均引き剥がし強度A(常態)=0.89kgf/cm、標準偏差A(常態)=0.01kgf/cm、平均引き剥がし強度A(加熱後)=0.35kgf/cm、標準偏差A(加熱後)=0.03kgf/cmであった。
更に、10枚の試料間の引き剥がし強度のバラツキを見るため、各試料の中央部の引き剥がし強度の平均引き剥がし強度及び標準偏差(以下、これを「平均引き剥がし強度B」、「標準偏差B」と称する。)を求めた。また、ここでも、上述したような常態と加熱後の双方の引き剥がし強度を測定した。この結果、平均引き剥がし強度B(常態)=0.87kgf/cm、標準偏差B(常態)=0.03kgf/cm、平均引き剥がし強度B(加熱後)=0.28kgf/cm、標準偏差B(加熱後)=0.05kgf/cmであった。
本実施例では、本件発明に係るガラスクロスを骨格材として含むポリイミド樹脂基材を用いて、銅箔を張り合わせるラミネート法を採用し銅層とポリイミド樹脂層とからなる2層基板を製造し、この2層基板を用いてリジットプリント配線板の製造を行った結果について示す。但し、ここでは当該ポリイミド樹脂基材の両面に銅層を備えた両面張り2層基板を製造した。そして、更に、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性の評価として、金属導体層の引き剥がし強度の測定を行った結果を示すものとする。以下、各工程を順を追って説明する。
ここでは、ポリイミド樹脂基材として、38μm厚さのガラス−ポリイミド樹脂基材を用いた。そして、このポリイミド樹脂基材の両面に、スパッタリング法を用いて5nm相当の酸化ケイ素からなるケイ素含有被膜を形成した。ESCAによる分析では、このポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に28.3原子%濃度でケイ素を含むという結果となった。
そして、ポリイミド樹脂基材の両面に公称厚さ18μmの電解銅箔を、210℃×3時間、プレス圧15kg/cm2の条件で張り合わせ2層基板とした。この2層基板の銅層の表面にエッチングレジスト層を形成し、露光、現像し、エッチングすることで、引き剥がし強度の測定用回路を形成するエッチング工程を行った。その後、水洗処理して、150℃で1時間の真空乾燥を行った。
以下、実施例1と同様にして、引き剥がし強度の測定を行った。この結果、平均引き剥がし強度A(常態)=0.73kgf/cm、標準偏差A(常態)=0.01kgf/cm、平均引き剥がし強度A(加熱後)=0.41kgf/cm、標準偏差A(加熱後)=0.02kgf/cm、平均引き剥がし強度B(常態)=0.74kgf/cm、標準偏差B(常態)=0.02kgf/cm、平均引き剥がし強度B(加熱後)=0.37kgf/cm、標準偏差B(加熱後)=0.04kgf/cmであった。
この比較例では、実施例1のシランカップリング剤の塗布を省略した商品名カプトン150EN(東レ・デュポン株式会社製)の38μm厚さのフィルムを用いた。ESCAによる分析では、このポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.0原子%濃度となった。
以下、実施例1と同様にして、引き剥がし強度測定用試料を製造し、引き剥がし強度の測定を行った。この結果、平均引き剥がし強度A(常態)=0.39kgf/cm、標準偏差A(常態)=0.03kgf/cm、平均引き剥がし強度A(加熱後)=0.03kgf/cm、標準偏差A(加熱後)=0.02kgf/cm、平均引き剥がし強度B(常態)=0.36kgf/cm、標準偏差B(常態)=0.05kgf/cm、平均引き剥がし強度B(加熱後)=0.02kgf/cm、標準偏差B(加熱後)=0.01kgf/cmであった。
この比較例では、実施例2の酸化ケイ素のスパッタリング処理を省略したガラス−ポリイミド基材を用いた。ESCAによる分析では、このポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.0原子%濃度となった。
以下、実施例1と同様にして、引き剥がし強度測定用試料を製造し、引き剥がし強度の測定を行った。この結果、平均引き剥がし強度A(常態)=0.43kgf/cm、標準偏差A(常態)=0.03kgf/cm、平均引き剥がし強度A(加熱後)=0.15kgf/cm、標準偏差A(加熱後)=0.05kgf/cm、平均引き剥がし強度B(常態)=0.41kgf/cm、標準偏差B(常態)=0.05kgf/cm、平均引き剥がし強度B(加熱後)=0.12kgf/cm、標準偏差B(加熱後)=0.05kgf/cmであった。
実施例と比較例との対比: 以上に述べてきた実施例と比較例とを対比することで、当該ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上濃度でケイ素を含むことで、ポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性が向上し、しかも引き剥がし強度から見たときの値及びその値のバラツキが、常態及び加熱後の双方において向上している。なお、比較例においては、加熱後の引き剥がし強度が小さくなりすぎて、密着性に欠けるものとなるため、バラツキとしては小さく現れているようである。
本件発明に係るポリイミド樹脂基材は、その最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上濃度でケイ素を含ませたものであり、これを用いることで製造した銅張積層板は、常態及び加熱処理を行った後のポリイミド樹脂基材と金属導体層との密着性に生じるバラツキが非常に小さくなり、配線板の品質設計及び品質管理が容易なものなり、トータル的に見た製品製造コストの削減に有効に寄与するのである。
Claims (2)
- 配線板の構成材料として用いるポリイミド樹脂基材において、
当該ポリイミド樹脂基材の最表面から3〜5nm深さの層内に0.4原子%以上の濃度でケイ素を含むことを特徴とするポリイミド樹脂基材。 - 請求項1に記載のポリイミド樹脂基材を用いた銅張積層板。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003357889A JP2007035658A (ja) | 2003-10-17 | 2003-10-17 | ポリイミド樹脂基材及びそのポリイミド樹脂基材を用いた配線板 |
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