[go: up one dir, main page]

JP2007027032A - 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2007027032A
JP2007027032A JP2005211169A JP2005211169A JP2007027032A JP 2007027032 A JP2007027032 A JP 2007027032A JP 2005211169 A JP2005211169 A JP 2005211169A JP 2005211169 A JP2005211169 A JP 2005211169A JP 2007027032 A JP2007027032 A JP 2007027032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
fuel cell
passive film
mass
contact resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005211169A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Morita
芳和 守田
Shinichi Kamoshita
真一 鴨志田
Keiji Izumi
圭二 和泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2005211169A priority Critical patent/JP2007027032A/ja
Publication of JP2007027032A publication Critical patent/JP2007027032A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
    • C23G1/08Iron or steel
    • C23G1/081Iron or steel solutions containing H2SO4

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 長期にわたって低接触抵抗を維持し、高発電効率の燃料電池に適したステンレス鋼製セパレータを提供する。
【解決手段】 ステンレス鋼製のセパレータであり、ステンレス鋼表面の不動態皮膜が膜厚:4nm以下で緻密な皮膜に改質されている。膜厚:4nm以下の不動態皮膜は、塩酸、硫酸等の非酸化性酸液にステンレス鋼を浸漬することにより形成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低温稼動が可能で、メンテナンスも容易な固体高分子型燃料電池に組み込まれるステンレス鋼製セパレータ及びステンレス鋼製セパレータを組み込んだ固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、100℃以下の低温で稼動でき、短時間で起動する長所を備えている。しかも、各部材が固体からなる簡素な構造のため、メンテナンスが容易で、振動や衝撃に曝される用途にも適用できる。出力密度や燃料効率が高く、小型化に適し騒音の少ないことも有望な電力源と受け取られている所以である。
1セル当りの発電量が極僅かな燃料電池から実用に供せられる電力量を取り出すには、固体高分子膜をセパレータで挟んだセルを一単位とし、多数のセルをスタックする必要がある。固体高分子膜を挟むセパレータには導電性が良好で接触抵抗が低いことが要求されるので、従来から黒鉛質のセパレータが使用されている。
黒鉛質セパレータは脆く、過度な振動や衝撃が加えられると割れやすいので、車両用電源としての適用には工夫を要する。脆くて加工性に劣る黒鉛を素材としているので、複雑形状品の作製に切削加工が余儀なくされ、厚肉製品にならざるを得ない。そのため、車載用途等で強く求められているコンパクト化が制約され、作製コストも高くなる。そこで、黒鉛に代えてステンレス鋼をセパレータ素材に使用することが検討されている(特許文献1,2)。
特開平9-157801号公報 特開2000-239806号公報
ステンレス鋼は、高強度で延性に優れているため薄肉化が可能で、プレス成形等の安価な加工法で目標形状に容易に成形できることが長所である。また、ステンレス鋼の構成成分であるCr,Mo,Fe等の酸化物,水酸化物から形成される不動態皮膜で鋼板表面が覆われ、不動態皮膜のバリア効果で下地鋼の腐食が防止される。
不動態皮膜は、耐食性の向上に有効であるものの半導体的な特性を呈し、下地鋼に比較すると電気伝導性に劣っている。そのため、通常の不動態皮膜が生成しているステンレス鋼をセパレータに使用すると、電極との接触抵抗が大きく、電池反応で生じた電気エネルギーがジュール熱として消費され、燃料電池の発電効率が低下する。
優れた耐食性を活用しながらステンレス鋼をセパレータに適用するには、ステンレス鋼表面の接触抵抗を下げる必要がある。接触抵抗の低減手段として、貴金属コーティング,ステンレス鋼板の粗面化等が検討されている。
しかし、高価な貴金属コーティングは、燃料電池のコストを上昇させ、経済面から燃料電池の普及に制約を加える。しかも、貴金属コーティングでは、孔食を引き起こすピンホールが皮膜に形成されやすいので厳重な製品管理が必要になる。厚膜化によってピンホールのない皮膜を形成できるが、厚膜の貴金属皮膜は高価な貴金属の多量消費を意味し、コスト低減のネックになる。
ステンレス鋼の接触抵抗を下げる粗面化処理では、塩化第二鉄浴中での交番電解法が採用されている。しかし、電解処理であるため、大掛かりな設備を必要とする。
ショットブラスト,酸洗,エッチング等によるステンレス鋼の粗面化(特許文献3,4)も知られているが、そのために専用の工程を追加する必要があり製造コストが高くなる。
特開平11-297338号公報 特開2003-223904号公報
マトリックスにクロム系炭化物を析出させた後でショットブラスト,酸洗等によるクロム系炭化物の頭出し処理で接触抵抗を低減する方法(特許文献5)も知られている。この場合でも、クロム系炭化物を析出させる工程の追加が必要になる。しかも、クロム系炭化物の析出に伴い耐食性付与に必要なCrが消費され、燃料電池内の過酷な腐食環境下では耐食性が十分確保されない虞もある。
特開2000-303151号公報
電解粗面化でステンレス鋼の接触抵抗を低減する方法も知られている(特許文献6)。電解粗面化でステンレス鋼表面に多数のピットが形成され、ピットの周縁に突起が林立した表面に改質される。林立した突起が電極と接触することで接触面積が増大し、接触抵抗が低減する。しかし、電解粗面化による凹凸はピッチが大きく、カーボンや金めっきなみの低接触抵抗を得るには不十分である。電解処理のため大掛かりな設備を必要とすることも、不利な点である。
WO2002/023654
ステンレス鋼製セパレータの接触抵抗がステンレス鋼の表面状態で大きく変わることは前述の通りであるが、カーボンペーパにセパレータを加圧接触させた固体高分子型燃料電池の使用を前提にすると、カーボンペーパに対するステンレス鋼表面のマッチング性も重要である。そこで、本発明者等は、単にRa,Rz等で表される表面粗さではなく、カーボンペーパを構成する微細なカーボン繊維との接触に有効な表面状態を探求した。その結果、非酸化性酸液を用いて浸漬処理されたステンレス鋼表面には極めて薄いが緻密な不動態皮膜が形成されており、該不動態皮膜を介してステンレス鋼にカーボンペーパを接触させると、従来にない低接触抵抗化が可能になることを見出した。
本発明は、かかる知見をベースとし、ステンレス鋼表面に極めて薄い不動態皮膜を形成することにより、耐食性確保,低接触抵抗化を両立させたステンレス鋼製セパレータを提供することを目的とする。
本発明の固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータは、ステンレス鋼製であり、電極と接触するセパレータの表面部分で膜厚:4nm以下の不動態皮膜がステンレス鋼表面に形成されていることを特徴とする。不動態皮膜は、塩酸,硫酸等の非酸化性酸液を用いた浸漬処理で形成される。
なお、不動態皮膜の膜厚は、(1)未浸漬材,(2)接触抵抗の低下度が最も大きな浸漬時間で酸浸漬された材料,(3)更に長い浸漬処理で接触抵抗が増大した材料について不動態皮膜をTEM観察し、TEM観察の結果から求められた不動態皮膜の膜厚をT1とした。
また、TEM観察で使用した材料と同じ試験片をGDSにかけ、不動態皮膜の厚みの指標となる酸素強度の半減位置までのスパッタ時間を測定した。スパッタ時間の測定値から求められる不動態皮膜の膜厚をT2とした。そして、T2をT1に一致させることにより、GDSによる膜厚測定結果から酸浸漬で異なる表面状態の影響を排除した。また、(1)−(2)間及び(2)−(3)間の任意浸漬時間における不動態皮膜の膜厚は、それぞれのGDSスパッタ時間をT1,T2で補間してT2を算出した。
実施の形態及び発明の効果
セパレータの素材には、フェライト系,オーステナイト系何れのステンレス鋼も使用できる。
フェライト系ステンレス鋼は、Cr:10〜40質量%(好ましくは、15〜35質量%),Mo:0〜5質量%(好ましくは、1〜3質量%)含んでいる。Crは耐食性に必須の合金成分であり、低pH値で腐食性の強い燃料電池内の環境を想定すると10質量%以上のCrが必要である。Cr含有量が多くなるほど耐食性が向上する反面、加工性が低下するので、上限を40質量%とした。Moも耐食性に有効な成分であり、Crとの共存によって孔食を防ぐ作用を呈する。そのため、単にMoを増量するのではなく、Cr含有量と関連させてMo含有量を調整する。しかし、過剰なMo含有はステンレス鋼の硬質化,加工性低下をもたらすので、Mo含有量の上限を5質量%とした。
Cr,Mo以外の成分としては、C,N,Mn,Si,P,S,Ni,Cu,Ti,Nb,Al,V等が挙げられる。
C,Nはフェライト系ステンレス鋼の加工性,低温靭性を低下させるので可能な限り低減する必要があり、本成分系では上限を共に0.02質量%とすることが好ましい。Mnは、耐食性低下の原因となるので、好ましくは2.0質量%以下に規制する。Siは硬質化,加工性低下の原因となるので、好ましくは0.5質量%以下に規制する。Pは、セパレータが曝される燃料電池の内部環境における耐食性向上に有効な成分であるが過剰添加は加工性に悪影響を及ぼすので、Pを添加する場合には0.03〜0.08質量%の範囲でP含有量を選定する。Sは、加工性,耐食性に有害な成分であるので可能な限り低減する必要があり、本成分系では上限を0.005質量%とした。
Ni,Cuは、溶出しやすい元素であるので多量含有を避け、好ましくはNi:0.5質量%,Cu:0.8質量%を上限とする。なかでも、溶出したNiイオンが触媒層に到達すると、触媒が被毒し電池性能が低下する。しかし、少量の添加は酸性雰囲気での耐全面腐食性を改善するので、添加する場合にはNi:0.15〜0.35質量%,Cu:0.20〜0.50質量%の範囲で含有量を選定する。
鋼中のC,Nを固定し加工性を改善するTi,Nbを添加する場合、共に0.03〜0.25質量%の範囲で含有量を調整する。Nの固定にAlを使用する場合、0.04〜0.25質量%の範囲で含有量を調整する。燃料電池の内部環境における耐食性の改善に有効なVは、必要に応じ0.2〜1.0質量%の範囲で添加される。更に特性を大きく変化させない限り、その他の合金成分を添加することも可能である。
オーステナイト系では、フェライト系と同様な理由からCr:10〜40質量%(好ましくは、15〜35質量%),Mo:0〜6質量%(好ましくは、5質量%以下)を含む成分系のステンレス鋼がセパレータ素材に使用される。オーステナイト系ステンレス鋼は、オーステナイト相を形成し、酸性雰囲気下での耐食性を付与するため少なくとも5.0質量%のNiを含んでいる。しかし、過剰量のNiは、コスト的に不利なだけではなく、含有Crの影響もあって加工性を低下させ、更には電池内部に溶出するNiイオン量の増加,ひいては触媒の劣化を促進させる原因となるので、30質量%を上限とすることが好ましい。
Cr,Mo,Ni以外の成分として、C,N,Mn,Si,P,S,Cu,Ti,Nb,Al,V,B等が挙げられる。
C,N,Mn,Si,P,Sは、フェライト系と同様な理由からそれぞれC:0.02質量%以下,N:0.02質量%以下,Mn:2.0質量%以下,Si:0.5質量%以下,P:0.03〜0.08質量%以下,S:0.005質量%以下とする。
Cuは、必要に応じて添加される成分であり、酸性雰囲気下の耐全面腐食性を改善し、オーステナイト系ステンレス鋼の低温靭性を向上させる作用を呈する。しかし、溶出しやすい元素であるので過剰添加を避け、添加する場合も上限を6質量%とすることが好ましい。
必要に応じTi,Nbを添加して鋼中C,Nを固定すると、オーステナイト系ステンレス鋼の加工性が向上する。しかし、過剰添加は却って鋼材の硬質化を招くので、添加する場合には共に上限を1.0質量%とする。Nの固定にAlを使用する場合、0.01〜3.0質量%の範囲で含有量を調整する。燃料電池の内部環境における耐食性の改善に有効なVは、必要に応じ0.01〜1.0質量%の範囲で添加される。更に特性を大きく変化させない限り、その他の合金成分を添加することも可能である。
所定組成に調整されたステンレス鋼を酸液に浸漬すると、鋼板表面が全面的に溶解し新生面が露出する。浸漬処理に非酸化性酸液を使用すると、表面の変質層が除去され、薄く緻密な不動態皮膜が形成される。非酸化性酸液を用いた浸漬処理で形成される不動態皮膜は、硝酸,濃硫酸,王水等の酸化性酸液で形成される不動態皮膜に比較して、Cr濃縮に伴う膜厚増加の抑制された皮膜になるので、耐食性向上,接触抵抗低減の双方が達成される。
浸漬処理では、ステンレス鋼の種類に応じて酸の種類,濃度,温度,浸漬時間等の処理条件が選定される。たとえば、30Cr-2Mo鋼では、濃度:10〜20質量%,液温:40〜60℃の塩酸浴に1〜10分浸漬する条件が採用される。硫酸を使用する場合、濃度:10〜20質量%,液温:50〜80℃の硫酸浴にステンレス鋼を0.5〜20分浸漬する。
30Cr-2Mo鋼等の高耐食性フェライト系ステンレス鋼を浸漬処理する場合、Moが最も溶解しにくく、酸浸漬の時間経過に伴って不動態皮膜の表層部に濃化し、不動態皮膜が厚膜化する。Mo濃化は、燃料電池の内部環境(酸性の湿潤雰囲気)においてステンレス鋼の腐食を抑制し、接触抵抗の上昇を抑制する。Mo濃化により耐食性が改善されるので、不動態皮膜を薄くしても燃料電池内の腐食雰囲気に十分耐える特性が付与される。
不動態皮膜の薄膜化が可能なことは、接触抵抗の低減にも有効である。一般的に不動態皮膜が薄くなるほどステンレス鋼表面を流れる電流が多くなり接触抵抗の低下傾向がみられるが、膜厚が4nm以下になると接触抵抗が格段に低下する。これは、膜厚:4nm以下でトンネル効果が顕著になり、ステンレス鋼表面の見かけ上電気伝導性が高くなったことに由来すると考えられる。実際、膜厚:4nm以下の不動態皮膜が形成されたステンレス鋼では10mΩ・cm2以下の低い接触抵抗を示す。他方、不動態皮膜の膜厚が4nmを超えるようになると接触抵抗が急激に上昇し、トンネル効果に起因すると思われる高い電気伝導性(低い接触抵抗)が現れない。このようにして接触抵抗を低減したステンレス鋼をセパレータに使用すると、電池反応で生じた電気エネルギーがジュール熱として消費される割合が少なくなり、発電効率の高い燃料電池が得られる。
フェライト系ステンレス鋼(30Cr-2Mo,22Cr-1.2Mo,18Cr-2Mo,18Cr-1Mo)をセパレータ素材に使用した。
濃度:5質量%,液温:60℃のオルソケイ酸ソーダ溶液にステンレス鋼を10分間浸漬して脱脂した後、濃度:10質量%,液温:50℃の塩酸浴で浸漬処理した。浸漬処理後、直ちに水洗,乾燥した。なお、表面形態が接触抵抗に及ぼす影響を調査するため、塩酸浴への浸漬時間を種々変更した。
浸漬処理前後のステンレス鋼表面にある不動態皮膜を次の二法で算出した。
〔TEM観察結果から膜厚の算出〕
電界放射型透過電子顕微鏡(JEM-2010F:日本電子製)を用いてステンレス鋼表面を観察し、倍率:190万倍,明視野のSTEM像について不動態皮膜の厚みを計測した。計測点を任意に三箇所選定し、各計測点における計測結果を平均化して不動態皮膜の膜厚とした。求められた膜厚をT1で表す。
〔GDS分析結果から膜厚の算出〕
浸漬処理材をグロー放電発光分光法分析(GDS)にかけ、放電電力:30W,Arガス流量:100cc/分,アノード径:4mmの条件下でステンレス鋼の表面から深さ方向に沿った元素分布を求めた(図1)。不動態皮膜/基材の境界は、酸素の濃度分布を示す曲線上で(ピーク強度−バックグラウンド強度)/2の強度が示されるステンレス鋼表面からの深さ(換言すれば、ステンレス鋼表面から所定深さZまでのスパッタ時間)をもって不動態皮膜の膜厚を求める指標とした。そして、TEM観察で得られた不動態皮膜の膜厚とスパッタ時間との相関関係から、任意の処理時間における不動態皮膜の膜厚を算出した。求められた膜厚をT2で表す。
また、ステンレス鋼から切り出された試験片に荷重:1MPaでカーボンペーパを加圧接触させ、ステンレス鋼/カーボンペーパの接触抵抗を測定した。
30Cr-2Mo鋼の2B仕上げ材について、TEM観察結果から求められた不動態皮膜の膜厚T1を表1に、GDSプロファイルを図1に示す。5分浸漬処理材では、TEM観察結果から求められた不動態皮膜の膜厚T1が未処理材より小さくなっているが、不動態皮膜の膜厚を示すGDSのスパッタ時間は未処理材より酸浸漬材の方が長くなっており、膜厚T2が未処理材より大きくなっている。
TEM観察から求められる膜厚T1とGDSのスパッタ時間とで逆の結果になることは、未処理ステンレス鋼表面にある不動態皮膜が比較的凹凸のある見掛け膜厚の大きな皮膜であるのに対し、5分浸漬材では不動態皮膜が緻密化していることが原因と考えられる。すなわち、非酸化性酸液を用いた浸漬処理でステンレス鋼の表面変質層が除去され、ステンレス鋼表面全域に薄くて緻密な不動態皮膜が形成される。
Figure 2007027032
そこで、5分酸浸漬材,20分酸浸漬材それぞれの膜厚T1と膜厚T2との相関をとり、得られた相関関係から他の浸漬時間で酸浸漬したステンレス鋼の不動態皮膜の膜厚を算出した。表2の結果にみられるように、T1とT2との相関から求めた不動態皮膜の膜厚T2は、10分浸漬材より3分浸漬材の方が薄く、したがって接触抵抗も3分浸漬材の方が低い値になっている。
Figure 2007027032
同じ鋼種のBA仕上げ材についての調査結果を表3に示す。BA仕上げ材は、そのままでは不動態皮膜が厚く、大きな接触抵抗を示す。しかし、非酸化性酸液で浸漬処理すると、不動態皮膜が接触抵抗の低い皮膜に改質され、膜厚T2自体も薄くなっている。
Figure 2007027032
30Cr-2Mo鋼のTEM測定結果を基に、22Cr-1.2Mo鋼,18Cr-2Mo鋼,18Cr-1Mo鋼についても不動態皮膜と接触抵抗との関係を調査した。表4の調査結果にみられるように、何れの鋼種においても非酸化性酸液を用いた浸漬処理で不動態皮膜を膜厚:4nm以下に調整するとき接触抵抗が低位に保たれることが判る。
Figure 2007027032
25Cr-20Niのオーステナイト系ステンレス鋼を用いた以外は、実施例1と同様に非酸化性酸液で浸漬処理し、酸浸漬前後の接触抵抗を調査した。表5,6に示すように、この場合もフェライト系ステンレス鋼と同様に浸漬処理で不動態皮膜が薄くなり接触抵抗が低下した。
Figure 2007027032
Figure 2007027032
25Cr-5Mo鋼,18Cr-12Ni-2Mo鋼も、表7に示すように非酸化性酸液を用いた浸漬処理で不動態皮膜を膜厚調節することにより接触抵抗を低減できた。
Figure 2007027032
実施例1,2で酸浸漬したステンレス鋼製セパレータを燃料電池の燃料極側,酸化極側に組み込み、燃料電池を100時間連続運転した後で接触抵抗の増加,出力の変化を調査した。
表8の調査結果にみられるように、膜厚:4nm以下の不動態皮膜を設けたステンレス鋼製セパレータを備えた燃料電池では、0.3A/cm2の電流密度で0.6Vのセル電圧が得られた。
他方、膜厚が4nmを超える不動態皮膜をもつステンレス鋼製セパレータを装着した燃料電池は電圧が低く、なかでも不動態皮膜が厚い試験No.6では0.55Vのセル電圧しか得られず電池出力が不足していた。
この対比から、不動態皮膜の膜厚を4nm以下に規制したステンレス鋼は、低接触抵抗で高出力の燃料電池に適したセパレータとなることが確認される。
Figure 2007027032
以上に説明したように、非酸化性酸液を用いた浸漬処理でステンレス鋼表面を改質することにより、ステンレス鋼本来の優れた耐食性を活用しながら接触抵抗の低減が可能となり、セパレータの要求特性を満足するステンレス鋼となる。得られたステンレス鋼製セパレータは、燃料電池を長時間連続運転した後でも接触抵抗が増加しないため、高い発電効率を維持する燃料電池に適した部材となる。
30Cr-2Mo鋼の未処理材、酸浸漬材の深さ方向に関する元素分布を表すグラフ

Claims (3)

  1. 電極と接触するセパレータの表面部分で膜厚:4nm以下の不動態皮膜がステンレス鋼表面に形成されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ。
  2. 不動態皮膜が非酸化性酸液を用いた浸漬処理で改質された皮膜である請求項1記載のステンレス鋼製セパレータ。
  3. 請求項1又は2記載のステンレス鋼製セパレータを組み込んでいる固体高分子型燃料電池。
JP2005211169A 2005-07-21 2005-07-21 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池 Withdrawn JP2007027032A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005211169A JP2007027032A (ja) 2005-07-21 2005-07-21 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005211169A JP2007027032A (ja) 2005-07-21 2005-07-21 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007027032A true JP2007027032A (ja) 2007-02-01

Family

ID=37787518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005211169A Withdrawn JP2007027032A (ja) 2005-07-21 2005-07-21 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007027032A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100909374B1 (ko) 2008-05-06 2009-07-24 현대하이스코 주식회사 표면개질 공정과 열처리 공정을 포함하는 연료전지용스테인리스 분리판 및 그 제조방법
JP2010126763A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Sumitomo Metal Ind Ltd ステンレス鋼材
JP2010138487A (ja) * 2008-10-07 2010-06-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 固体高分子型燃料電池のセパレータ用ステンレス鋼板およびそれを用いた固体高分子型燃料電池
KR20140095071A (ko) 2011-10-30 2014-07-31 가부시키가이샤 니혼 마이크로닉스 반복 충방전 가능한 양자 전지
WO2019074215A1 (ko) * 2017-10-11 2019-04-18 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
KR20190140661A (ko) * 2018-06-12 2019-12-20 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
WO2020251103A1 (ko) * 2019-06-14 2020-12-17 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
JP2023508030A (ja) * 2019-12-19 2023-02-28 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 耐食性に優れた高分子燃料電池分離板用ステンレス鋼
TWI813701B (zh) * 2019-06-18 2023-09-01 南韓商Posco公司 具有優異的導電性的奧氏體不銹鋼及其製造方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100909374B1 (ko) 2008-05-06 2009-07-24 현대하이스코 주식회사 표면개질 공정과 열처리 공정을 포함하는 연료전지용스테인리스 분리판 및 그 제조방법
JP2010138487A (ja) * 2008-10-07 2010-06-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 固体高分子型燃料電池のセパレータ用ステンレス鋼板およびそれを用いた固体高分子型燃料電池
JP2010126763A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Sumitomo Metal Ind Ltd ステンレス鋼材
KR20140095071A (ko) 2011-10-30 2014-07-31 가부시키가이샤 니혼 마이크로닉스 반복 충방전 가능한 양자 전지
US9859596B2 (en) 2011-10-30 2018-01-02 Kabushiki Kaisha Nihon Micronics Repeatedly chargeable and dischargeable quantum battery
WO2019074215A1 (ko) * 2017-10-11 2019-04-18 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
KR20190140661A (ko) * 2018-06-12 2019-12-20 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
KR102103014B1 (ko) * 2018-06-12 2020-05-29 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
WO2020251103A1 (ko) * 2019-06-14 2020-12-17 주식회사 포스코 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
CN112585292A (zh) * 2019-06-14 2021-03-30 Posco公司 导电性优异的奥氏体系不锈钢及其制造方法
EP3805419A4 (en) * 2019-06-14 2021-09-08 Posco AUSTENITIC STAINLESS STEEL WITH EXCELLENT ELECTRICAL CONDUCTIVITY AND ASSOCIATED MANUFACTURING PROCESS
JP2021529887A (ja) * 2019-06-14 2021-11-04 ポスコPosco 電気伝導性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法
US12049688B2 (en) 2019-06-14 2024-07-30 Posco Co., Ltd Austenitic stainless steel having excellent electrical conductivity, and method for manufacturing same
TWI813701B (zh) * 2019-06-18 2023-09-01 南韓商Posco公司 具有優異的導電性的奧氏體不銹鋼及其製造方法
JP2023508030A (ja) * 2019-12-19 2023-02-28 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 耐食性に優れた高分子燃料電池分離板用ステンレス鋼
JP7445765B2 (ja) 2019-12-19 2024-03-07 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 高分子燃料電池分離板用オーステナイト系ステンレス鋼板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3365385B2 (ja) 固体高分子型燃料電池のセパレータ用ステンレス鋼材の製造方法
Rajaei et al. The study of Ni-based nano-crystalline and amorphous alloy coatings on AISI 304 stainless steel for PEM fuel cell bipolar plate application
JP6315158B1 (ja) ステンレス鋼板及びその製造方法、固体高分子型燃料電池用セパレータ、固体高分子型燃料電池セル、並びに固体高分子型燃料電池
CN103717769B (zh) 燃料电池隔板用不锈钢
JP5831670B1 (ja) 表面の導電性を有するチタン材又はチタン合金材とその製造方法、及び、これを用いた燃料電池セパレータと燃料電池
Li et al. Investigation of single-layer and multilayer coatings for aluminum bipolar plate in polymer electrolyte membrane fuel cell
JP2018534416A (ja) 燃料電池分離板用ステンレス鋼およびその製造方法
JP2008091225A (ja) 固体高分子型燃料電池用セパレータ及びその製造方法
TWI581490B (zh) 燃料電池隔板用不鏽鋼及其製造方法
JP6057033B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼材、セパレータ、固体高分子形燃料電池、および、セパレータの製造方法
JP2008285731A (ja) 表面電気伝導性優れたステンレス鋼板およびその製造方法
CN107075646A (zh) 双极燃料电池板
JP6278158B1 (ja) 固体高分子形燃料電池用セルおよび固体高分子形燃料電池スタック
JP2007027032A (ja) 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び燃料電池
KR102385477B1 (ko) 연료 전지의 세퍼레이터용 강판의 기재 스테인리스 강판 및 그 제조 방법
Devasenapathi et al. Effect of externally added molybdate on repassivation and stress corrosion cracking of type 304 stainless steel in hydrochloric acid
JP7257794B2 (ja) ステンレス鋼板及びその製造方法、燃料電池用セパレータ、燃料電池セル、並びに燃料電池スタック
JP2007026694A (ja) 固体高分子型燃料電池用セパレータ及び固体高分子型燃料電池
JP2006302731A (ja) 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ及び固体高分子型燃料電池
JP7257793B2 (ja) ステンレス鋼板、燃料電池用セパレータ、燃料電池セル、及び燃料電池スタック
JP2009019228A (ja) 固体高分子形燃料電池用金属セパレータ材料
JP2006253107A (ja) 固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ
WO2017170066A1 (ja) 固体高分子形燃料電池用セルおよび固体高分子形燃料電池スタック
JP7281929B2 (ja) ステンレス鋼板およびステンレス鋼板の製造方法
Li et al. Synergistically enhancing the corrosion resistance and electrical conductivity of high-nitrogen stainless steel bipolar plates by forming a passive film rich in Cr2O3 and CrN in a simulated environment for PEMFCs

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070313

A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007