JP2007019209A - 太陽電池用多結晶シリコンおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合金成分およびドーピング材、とくにゲルマニウムおよびガリウムの位置による濃度変動の少ない太陽電池の基板用シリコン多結晶およびその製造方法を提供する。
【解決手段】冷却るつぼ誘導溶融法にて連続的に溶融鋳造されたゲルマニウムを含有する太陽電池の基板用シリコン合金多結晶。ゲルマニウムの含有量は0.1〜6.0モル%で、ドーピング材はとくにガリウムを用いることが好ましい。冷却るつぼ誘導溶融においては、合金成分および/またはドーピング材の目標濃度をCSモル%、その平衡偏析係数をk0とするとき、るつぼ内の溶融液の濃度を下記(1)で得られるCLモル%とし、溶融液には添加成分がCSモル%配合された原料を追加投入しつつ、連続して溶融鋳造をおこなう多結晶合金の製造方法。
CL=CS/k0 ・・・ (1)
【選択図】図3
【解決手段】冷却るつぼ誘導溶融法にて連続的に溶融鋳造されたゲルマニウムを含有する太陽電池の基板用シリコン合金多結晶。ゲルマニウムの含有量は0.1〜6.0モル%で、ドーピング材はとくにガリウムを用いることが好ましい。冷却るつぼ誘導溶融においては、合金成分および/またはドーピング材の目標濃度をCSモル%、その平衡偏析係数をk0とするとき、るつぼ内の溶融液の濃度を下記(1)で得られるCLモル%とし、溶融液には添加成分がCSモル%配合された原料を追加投入しつつ、連続して溶融鋳造をおこなう多結晶合金の製造方法。
CL=CS/k0 ・・・ (1)
【選択図】図3
Description
本発明は、太陽電池の基板に用いる多結晶シリコンおよび冷却るつぼ誘導溶融法を用いたその製造方法に関する。
現在製造されている太陽電池の大半(90%以上)は、シリコン結晶が基板材に用いられている。シリコン結晶としては単結晶と多結晶とがあり、一般に、単結晶を基板に用いることにより、入射した光エネルギーを電気エネルギーにするときに、変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
これらシリコン結晶は、高い変換効率を得るため、いずれも不純物のきわめて少ない高純度のものが用いられる。単結晶では、半導体集積回路の基板材料に用いられるものと同等の低欠陥無転位のものが要求され、通常は溶融シリコンから直接単結晶を引き上げ育成するチョクラススキー法にて製造される。そのため製造コストが高くなり、発電価格を高くしてしまう。
一方、多結晶シリコンでは、溶融シリコンを鋳型に流し込んで凝固させる鋳造法が適用されるが、チョクラルスキー法を適用するのに比べ、遙かに低コストにて基板用の材料を製造することができる。そのため、この低コストの多結晶シリコンを基板に用いて、得られた太陽電池の変換効率をできるだけ高めることを目的として、シリコン多結晶の組成、あるいは溶融や鋳造方法等の改良について種々の検討が行われている。
多結晶シリコンは、基板としての電気伝導度が必要であるため、微量のドーピング材が添加される。通常、半導体集積回路の基板用として用いられるP型のシリコン単結晶には、ドーピング材としてボロンが多用されるが、太陽電池用においてもボロンが多く利用されている。
太陽電池の基板では、光によって発生するキャリアの寿命が長いほど高い変換効率が得られ、強い光により長期にわたって照射されても、そのキャリア寿命が劣化しないことが望ましい。ところが、多結晶シリコンでドーピング材にボロンを用いると、長時間使用後にキャリア寿命が短くなり、太陽電池の変換効率が低下するという問題がある。これはシリコン中の酸素がボロンと反応し、ボロンの効果を減退させるためと考えられている。この問題は、特許文献1にその発明が開示されているように、ドーピング材としてガリウムを用いることにより解消される。
太陽電池用のシリコン多結晶には、通常、高純度シリコンが用いられるが、シリコンとゲルマニウムの合金多結晶を用いる発明が特許文献2に開示されている。これは、シリコンにゲルマニウムを原子濃度比にて50%添加し、均一に溶融した融液を所定速度にて冷却凝固させて、結晶内のミクロ的組成が5〜80モル%Siで、その濃度部分の分布比率がほぼ均一な多結晶を作製する。
そして、特許文献2では、このようなミクロ的に濃度変動のある多結晶と、液相エピタキシー法にて作製した50モル%の濃度変動のない単一組成のシリコンゲルマニウム多結晶の場合とを比較すると、ミクロ的な組成分布を持った結晶の方が、全電流値が大きくなり、変換効率が向上するとしている。
さらに非特許文献1には、0から10モル%までのゲルマニウムをシリコンに添加し、ボロンをドープした合金の多結晶にて、太陽電池を試作し変換効率を調査した結果が報告されている。それによれば、ゲルマニウムの少量添加により変換能率が向上して、約3モル%で最大に達し、それ以上添加すると低下し始め、10モル%になるとシリコンのみの多結晶よりも劣った変換効率になるとしている。
シリコン多結晶は一般に鋳造法(キャスト法)で製造される。これは石英るつぼなどを用いてシリコンを溶融し、必要なドーパント材を添加してから、融液と反応しない物質である窒化珪素などの粉末を塗布した、黒鉛製の鋳型に流し込んで凝固させるものである。また、石英るつぼ、あるいは窒化珪素などで内面を保護した黒鉛るつぼにて溶融後、そのまま冷却して凝固させることもある。
この凝固の際の収縮によって生じる引け巣による内部欠陥の防止を図るため、さらにシリコン結晶は極めて脆いことから、凝固および冷却の過程で生じやすい熱応力による割れが発生するのを防止するため、通常、一方向性凝固が採用される。
これは、例えば鋳型を用いる場合、鋳型の底には水冷できる冷却板を設置し、側壁および上方は保温または加熱できるようにし、鋳型底から上方へ向けて凝固を進行させる。るつぼの中で凝固させる場合は、加熱溶融後るつぼの底に冷却板を当てて凝固を開始させ、さらには加熱ヒーターの中から下方に徐々に引き出して、るつぼの底から上方へ凝固を進行させる。
このような溶融および鋳造の作業は、大気による酸化などの汚染防止のために、密閉容器中で真空や、大気圧または減圧した不活性雰囲気下でおこなわれる。不活性雰囲気とするのは、石英るつぼとシリコン融液との反応で生じる、SiOガスによる容器内部汚染を抑止する目的もある。
しかしながら、るつぼおよび鋳型を用いる溶融鋳造法は、溶融したシリコンがこれら容器壁に接触することによる不純物汚染は避けがたい。これに対し、溶融シリコンがるつぼや鋳型にほとんど接触することなく、シリコン結晶を鋳造することのできる冷却るつぼ誘導溶融鋳造法が開発されている。
これは、例えば特許文献3に開示されているような方法であって、るつぼ溶融に用いるのと同様な高周波加熱用誘導コイルの内周側に内貼りした構造であり、コイルとは絶縁して縦方向(コイルの軸と平行な方向)に長く、周方向は相互には電気的に分割され、かつ内部を水冷できるようにした、熱伝導性のよい銅製の板状片を並べたものである。
この内貼りされたコイルの内側の水平断面形状は、円筒状であっても角筒状であってもよい。そして、その下部には下方に動かすことのできる支持台を設け、内貼りされたコイルと支持台とでるつぼを構成させる。
るつぼ相当部へ原料シリコンを装入し、高周波電流を通じると、内貼り板状片は誘導電流発生方向には直角に分割されているので十分には誘導電流は流れず、るつぼ内のシリコンを加熱溶融させることができる。溶融したシリコンは、その中を流れる誘導電流による磁場と、内貼り板状片に流れる誘導電流による磁場とによって、内貼り板状片すなわちるつぼの内壁に反発する力を受け、るつぼと非接触の状態で溶融がおこなわれる。
この状態で、るつぼ内のシリコンを十分溶融させた後、支持台を徐々に下方へ移動させていけば、溶融液の下方から凝固が進行する。そして支持台の下方への移動に合わせて、るつぼの上方から原料を連続的に投入し、溶融および凝固を継続させれば、シリコンの溶融液はるつぼ壁と接することなく、一方向凝固にてシリコン多結晶が連続して溶融および鋳造される。
この方法は、さらに特許文献4に開示された鋳造装置のように、密閉容器内でおこなえるようにし、るつぼの下方の加熱コイルから外に出る内貼り板状片は下へ行くほど少しづつ広がるようにして、鋳片の引き抜きを容易にするなどの改良がなされている。また、銅製の冷却板状片間の隙間への溶融液差し込みによる接触防止や、引き抜き時の凝固直後の冷却における割れの発生や転位の発生など鋳片の品質低下防止のための改良技術も、特許文献5に開示されている。
シリコン多結晶の鋳造法による太陽電池用多結晶の製造においては、前述の通り、凝固時の内部欠陥の発生防止および冷却過程の熱応力による割れ抑止のために、通常、一方向性凝固が採用される。
ドーピング材として用いられるボロンやリンなどの添加量は極めてわずかであり、高純度シリコンに十分固溶する範囲の量である。シリコンに固溶する元素は、一般にシリコンの融点を低下させるが、その場合、融液中の元素の濃度と、凝固した結晶中の元素の濃度とが異なる偏析現象が生じる。この温度、融液(液相)および凝固部分(固相)の元素の濃度の関係は、2元系平衡状態図から、概略次ぎのように説明できる。
図1は、縦軸が温度、横軸がシリコン中の元素の濃度を示したものである。シリコン融液に溶質の添加元素が均一に溶解していて、その濃度がCL(モル%)である場合に、温度T0の均一な液相である融液の温度が低下し、温度TXになって液相線に達すると、凝固部分、すなわち固相が現れる。その固相には溶質の添加元素がCS(モル%)含まれる。
この図1において、凝固が始まったときの、液相中溶質の添加元素の濃度CLに対する固相中溶質の濃度CSの比、すなわち下記(4)式で示されるk0を平衡分配係数または平衡偏析係数という。
k0=CS/CL ・・・ (1)
溶質の濃度が低い条件では、液相線も固相線も直線で近似できるので、k0は一定となり、これは元素によって異なる値を示す。例えば、ボロンでは0.8であり、リンでは0.35である。
溶質の濃度が低い条件では、液相線も固相線も直線で近似できるので、k0は一定となり、これは元素によって異なる値を示す。例えば、ボロンでは0.8であり、リンでは0.35である。
チョクラルスキー法にてシリコン融液から単結晶を育成する際のドーピング材の添加は、融液の濃度に平衡偏析係数を掛けた量しか凝固する単結晶に取り込まれないため、それを見込んで融液中の溶質元素の濃度を調整しなければならない。しかし、融液が十分多くある間は、融液の溶質濃度は大きくは変わらないので、ほぼ均一にドーピング材を含有させた単結晶が育成できる。
ところが、鋳造法にて多結晶を製造する場合、健全な鋳塊を得るのに一方向性凝固は必須であるため、平衡偏析係数が1より大きくずれる元素では、鋳塊の位置によりその濃度が大きく変化する。鋳塊の底部より上方に向けて凝固させるとすれば、図1において、温度T0の溶質の濃度CLモル%の融液を冷却し温度を下げていくと、まず始めに凝固する底部では溶質の濃度がCS%である。
さらに温度が低下し凝固が進むと、凝固する固相の添加元素濃度は、固相線上を下方に移動してその濃度が上昇し、残った融液中有の添加元素濃度は液相線上を移動して濃度が増していく。その結果、後から凝固する上方ほど溶質濃度の高い鋳塊ができる。
このように鋳造法により多結晶を製造する場合、ドーピング材の濃度が位置により変動することは避けがたいが、ボロンやリンのように偏析係数が比較的「1.0」に近く、電気伝導度の変動が十分許容範囲に入る場合は、大きな問題にはならなかった。
しかし、ドーピング材としてガリウムを用いる場合、偏析係数K0が0.008と小さいため、凝固開始の融液中の濃度を高くしなければならず、そのために濃度の高い融液が凝固の進行中残存し、その結果として多結晶中の濃度変動が大きくなって、目的とする電気抵抗値になる良好な結晶部分の歩留まりが大幅に低下する。
このようなガリウム添加の濃度変動の問題に対処するため、特許文献6には、るつぼ内で溶融後、下方から冷却し凝固を進行させてから上方に残った溶湯に、新たな原料を追加する技術が開示されている。
しかしながら、均一に溶融後、冷却して下方から凝固を開始したるつぼ内で、上方に残存した溶湯に新たに原料を追加するとすれば、その原料を溶融しさらに残湯と均一化させるには温度を上げなければならず、それにより既に凝固した部分が再加熱されて溶融し、その部分の濃度の変動が生じる。また、一度に製造できる量は、るつぼの大きさに支配されてしまうこともあり、製造手段としての適用は、必ずしも容易ではない。
ドーピング材の含有はシリコン結晶に対し微量であり、その上、抵抗率の変動許容範囲から、含有範囲として10倍程度の変動は許容される。しかし、シリコンにゲルマニウムを添加した合金の場合、良好な性能の基板を得るには、ゲルマニウムの含有変動範囲をかなり狭い幅に限定しなければならない。
シリコンに対し、ゲルマニウムは全率固溶するが、Si側でのゲルマニウムの平衡偏析係数K0は0.43である。このことは、例えば均一に固溶させたゲルマニウムが10モル%の融液を、鋳造法によりるつぼ内または鋳型内で一方向性凝固させるとする。そうするとまず始めに凝固するのはゲルマニウムを4.3モル%含む結晶であるが、凝固が進むと融液中のゲルマニウム濃度が高くなっていき、始めの融液の50%が凝固したとすると、残りの融液すなわち液相中のゲルマニウム濃度は14.8モル%になり、そのときに凝固する結晶のゲルマニウム濃度は6.4モル%になる。
この濃度は、融液と凝固した結晶の界面が、凝固の進行方向に垂直な平面であるとしたときの、その平面における平均濃度であるが、実際にはこの平面には凹凸があって、その局所的な部分の濃度はかなり変動していると推測される。
さらに凝固が進み、当初の融液の80%が凝固すると凝固合金中のゲルマニウム濃度は10.8モル%になり、残った融液中の濃度は25.0モル%になる。このまま全体が凝固すると、部位により4〜25モル%の濃度の変動のある鋳塊になる。
ドーピング材より遙かに多くの元素を含有させるこのような合金では、目標値に対し、多くの場合は例えば±10%以内というように、目標濃度に対する変動幅は狭く限定されるので、鋳塊のその濃度範囲に入る部分が狭くなり、良品歩留まりが大幅に低下する。
本発明は、このように凝固時に著しい偏析を生じるドーピング材または合金元素を添加したシリコン多結晶鋳塊の、位置による濃度変動を少なくするものであり、特にシリコンとゲルマニウムの合金、さらにはガリウムをドーピング材に用いた、添加各成分の濃度変動の少ない太陽電池用シリコン多結晶と、その製造方法を提供するものである。
本発明は、前述の課題を解決するためになされたものであり、下記(1)〜(3)の太陽電池用多結晶シリコン、および(4)〜(6)の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法を要旨としている。
(1)冷却るつぼ誘導溶融法にて連続的に溶融鋳造して製造されたことを特徴とする、ゲルマニウムを含有する太陽電池用多結晶シリコン。
(2)ゲルマニウムの含有量が0.1〜6.0モル%であることを特徴とする上記(1)のゲルマニウムを含有する太陽電池用多結晶シリコン。
(3)ゲルマニウムの含有量が0.1〜6.0モル%で、ドーピング材としてガリウムを含有させたことを特徴とする上記(1)または(2)の太陽電池用多結晶シリコン。
(4)合金成分、ドーピング材等の他元素を含有させた太陽電池用多結晶シリコンの溶融鋳造において、該元素の目標濃度をCSモル%、その元素の平衡偏析係数をk0とするとき、冷却るつぼ誘導溶融法により、シリコン融液中の該元素の濃度CLモル%が下記(1)式で保たれるように溶融原料を供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする、太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
CL=CS/k0 ・・・ (1)
(5)目標とするゲルマニウム含有量がCSモル%である多結晶シリコンに対し、冷却るつぼ誘導溶融法を用い、平衡偏析係数を0.43として、該法におけるつぼ内溶融シリコン中のゲルマニウムの濃度が下記(2)式で与えられる濃度値CLモル%となるよう、原料のシリコンおよびゲルマニウムを供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
(5)目標とするゲルマニウム含有量がCSモル%である多結晶シリコンに対し、冷却るつぼ誘導溶融法を用い、平衡偏析係数を0.43として、該法におけるつぼ内溶融シリコン中のゲルマニウムの濃度が下記(2)式で与えられる濃度値CLモル%となるよう、原料のシリコンおよびゲルマニウムを供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
CL=CS/0.43 ・・・ (2)
(6)目標とするドーピング材のガリウム含有量がDSモル%であるゲルマニウムを含む多結晶シリコンに対し、冷却るつぼ誘導溶融法を用い、平衡偏析係数を0.008として、該法におけるるつぼ内溶融シリコン中のガリウムの濃度が下記(3)式で与えられる濃度値DLモル%となるよう、原料のシリコンおよびガリウムを供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
(6)目標とするドーピング材のガリウム含有量がDSモル%であるゲルマニウムを含む多結晶シリコンに対し、冷却るつぼ誘導溶融法を用い、平衡偏析係数を0.008として、該法におけるるつぼ内溶融シリコン中のガリウムの濃度が下記(3)式で与えられる濃度値DLモル%となるよう、原料のシリコンおよびガリウムを供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
DL=DS/0.008 ・・・ (3)
本発明の太陽電池用多結晶シリコンによれば、偏析の大きい成分を添加した多結晶シリコン鋳塊において、通常の鋳造法では部位による濃度変動が大きく、目標とする組成を有する部分の歩留まりが大きくないのに対し、濃度の均質な鋳塊を得ることができる。
特にゲルマニウムを含むシリコン多結晶、さらにはドーピング材としてガリウムを含有させる多結晶の場合には、変換効率は高くても目標とする組成の結晶の歩留まりが低ければ、太陽電池のコストの低減は図れないが、本発明では、組成の均質な多結晶が容易に得られることから、高効率な太陽電池が低コストで製造可能となる。
本発明のゲルマニウムを含有する太陽電池用シリコン多結晶は、冷却るつぼ誘導加熱溶融鋳造装置を用いて製造する。図2は、冷却るつぼ誘導加熱溶融鋳造装置を模式的に説明する断面構造を示す図である。
加熱用誘導コイル2の内側に、縦方向に長い内部を水冷できる銅製の板状片3を、コイルとは絶縁し、コイルの巻き軸方向とは平行で、かつコイル内では相互に絶縁して配列したものである。
誘導加熱コイル2の下端位置には下方に移動できる支持台4を設置するが、この支持台は、溶融するシリコンと同じ組成のシリコン多結晶8であってもよい。この底部の支持台と冷却板状片とによって囲まれた空間がるつぼを構成する。
支持台の上方には、溶融後下方へ引き抜くことによってるつぼ断面と同じ形状の断面を有する鋳塊すなわちシリコン多結晶が形成されるが、この鋳塊は搬送機6により下方に引き抜きが可能である。
板状冷却片3は、凝固した鋳塊の引き抜きを容易にするため、下方へ行くほどるつぼ断面が拡大されるような形状になっていることが好ましい。また、誘導加熱コイルから離れることにより急速に冷却され、温度差による収縮の相違から過大な熱応力が発生し、鋳塊に割れの発生することがあるので、要すれば誘導加熱コイルの下側に保温装置5を設置するとよい。
るつぼ上方には、溶融中に原料をるつぼ内に投入できる原料装入機9を設置する。そして、これらの諸装置は、溶融シリコンおよび高温の結晶が、大気と直接触れることのないよう、密閉容器中に設置し、容器内は真空、不活性ガス、あるいは減圧された不活性ガス雰囲気で置換して溶融鋳造が行えるようにする。
るつぼに相当する空間に溶融原料を充填し、高周波誘導電流を通じると、通電性のある原料は発熱し溶融する。高純度シリコンの場合、低温では導電性はあまり高くないので、要すれば導電性のよい高純度黒鉛のブロック10を原料上面におき、これを発熱させてシリコンを溶融させ溶融開始後は取り除く、という方法を採用してもよい。
図2において、るつぼ内の溶融シリコン7は、誘導電流により冷却板状片と反発し、るつぼの側壁とは接触せずに溶融が進行する。溶融シリコン7が十分均一化した後、支持台4あるいは凝固鋳塊8を少しずつ下方に移動させていけば、誘導コイル下端から離れることにより冷却が始まり、誘導コイル内の溶融シリコンに向けての一方向性凝固が進行する。
支持台4および凝固鋳塊8の下方への移動分に対応して溶融シリコン7の量が減少するので、その分のシリコンおよび添加元素をるつぼ上方の原料装入機から供給し、溶融液の上面が常に同じ位置にあるようにして、加熱溶融、引き抜き、原料供給を継続していけば、多結晶シリコン鋳塊を連続して製造することができる。
冷却るつぼ誘導加熱溶融鋳造装置による本発明のシリコン合金多結晶の製造は、次のようにして行われる。
多結晶に含有させる元素の含有量がCSモル%であり、その平衡偏析係数がk0であるとき、まず冷却るつぼ溶融鋳造装置のるつぼ空間に下記(1)式で求まるCLモル%の濃度となる溶融原料を装入する。
CL=CS/k0 ・・・ (1)
溶融原料は多結晶シリコンと添加元素であるが、添加元素はその金属元素そのものか、要すれば適度にシリコンにて希釈された母合金を用いればよい。このとき、ゲルマニウムとドーピング材というように2種以上の元素を添加する場合は、それぞれの元素について、それらの目標量から(1)式で求まる濃度となるように原料を配合する。
溶融原料は多結晶シリコンと添加元素であるが、添加元素はその金属元素そのものか、要すれば適度にシリコンにて希釈された母合金を用いればよい。このとき、ゲルマニウムとドーピング材というように2種以上の元素を添加する場合は、それぞれの元素について、それらの目標量から(1)式で求まる濃度となるように原料を配合する。
通電溶融し、融液が均一になった後、下方へ鋳塊を引き抜きつつ溶融原料を上から追加供給するが、そのときに供給する原料には、多結晶に含有させる濃度と同じCSモル%の添加元素が配合されているものとする。凝固して下方から引き抜かれる多結晶の元素濃度はCSモル%であるので、溶融液にCSモル%の原料を供給し溶融引き抜きを続けることにより、溶融液の濃度はCLモル%の一定に保たれつつ、CSモル%を含有する鋳塊が連続して製造できる。
原料の供給は、溶融液の量および溶融液中の添加元素濃度がほぼ一定に維持できる範囲であれば、間欠的におこなってもよい。
合金元素のゲルマニウム、あるいはボロンやリンの他、ガリウム、ヒ素、アンチモンなどのドーピング材等、偏析係数が1より小さい元素を含有する鋳造シリコン多結晶の製造に、鋳塊内の成分変動を少なくできる方法として、上記冷却るつぼ溶融鋳造方法は効果的に活用できる。
この方法が特に有効であるのは、ゲルマニウムを添加するシリコン合金多結晶、ガリウムをドーピング材として含有させるシリコン多結晶、さらにはガリウムをドーピング材とするゲルマニウム含有シリコン合金多結晶である。
シリコン多結晶をゲルマニウムを含むものとすることにより、それを用いた太陽電池の変換効率が向上する。この場合には、非特許文献1に示されるように、ゲルマニウムが平均濃度として0.1モル%から6.0モル%含有されれば、高純度シリコンに比してより高い変換効率が得られ、約3モル%を含有するとき、最も高い変換効率が得られる。
しかしながら、ゲルマニウムを、例えば最適の3モル%含有する多結晶を得ようとするとき、るつぼ内にて3モル%含有するシリコンを溶融し、これをるつぼ内または別の鋳型内で一方向凝固させると、冷却速度にもよるが偏析のためゲルマニウムの濃度が鋳塊の部位により1.3モル%から7モル%と変動したものになる。
この場合、製品としてのゲルマニウム含有量の許容範囲を仮に2.5〜3.5モル%とすると、鋳塊の40%しか良品は得られず、他の60%はこの範囲外になる。
これに対し、本発明の場合、ゲルマニウムの平衡偏析係数が0.43であるので、前記(1)式から下記(2)式を得る。
CL=CS/0.43 ・・・ (2)
ここで、CSが3モル%であるとすれば、CLは7モル%となるので、冷却るつぼ内の溶融シリコンのゲルマニウム濃度が7モル%に維持されるように冷却るつぼ上部から溶融原料を供給し、溶融液量が一定に保たれるように加熱しつつ、るつぼから鋳塊を下方へ引き抜いていけば、平均濃度が3モル%のゲルマニウム含有シリコン多結晶が連続して製造できる。
ここで、CSが3モル%であるとすれば、CLは7モル%となるので、冷却るつぼ内の溶融シリコンのゲルマニウム濃度が7モル%に維持されるように冷却るつぼ上部から溶融原料を供給し、溶融液量が一定に保たれるように加熱しつつ、るつぼから鋳塊を下方へ引き抜いていけば、平均濃度が3モル%のゲルマニウム含有シリコン多結晶が連続して製造できる。
このように本発明の方法では、鋳塊の長さ方向全長にわたって、ほぼ同じ濃度のゲルマニウム含有シリコン多結晶が得られるので、太陽電池の基板にしたときに好ましいゲルマニウム濃度が選定されれば、目標成分濃度の基板材の収率を大幅に向上させた鋳塊を得ることができる。
ゲルマニウムの平均含有範囲は0.1モル%から6モル%とするが、これは、0.1モル%未満または6モル%を超える含有では、いずれも太陽電池の変換効率がゲルマニウムを含有させない場合と同じかそれよりも劣るからである。
太陽電池に用いるシリコン多結晶では、ドーピング材にボロンを用いる場合、長時間使用後にキャリア寿命が低下して、太陽電池の変換効率が低下するおそれのあることが知られているが、ガリウムをドーピング材に用いると、この変換効率の低下を抑止できる。
しかしながら、ガリウムは、通常用いられるボロンやリンなどに対し、平衡偏析係数が1と大きくかけ離れており、通常の鋳造法による一方向性凝固では、鋳塊位置により濃度が大きく変動する。
これに対し、前述のゲルマニウム添加と全く同じ方法で、ドーピング材としてのガリウムの添加をおこなった結果、全長にわたって濃度変動の少ない鋳塊を得ることができる。すなわち、ガリウムの濃度の目標値がDSであるとすれば、下記(3)式から溶融液中のガリウム濃度をDSの一定になるよう、始めの溶融および、溶融原料の供給をおこなう。
DL=DS/0.008 ・・・ (3)
ドーピング材を多結晶シリコン鋳塊の全長にわたって一定の濃度に含有させることに関して、このガリウムのように平衡偏析係数が1よりも大きくかけ離れている場合、本発明の冷却るつぼ誘導溶融鋳造装置を用いる方法は特に効果がある。しかし、他のボロン、リン、ヒ素、アンチモンなどのドーピング材添加に適用しても従来の鋳造法による多結晶鋳塊に比し、目的とする濃度に対して変動の小さい、良品収率の高い鋳塊を得ることができる。
ドーピング材を多結晶シリコン鋳塊の全長にわたって一定の濃度に含有させることに関して、このガリウムのように平衡偏析係数が1よりも大きくかけ離れている場合、本発明の冷却るつぼ誘導溶融鋳造装置を用いる方法は特に効果がある。しかし、他のボロン、リン、ヒ素、アンチモンなどのドーピング材添加に適用しても従来の鋳造法による多結晶鋳塊に比し、目的とする濃度に対して変動の小さい、良品収率の高い鋳塊を得ることができる。
これらの場合、それぞれの元素の平衡偏析係数に基づき、目標とするドーピング濃度から、溶融液中の濃度および追加する溶融原料の配合量を選定すればよい。
また、ゲルマニウムを含有しかつガリウムをドーピング材とする場合のように、2種以上の元素を含有させる場合、それぞれの元素の目標濃度に対して、それらの平衡偏析係数から、溶融液の濃度および溶融原料の配合を選定すれば、いずれの元素に対しても鋳塊の長さ方向の濃度変動の小さい多結晶を得ることができる。
(実施例1)
図2にその断面構造を模式的に示した冷却るつぼ誘導溶融鋳造装置を用いて、ゲルマニウム含有合金多結晶の製造を実施した。加熱用誘導コイル内の冷却板状片は、内側の水平断面が一辺16cmの正方形に配置され、誘導コイルの有効高さは16cmである。誘導コイルの下端位置に表面に窒化珪素粉末を塗布した一辺16cmの正方形の黒鉛製支持台を挿入し、誘導コイル内に正立方体形状のるつぼ相当空間を形成させている。
図2にその断面構造を模式的に示した冷却るつぼ誘導溶融鋳造装置を用いて、ゲルマニウム含有合金多結晶の製造を実施した。加熱用誘導コイル内の冷却板状片は、内側の水平断面が一辺16cmの正方形に配置され、誘導コイルの有効高さは16cmである。誘導コイルの下端位置に表面に窒化珪素粉末を塗布した一辺16cmの正方形の黒鉛製支持台を挿入し、誘導コイル内に正立方体形状のるつぼ相当空間を形成させている。
このるつぼ相当空間内に、原料の小塊状のシリコンを8.376kgおよびゲルマニウムを1.624kg、すなわちゲルマニウム6.98モル%(16.24質量%)の溶融原料10kgを装入し、密閉容器内を10Pa以下に真空排気した後、アルゴンガスを大気圧まで充填し、20kHzの高周波電流にて加熱電力250kWで溶融をおこなった。
定常な溶融状態に達してから、支持台を毎分2.0mmの速度で降下させ、それとともに、るつぼ内溶融シリコンの上面がほぼ一定の位置に保たれるよう、ゲルマニウムを3モル%(7.4質量%)配合した粒状の原料を、るつぼ上方から継続して追加投入した。
ゲルマニウム添加シリコン多結晶の鋳塊の長さが200cmに達した後、降下速度を遅くして毎分1.0mmと1/2にさげ、上方から投入する原料は、ゲルマニウムを加えずシリコンのみで毎分48gとし、さらに10cm降下させた後冷却した。これは、溶融終了時、濃度の高い融液が残存し、凝固すると多結晶に濃度の高い部分ができるので、これをできるだけ少なくするためである。冷却後の鋳塊の長さは216cmであった。
得られた鋳塊は長さ方向に垂直な面で切断して、板状試片を切り出し、平均濃度を求めた。結果を図3に示す。また、鋳塊のほぼ中央部から採取した試片にて、1cm間隔の格子の交点位置256点で、蛍光X線分析にてゲルマニウム濃度を分析し、局所的なゲルマニウムの濃度分布を調査した。この結果を図4に示す。
図3から明らかなように、本発明のゲルマニウムシリコン多結晶は、鋳塊の位置によるゲルマニウムの平均濃度の変動がきわめて小さい。この場合、鋳造した多結晶の97%の部分で目標としたゲルマニウム3モル%のシリコン多結晶が得られていることがわかる。
ゲルマニウムを多く含む合金を凝固させるとき、融液の液相と凝固して多結晶になった固相とは、完全に平衡である理想状態では図1に示した濃度の関係が成り立つ。しかしながら、現実には、液相と固相とでは元素の拡散速度が大きく異なり、拡散不十分で濃度元素が偏在のまま凝固冷却が進行し、また一方向凝固をさせているため液相と固相のいずれにも温度不均一があることなどから、微視的には元素の濃度が十分に均一化されないままに結晶化してしまう。
このため、例えば鋳塊の横断面全面のようなマクロ的な平均濃度は同じであっても、局所的には濃度のかなりの変動が生じる。図4はこのような微視的な濃度変動を調べたものであり、鋳塊の平均濃度に対し、局所的なゲルマニウム含有量の変動も少なく、1.0から5.0モル%の範囲に分布している。すなわち局所的にも、変換効率を低下させる部分がないことがわかる。
以上の説明のように、冷却るつぼ誘導溶融鋳造装置を用いた合金多結晶の製造では、ゲルマニウム含有多結晶シリコンを安定して製造することができるが、この合金系に限定されるものではなく、シリコン太陽電池基板に用いるシリコン合金の製造において、シリコンと錫の合金、およびシリコン、ゲルマニウムと錫の三元系合金の鋳造法にも適用できる。これは、シリコン、ゲルマニウム、錫はともに周期律表における4価の元素に属し、同時に各元素とも結晶構造的には正方晶系のダイアモンド構造を有することによるものと推測される。
(実施例2)
実施例1と同じ装置を用い、同じくゲルマニウムを3モル%含有するゲルマニウム含有シリコン多結晶において、ドーピング材にガリウムを添加した。
(実施例2)
実施例1と同じ装置を用い、同じくゲルマニウムを3モル%含有するゲルマニウム含有シリコン多結晶において、ドーピング材にガリウムを添加した。
この場合、目標とする電気抵抗値は1Ω・cmから2Ω・cmで、含有量は約0.00002モル%である。平衡偏析係数は0.008なので、これに対して溶融状態で0.0025モル%とする必要がある。
まず、溶融原料としてゲルマニウム6.98モル%(16.24質量%)、残部シリコンの原料を7.2kgと、ガリウムを0.27質量%含有する母合金165gをるつぼ空間内に装入した。真空排気しアルゴンガスを充填した後、高周波電流を通じた。この場合、装入した原料の上方に表面を窒化珪素粉末にて被覆した黒鉛塊をおき、黒鉛塊が赤熱してシリコンが溶融してから黒鉛塊を除去した。
定常な溶融状態に達してから、支持台を毎分2.0mmの速度で降下させた。それとともに、シリコン、ゲルマニウムおよびガリウムを含む母合金の、鋳塊と同じ組成に配合した溶融原料を上方から継続して投入し、溶融液の表面位置がほぼ一定になるようにした。
鋳塊の長さが100cmに達してから降下速度を毎分1.0mmに下げ、投入する原料はシリコンのみとしてその量を毎分5.9gとし、鋳塊の長さが106cmに達してから全量を凝固させた。冷却後の鋳塊長さは114cmであった。
得られた鋳塊にて長さ方向に垂直な面で切断して、板状試片を切り出し鋳塊の長さ位置における電気抵抗を測定した。結果を図5に示す。
図5から明らかなように、得られたガリウムをドーピング材とするゲルマニウム含有シリコン多結晶鋳塊は、その長さのほぼ97%の部分で、目標とする電気抵抗値を示している。
本発明の太陽電池用合金多結晶シリコンおよびその製造方法によれば、偏析の大きい成分を添加した多結晶シリコン鋳塊において、通常の鋳造法では部位による濃度変動が大きく、目標とする組成を有する部分の歩留まりが大きくないのに対し、濃度の均質な鋳塊を得ることができる。
特にゲルマニウムを含むシリコン多結晶、さらにはドーピング材としてガリウムを含有させる多結晶の場合には、変換効率は高くても目標とする組成の結晶の歩留まりが低ければ、太陽電池のコストの低減は図れないが、本発明では、組成の均質な多結晶が容易に得られることから、高効率な太陽電池が低コストで製造可能となることから、ゲルマニウム含有太陽電池用多結晶シリコンとして、広く利用することができる。
1:密閉容器、 2:加熱用誘導コイル
3:板状冷却片、 4:支持台
5:保温装置、 6:鋳塊搬送機
7:溶融液(るつぼ相当部)、 8:鋳塊(多結晶シリコン)
9:原料装入機、 10:黒鉛発熱体
3:板状冷却片、 4:支持台
5:保温装置、 6:鋳塊搬送機
7:溶融液(るつぼ相当部)、 8:鋳塊(多結晶シリコン)
9:原料装入機、 10:黒鉛発熱体
Claims (6)
- 冷却るつぼ誘導溶融法にて連続的に溶融鋳造して製造されたことを特徴とする、ゲルマニウムを含有する太陽電池用多結晶シリコン。
- ゲルマニウムの含有量が0.1〜6.0モル%であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用多結晶シリコン。
- ゲルマニウムの含有量が0.1〜6.0モル%で、ドーピング材としてガリウムを含有させたことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用多結晶シリコン。
- 合金成分、ドーピング材等の他元素を含有させた太陽電池用多結晶シリコンの溶融鋳造において、該元素の目標濃度をCSモル%、その元素の平衡偏析係数をk0とするとき、冷却るつぼ誘導溶融法により、シリコン融液中の該元素の濃度CLモル%が下記(1)式で保たれるように溶融原料を供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする、太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
CL=CS/k0 ・・・ (1) - 目標とするゲルマニウム含有量がCSモル%である多結晶シリコンに対し、冷却るつぼ誘導溶融法を用い、平衡偏析係数を0.43として、該法におけるつぼ内溶融シリコン中のゲルマニウムの濃度が下記(2)式で与えられる濃度値CLモル%となるよう、原料のシリコンおよびゲルマニウムを供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
CL=CS/0.43 ・・・ (2) - 目標とするドーピング材のガリウム含有量がDSモル%であるゲルマニウムを含む多結晶シリコンに対し、冷却るつぼ誘導溶融法を用い、平衡偏析係数を0.008として、該法におけるるつぼ内溶融シリコン中のガリウムの濃度が下記(3)式で与えられる濃度値DLモル%となるよう、原料のシリコンおよびガリウムを供給しつつ連続的に溶融鋳造することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
DL=DS/0.008 ・・・ (3)
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