JP2007009300A - 冷間巻ばね用線材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面脱炭層が少なく、材料が軟質であるという相反する性質を備えた高品質の冷間巻ばね用線材の製造方法を提供する。
【解決手段】 熱間にて圧延された線材14をコイル状に巻回してコンベア18上に展開し且つ搬送する過程で冷却する冷却工程が、(a) 線材14の共析変態点付近まで急冷する急冷工程P4と、(b) その急冷工程P4により急冷された線材14をその急冷工程P4の冷却速度よりも低い冷却速度で徐冷する徐冷工程P5とを、含むことから、圧延後の線材14はA3線とA1線(共析変態点温度)との間の脱炭領域を速やかに通過させられることによりフェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされるとともに、徐冷工程P5による徐冷によって十分に軟化されて常温加工性が高められるので、表面脱炭層が少なく且つ軟質であるという相反する性質を備えた高品質の冷間巻ばね用線材14が得られる。
【選択図】 図2
【解決手段】 熱間にて圧延された線材14をコイル状に巻回してコンベア18上に展開し且つ搬送する過程で冷却する冷却工程が、(a) 線材14の共析変態点付近まで急冷する急冷工程P4と、(b) その急冷工程P4により急冷された線材14をその急冷工程P4の冷却速度よりも低い冷却速度で徐冷する徐冷工程P5とを、含むことから、圧延後の線材14はA3線とA1線(共析変態点温度)との間の脱炭領域を速やかに通過させられることによりフェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされるとともに、徐冷工程P5による徐冷によって十分に軟化されて常温加工性が高められるので、表面脱炭層が少なく且つ軟質であるという相反する性質を備えた高品質の冷間巻ばね用線材14が得られる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、冷間巻ばね用線材の製造方法関するものである。
熱間において圧延された線材をコイル状に巻回し、コンベア上に展開して搬送する過程で冷却する冷却工程を有する冷間巻ばね用線材の製造方法が知られている。このような冷間巻ばね用線材は、車両の懸架装置のコイルばねに用いられる。近年、このような用途における冷間巻ばね用線材は、合金添加を用いないで低コストを維持しつつ、ばねの寿命を低下させないために表面脱炭層を少なくし、且つ塑性加工による冷間加工性を高めるために軟質とするという相反する性質が要求される。
これに対し、特許文献1が提案されている。この特許文献1は、熱間圧延により圧延された線材ではあるが、Cr、Mo、NiおよびMnなどを多く含む焼き入れ性の高い合金鋼であっても、圧延のままで軟質組織が得られ且つ表面にフェライト脱炭の少ない線材を得るために、900〜1250°に加熱した後で仕上げ前の圧延を表面温度650〜750°且つ60秒以下で行い、最終仕上げ圧延を表面温度700〜900°且つ減面率30%で行い、直ちに表面温度がMs点を超え且つ850℃以下になるように冷却し、レーイング式巻取機で巻き取って10〜50本/mのリング密度でコンベア上に展開し、その最低温度部の温度が650℃以上で且つ最高温度の温度が800℃以下になるまで冷却し、次いで、リング密度を150〜500本/mとし、0.15〜2℃/秒の速度で徐冷する技術を提案している。
また、特許文献2が提案されている。この特許文献2は、コイルばねへの製造後において安定した疲労強度が確保できるフェライト脱炭の少ない線材を得るために、熱間圧延に際して、仕上げ圧延を表面温度が800〜1000°の温度範囲で終了させた後、巻き取り後の冷却過程において、冷却条件を急変させることなく空冷以下の速度で変態完了まで冷却する技術を提案している。
特開2000−256740号公報
特開2003−268453号公報
ところで、上記特許文献1および特許文献2において提案されている技術はいずれも圧延中の温度と冷却中の温度を共に制御するものである。また、上記特許文献1にて提案されているばね鋼の製造方法では、圧延とレーイング式巻取機との間で表面温度がMs点を超え且つ850℃以下になるように冷却する工程が必要であり、圧延から線材を巻き取ってコンベア上で冷却する過程のみでは対処できないことから、工程が複雑であるという問題があった。また、上記特許文献2にて提案されているばね鋼線材の製造方法では、巻き取り後の冷却過程において、冷却条件を急変させることなく空冷以下の速度で変態完了まで冷却する技術であるため、季節要因に大きく影響されるだけでなく表面脱炭層が大きくなるという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、熱間圧延後の冷却条件の工夫によって、表面脱炭層を少なくし、且つ塑性加工による冷間加工性を高めるために軟質とするという相反する性質を備えた高品質の冷間巻ばね用線材の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、圧延後の冷却期間において、線材の共析変態点付近まで急冷した後で、積極的に徐冷すると、表面脱炭層が少なくなりしかも材料が軟質となるという事実を見出した。本発明はそのような知見に基づいて為されたものである。
すなわち、請求項1に係る発明の要旨とするところは、熱間圧延された線材をコイル状に巻回してコンベア上に展開し且つ搬送する過程で冷却する冷却工程を有する冷間巻ばね用線材の製造方法であって、該冷却工程は、(a) 前記線材の共析変態点付近まで急冷する急冷工程と、(b) その急冷工程により急冷された前記線材をその急冷工程における冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する徐冷工程とを、含むことにある。
また、請求項2に係る発明は、前記急冷工程が、前記線材の少なくとも脱炭領域において2℃/秒以上の冷却速度で該線材を急冷させるものであることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記徐冷工程が、すくなくともパーライト変態終了温度まで1.0℃/秒以下の冷却速度で前記線材を徐冷するものであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記線材が、質量%で、C:0.40〜0.61%、Si:1.50〜2.20%、Mn:0.60〜1.00%、P:0〜0.035%、S:0〜0.035%、Cu:0〜0.30%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成るばね鋼であることを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明によれば、熱間にて圧延された線材をコイル状に巻回してコンベア上に展開し且つ搬送する過程で冷却する冷却工程が、(a) 前記線材の共析変態点付近まで急冷する急冷工程と、(b) その急冷工程により急冷された前記線材をその急冷工程の冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する徐冷工程とを、含むことから、圧延後の線材はA3線とA1線(共析変態点温度)との間の脱炭領域を速やかに通過させられることによりフェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされるとともに、徐冷工程による徐冷によって十分に軟化されて常温加工性が高められるので、表面脱炭層が少なく且つ軟質であるという相反する性質を備えた高品質の冷間巻ばね用線材が得られる。この冷間巻ばね用線材は、脱炭層が少なく、高い冷間加工性を備えたものとなる。
また、請求項2に係る発明では、前記急冷工程が、前記線材の少なくとも脱炭領域において2℃/秒以上の冷却速度でその線材を急冷させるものであることから、圧延後の線材がA3線とA1線との間の脱炭領域を速やかに通過させられることによりフェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされる。
また、請求項3に係る発明は、前記徐冷工程が、すくなくともパーライト変態終了温度まで1.0℃/秒以下の冷却速度で前記線材を徐冷するものであることから、その徐冷によって十分に軟化されるので、線材の常温加工性が高められるのでコイルばねとしての冷間成形が容易になる。
また、請求項4に係る発明は、前記線材が、質量%で、C:0.40〜0.61%、Si:1.50〜2.20%、Mn:0.60〜1.00%、P:0〜0.035%、S:0〜0.035%、Cu:0〜0.30%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成るばね鋼であることから、脱炭の発生が少なく、高い冷間加工性を備えたばね用鋼が得られる。
ここで、前記熱間圧延は、たとえば、900〜1250℃において圧延されるものであり、種々の圧延温度が選択され得る。
また、好適には、前記急冷工程は、圧延後にコンベア上で搬送される線材を、フェライトの析出による脱炭を可及的に少なくするために、そのフェライトの析出が終了する共析変態点付近すなわちA3変態終了温度付近まで急冷するものであるが、必ずしも共析変態点を下回るまで急冷する必要はなく、A3線とA1線との間の脱炭領域の少なくとも一部を速やかに通過させられるように急冷する点に意義がある。
また、好適には、前記徐冷工程は、急冷工程により急冷された前記線材をその急冷工程の冷却速度よりも低い冷却速度で徐冷するものであるが、パーライト相中における時間を長くして、パーライト変態を促進する点に意義がある。すなわち、上記冷却工程は、共析変態点より低く且つパーライト変態終了温度A0よりも高い温度領域内において、パーライト変態を促進する必要かつ十分な時間だけ維持するものである。これにより、十分に軟化されて常温加工性が高められるので、軟質の冷間巻ばね用線材が得られる。
また、好適には、前記急冷工程は、前記コンベア上の線材に対してブロアを用いて空気を吹きつけることにより前記線材を急冷させるものであるが、必ずしもこのようなブロアによる送風冷却構造に限られない。
また、好適には、前記急冷工程は、圧延後の線材がA3線とA1線との間の脱炭領域を速やかに通過させために、少なくともその脱炭領域において、2℃/秒以上、好ましくは3℃/秒以上、さらに好適には4℃/秒以上の冷却速度で、前記コンベア上の線材を急冷させる。冷却速度が高いほど、A3線とA1線との間の脱炭領域を速やかに通過させられるので、フェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされる。
また、好適には、前記徐冷工程は、フードで覆われた空間内においてヒータを用いて前記コンベア上の線材を常温放置よりも積極的に徐冷するものであるが、そのヒータは、輻射加熱を主体とする遠赤外線ヒータが好適に用いられるが、温風を発生させるセラミックヒータを用いるなど、常温放置よりも積極的に温度を保持して緩やかに徐冷させる種々の徐冷構造が用いられ得る。
また、好適には、前記徐冷工程は、パーライト変態終了温度付近まで1.0/秒以下、好ましくは0.6℃/秒以下の冷却速度で前記線材を徐冷するものである。冷却速度が遅いほど、パーライト変態が促進されて機械的性質が軟質で常温加工すなわち、コイルばねの冷間での成形が容易な線材が得られる。
また、好適には、前記徐冷工程は、線材をパーライト変態終了点付近まで徐冷させるが、。必ずしもパーライト変態終了点を下回るまで徐冷する必要はなく、軟質であることを示す大きな絞り(Ra%)値が得られるまでパーライト相内で徐冷されればよい。
また、好適には、前記線材には、炭素Cが0.7質量%以下の低炭素鋼であって、珪素Siが1.0質量%以上の高Si鋼が好適に用いられる。たとえば、質量%で、C:0.40〜0.61%、Si:1.50〜2.20%、Mn:0.60〜1.00%、P:0〜0.035%、S:0〜0.035%、Cu:0〜0.30%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成るばね鋼が上記線材に好適に用いられるが、必ずしも、この化学成分に限られない。なお、必要に応じて、Niを1%以下、Crを0.60%以下、Vを0.30%以下の範囲で適宜添加しても良い。
図1は、熱間圧延後の冷却装置を説明する図である。図1において、たとえば30〜70%、好ましくは50%程度の所定の減面率で圧延されて圧延装置12から出力された冷間巻ばね用線材(以下線材という)14は、傾斜した軸線まわりに回転させられるレーイングヘッド16によってループ状に巻回されつつ、コンベア18上に重ねた状態で展開される。コンベア18は、ループ状に巻回され且つ重ねられた線材14を搬送するように、僅かに傾斜した複数のループコンベアLC1乃至LC9が一列に連ねられることにより構成されている。
図1のコンベア18において、圧延装置12に隣接して配置されているループコンベアLC1乃至LC4の搬送区間には、複数台のブロア20が設けられ、空気がループコンベアLC1乃至LC4上の線材14を強制冷却するためにその線材14に対して空気(大気)が強制的に吹きつけられる。このループコンベアLC1乃至LC4上での搬送工程が、線材14を急冷するための急冷工程に対応している。
上記ループコンベアLC1乃至LC4に続いて配置されたループコンベアLC5乃至LC8には、それらループコンベアLC5乃至LC8上の線材14を覆うフード22と、そのフード22の内壁面に取り付けられて、そのフード22で覆われた空間内において線材14を徐冷するために加熱する複数個のヒータ24とが設けられている。このフード22で覆われたループコンベアLC5乃至LC8上での線材14の搬送工程が、大気中放置のような自然冷却よりも積極的に線材14を保温しつつ徐冷する徐冷工程に対応している。
上記フード22の入口および出口には、線材14の温度を検出するための入口温度センサ26および出口温度センサ28が設けられている。図示しない制御装置は、入口温度センサ26および出口温度センサ28により検出された線材14の温度を表示させるだけでなく、後述の徐冷工程P5における冷却曲線が得られるようにヒータ24の出力を制御し、ループコンベアLC5乃至LC8の速度を制御する。
図2は、上記線材14の製造工程の要部を説明する工程図である。図2において、鋼片整検工程P1では、たとえば、質量%で、C:0.48%、Si:2.00%、Mn:0.70%、Cu:0.20%、Ni:0.60%、V:0.20%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成るばね鋼の素材に対して、傷取りが施され且つ形状が整えられる。次いで、加熱工程P2では、上記素材に対して、所定の加熱炉内で900〜1250℃の加熱が施される。この加熱では、たとえば1000℃に上記素材が加熱される。熱間圧延工程P3では、前記圧延装置12において、全域で950℃以上の温度で素材に対して圧延が施され、所定の断面寸法の線材14とされる。急冷工程P4では、前記ループコンベアLC1乃至LC4上において複数台のブロア20からの送風により線材14が3.0℃/秒以上の冷却速度で、直ちに急冷が施される。そして、徐冷工程P5では、続くループコンベアLC5乃至LC8上において、フード22で覆われるとともにヒータ24により必要に応じて熱が供給されることにより、1.0℃/秒以下の冷却速度でパーライト変態終了点付近まで徐冷される。次いで、必要に応じて寸法や表面のキズの検査が行われる。
図3は、上記急冷工程P4および徐冷工程P5における線材14の温度変化を実線の冷却曲線で示している。破線は、従来のコンベア18上における線材14の等速冷却の冷却曲線を示す。また、図3において、二点鎖線は、オーステナイト相でフェライトの析出が開始されるA3変態開始点の温度に対応するA3線を示し、三点鎖線は、フェライトの析出が終了する共析変態点として知られるA3変態終了点の温度に対応するA1線を示し、一点鎖線は、パーライト変態終了点の温度に対応するA0線を示している。図3において、破線は従来の工程で製造された線材14の等速冷却による冷却曲線を示し、実線は本実施例の工程P1乃至P5で製造された線材14の冷却曲線を示している。図3において、実線に示す冷却曲線の変曲点Sよりも高温側が急冷工程P4での冷却曲線であり、変曲点Sよりも低温側が徐冷工程P5での冷却曲線である。この変曲点Sは上記共析変態点(A3変態終了点)に対応するA1線上またはその近傍に位置している。
図4はFe−C系の平衡状態図のうち、炭素の割合が1.0%以下の領域を拡大して示す図である。この図4と対比して説明すると、上記図3の破線にて示される従来の工程で製造された線材14の冷却曲線によれば、A3変態開始点から共析変態点温度A1までのオーステナイト相とフェライト相との2相温度領域であるフェライト脱炭領域を速やかに通過させられるとともに、共析変態点温度A1からパーライト変態終了点A0までのパーライト相温度領域も速やかに通過させられることから、表面フェライト層が少ないもののパーライト変態が不充分であるために充分な軟質な材料が得られなかった。これに対し、図3の実線に示す本実施例の工程P1乃至P5で製造された線材14の冷却曲線によれば、急冷工程P4により上記フェライト脱炭領域では速やかに通過させられるとともに、徐冷工程P5により上記パーライト相領域では緩やかに時間をかけて通過させられるので、表面フェライト層が少なくしかも充分なパーライト変態により常温加工に対して充分な軟質のばね用線材が得られた。
以下において、フェライト脱炭量D(F)(mm)、および機械的性質を示す絞りRa(%)について、上記従来と本実施例の工程で製造された線材14のそれぞれについて、本発明者等が行った測定結果を、図5乃至図8を用いて説明する。図5および図6は上記従来の工程で製造された線材14におけるフェライト脱炭量D(F)(mm)および絞りRa(%)を示す。これによれば、フェライト脱炭量D(F)(mm)については規格値0.02mmを超えるものがある程度存在するとともに、絞りRa(%)については規格値40%を下回るものもある程度存在した。しかしながら、本実施例の工程で製造された線材14では、図7および図8に示すように、フェライト脱炭量D(F)(mm)については規格値0.02mmよりも大幅に低いものばかりとなるとともに、絞りRa(%)については規格値40%を下回るものも皆無となった。
上述のように、本実施例によれば、熱間にて圧延された線材14をコイル状に巻回してコンベア18上に展開し且つ搬送する過程で冷却する冷却工程が、(a) 線材14の共析変態点付近まで急冷する急冷工程P4と、(b) その急冷工程P4により急冷された線材14をその急冷工程P4の冷却速度よりも低い冷却速度で徐冷する徐冷工程P5とを、含むことから、圧延後の線材14はA3線とA1線(共析変態点温度)との間の脱炭領域を速やかに通過させられることによりフェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされるとともに、徐冷工程P5による徐冷によって十分に軟化されて常温加工性が高められるので、表面脱炭層が少なく且つ軟質であるという相反する性質を備えた高品質の冷間巻ばね用線材14が得られる。この冷間巻ばね用線材は、高い冷間加工性を備えたものとなる。
また、本実施例によれば、急冷工程P4が、コンベア18上の線材に対してブロア20を用いて空気を吹きつけることにより線材14を急冷させるものであることから、比較的簡単な設備で容易に急速冷却が可能となる。
また、本実施例によれば、急冷工程P4が、線材14の少なくとも脱炭領域において2℃/秒以上の冷却速度で該線材を急冷させるものであることから、圧延後の線材14がA3線とA1線との間の脱炭領域を速やかに通過させられることによりフェライトの析出すなわち表面脱炭層の形成が可及的に少なくされる。
また、本実施例によれば、徐冷工程P5が、フード22で覆われた空間内においてヒータ24を用いてコンベア18上の線材14を徐冷するものであることから、比較的簡単な設備で容易に急速冷却が可能となる。
また、本実施例によれば、徐冷工程P5が、すくなくともパーライト変態終了温度まで1.0℃/秒以下の冷却速度で前記線材を徐冷するものであることから、その徐冷によって十分に軟化されるので、線材の冷間加工性が高められる。
また、本実施例によれば、線材14が、質量%で、C:0.40〜0.61%、Si:1.50〜2.20%、Mn:0.60〜1.00%、P:0〜0.035%、S:0〜0.035%、Cu:0〜0.30%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成る化学組成内のものであるので、疲労寿命が長く、高い冷間加工性を備えたばね用鋼が得られる。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
14:冷間巻ばね用線材(線材)
18:コンベア
20:ブロア
22:フード
24:ヒータ
P4:急冷工程
P5:徐冷工程
18:コンベア
20:ブロア
22:フード
24:ヒータ
P4:急冷工程
P5:徐冷工程
Claims (4)
- 熱間圧延された線材をコイル状に巻回し、コンベア上に展開して搬送する過程で冷却する冷却工程を有する冷間巻ばね用線材の製造方法であって、該冷却工程は、
前記線材の共析変態点付近まで急冷する急冷工程と、
該急冷工程により急冷された前記線材を、該急冷工程における冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する徐冷工程と
を、含むことを特徴とする冷間巻ばね用線材の製造方法。 - 前記急冷工程は、前記線材の少なくとも脱炭領域において2℃/秒以上の冷却速度で該線材を急冷させるものである請求項1の冷間巻ばね用線材の製造方法。
- 前記徐冷工程は、すくなくともパーライト変態終了温度まで1.0℃/秒以下の冷却速度で該線材を徐冷するものである請求項1または2のいずれかの冷間巻ばね用線材の製造方法。
- 前記線材は、質量%で、C:0.40〜0.61%、Si:1.50〜2.20%、Mn:0.60〜1.00%、P:0〜0.035%、S:0〜0.035%、Cu:0〜0.30%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成るばね鋼である請求項1乃至3のいずれかの冷間巻ばね用線材の製造方法。
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