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JP2007033110A - Nmr装置 - Google Patents

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JP2007033110A
JP2007033110A JP2005213897A JP2005213897A JP2007033110A JP 2007033110 A JP2007033110 A JP 2007033110A JP 2005213897 A JP2005213897 A JP 2005213897A JP 2005213897 A JP2005213897 A JP 2005213897A JP 2007033110 A JP2007033110 A JP 2007033110A
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Yoshiaki Yamagoshi
良晃 山腰
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Jeol Ltd
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Abstract

【課題】 検査試料を含む試料管を、マグネット中心部に位置する試料管の配設空間に、破損することなく安全、確実に出し入れすることができるNMR装置を実現する。
【解決手段】 ホルダ50が装着された試料管53のむき出しの片側部分を、部分保護管59および58で被い、さらに試料管53を配設空間10に配設する際には、部分保護管59および58をホルダ50および部分保護管59内に内蔵し、試料管53のみを配設することとしているので、被検体部5をNMR装置1から出し入れする際に、試料管53が衝突等の意図しない衝撃により破損されることを防止し、同時に、試料管53用いたNMR検査を、感度、分解能等の劣化を招くことなく行うことを実現させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、検査試料を含む試料管を、均一な静磁場が形成される鉛直方向に筒抜け状態の円筒空間の中心部に配設し、RF信号の送受信を行うNMR装置に関する。
近年、NMR(核磁気共鳴)装置は、分析装置としてのさらなる高分解能化および高感度化を目的として、試料に印加する静磁場の高磁場化、試料の微量化および試料の多様化が進んでいる。
ここで、NMR装置は、鉛直方向に静磁場を発生させるマグネットを有し、このマグネットには鉛直方向の中心軸に沿って筒抜け状態の円筒空間が存在する。そして、この円筒空間内には高い磁場均一度の静磁場が形成され、オペレータは、この円筒空間の最も磁場均一度の良い中心位置近傍に、検査試料が封入された棒状の試料管を配設する。一方、この円筒空間の中心位置近傍には、この試料管を配設する内径の小さな配設空間が形成されている。
ここで、試料管を円筒空間および配設空間に挿入する際、円筒空間および配設空間を構成する壁面との意図しない衝突が生じ、試料管が破損することが生じる。この衝突を防止するために、例えば電子スピン共鳴装置で用いられる伸縮式のホルダ等を用いることが行われる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、例えば静磁場強度が14T(テスラ)程度のマグネットを有するNMR装置では、円筒空間は直径が概ね5〜6cmで、鉛直方向の長さが1〜2m程度のものとなる一方で、配設空間は直径が10mm以下の小さなものとなる。従って、オペレータが、この円筒空間の中心位置近傍の配設空間に、試料管を直接手に持って配置することには困難が伴う。
また、検査試料は、例えば直径が3〜5mm程度のガラスチューブからなる試料管に封入されたものであるので衝撃に弱く、意図しない衝突等により容易に破損し、検査試料が円筒空間内に漏洩することも生じる。なお、この試料管には、安全にガラスチューブを保持するホルダおよびホルダごと円筒空間内で試料管を回転させるスピンナーローターも装着されている。
そこで、オペレータの手が届かない円筒空間の中心位置近傍に位置する配設空間に、正確にしかも安全に試料管を配設するために、(1)円筒空間の鉛直下方から空気をコンプレッサー等で流入させる、あるいは(2)試料管を先端部に装着した操作棒を用いる等のことが行われる。
上述した(1)の場合には、オペレータは、試料管が保持されたホルダおよびスピンナーローターを、円筒空間の鉛直上方から挿入する。ここで、ホルダおよびスピンナーローターは、円筒空間の内壁に装着されたハウジング部および円筒空間の鉛直下方の固定配置されるRF送受信部により、円筒空間内に気密性の高い空間を形成する。これにより、ホルダおよびスピンナーローターは、円筒空間の中心位置に落下することなく、円筒空間内の中間位置に概ね浮遊した状態となる。そして、オペレータは、コンプレッサーで流入される空気の量、言い換えれば気密性の高い空間の気圧を調整することで、試料管が装着されたスピンナーローターを、円筒空間の中心位置近傍に位置する配設空間に安全に降下させることができ、また逆に、配設空間にある試料管が装着されたスピンナーローターを、円筒空間の鉛直上方まで上昇させることもできる。
上述した(2)の場合には、オペレータは、試料管が保持されたホルダおよびスピンナーローターを操作棒の先端部分に予め勘合し、円筒空間の鉛直上方から操作棒ごと挿入する。ここで、操作棒は、円筒空間の中心位置近傍までスピンナーローターを降下させ試料管を配設するために、長く重たいものとなる。
実開昭60―134150号公報、(第2〜3頁、第2図)
しかしながら、上記背景技術によれば、検査試料を含む試料管を破損することがある。すなわち、上述した(1)の場合には、試料管が装着されたスピンナーローターは、壁面をなすハウジング部との間に若干の遊び空間を有しており、空気圧の調整により円筒空間内を降下させる際に、円筒空間の中心軸上に位置する試料管位置にぶれが生じる。そして、中心軸がずれた試料管は、小さな配設空間の入り口で接触し破損することがある。
また、上述した(2)の場合には、操作棒は長く重たいものであるのに対して、操作棒の先端部分に装着される試料管は小さく壊れやすいものである。従って、円筒空間の鉛直上方から操作棒を挿入し、先端部分の試料管を円筒空間の中心近傍位置に存在する小さな配設空間に挿入することは、高い熟練と集中力を必要とするものであり、オペレータにとって大きな負担となる。
特に、NMR装置は高分解能および高感度の実現のために、高い静磁場強度が要求されるので、マグネットは大きくなる傾向にある。従って、マグネット内の円筒空間も鉛直方向に長いものとなる傾向にあり、試料管を小さな配設空間に配設することはますます難しいものとなりつつある。
また、NMR装置の感度向上の観点から、配設空間の直径は小さくされ、コイルを試料管に近接して配置することが好ましい。同時に、試料管は、検査試料の少量化から、一層小さく壊れやすいものとなりつつある。
また、検査試料の多様化に伴い放射性物質等の危険物質を用いる場合には、試料管の円筒空間内での破損は危険物質の漏洩を生じ、特に好ましくないものとなる。
これらのことから、検査試料を含む試料管を、マグネット中心部に位置する試料管の配設空間に、破損することなく安全、確実に出し入れすることができるNMR装置をいかに実現するかが重要となる。
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するためになされたものであり、検査試料を含む試料管を、マグネット中心部に位置する試料管の配設空間に、破損することなく安全、確実に出し入れすることができるNMR装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明にかかるNMR装置は、均一な静磁場が形成される鉛直方向に筒抜け状態の円筒空間を有する静磁場発生部と、前記円筒空間の鉛直上方から挿入される、検査試料を含む棒状の試料管を有する被検体部と、前記円筒空間の鉛直方向の概ね中間位置に固定配置され、前記円筒空間の鉛直方向の中心軸に沿って前記試料管を配設する円筒状の配設空間を有するRF信号送受信部と、を備えるNMR装置であって、前記被検体部は、前記試料管を内包する円筒状の保護管を有し、かつ前記試料管が前記配設空間に挿入される際に、前記保護管を前記配設空間の鉛直上方の円筒空間内に残留する残留手段を備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明では、被検体部は、円筒状の保護管により、試料管を内包し、かつ試料管が配設空間に挿入される際に、残留手段により、保護管を配設空間の鉛直上方の円筒空間内に残留させる。
また、請求項2に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項1に記載のNMR装置において、前記残留手段が、前記試料管が前記配設空間から引き出される際に、前記試料管を前記保護管で内包することを特徴とする。
この請求項2に記載の発明では、残留手段は、試料管を繰り返し保護管で内包する。
また、請求項3に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項1または2に記載のNMR装置において、前記被検体部が、棒状の前記試料管の片側端部を部分的に内包し、かつ前記試料管の管壁を均等に圧迫し保持するホルダを備えることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明では、被検体部は、ホルダにより、棒状の試料管の片側端部を部分的に内包し、かつ試料管を保持する。
また、請求項4に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項3に記載のNMR装置において、前記被検体部は、前記円筒空間に中心軸を共有する中空の円筒形をなすハウジング部を有する際に、前記ハウジング部の前記中心軸と直交する方向の内径に越えることなく近似する外径の、前記ホルダを前記中心軸の周りで保持および回転させる円筒形のホルダ保持手段を備えることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明では、被検体部は、ホルダ保持手段により、ハウジング部に近接した状態にされる。
また、請求項5に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項3または4に記載のNMR装置において、前記保護管が、棒状の前記試料管の前記ホルダに内包されない片側端部を内包することを特徴とする。
この請求項5に記載の発明では、保護管は,試料管の片側端部を内包する。
また、請求項6に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項5に記載のNMR装置において、前記残留手段が、前記ホルダおよび前記試料管に挟まれる間隙部分に、前記保護管を出し入れするスライド手段を備えることを特徴とする。
この請求項6に記載の発明では、残留手段は、スライド手段により、ホルダおよび試料管に挟まれる間隙部分に保護管を出し入れする。
また、請求項7に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項6に記載のNMR装置において、前記スライド手段が、前記ホルダ、前記保護管および前記試料管を、前記中心軸に直交する断面が同心円をなす形状に配置することを特徴とする。
この請求項7に記載の発明では、スライド手段は、ホルダ、保護管および試料管を、断面が同心円をなすように配置する。
また、請求項8に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項6または7に記載のNMR装置において、前記保護管が、前記中心軸と直交する方向の内径が異なる複数の部分保護管からなることを特徴とする。
この請求項8に記載の発明では、保護管は、内径が異なる複数の部分保護管からなる。
また、請求項9に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項8に記載のNMR装置において、前記スライド手段が、前記部分保護管および前記試料管に挟まれる間隙部分に、前記部分保護管よりも前記内径の小さな部分保護管を出し入れすることを特徴とする。
この請求項9に記載の発明では、スライド手段は、部分保護管および試料管に挟まれる間隙部分に、内径の小さな部分保護管を出し入れする。
また、請求項10に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項8または9に記載のNMR装置において、前記部分保護管が、前記中心軸と直交する方向の外径を、前記配設空間の前記中心軸と直交する方向の内径を越える大きさにすることを特徴とする。
この請求項10に記載の発明では、部分保護管を、配設空間に入れない大きさにする。
また、請求項11に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項1ないし10のいずれか1つに記載のNMR装置において、前記配設空間が、鉛直上方の前記試料管の入り口に、すり鉢状に拡がる開口部を備えることを特徴とする。
この請求項11に記載の発明では、配設空間は、試料管の入り口に当たる開口部を、すり鉢状に拡げる。
また、請求項12に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項11に記載のNMR装置において、前記保護管が、前記開口部に適合する形状の先端部を備えることを特徴とする。
この請求項12に記載の発明では、保護管は、先端部を開口部に適合させる。
また、請求項13に記載の発明にかかるNMR装置は、請求項1ないし12のいずれか1つに記載のNMR装置において、前記試料管、前記保護管、前記ホルダおよび前記ホルダ保持手段が、非磁性材料を用いて構成されることを特徴とする。
この請求項13に記載の発明では、試料管、保護管、ホルダおよびホルダ保持手段は、円筒管内の磁場強度に影響を与えない。
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、被検体部は、円筒状の保護管により、試料管を内包し、かつ試料管が配設空間に挿入される際に、残留手段により、保護管を配設空間の鉛直上方の円筒空間内に残留させることとしているので、保護管により、配設空間に挿入される前の試料管の破損を防止する一方で、配設空間に配設された試料管は、保護管によるNMR検査の分解能および感度の劣化を生じることなく通常の検査を行い、ひいてはNMR検査を安全確実で、オペレータにとって容易なものとすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、残留手段は、試料管を繰り返し保護管で内包することとしているので、試料管を配設空間あるいは配設空間を含む円筒空間から引き出す際にも試料管の破損を防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、被検体部は、ホルダにより、棒状の試料管の片側端部を部分的に内包し、かつ試料管を保持することとしているので、試料管を破損することなく容易に持ち運ぶことができる。
請求項4に記載の発明によれば、被検体部は、ホルダ保持手段により、ハウジング部に近接した状態にされることとしているので、ハウジング部内の空気圧を調整して、被検体部を、緩やかに配設空間上部まで搬送することができる。
請求項5に記載の発明によれば、保護管は,試料管の片側端部を内包することとしているので、この片側端部から安全に、円筒空間、さらには配設空間への試料管の挿入を行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、残留手段は、スライド手段により、ホルダおよび試料管に挟まれる間隙部分に保護管を出し入れすることとしているので、保護管部分を収縮させ、ホルダ内に格納することができる。
請求項7に記載の発明によれば、スライド手段は、ホルダ、保護管および試料管を、断面が同心円をなすように配置することとしているので、ホルダおよび試料管の間隙部分への保護管の出し入れを、容易に行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、保護管は、内径が異なる複数の部分保護管からなることとしているので、試料管の広い領域を内包することができる。
請求項9に記載の発明によれば、スライド手段は、部分保護管および試料管に挟まれる間隙部分に、内径の小さな部分保護管を出し入れすることとしているので、ホルダ内に多くの部分保護管を格納することができる。
請求項10に記載の発明によれば、部分保護管を、配設空間に入れない大きさにすることとしているので、試料管のみを配設空間に挿入させ、かつ部分保護管を配設空間の鉛直上方の円筒空間に残留させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、配設空間は、試料管の入り口に当たる開口部を、すり鉢状に拡げることとしているので、試料管が中心軸の位置から外れた際にも、配設空間に導くことができる。
請求項12に記載の発明によれば、保護管は、先端部を開口部に適合させることとしているので、配設空間内の試料管位置を安定させることができる。
請求項13に記載の発明によれば、試料管、保護管、ホルダおよびホルダ保持手段は、円筒管内の磁場強度に影響を与えないこととしているので、分解能および感度の良好なNMR信号を検出することができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるNMR装置を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態にかかるNMR装置1の全体構成について説明する。図2は、NMR装置1の全体構成を示す断面図である。NMR装置1は、静磁場発生部2、ハウジング部3、RF信号送受信部4、被検体部5、コンプレッサー6および支柱7を含む。静磁場発生部2は、鉛直方向を向く静磁場コイルの中心軸に沿って静磁場B0を発生するマグネットである。このマグネットには、高い静磁場安定性を有する超伝導マグネット等が用いられる。なお、図2中に示されるxyz座標および以下の図面中に示されるすべての座標軸は、同一の座標軸をなしている。
ここで、このマグネットの中心軸に沿って筒抜け状態の円筒空間8が存在し、この円筒空間8の内部に静磁場B0が形成される。円筒空間8の内部には、ハウジング部3、被検体部5およびRF信号送受信部4が存在する。なお、前述したように、静磁場強度が14Tのマグネットの場合には、円筒空間8の中心軸と直交する方向の直径は概ね5〜6cmとなり、鉛直方向の長さが1〜2m程度のものとなる。
被検体部5は、検査試料が封入された棒状の試料管53を有し、図2に示す様な配置では、試料管53は中心軸上に位置する。なお、前述したように、試料管53の直径は、3〜5mm程度のもであり、被検体部5については後に詳述する。
RF信号送受信部4は、円筒空間8の鉛直下方から挿入され、円筒空間8の概ね鉛直方向中央部までの間に固定配置される。RF信号送受信部4は、被検体部5にRF信号を送信し、また被検体部5からのRF信号を受信するコイルが内蔵される。また、RF信号送受信部4は、円筒空間8の中心軸に沿って、試料管53を配設する円筒状の配設空間10を有し、コイルはこの配設空間10を囲むように近接して配置される。なお、配設空間10の中心軸と直交する方向の直径は、NMR信号の感度を向上させる観点から、棒状の試料管53に対して可能な限りRF信号送受信部が近接して配値され、概ね10mm程度のものとされる。
なお、コイルは、図示しないRF波形発生器およびRF波形受信器に接続され、さらにこれらRF波形発生器およびRF波形受信器は、図示しない制御部により制御され、試料管に含まれる検査試料を核磁気共鳴の励起状態とし、さらに励起された検査試料のRF信号を受信する。
また、配設空間10の下端部は、パイプにより、バルブ9を介してコンプレッサー6に接続される。ここで、オペレータは、バルブ9の開閉により、コンプレッサー6から配設空間10、さらには配設空間10の上部に位置する円筒空間8に流入する空気の量を調節する。
ハウジング部3は、円筒空間8と同心円をなす様に内部配置される円筒形の構造体で、円筒空間8の上部からRF信号送受信部4が固定配置される位置まで、円筒空間8の壁面に密着した構造とされる。なお、ハウジング部3の内面は、被検体部5の側面と近接した構造とされる。これにより、バルブ9が開かれ円筒空間8の内部に空気を流入させている時に、被検体部5をハウジング部3の鉛直上方から挿入すると、ハウジング部3の内部は、被検体部5およびRF信号送受信部4で挟まれる空間が、外部と比較して正の圧力となり、被検体部5はハウジング部3内で浮遊状態となる。そして、オペレータは、バルブ9によりハウジング部3に流入する空気の量を調節し、被検体部5をハウジング部3の入り口部分からRF信号送受信部4まで徐々に降下させ、被検体部5の試料管53を、RF信号送受信部4の配設空間に配設する。
なお、ハウジング部3の内面と被検体部5の側面との間には、円筒空間8の鉛直下方から流入される空気を逃がすための、若干の遊び空間が存在する。この遊び空間は、ハウジング部3の鉛直上方から挿入された被検体部5を、空気圧の調整のみにより円滑に下降させると共に、被検体部5の試料管53の位置を中心軸から若干ずれたものとする。
図3は、この様子を示す説明図である。被検体部5は、被検体部5の側面とハウジング部3の壁面との間にある遊び空間により、中心軸に対して若干の傾きを生じる。また、被検体部5に装着された試料管53も、同様の傾きを生じる。この傾きは、被検体部5をハウジング部3に挿入するごとに異なるものであり、場合によっては、図3に示す様に、試料管53の鉛直下方先端部が直径10mm程度の配設空間10の入り口から外れた位置に着地し、試料管53に衝撃を与える要因となる。なお、被検体部5およびRF信号送受信部4は、概略のみを図示し、詳細は後に述べる。
図4は、被検体部5のxy断面の詳細構造を示す断面図である。被検体部5は、試料管53、ホルダ保持手段であるスピンナーローター54、ホルダ50、保護管を形成する部分保護管58および59を含む。試料管53は、棒状のガラス管からなり、内部には液体の検査試料が封入されている。なお、このガラス管は、直径が数mm程度のものである。
ホルダ50は、フィッティング部52およびスクリュ51を有する。フィッティング部52は、壊れやすい試料管53を安全確実に保持するためのもので、円筒状の構造体をなし、試料管53をこの構造体の中心軸に沿って貫通させ、試料管53の管壁を均等に圧迫し保持する。スクリュ51は、このフィッティング部52を、ホルダ50にねじ込みにより装着するとともに圧迫し、試料管53の保持を確実なものとする。
スピンナーローター54は、ホルダ保持手段をなし、空気圧等を用いた動力によりホルダ50を中心軸の周りに回転させるベアリング等の回転機構を有する。また、スピンナーローター54は、中心軸と直交する方向の直径が、ハウジング部3の内径を若干下回っており、スピンナーローター54の側面およびハウジング部3の内面の間には、遊び空間が存在する。
ホルダ50は、円筒形状の中空の構造体で、棒状の試料管53の概ね片側半分に当たる、配設空間10に挿入されない部分を被う。ここで、ホルダ50は、中心軸上に配置される試料管53との間の間隙部分に、後述する部分保護管58および59を挿入する。
部分保護管58および59は、例えば非磁性を示すステンレス等により形成される円筒形の金属管で、管内の中心軸上には試料管53が配置され、ホルダ50のフィッティング部52およびスクリュ51が存在しない側に装着される。ここで、部分保護管58および59は、残留手段であるスライド手段を有し、このスライド手段は、部分保護管59の中心軸と直交する方向の外径をホルダ50の内径よりも小さなものとし、中心軸と直交する方向の断面が、中心軸を中心とする同心円をなすように部分保護管59およびホルダ50を配置する。そして、外力、例えば鉛直上方に押す力により、ホルダ50と試料管53との間の間隙部分に、部分保護管59をスライドして移動する。なお、間隙部分に移動した部分保護管59は、スクリュ51に接触して移動を停止する。
また、ホルダ50と試料管53との間に配置された部分保護管58は、外力、例えば自重により、鉛直下方にスライドしてホルダ50の下方に突出する。この際、部分保護管59の鉛直上方端部には、中間部分と比較して外径が大きなストッパ60を有し、ホルダ50のフィッティング部52およびスクリュ51が存在しない側の端部に存在する内径の小さい部分と噛み合い、鉛直下方へのスライドを停止する。
部分保護管58は、部分保護管59のストッパ60が存在しない側に装着される。ここで、部分保護管58は、残留手段であるスライド手段を有し、このスライド手段は、中心軸と直交する方向の外径を部分保護管59の内径よりも小さなものとし、中心軸と直交する方向の断面が、中心軸を中心とする同心円をなすように部分保護管58および部分保護管59を配置する。そして、外力、例えば鉛直上方に押す力により、部分保護管59と試料管53との間の間隙部分に、部分保護管58をスライドして移動する。なお、間隙部分に移動した部分保護管58は、部分保護管59のストッパ60に隣接する内径の小さなストッパ63により、移動を停止する。
また、部分保護管59と試料管53との間に配置された部分保護管58は、外力、例えば自重により、鉛直下方にスライドして部分保護管59の鉛直下方に突出する。この際、部分保護管58の鉛直上方端部は、中間部分と比較して外径が大きなストッパ61を有し、部分保護管59のストッパ60が存在しない側の端部に存在する内径の小さい部分と噛み合い、鉛直下方へのスライドを停止する。
また、部分保護管59の鉛直下方には先端部62が存在する。先端部62は、後述する配設空間10の開口部と適合する形状とされる。なお、試料管53は、部分保護管58および59が伸張した状態で、先端部62から数mm程度鉛直上方に端部が位置するようにフィッティング部52およびスクリュ51を用いてホルダ50に装着される。
図5は、円筒空間8内のハウジング部3およびRF信号送受信部4が境界をなす領域の詳細を示す断面図である。なお、図5には、図2および3に図示されない、RF信号送受信部4に付属されるホルダガイド42が図示されている。RF信号送受信部4の配設空間10は、試料管53を挿入する鉛直上方の入り口に開口部41を有する。開口部41では、中心軸の鉛直上方に向かって、すり鉢状に入り口の直径が拡がる。なお、先端部62は、開口部41と適合する形状とされ、試料管53が配設空間10に挿入される際には、先端部62のテーパー部分が密着した状態となる。
また、図5に示す様に、開口部41を含む領域を、RF信号送受信部4に着脱可能なサポート部43とし別途設け、サポート部43の材質あるいは開口部41の拡がり具合を、試料管53を傷つけにくい材質あるいは異なる先端部62の形状を有する試料管53に適合したものに随時交換できるようにすることもできる。
また、RF信号送受信部4は、開口部41の上方にホルダガイド42を有する。ホルダガイド42は、円筒状の構造体で、円筒側面はハウジング部3に密着し、中心軸と直交する方向の内径が、ホルダ50の外径と概ね一致する。これにより、円筒空間8の鉛直上方から挿入された被検体部5のホルダ50は、ホルダガイド42に挿入され、ホルダ50の円筒空間8内での位置を確実なものとし、ひいては配設空間10の内部に配設される試料管53の振動等を防止する。
つぎに、被検体部5が円筒空間8の鉛直上方から挿入され、試料管53が配設空間10に配設されるまでの動作を図1および6を用いて説明する。まず、オペレータは、被検体部5の試料管53が部分保護管58および59で被われた部分を、静磁場発生部2の円筒空間8に鉛直上方から挿入する。この際、NMR装置1のバルブ9は開かれ、コンプレッサー6から円筒空間8に空気が送り込まれている。そして、円筒空間8の内部は空気圧が正の圧力となっているので、挿入された被検体部5は、円筒空間8のハウジング部3で半浮遊状態とされ、その後、オペレータは、バルブ9の調整等により、円筒空間8内部の空気圧を減少させ、被検体部5を徐々に円筒空間8内で降下させる。なお、この挿入工程で、試料管53の鉛直下方は部分保護管58および59で被われているので、意図しないハウジング部3との衝突等から試料管53の破損を防止する。
図1(A)は、円筒空間8に挿入された被検体部5が円筒空間8内を徐々に降下し、部分保護管58の先端部62が、配設空間10の開口部41に着地した状態を示す断面図である。ここで、試料管53は、円筒空間8の中心軸上に正確に位置されることが好ましいが、上述した理由により、中心軸上から若干のずれが生じる。
図6は、この状態にある開口部41近傍を、拡大して示す拡大図である。試料管53を被う部分保護管58は、円筒空間8の中心軸上に位置せず、開口部41のすり鉢部分に先端部62のテーパー部分が接した状態となる。なお、この着地の際、試料管53の鉛直下方先端部は、部分保護管58の先端部62により被われているので、衝撃が試料管53に加わることが防止される。
ここで、開口部41がすり鉢状であることおよび先端部62がテーパー状であることにより、部分保護管58は、さらに降下する際に、すり鉢状の開口部41を滑って水平方向に移動し開口部41および先端部62が適合し、試料管53が中心軸上に存在する状態となる。
図1(B)は、被検体部5が更に降下し、開口部41に部分保護管58の先端部62が適合した状態を示す断面図である。被検体部5は、試料管53が中心軸に位置すると同時に、部分保護管58の一部が鉛直上方に位置する部分保護管59の内部にスライドして入り込んだ状態を示している。なお、部分保護管58の一部が部分保護管59の内部に入り込むので、試料管53は、鉛直下方の先端部が部分保護管58の先端部62に位置し、配設空間10の入り口に位置する。
図1(C)は、被検体部5がさらに降下し、試料管53を配設空間10に配設し終わった状態を示す断面図である。被検体部5のホルダ50は、ホルダガイド42に収納され、部分保護管58が部分保護管59の内部に入り込むと同時に、部分保護管59はホルダ50の内部に入り込んだ状態を示している。なお、部分保護管58が部分保護管59の内部に入り込み、部分保護管59がホルダ50の内部に入り込んだので、試料管53は、鉛直下方に突出し、配設空間10の送受信コイルの位置に達する。
また、試料管53に含まれる検査試料の検査を終了した後は、バルブ9を開く方向での調整により空気を円筒空間8に送り込み、被検体部5を円筒空間8内に浮遊させる。そして、図1(A)→(B)→(C)で示した工程を逆に進行させ、被検体部5は、ハウジング部3の鉛直上方にを上昇させられ、オペレータにより回収される。なお、この工程では、ホルダ50に内蔵された部分保護管59および部分保護管59に内蔵された部分保護管58は、自重により、ホルダ50および部分保護管59から逐次突出される。そして、試料管53が配設空間10から離れる際には、図4に示した様に、部分保護管59および58が試料管53を被う状態となり、その後の工程における意図しない衝撃から試料管53が破損されることを防止する。
上述してきたように、本実施の形態では、ホルダ50が装着された試料管53のむき出しの片側部分を、部分保護管59および58で被い、さらに試料管53を配設空間10に配設する際には、部分保護管59および58をホルダ50および部分保護管59内に内蔵し、試料管53のみを配設することとしているので、被検体部5をNMR装置1から出し入れする際に、試料管53が衝突等の意図しない衝撃により破損されることを防止し、同時に、試料管53用いたNMR検査を、感度、分解能等の劣化を招くことなく行うことができる。
また、本実施の形態では、被検体部5を配設空間10から出し入れする際に、円筒空間8の鉛直下方から空気を流入させ、空気圧により被検体部5の位置を制御することとしたが、被検体部5が装着される操作棒を用いて、被検体部5の出し入れをすることもできる。
図7は、オペレータが操作棒80を用いて、配設空間10に被検体部5を配設する様子を示す説明図である。なお、NMR装置1は、断面図が図示されている。操作棒80は、概ね円筒空間8の鉛直方向の長さ程度の長さを有する棒で、棒の端部には被検体部5が着脱可能なようにされる。そして、オペレータは、NMR装置1の横に配置される階段上部から、円筒空間8に操作棒80ごと被検体部5を挿入する。この際、試料管53は、図4に示す様な部分保護管59および58で被われているので、操作ミスによる衝突等の衝撃から、試料管53の破損を防止することができる。なお、操作棒80を用いた操作では、バルブ9は閉じられ、円筒空間8への空気の流入は停止される。
また、本実施の形態では、ホルダ50が装着された試料管53のむき出しの部分を、2つの部分保護管59および58で被うこととしたが、1つあるいは3つ以上の部分保護管で被う多段構造にすることもできる。これにより、ホルダ50の長さおよび開口部41からコイル位置までの深さ等により決定される部分保護管の長さを最適なものとすることができる。
試料管を配設空間に配設する過程を示す説明図である。 NMR装置の全体構成を示す断面図である。 試料管の中心軸からのずれを説明する説明図である。 被検体部の詳細を示す断面図である。 RF信号送受信部の開口部近傍の詳細を示す断面図である。 部分保護管が開口部に着地した際の、開口部近傍の拡大図である。 被検体部を、操作棒を用いて円筒空間に挿入する様子を示す説明図である。
符号の説明
1 NMR装置
2 静磁場発生部
3 ハウジング部
4 RF信号送受信部
5 被検体部
6 コンプレッサー
7 支柱
8 円筒空間
9 バルブ
10 配設空間
41 開口部
42 ホルダガイド
43 サポート部
50 ホルダ
51 スクリュ
52 フィッティング部
60、61、63 ストッパ
53 試料管
54 スピンナーローター
58、59 部分保護管
62 先端部
80 操作棒

Claims (13)

  1. 均一な静磁場が形成される鉛直方向に筒抜け状態の円筒空間を有する静磁場発生部と、
    前記円筒空間の鉛直上方から挿入される、検査試料を含む棒状の試料管を有する被検体部と、
    前記円筒空間の鉛直方向の概ね中間位置に固定配置され、前記円筒空間の鉛直方向の中心軸に沿って前記試料管を配設する円筒状の配設空間を有するRF信号送受信部と、
    を備えるNMR装置であって、
    前記被検体部は、前記試料管を内包する円筒状の保護管を有し、かつ前記試料管が前記配設空間に挿入される際に、前記保護管を前記配設空間の鉛直上方の円筒空間内に残留する残留手段を備えることを特徴とするNMR装置。
  2. 前記残留手段は、前記試料管が前記配設空間から引き出される際に、前記試料管を前記保護管で内包することを特徴とする請求項1に記載のNMR装置。
  3. 前記被検体部は、棒状の前記試料管の片側端部を部分的に内包し、かつ前記試料管の管壁を均等に圧迫し保持するホルダを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のNMR装置。
  4. 前記被検体部は、前記円筒空間に中心軸を共有する中空の円筒形をなすハウジング部を有する際に、前記ハウジング部の前記中心軸と直交する方向の内径に越えることなく近似する外径の、前記ホルダを前記中心軸の周りで保持および回転させる円筒形のホルダ保持手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のNMR装置。
  5. 前記保護管は、棒状の前記試料管の前記ホルダに内包されない片側端部を内包することを特徴とする請求項3または4に記載のNMR装置。
  6. 前記残留手段は、前記ホルダおよび前記試料管に挟まれる間隙部分に、前記保護管を出し入れするスライド手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のNMR装置。
  7. 前記スライド手段は、前記ホルダ、前記保護管および前記試料管を、前記中心軸に直交する断面が同心円をなす形状に配置することを特徴とする請求項6に記載のNMR装置。
  8. 前記保護管は、前記中心軸と直交する方向の内径が異なる複数の部分保護管からなることを特徴とする請求項6または7に記載のNMR装置。
  9. 前記スライド手段は、前記部分保護管および前記試料管に挟まれる間隙部分に、前記部分保護管よりも前記内径の小さな部分保護管を出し入れすることを特徴とする請求項8に記載のNMR装置。
  10. 前記部分保護管は、前記中心軸と直交する方向の外径が、前記配設空間の前記中心軸と直交する方向の内径を越える大きさにされることを特徴とする請求項8または9に記載のNMR装置。
  11. 前記配設空間は、鉛直上方の前記試料管の入り口に、すり鉢状に拡がる開口部を備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のNMR装置。
  12. 前記保護管は、前記開口部に適合する形状の先端部を備えることを特徴とする請求項11に記載のNMR装置。
  13. 前記試料管、前記保護管、前記ホルダおよび前記ホルダ保持手段は、非磁性材料を用いて構成されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のNMR装置。
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